JP2011011589A - 車両運動制御装置 - Google Patents

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    • B60T2230/03Overturn, rollover

Abstract

【課題】ロール角がロール限界値に達する可能性をより低くでき、横転抑制効果をより高くできるようにする。
【解決手段】横転抑制制御を実行する際に、目標スリップ率Strgを横転抑制モードが設定されている期間中における横加速度Gyの絶対値の最大値Gmaxに応じて設定する。これにより、実スリップ率が目標スリップ率Strgに近づいて横加速度Gyが低下したとしても、低下した横加速度Gyによって目標スリップ率Strgが更新されず、実スリップ率を高いスリップ率に維持できる。このため、積極的に横方向のスリップを発生させて、横滑り状態を継続させることが可能となる。したがって、実スリップ率の低下によって横加速度Gyが増加してピーク値を取るときに近づくことを抑制でき、車両が横転する可能性があるロール限界値にロール角が達することを抑制できると共に、横転抑制効果をより高くすることが可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両の横転方向の運動状態に基づいて目標スリップ率を設定し、その目標スリップ率に基づいて実際のスリップ率(以下、実スリップ率という)を制御することで、車両の横転を抑制する車両運動制御装置に関するものである。
従来、特許文献1において、緊急回避操舵状態であると、旋回外輪前輪の目標スリップ率を通常よりも高い値に設定し、路面摩擦係数(以下、μという)が高い高μ時のスピン制御の場合よりも高い目標スリップ率に基づき、旋回外側前輪の制動力を制御することが開示されている。具体的には、車両の横方向の加速度(以下、横加速度という)に相当する慣性モーメントが大きくなるほど補正係数を大きくし、目標スリップ率が大きくなるように補正している。
特許第4084248号公報
図8は、旋回外側前輪におけるスリップ率と横加速度との関係を示したグラフである。このグラフは、タイヤの特性や路面状態およぼ車両総重量等によって決まる。また、図9は、横加速度とロール角との関係を示したグラフである。
図8に示されるように、スリップ率が所定値(図8中では5%程度)の時に横加速度がピーク値を取り、それよりもスリップ率が大きくなると再び横加速度が低下する。横加速度とロール角は、図9に示されるように、車両が横転する可能性が発生する状態(以下、横転モードと言う)に至るまでは比例関係になるため、横加速度はロール角を示すパラメータとなり、図8において横加速度がピーク値を取るときには、ロール角も大きくなっていることを意味している。
上記特許文献1のように、旋回外輪前輪の目標スリップ率を高くした場合、横加速度がピーク値を取るスリップ率よりも高い値に目標スリップ率が設定されることになるため、目標スリップ率となるように実スリップ率を制御できれば、横加速度も小さくできる。
しかしながら、特許文献1では、慣性モーメント、つまり横加速度が大きくなるほど目標スリップ率が大きくされるという関係であるめ、高い目標スリップ率が設定されて横加速度が低下すると、今度は低下した横加速度と対応する補正係数が用いられることになり、この補正係数に基づいて目標スリップ率が低い値に補正される。このため、目標スリップ率の低下に伴って、図8に示したように横加速度がピーク値を取るときに近づくことになり、ロール角も増大する。このようにロール角が大きくなると、車両が横転する可能性があるロール限界値に達する可能性が高くなり、十分な横転抑制効果が得られない。特に、車両への積載が多くなって車両総重量が大きくなると、図8に示した横加速度のピーク値がより大きな値となるため、さらに横転抑制効果が少なくなる。
本発明は上記点に鑑みて、ロール角がロール限界値に達する可能性をより低くでき、横転抑制効果をより高くできる車両運動制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、運動状態取得手段(100)にて、車両の横転方向の運動状態を示す物理量(Gy)を予め決められた演算周期の都度取得し、この取得された物理量が所定の運動状態閾値(THg)以上であって、モード設定手段(200、410)にて車両の横転を抑制する横転抑制モードが設定されているときに、目標スリップ率決定手段(230、430)にて、物理量とスリップ率との関係において、当該横転抑制モードが設定されてから今回の演算周期までの期間中に取得された物理量に対応するスリップ率のうち最も大きな値に基づいて、今回の演算周期における目標スリップ率(Strg)を決定することを特徴としている。
このように、横転抑制モードが設定されている期間中における横転方向の運動状態を示す物理量に対応するスリップ率のうち最も大きな値に基づいて、目標スリップ率(Strg)を設定している。このため、実スリップ率が目標スリップ率に近づいて横転方向の運動状態を示す物理量が低下したとしても、低下した物理量によって目標スリップ率が更新されず、実スリップ率を高いスリップ率に維持することができる。このため、積極的に横方向のスリップを発生させて、横滑り状態を継続させることが可能となる。
したがって、実スリップ率の低下によって横転方向の運動状態を示す物理量が増加してピーク値を取るときに近づくことを抑制でき、車両が横転する可能性があるロール限界値にロール角が達することを抑制することができる。これにより、ロール角がロール限界値に達する可能性をより低くでき、横転抑制効果をより高くすることが可能となる。
例えば、請求項2に記載したように、物理量とスリップ率との関係を物理量の絶対値が大きいほどスリップ率が大きくなるように設定し、目標スリップ率決定手段は、モード設定手段により横転抑制モードが設定されているときに、当該横転抑制モードが設定されてから今回の演算周期までの期間中に取得された物理量の絶対値の最大値(Gmax)を取得し、物理量とスリップ率との関係において、最大値に対応するスリップ率を今回の演算周期における目標スリップ率に決定することができる。
このように、目標スリップ率を横転抑制モードが設定されている期間中における物理量の絶対値の最大値(Gmax)に応じて決定することができる。また、都度の物理量からスリップ率を求める必要がないため、演算量を低減できる。
また、請求項3に記載したように、運動状態取得手段で物理量が取得される都度、物理量とスリップ率との関係から取得した物理量と対応するスリップ率を仮目標スリップ率(Stmp)として設定する仮目標スリップ率設定手段(400)を備え、目標スリップ率決定手段は、モード設定手段により横転抑制モードが設定されているときに、当該横転抑制モードが設定されてから今回の演算周期までの期間中に仮目標スリップ率設定手段で設定された仮目標スリップ率の最大値(Smax)を目標スリップ率に決定することもできる。
このように、横転方向の運動状態を示す物理量が検出されると、その都度物理量に対応する仮目標スリップ率を求め、その最大値を目標スリップ率とすることもできる。
請求項4に記載の発明では、車両総重量が大きいほど物理量に対応するスリップ率が大きくなるように、車両総重量に応じて物理量とスリップ率との関係を変更することを特徴としている。
実スリップ率を物理量がピーク値となるスリップ率よりも大きくするほど、車両の横転をより確実に防止することができる一方で、車両の操舵性が低下する。よって、車両総重量に応じて物理量とスリップ率との関係を変更することにより、車両総重量に応じて横転防止と操舵性とのトレードオフを適正に設定できる。
請求項5に記載の発明では、運動状態取得手段(100)にて、予め決められた演算周期の都度、車両の横転方向の運動状態を示す物理量(Gy)とその時に車輪に発生している実スリップ率(Sa)を取得し、この取得された物理量が所定の運動状態閾値(THg)以上であって、モード設定手段(300)にて車両の横転を抑制する横転抑制モードが設定されているときに、目標スリップ率決定手段(330)にて、当該横転抑制モードが設定されてから今回の演算周期までの期間中において、物理量が最大値(Gmax)となったときに取得した実スリップ率を基準スリップ率(Sref)とし、該基準スリップ率に基づいて、今回の演算周期における目標スリップ率を決定することを特徴としている。
タイヤの特性や操舵角や路面状態によっては、実スリップ率と物理量との関係(図8参照)において、物理量がピークとなる実スリップ率が変動する。このため、車両総重量に応じて上述した横転防止と操舵性とのトレードオフにおいて、適切な目標スリップ率を設定できる。
例えば、請求項6に記載したように、目標スリップ率決定手段は、基準スリップ率に対して所定値(α)を加算した値を今回の演算周期における目標スリップ率として決定することができる。
この場合においても、請求項7に記載したように、車両総重量が大きいほど所定値が大きくなるようにすれば、請求項4と同様の効果を得ることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかる車両運動制御を実現する車両用のブレーキ制御システム1の全体構成を示した図である。 ブレーキECU70の信号の入出力の関係を示すブロック図である。 ブレーキECU70がプログラムに従って実行する横転抑制制御処理のフローチャートである。 目標スリップ率設定処理のフローチャートである。 本発明の第2実施形態で説明する横転抑制制御処理中の目標スリップ率設定処理で用いられる最大値Gmaxおよび車両総重量と目標スリップ率Strgとの関係の一例を示したマップである。 本発明の第3実施形態で説明する横転抑制制御処理中の目標スリップ率設定処理のフローチャートである。 本発明の第4実施形態で説明する横転抑制制御処理中の目標スリップ率設定処理のフローチャートである。 旋回外側前輪におけるスリップ率と横加速度との関係を示したグラフである。 横加速度とロール角との関係を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかる車両運動制御を実現する車両用のブレーキ制御システム1の全体構成を示したものである。本実施形態では、車両の運転制御として横転抑制制御を行う場合について説明する。
図1において、ドライバがブレーキペダル11を踏み込むと、倍力装置12にて踏力が倍力され、M/C13に配設されたマスタピストン13a、13bを押圧する。これにより、これらマスタピストン13a、13bによって区画されるプライマリ室13cとセカンダリ室13dとに同圧のM/C圧が発生する。M/C圧は、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50を通じて各W/C14、15、34、35に伝えられる。
ここで、M/C13は、プライマリ室13cおよびセカンダリ室13dそれぞれと連通する通路を有するマスタリザーバ13eを備える。
ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50は、第1配管系統50aと第2配管系統50bとを有している。第1配管系統50aは、左前輪FLと右後輪RRに加えられるブレーキ液圧を制御し、第2配管系統50bは、右前輪FRと左後輪RLに加えられるブレーキ液圧を制御する。
第1配管系統50aと第2配管系統50bとは、同様の構成であるため、以下では第1配管系統50aについて説明し、第2配管系統50bについては説明を省略する。
第1配管系統50aは、上述したM/C圧を左前輪FLに備えられたW/C14及び右後輪RRに備えられたW/C15に伝達し、W/C圧を発生させる主管路となる管路Aを備える。
管路Aは、連通状態と差圧状態に制御できる第1差圧制御弁16を備えている。この第1差圧制御弁16は、ドライバがブレーキペダル11の操作を行う通常ブレーキ時(運動制御が実行されていない時)には連通状態となるように弁位置が調整されており、第1差圧制御弁16に備えられるソレノイドコイルに電流が流されると、この電流値が大きいほど大きな差圧状態となるように弁位置が調整される。
この第1差圧制御弁16が差圧状態のときには、W/C14、15側のブレーキ液圧がM/C圧よりも所定以上高くなった際にのみ、W/C14、15側からM/C13側へのみブレーキ液の流動が許容される。このため、常時W/C14、15側がM/C13側よりも所定圧力以上高くならないように維持される。
そして、管路Aは、この第1差圧制御弁16よりも下流になるW/C14、15側において、2つの管路A1、A2に分岐する。管路A1にはW/C14へのブレーキ液圧の増圧を制御する第1増圧制御弁17が備えられ、管路A2にはW/C15へのブレーキ液圧の増圧を制御する第2増圧制御弁18が備えられている。
第1、第2増圧制御弁17、18は、連通・遮断状態を制御できる2位置電磁弁により構成されている。これら第1、第2増圧制御弁17、18は、第1、第2増圧制御弁17、18に備えられるソレノイドコイルへの制御電流がゼロとされる時(非通電時)には連通状態となり、ソレノイドコイルに制御電流が流される時(通電時)に遮断状態に制御されるノーマルオープン型となっている。
管路Aにおける第1、第2増圧制御弁17、18及び各W/C14、15の間と調圧リザーバ20とを結ぶ減圧管路としての管路Bには、連通・遮断状態を制御できる2位置電磁弁により構成される第1減圧制御弁21と第2減圧制御弁22とがそれぞれ配設されている。そして、これら第1、第2減圧制御弁21、22はノーマルクローズ型となっている。
調圧リザーバ20と主管路である管路Aとの間には還流管路となる管路Cが配設されている。この管路Cには調圧リザーバ20からM/C13側あるいはW/C14、15側に向けてブレーキ液を吸入吐出するモータ60によって駆動される自吸式のポンプ19が設けられている。モータ60はモータリレー61に備えられる半導体スイッチ61aのオンオフによってモータ60への電圧供給が制御される。
そして、調圧リザーバ20とM/C13の間には補助管路となる管路Dが設けられている。この管路Dを通じ、ポンプ19にてM/C13からブレーキ液を吸入し、管路Aに吐出することで、横転抑制制御やトラクション(TCS)制御などの運動制御時において、W/C14、15側にブレーキ液を供給し、対象となる車輪のW/C圧を加圧する。
また、ブレーキECU70は、ブレーキ制御システム1の制御系を司る本発明の車両運動制御装置に相当するもので、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従って各種演算などの処理を実行する。図2は、ブレーキECU70の信号の入出力の関係を示すブロック図である。
図2に示すように、ブレーキECU70は、各車輪FL〜RRに備えられた車輪速度センサ71〜74および横加速度センサ75からの検出信号を受け取り、各種物理量を求める。例えば、ブレーキECU70は、各検出信号に基づいて各車輪FL〜RRの車輪速度や車速(推定車体速度)、各車輪のスリップ率、横加速度を求めている。また、これらに基づいて横転抑制制御を実行するか否かを判定すると共に、横転抑制制御を実行する場合の制御対象輪を判別したり、制御量、すなわち制御対象輪のW/Cに発生させるW/C圧を求める。その結果に基づいて、ブレーキECU70が各制御弁16〜18、21、22、36〜38、41、42への電流供給制御およびポンプ19、39を駆動するためのモータ60の電流量制御を実行する。
例えば、左前輪FLを制御対象輪としてW/C圧を発生させる場合には、第1差圧制御弁16を差圧状態にしてモータリレー61をオンさせてモータ60によってポンプ19を駆動する。これにより、第1差圧制御弁16の下流側(W/C側)のブレーキ液圧は第1差圧制御弁16で発生させられる差圧により高くなる。このとき、非制御対象輪となる右後輪RRに対応する第2増圧制御弁18を遮断状態とすることで、W/C15が加圧されないようにしつつ、制御対象輪となる左前輪FLに対応する第1増圧制御弁17と第1減圧制御弁21を制御することで、W/C14に所望のW/C圧を発生させる。
具体的には、第1増圧制御弁17を遮断状態にしつつ第1減圧制御弁21の連通遮断をデューティ制御することでW/C圧の減圧を行う減圧モードと、第1増圧制御弁17および第1減圧制御弁21を共に遮断状態にしてW/C圧を保持する保持モードと、第1減圧制御得弁21を遮断状態にしつつ第1増圧制御弁17の連通遮断をデューティ制御することでW/C圧を増圧する増圧モードとを適宜切り替え、W/C圧を調整する。これにより、所望の目標スリップ率Strgが得られるように実スリップ率Saが制御される。
なお、モータ60によりポンプ39も駆動されるが、第2差圧制御弁36を差圧状態にしていなければ、ブレーキ液が循環するだけでW/C34、35は加圧されない。
以上のようにして、本実施形態のブレーキ制御システム1が構成されている。次に、このブレーキ制御システム1の具体的な作動について説明する。なお、本ブレーキ制御システム1では、通常ブレーキだけでなく、運動制御としてアンチスキッド(ABS)制御等も実行できるが、これらの基本的な作動に関しては従来と同様であるため、ここでは本発明の特徴に関わる横転抑制制御における作動について説明する。
図3は、ブレーキECU70がプログラムに従って実行する横転抑制制御処理の全体を示したフローチャートである。横転抑制制御処理は、車両に備えられた図示しないイグニッションスイッチがオンされたとき、もしくは車両走行中において、所定の演算周期ごとに実行される。
まず、ステップ100では、各種センサ信号読み込みの処理を行う。具体的には、車輪速度センサ71〜74、横加速度センサ75の検出信号等、横転抑制制御に必要な各種検出信号の読み込みを行い、それらから各物理値が求められる。これにより、各車輪FL〜RRそれぞれの車輪速度や横加速度Gyが求められると共に、各車輪速度から周知の手法によって車速(推定車体速度)が求められ、さらに車速と車輪速度の偏差(車速−車輪速度/車速)で表される実スリップ率Saが求められる。なお、横加速度Gyは、例えば右方向と左方向とで正負の符号が反転することになるが、いずれの方向を正としても良い。
続く、ステップ110では、目標スリップ率設定処理を行う。図4は、この目標スリップ率設定処理の詳細を示したフローチャートである。この図を参照して説明する。
目標スリップ率設定処理では、まず、ステップ200において、横転抑制モードであるか否かを判定する。具体的には、横転抑制制御を実行すべき基準値を閾値THgとし、ステップ100で検出した横加速度Gyがこの閾値THg以上であるか否かを判定している。ここで、肯定判定されれば横転抑制モードを設定してステップ210に進み、否定判定されれば横転抑制を行う必要が無い通常モードを設定してステップ240に進む。
ステップ210では、横転抑制モードが開始されてから今回の演算周期の時点までの期間中に検出された横加速度Gyの絶対値の最大値Gmaxよりも今回の演算周期で検出された横加速度Gyが大きいか否かを判定する。そして、大きければステップ220に進んで最大値Gmaxを今回の演算周期で検出された横加速度Gyの絶対値に更新してステップ230に進み、大きくなければ現在の最大値Gmaxを更新することなくステップ230に進む。これらの処理により、横転抑制モードが開始されてから今回の演算周期の時点までに検出された最大値Gmaxを常に記憶することができる。
ステップ230では、目標スリップ率Strgを決定する目標スリップ率決定処理を行う。目標スリップ率Strgは、最大値Gmaxに対応した値として求められる。本実施形態では、最大値Gmaxに対応する目標スリップ率Strgの関係を示したマップもしくは関数式Strg=f(Gmax)に基づいて目標スリップ率Strgを求めている。具体的には、最大値Gmaxが大きくなるほど目標スリップ率Strgが大きくなる関係とされている。ただし、本実施形態では、目標スリップ率Strgの下限値および上限値を設定してあり、最大値Gmaxが第1所定値よりも小さい場合には目標スリップ率Strgを下限値に設定し、最大値Gmaxが第1所定値よりも大きな第2所定値以上になると目標スリップ率Strgを上限値に設定する。
このように、最大値Gmaxが大きいほど、目標スリップ率Strgが大きな値となるようにしている。このため、横転抑制モードが設定されているときには、積極的にスリップを発生させて横滑り状態を継続させることになる。
一方、ステップ240では、横加速度Gyの最大値Gmaxを0に戻したのちステップ120に進む。
ステップ120では、ステップ100で求めた横加速度Gyを用いて制御量の計算を行う。ここでいう制御量の計算とは、車両に発生している横転傾向を抑制するために制御対象輪に対して制動力を発生させ、実スリップ率Saが目標スリップ率Strgとなるようにするために必要な制御量、つまり制御弁16〜18、21、22、36〜38、41、42やモータ60に流す電流量(例えば単位時間当たりの通電時間割合を示すデューティ比)等を求めるものである。この制御量(電流量)は、横加速度Gyがロール角と比例していて横転の傾向を示していることから、横加速度Gyの大きさに応じて求められ、例えばブレーキECU70内に予め記憶してある横加速度Gyと各種制御量との関係を示すマップや関数式に基づいて求められる。
また、制御対象輪については、検出された横加速度Gyの正負の符号から右旋回か左旋回かを区別できることから、その結果に基づいて旋回外側前輪を制御対象輪として設定する。なお、必要に応じて旋回外輪後輪も制御対象輪とすることができる。例えば、横加速度Gyの大きさによって、制御対象輪を前回外側前輪のみにするか旋回外側後輪も加えるかを決定することができる。
その後、ステップ130に進み、アクチュエータ駆動処理を実行する。ここでいうアクチュエータ駆動処理は、横転抑制制御により制御対象輪に対して制動力を発生させるものであり、各制御弁16〜18、21、22、36〜38、41、42への電流供給制御およびポンプ19、39を駆動するためのモータ60への電流量制御を実行する。これにより、制御対象輪に対応するW/C14、15、34、35を自動加圧し、それにより制動力が発生させられる。そして、適宜減圧モード、保持モード、増圧モードの切替えによってW/C圧が調整されることで、実スリップ率Saが設定された目標スリップ率Strgとなるように制御され、横転抑制が為される。
以上説明したように、本実施形態では、車両運動制御として横転抑制制御を実行する際に、目標スリップ率Strgを横転抑制モードが設定されている期間中における横加速度Gyの絶対値の最大値Gmaxに応じて設定している。このため、実スリップ率が目標スリップ率Strgに近づいて横加速度Gyが低下したとしても(図8参照)、低下した横加速度Gyによって目標スリップ率Strgが更新されず、実スリップ率を高いスリップ率に維持することができる。このため、積極的に横方向のスリップを発生させて、横滑り状態を継続させることが可能となる。
したがって、実スリップ率の低下によって横加速度Gyが増加してピーク値を取るときに近づくことを抑制でき、車両が横転する可能性があるロール限界値にロール角が達することを抑制することができる。これにより、ロール角がロール限界値に達する可能性をより低くでき、横転抑制効果をより高くすることが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して目標スリップ率Strgの設定手法を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態の車両用のブレーキ制御システム1でも、ブレーキECU70にて第1実施形態と同様の横転抑制制御処理を実行するが、横転抑制制御処理中の目標スリップ率設定処理において、目標スリップ率Strgを最大値Gmaxと車両総重量に応じて決定している。車両総重量については、例えば、図2中に示したように、サスペンション等に備えられる荷重センサ76の検出信号に基づいて検出している。
図5は、本実施形態のブレーキECU70が実行する横転抑制制御処理中の目標スリップ率設定処理で用いられる最大値Gmaxおよび車両総重量と目標スリップ率Strgとの関係の一例を示したマップである。
この図に示されるように、最大値Gmaxが大きくなるほど目標スリップ率Strgを大きくすると言う点については第1実施形態と同様であるが、さらに、車両総重量が大きいほど目標スリップ率Strgを大きくしている。すなわち、車両総重量が大きくなるほど、図8に示した横加速度のピーク値がより大きな値となるため、車両総重量が小さい場合と比較して横転し易くなる。このため、車両総重量に応じて目標スリップ率Strgを変更し、車両総重量が大きくなるほど最大値Gmaxに対応する目標スリップ率Strgの関係が大きくなる関係のマップ(もしくは関数)を用いて、目標スリップ率Strgを設定するようにしている。
このように、車両総重量に応じて横加速度Gyと目標スリップ率Strgとの関係を変更することにより、より車両総重量に対応した目標スリップ率Strgを設定することが可能となり、車両総重量が大きな車両についても横転抑制効果を十分に得ることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態も、第1実施形態に対して目標スリップ率Strgの設定手法を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
上記第1実施形態では、予めマップもしくは関数式で求めておいた横加速度Gyの絶対値の最大値Gmaxと目標スリップ率Strgの関係に基づいて、横転抑制モードが設定されてからの期間中の最大値Gmaxと対応する目標スリップ率Strgをマップもしくは関数式から求めている。これに対し、本実施形態では、横加速度Gyの絶対値が最大値Gmaxを取るときの実スリップ率Saに基づいて目標スリップ率Strgを設定する。
本実施形態の車両用のブレーキ制御システム1でも、ブレーキECU70にて第1実施形態と同様の横転抑制制御処理を実行するが、目標スリップ率設定処理として図4に代えて図6のフローチャートに示す処理を行う。
図6は、本実施形態の車両用のブレーキ制御システム1のブレーキECU70がプログラムに従って実行する横転抑制制御処理中の目標スリップ率設定処理のフローチャートである。この図は、第1実施形態で示した図4の横転抑制制御処理におけるステップ220、230の処理を変更したものである。
具体的には、ステップ300、310では、図4のステップ200、210と同様の処理を行うが、ステップ320、330では、図4のステップ220、230と異なる処理を行う。すなわち、ステップ320では、今回検出した横加速度Gyがそのとき記憶されていた最大値Gmax以上であると判定されたときに、最大値Gmaxを今回検出した横加速度Gyの絶対値に更新すると共に、今回検出された実スリップ率Saを基準スリップ率Srefとして記憶する。そして、ステップ330に進み、目標スリップ率Strgをステップ320で記憶した基準スリップ率Srefに基づいて演算する。ここでは、基準スリップ率Srefに対して予め決めておいた所定値αを足し合わせた値を目標スリップ率Strgとしている。
このように、横加速度Gyが最大値Gmaxを取る時の実スリップ率Saである基準スリップ率Srefに基づいて目標スリップ率Strgを設定することもできる。このようにすれば、実スリップ率が目標スリップ率Strgに近づくことで横加速度Gyが低下したとしても、最大値Gmaxを取った時の実スリップ率Saである基準スリップ率Srefに基づいて設定される目標スリップ率Strgに固定できるため、実スリップ率を高いスリップ率に維持することができる。このため、積極的に横方向のスリップを発生させて、横滑り状態を継続させることが可能となる。これにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態も、第1実施形態に対して目標スリップ率Strgの設定手法を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
上記第1〜第3実施形態では、予め横加速度Gyの絶対値の最大値Gmaxを得て、目標スリップ率Strgを最大値Gmaxに対応する値もしくは最大値Gmaxをとる時の実スリップ率Sa(=基準スリップ率Sref)とした。これに対し、本実施形態では、横加速度Gyが検出されると、その都度横加速度Gyに対応する仮目標スリップ率Stmpを求め、その最大値Smaxを目標スリップ率Strgとする。
本実施形態の車両用のブレーキ制御システム1でも、ブレーキECU70にて第1実施形態と同様の横転抑制制御処理を実行するが、目標スリップ率設定処理として図4に代えて図7のフローチャートに示す処理を行う。
図7は、本実施形態の車両用のブレーキ制御システム1のブレーキECU70がプログラムに従って実行する横転抑制制御処理中の目標スリップ率設定処理のフローチャートである。この処理も、図示しないイグニッションスイッチがオンされたとき、もしくは車両走行中において、所定の演算周期ごとに実行される。
まず、ステップ400では、ステップ100で検出した横加速度Gyの絶対値|Gy|と対応する仮目標スリップ率Stmpを求める。本実施形態では、横加速度Gyの絶対値|Gy|と対応する仮目標スリップ率Stmpの関係を示したマップもしくは関数式Stmp=f(Gy)に基づいて仮目標スリップ率Stmpを求めている。具体的には、絶対値|Gy|が大きくなるほど仮目標スリップ率Stmpが大きくなる関係とされている。ただし、本実施形態では、仮目標スリップ率Stmpの下限値および上限値を設定してあり、絶対値|Gy|が第1所定値よりも小さい場合には仮目標スリップ率Stmpを下限値に設定し、絶対値|Gy|が第1所定値よりも大きな第2所定値以上になると仮目標スリップ率Stmpを上限値に設定する。
続く、ステップ410では、図4のステップ200と同様の手法により、横転抑制モードと通常モードのいずれを設定するかを判定する。ここで、横転抑制モードであれば、ステップ420に進み、横転抑制モードが開始されてから今回の演算周期の時点までの期間中に検出された仮目標スリップ率Stmpの最大値Smaxよりも今回求めた仮目標スリップ率Stmpが大きいか否かを判定する。そして、大きければステップ430に進んで最大値Smaxを今回の演算周期で求められた仮目標スリップ率Stmpに更新してステップ440に進み、大きくなければ現在の最大値Smaxを更新することなくステップ440に進む。これらの処理により、横転抑制モードが開始されてから今回の演算周期の時点までに求められた仮目標スリップ率Stmpの最大値Smaxを常に記憶することができる。
ステップ440では、目標スリップ率Strgを設定する目標スリップ率設定処理を行う。ここでは、最大値Smaxを目標スリップ率Strgとする。これにより、横転抑制モードが開始されてから今回の演算周期の時点までに求められた目標スリップ率Strgのうちの最大値が常に新たな目標スリップ率Strgとして更新される。そして、図3のステップ120に進む。
一方、ステップ410で通常モードと判定されたときには、ステップ450に進み、仮目標スリップ率Stmpの最大値Smaxを0に戻したのち図3のステップ120に進む。
この後、図3のステップ120、130の処理を行うことで、第1実施形態と同様、横転抑制を行うことができる。
(他の実施形態)
(1)上記各実施形態では、横加速度Gyを車両の横転方向の運動量として用いているが、車両の横転方向の運動量として他の成分を用いてもかまわない。例えば、ロール角センサを用いて、ロール角を直接検出し、横方向運動量としてロール角を用いるようにしても良い。また、車両の旋回方向や横転傾向についても、ドライバによるステアリングの操作量に応じた舵角や車両に実際に発生しているヨーレートを舵角センサやヨーレートセンサで検出し、これらいずれかに基づいて旋回方向を検出したり横転傾向の度合いを検出しても良い。例えば、旋回方向については舵角そのものから検出できるし、横転傾向については舵角と横加速度Gyとから周知の手法によって推定した目標ヨーレートとヨーレートセンサで検出される実ヨーレートとの差で表すことができる。
(2)上記第1、第2、第4実施形態では、横転抑制モードが設定されているときに、横転方向の運動状態を示す物理量とスリップ率との関係において、当該横転抑制モードが設定されてから今回の演算周期までの期間中に取得された物理量に対応するスリップ率のうち最も大きな値に基づいて、今回の演算周期における目標スリップ率を設定するという目標スリップ率の設定手法の一例を挙げている。
すなわち、第1、第2実施形態では、横転抑制モードが設定されているときの横加速度Gyの絶対値の最大値Gmaxと目標スリップ率Strgとの関係を用い、最大値Gmaxに基づいて今回の演算周期における目標スリップ率Strgを設定している。したがって、第1、第2実施形態は、上記目標スリップ率の設定手法に該当する。
また、第4実施形態では、横加速度Gyと仮目標スリップ率Stmpとの関係に基づいて、横加速度Gyが検出される都度仮目標スリップ率Stmpを求めているため、横転抑制モードが設定されていないときにも仮目標スリップ率Stmpが求められることになる。しかしながら、仮目標スリップ率Stmpのうち横転抑制モードが設定されているときのものだけを用いていることから、結局、横転抑制モードが設定されているときに取得された横加速度Gyに対応する仮目標スリップ率Stmpの最大値Smaxを目標スリップ率Strgとして設定することになる。したがって、第4実施形態も、上記目標スリップ率の設定手法に該当する。
ただし、これら第1、第2、第4実施形態は上記目標スリップ率の設定手法の一例を挙げたに過ぎず、このような設定手法に含まれる他の手法によって目標スリップ率を設定するようにしても良い。例えば、第4実施形態のように横加速度Gyを検出したのち、横転抑制モードが設定された場合にのみ、横加速度Gyと仮目標スリップ率Stmpとの関係に基づいて仮目標スリップ率Stmpを求め、その最大値Smaxを目標スリップ率Strgに設定するようにしても良い。
(3)また、上記各実施形態では、横加速度Gyと対応する目標スリップ率Strg(仮目標スリップ率Stmp)を求めるのに、横加速度Gyの絶対値の最大値Gmaxと目標スリップ率Strgとの関係、もしくは、横加速度Gyの絶対値|Gy|と仮目標スリップ率Stmpとの関係を用いている。しかしながら、これは横加速度Gyが正負両方の符号を持つために横加速度Gyの生値ではなく絶対値を用いているのであり、横加速度Gyが負になる場合にも、対応する目標スリップ率Strg(もしくは仮目標スリップ率Stem)との関係を設定しておけば、それを用いても良い。
(4)上記第2実施形態では、第1実施形態に対して車両総重量に応じて横加速度Gyの絶対値の最大値Gmaxに対する目標スリップ率Strgの関係を変更するようにしたが、第3、第4実施形態についても同様のことができる。例えば、第3実施形態の場合、車両総重量に応じて所定値αの値を変更し、車両総重量が大きいほど所定値αを大きくする等により、車両総重量に応じた目標スリップ率Strgを設定することが可能となる。また、第4実施形態の場合、横加速度Gyに対する仮目標スリップ率Stempの関係を車両総重量に応じて変更する。例えば、図5に示す関係のように、横加速度Gyが大きくなるほど仮目標スリップ率Stmpを大きくし、さらに、車両総重量が大きいほど仮目標スリップ率Stmpを大きくすることができる。
(5)なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。例えば、図4、図6、図7のうちステップ100の処理を実行する部分が運動状態取得手段、ステップ200、300、410の処理を実行する部分がモード設定手段、ステップ230、330、430の処理を実行する部分が目標スリップ率決定手段、ステップ400の処理を実行する部分が仮目標スリップ率設定手段に相当する。
1…ブレーキ制御システム、13…M/C、14、15、34、35…W/C、16、36…差圧制御弁、17、18、37、38…第1〜第4増圧制御弁、19、39…ポンプ、20、40…調圧リザーバ、21、22、41、42…減圧制御弁、50…ブレーキ液圧制御用アクチュエータ、50a、50b…第1、第2配管系統、60…モータ、70…ブレーキECU、71〜74…車輪速度センサ、75…横加速度センサ、76…荷重センサ

Claims (7)

  1. 車両の横転方向の運動状態を示す物理量(Gy)と車輪(FL〜RR)のスリップ率との関係が予め設定され、この関係に基づいて目標スリップ率(Strg)を設定すると共に、該目標スリップ率となるように前記車輪に実際に発生するスリップ率である実スリップ率(Sa)を制御する車両運動制御装置であって、
    前記車両の横転方向の運動状態を示す前記物理量を予め決められた演算周期の都度取得する運動状態取得手段(100)と、
    前記運動状態取得手段により取得された前記物理量が所定の運動状態閾値(THg)以上であると、前記車両の横転を抑制する横転抑制モードを設定するモード設定手段(200、410)と、
    前記モード設定手段により前記横転抑制モードが設定されているときに、前記物理量と前記スリップ率との関係において、当該横転抑制モードが設定されてから今回の演算周期までの期間中に取得された前記物理量に対応する前記スリップ率のうち最も大きな値に基づいて、今回の演算周期における目標スリップ率を決定する目標スリップ率決定手段(230、430)と、を備えていることを特徴とする車両運動制御装置。
  2. 前記物理量と前記スリップ率との関係は、前記物理量の絶対値が大きいほど前記スリップ率が大きくなるように設定されており、
    前記目標スリップ率決定手段は、前記モード設定手段により前記横転抑制モードが設定されているときに、当該横転抑制モードが設定されてから今回の演算周期までの期間中に取得された前記物理量の絶対値の最大値(Gmax)を取得し、前記物理量と前記スリップ率との関係において、前記最大値に対応するスリップ率を今回の演算周期における前記目標スリップ率に決定することを特徴とする請求項1に記載の車両運動制御装置。
  3. 前記物理量と前記スリップ率との関係は、前記物理量の絶対値が大きいほど前記スリップ率が大きくなるように設定されており、
    前記運動状態取得手段で前記物理量が取得される都度、前記物理量と前記スリップ率との関係から取得した前記物理量と対応するスリップ率を仮目標スリップ率(Stmp)として設定する仮目標スリップ率設定手段(400)を有し、
    前記目標スリップ率決定手段は、前記モード設定手段により前記横転抑制モードが設定されているときに、当該横転抑制モードが設定されてから今回の演算周期までの期間中に前記仮目標スリップ率設定手段で設定された前記仮目標スリップ率の最大値(Smax)を前記目標スリップ率に決定することを特徴とする請求項1に記載の車両運動制御装置。
  4. 前記物理量と前記スリップ率との関係は、車両総重量が大きいほど前記物理量に対応する前記スリップ率が大きくなるように、前記車両総重量に応じて変更されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両運動制御装置。
  5. 車両の横転方向の運動状態を示す物理量(Gy)と車輪(FL〜RR)のスリップ率とに基づいて目標スリップ率(Strg)を設定すると共に、該目標スリップ率となるように前記車輪に実際に発生するスリップ率である実スリップ率(Sa)を制御する車両運動制御装置であって、
    予め決められた演算周期の都度、前記車両の横転方向の運動状態を示す前記物理量とその時に前記車輪に発生している前記実スリップ率を取得する運動状態取得手段(100)と、
    前記運動状態取得手段により取得された前記物理量が所定の運動状態閾値(THg)以上であると、前記車両の横転を抑制する横転抑制モードを設定するモード設定手段(300)と、
    前記モード設定手段により前記横転抑制モードが設定されているときに、当該横転抑制モードが設定されてから今回の演算周期までの期間中において、前記物理量が最大値(Gmax)となったときに取得した実スリップ率を基準スリップ率(Sref)とし、該基準スリップ率に基づいて、今回の演算周期における目標スリップ率を決定する目標スリップ率決定手段(330)と、を備えていることを特徴とする車両運動制御装置。
  6. 前記目標スリップ率決定手段は、前記基準スリップ率に対して所定値(α)を加算した値を今回の演算周期における前記目標スリップ率として決定することを特徴とする請求項4に記載の車両運動制御装置。
  7. 車両総重量が大きいほど前記所定値が大きくされることを特徴とする請求項6に記載の車両運動制御装置。
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