JP2010536722A - アルカリ金属およびアルカリ土類金属トリシアノメタニドを製造および精製する方法 - Google Patents

アルカリ金属およびアルカリ土類金属トリシアノメタニドを製造および精製する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、特に高い純度のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のトリシアノメタニドを製造するための工業的に実施可能な方法に関する。

Description

本発明は、特に高い純度のアルカリ金属およびアルカリ土類金属トリシアノメタニドを製造する方法に関する。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属トリシアノメタニド(TCM)を含有するイオン液体は、電子産業において、特に、充電式電池を製造するための、重要な原料および助剤である。ほとんどの適用分野にとって、腐食の問題および/または望ましくない副反応を回避するために、用いられるメタニドが特に純粋であり、特にハロゲン化物がないことが必要である。
トリシアノメタニドを製造するための種々の方法が知られている。マロノジニトリル(MDN)のシアン化は、シュミットマンによって、初めて、Chem. Ber. 1896, 29, 1168-1175に記載された。ここでは、MDNが、エタノール中でナトリウムエタノラートを用いて脱プロトン化され、塩化シアンの段階的な添加によって、ナトリウムトリシアノメタニドに変換され、続いて、エーテルから結晶化された。この方法で、ナトリウムトリシアノメタニドは、約70%の収率で単離された。
ビルケンバッハ等は、Chem. Ber. 1929, 62B, 153-163において、臭化シアンによるMDNのシアン化を開示した。ビルケンバッハ等およびマイヤー等(Monatsh. Chem., 1969, 100, 462)は、ハロゲンの少ない銀トリシアノメタニドの製造を記載したが、ここでは、粗製アルカリ金属トリシアノメタニドが硝酸銀と混合され、その際、まず、塩化銀または臭化銀が沈殿した。濾液から、硝酸銀の更なる添加後に、銀トリシアノメタニドを分離することができた。マイヤー等は、更に、100℃で40時間、銀トリシアノメタニドを塩化シアンと反応させて、テトラシアノメタンを生成させることを記載したが、このテトラシアノメタンは、昇華され、続いて、硫酸中でアンモニウムトリシアノメタニドに加水分解された。マイヤーにより、−96℃でテトラシアノメタンのアセトニトリル溶液に塩化リチウムを添加することによって、リチウムトリシアノメタニドが得られた。
ヒップス等により、初めて、高純度のカリウムトリシアノメタニドの製造が開示された(J. Phys. Chem. 1985, 89, 5459)。この方法では、カリウムトリシアノメタニドがアセトン中に溶解され、その溶液が活性炭で処理され、続いて、カリウムトリシアノメタニドがジエチルエーテル中で沈殿した。この手順は10回繰り返された。ついで、有機不純物の残りを除去するために、得られたカリウムトリシアノメタニドが更に2回水から再結晶化された。このとき、白い結晶性粉末が得られたが、これは、5145Åの光による励起の際に、ラマン蛍光バックグラウンドを示さず、高純度であると判断された。
WO−A−98/29389に、THF中、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO(R))の存在下での、臭化シアンによるMDNのシアン化が開示された。この方法で、DABCO(R)塩酸塩が、−20℃で、28時間で晶出した。ここでは、98%の純度のリチウムトリシアノメタニドが得られた。
トロフィメンコ等により、更なる方法がJ. Org. Chem. 1962, 27, 433に開示されたが、ここでは、カリウムトリシアノメタニドが、ジハロマロノジニトリル−臭化カリウム錯体をシアン化カリウムで処理することによって得られた。
コックス等は、Bull. Soc. Chim. Fr. 1954, 948に、低温でトリシアノメタンを製造するための他の方法を記載したが、ここでは、ブロモマロノジニトリルがシアン化カリウムと反応された。
脱プロトン化されたMDNのフェニルシアネートとの反応を含む、トリシアノメタニドを製造するための他の方法が、グリガト(Grigat)等によりChem. Ber. 1965, 98, 3777-3784に、そしてマーティン等によりDD−A−48614に開示された。ここでは、75〜88%の収率が得られた。
アセトニトリルからの再結晶化によりナトリウムトリシアノメタニドを精製する他の方法が、ボック等により、1987年に、Z. Naturforsch., 1987,42b, 315に記載され、ここではナトリウムトリシアノメタニドが70%の収率で得られた(純度の表示なし)。
上記方法のいずれも、ハロゲンのない生成物を与えない。入手し得るトリシアノメタニドは、多かれ少なかれ面倒な精製工程で、常に後処理しなければならない。この精製の成功は、取り分け、不純物プロファイル、粗製生成物含有量および生成物のコンシステンシー(Konsistenz)に依存している。
本発明の課題は、大幅に副生成物のないトリシアノメタニドを製造するための簡単な方法を提供することであった。この方法は、工業生産に適切であるほうがよい。この目的のために、粗製生成物は、既に、トリシアノメタニドの高い含量を有し、出来る限り結晶形態で得られるほうがよい。
上記課題は、請求項1により解決された。
少なくとも99重量%の純度でアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属トリシアノメタニドを製造する方法であって、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩基の存在下で脱プロトン化されたマロノジニトリルを、少なくとも1種の有機溶媒および水からなる水性溶媒混合物中で、35℃以下で、好ましくは30℃以下で、特に好ましくは20℃以下で、ハロゲン化シアンと反応させ、沈殿したアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属ハロゲン化物を、好ましくはハロゲン化シアンを全部添加した後に、分離し、更なる工程において、前記水性溶媒混合物を、少なくとも、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属のトリシアノメタニドが沈殿するまで、留去する該方法が特許請求される。好ましくは、本発明の方法において、アルカリ金属またはアルカリ土類金属トリシアノメタニドは、粗粒子の形態で沈殿する。
方法の2つの変形例において、一方では、ハロゲン化シアンの添加の前に、マロノジニトリルをアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩基とともに導入しておき、脱プロトン化させることができ、あるいは、他方では、マロノジニトリルを先に配量添加し、ハロゲン化シアンを遅れて配量添加し、マロノジニトリルおよびハロゲン化シアンの配量添加を、所定の時間にわたって、平行して同時に行なうことができる。
上記2つの方法変形例で得られた生成物は、いずれの場合でも、水中での対応する反応の場合よりも少ない副生成物を含有する。水中での反応に比較して、少なくとも1種の有機溶媒および水からなる溶媒混合物中での反応は、反応混合物のpHを一定で、かつ狭い範囲に保つ必要がない、という利点を有する。反応中に、MDNの十分な脱プロトン化が確保されていればよい。そのために必要な量の塩基は、使用した化合物のpKaから既知の手法で算出することができる。
驚くべきことに、反応中にマロノジニトリル(MDN)が、MDNがかなり完全に脱プロトン化されているところの塩基性媒体中に存在することが確保されているとき、トリシアノメタニドを固体として高い収率で得ることができることが見いだされた。このことは、まずMDNを塩基性溶液に先に導入し、それからハロゲン化シアンを配量添加することによって、あるいは、MDNおよびハロゲン化シアンを塩基性反応混合物に平行して同時に配量添加することによって、達成することができる。特に、平行同時配量添加に際しては、脱プロトン化されたMNDがハロゲン化シアンと反応するように、MNDをほんのゆっくりと配量添加すべきであることに注意しなければならない。反応は非常に発熱性であるので、良好な熱の除去を配慮しなければならない。本発明による反応では、NaTCMが、特に少ない副生成物をもって得られる。有利な方法の変形例では、いくらかのMDNを先に配量添加し、ハロゲン化シアンを遅れて配量添加する。
先に導入されたMDNを用いる方法が、平行同時配量添加に比べて好都合である。何故ならば、平行同時配量添加は、技術的により複雑だからである。上述のように、アセトニトリル中の完全に脱プロトン化されたMDNへの塩化シアンの添加は強度に発熱性であり、反応混合物の強くかつ確かな冷却を前提として必要とするので、平行同時配量添加による方法は、温度調節に関しては、より簡単である。
ハロゲン化シアンとしては、塩化シアン、臭化シアンを用いることができる。好ましくは、塩化シアンがハロゲン化シアンとして用いられる。特に好ましくは、ハロゲン化シアンは、マロノジニトリルに対し、1:1から10:1の割合で、好ましくは1:1から1:3の割合で用いられる。僅かに過剰なハロゲン化シアンが好ましい。
更に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基は、特に好ましくは、強塩基である。特に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属アルコキシドをここで用いることができる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属アルコキシドとしては、特に、C1-6−アルコキシドを用いることができる。好適なアルカリ金属またはアルカリ土類金属のC1-6−アルコキシドは、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノールおよびヘキサノールのようなC1-6−アルコールのナトリウム塩またはカリウム塩である。
好ましい方法の変形例では、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたはバリウム塩基である。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基は、特に好ましくは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属アルコキシド、あるいはこれらの混合物である。
特に好ましい変形例では、少なくとも1種の有機溶媒および水からなる溶媒混合物は、1バールの下で95℃以下の沸点を有する。実施例で用いられた共沸混合物アセトニトリル−水の沸点は、76℃である。
更に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属トリシアノメタニドを、まず、1バールの下で95℃以下の沸点を有する水性溶媒混合物に入れ、場合によっては、沈殿したアルカリ金属またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を濾別し、かつ溶媒を、少なくとも、生成物が沈殿するまで、留去する、アルカリ金属またはアルカリ土類金属トリシアノメタニドの再結晶化方法が特許請求される。
好ましくは、上記反応および/または上記結晶化の際の水性溶媒混合物は、必須の有機成分として、少なくとも1種のエーテルまたはアルコール、あるいはケトン、ホルムアミドおよび/または有機ニトリルを含有する。
特に好ましい溶媒は、例えば、2−プロパノール、sec−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、tert−ブタノール、アセトン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルtert−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、THF、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグリム、エチレングリコールジエチルエーテルおよびエチレングリコールジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ブチロニトリル、プロピオニトリル、バレロニトリルおよびこれらの混合物である。方法の好ましい態様では、水性溶媒混合物は、ニトリルを含有し、特に好ましくはアセトニトリルを含有する。例えば、1バールの下で76℃の共沸点を有するアセトニトリル/水混合物が、適切であることが分かった。
方法の好ましい変形例では、第2の工程で、アルカリ金属またはアルカリ土類金属トリシアノメタニドを、まず、場合によっては高温で、アセトン、メチルエチルケトンおよび/またはメチルイソブチルケトンに溶解し、場合によっては低温で、沈殿させる。ここで、アルカリ金属トリシアノメタニド溶液が、更に、活性炭を含有することが好都合であることが分かった。次に、活性炭を濾別し、その後、アルカリ金属またはアルカリ土類金属トリシアノメタニドを沈殿させる。
方法の更なる好ましい変形例では、アルカリ金属またはアルカリ土類金属トリシアノメタニドを、場合によっては活性炭の分離後に、メチルtert−ブチルエーテルまたはジイソプロピルエーテルの存在下で、沈殿させる。好ましくは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属トリシアノメタニドを、20℃未満の温度で、特に好ましくは10℃以下で沈殿させる。
好ましい方法では、アルカリ金属またはアルカリ土類金属トリシアノメタニドは、第2の工程で、少なくとも99.5%の純度で、特に好ましくは少なくとも99.8%の純度で得られる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属トリシアノメタニドは、特に好ましくは、99.9%以上の純度で得ることができる。
実施例では、例えば、10ppm未満のハロゲン化物含有量を有するナトリウムトリシアノメタニドを得ることができた。
実施例
記載した実施例において、苛性ソーダ溶液を他のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基で置き換えることによって、対応のアルカリ金属またはアルカリ土類金属トリシアノメタニドを得ることができる。異なるアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基の混合物の使用によって、混合アルカリ金属またはアルカリ土類金属トリシアノメタニドを得ることもできる。
実施例1
水(5.70kg)および水酸化ナトリウム溶液(50重量%、17.30kg、216モル)をアセトニトリル(30.30kg)に入れ、その混合物を−5℃に冷却した。約900ミリバールを適用した後に、マロノジニトリル(メタノール中で85%の濃度,8.20kg、106モル)および塩化シアン(6.51kg,106モル)を、7時間かけて配量添加した。>2:1の、水酸化ナトリウム対マロノジニトリルの比率および長い配量時間によって、配量添加されたマロノジニトリルが即座に脱プロトン化されることが確保された。更に、反応混合物の温度を0〜20℃に保った。完全な添加の後に、ナトリウムトリシアノメタン(NaTCM)の含有量は、17.2重量%であると算定された。続いて、反応混合物を18℃にもたらし、沈殿したNaClを遠心分離した。母液(65kg)の水性溶媒混合物の33kgを留去した後に、NaTCMが沈殿した。5.53kgのトリシアノメタン(49モル)を得た。粗粒状の生成物は、再結晶なしでは無色であり、0.5重量%より少ない副生成物および1200ppmのNaCl含んでいた。
実施例2
水酸化ナトリウム溶液(50重量%,165g,2.1モル)をアセトニトリル(267g)に入れ、その混合物を25℃にもたらした。次に、まず、マロノジニトリル(メタノール中85重量%、77.7g、1モル)を、その後塩化シアン(62.1g,1.01モル)を、それぞれ1時間かけて添加した。反応器の温度を、反応混合物において25℃を越えないように、制御した。塩化シアンを完全に添加した後に、沈殿したNaClを室温で遠心分離した。母液は、19.5重量%の生成物および0.1重量%より少ないNaClを含有した。母液の溶媒のほぼ半分を、真空下で除去した。粗粒状の生成物は、再結晶なしに無色で沈殿し、0.5重量%より少ない副成生物および1300ppmのNaClを含んでいた。
実施例3
水酸化ナトリウム溶液(50重量%、19.4kg、243モル)を、アセトニトリル(30.52kg)および水(5.74kg)に入れ、その混合物を18℃にもたらした。次に、過剰の脱プロトン化MDNを得るために、まず、一部のマロノジニトリル(MDN、メタノール中85重量%、460g、5.9モル)を配量添加した。続いて、MDN(メタノール中85重量%、8.71kg、112.1モル)を365分間かけて、および塩化シアン(100重量%、7.54kg、123モル)を400分間かけて、撹拌しつつ、配量添加した。反応器中の温度は、配量添加時間中、13.5〜19.9℃であった。反応混合物は、MDNの配量添加時間中に、14のpHを有した。MDNの配量添加の終了直後に、pHが低下し始めた。pH11.1で、塩化シアンの配量添加を停止した。冷却を止めて、温度が15℃に上昇した後に、反応中に沈殿したNaClを遠心分離した。母液は、18.7重量%の生成物(NaTCM)および2.2重量%のNaClを含んでいた。母液(65kg)の水性溶媒混合物の約半分を留去した後に、NaTCMが、粗粒状の、無色の固体として沈殿した。湿潤粗製生成物は、約70重量%のNaTCMを含んでおり、これは、MDNに基づき約44%のNaTCMの収率に相当する。
実施例4
実施例3からの母液(65.29kg)から、約20〜29℃の反応器温度かつ約65〜112ミリバールの圧力で、溶媒の大部分(28.23kg,約34L)を共沸留去し、続いて、残分を−5℃に冷却した。その残分を遠心分離した。母液(約27.4kg)は約10のpHを有していた。濾過ケーキを、2回、冷アセトニトリル(3.5kg)で洗浄した。50ミリバールおよび70℃で26時間乾燥した後に、99.9重量%のNaTCMの含有量を有する粗粒状の無色結晶の形態の6.0kgの生成物が残った。塩化物含有量は、再結晶前に、約1200ppmであった。
実施例5
水酸化ナトリウム溶液(50重量%、17.3kg)を、アセトニトリル(30.3g)および水(5.7kg)に入れ、その混合物を18℃にもたらした。次に、マロノジニトリル(MDN,メタノール中85重量%、8.2kg,105モル)およびガス状の塩化シアン(ClCN、100重量%、6.51kg,106モル)を、それぞれ、7時間かけて配量添加した。過剰の脱プロトン化MDNを得るために、ClCNの配量添加を、MDNの配量添加よりも15分間遅れて開始した。反応器中の温度は、配量添加時間中に、12〜19℃であった。反応混合物は、MDNの配量添加時間中に、13〜14のpHを有した。MDNの配量添加の終了直後に、pHが低下し始めた。pH11.7で、塩化シアンの配量添加を停止した。反応中に沈殿したNaClを遠心分離した。母液は、17.2重量%の生成物(NaTCM)および2.0重量%のNaClを含んでいた。
比較例1
撹拌装置中で、マロノジニトリル(メタノール中85%濃度、462g、5.95モル)、水(2021g)およびリン酸(85%濃度、57.1g、0.5モル)を混合した。続いて、苛性ソーダ溶液(50%濃度)によって、7.5のpH値に調整した。25〜39℃において、2時間で、塩化シアン(979g、15.92モル)を配量添加し、その際、pH値を、苛性ソーダ溶液(50%濃度)の調節された追加によって、6.4〜7.5に維持した。ベージュ色ないし茶色の澄明な溶液が生成した。塩化シアンの全量の添加後に、反応混合物を、更に30分間、25〜30℃で撹拌した。この間、pH値を、苛性ソーダ溶液(50%濃度)の調節された添加によって、7.0〜7.5に維持した。続いて、苛性ソーダ溶液によって、8.5のpH値に調整した。次に、50gの活性炭を、反応混合物に加えた。得られた懸濁液を、更に30分間、25〜30℃で撹拌し、続いて濾過した。濾液として、16.8重量%のナトリウムトリシアノメタニドと、10.5重量%の無機塩と、71.5重量%の水と、1.3重量%のメタノールと、0.1重量%の有機不純物とからなる3950gの帯黄色の溶液を得た。生成物の純度は、98.6重量%であった。
比較例2
マロノジニトリル(169.6g、2.18モル、メタノール中85%濃度)、水(392.8g)およびリン酸(18.8g、0.16モル、85%濃度)を混合した。続いて、苛性ソーダ溶液(50%濃度)によって、7.5のpH値に調整した。25〜30℃において、4時間で、塩化シアン(137.8g、2.24モル)を配量添加し、その際、pH値を、苛性ソーダ溶液(50%濃度)の調節された追加によって、7.3〜7.5に維持した。塩化シアンの全量を添加した後に、ベージュ色ないし茶色の反応混合物を、更に30分間、25〜30℃で撹拌し、その際、pH値を、苛性ソーダ溶液(50%濃度)の調節された添加によって、7.3〜7.5に維持した。その後、pH値を、苛性ソーダ溶液によって8.5に調整し、温度を70℃に高めた。この間に、懸濁液から、再度、澄明な、ベージュ色ないし茶色の溶液が生成した。次に、この溶液を、6℃/時の速度で10℃に冷却したところ、再度、懸濁液が生成し、続いて、これを遠心分離した。
実施例6
比較例1から得た乾燥生成物(65g)を、アセトニトリル(500g)に溶かし、続いて、水(100g)と混合した。反応混合物が濁るまで、約20〜29℃の反応器の温度および約65〜112ミリバールで、溶媒混合物を共沸留去した。メチルtert−ブチルエーテルの添加後に、溶媒混合物を、生成物が沈殿し始めるまで、ゆっくりと、留去し続け、そして−5℃に冷却した。残分を遠心分離し、濾過ケーキを、2回、冷アセトニトリルで洗浄した。50ミリバールおよび70℃で26時間乾燥した後に、99.9重量%のNaTCMの含有量を有する粗粒状の無色結晶の形態のNaTCMを得た。
実施例7
実施例6と同様に、比較例2から、99.9重量%のNaTCMの含有量を有する粗粒状の無色結晶の形態のNaTCMを得た。

Claims (10)

  1. 少なくとも99重量%の純度でアルカリ金属またはアルカリ土類金属トリシアノメタニドを製造する方法であって、アルカリ金属塩基またはアルカリ土類金属塩基の存在下で脱プロトン化されたマロノジニトリルを、少なくとも1種の有機溶媒および水からなる水性溶媒混合物中で、35℃以下で、ハロゲン化シアンと反応させ、沈殿したアルカリ金属またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を分離し、更なる工程において、前記水性溶媒混合物を、少なくとも、前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属のトリシアノメタニドが沈殿するまで、留去する該方法。
  2. 前記ハロゲン化シアンの添加の前に、前記マロノジニトリルを、前記アルカリ金属塩基またはアルカリ土類金属塩基とともに導入し、脱プロトン化する請求項1に記載の方法。
  3. 前記マロノジニトリルを先に配量添加し、前記ハロゲン化シアンを遅れて配量添加する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ハロゲン化シアンが、塩化シアンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記アルカリ金属塩基またはアルカリ土類金属塩基が、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属酸化物、およびアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属アルコキシドからなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記塩基が、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびバリウム塩基からなる群からのアルカリ金属塩基またはアルカリ土類金属塩基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記溶媒混合物が、1バールの下で95℃以下の沸点を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属トリシアノメタニドを再結晶するための方法であって、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のトリシアノメタニドを、1バールの下で95℃以下の沸点を有する水性溶媒混合物に導入し、場合によっては、沈殿したアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物を濾別し、そして前記溶媒を、少なくとも、生成物が沈殿するまで、留去する該方法。
  9. 前記水性溶媒混合物が、必須の有機成分として、エーテル、アルコール、ケトン、ホルムアミドおよび有機ニトリルからなる群からの少なくとも1種の溶媒を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記水性溶媒混合物が、2−プロパノール、sec−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、tert−ブタノール、アセトン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルtert−ブチルエーテル、ジエチルエーテル
    ジイソプロピルエーテル、THF、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグリム、エチレングリコールジエチルエーテルおよびエチレングリコールジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリルおよびそれらの混合物からなる群からの少なくとも1種の有機溶媒を含有することを特徴とする請求項9に記載の方法。
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