本発明を好ましい実施例を添付の図面を参照して以下に説明する。
実施例の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」は運転手から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
図1は本発明に係る車体後部構造を示す斜視図である。車体後部構造10は、左右のリヤサイドフレーム11,12と、左右のリヤサイドフレーム11、12間に架け渡されているとともに車体前後方向に所定間隔で互いに離隔している前後のクロスメンバー14、15と、前後のクロスメンバー14、15の下方に位置するサブフレーム16(図4参照)と、を備えている。サブフレーム16には左右のリヤサスペンション18,19(図4参照)が設けられている。
左リヤサイドフレーム11は、左隆起部(左キックアップ)11aを備えたキックアップフレームである。右リヤサイドフレーム12は、右隆起部(右キックアップ)12aを備えたキックアップフレームである。左右のリヤサイドフレーム11、12の詳細は後述する。
前クロスメンバー14は、左キックアップ11aの前部21(以降、“左キックアップ前部21”と称する)に結合された左端部14aと、右キックアップ12aの前部22(以降、“右キックアップ前部22”と称する)に結合された右端部14bと、を有する実質的に直線状の部材である。
前クロスメンバー14は、左キックアップ前部21と右キックアップ前部22との間にて車幅方向に向けて配置されている(図4も参照)。前クロスメンバー14は、リヤバルクヘッド24の下部梁を構成する部材である。リヤバルクヘッド24は、
リヤバルクヘッド24は、左ホイールハウス25(図2参照)に設けられた左端部24aと、右ホイールハウス26に設けられた右端部24bと、を有する。なお、図1においては構成の理解を容易にするために右ホイールハウス26のみを図示する。
後クロスメンバー15は、左キックアップ11aの後部31(以降、“左キックアップ後部31”と称する)に結合された左端部15aと、右キックアップ12aの後部32(以降、“右キックアップ後部32”と称する)に結合された右端部15bと、を有する実質的に弓形状の部材である。後クロスメンバー15は、左キックアップ後部31と右キックアップ後部32との間にて車幅方向に向けて配置されている。
図2は本発明に係る車体後部構造を示す側面図である。左リヤサイドフレーム11は、左キックアップ前部21の前端近傍に設けられた左前連結部34と、左キックアップ後部31に設けられた左後連結部35と、を有する。
同様に、右リヤサイドフレーム12は、右キックアップ前部22の前端近傍に設けられた右前連結部36(図4も参照)と、右キックアップ後部32に設けられた右後連結部37(図4も参照)と、を有する。左右の前連結部34,36および左右の後連結部35,37にサブフレーム16がボルト38で連結されている。
図3は、本発明に係る車体後部構造を示す底面図、図4は本発明に係る車体後部構造からサブフレームを取り外した状態を示す底面図である。左前連結部34は、左リヤサイドフレーム11と前クロスメンバー14の左端部14aとが結合される箇所である左前結合部41に対して僅かに前方の部位(すなわち、左前結合部41近傍)に設けられている。左前結合部41は、左リヤサイドフレーム11と前クロスメンバー14の左端部14aとが結合される箇所なので、剛性が高い部位となっている。よって、左前連結部34を左前結合部41の近傍に設けることで、左前連結部34の剛性を高めることができる。
右前連結部36は、右リヤサイドフレーム12と前クロスメンバー14の右端部14bとが結合された箇所である右前結合部43に対して僅かに前方の部位(すなわち、右前結合部43近傍)に設けられている。右前結合部43は、右リヤサイドフレーム12と前クロスメンバー14の右端部14bとが結合される箇所なので、剛性が高い部位となっている。よって、右前連結部36を右前結合部43の近傍に設けることで、右前連結部36の剛性を高めることができる。
左後連結部35は、左リヤサイドフレーム11と後クロスメンバー15の左端部15aとが結合された箇所である左後結合部42に設けられている。左後結合部42は、左リヤサイドフレーム11と後クロスメンバー15の左端部15aとが結合される箇所なので、剛性が高い部位となっている。よって、左後連結部35を左後結合部42に設けることで、左後連結部35の剛性を高めることができる。
右後連結部37は、右リヤサイドフレーム12と後クロスメンバー15の右端部15bとが結合された箇所である右後結合部44に設けられている。右後結合部44は、右リヤサイドフレーム12と後クロスメンバー15の右端部15bとが結合される箇所なので剛性が高い部位となっている。よって、右後連結部37を右後結合部44に設けることで、右後連結部37の剛性を高めることができる。
サブフレーム16は、実質的にU字状に形成された左サブサイドメンバー51と、実質的にU字状に形成された右サブサイドメンバー52と、直線状に延出された前サブクロスメンバー53と、直線状に延出された後サブクロスメンバー54とを備える。
左サブサイドメンバー51は、車体の長手中心線59に向けて突出するように湾曲状に形成された左中央部56と、左中央部56の前端部から車体前方外側に向けて傾斜状に延出された左前延出部57と、左中央部56の後端部から車体後方外側に向けて傾斜状に延出された左後延出部58と、を有する。すなわち、左サブサイドメンバー51は、全体が車体の長手中心線59に向けて突出するように略U字状に形成されている。
左サブサイドメンバー51は、左リヤサイドフレーム11の下方に配置されており、左前延出部57が左前連結部34にボルト38で連結され、左後延出部58が左後連結部35にボルト38で連結されている。
右サブサイドメンバー52は、車体の長手中心線59に向けて突出するように湾曲状に形成された右中央部61と、右中央部61の前端部から車体前方外側に向けて傾斜状に延出された右前延出部62と、右中央部61の後端部から車体後方外側に向けて傾斜状に延出された右後延出部63と、を有する。すなわち、右サブサイドメンバー52は、全体が車体の長手中心線59に向けて突出するように略U字状に形成されている。
右サブサイドメンバー52は、右リヤサイドフレーム12の下方に配置されており、右前延出部62が右前連結部36にボルト38で連結され、右後延出部63が右後連結部37にボルト38で連結されている。
前サブクロスメンバー53は、左サブサイドメンバー51の左前延出部57の近傍領域に結合されている左端部53aと、右サブサイドメンバー52の右前延出部62の近傍領域に結合されている右端部53bと、を有している。すなわち、前サブクロスメンバー53は、左サブサイドメンバー51の左前延出部57の近傍領域と右サブサイドメンバー52の右前延出部62の近傍領域との間に架け渡されている。前サブクロスメンバー53は、車幅方向に直線状に延出された部材である。
後サブクロスメンバー54は、左サブサイドメンバー51の左後延出部58の近傍領域に結合されている左端部54aと、右サブサイドメンバー52の右後延出部63の近傍領域に結合されている右端部54bと、を有している。すなわち、後サブクロスメンバー54は、左サブサイドメンバー51の左後延出部58の近傍領域と右サブサイドメンバー52の右後延出部63の近傍領域との間に架け渡されている。後サブクロスメンバー54は、車幅方向に直線状に延出された部材である。
よって、左サブサイドメンバー51の左中央部56、右サブサイドメンバー52の右中央部61、前サブクロスメンバー53および後サブクロスメンバー54で概ね矩形状の枠体46を構成している。左右のサブサイドメンバー51、52はそれぞれ概ねU字状であり互いに向かって突出している。よって、左サブサイドメンバー51と右サブサイドメンバー52との間の距離L1は、左右の中央部56、61において小さく抑えられている。
左サブサイドメンバー51の左前延出部57の近傍領域と右サブサイドメンバー52の右前延出部62の近傍領域との間に前サブクロスメンバー53が架け渡されている。左サブサイドメンバー51の左後延出部58の近傍領域と右サブサイドメンバー52の右後延出部63の近傍領域との間に後サブクロスメンバー54が架け渡されている。すなわち、左サブサイドメンバー51及び右サブサイドメンバー52は、前端よりも中央部に近い位置にある前端部近傍領域を有しており、この領域同士の間に前サブクロスメンバー53が架け渡されている。また、左サブサイドメンバー51及び右サブサイドメンバー52は、後端よりも中央部に近い位置にある後端部近傍領域を有しており、この領域同士の間に後サブクロスメンバー54が架け渡されている。よって、前サブクロスメンバー53と後サブクロスメンバー54との間の距離L2を小さく抑えることができる。
このように、左右のサブサイドメンバー51、52間の距離L1や、前後のサブクロスメンバー53、54間の距離L2を小さく抑えることで、サブフレーム16の枠体46をコンパクトに形成することができる。サブフレーム16の枠体46をコンパクトに抑えることで、サブフレーム16の剛性を十分に確保することができる。
左右のサブサイドメンバー51、52は、それぞれ略U字状に形成されている。よって、左サブサイドメンバー51の左前延出部57及び右サブサイドメンバー52の右後延出部63は、枠体46の対角線65上にそれぞれ延出されている。左前延出部57及び右後延出部63は、車体前後方向や車幅方向に対して約45°傾斜させた状態に配置されている。
同様に、右サブサイドメンバー52の右前延出部62及び左サブサイドメンバー51の左後延出部58は、枠体46の対角線66上にそれぞれ延出されている。右前延出部62及び左後延出部58は、車体前後方向や車幅方向に対して略45°傾斜させた状態に配置されている。
すなわち、左前延出部57及び右後延出部63は同一直線上で延びており、左後延出部58及び右前延出部62は同一直線上で延びている。更に、各延出部57、58、62、63は、車体前後方向や車幅方向に対して約45°傾斜させて配置されている。これにより、サブフレーム16に作用する車体前後方向の荷重や車体幅方向の荷重は各延出部57、58、62、63を介して左前連結部34、左後連結部35、右前連結部36及び右後連結部37に効率よく伝わることができる。
図5は図2の5−5線断面図である。左リヤサイドフレーム11の左キックアップ前部21において、リヤロアフレーム71は断面凹状に形成され、リヤロアフレーム71の開口部71aはリヤアッパフレーム72で閉じられており、リヤロアフレーム71は補強プレート73で補強されている。
リヤロアフレーム71は、車体前後方向に延出された部材であり、外壁75、内壁76及び底面77で断面凹状に形成されている。底面77には前貫通孔81が形成されている。補強プレート73は、前貫通孔81に対して同心になるように前取付孔82が形成されている。
左リヤサイドフレーム11の左キックアップ前部21には左前連結部34が設けられている。左前連結部34は、左キックアップ前部21に取り付けられた前取付ブラケット84と、前取付ブラケット84に取り付けられた前取付ナット85と、を有する。
前取付ブラケット84は、外壁86、内壁87及び底面88で断面凹状に形成されている。前取付ブラケット84の外壁86は、リヤロアフレーム71の外壁75にスポット溶接されている。前取付ブラケット84の内壁87は、リヤロアフレーム71の内壁76にスポット溶接されている。底面88は前支持孔89を有する。前支持孔89は、前取付孔82に対して同心に形成されている。
前取付ナット85は、前貫通孔81、前支持孔89及び前取付孔82に差し込まれているとともに、補強プレート73および底面88に溶接されている。前取付ナット85は、中空の部材であるとともに、下部85aに形成された雌ねじ85bを有しており、下部85aの下側部位は前支持孔89から下方に突出されている。
左前連結部34には左サブサイドメンバー51の左前延出部57がボルト38で取り付けられている。左前延出部57は、図3に示す枠体46の左前角部から対角線65に沿って延出された前延出バー91と、前延出バー91の前端部に設けられた前取付部92と、を有する。前取付部92は、中空状のカラー93と、カラー93の外周面に設けられたラバー部材94と、ラバー部材94の外周面に設けられた筒体95と、を有する。筒体95は前延出バー91の前端部に取り付けられている。
前取付ナット85の下部85aの下側部位にカラー93が嵌め込まれている。前取付部92の下端にプレート97が当接しており、プレート97の孔97aからボルト38がカラー93に差し込まれ、ボルト38の雄ねじ部が前取付ナット85の雌ねじ85bに螺合されている。これにより、左前連結部34に前取付部92、すなわち左前延出部57がボルト38で連結されている。
図4に示すように、左前連結部34を左前結合部41の近傍に設けることで、左前連結部34の剛性を高めることができる。よって、左前延出部57は左前連結部34を介して左リヤサイドフレーム11に強固に連結されている。これにより、左前延出部57に作用した荷重は、左リヤサイドフレーム11及び前側クロスメンバー14に効率よく伝わることができる。
図6は図2の6−6線断面図である。左リヤサイドフレーム11の左キックアップ後部31において、リヤロアフレーム101が断面凹状に形成されており、リヤロアフレーム101の開口部101aがリヤアッパフレーム102及び補強プレート103で閉じられている。左キックアップ後部31のリヤロアフレーム101、リヤアッパフレーム102及び補強プレート103は、図5で説明した左キックアップ前部21のリヤロアフレーム71、リヤアッパフレーム72及び補強プレート73と構成及び動作が同様である。
リヤロアフレーム101は、車体前後方向に延出された部材であり、外壁105、内壁106及び底面107で断面凹状に形成されている。底面107には後貫通孔111が形成されている。補強プレート103は、後貫通孔111に対して同心になるように形成された後取付孔112を有している。
左リヤサイドフレーム11の左キックアップ後部31には左後連結部35が設けられている。左後連結部35は、左キックアップ後部31に取り付けられた後取付ブラケット114と、後取付ブラケット114に取り付けられた後取付ナット115と、を有する。
後取付ブラケット114は、外プレート116と、内プレート117と、を有する。外プレート116は、外壁116aおよび底面116bで略L字状に形成されている。底面116bは内プレート117の折曲部117aにスポット溶接されている。これにより、後取付ブラケット114は、外プレート116及び内プレート117で断面凹状に形成されている。
外プレート116の外壁116aは、リヤロアフレーム101の外壁105にスポット溶接されている。内プレート117は、リヤロアフレーム101の内壁106にスポット溶接されている。外プレート116の底面116bは後支持孔119を有する。後支持孔119は、後取付孔112に対して同心で形成されている。
後取付ナット115は、後貫通孔111及び後支持孔119に差し込まれているとともに、補強プレート103および底面116bに溶接されている。後取付ナット115は、前取付ナット85と同様に、中空の部材であり、下部115aに形成された雌ねじ115bを有しており、下部115aの下側部位は後支持孔119から下方に突出している。
左後連結部35には左サブサイドメンバー51の左後延出部58がボルト38で締め付けられている。左後延出部58は、図3に示す枠体46の左後角部から対角線66に沿って延出された後延出バー121と、後延出バー121の前端部に設けられた後取付部122と、を有する。後取付部122は、中空カラー123と、カラー123の外周面に設けられたラバー部材124と、ラバー部材124の外周面に設けられた筒体125と、を有する。筒体125は後延出バー121の前端部に取り付けられている。
中空カラー123は、後取付ナット115の下部115aの下側部位に嵌め込まれている。後取付部122の下端にはプレート127が当接しており、プレート127の孔127aからボルト38がカラー123に差し込まれ、ボルト38の雄ねじ部が後取付ナット115の雌ねじ115bに螺合されている。これにより、左後連結部35には、後取付部122、すなわち左後延出部58がボルト38で連結されている。
図4に示すように、左後連結部35を左後結合部42の近傍に設けることで、左後連結部35の剛性を高めることができる。よって、左後延出部58は、左後連結部35を介して左リヤサイドフレーム11に強固に連結されている。これにより、左後延出部58に作用した荷重は、左リヤサイドフレーム11及び後クロスメンバー15に効率よく伝わることができる。
なお、右前連結部36、右後連結部37、右前延出部62及び右後延出部63等は、図5及び図6で説明した左前連結部34、左後連結部35、左前延出部57及び左後延出部58等と構成及び動作が同様な左右対称の部材である。よって、右前連結部36、右後連結部37及び右後延出部63などの詳しい説明は省略する。
簡単に言えば、前後のクロスメンバー14、15の両端部が左右のリヤサイドフレーム11、12に重なっている場所においては、前取付ナット85又は後取付ナット115は、該クロスメンバーと該リアサイドフレームとが重なっている部分に挿通されて、ボルト38と協力して該クロスメンバーと該リアサイドフレームとを互いに締め付ける。
つぎに、車両走行中に左右のリヤサスペンション18,19(右リヤサスペンション19は図示せず)を介してサブフレーム16に車体前後方向の荷重や車体幅方向の荷重が作用する例を図7及び図8を参照して説明する。
図7Aにおいて、左右のリヤサスペンション18、19(右リヤサスペンション19は図示せず)を介してサブフレーム16に車体幅方向の荷重が矢印Aの如く作用するとともに、車体前後方向の荷重が矢印Bの如く作用する。サブフレーム16は、左右のサブサイドメンバー51、52間の距離L1及び前後のサブクロスメンバー53、54間の距離L2を小さく抑えて枠体46をコンパクトに抑えることで、剛性が十分に確保されている。よって、サブフレーム16に作用する荷重をサブフレーム16で支えることが可能である。
サブフレーム16に作用した荷重は、左前延出部57を介して左前連結部34に伝えられるとともに、左後延出部58を介して左後連結部35に伝えられる。さらに、サブフレーム16に作用した荷重は、右前延出部62を介して右前連結部36に伝えられるとともに、右後延出部63を介して右後連結部37に伝えられる。
左前延出部57、左後延出部58、右前延出部62および右後延出部63は、車体前後方向や車幅方向に対して約45°傾斜させた状態に配置されているので、サブフレーム16に作用する矢印A方向の荷重や矢印B方向の荷重を、各延出部57,58,62,63を経て左前連結部34、左後連結部35、右前連結部36および右後連結部37に効率よく伝えることができる。
図7Bにおいて、左前連結部34は、左前結合部41(図4参照)の近傍に設けられているので剛性が確保されている。よって、左前延出部57から左前連結部34に伝えられた荷重は、矢印Cの如く左リヤサイドフレーム11側に効率よく伝えられる。
図8A及び図8Bは、前後のクロスメンバーに荷重が伝わったときの車両後部構造の作用を説明する図である。
図8Aにおいて、左後連結部35は、左後結合部42(図4参照)の近傍に設けられているので、剛性が確保されている。よって、左後延出部58から左後連結部35に伝えられた荷重は、矢印Dの如く左リヤサイドフレーム11側に効率よく伝えられる。
左前連結部34(図7(b)参照)及び左後連結部35は、図4に示す右前連結部36および右後連結部37に対して構造及び動作が同様な左右対称の部材である。よって、図3に示す右前延出部62から右前連結部37に伝えられた荷重は、右リヤサイドフレーム12側に効率よく伝えられる。同様に、図3に示す右後延出部63から右後連結部37に伝えられた荷重は、右リヤサイドフレーム12側に効率よく伝えられる。
図8Bにおいて、左前連結部34の近傍に左前結合部41が設けられている。よって、左リヤサイドフレーム11側に伝えられた荷重は、左前結合部41を経て前側クロスメンバー14の左端部14aから前側クロスメンバー14に矢印Eの如く効率よく伝えられる。
左後連結部35に左後結合部42が設けられている。よって、左リヤサイドフレーム11側に伝えられた荷重は、左後結合部42を経て後側クロスメンバー15の左端部15aから後側クロスメンバー15に矢印Fの如く効率よく伝えられる。
同様に、右前連結部36から右リヤサイドフレーム12側に伝えられた荷重は、右前結合部43を経て前側クロスメンバー14の右端部14bから前側クロスメンバー14に矢印Gの如く効率よく伝えられる。
また、右後連結部37から右リヤサイドフレーム12側に伝えられた荷重は、右後結合部44を経て後側クロスメンバー15の右端部15bから後側クロスメンバー15に矢印Hの如く効率よく伝えられる。
これにより、車両走行中に左右のリヤサスペンション18、19(図4参照)を介してサブフレーム16に荷重が伝えられた場合に、伝えられた荷重を、左右のリヤサイドフレーム11、12や前後側のクロスメンバー14、15に効率よく分散させて良好に吸収することができる。
ついで、車体後部構造10の左リヤサイドフレーム11に衝撃が作用した際の車体後部構造の作用を図9に基づいて説明する。
車体後部構造10の左リヤサイドフレーム11において、例えば、左前連結部34に矢印Iの如く荷重が作用する。この場合、左前連結部34に作用した荷重は、前側クロスメンバー14に伝わるとともに、左前延出部57の前端部に伝わる。
左前延出部57は、車体前後方向や車幅方向に対して約45°傾斜させた状態に配置されているので、左前延出部57の前端部に伝わった荷重を、矢印Jの如く前サブクロスメンバー53に効率よく伝えることができる。これにより、左前連結部34に作用した荷重を、前側クロスメンバー14や前サブクロスメンバー53で効率よく吸収することができる。
同様に、車体後部構造10の左リヤサイドフレーム11において、例えば、左後連結部35に矢印Kの如く荷重が作用する。この場合、左後連結部35に作用した荷重は、後側クロスメンバー15に伝わるとともに、左後延出部58の前端部に伝わる。
左後延出部58は、車体前後方向や車幅方向に対して約45°傾斜させた状態に配置されているので、左後延出部58の前端部に伝わった荷重を、矢印Lの如く後サブクロスメンバー54に効率よく伝えることができる。これにより、左後連結部35に作用した荷重を、後側クロスメンバー15や後サブクロスメンバー54で効率よく吸収することができる。
なお、車体後部構造10の右リヤサイドフレーム12において、右前連結部36に荷重が作用した場合に、作用した荷重を、前側クロスメンバー14や前サブクロスメンバー53で効率よく吸収することができる。更に、車体後部構造10の右リヤサイドフレーム12において、右後連結部37に荷重が作用した場合に、作用した荷重を、後側クロスメンバー15や後サブクロスメンバー54で効率よく吸収することができる。
なお、前記実施の形態では、左右のサブサイドメンバー51、52の中央部56、61を湾曲状に形成した例について説明したが、これに限らないで、例えば、中央部56、61を直線状に形成することも可能である。この場合でも、左右のサブサイドメンバー51、52は実質的にU字状に形成されている。