JP2010521693A - 高速走査spmスキャナ及びその動作方法 - Google Patents

高速走査spmスキャナ及びその動作方法 Download PDF

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Abstract

高帯域SPMチップスキャナには、走査ヘッド内で垂直移動可能であり検知光ビームの焦点深度を深くする対物系(34)が含まれる。可動光学系により、検知光ビームをSPMのプローブ(12)に照準設定可能であり、また、走査中、検知光ビームによるプローブ追跡が可能である。照準設定及び追跡を行うことにより、SPM(10)に一体化された光学顕微鏡(32)の合焦照射ビームの直接目視検査下で、小さな検知光ビームスポットをプローブ(12)に入射させることができ、その結果、比較的小さく共振周波数も相応に小さいカンチレバーを使うことができる。このように構成された高帯域チップスキャナは、基本共振周波数が500Hzより大きく、また、検知光ビームスポット短径が10μmより小さい。

Description

本発明は、走査型プローブ顕微鏡(SPM)に関し、特に、高い取り込み速度で高品質の画像を取り込み得るSPM用のスキャナ、及びそのようなスキャナを動作させる方法に関する。
原子間力顕微鏡(AFM)等の走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、通常、チップ及び小さい力を用いて、サンプルの表面を原子的寸法まで特徴付ける装置である。一般的に、SPMには、チップを有したプローブが含まれ、このチップは、サンプルの表面に導入され、サンプルの特徴の変化を検出する。チップとサンプルとの間の相対的な走査運動を提供することによって、表面特徴データをサンプルの特定の領域の上方で取り込むことができ、また、サンプルの対応するマップを生成し得る。
原子間力顕微鏡(AFM)は、広く用いられているタイプのSPMである。典型的なAFMのプローブには、極小のカンチレバーが含まれるが、このカンチレバーは、その基部が支持体に固定され、また、通常、鋭利なプローブチップが反対側の自由端に取り付けられている。プローブチップは、試験サンプルの表面に近接又は接触して用いられ、サンプルとのプローブチップの相互作用に応じたカンチレバーのたわみは、超高感度たわみ検出器で測定されるが、例えば、ハンズマ(Hansma)らによる特許文献1に述べられた光てこシステムで測定されることが多く、又はひずみ計、静電容量センサ等の他のいずれかのたわみ検出器で測定される。プローブは、サンプル支持台及び/又はプローブ上で作動する高解像度三軸スキャナを用いて、表面を走査する。このシステムは、従って、例えば、特許文献1、エリングス(Elings)らによる特許文献2、及び特許文献3に述べたように、サンプルの地形又は他の表面特徴を測定しつつ、プローブとサンプルとの間の相対的な動きを生成することが可能である。
AFMは、接触モードや振動モードを含む様々なモードで動作するように構成し得る。このことは、プローブ組立体が表面を走査する際、そのカンチレバーのたわみに応じて、サンプル又はプローブ組立体のいずれかをサンプル表面に対して相対的に垂直に上下動させることによって達成される。走査は、通常、サンプル表面に少なくともほぼ平行な「x−y」面で行われ、また、垂直の動きは、x−y面に対して垂直な「z」方向で起こる。(尚、平面からはずれる粗さ、湾曲、及び傾きがあるサンプルが多いため、用語「ほぼ平行」を用いる。)このように、この垂直の動きに関連するデータは、記憶し、そして、測定対象のサンプル特徴、例えば、表面地形に対応するサンプル表面の像を構築するために用いることができる。同様に、タッピングモード(TappingMode:商標)として知られている他の好適なAFM動作モードにおいて(TappingMode(商標)は、本譲受人が所有する商標)、チップは、プローブの関連するカンチレバーの共振周波数又はその付近で振動する。フィードバックループは、この振動の振幅を一定に保ち、「針圧」、即ち、チップ/サンプル相互作用に起因する力を最小にしようとする。(他の選択肢としてのフィードバック構成では、位相又は振動周波数が一定に保たれる。)そして、接触モードと同様に、これらのフィードバック信号は、収集され、記憶され、サンプルを特徴付けるデータとして用いられる。尚、「SPM」及び特定のタイプのSPMを表す頭字語は、本明細書では、顕微鏡装置又は関連技術、例えば、「原子間力顕微鏡法」のいずれも指示するために用いることがある。
動作モードにかかわらず、AFMは、圧電スキャナ、光てこ式たわみ検出器、及びフォトリソグラフィ技術を用いて組み立てた極小カンチレバーを用いることによって、空気、
液体、又は真空中の多種多様な絶縁性又は導電性表面において、原子レベルの解像度を得ることができる。それらの解像度及び多用性から、AFMは、半導体製造から生物学研究に及ぶ多様な分野での重要な測定装置である。
大半の測定装置と同様に、AFMには、解像度と取り込み速度との間のトレードオフが避けがたいことが多い。即ち、現在利用可能な幾つかのAFMは、サブ・オングストロームの解像度で単純表面を走査し得る。これらのスキャナは、比較的小さなサンプル領域だけを比較的遅い走査速度でのみ走査することが可能である。従来の市販のAFMは、通常、高い解像度(例えば、512×512画素)及び低針圧で数マイクロメートルの面積を網羅するのに、典型的には、数分の合計走査時間を必要とする。AFM走査速度の実用的限界は、チップ及び/又はサンプルを損傷しない又は損傷を最小限に抑えるのに充分なほど低い針圧を維持しながら、AFMを走査し得る最大速度の結果である。日本の金沢大学のアンドウ・トシオ教授は、通常2μm未満の短い距離に渡ってmmサイズのサンプルを走査するAFMを用いて、高速AFMに多大な進歩をもたらした。アンドウ教授は、この小さなサンプル及び小さな走査サイズの組合せについて、高解像度での映像スキャン速度を実現している。
通常「チップスキャナ」と呼ばれる他のシステムが知られており、又は提案され、及び/もしくは実現されているが、これらのシステムでは、プローブは、スキャナに搭載される。1つのそのようなシステムが、ビーコ・インストルメンツ(Veeco Instruments)によりディメンション(Dimension)(商標)という名前で市販された機器系列に組み込まれている。そのシステムは、Zアクチュエータ用に比較的大きなチューブスキャナを用い、また、比較的低い帯域幅を有する。他のシステムが、ホワン(Hwang)による特許文献4に開示されている。ホワン出願のシステムでは、プローブは、アクチュエータに搭載され、このアクチュエータは、入射レーザ光を合焦する光学対物系に搭載される。そして、対物系は、x−yアクチュエータに搭載される。しかしながら、システムの対物系及び他の光学系は、プローブに対して固定されているために、合焦レーザビームをカンチレバー上に確実に位置決めするには、比較的大きな(少なくとも幅が20μmで、長さが40μmより大きい)プローブが必要である。用いられる通常のプローブは、更に、ほぼ400kHzの共振周波数F及び約400のQ値を有する。これらプローブの結果的に生じる応答帯域幅は、F/Q≒1kHzのオーダである。一つにはその低帯域幅プローブにより、結果的に生じるシステムは、最大走査レートが30Hz未満(又は毎秒30本の走査線)であり、より典型的な画像化速度が、約1Hzである。
他方、データをすばやく取り込み得るSPMも、容認できないトレードオフを被ることがある。そのような1つのシステムが、インフィネテシマ(Infinetisma)によってビデオAFM(VideoAFM)(商標)の名前で市販されている。ビデオAFMは、映像速度で動作するが、信号対雑音比及び結果的に生じる画像品質に対して大幅に譲歩している。インフィネテシマ(Infinitesima)のシステムは、フォースフィードバックによる接触モードでも動作するが、これは、走査線内のサンプル起伏の変動に応答するのに十分なほど高速ではない。このシステムでは、サンプル又はプローブは、音叉に搭載される。プローブは、駆動されて、サンプルに接触し、一方、サンプル又はプローブは、音叉を共振周波数又はその付近で振動させることによって走査される。音叉は、高共振周波数を達成するために、かなり小さく(通常、数mmオーダの大きさに)する必要があることから、余分な質量で負荷がかかることに極めて敏感である。その結果、極めて小さい(数mmオーダの大きさの)サンプル又はカンチレバー基板だけを、性能が低下することなく、音叉に搭載し得る。
AFMを従来の光学顕微鏡と組み合わせて、サンプル表面の特徴の視野を提供すること
が知られている。とりわけ、高性能な顕微鏡の対物系は、作動距離が短く、また、サンプル表面に近接して位置決めしなければならない。従って、高解像度光学画像化は、従来のAFM検出器との組み合わせで実現するのは困難であるが、その理由は、対物系の底部とプローブとの間に、入射及び出射検出ビーム用の幾何学的形状を収容するための充分な空間がないためである。光学顕微鏡の重さの故に、機器の走査速度を著しく低減することなく、光学顕微鏡の光学系をAFMのスキャナに組み込むことは、困難である。
光学顕微鏡を備えたSPMには、レーザ光を顕微鏡の対物系に通すことによって、この制限を克服しようとしたものがある。そのようなシステムの1つが、サーフェス・イメージング・システムズ(Surface Imaging Systems)によってウルトラ・オブジェクティブ(ULTRAOBJECTIVE)(商標)の名前で市販されており、特許文献5に開示されている。ウルトラ・オブジェクティブ(商標)システムでは、光学顕微鏡の対物系・タレットに挿入し得る交換可能な対物系を提供するために、近視野AFMプローブ、プローブ用のzアクチュエータ組立体、及び光学合焦システムが、単一の筐体に設けられる。その対物系は、プローブに対して固定され、動的にレーザビームをプローブに合焦するためのメカニズムを欠いている。
従来の光学顕微鏡を備えたAFMの他の欠点は、光学顕微鏡が、ユーザがサンプルの検査を行えるようにするためだけに提供されることである。それは、カンチレバーにレーザビームを合焦する際、何の役割も果たさない。従って、システムがカンチレバーに光点を合焦するために提供された場合であっても、合焦プロセス中、ユーザに光学的フィードバックを提供するメカニズムが、利用できない。
米国特許第RE34,489号明細書 米国特許第5,266,801号明細書 米国特許第5,412,980号明細書 米国特許出願公開第2006/00272398号明細書 国際公開第01/23939号
従って、高解像度の走査を高走査速度で行うのに充分に高い最低基本最低共振周波数及び充分に大きい解像度を持つSPM用のチップスキャナを提供するニーズが存在する。
更に、検知光ビームをプローブに合焦し照準設定し得るSPMを提供し、これによって、比較的小さな合焦ビームスポット及び小さなプローブをSPMにおいて用い得るようにするニーズが存在する。
本発明の第1の態様に基づき、一体型光学顕微鏡を備えたSPMが提供されるが、SPMは、高精度の画像化データを超高速で取り込み得る走査ヘッドを有する。対物系は、走査ヘッドの中に設けられ、検知及び照射光をSPMのプローブに合焦する。SPMは、高い基本共振周波数を有する比較的剛性があり比較的軽量なスキャナを有する。対物系は、好適には、走査ヘッド内で垂直に動いて、レーザ又は他の検知光の光源の焦点範囲を拡げることができ、比較的高くそれ相応の高共振周波数のカンチレバーの使用を可能にする。また、可動対物系によって、プローブ及びプローブの真下にきちんと配置されたサンプル表面等、明瞭に離間された目標物に照射光を合焦し得る。更に、対物系は、走査中、スキャナと共にx−y面を移動して、検知光ビームの合焦スポットをプローブに合焦したままにする「追跡対物系」であることが好ましい。更に、光学系を提供し、一体型光学顕微鏡
の照射ビーム及び検知光ビーム双方を単体としてパン操作し得ることが好ましい。このパン操作によって、合焦照射ビームの直接又は間接目視検査下で、合焦検知光ビームをカンチレバーに位置合わせ又は照準設定し得る。このパン操作によって、より小さく共振周波数も相応に小さいカンチレバーを用い得る。
本発明の他の態様に基づき、チップスキャナを有するSPMが提供され、このチップスキャナには、そのチップを支える対物系が含まれる。チップスキャナは、最低基本共振周波数を有するが、これは、2kHzより大きく、好適には5kHzより大きく、また更に好適には、9kHzより大きい。対物系は、好適には、走査レンズであり、アクチュエータによって動かされる場合もそうでない場合もある。
本発明の他の態様に基づき、チップスキャナを有するSPMが提供され、このチップスキャナには、そのチップを支える対物系が含まれる。チップスキャナは、基本共振周波数が、500Hzより大きく、検知光ビームの合焦スポット直径が、10μmより小さい。好適には、チップスキャナは、基本共振周波数が1kHzより大きく、検知光ビームの合焦スポットが、直径5μmより小さい。
本発明に基づき構成されたSPMは、パターン化ウェーハ、生体サンプル、ポリマ、薄膜、及びデータ記憶装置構成要素等、多種多様なサンプルを走査するために用い得る。
本発明の更に他の態様に基づき、SPMでサンプルを走査する方法が提供され、本方法には、少なくとも4μmの線に沿って50Hzを超えるレートで走査しつつ、1オングストローム未満の解像度で画像を得る工程が含まれる。これらのレートは、好適には、100Hz又は200Hzを超え、更に好適には、400Hzを超える。
本発明の好適な実施形態に基づいて構成された一体型光学顕微鏡を備えたAFMを概略的に示す図。 図1の機器の光学系をある程度概略的に示す斜視図。 図1の機器の走査ヘッドの斜視図。 図3Aの走査ヘッドの側面図。 図3A及び3Bの走査ヘッドの断面立面図。 図3A及び3Bの走査ヘッドの動作要素の斜視図。 x−yアクチュエータ及び対物系、並びに関連する支持構造物を含む図3A乃至4の走査ヘッドの一部の平面図。 図3A乃至4の走査の対物系の断面立面図であり、その第1動作位置における対物系を示す図。 図7Aに対応し、その第2動作位置における対物系を示す図。 図7A及び7Bの対物系の底面図。 図3A乃至4の走査ヘッドのチップ/チルトステージの斜視図。 図1のAFMを動作させるための好適な技法を示すフローチャート。 図12のプロセスの実行中、プローブのカンチレバーに検知光ビームを照準設定する様子を示す略図。 図10のプロセスの実行中、サンプルに接触するためのプロセスを示す略図。 図10のプロセスの実行中、サンプルに接触するためのプロセスを示す略図。 図10のプロセスの実行中、サンプルに接触するためのプロセスを示す略図。 それぞれx及びz方向における図1乃至9のスキャナの応答を示すボーデ線図。 それぞれx及びz方向における図1乃至9のスキャナの応答を示すボーデ線図。
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から当業者に明らかとなるであろう。しかしながら、詳細な説明及び特定の例は、本発明の好適な実施形態を示すが、例として与えられるものであり、制限を設けるためではないことを理解されたい。多くの変更及び修正は、本発明の範囲内において、その精神から逸脱することなく行うことができ、本発明には、そのような修正が全て含まれる。
本発明の好適な代表的実施形態は、添付図面に示す。添付図面では、全体を通して、類似の参照数字は、類似の部分を表す。
上記「要約」の章で述べたように、本発明は、原子間力顕微鏡(AFM)等の走査型プローブ顕微鏡(SPM)用の高速動作の走査ヘッドに関する。走査ヘッドには、プローブ、プローブ用アクチュエータ、及び光学対物系が含まれ、これらは、走査のために単体として動くスキャナを集合的に形成する。更に、これらは、照射ビームを用いて、サンプルを接触して検査できるように配置され、また、検知光ビームの焦点をプローブのカンチレバーに合わせるように配置されている。
対物系は、更に、z方向に動かして、対物系の焦点範囲を拡げることができる。更に、それには、走査中、カンチレバーに合焦したままであるようにスキャナと共に移動する照準設定用対物系を含むことが好ましい。次に、AFMを開示する。これには、本発明の好適な実施形態に基づいて構成された走査ヘッドが含まれる。開示される走査ヘッドは、様々な他のAFM、他のSPM、及び更に他のプローブベースの機器に用い得ることを理解されたい。数多くの変更が、本発明の精神から逸脱することなく、開示した走査ヘッドに対して行い得ることも理解されたい。
図1を参照すると、AFM10が、本発明に基づいて構成された走査ヘッド11を組み込んで図示されている。走査ヘッド11は、サンプル支持台14の上方に搭載され、プローブ12を担持している。アクチュエータ(図示せず)は、図1において矢印15によって表されるように、走査ヘッド11及び/又はサンプル支持台14を駆動して少なくともz方向に移動させ、好適には、x−y方向にも移動させる。プローブ12には、カンチレバー16、及びカンチレバー16の自由端部に搭載されたチップ18が含まれる。プローブ12は、振動アクチュエータ即ち駆動装置20に結合してよく、この駆動装置は、プローブ12を駆動して、例えば、カンチレバーの共振周波数又はその付近で振動させるために用いられる。振動駆動装置20は、x−yアクチュエータスキャナ24(後述)及びプローブ12に結合してよく、又は、自力制御カンチレバー/プローブの一部として、プローブ12のカンチレバー16と一体化して形成してよい。電子信号が、AFMコントローラ22の制御下でAC信号源21から駆動装置20に印加され、好適には、自由振動振幅Aで、プローブ12を振動させる。信号源21は、コントローラ22内に含み得る。コントローラ22は、通常、少なくとも1台のコンピュータ及び関連電子回路、並びにデータ取り込みタスク及びAFM制御のタスクを実施するソフトウェアを含む。コントローラ22は、単一の一体型アナログ及び/又はデジタルユニットを含んでよく、又は、分散アレイ型電子回路及びソフトウェアを含んでよい。コントローラ22は、通常のデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、工業用コンピュータ及び/又は1つ又は複数の組み込みプロセッサを用い得る。それは、走査ヘッド11以外に配置される可能性が最も高い。
プローブ12は、更に、走査ヘッド11に搭載された適切なx−yアクチュエータ24を用いて駆動して、サンプル支持台14を基準としてx及びy方向に動かすことができる
。好適なx−yアクチュエータについて、以下に述べる。好適な実施形態において、x−yアクチュエータ24の移動可能な部分、及び走査中にそれらの部分と共に動く要素は、「スキャナ」を形成する。本出願の目的のために、用語「チップスキャナ」は、サンプルとほぼ平行な面(x−y面)内で、プローブ12を走査することが可能な組立体を意味する。
好適な実施形態において、スキャナは、プローブ12、追加のzアクチュエータ26、及び対物系34を保持する。尚、zアクチュエータは、他の選択肢として又は追加的に、スキャナから分離するように構成して、代わりにサンプルを動かすように構成し得る。また、プローブ12は、zアクチュエータ26を用いて駆動してz方向に移動し得る。zアクチュエータは、圧電積層を含むことが好ましく、スキャナは、サンプル上でプローブを走査するように構成され、その逆ではないことから、スキャナは、一般的に「チップスキャナ」と称される。他の選択肢として、スキャナ又はその一部は、サンプル支持台14を動かすために用い得る。例えば、プローブ12は、プローブを駆動して垂直に即ちz方向に動かすzアクチュエータに搭載してよく、サンプル支持台14は、サンプル支持台14を駆動してx−y面内で動かす別のx−yアクチュエータに搭載してよい。
x、y、及びz軸用のアクチュエータは、好適には、圧電積層である。しかしながら、それらには、他の任意の数の駆動技術を用いることができ、これらに限定するものではないが、他の圧電素子や、電歪、磁歪、静電気、電磁誘導、及び/又はボイスコイル駆動メカニズムから形成されるアクチュエータや、入力信号に応じて運動を生成する他のアクチュエータが含まれる。
プローブ12は、好適には、一体化されたチップを有する微細加工のカンチレバーである。最良の高速性能の場合、プローブの好適な寸法は、長さが35μm以下のオーダで、共振周波数が800kHzより大きいが、より大きな及びより小さなカンチレバーを含む他の多くの寸法も通常用い得る。他の選択肢として、プローブ12は、走査型プローブ顕微鏡法に用いられる様々な分野の任意のプローブであってよく、これらに限定するものではないが、磁力顕微鏡検査法、電気力顕微鏡法、表面電位顕微鏡法、化学力顕微鏡法用のプローブや、カーボンナノチューブ又はカーボンナノファイバーを備えたプローブや、開口ベース又は無開口の近視野走査光学顕微鏡法用のプローブが含まれる。
動作中、プローブ12が振動してサンプル支持台14上のサンプルに接触すると、プローブ12の振動の変化を検出することによって、サンプルの特徴を監視できる。特に、検知ビーム光源27からのビームは、走査ヘッド11の光学系28によってプローブ12の裏面に向かい、反射して光学系に戻り、そして、四象限光検出器等の検出器30に向かう。検知光源27は、通常、レーザであり、好適には、可視又は赤外線のレーザダイオードである。検知光ビームは、他の光源、例えば、He−Neもしくは他のレーザ光源、高輝度ダイオード(SLD)、LED、光ファイバ、又は小さなスポットに合焦し得るいずれか他の光源によっても生成することができる。本明細書のこれ以降の部分では、用語「レーザ」は、多種多様なこれらの及び他の代替光源を網羅すると理解されたい。
走査用光ビームが検出器30を通過する際、適切な信号が、コントローラ22に送信され、コントローラ22は、それらの信号を処理して、プローブ12の振動の変化を判断する。コントローラ22は、通常、フィードバック制御下でzアクチュエータ26を作動させる制御信号を生成して、プローブ12の振動の設定特徴を維持する。例えば、コントローラ22は、振動振幅を設定値Aに維持し、チップとサンプルとの間の力を確実にほぼ一定にし得る。他の選択肢としては、設定値位相又は周波数を用い得る。
更に図1において、走査ヘッド11は、光学顕微鏡32を支持し、サンプルの光学検査
を可能にし、また、検知光ビームの合焦を可能にする。それは、少なくとも部分的には、コントローラ22によって制御し得る。顕微鏡32には、対物系34と同様に光学系28の一部が含まれる。光学系28は、照射ビーム及び検知光ビーム双方をプローブ12に導き、反射検知光ビームを検出器30に導き、また、反射照射ビームを受光器36に導く。更に、対物系34は、好適には、カンチレバーの位置の向こう側にあるサンプルに合焦される。この場合、照射ビームは、サンプルに合焦され、またその像は、対物系34を通り受光器36に送出される。受光器36は、例えば、カメラ等の撮像装置であってよい。図示したカメラは、走査ヘッド11以外に配置され、光学顕微鏡32用の光源及び撮像装置の双方の役割を果たす。CCDカメラは、適切な撮像装置である。他の選択肢又は追加として、別の光源及び受光器を走査ヘッド11内及び/又は外に提供し得る。カメラに加えて又はカメラの代わりに、受光器36は、人間の目であってよい。
照射ビームは、視覚的に又は適切な機器で観察し得る任意の形態の光であってよい。好適には、その光源は、超高輝度発光ダイオード(LED)であるが、白熱光源、蛍光光源、又は電弧式光源であってもよい。単色(例えば、赤色LED)か、白色光に近い又は白色光そのものである広スペクトル光源のいずれであってもよい。
更に、ワークステーションが、コントローラ22に及び/又は別のコントローラもしくは接続式かスタンドアローン式のコントローラのシステムに設けられ、収集したデータをコントローラから受信し、走査中に得られたデータを操作して、点選択、曲線近似、及び距離決定演算を実施する。ワークステーションは、結果の情報をメモリに記憶し、追加の計算にそれを使用し、及び/又は適切なモニタにそれを表示し、及び/又は有線や無線で他のコンピュータや装置に送信し得る。メモリには、任意のコンピュータ判読可能記憶媒体を含み得る。例としては、これらに限定するものではないが、ハードディスク、ネットワーク・ストレージ、フラッシュドライブ、又はCD ROMが挙げられる。
対物系34は、光学系28からプローブ12までの光路に配置される。好適には、それは、zアクチュエータ26及びプローブ12を支持し、3つ全ての装置が単体として垂直に動くようにする。それは、更に、走査レンズであることが好ましい。即ち、それは、x−yアクチュエータ24に結合され、対物系34、zアクチュエータ26、及びプローブ12が全て、x−y面において水平に、x−yアクチュエータ24のパワーで動くようにすることが好ましい。好適な実施形態において、対物系34は、2つのタスクを達成する。即ち、(1)検知光ビームをプローブに合焦すること、及び(2)プローブ及び/又はサンプルの光学的な像を提供すること。他の選択肢としての実施形態において、対物系は、これらのタスクの内の1つだけ及び/又は追加のタスクを達成するように構成し得る。好適な実施形態において、対物系34は、走査ヘッド11の真下の目標物に、通常、カンチレバー及び/又はサンプルに、入射検知光及び照射光を合焦する。更に、光学系28と共に、それは、出射照射光を受光器36に導き、また出射検知光を検出器30に導く。出射照射光は、物体の像を形成する。対物系34の光学系を含む一部は、後述するように、対物系の焦点範囲を拡大するために、駆動装置38のパワーで駆動されz方向に動くことができる。
次に、図2を参照して、光学系28と対物系34との間の相互作用について述べる。
図1に関連して簡単に上述したように、光学系28及び対物系34は、入射検知光ビームをカンチレバー16に導き、出射検知光ビームを検出器30に導く。照射ビームも、残りの光学系28の上方に配置された鏡220によって対物系34との間に導かれる。コリメータレンズ50及び開口52は、入射検知光ビーム送出の方向で光学系28の上流に配置される。コリメータレンズ50は、入射光を平行光線のビームに変換する。それは、検知光ビーム源27と一体化形成するか又はそれに含んでよい。開口52は、スポットサイズを最小にして光てこ感度も最大にする幅又は「短径」が比較的狭いほぼ楕円又は矩形の
形状を有するように、カンチレバー16面に合焦光ビームを形成する。短径とは、最も短い長さ方向のスポットサイズの測定値を意味する。これによって、詳細に後述するように、より小さいカンチレバーを用いることが可能になる。同様に成形した開口、例えば、卵形開口も、この目的のために用い得る。このことは、開口がシステムにとって必須であることを意味しない。開口は、完全に省略するか又は円形開口で置き換え得るが、この場合、短径は、唯一の直径となる。
更に図2において、光学系28には、開口52から下方に成形済検知光ビームを偏向する装置が含まれる。照射ビームを導き対物系34を通過させるために他の何らかの機構が設けられる場合、標準的な鏡が、この目的に適する。しかしながら、照射ビームが対物系34に上方から直接入る好適な例では、この装置は、フィルタ54であることが好ましく、このフィルタ54は、検知光ビームの波長(赤色レーザダイオードの場合、690nm以上のオーダ)を反射し、照射ビームの波長を透過して、可視光スペクトルの広い範囲をほぼ網羅する。検知ビームに赤外線光源を用いる好適な他の実施形態の場合、フィルタ54のカットオフ波長は、それ相応に長くなる。2つの実効的な鏡58及び60を有するプリズムが、出射検知光を鏡62に導くために設けられる。そして、鏡62は、反射光を検出器30に向けて上方に偏向する。
更に図2を参照すると、好適な実施形態において、対物系34は、二重レンズの色消し対物系である。それには、第1及び第2の垂直に離間されたレンズ組立体64及び66が含まれ、レンズ組立体64及び66は、理想的にはカンチレバー16の裏面に位置する焦点に入射検知光ビームを合焦する。各レンズ組立体64及び66は、互いに貼り付けられた2つのレンズから形成される。この4つのレンズの組合せにより、検知光ビームをプローブに合焦し、また、照射ビームからサンプルの高品質のカラー画像を提供するのに望ましいレベルまで、対物系の収差が低減される。レンズ64及び66は、色消し二重レンズであることが好ましい。各レンズは、好適には、高輝度撮像の提供及び比較的広範囲の波長スペクトルの提供のためにカスタマイズされる。
好適な実施形態のレンズは、ZEMAXレンズ最適化ソフトウェアを用いて、照射ビームの波長における光路差を最小にするように特別設計されていた。好適な実施形態において、レンズ組立体は、作動距離が8mmより大きく、更に好適には、10mmより大きい。
更に、対物系34は、好適には、通常±4°のオーダの大幅なカンチレバーの屈曲に対応する比較的大きな開口数(NA)を提供するように、比較的幅広である。好適な対物系は、NAが約0.28より大きいが、好適には、約0.35より大きく、また最も好適には、約0.40である。好適な実施形態において、照射ビーム及びプローブ/サンプル撮像システムの光路は、開口数0.28により低減され、プローブ/サンプル画像の許容可能なレベルに収差を維持する。対物系のより大きな部分は、反射検知光ビームに対応するために用いられる。
このように大きな開口数と収差の最小化に注意深く着目することとを組み合わせると、直径20μm未満、好適には10μm未満、また最も好適には5μm未満の所望の小さなレーザスポットが生成される。
上記の説明は、好適な実施形態における対物系の構成について略述しているが、更に、より多くの又は少ないレンズを含む多種多様な異なる対物系構成を用いることも可能である。画像品質をある程度犠牲にして走査速度を最大化するように最適化された設計の場合、4要素の対物系を単一レンズの対物系で置き換えることが可能である。例えば、軽量プラスチックから形成された非球面レンズは、収差が小さく、NAが大きく、質量が小さい
組合せを実現し得る。また、従来の常備レンズを多種多様な構成に用いて、適切な対物系を形成できる。
次に、図3A、3B、及び4において、走査ヘッド11の好適な実施形態を幾分詳細に示す。走査ヘッド11は、密閉筐体を含み、この筐体は、上面及び下面70、72、左面及び右面74、76、及び前面及び後面78、80を有する。第1開口82は、前面72に形成され、照射光ビーム用の窓86を収容し、また、第2開口は、底面76に形成され、対物系筐体88を収容する。第1及び第2ノブ90、92は、右及び前面76及び78から延在し、第3及び第4ノブ94及び96は、上面70から上方に延びる。第1及び第2ノブ90及び92は、走査ヘッド11の支持体98(図4)にねじ込まれ、検出器30を支える往復台100に係合する。これらノブ90及び92を操作して、x−y面で往復台98を位置決めし、確実に検出器30を入射検知光ビームに対して中心位置決めできる。これによって、用いる検出器を小型化し、走査速度を更に大きくできる可能性がある。
対物系34は、好適には、プローブに対して対物系34を上下に動かして対物系の焦点範囲を拡げるように走査ヘッド11に搭載され、これにより、用いるカンチレバー16を小型化し、走査速度を更に大きくできる可能性がある。更に、この垂直方向の寸法により、カンチレバー16の真下の目標物に照射ビームを合焦し得る。このことは、例えば、プローブ/サンプルの係合に備えたサンプル検査を円滑化する。更に、それは、スキャナの基本共振周波数を大幅に減少させないように、また、従って、高走査速度を維持するように、質量が比較的小さい。この目的のために、対物系の光学系を形成するレンズ64及び66は、図4で分かるように、筐体88又は「バレル」に搭載され、バレルを基準として垂直に動くようにする。バレル88は、x−yアクチュエータ24に搭載される。バレルをx−光線−yアクチュエータに搭載するための好適な構成を図6に示す。この好適な構成について詳述する前に、本明細書に記載したタイプのx−yアクチュエータは、ポール・ハンズマ(Paul Hansma)博士によって開発され、カリフォルニア大学の理事会に譲渡されたことに留意されたい。それについては、例えば、米国特許出願公開第2006/0112760号明細書に記載されており、その主題は、本明細書に引用・参照されている。
好適な構成には、走査ヘッド11の内部支持体に固定された剛性の取付板又はスキャナ段110が含まれる。剛性の取付板110には、その中央にほぼ十字型の開口が形成されており、その開口は、2組の直交するように構成されたx及びyセグメント112及び114を有する。2つの組のx及びy圧電アクチュエータ116及び118が、それぞれのセグメント112、114の中心に沿って長手方向に延在する。xアクチュエータの組の1つ116について次に述べるが、この説明は、他方のxアクチュエータ及びyアクチュエータ118にも同様に当てはまることを理解されたい。各組116の一方のアクチュエータは、外端が、それぞれの開口セグメント112の端部に支持具120によって搭載されており、また、内端が、開口セグメント112をまたがる中央湾曲部122上に支持されている。各組116の他方のアクチュエータは、外端が中央湾曲部122に接続され、内端が、同様に開口セグメント112をまたがる第2湾曲部124に接続されている。各組の第1の即ち中央湾曲部122は、必要ではないが、有益である。その理由は、それにより関連する圧電アクチュエータの最低共振周波数が高くなるためである。
アクチュエータ116、118は、湾曲部122、124、及び126との組み合わせで、実効剛性を提供するが、この実効剛性は、スキャナの移動質量によって負荷がかかると、スキャナの少なくとも2kHz、もっと好適には、少なくとも5kHz、そして更に好適には、9kHzより大きい基本共振周波数を提供するようになっている。この特徴の有意性について、次に説明する。
走査型プローブ顕微鏡では、フィードバックループが、多くの目的のために用いられる。まず、フィードバックループは、カンチレバーのたわみ、振幅、位相及び/又は周波数を一定に維持することによって、平均のチップ・サンプル相互作用の値を比較的一定に維持しようとするために用いられる。これは、zフィードバックループと称されることが多い。zフィードバックループの速さは、フィードバックループにおいて、カンチレバー応答、zアクチュエータ、及びあらゆる関連する電子回路及び増幅器の速さによって支配される。他の一般的なフィードバック形式は、位置フィードバックである。このタイプのフィードバックは、スキャナの相対的なXY位置を制御して、アクチュエータにおいて、熱ドリフト、ならびに非線形性、ヒステリシス、及び/又はクリープを補償しようとする。
スキャナの基本共振周波数Fは、スキャナの使用可能なフィードバック帯域幅を限定し得る。一般的に、機械系の動的な振舞いは、基本共振周波数によって決定される。基本共振周波数は、位相遅れ及び機械系の周波数応答の利得の急激な増加によって特徴付けられる。フィードバック制御の追加は、システムの利得及び位相を周波数の関数として変更することによって、動的な振舞いを修正するために用いられる。単純なフィードバックループ、例えば、プローブ顕微鏡法において一般的なPI(比例、積分)フィードバックループについて考える。このタイプの制御は、位相遅れ90度の20db/10進利得(積分利得)の和と共に、一定の利得(比例)の和を利用する。このフィードバックループは、180°の位相シフトにおいて利得が1を超えると、不安定になる。この場合、正のフィードバックが起こり、制御ループは、不安定になる。機械本体が単純共振を起こすと、90度の位相シフトが、共振ピークで蓄積され、一般的に、アクチュエータ利得が増幅される。(現実の機械系は、位相の振舞いが、より複雑なことが多い。)コントローラ利得は、通常、周波数がアクチュエータ共振に近づくにつれて、全体的なシステム利得を次第に低下するように調整される。この方法は、利得を最小に抑えて基本共振周波数付近の位相遅れを低減することによって、制御ループにおける弱減衰の振舞いを除去する。実際、フィードバック利得は、安定性の限界の利得を充分に下回って低減され、ステップに応じたオーバーシュートを小さくできる。一般的には、これらのステップでは、スキャナシステムの使用可能な帯域幅が、基本共振周波数の何分の1にも低減される。(高度な制御アルゴリズムは、これら共振周波数の影響を緩和し得る。)xy走査運動の場合、スキャナの帯域幅は、通常、xyスキャナの共振及び/又はxy運動に結合するz方向の共振によって制限される。z軸の場合、フィードバック帯域幅は、zアクチュエータ共振に加えて又はその代わりに、カンチレバー応答時間によって大幅に制限し得る。
本出願の目的のために、用語「基本共振周波数」は、スキャナの使用可能な帯域幅に影響を及ぼすスキャナ共振が起こる最低周波数であると定義する。最低基本共振周波数をこのように定義することによって、スキャナの使用可能な帯域幅に深刻な影響を及ぼさない共振が明確に除外される。これらの「軽微な共振」は、周波数範囲においてシステム利得の変動を起こし得るが、フィードバックループの安定性に重大な制限を課すことはない。
機械系では、他の共振の振舞いが、基本共振周波数より小さい周波数における周波数応答に存在し得る。この共振の振舞いは、限定された量の関連する位相遅れのために本質的に過剰減衰されている場合及び/又はプローブ顕微鏡電子回路によって容易に観察されるのに充分な振幅のものでない場合、使用可能な帯域幅に影響を及ぼさない。スキャナの帯域幅を限定する基本共振周波数の典型的な特徴は、プローブ顕微鏡システム電子回路によって観察される共振ピークにおいて90°以上の位相シフトが存在することである。観察されるためには、共振は、後述するセンサ128の内の1つ等のアクチュエータ位置センサ、並びに/又は検出器30及びそれらの関連電子回路によって検出可能なほど充分な大きさの弱減衰応答を生成するものでなければならない。基本共振周波数の定義においてこのような注意をする理由は、極めて低いがスキャナ性能に影響を及ぼさない共振周波数の構成要素(例えば、カンチレバーばねクリップ)を有するチップスキャナを構築すること
が可能だからである。
上記定義によって、好適な実施形態のチップスキャナ組立体の基本共振周波数は、約9.4kHzである。最も低い共振モードは、垂直、即ち、z軸の「ドラムヘッド」モードであり、この場合、対物系は、スキャナのx−y面を基準として上下に振動する。このシステムの実際の基本的共振周波数を伝達関数要素、即ち、図15A及び15Bの「ボーデ線図」130、132、134、及び136によって示す。図15Aは、xアクチュエータ116の駆動に対するx方向の応答を示す。yアクチュエータ118の駆動に対するy方向の応答は、本質的に同じである(図示せず)。図15Aにおいて、振幅曲線130のピーク131及び位相曲線132における位相転移133によって示された9.4kHz共振周波数は、x又はy軸の走査運動によって励起され、またそれと対になる上記ドラムヘッドモードの結果である。この周波数は、しかしながら、図15Bに示すように、zアクチュエータ26によってz方向に励起されることはない。図15Bにおいて、z軸の振幅及び位相曲線134及び136における点131及び133において分かるように、z軸において9.4kHzでは、大幅な共振は、起こらない。
この共振を高く保つために、所定のスキャナ質量の場合、基本共振周波数は、垂直の曲げ及び捩り回転に対して極めて剛性のある湾曲部122及び124を作製することによって、高くすることができる。湾曲部126は、垂直の曲げに対して極端な剛性を持つようになっている。このような最適化の実効果は、チップスキャナの垂直方向の剛性を極めて高くすることである。好適な実施形態において、チップスキャナの垂直方向の剛性は、約10N/mとなるように設計されている。基本共振周波数の近似式は、次の式によって与えられる。
Figure 2010521693
上式において、
=スキャナの基本共振周波数、
scanner=スキャナの剛性、
effは、スキャナの実効質量であり、これは、スキャナと共に動く全物体の質量である。
この特定の実施形態におけるスキャナの実効質量は、約35グラムである。上式を用いると、8kHzのオーダの最低周波数が予測される。実際には、共振周波数の計算は、質量が分散している場合や、上述したスキャナのようなばね系の場合、もっと複雑である。従って、上述のスキャナは、マス・ワークス(The Math Works)製のマトラボ(Matlab)演算ソフトウェアにおける分析計算の組み合わせを有限要素解析と併せて用いて設計し最適化された。有限要素解析及びチップスキャナのひな形の測定を用いて、本発明者らは、対物系で負荷がかかったとき、9kHzより大きい垂直方向の最低共振周波数を実現した。
湾曲要素の捩り及び曲げ剛性は、湾曲要素の長さ、高さ、及び厚さに依存する。これらの関係は、当業者に公知であり又は少なくとも容易に入手可能である。例えば、様々な工学テキストから、又は有限要素解析もしくは物理的測定によって入手可能である。一般的に言って、長さは、実用的な限り短くし、高さ及び厚さは、実用的な限り大きくすることが望ましい。この最適化に対して実用的な制限が生じるのは、運動の所望の方向における
曲げ剛性が、アクチュエータの運動を阻むほど、高くなった時である。
実際、湾曲要素122、124、及び126は、下式に示すように、アクチュエータ116及び118の運動の範囲を減ずるほどの剛性を持つようになっている。
最大アクチュエータ変位ΔXは、下式によって与えられる。
Figure 2010521693
上式において、
は、湾曲部が無い場合の自由範囲、
actは、アクチュエータの剛性、
flexは、湾曲部の剛性である。高い剛性Kflexを用いる代償は、利用可能なアクチュエータ範囲ΔXが狭くなることである。
組立式スキャナシステムの高共振周波数を実現するために、湾曲部122、124、126は、アクチュエータ116及び118の剛性の10乃至30%の運動の方向に剛性を持つように設計される。こうして、アクチュエータの走査範囲の許容可能なトレードオフによって、組み合わせ式システムは、高い最低基本共振周波数を確実に有し得る。一実施形態において、例えば、自由なアクチュエータ範囲の22μmの範囲の約20%を犠牲にすると、依然として18μmの走査サイズを実現しつつ、約9.4kHzの共振周波数に対して十分な剛性が達成される。
好適な一実施形態において、アクチュエータ116及び118は、それぞれ、2つの5mm×5mm×13.5mm圧電積層及び2つの5mm×5mm×9mm積層の組の組合せである。アクチュエータの組合せ剛性は、x及びy方向の双方に約5×10N/mとなる。総湾曲部剛性は、約1×10N/m又はアクチュエータ剛性の20%になるように選択される。この湾曲部の大きな曲げ剛性は、アクチュエータ剛性について、若干の増加(〜10%)をもたらす。
更に、湾曲部の材料及び厚さは、湾曲部の最大応力がそれら材料の降伏応力を充分下回ることを保証するように選択される。一実施形態において、スキャナ段110は、7076−T6アルミニウム合金から構成し、設計応力は、10kpsi未満又は降伏応力の14%を下回るように維持する。他の選択肢としての実施形態は、例えば、インバー(優れた熱膨張性能用)又はチタンから構成し得る。
第2又は最も内側の湾曲部124は、ほぼ正方形のフレームを形成することが分かる。バレル88は、4組の湾曲部126によって、このフレームに搭載されるが、湾曲部126の各々は、バレル88のそれぞれの部分から最も内側の湾曲部124のそれぞれまで垂直に延在している。圧電素子116、118、及び湾曲部122、124、及び126の構成によって、x又はyアクチュエータ116又は118が作動すると、バレル88が駆動され、x−y面内のx又はy方向に動くが、その面内の他の方向又はz方向には、ほとんど動かない。
図6、7A及び7Bにおいて、スキャナは、オプションとして、x−yアクチュエータ24及び/又はzアクチュエータ26用の位置センサ128を備えて、アクチュエータの線形性を維持するためのフィードバックを行い及び/又はクリープ及びドリフトを補償し
てよい。静電容量センサ、光学センサ、歪みセンサ、インダクタンス・センサ、又はアクチュエータの動き及び/又は位置を示す出力を生成する他の任意のセンサを用いてもよい。アクチュエータに接触するどのようなセンサも、質量は最小であるべきである。例えば、小さな歪み計128は、ホイートストンブリッジ構成におけるzアクチュエータ26に搭載し得る。同様の歪み計128は、x及びy圧電素子116及び118上に又は湾曲部126によって形成されたフレーム上に搭載し得る。
次に、図7A及び7Bを参照すると、対物系34には、バレル88、レンズ支持体140、及びレンズ支持体140とバレル88との間に半径方向に配置されたスリーブ142が含まれる。歯車144が、バレル88の上端の外面に回転可能に搭載されている。それは、バレル88に対して半径方向に動かないようにOリング146によって拘束されている。次に、バレル88、スリーブ142、及びレンズ支持体140について、順番に述べる。
バレル88は、上述したように、x−yアクチュエータ24に取り付けられた比較的剛性のある、好適には、金属の構造物である。それは、チャンバの円柱の形態をとり、その最上端150が開いており、その下端152が閉じている。更に、その下端は、階段状になっている。透明な窓156で覆われた中央開口154が、下端152に形成され、対物系34とプローブ12との間に光を通すことができる。開口154には、更に、その最下端に、zアクチュエータ26及びプローブ12用の搭載場所158を形成する座ぐりが設けられる。ソケット159が、バレル88の下端付近の外壁に形成され、また、通気路161が、ソケット159の真下に配置される。
スリーブ142には、レンズ支持体140の外周部の凹部160に配置された環状金属リングが含まれる。スリーブ142は、その上端をリング162によって凹部160に保持され、また、その下端を凹部160の底部によって保持される。このように搭載すると、スリーブ142は、レンズ支持体140に対して軸方向に移動できなくなるが、その間での自由な回転運動が可能である。環状の肩部164は、スリーブ142の上端から半径方向に延在し、歯車144に取り付けられ、これにより、歯車144及びスリーブ142は、単体として回転する。肩部162の真下にあるスリーブ142の外周部は、166にねじ込まれ、バレル88の内面の内ねじ部168と噛み合う。ねじが噛み合うことによって、スリーブ142は、歯車144及びスリーブ142の回転時、バレル88に対してねじ着脱が可能になる。
レンズ支持体140には、バレル88の最小IDにほぼ一致する最大ODを有する円柱状の筒が含まれ、これによって、これらの間の「遊び」又は左右の動きが最小の状態で、バレル88内におけるレンズ支持体140の摺動が可能になる。レンズ支持体140の下端は、バレル88の段に合致するように階段状になっている。第1及び第2のOリング180、182は、レンズ支持体140のODの底部及び中央部にそれぞれ搭載され、これによって、実質的にレンズ支持体140とバレル88との間の遊びが解消される。レンズ支持体140の内周面は、2つの場所184及び186で階段状になっており、上述した第1及び第2レンズ組立体64及び66の搭載場所を提供する。ソケット159に搭載されたボール188は、レンズ支持体140の外面に形成された溝189に嵌っており、これによって、バレル88に対するレンズ支持体140の回転運動が防止され、他方、それらの間の長手方向の垂直運動が可能である。フラグ190は、レンズ支持体140の上面に搭載され、レンズ支持体140がその移動の上限又は下限に達した時、リミットスイッチ、又は同様な機械的、電気的、もしくは光学的センサと係合する。
底部チャンバ192は、レンズ支持体140の底部とバレル88の底部の内面との間に形成され、環状チャンバ194は、レンズ支持体140の外周部の下部とバレル88の内
周部との間でバレルの段の上方の位置に形成される。他の環状チャンバ196は、歯車144のIDとスリーブ142のODとの間でバレル88の上端の上方に形成される。3つの全チャンバ192、194、及び196は、レンズ支持体140がバレル88内で上方に動くにつれてサイズが大きくなり、レンズ支持体140がバレル88内で下方に動くにつれてサイズが小さくなる。好適には、レンズ支持体140が下方に動く間、チャンバ192、194、及び196から空気を抜くように対策が取られる。本実施形態では、底部チャンバ192からの空気は、Oリング180を通り過ぎて流れることによって、環状チャンバ194に排気され、チャンバ192及び194双方からの空気は、通気路161を通過することによって、バレル88から排出し得る。上側チャンバ196からの空気は、歯車144とバレル88の外面との間を流れOリング146を通り抜けることによって、排出される。
使用時、歯車144が、図1の駆動装置38によって回転駆動されると、スリーブ142は、レンズ支持体140及びバレル88双方に対して回転駆動される。この回転によって、スリーブ142がバレル88にねじ着脱され、レンズ支持体140が駆動されバレル88を基準として上下動する。ボール188は、レンズ支持体140の回転を防ぐ。レンズ支持体140が下方に動いている間、チャンバ192、194、及び196に取り込まれた空気は、上述したように排出される。利用可能な運動の範囲は、作業者の選択及びシステム要件で変動し得る。理想的には、プローブ12がサンプル表面の充分上方に配置されている場合、カンチレバーに焦点をあて、また、検査目的のために、サンプルにも合焦するのに充分な長さであるべきである。これには、1mmオーダの焦点深度が必要である。例示した実施形態では、この焦点深度は、バレル88を基準にして、少なくとも1mm、好適には2mm以上、最も好適には約3mmの動作距離をレンズ支持体140に提供することによって達成される。
次に図8において、プローブ12及びzアクチュエータ26は、湾曲部200が搭載場所158全体を延在することによって、バレル88の底部に搭載される。この湾曲部200は、zアクチュエータ26の動作中、zアクチュエータ26のx−y面上における如何なる動きも防止する。
図1の駆動装置38には、歯車144を駆動して正確に制御可能な動作角範囲に渡って回転させるために用い得る任意の装置、組立体、又はシステムを含み得る。また、それは、レンズ支持体140の垂直方向の運動を決して拘束しないものであるか、又はx−yアクチュエータ24の動作と干渉するかもしくはその動作の範囲を低減するものであることが好ましい。手動操作のノブは、この目的のために用い得る。電動モータは、好適である。図4及び5において、現在好適な駆動装置には、走査ヘッド11に搭載されたステッパモータ210が含まれる。ステッパモータ210は、出力歯車212が、遊び歯車214によって対物系用の駆動歯車144に結合されている。好適な実施形態では、ステッパモータ、歯車列、及びねじピッチは、モータステップ当りのレンズ支持体の垂直方向の運動について、1μm未満の精度を達成するように選択される。遊び歯車214及び駆動歯車144は、x−yアクチュエータ24の動作で行う運動範囲を可能にし過ぎる程十分なバックラッシュを有し、従って、x−yアクチュエータ24の動作に制約を課さない。
使用時、図2で分かるように、光源26によって放射された検知光ビームは、コリメータ50によって平行にされ、開口52によって成形され、そして、フィルタ54によって偏向されて対物系34に向かう。次に、光は、対物系34によってカンチレバー16に合焦され、反射されて対物系34を通ってフィルタ54に戻る。しかしながら、出射検知光ビームは、傾斜したカンチレバー16による偏向の影響により、入射光ビームとわずかに異なる経路で進むことから、出射ビームは、開口52に戻ってくるのではなく、フィルタ54によって偏向された後、第1プリズム表面58に入射する。そして、第2プリズム面
60及び鏡62によって受光器30へ偏向される。結果として生じるデータ又はそれから導出される情報は、閲覧、記憶、及び/又は異なる場所に送信し得る。
同時に、カメラ36からの照射ビームは、正面窓86を通って入り、上側鏡220で偏向されて対物系34に進み、対物系34は、照射ビームを目標物に合焦するが、通常は、カンチレバー16又はその下のサンプル表面のいずれかに合焦する。反射光照射ビームは、その後、対物系30を通って戻り、鏡220によって再度偏向されて、カメラ36に戻る。光学画像、又はそれから導出される情報は、閲覧、記憶、及び/又は異なる場所に送信し得る。
照射ビーム鏡220は、フィルタ54及びプリズムを含む光学系と同様に、好適には、装置をx−y面内でパン操作するために、単体として動かすことができる。それは、検知光ビームの光学系及び照射ビームの光学系の双方を調整することから、この調整によって、検知光ビームの焦点は、カンチレバー16の中心に位置決めされ又は照準設定され、また、光学顕微鏡の視野の中心になる。検知光ビームの照準設定及び合焦の双方を可能にする能力によって、用いるカンチレバーの小型化が可能になり、走査速度を更に大きくできる可能性がある。
好適な一実施形態において、この照準設定は、光学系28及び鏡220を図4及び9に示す「チップ/チルト」ステージ230に搭載することによって、可能になる。チップ/チルトステージ230には、板234の中心にギンバル232が含まれる。図4見ると最も分かりやすいが、ギンバル232は、環状でほぼ球状の面236から形成されており、この球面236は、走査ヘッド11の支持梁240に形成された結合ソケット238にもたれかかっている。図3A、4、及び9を同時に参照すると、第1及び第2の垂直の支柱242、244は、板234の上面から垂直に、梁240を通り、走査ヘッド11の上面70から延在する。ノブ94及び96は、支柱242及び244の上端に搭載される。支柱242及び244は、図9において分かるように、梁240に搭載されたブッシング246及び248にねじ込まれる。ノブ94又は96のいずれかを回転させると、関連する支柱242又は244が梁240に対してねじ着脱され、従って、板234の関連する角部が上下に駆動される。この動きにより、ギンバル232が回転し、チップ/チルトステージ230が傾斜する。支柱242及び244は、第1支柱242の垂直方向の動きが、y−z面内でギンバルを回転させてy方向のパン操作を行わせ、また、第2支柱244の垂直方向の運動が、x−z面内でギンバルを回転させてx方向のパン操作を行わせるように位置決めされる。
上述したように、このパン操作によって、検知光ビームは、カンチレバー16の中心に正確に位置決めできるが、好適には、これは、図11に見られるようなレンズ又はモニタ上の十字線等の助けを借りて目視検査下で行われる。可動対物系34の合焦効果と組み合わせると、短径が20μmより小さい検知光ビームスポットは、カンチレバー16の中心に位置決めできる。その検知光ビームスポットの短径は、好適には、10μmより小さく、最も好適には、5μmより小さい。スポット直径は、光の振幅がスポット中心振幅の1/eに低下する点間の幅と定義される。この小さい検知光ビームスポットを備えると、それ相応に小さく、それ相応に高い共振周波数のカンチレバーを用い得る。幅が10μm以下で、長さが35μm以下のカンチレバーは、共振周波数が500KHzより大きい。この高帯域カンチレバーは、高帯域x−yアクチュエータ組立体24と共に、大きなカンチレバーや大質量のスキャナでできるよりも高速な走査を可能にする。実際、スキャナの基本共振周波数は、2kHzより大きく、好適には、5kHzより大きく、更に好適には、9kHzより大きい。
次に、上記機器10の動作について、図10のフローチャートと共に説明する。
図10のプロセスは、ブロック300の「開始」からブロック302に進み、ここで、作業者は、空間的にプローブを配置し、カンチレバー16上において検知光ビームの中心位置を決定する。これには、通常、検知光ビームでパン操作を行うカメラ36の目視検査下でノブ94及び96を操作して、カンチレバー16上において検知光ビームの中心を位置決めすることによって、目視検査下でx及びy方向に行うパン操作の組み合わせを伴う。更にそれには、通常、検知光ビームをカンチレバー16に合焦する駆動装置38の動作を伴う。照射ビームは、この時同時に、カンチレバー16に合焦され、検知光ビームの中心位置決めと合焦の目視確認を行う。この合焦は、図12において概略的に示す。
次に、ブロック304において、駆動装置38が係合され、カンチレバー16の下の指定された、好適には固定された「基準」距離に対物系34の焦点面を移動し、こうして、図13に概略的に示すように、基準面FPRにおいて焦点面を位置決めする。基準距離は、最終的に、サンプル係合プロセスの開始時における初期のチップ/サンプル間隔となる。それは、サンプル係合時の許容誤差を設けるのに充分な程、即ち、チップがサンプル側に動いている時、確実にサンプルに「衝突」させないようにするのに充分な程、大きくすべきである。しかしながら、カンチレバー基板が見えにくくなって、焦点面において目標物を見ることが困難になるほど大きくすべきではない。約1mmの距離が好ましい。次に、ブロック306において、走査ヘッド11は、サンプルに焦点が合うまで、光学顕微鏡の目視検査下で下方に駆動され、作業者には、プローブ12がサンプル表面から基準距離だけ離れた位置にあることが通知される。そして、ブロック308によって示されるように、駆動装置38を操作して焦点面をカンチレバー14に再合焦し、そしてブロック310において、走査ヘッド11は、基準距離分だけ下方に移動して、チップ18がサンプルとの機能的な相互作用を開始する。図14において分かるように、この時、サンプル表面及びカンチレバー双方は、検知光ビーム及び照射光ビーム両方の焦点面内にあるか又はそれに近接している。必要又は希望に応じて、ノブ92及び/又は94を作動させて、検出器30上で反射検知光ビームの中心位置決めを行う。
最後に、ブロック312において、任意の所望の形態で走査を実施できる。x−yアクチュエータ24は、例えば、ラスタスキャン方式でプローブ12を動かすように制御してよい。この時、対物系34は、x−yスキャナと共に移動し、従って、プローブ12の動きを「追跡」する。プローブ振動の振幅又は位相は、チップ・サンプル相互作用に応じて生成されzアクチュエータ26を制御するためのフィードバック信号を用いて、走査中、一定に保たれる。そして、これらフィードバック信号は、収集され、記憶され、及び/又はサンプルを特徴付けるデータとして使用される。結果として生成される情報及び/又はこのデータを他のデータと組み合わせることによって得られる情報は、記憶したり、他の装置に送信したり、及び/又は適切なモニタに表示したりできる。
チップスキャナの質量が小さく、また、プローブ12の帯域幅が高く小型であるため、走査は、極めて速く実施することができると共に、依然として高解像度の画像が得られる。実際、0.5オングストロームのオーダのサンプルフィーチャは、4、5、又は10μm以上のラインに沿って、50Hz超、好適には100Hz又は200Hz超、更に好適には400Hz超のレートで走査しつつ、解像し得る。これらの走査レートは、力制御帯域幅、即ち、zアクチュエータを制御するために用いられる力制御フィードバックの帯域幅が、少なくとも5kHz、更に「タッピングモード」動作においては10kHz乃至15kHz以上、また、接触モードの動作においては30kHz以上で達成し得る。RMS粗さが少なくとも5μmのサンプルは、少なくとも4μmの走査線に沿って、上述したレートにおいて少なくとも80%の平均追跡スコアで走査し得る。更に、サンプルよりもむしろチップで走査するため、サンプルサイズは、限定されない。最大寸法が7mmより大きく、更に10mmより大きく、また更に100mmより大きいサンプルも走査することができる。
本明細書において述べたプロセス及び本発明の範囲内にある他のプロセスは、例えば、これらに限定するものではないが、半導体ウェーハ等のパターン形成済ウェーハ、薄膜、ポリマ、生体サンプル、又はデータ記憶要素を含む、多種多様なサンプルを走査するために用い得る。データ記憶要素の例としては、ハードディスクヘッド、媒体面、行バー、スライダ、及びヘッドウェーハが挙げられる。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の請求項から当業者には明らかとなる。

Claims (33)

  1. 走査型プローブ顕微鏡(SPM)のチップスキャナであって、
    アクチュエータと、
    前記アクチュエータによって少なくともx−y面において移動されるプローブと、
    前記プローブに入射する光ビームを出力する対物系と、を備え、
    基本共振周波数が2kHzより大きいチップスキャナ。
  2. 基本共振周波数が5kHzより大きい請求項1に記載のチップスキャナ。
  3. 基本共振周波数が9kHzより大きい請求項1に記載のチップスキャナ。
  4. 前記アクチュエータは、互いに直交するxアクチュエータ要素及びyアクチュエータ要素を有するx−yアクチュエータを備える請求項1に記載のチップスキャナ。
  5. 前記アクチュエータは、更に、zアクチュエータを備える請求項4に記載のチップスキャナ。
  6. 前記対物系は、前記アクチュエータによって動かされる走査レンズである請求項1に記載のチップスキャナ。
  7. 前記アクチュエータに、更に、前記走査レンズ上に支持されたzアクチュエータを備える請求項6に記載のチップスキャナ。
  8. 前記対物系は、前記プローブに対して移動可能である請求項1に記載のチップスキャナ。
  9. 前記対物系は、前記プローブに対して垂直方向に移動可能である請求項8に記載のチップスキャナ。
  10. 対物系筐体を更に備え、前記プローブは前記対物系筐体上に支持されており、前記対物系は前記対物系筐体の内部で垂直方向に移動可能である請求項9に記載のチップスキャナ。
  11. 走査型プローブ顕微鏡(SPM)チップスキャナであって、
    アクチュエータと、
    前記アクチュエータによって移動される走査レンズと、を備え、
    基本共振周波数が500Hzより大きく、検知光ビームスポットの短径が10マイクロメートルより小さいSPMチップスキャナ。
  12. 基本共振周波数が1kHzより大きく、検知光ビームスポットの短径が5マイクロメートルより小さい請求項11に記載のSPMチップスキャナ。
  13. 基本共振周波数が5kHzより大きい請求項11に記載のチップスキャナ。
  14. 基本共振周波数が9kHzより大きい請求項11に記載のチップスキャナ。
  15. 走査型プローブ顕微鏡(SPM)チップスキャナであって、
    アクチュエータと、
    前記アクチュエータによって少なくともx−y面において移動されるプローブと、
    前記アクチュエータによって移動されるとともに、前記プローブに入射する光ビームを出力する対物系と、を備え、
    基本共振周波数が2kHzより大きいチップスキャナ。
  16. 走査型プローブ顕微鏡(SPM)であって、
    スキャナを備え、前記スキャナは、
    プローブと、
    x−y面において少なくとも100Hzのレートで前記プローブを移動させるアクチュエータと、
    前記アクチュエータによって移動され、光ビームを前記プローブに合焦するとともに、対象物の画像を受光器に導く対物系と、を備える、SPM。
  17. 前記対物系との間に照射光ビーム及び検知光ビームを導く光学系を更に備える請求項16に記載のSPM。
  18. 前記光学系は、前記光学系を通過する光をパン操作して検知光ビームを前記プローブの所望の部分に導くように可動である請求項16に記載のSPM。
  19. 前記光学系は、x、y、及びz面において可動であるチップ/チルトステージに搭載されている請求項18に記載のSPM。
  20. 前記チップ/チルトステージは、ジンバルを備える請求項19に記載のSPM。
  21. 前記対物系は、透過光ビームの焦点を前記プローブに対して調整するように可動である請求項16に記載のSPM。
  22. 走査型プローブ顕微鏡(SPM)を動作させる方法であって、
    少なくとも30Hzのレートでサンプル領域の上方においてプローブを走査しつつ、データを取り込む走査工程と、前記サンプルは最大寸法が少なくとも7mmであることと、
    前記データの内の少なくとも1つ及び前記データから導出される情報の記憶、送信、及び表示の内の少なくとも1つを行う工程と、からなる方法。
  23. 前記プローブは最大直径が少なくとも10mmであるサンプル領域を走査する請求項22に記載の方法。
  24. 前記プローブは最大直径が少なくとも100mmであるサンプル領域を走査する請求項23に記載の方法。
  25. 前記走査工程は少なくとも50Hzのレートで実施される請求項22に記載の方法。
  26. 前記走査工程は少なくとも100Hzのレートで実施される請求項25に記載の方法。
  27. 前記走査工程は少なくとも200Hzのレートで実施される請求項26に記載の方法。
  28. 前記走査工程は少なくとも400Hzのレートで実施される請求項27に記載の方法。
  29. 前記走査工程は少なくとも5μmの距離を走査する工程を含む請求項22に記載の方法。
  30. 前記走査工程は少なくとも10μmの距離を走査する工程を含む請求項22に記載の方
    法。
  31. 前記サンプルは、パターン付きウェーハ、生体サンプル、データ記憶要素、ポリマ、及び薄膜の内の1つである請求項22に記載の方法。
  32. 前記サンプルは半導体ウェーハである請求項31に記載の方法。
  33. 走査型プローブ顕微鏡(SPM)の光学系を操作し、合焦検知光ビームを前記SPMのプローブに照準設定する工程と、
    前記光学系及び前記SPMのスキャナを操作して、サンプル表面の上方に基準面を配置する工程と、
    前記基準面内において前記SPMのプローブを位置決めする工程と、
    前記スキャナを操作して、前記サンプルを前記プローブと接触させる工程と、
    前記合焦検知光ビームが前記プローブに照準設定されている間、前記プローブで前記サンプルを走査する工程と、からなる方法。
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