JP2001330547A - 送り装置、及びそれを用いた近接場光学顕微鏡 - Google Patents
送り装置、及びそれを用いた近接場光学顕微鏡Info
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Abstract
易に行なえる送り装置を提供することにある。 【解決手段】 回転体の回転運動を、雄ネジ及び雌ネジ
を介して直線移動体の直線運動に変換する送り装置にお
いて、前記雄ネジに、ネジが設けられたネジ設置部13
6a,bと、該ネジが設けられていないネジ非設置部1
37と、を設け、前記回転体138の回転運動を、前記
雄ネジのネジ設置部136a,b及び雌ネジ140を介
して、前記直線移動体130の直線運動に変換すること
を特徴とする送り装置132。
Description
を用いた近接場光学顕微鏡、特にネジを用いた駆動機構
の改良に関する。
持ち、分光分析測定もできる近接場光学顕微鏡が開発さ
れ、その応用が期待されている。この近接場光学顕微鏡
は、例えば励起光が光触針の内部に導入され、その先端
部の尖鋭化された部分を被覆する金属に照射されると、
エバネッセント光が発生し、該先端部の微小開口からし
み出したエバネッセント光を試料に照射し、試料による
散乱光や発光を集光し検出するもの、試料に直接励起光
を照射し、被測定試料面に発生するエバネッセント光に
光触針を進入させることでエバネッセント光を散乱さ
せ、その散乱光や発光を集光し、検出するもの等があ
る。
料面から数十nm程度の領域に生じているため、被測定
試料面とファイバプローブ間の距離は、この光の波長以
下の極微小な距離内で制御しなければならならない。こ
の被測定試料面とプローブ間の距離の制御には、例えば
フィードバック法が一般的に用いられ、該フィードバッ
ク法を用いた近接場光学顕微鏡の一例を図1に示す。
針状プローブ12の先端部12aを、加振器14により
被測定試料面16との間に働く原子間力の増減に応じた
径を持つ円を描くように回転させながら、被測定試料面
16に近接させる。そして、被測定試料面16とプロー
ブ12間の距離がエバネッセント光の場の距離内に入る
と、両者間に原子間力が働き、該プローブ先端部12a
が描く回転円の径が増減する。
ブ12に照射し、該プローブ12からの透過ないし反射
プローブ光22の強度変化を光検出器24で検出する。
コンピュータ26は、この強度変化からプローブ先端部
12aが描く回転円の径の増減情報を得ている。
の径の増減情報から両者間の距離を求め、プローブ先端
部12aが描く回転円の径を一定に保つように、プロー
ブ12の上下位置を固定したうえで、ステージコントロ
ーラ28でステージ30を駆動し、被測定試料面16を
走査すれば、両者の距離は一定に保たれ、プローブ12
は、被測定試料面16の凹凸を原子の尺度で的確になぞ
ることになる。ところで、このような測定を適正に行な
うため、プローブ12と被測定試料面16との接触を防
ぐ等の問題を防ぐためには、プローブ12と被測定試料
面16間の相対的な位置決めを高精度に行なう必要があ
る。
一般に固定されているので、プローブ12と被測定試料
面16間の相対的な位置決めを行なうため、ステージ3
0をXYZ方向に送り移動している。そして、ステージ
30をXYZ方向に送り移動するために、該ステージ3
0には、例えば図2に示されるような送り装置が用いら
れていた。同図において、送り装置32は、例えばボー
ルネジを用いたものであり、モータ34と、雄ネジ36
が設けられた回転軸38と、該雄ネジ36が螺入される
雌ネジ40が設けられたステージ30と、を備える。
8の回転運動を、雄ネジ34及び雌ネジ40を介してス
テージ30の直線運動に変換している。このような送り
装置32をステージ30のXYZ軸方向に設けることに
より、ステージ30のXYZ軸方向の移動を可能にして
いる。このようにして送り装置を設けることにより、例
えば被測定試料面16とプローブ12間の距離を一定に
保ちつつ、被測定試料面16の走査を可能にしている。
り装置にあっても、駆動範囲を広くとると、送り精度が
低下してしまう。このような問題は、一般的な顕微鏡等
で用いられる送り装置においても存在していたが、一般
的な顕微鏡等ではあまり問題とならなかった。しかしな
がら、より微小な試料の測定を行なう近接場光学顕微鏡
では、光触針と試料間の相対的な位置決めが高精度に行
なえない。そして、光触針と試料間の相対的な位置決め
が高精度に行なえないと、所望な微小部位の測定が適正
に行なえない、試料と光触針とが接触してしまい、装置
ないし試料を破損してしまう等の深刻な問題が生じる。
常に高い送り精度の必要な装置では、前記不具合を解決
することのできる技術の開発が急務であったものの、そ
の原因も特定できていなかった。本発明は前記従来技術
の課題に鑑みなされたものであり、その目的は送り移動
が高精度にかつ容易に行なえる送り装置、及びそれを用
いた近接場光学顕微鏡を提供することにある。
に本発明にかかる送り装置は、回転体の回転運動を、雄
ネジ及び雌ネジを介して直線移動体の直線運動に変換す
る送り装置において、前記雄ネジに、ネジが設けられた
ネジ設置部と、該ネジが設けられていないネジ非設置部
と、を設け、前記回転体の回転運動を、前記雄ネジのネ
ジ設置部及び雌ネジを介して、前記直線移動体の直線運
動に変換することを特徴とする。
方向の略最前部分と略最後部分に、前記ネジ接触部が設
けられ、前記雄ネジの略最前部分と略最後部分との間
に、前記ネジ非設置部が設けられることが好適である。
また、本発明において、前記雄ネジの略最前部分と前記
雌ネジの対向部分との間で該雄ネジの回転軸上に設けら
れ、該雄ネジの略最前部分と雌ネジの対向部分との間
に、常に該回転軸上で該直線移動体の移動方向とは反対
方向の力を働かせるばねを設けることも好適である。
は、前記送り装置を用いて試料と光触針間の相対的な位
置決めを行なうことを特徴とする。ここにいう光接針と
試料間の相対的な位置決めを行なうとは、例えば光軸と
略直交する方向の位置決めを行なうこと、被測定試料面
と光触針間の距離の制御を行なうこと等を含めていう。
な実施形態について説明する。なお、本実施形態におい
ては、本発明にかかる送り装置を近接場光学顕微鏡のス
テージの駆動に適用した例について説明する。図3には
本発明の一実施形態にかかる近接場光学顕微鏡の概略構
成が示されている。同図において、近接場光学顕微鏡1
10は、針状プローブ112の先端部112aを、加振
器114により被測定試料面116との間に働く原子間
力の増減に応じた径を持つ円を描くように回転させなが
ら、被測定試料面116に近接させる。
12間の距離がエバネッセント光の場の距離内に入る
と、両者間に原子間力が働き、該プローブ先端部112
aが描く回転円の径が増減する。このため、光源118
からの光120をプローブ112に照射し、該プローブ
112からの透過ないし反射プローブ光122の強度変
化を光検出器124で検出する。コンピュータ126
は、この強度変化からプローブ先端部112aが描く回
転円の径の増減情報を得ている。
円の径の増減情報から両者間の距離を求め、プローブ先
端部112aが描く回転円の径を一定に保つように、プ
ローブ112の上下位置を固定したうえで、ステージコ
ントローラ128でステージ130を駆動し、被測定試
料面116を走査すれば、両者の距離は一定に保たれ、
針状プローブ12は、被測定試料面116の凹凸を原子
の尺度で的確になぞることになる。
ため、被測定試料面116とプローブ112との接触を
防ぐ等を防ぐためには、被測定試料面116とプローブ
112間の相対的な位置決めを高精度に行なう必要があ
る。ここで、プローブ112の上下方向の位置は一般に
固定されているので、送り装置によりステージ130を
XYZ方向に送り移動している。
場合、駆動範囲を広くとると、送り精度が低下してしま
う。そこで、本発明において、第一に特徴的なことは、
雄ネジに、ネジが設けられたネジ設置部と、該ネジが設
けられていない非設置部を設けたことである。このため
に本実施形態においては、図4に拡大して示されるよう
な送り装置132を設けている。なお、前記図2と対応
する部分には符号100を加えて示し説明を省略する。
138(回転体)の雄ネジの略最前部分と略最後部分の
みを残して、該略最前部分と略最後部分との中間部分を
除去し、該雄ネジの略最前部分をネジ設置部136a、
略最後部分をネジ設置部136b、その中間部分をネジ
非設置部137として構成している。そして、図5
(A)に示すように、モータ134の駆動により回転軸
138を例えば時計周りに回転させると、該時計周りの
回転力は雄ネジのネジ設置部136a,b及び雌ネジ1
40により図中右方の直線運動に変換されるので、ステ
ージ130(直線移動体)を図中右方に移動する。
34の駆動により回転軸138を例えば反時計周りに回
転させると、該反時計周りの回転力は雄ネジのネジ設置
部136a,b及び雌ネジ140により図中左方の直線
運動に変換されるので、ステージ130を図中左方に移
動する。この結果、本実施形態にかかる送り装置132
を近接場光学顕微鏡110のステージ130のXYZ軸
方向に、それぞれ設けると、駆動範囲を広くとっても、
ステージ130の所望の方向、所望の量の送り移動を高
精度にかつ容易に行なうことができる。
未だ不明な点もあるが、本発明者らによれば、送り精度
の低下の原因は、駆動範囲を広くとった場合、雄ネジと
雌ネジの間の接地面積が大きくなり、摩擦が大きくなる
ため、回転にトルクが必要となる。また、食いつきなど
により回転が止まってしまう場合もある。また、雄ネジ
と雌ネジとの間に加工精度程度の空間が生じているた
め、回転方向を変えた際に、バックラッシュが発生して
しまうためと考えられる。
基づき、本発明では雄ネジの一部のネジを除去すること
により、駆動範囲を広くとっても、軽量化と接地面積を
小さく保つことができるので、ネジの摩擦を低減するこ
とができるのである。したがって、常に一定トルクを保
ちつつ、より小さなトルクで回転軸138を駆動するこ
とができる。また、雄ネジは、その略最前部分、及び略
最後部分のネジを残すことにより、これらの略最前部、
及び最後部のいずれかでも除去した場合に比較し、ステ
ージ130の直動性をも保つことができる。
バックラッシュを回避するため、本発明において、第二
に特徴的なことは、前記雄ネジの螺入方向の略最前部分
と前記雌ネジの対向部分との間で該雄ネジの回転軸上に
設けられ、該雄ネジの略最前部分と雌ネジの対向部分と
の間に、常に該回転軸上で該直線移動体の移動方向とは
反対方向の力を働かせるばねを設けたことである。この
ために本実施形態においては、回転軸138の最前部分
の略中心軸上に溝142を設け、該溝142内にばね1
44を設けている。
ね144により、常時雄ネジと雌ネジとの間に張力又は
圧縮力が働くことにより、バックラッシュを大幅に低減
することができる。すなわち、例えば図5(A)では常
時雄ネジと雌ネジとの間に圧縮力が働くので、回転、直
線移動方向を同図(B)に示すような反対方向に変えて
も、雄ネジと雌ネジはバックラッシュすることなく、迅
速に方向を変える。
との間に張力が働くので、回転、直線移動方向を同図
(A)に示すような反対方向に変えても、雄ネジと雌ネ
ジはバックラッシュすることなく、迅速に方向を変え
る。このように常時雄ネジと雌ネジとの間に張力又は圧
縮力が働かせると、バックラッシュを大幅に低減するの
で、移動方向も迅速に変更することができる。
学顕微鏡110では、プローブと被測定試料面の非常に
微小距離が変わった場合であっても、プローブと被測定
試料面間の距離制御をより高精度で行なえるので、プロ
ーブと被測定試料面とが接触してしまう等の深刻な問題
を大幅に低減することができる。以上のように本実施形
態にかかる近接場光学顕微鏡110によれば、本実施形
態にかかる送り装置132を近接場光学顕微鏡のステー
ジの駆動に適用したので、駆動範囲を広くとっても、ス
テージの直動性を確保しつつ、常に一定でかつ小さな駆
動トルクでステージを送り移動することができる。
は圧縮力が働くばね144を内側に設けることにより、
バックラッシュを大幅に低減することができるので、ス
テージの光軸と略直交する方向の移動、光触針と被測定
試料面間の距離の制御をより高精度に行なえる。なお、
本発明の送り装置、及びそれを用いた近接場光学顕微鏡
は、前記構成に限定されるものではなく、種々の変形が
可能である。
設け、ステージに雌ネジを設けた例について説明した
が、回転軸に雌ネジを設け、ステージに雄ネジを設けて
もよい。また、前記構成では、送り装置をステージの駆
動に適用した例について説明したが、送り移動が必要な
ものであれば、任意の直線移動体に適用可能である。さ
らに、下記の工夫をすることも好ましい。
例えばシアフォース型、ロータリー型等のプローブを共
振させるプローブ顕微鏡では、以下のようなプローブの
振動振幅の検出機構を用いることも好ましい。すなわ
ち、一般にプローブを共振させるプローブ顕微鏡では、
プローブが振動しているにもかかわらず、常時プローブ
の振動振幅を測定するため、光をプローブに照射し、そ
の反射ないし透過光を光検出器で検出している。
接場光学顕微鏡では、プローブを加振しているので、検
出した際のプローブの位置が検出毎に異なる。例えば図
6中、プローブ先端部112aがA,B状態と異なる場
合があり、空間分解能の低下を招いていた。そこで、プ
ローブを共振させる顕微鏡では、プローブ先端部112
が描く回転円113の半径rの増減情報の検出機構とし
て図7に示すようなプローブ位置検出手段146と、同
期手段148を設けることが好ましい。
ーブ112の共振周波数を検出する。前記同期手段14
8は、光検出器124からの信号のうち、プローブ位置
検出手段146からの共振周波数と同位相の信号のみ
を、コンピュータ126に取り込む。この結果、シアフ
ォース、ロータリー型のプローブと試料の距離制御に用
いる信号にロックインをかけて信号を検出することがで
きる。
り同じプローブ先端部112aの位置で回転円113の
半径rの増減情報の検出が可能となる。例えばプローブ
先端部112aと被測定試料面116の測定部位が最も
近づいたとき、例えば図中、プローブ先端部112aが
A状態での信号のみを純粋に取出すことができるので、
十分な空間分解能を保持したまま、十分な信号強度を確
保することができる。また、近接場光の信号を検出する
ことも好ましい。
前記近接場光学顕微鏡に限定されず、カンチレバープロ
ーブを用いた原子間力顕微鏡(AFM)等の近接場光学
顕微鏡の送り装置に適用することも好ましい。このAF
Mの一例を図8に示す。なお、前記図3と対応する部分
には符号100を加えて示し説明を省略する。
トンネル電流の代わりに、被測定試料面216とカンチ
レバープローブ212の深針250間に働く原子間力
(引力又は斥力)を検出する。ここで、AFMの深針と
しては、例えば金属製のカンチレバープローブ212が
用いられる。そして、このようなカンチレバープローブ
212を上下方向に微小振動させつつ、被測定試料面2
16に近づけると、両者間に原子間力が働き、プローブ
212の振動振幅が変化する。
ローブ212に照射し、該プローブ212からの反射光
222の強度変化を光検出器224で検出するが、この
とき、前記近接場光学顕微鏡と同様、プローブ位置検出
手段246、同期手段248によりロックインをかけて
検出を適正に行ない、この強度変化からプローブ212
の振動振幅の変化情報を得る。
距離を求め、振動振幅の変化を一定に保つように測定試
料の載置されたステージを駆動し被測定試料面を走査す
れば、両者の距離はより一定に保たれ、プローブ212
は被測定試料面216の凹凸をより的確になぞることが
できる。
れるカンチレバープローブ212による原子間力の縦方
向成分の検出には、光てこ法が一般に用いられている。
光てこ法では、図9に拡大して示されるように分割フォ
トダイオード(photo−diode,PD)等の光
検出器224が一般に用いられている。すなわち、プロ
ーブ212に光源218からの光220を照射し、その
反射光222の位置を一般的な分割フォトダイオード等
の光検出器224で検出してプローブ212の角度変化
を検出していた。
光量の差分を検出し、原子間力の増減を検出するもので
あるが、位置分解能が低いので、光路をかせいで変換倍
率を稼ぐ必要があり、系が複雑化、大型化してしまう。
また、例えばSTM、近接場、ATF等のプローブは、
消耗品であるので、交換する必要があり、交換後は、光
軸調整が必要であるが、その作業は非常に面倒であっ
た。
ように、光てこの撓み検出においては、前記分割フォト
ダイオードに代えて、位置分解能に非常に優れた、位置
敏感光検出器(position sensitive
detector,PSD)252を用いることも好
ましい。このPSD252は、光の受光位置によって抵
抗値が変わり、この変化は読取手段253等で読取ら
れ、コンピュータ262によりカンチレバープローブ2
12のたわみ角を計算する。
ローブ212より離して設けているが、位置分解能は分
割フォトダイオードに比較し、優れているので、この光
路長は、非常に短くすることが可能である。図11では
PSD252自体をカンチレバープローブ212に設け
ており、これは位置分解能はフォトダイオードに比較
し、優れているPSDを用いることによってはじめて可
能になった構成であり、系が非常にシンプルで、小型化
が可能である。
割フォトダイオードに比較し、位置分解能が高いので、
光てこを用いた検出機構で用いることが好ましく、その
光学系を近くにできるので、系が簡単になるとともに、
PSD252の交換後も、光軸調整は不要となる。
間力の縦成分を測定するには、前記位置分解能に優れた
PSDを用いた光てこ法を用いるのが特に好ましいが、
原子間力の横ずれ成分を検出する場合には、下記のもの
を用いることも好ましい。すなわち、図12に示すよう
に、原子間力の横ずれ成分を検出するため、カンチレバ
ープローブ212を被測定試料面216の横方向に走査
していると、原子間力によりカンチレバープローブ21
2は横方向に撓むが、走査中に摩擦が変化すると、その
たわみも変化する。
適正に検出できるるものの、このような横ずれ方向を高
精度に検出するのは困難であった。なお、同図(A)は
側方より見た図、同図(B)は上方より見た図である。
そこで、カンチレバープローブを用いた近接場光学顕微
鏡で原子間力の横ずれ成分を検出するためには、図13
に拡大して示されるような自己検出型カンチレバープロ
ーブを用いることも好ましい。
ローブ212には、その背面或いは腹面、またはその両
方に圧電薄膜254が形成されている。この圧電薄膜2
54は、撓むと圧電効果により電気が発生し、これは読
取手段253で読取られ、コンピュータ262により撓
みを測定している。ここで、圧電薄膜254は、その電
極を長手方向に二分割し、電極254a,254bを構
成していることが特に好ましい。
らの出力差によりカンチレバープローブ212の横方
向、つまり図中矢印方向の撓みをより適正に検出するこ
とが可能となる。また、この圧電薄膜254は、有機圧
電材料、水晶、ZnO薄膜等を用いることも好ましい。
己検出型カンチレバープローブ212を用いることによ
り、原子間力の横ずれ方向の信号を高精度に検出するこ
とができる。しかも、カンチレバー自体を自己検出型カ
ンチレバープローブとしたので、カンチレバープローブ
を交換した場合に、光学系を再調整する必要が省略可能
となる。
顕微鏡、特にプローブを加振しているものは、一般的な
顕微鏡に比較し、振動等は測定精度に大きな影響を与え
てしまう。また、送り装置であっても、振動が送り精度
に影響を与える場合もあるので、以下の除振機構を設け
ることも好ましい。すなわち、ばねで吊り下げているば
ね釣り型除振機構において、支柱とベースを直接ばねで
接続するのが一般であり、側方の振動に対しても、除振
できる。
が減衰するのに時間がかかる等の欠点がある。また、ば
ね、支柱とベースの間に機械的な接続があるので、ばね
を通じて振動が伝達する欠点があった。そこで、図14
に拡大して示されるように、送り装置は勿論、近接場光
学顕微鏡等の装置全体を下記の除振機構に設置してもよ
い。同図に示す除振機構356は、支柱368と、支柱
368よりばね370で吊り下げているベース372を
備える。このベース372上に近接場光学顕微鏡110
(210)等が設置される。
とは、ばね370、支柱368とベース372を機械的
に分離するため、支柱368とベース372を直接ばね
370で接続するのではなく、ばね370と支柱368
および、ばね370とベース372の一方または両方の
接続部分には、例えば、ばね370の共振周波数の振動
を吸収可能なゴム製のOリング等よりなる弾性体374
と、重量のある金属で構成されるOリング状のスペーサ
376を、複数枚重ねた構造を挟み込んだものを用いて
いる。
に、ばね370の共振周波数の振動を吸収可能なゴム製
の円盤状の弾性体377を設け、該弾性体377にばね
370を接続しており、支柱368、ベース372には
直接接続していない。この結果、このように接続部分を
多層構造とし、前記弾性体374,スペーサ376によ
り、ばね370、支柱368とベース372が機械的に
分離されているため、外部等の振動がばね370を経由
してベース372に伝わるのを防ぐことができる。
6により、上下方向の振動がばね370を経由して伝わ
るのを防ぐことができるものの、ばね370、支柱36
8とベース372が機械的に分離されているため、横方
向の振動には弱くなってしまう。そこで、この除振機構
において、第二に特徴的なことは、横方向の振動を除振
するため、ベースの下方からもばね378で引っ張って
いる。
振周波数の振動を吸収可能なゴム製の円盤状の弾性体3
77と、重量のあるスペーサ376を、複数枚重ねた構
造を挟み込んでいる。この結果、上下両方のばね37
0,378により、側方の振動に対しても復元力が働く
ので、除振性能を損なうことなく、外部からの振動のあ
らゆる方向の振動が速やかに減衰することができる。
に限定されず、送り装置は勿論、振動の影響を低減する
必要のあるものすべてに適用可能である。 <フィードバックアルゴリズム>従来より、観測量を目
標値に近づけるための制御としてPIDフィードバック
制御等が知られており、このPIDフィードバック制御
は、アナログ制御器のパラメータを適切に選んで、観測
量を制御している。
測定試料面の間の距離を制御するため、図15に示すよ
うなPIDフィードバック制御が一般に用いられてい
る。同図において、例えば光触針と被測定試料面の間に
働くシアフォースの増減を検出する光検出器124、或
いは原子間力等の増減を検出する光検出器224からの
観測量Aは、アナログ制御器480に入力され、該観測
量Aが目標値Bに近づくように、つまり光触針と被測定
試料面間の距離が一定となるような操作量C、つまりZ
軸方向の操作量を計算して、ステージコントローラ12
8(228)等に指示を出している。
制御を用いた場合、制御器480の各パラメータを適切
に選ばなければ、オーバーシュート等の問題が発生する
が、パラメータの選択は非常に困難である。しかも、操
作量の計算が面倒である。
一般的な熱交換器等の制御では、多少のオーバーシュー
トがあっても、問題とはならなかったものの、例えば近
接場光学顕微鏡での光触針と被測定試料面の距離の制御
に用いると、オーバーシュートにより光触針と被測定試
料面が接触してしまい、装置、試料の破損を生じるの
で、これは確実に回避しなければならなかった。しか
も、光触針と被測定試料面間の距離は、例えば光の波長
の値より小さいので、この問題はより深刻であったもの
の、これを解決することのできる適切な技術が存在しな
かった。
拡大して示されるように、前記アナログ制御器480に
代えて、DSP(デジタル信号プロセッサ)582を用
いる。このDSP582は、図17に示すように、目標
値Bと観測量Aiの中間値を常時操作量Ci(ゲインが
1の場合、操作量Ci=(観測量Ai+目標値B)/
2)として設定している。そして、このDSP582
は、観測量Aiの変動が検知され、観測量Aiが一定量
にある程度落ち着く時間ti毎に、このような操作量C
iの指示を繰返し行ない、目標値Bに近づけている。
操作量C1は(A0+B)/2、時間t1〜t2で観測
量がA1の場合、操作量C2は(A1+B)/2、時間
t2〜t3で観測量がA2の場合、操作量C3は(A2
+B)/2、時間t3〜t4で観測量がA3の場合、操
作量C4は(A3+B)/2となる。このようにして操
作量Ci(i=1〜4…)を順次、(観測量Ai+目標
値B)/2として指示していくと、オーバーシュートす
ることなく、観測量Aが目標値Bに迅速に落ち着く。
記オーバーシュートを確実に回避する必要のある、例え
ば近接場光学顕微鏡での光触針と被測定試料面間の距離
の制御等に特に有効である。また、このようなDSP5
82を用いると、アルゴリズムを簡単に組めるので、操
作量等の計算が簡単になり、迅速に操作量Ci(i=1
〜4…)の指示が与えられるので、迅速な操作量の指示
が必要な近接場光学顕微鏡での光触針と被測定試料面間
の距離の制御等では特に有効である。
装置によれば、雄ネジにネジ設置部とネジ非設置部を設
けることとしたので、回転体の回転運動を雄ネジのネジ
設置部及び雌ネジを介して直線運動に変換される直線移
動体の送り移動が高精度にかつ容易に行なえる。また、
本発明において、前記雄ネジの略最前部分と略最後部分
に、前記ネジ設置部が設けられ、前記雄ネジの略最前部
分と略最後部分との間に、前記ネジ非設置部が設けられ
ることにより、さらに直線移動体の直動性が向上され
る。また、本発明において、前記雄ネジの略最前部分と
前記雌ネジの対向部分との間で該雄ネジの回転軸上に設
けられ、該雄ネジの略最前部分と雌ネジの対向部分との
間に、常に該回転軸上で該直線移動体の移動方向とは反
対方向の力を働かせるばねを設けることにより、前記直
線移動体の送り移動がより高精度に行なえる。また、本
発明にかかる近接場光学顕微鏡によれば、前記送り装置
を用いることとしたので、試料と光触針間の相対的な位
置決めを高精度にかつ容易に行なえる。
である。
である。
の概略構成の説明図である。
れるボールネジを用いた送り装置の概略構成の説明図で
ある。
出機構の説明図である。
られるロックイン光検出機構の説明図である。
る。
こ法の説明図である。
こ法の説明図である。
る。
の横ずれ成分検出時の状態の説明図であり、同図(A)
は側方より見た図、同図(B)は上方より見た図であ
る。
チレバープローブの説明図である。
機構の説明図である。
ィードバック機構の説明図である。
ードバック機構の説明図である。
説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 雄ネジ及び該雄ネジが螺入される雌ネジ
のうち、一方のネジが設けられた回転体と、他方のネジ
が設けられた直線移動体と、を備え、回転体の回転運動
を、雄ネジ及び雌ネジを介して直線移動体の直線運動に
変換する送り装置において、 前記雄ネジに、ネジが設けられたネジ設置部と、該ネジ
が設けられていないネジ非設置部と、を設け、 前記回転体の回転運動を、前記雄ネジのネジ設置部及び
雌ネジを介して、前記直線移動体の直線運動に変換する
ことを特徴とする送り装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の送り装置において、 前記雄ネジの螺入方向の略最前部分と略最後部分に、前
記ネジ設置部が設けられ、 前記雄ネジの略最前部分と略最後部分との間に、前記ネ
ジ非設置部が設けられたことを特徴とする送り装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の送り装置におい
て、 前記雄ネジの略最前部分と前記雌ネジの対向部分との間
で該雄ネジの回転軸上に設けられ、該雄ネジの略最前部
分と雌ネジの対向部分との間に、常に該回転軸上で該直
線移動体の移動方向とは反対方向の力を働かせるばねを
設けたことを特徴とする送り装置。 - 【請求項4】 被測定試料面のエバネッセント光の場へ
光触針を進入させることにより発生する散乱光より、該
被測定試料の情報を得る近接場光学顕微鏡において、 請求項1〜3のいずれかに記載の送り装置を用いて、被
測定試料面と光触針間の相対的な位置決めを行なうこと
を特徴とする近接場光学顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000151530A JP4480852B2 (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 送り装置、及びそれを用いた近接場光学顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000151530A JP4480852B2 (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 送り装置、及びそれを用いた近接場光学顕微鏡 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001330547A true JP2001330547A (ja) | 2001-11-30 |
JP4480852B2 JP4480852B2 (ja) | 2010-06-16 |
Family
ID=18657079
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000151530A Expired - Lifetime JP4480852B2 (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 送り装置、及びそれを用いた近接場光学顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4480852B2 (ja) |
-
2000
- 2000-05-23 JP JP2000151530A patent/JP4480852B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4480852B2 (ja) | 2010-06-16 |
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