JP2004333334A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学顕微鏡の対物レボルバーに取り付けられる走査型プローブユニットが軽量化された走査型プローブ顕微鏡を提供する。
【解決手段】走査型プローブ顕微鏡は、走査型光学顕微鏡の対物レボルバーに取り付けられる走査型プローブユニット160を含んでいる。走査型プローブユニット160は、プローブ162を自由端部に有するカンチレバー164と、カンチレバー164を保持するカンチレバー保持部168と、プローブ162を試料120の表面に対してX方向とY方向とZ方向に三次元的に走査するプローブ走査機構170と、走査型光学顕微鏡内の光源から射出されたカンチレバー164の自由端部で反射された光ビームを検出する光検出器174とを有している。光検出器174は、走査型光学顕微鏡内の光源と共に、プローブ162のZ方向の変位を光学的に検出するプローブ変位検出系を構成している。
【選択図】 図2
【解決手段】走査型プローブ顕微鏡は、走査型光学顕微鏡の対物レボルバーに取り付けられる走査型プローブユニット160を含んでいる。走査型プローブユニット160は、プローブ162を自由端部に有するカンチレバー164と、カンチレバー164を保持するカンチレバー保持部168と、プローブ162を試料120の表面に対してX方向とY方向とZ方向に三次元的に走査するプローブ走査機構170と、走査型光学顕微鏡内の光源から射出されたカンチレバー164の自由端部で反射された光ビームを検出する光検出器174とを有している。光検出器174は、走査型光学顕微鏡内の光源と共に、プローブ162のZ方向の変位を光学的に検出するプローブ変位検出系を構成している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プローブを走査して試料の表面を観察する走査型プローブ顕微鏡に関する。特に、光学顕微鏡の対物レボルバーに取り付けられる走査型プローブユニットを含む走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
走査型プローブ顕微鏡は、非常に高い分解能を有し、例えば、試料表面の凹凸をナノメートルのオーダーで測定し得る。
【0003】
走査型プローブ顕微鏡は、分解能が高い反面、走査領域すなわち観察領域が狭い。このため、通常、走査型プローブ顕微鏡は、プローブの位置決めを行なうために、走査型プローブ顕微鏡と比較して分解能が低い光学顕微鏡と組み合わされる。
【0004】
走査型プローブ顕微鏡と光学顕微鏡の組み合わせの形態は色々ある。そのひとつとして、光学顕微鏡の対物レボルバーに取り付けられる走査型プローブユニットがある。走査型プローブユニットは、走査型プローブ顕微鏡の必須要素をユニット化したもので、光学顕微鏡の対物レボルバーに取り付けられることにより光学顕微鏡と組み合わされる。
【0005】
走査型プローブユニットは、通常、プローブを自由端部に有するカンチレバーと、プローブを走査するスキャナーと、プローブの変位を検出する変位検出部とを含んでいる。
【0006】
変位検出部は、しばしば、プローブの変位に従って変化するカンチレバーの自由端部の面の傾斜の変化を光学的に検出する、光てこ方式の変位検出系で構成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
走査型プローブユニットにおいては、一般に、カンチレバーは変位検出部に取り付けられており、変位検出部はスキャナーによって支持されている。スキャナーは、変位検出部を移動させることにより、カンチレバーの走査を行なう。
【0008】
高速走査のためには、スキャナーによって実際に移動される部材の重量は少ないほど好ましい。このため、スキャナーに支持される変位検出部の軽量化が望まれている。
【0009】
本発明の目的は、走査型プローブユニットが軽量化された走査型プローブ顕微鏡を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の各項に列記する走査型プローブ顕微鏡を含んでいる。
【0011】
1.本発明の走査型プローブ顕微鏡は、対物レボルバーを有する走査型光学顕微鏡と、対物レボルバーに取り付けられた走査型プローブユニットとを有しており、走査型光学顕微鏡は、光ビームを射出する光源と、光ビームを二次元的に走査する光ビーム走査機構と、試料表面で反射された光ビームを検出する光検出器とを有し、走査型プローブユニットは、プローブを自由端部に有するカンチレバーと、プローブを試料表面に対して三次元的に走査するプローブ走査機構とを有しており、走査型プローブ顕微鏡は更に、プローブの変位を光学的に検出するプローブ変位検出系を有しており、プローブ変位検出系は走査型光学顕微鏡の光源と光検出器の少なくとも一方を含んでいる。
【0012】
この走査型プローブ顕微鏡においては、走査型光学顕微鏡の光源と光検出器の少なくとも一方がプローブ変位検出系の一部を構成している。その分、プローブ走査機構に支持される部分は軽量化されている。
【0013】
2.本発明の別の走査型プローブ顕微鏡は、第1項の走査型プローブ顕微鏡において、プローブ変位検出系は、走査型光学顕微鏡の光源と、走査型光学顕微鏡の光源から射出されカンチレバーで反射された光ビームを検出する第二の光検出器とを有し、第二の光検出器は、走査型プローブユニットに含まれており、プローブの変位に対応して引き起こされるカンチレバーで反射された光ビームの入射位置の変化を検出する。
【0014】
この走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ変位検出系の一部が走査型光学顕微鏡の光源で構成されている。その分、プローブ走査機構に支持される部分が軽量化されている。
【0015】
3.本発明の別の走査型プローブ顕微鏡は、第1項の走査型プローブ顕微鏡において、走査型プローブユニットは、光ビームを発する光源を有し、プローブ変位検出系は、走査型プローブユニットの光源と、走査型光学顕微鏡の光検出器とを有し、走査型光学顕微鏡の光検出器は、入射する光を光電変換する光電変換素子と、光電変換素子の手前に位置するピンホールとを有しており、ピンホールは、プローブの変位を検出する際に、カンチレバーから外れた光軸上の点に対して共焦点の位置におかれ、走査型光学顕微鏡の光検出器は、プローブの変位に対応して引き起こされるピンホールを通過する光ビームの光量の変化を検出する。
【0016】
この走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ変位検出系の一部が走査型光学顕微鏡の光検出器で構成されている。その分、プローブ走査機構に支持される部分が軽量化されている。
【0017】
4.本発明の別の走査型プローブ顕微鏡は、第1項の走査型プローブ顕微鏡において、プローブ変位検出系は、走査型光学顕微鏡の光源と、走査型光学顕微鏡の光検出器とを有し、走査型光学顕微鏡の光検出器は、入射する光を光電変換する光電変換素子と、光電変換素子の手前に位置するピンホールとを有しており、ピンホールは、プローブの変位を検出する際に、カンチレバーから外れた光軸上の点に対して共焦点の位置におかれ、走査型光学顕微鏡の光検出器は、プローブの変位に対応して引き起こされるピンホールを通過する光ビームの光量の変化を検出する。
【0018】
この走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ変位検出系の一部が走査型光学顕微鏡の光源と光検出器で構成されている。その分、プローブ走査機構に支持される部分が軽量化されている。
【0019】
【発明の実施の形態】
第一実施形態
以下、図1と図2を参照しながら、本発明の第一実施形態の走査型プローブ顕微鏡について説明する。図1は、本発明の第一実施形態の走査型プローブ顕微鏡を示している。図2は、図1に示された走査型プローブユニットを示している。
【0020】
図1に示されるように、本実施形態の走査型プローブ顕微鏡100は、走査型光学顕微鏡110を含んでいる。走査型光学顕微鏡110は、これに限定されないが、例えば走査型レーザー顕微鏡である。
【0021】
走査型光学顕微鏡110は、顕微鏡本体112と、顕微鏡本体112に支持された対物レボルバー114と、顕微鏡本体112に取り付けられた試料ステージ122と、対物レボルバー114と試料ステージ122の間隔を変更するZ方向移動機構124とを有している。
【0022】
対物レボルバー114は、複数の対物レンズ116を保持可能であり、例えば回転操作されることにより一つの対物レンズを選択的に走査型光学顕微鏡110の光路上に配置し得る。
【0023】
試料ステージ122には試料120が載置される。試料ステージ122は、例えばXYステージであり、載置された試料120を、走査型光学顕微鏡110の光軸に対して直交するX方向とY方向に二次元的に移動させ得る。
【0024】
Z方向移動機構124は、例えば、対物レボルバー114をZ方向に移動させる機構で構成される。Z方向移動機構124は試料ステージ122に含まれてもよい。つまり、試料ステージ122が、載置された試料120をX方向とY方向とZ方向に三次元的に移動させ得るXYZステージで構成され、試料ステージ122のZステージがZ方向移動機構124を構成してもよい。
【0025】
走査型光学顕微鏡110は更に、光ビームを射出する光源132と、光源132から射出された光ビームを偏向するミラー142と、光ビームを二次元的に走査する光ビーム二次元走査機構134と、光ビーム二次元走査機構134を制御する二次元走査制御回路136と、試料120で反射された光ビームを選択的に偏向する分離偏向部144と、試料120で反射された光ビームを検出する光検出器138とを有している。
【0026】
光源132は、これに限定されないが、例えばレーザーダイオード(LD)である。光ビーム二次元走査機構134は、これに限定されないが、例えば、ガルバノミラーや音響光学素子等を利用して構成される。分離偏向部144は、例えば、ハーフミラーで構成される。しかし、より好ましくは、偏光を利用した分離光学系、例えば偏光ビームスプリッターと四分の一波長板を組み合わせた光学系で構成される。
【0027】
光検出器138は、入射する光ビームの光量を検出する光量検出素子を有する。光量検出素子は、これに限定されないが、例えば、フォトダイオード(PD)やフォトマルチプライヤー(PMT)などで構成される。光検出器138は更に、共焦点効果によりZ方向分解能を高めるために、光量検出素子の手前にピンホールを有していてもよい。
【0028】
走査型光学顕微鏡110は更に、コンピュータ152とモニタ154とを有している。コンピュータ152は、二次元走査制御回路136に送る光ビームの位置情報に同期させて光検出器138の出力を処理して、走査型光学顕微鏡110による試料120の観察画像を形成する。モニタ154は、コンピュータ152で形成された画像を表示する。
【0029】
走査型プローブ顕微鏡100は更に、走査型プローブユニット160と、走査型プローブユニット160を制御するコントローラ156とを有している。コントローラ156は、コンピュータ152と接続されている。コンピュータ152は更に、コントローラ156からの情報に基づいて、走査型プローブユニット160による試料120の観察画像を形成する。
【0030】
走査型プローブユニット160は、走査型光学顕微鏡110の対物レボルバー114に着脱可能に取り付けられ、対物レボルバー114の回転操作により走査型光学顕微鏡110の光路上に適宜配置される。
【0031】
図2に示されるように、走査型プローブユニット160は、プローブ162を自由端部に有するカンチレバー164と、カンチレバー164を保持するカンチレバー保持部168と、プローブ162を試料120の表面に対してX方向とY方向とZ方向に三次元的に走査するプローブ走査機構170とを有している。
【0032】
カンチレバー164は、柔軟で弾性変形可能であり、プローブ162が試料120との相互作用により受ける力(例えば原子間力)に応じて撓む。その結果、プローブ162はZ方向に変位する。
【0033】
プローブ走査機構170は、走査型光学顕微鏡110の光路を遮らない形態を有している。プローブ走査機構170は、これに限定されないが、例えば圧電チューブスキャナーで構成される。
【0034】
走査型プローブユニット160は更に、走査型プローブユニット160が走査型光学顕微鏡110の光路上に配置された際に、走査型光学顕微鏡110の光源132から射出された光ビームをカンチレバー164の自由端部に収束させる対物レンズ172と、カンチレバー164の自由端部で反射された光ビームを検出する光検出器174とを有している。
【0035】
光検出器174は、プローブ162の変位に対応して引き起こされるカンチレバーで反射された光ビームの入射位置の変化を検出する。光検出器174は、これに限定されないが、例えば、二分割フォトダイオードや四分割フォトダイオード、固体撮像素子(CCD)、PSD(Position−sensitive−device)などで構成される。
【0036】
光検出器174で検出される光ビームの入射位置の変化は、プローブ162のZ方向の変位に依存している。従って、光検出器174の出力は、プローブ162のZ方向の変位を反映している。つまり、光検出器174は、プローブ162のZ方向の変位に対応した信号を出力する。そのため、光検出器174の出力からプローブ162のZ方向の変位が分かる。
【0037】
このように、光検出器174は、走査型光学顕微鏡110の光源132と共働して、プローブ162のZ方向の変位を検出する。言い換えれば、光検出器174と走査型光学顕微鏡110の光源132は、プローブ162のZ方向の変位を光学的に検出するプローブ変位検出系を構成している。
【0038】
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡100は、試料120に対して、走査型光学顕微鏡110による走査型光学顕微鏡観察と、走査型プローブユニット160による走査型プローブ顕微鏡観察とを行なえる。
【0039】
走査型光学顕微鏡観察を行なう際、対物レンズ116が走査型光学顕微鏡110の光路上に配置される。
【0040】
光源132から射出された光ビームは、ミラー142で偏向され、光ビーム二次元走査機構134と対物レンズ116を経て、試料120に照射される。光ビームは、対物レンズ116によって、試料120の表面または内部に収束される。光ビームの収束点は、光ビーム二次元走査機構134によって、二次元的に走査される。
【0041】
試料120で反射された光ビームは、対物レンズ116と光ビーム二次元走査機構134を通過した後、分離偏向部144で選択的に偏光されて光検出器138に入射する。光検出器は、入射した光ビームの光量に対応した信号を出力する。
【0042】
コンピュータ152は、光検出器138の出力を光ビームの収束点の位置情報に同期させて処理することにより、試料120の観察画像(走査型光学顕微鏡観察画像)を形成し、その観察画像をモニタ154に表示させる。
【0043】
走査型プローブ観察を行なう際、走査型プローブユニット160が走査型光学顕微鏡110の光路上に配置される。
【0044】
光源132から射出された光ビームは、ミラー142で偏向され、光ビーム二次元走査機構134を経て、走査型プローブユニット160に達する。光ビーム二次元走査機構134は、光ビームがカンチレバー164の自由端部に照射されるように調整される。また、走査型プローブユニット160内の対物レンズ172も、光ビームがカンチレバー164の表面に適切に収束されるように、Z方向の位置が図示しない機構によって調整される。
【0045】
カンチレバー164で反射された光ビームは、光検出器174に入射する。光検出器174は、カンチレバー164の自由端部すなわちプローブ162のZ方向の変位を反映した信号を出力する。
【0046】
プローブ162は、プローブ走査機構170によって、X方向とY方向に走査されつつ、例えば光検出器174の出力を一定に保つように、Z方向にも走査される。コントローラ156は、プローブ162の位置情報、すなわちプローブ走査機構170に送るX方向とY方向に走査信号とZ方向に走査信号をコンピュータ152に送る。
【0047】
コンピュータ152は、コントローラ156から供給されるプローブ162の位置情報に基づいて、試料120の表面の観察画像(走査型プローブ顕微鏡観察画像)を形成し、その観察画像をモニタ154に表示させる。
【0048】
走査型プローブ観察を行なう際、走査型プローブ観察の前に、プローブ162の位置決めのために、走査型プローブユニット160内の対物レンズ172を利用して走査型光学顕微鏡観察を行なってもよい。その場合、対物レンズ172は、光ビームが試料120の表面または内部に収束されるように、図示しない機構によってZ方向の位置が調整される。
【0049】
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡100においては、プローブ162の変位を光学的に検出する変位検出系の一部を構成する光源132が、走査型プローブユニット160の内部にではなく、走査型光学顕微鏡110の顕微鏡本体112の内部に位置している。その分、走査型プローブユニット160は、軽量化されている。さらに、走査型プローブユニット160は、その分、小型化されていてもよい。
【0050】
第二実施形態
以下、図3と図4を参照しながら、本発明の第二実施形態の走査型プローブ顕微鏡について説明する。本実施形態は、第一実施形態の走査型プローブユニットに代替可能な別の走査型プローブユニットに向けられている。図3は、本発明の第二実施形態の走査型プローブ顕微鏡における走査型プローブユニットを示している。図4は、図3に示される走査型プローブユニットに対応した走査型光学顕微鏡内の光検出器の構成を示している。図3において、図2中の部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
【0051】
本実施形態においては、図3に示されるように、走査型プローブユニット180は、カンチレバー164とカンチレバー保持部168とプローブ走査機構170と対物レンズ172とに加えて、光ビームを発する光源182と、光源182からの光ビームを偏向して対物レンズ172を通してカンチレバー164の自由端部に入射させると共に、カンチレバー164で反射された光ビームを透過して走査型光学顕微鏡110に導くビームスプリッター184とを有している。ビームスプリッター184は、これに限定されないが、例えばハーフミラーで構成され得る。
【0052】
走査型光学顕微鏡110内に導かれた光ビームは、二次元走査機構134と分離偏向部144とを経て光検出器138に入射する。光検出器138は、図4に示されるように、光ビームを収束させる収束レンズ192と、入射する光を光電変換する光電変換素子196と、光電変換素子196の手前に配置されたピンホール194とを有している。
【0053】
ピンホール194は、プローブの変位を検出する際に、カンチレバー164から少し外れた光軸上の点に対して共焦点の位置におかれる。言い換えれば、ピンホール194は、カンチレバー164に対して共焦点の位置から光軸に沿って少し外れた位置に配置されている。光電変換素子196は、ピンホール194を通過した光の光量に対応した電気信号を出力する。
【0054】
ピンホール194を通過する光の割合は、カンチレバー164の自由端部の上下動に応じて変化する。さらに、ピンホール194を通過する光の割合は、カンチレバー164の自由端部の移動方向に応じて増減する。従って、光電変換素子196から出力される電気信号の大きさの変化からカンチレバー164の自由端部の移動量が分かり、変化方向からカンチレバー164の自由端部の移動方向が分かる。つまり、光電変換素子196から出力される電気信号からプローブ162のZ方向の変位が分かる。
【0055】
このように、走査型光学顕微鏡110内の光検出器138は、走査型プローブユニット180内の光源182と共働して、プローブ162のZ方向の変位を検出する。言い換えれば、走査型プローブユニット180内の光源182と走査型光学顕微鏡110内の光検出器138は、プローブ162のZ方向の変位を光学的に検出するプローブ変位検出系を構成している。
【0056】
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ162のZ方向の変位検出の他の操作や処理は、第一実施形態と全く同様にして行なわれる。
【0057】
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ162の変位を光学的に検出する変位検出系の一部を構成する光検出器190が、走査型プローブユニット180の内部にではなく、走査型光学顕微鏡110の顕微鏡本体112の内部に位置している。その分、走査型プローブユニット180は、軽量化されている。さらに、走査型プローブユニット180は、その分、小型化されていてもよい。
【0058】
第三実施形態
以下、図5を参照しながら、本発明の第三実施形態の走査型プローブ顕微鏡について説明する。本実施形態は、第二実施形態の走査型プローブユニットに代替可能な別の走査型プローブユニットに向けられている。図5は、本発明の第三実施形態の走査型プローブ顕微鏡における走査型プローブユニットを示している。
図5において、図2中の部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
【0059】
本実施形態においては、図5に示されるように、走査型プローブユニット200は、第二実施形態の走査型プローブユニット180から、光源182とビームスプリッター184とが省かれた構成を有している。つまり、走査型プローブユニット200は、カンチレバー164とカンチレバー保持部168とプローブ走査機構170と対物レンズ172とだけを備えている。
【0060】
本実施形態においては、走査型プローブユニット200が走査型光学顕微鏡110の光路上に配置された際、走査型光学顕微鏡110の光源132から射出された光ビームは、ミラー142と光ビーム二次元走査機構134と対物レンズ116を経て、カンチレバー164の自由端部に照射される。カンチレバー164の自由端部で反射された光ビームは、対物レンズ116と光ビーム二次元走査機構134と分離偏向部144とを経て光検出器138に入射する。
【0061】
光検出器138は、第二実施形態と同じ構成を有している。つまり、光検出器138は、図4に示されるように、光ビームを収束させる収束レンズ192と、入射する光を光電変換する光電変換素子196と、光電変換素子196の手前に配置されたピンホール194とを有している。
【0062】
ピンホール194は、カンチレバー164から少し外れた光軸上の点に対して共焦点の位置に配置されている。言い換えれば、ピンホール194は、カンチレバー164に対して共焦点の位置から光軸に沿って少し外れた位置に配置されている。光電変換素子196は、ピンホール194を通過した光の光量に対応した電気信号を出力する。
【0063】
第二実施形態において説明したように、光電変換素子196から出力される電気信号の大きさの変化からカンチレバー164の自由端部の移動量が分かり、変化方向からカンチレバー164の自由端部の移動方向が分かる。つまり、光電変換素子196から出力される電気信号からプローブ162のZ方向の変位が分かる。
【0064】
このように、本実施形態においては、走査型光学顕微鏡110内の光源132と走査型光学顕微鏡110内の光検出器138とが共働してプローブ162のZ方向の変位を検出する。言い換えれば、走査型光学顕微鏡110内の光源132と走査型光学顕微鏡110内の光検出器138は、プローブ162のZ方向の変位を光学的に検出するプローブ変位検出系を構成している。
【0065】
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ162のZ方向の変位検出の他の操作や処理は、第一実施形態と全く同様にして行なわれる。
【0066】
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ162の変位を光学的に検出する変位検出系の一部を構成する光源132と光検出器190が、走査型プローブユニット200の内部にではなく、走査型光学顕微鏡110の顕微鏡本体112の内部に位置している。その分、走査型プローブユニット200は、軽量化されている。さらに、走査型プローブユニット200は、その分、小型化されていてもよい。
【0067】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施の形態を述べたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、走査型プローブユニットが軽量化された走査型プローブ顕微鏡が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の走査型プローブ顕微鏡を示している。
【図2】図1に示された走査型プローブユニットを示している。
【図3】本発明の第二実施形態の走査型プローブ顕微鏡における走査型プローブユニットを示している。
【図4】図3に示される走査型プローブユニットに対応した走査型光学顕微鏡内の光検出器の構成を示している。
【図5】本発明の第三実施形態の走査型プローブ顕微鏡における走査型プローブユニットを示している。
【符号の説明】
100…走査型プローブ顕微鏡、110…走査型光学顕微鏡、114…対物レボルバー、132…光源、134…光ビーム二次元走査機構、138…光検出器、160…走査型プローブユニット、162…プローブ、164…カンチレバー、170…プローブ走査機構、174…光検出器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プローブを走査して試料の表面を観察する走査型プローブ顕微鏡に関する。特に、光学顕微鏡の対物レボルバーに取り付けられる走査型プローブユニットを含む走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
走査型プローブ顕微鏡は、非常に高い分解能を有し、例えば、試料表面の凹凸をナノメートルのオーダーで測定し得る。
【0003】
走査型プローブ顕微鏡は、分解能が高い反面、走査領域すなわち観察領域が狭い。このため、通常、走査型プローブ顕微鏡は、プローブの位置決めを行なうために、走査型プローブ顕微鏡と比較して分解能が低い光学顕微鏡と組み合わされる。
【0004】
走査型プローブ顕微鏡と光学顕微鏡の組み合わせの形態は色々ある。そのひとつとして、光学顕微鏡の対物レボルバーに取り付けられる走査型プローブユニットがある。走査型プローブユニットは、走査型プローブ顕微鏡の必須要素をユニット化したもので、光学顕微鏡の対物レボルバーに取り付けられることにより光学顕微鏡と組み合わされる。
【0005】
走査型プローブユニットは、通常、プローブを自由端部に有するカンチレバーと、プローブを走査するスキャナーと、プローブの変位を検出する変位検出部とを含んでいる。
【0006】
変位検出部は、しばしば、プローブの変位に従って変化するカンチレバーの自由端部の面の傾斜の変化を光学的に検出する、光てこ方式の変位検出系で構成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
走査型プローブユニットにおいては、一般に、カンチレバーは変位検出部に取り付けられており、変位検出部はスキャナーによって支持されている。スキャナーは、変位検出部を移動させることにより、カンチレバーの走査を行なう。
【0008】
高速走査のためには、スキャナーによって実際に移動される部材の重量は少ないほど好ましい。このため、スキャナーに支持される変位検出部の軽量化が望まれている。
【0009】
本発明の目的は、走査型プローブユニットが軽量化された走査型プローブ顕微鏡を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の各項に列記する走査型プローブ顕微鏡を含んでいる。
【0011】
1.本発明の走査型プローブ顕微鏡は、対物レボルバーを有する走査型光学顕微鏡と、対物レボルバーに取り付けられた走査型プローブユニットとを有しており、走査型光学顕微鏡は、光ビームを射出する光源と、光ビームを二次元的に走査する光ビーム走査機構と、試料表面で反射された光ビームを検出する光検出器とを有し、走査型プローブユニットは、プローブを自由端部に有するカンチレバーと、プローブを試料表面に対して三次元的に走査するプローブ走査機構とを有しており、走査型プローブ顕微鏡は更に、プローブの変位を光学的に検出するプローブ変位検出系を有しており、プローブ変位検出系は走査型光学顕微鏡の光源と光検出器の少なくとも一方を含んでいる。
【0012】
この走査型プローブ顕微鏡においては、走査型光学顕微鏡の光源と光検出器の少なくとも一方がプローブ変位検出系の一部を構成している。その分、プローブ走査機構に支持される部分は軽量化されている。
【0013】
2.本発明の別の走査型プローブ顕微鏡は、第1項の走査型プローブ顕微鏡において、プローブ変位検出系は、走査型光学顕微鏡の光源と、走査型光学顕微鏡の光源から射出されカンチレバーで反射された光ビームを検出する第二の光検出器とを有し、第二の光検出器は、走査型プローブユニットに含まれており、プローブの変位に対応して引き起こされるカンチレバーで反射された光ビームの入射位置の変化を検出する。
【0014】
この走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ変位検出系の一部が走査型光学顕微鏡の光源で構成されている。その分、プローブ走査機構に支持される部分が軽量化されている。
【0015】
3.本発明の別の走査型プローブ顕微鏡は、第1項の走査型プローブ顕微鏡において、走査型プローブユニットは、光ビームを発する光源を有し、プローブ変位検出系は、走査型プローブユニットの光源と、走査型光学顕微鏡の光検出器とを有し、走査型光学顕微鏡の光検出器は、入射する光を光電変換する光電変換素子と、光電変換素子の手前に位置するピンホールとを有しており、ピンホールは、プローブの変位を検出する際に、カンチレバーから外れた光軸上の点に対して共焦点の位置におかれ、走査型光学顕微鏡の光検出器は、プローブの変位に対応して引き起こされるピンホールを通過する光ビームの光量の変化を検出する。
【0016】
この走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ変位検出系の一部が走査型光学顕微鏡の光検出器で構成されている。その分、プローブ走査機構に支持される部分が軽量化されている。
【0017】
4.本発明の別の走査型プローブ顕微鏡は、第1項の走査型プローブ顕微鏡において、プローブ変位検出系は、走査型光学顕微鏡の光源と、走査型光学顕微鏡の光検出器とを有し、走査型光学顕微鏡の光検出器は、入射する光を光電変換する光電変換素子と、光電変換素子の手前に位置するピンホールとを有しており、ピンホールは、プローブの変位を検出する際に、カンチレバーから外れた光軸上の点に対して共焦点の位置におかれ、走査型光学顕微鏡の光検出器は、プローブの変位に対応して引き起こされるピンホールを通過する光ビームの光量の変化を検出する。
【0018】
この走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ変位検出系の一部が走査型光学顕微鏡の光源と光検出器で構成されている。その分、プローブ走査機構に支持される部分が軽量化されている。
【0019】
【発明の実施の形態】
第一実施形態
以下、図1と図2を参照しながら、本発明の第一実施形態の走査型プローブ顕微鏡について説明する。図1は、本発明の第一実施形態の走査型プローブ顕微鏡を示している。図2は、図1に示された走査型プローブユニットを示している。
【0020】
図1に示されるように、本実施形態の走査型プローブ顕微鏡100は、走査型光学顕微鏡110を含んでいる。走査型光学顕微鏡110は、これに限定されないが、例えば走査型レーザー顕微鏡である。
【0021】
走査型光学顕微鏡110は、顕微鏡本体112と、顕微鏡本体112に支持された対物レボルバー114と、顕微鏡本体112に取り付けられた試料ステージ122と、対物レボルバー114と試料ステージ122の間隔を変更するZ方向移動機構124とを有している。
【0022】
対物レボルバー114は、複数の対物レンズ116を保持可能であり、例えば回転操作されることにより一つの対物レンズを選択的に走査型光学顕微鏡110の光路上に配置し得る。
【0023】
試料ステージ122には試料120が載置される。試料ステージ122は、例えばXYステージであり、載置された試料120を、走査型光学顕微鏡110の光軸に対して直交するX方向とY方向に二次元的に移動させ得る。
【0024】
Z方向移動機構124は、例えば、対物レボルバー114をZ方向に移動させる機構で構成される。Z方向移動機構124は試料ステージ122に含まれてもよい。つまり、試料ステージ122が、載置された試料120をX方向とY方向とZ方向に三次元的に移動させ得るXYZステージで構成され、試料ステージ122のZステージがZ方向移動機構124を構成してもよい。
【0025】
走査型光学顕微鏡110は更に、光ビームを射出する光源132と、光源132から射出された光ビームを偏向するミラー142と、光ビームを二次元的に走査する光ビーム二次元走査機構134と、光ビーム二次元走査機構134を制御する二次元走査制御回路136と、試料120で反射された光ビームを選択的に偏向する分離偏向部144と、試料120で反射された光ビームを検出する光検出器138とを有している。
【0026】
光源132は、これに限定されないが、例えばレーザーダイオード(LD)である。光ビーム二次元走査機構134は、これに限定されないが、例えば、ガルバノミラーや音響光学素子等を利用して構成される。分離偏向部144は、例えば、ハーフミラーで構成される。しかし、より好ましくは、偏光を利用した分離光学系、例えば偏光ビームスプリッターと四分の一波長板を組み合わせた光学系で構成される。
【0027】
光検出器138は、入射する光ビームの光量を検出する光量検出素子を有する。光量検出素子は、これに限定されないが、例えば、フォトダイオード(PD)やフォトマルチプライヤー(PMT)などで構成される。光検出器138は更に、共焦点効果によりZ方向分解能を高めるために、光量検出素子の手前にピンホールを有していてもよい。
【0028】
走査型光学顕微鏡110は更に、コンピュータ152とモニタ154とを有している。コンピュータ152は、二次元走査制御回路136に送る光ビームの位置情報に同期させて光検出器138の出力を処理して、走査型光学顕微鏡110による試料120の観察画像を形成する。モニタ154は、コンピュータ152で形成された画像を表示する。
【0029】
走査型プローブ顕微鏡100は更に、走査型プローブユニット160と、走査型プローブユニット160を制御するコントローラ156とを有している。コントローラ156は、コンピュータ152と接続されている。コンピュータ152は更に、コントローラ156からの情報に基づいて、走査型プローブユニット160による試料120の観察画像を形成する。
【0030】
走査型プローブユニット160は、走査型光学顕微鏡110の対物レボルバー114に着脱可能に取り付けられ、対物レボルバー114の回転操作により走査型光学顕微鏡110の光路上に適宜配置される。
【0031】
図2に示されるように、走査型プローブユニット160は、プローブ162を自由端部に有するカンチレバー164と、カンチレバー164を保持するカンチレバー保持部168と、プローブ162を試料120の表面に対してX方向とY方向とZ方向に三次元的に走査するプローブ走査機構170とを有している。
【0032】
カンチレバー164は、柔軟で弾性変形可能であり、プローブ162が試料120との相互作用により受ける力(例えば原子間力)に応じて撓む。その結果、プローブ162はZ方向に変位する。
【0033】
プローブ走査機構170は、走査型光学顕微鏡110の光路を遮らない形態を有している。プローブ走査機構170は、これに限定されないが、例えば圧電チューブスキャナーで構成される。
【0034】
走査型プローブユニット160は更に、走査型プローブユニット160が走査型光学顕微鏡110の光路上に配置された際に、走査型光学顕微鏡110の光源132から射出された光ビームをカンチレバー164の自由端部に収束させる対物レンズ172と、カンチレバー164の自由端部で反射された光ビームを検出する光検出器174とを有している。
【0035】
光検出器174は、プローブ162の変位に対応して引き起こされるカンチレバーで反射された光ビームの入射位置の変化を検出する。光検出器174は、これに限定されないが、例えば、二分割フォトダイオードや四分割フォトダイオード、固体撮像素子(CCD)、PSD(Position−sensitive−device)などで構成される。
【0036】
光検出器174で検出される光ビームの入射位置の変化は、プローブ162のZ方向の変位に依存している。従って、光検出器174の出力は、プローブ162のZ方向の変位を反映している。つまり、光検出器174は、プローブ162のZ方向の変位に対応した信号を出力する。そのため、光検出器174の出力からプローブ162のZ方向の変位が分かる。
【0037】
このように、光検出器174は、走査型光学顕微鏡110の光源132と共働して、プローブ162のZ方向の変位を検出する。言い換えれば、光検出器174と走査型光学顕微鏡110の光源132は、プローブ162のZ方向の変位を光学的に検出するプローブ変位検出系を構成している。
【0038】
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡100は、試料120に対して、走査型光学顕微鏡110による走査型光学顕微鏡観察と、走査型プローブユニット160による走査型プローブ顕微鏡観察とを行なえる。
【0039】
走査型光学顕微鏡観察を行なう際、対物レンズ116が走査型光学顕微鏡110の光路上に配置される。
【0040】
光源132から射出された光ビームは、ミラー142で偏向され、光ビーム二次元走査機構134と対物レンズ116を経て、試料120に照射される。光ビームは、対物レンズ116によって、試料120の表面または内部に収束される。光ビームの収束点は、光ビーム二次元走査機構134によって、二次元的に走査される。
【0041】
試料120で反射された光ビームは、対物レンズ116と光ビーム二次元走査機構134を通過した後、分離偏向部144で選択的に偏光されて光検出器138に入射する。光検出器は、入射した光ビームの光量に対応した信号を出力する。
【0042】
コンピュータ152は、光検出器138の出力を光ビームの収束点の位置情報に同期させて処理することにより、試料120の観察画像(走査型光学顕微鏡観察画像)を形成し、その観察画像をモニタ154に表示させる。
【0043】
走査型プローブ観察を行なう際、走査型プローブユニット160が走査型光学顕微鏡110の光路上に配置される。
【0044】
光源132から射出された光ビームは、ミラー142で偏向され、光ビーム二次元走査機構134を経て、走査型プローブユニット160に達する。光ビーム二次元走査機構134は、光ビームがカンチレバー164の自由端部に照射されるように調整される。また、走査型プローブユニット160内の対物レンズ172も、光ビームがカンチレバー164の表面に適切に収束されるように、Z方向の位置が図示しない機構によって調整される。
【0045】
カンチレバー164で反射された光ビームは、光検出器174に入射する。光検出器174は、カンチレバー164の自由端部すなわちプローブ162のZ方向の変位を反映した信号を出力する。
【0046】
プローブ162は、プローブ走査機構170によって、X方向とY方向に走査されつつ、例えば光検出器174の出力を一定に保つように、Z方向にも走査される。コントローラ156は、プローブ162の位置情報、すなわちプローブ走査機構170に送るX方向とY方向に走査信号とZ方向に走査信号をコンピュータ152に送る。
【0047】
コンピュータ152は、コントローラ156から供給されるプローブ162の位置情報に基づいて、試料120の表面の観察画像(走査型プローブ顕微鏡観察画像)を形成し、その観察画像をモニタ154に表示させる。
【0048】
走査型プローブ観察を行なう際、走査型プローブ観察の前に、プローブ162の位置決めのために、走査型プローブユニット160内の対物レンズ172を利用して走査型光学顕微鏡観察を行なってもよい。その場合、対物レンズ172は、光ビームが試料120の表面または内部に収束されるように、図示しない機構によってZ方向の位置が調整される。
【0049】
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡100においては、プローブ162の変位を光学的に検出する変位検出系の一部を構成する光源132が、走査型プローブユニット160の内部にではなく、走査型光学顕微鏡110の顕微鏡本体112の内部に位置している。その分、走査型プローブユニット160は、軽量化されている。さらに、走査型プローブユニット160は、その分、小型化されていてもよい。
【0050】
第二実施形態
以下、図3と図4を参照しながら、本発明の第二実施形態の走査型プローブ顕微鏡について説明する。本実施形態は、第一実施形態の走査型プローブユニットに代替可能な別の走査型プローブユニットに向けられている。図3は、本発明の第二実施形態の走査型プローブ顕微鏡における走査型プローブユニットを示している。図4は、図3に示される走査型プローブユニットに対応した走査型光学顕微鏡内の光検出器の構成を示している。図3において、図2中の部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
【0051】
本実施形態においては、図3に示されるように、走査型プローブユニット180は、カンチレバー164とカンチレバー保持部168とプローブ走査機構170と対物レンズ172とに加えて、光ビームを発する光源182と、光源182からの光ビームを偏向して対物レンズ172を通してカンチレバー164の自由端部に入射させると共に、カンチレバー164で反射された光ビームを透過して走査型光学顕微鏡110に導くビームスプリッター184とを有している。ビームスプリッター184は、これに限定されないが、例えばハーフミラーで構成され得る。
【0052】
走査型光学顕微鏡110内に導かれた光ビームは、二次元走査機構134と分離偏向部144とを経て光検出器138に入射する。光検出器138は、図4に示されるように、光ビームを収束させる収束レンズ192と、入射する光を光電変換する光電変換素子196と、光電変換素子196の手前に配置されたピンホール194とを有している。
【0053】
ピンホール194は、プローブの変位を検出する際に、カンチレバー164から少し外れた光軸上の点に対して共焦点の位置におかれる。言い換えれば、ピンホール194は、カンチレバー164に対して共焦点の位置から光軸に沿って少し外れた位置に配置されている。光電変換素子196は、ピンホール194を通過した光の光量に対応した電気信号を出力する。
【0054】
ピンホール194を通過する光の割合は、カンチレバー164の自由端部の上下動に応じて変化する。さらに、ピンホール194を通過する光の割合は、カンチレバー164の自由端部の移動方向に応じて増減する。従って、光電変換素子196から出力される電気信号の大きさの変化からカンチレバー164の自由端部の移動量が分かり、変化方向からカンチレバー164の自由端部の移動方向が分かる。つまり、光電変換素子196から出力される電気信号からプローブ162のZ方向の変位が分かる。
【0055】
このように、走査型光学顕微鏡110内の光検出器138は、走査型プローブユニット180内の光源182と共働して、プローブ162のZ方向の変位を検出する。言い換えれば、走査型プローブユニット180内の光源182と走査型光学顕微鏡110内の光検出器138は、プローブ162のZ方向の変位を光学的に検出するプローブ変位検出系を構成している。
【0056】
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ162のZ方向の変位検出の他の操作や処理は、第一実施形態と全く同様にして行なわれる。
【0057】
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ162の変位を光学的に検出する変位検出系の一部を構成する光検出器190が、走査型プローブユニット180の内部にではなく、走査型光学顕微鏡110の顕微鏡本体112の内部に位置している。その分、走査型プローブユニット180は、軽量化されている。さらに、走査型プローブユニット180は、その分、小型化されていてもよい。
【0058】
第三実施形態
以下、図5を参照しながら、本発明の第三実施形態の走査型プローブ顕微鏡について説明する。本実施形態は、第二実施形態の走査型プローブユニットに代替可能な別の走査型プローブユニットに向けられている。図5は、本発明の第三実施形態の走査型プローブ顕微鏡における走査型プローブユニットを示している。
図5において、図2中の部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
【0059】
本実施形態においては、図5に示されるように、走査型プローブユニット200は、第二実施形態の走査型プローブユニット180から、光源182とビームスプリッター184とが省かれた構成を有している。つまり、走査型プローブユニット200は、カンチレバー164とカンチレバー保持部168とプローブ走査機構170と対物レンズ172とだけを備えている。
【0060】
本実施形態においては、走査型プローブユニット200が走査型光学顕微鏡110の光路上に配置された際、走査型光学顕微鏡110の光源132から射出された光ビームは、ミラー142と光ビーム二次元走査機構134と対物レンズ116を経て、カンチレバー164の自由端部に照射される。カンチレバー164の自由端部で反射された光ビームは、対物レンズ116と光ビーム二次元走査機構134と分離偏向部144とを経て光検出器138に入射する。
【0061】
光検出器138は、第二実施形態と同じ構成を有している。つまり、光検出器138は、図4に示されるように、光ビームを収束させる収束レンズ192と、入射する光を光電変換する光電変換素子196と、光電変換素子196の手前に配置されたピンホール194とを有している。
【0062】
ピンホール194は、カンチレバー164から少し外れた光軸上の点に対して共焦点の位置に配置されている。言い換えれば、ピンホール194は、カンチレバー164に対して共焦点の位置から光軸に沿って少し外れた位置に配置されている。光電変換素子196は、ピンホール194を通過した光の光量に対応した電気信号を出力する。
【0063】
第二実施形態において説明したように、光電変換素子196から出力される電気信号の大きさの変化からカンチレバー164の自由端部の移動量が分かり、変化方向からカンチレバー164の自由端部の移動方向が分かる。つまり、光電変換素子196から出力される電気信号からプローブ162のZ方向の変位が分かる。
【0064】
このように、本実施形態においては、走査型光学顕微鏡110内の光源132と走査型光学顕微鏡110内の光検出器138とが共働してプローブ162のZ方向の変位を検出する。言い換えれば、走査型光学顕微鏡110内の光源132と走査型光学顕微鏡110内の光検出器138は、プローブ162のZ方向の変位を光学的に検出するプローブ変位検出系を構成している。
【0065】
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ162のZ方向の変位検出の他の操作や処理は、第一実施形態と全く同様にして行なわれる。
【0066】
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡においては、プローブ162の変位を光学的に検出する変位検出系の一部を構成する光源132と光検出器190が、走査型プローブユニット200の内部にではなく、走査型光学顕微鏡110の顕微鏡本体112の内部に位置している。その分、走査型プローブユニット200は、軽量化されている。さらに、走査型プローブユニット200は、その分、小型化されていてもよい。
【0067】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施の形態を述べたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、走査型プローブユニットが軽量化された走査型プローブ顕微鏡が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の走査型プローブ顕微鏡を示している。
【図2】図1に示された走査型プローブユニットを示している。
【図3】本発明の第二実施形態の走査型プローブ顕微鏡における走査型プローブユニットを示している。
【図4】図3に示される走査型プローブユニットに対応した走査型光学顕微鏡内の光検出器の構成を示している。
【図5】本発明の第三実施形態の走査型プローブ顕微鏡における走査型プローブユニットを示している。
【符号の説明】
100…走査型プローブ顕微鏡、110…走査型光学顕微鏡、114…対物レボルバー、132…光源、134…光ビーム二次元走査機構、138…光検出器、160…走査型プローブユニット、162…プローブ、164…カンチレバー、170…プローブ走査機構、174…光検出器。
Claims (4)
- プローブにより試料表面を観察する走査型プローブ顕微鏡であり、
対物レボルバーを有する走査型光学顕微鏡と、
対物レボルバーに取り付けられた走査型プローブユニットとを有しており、
走査型光学顕微鏡は、光ビームを射出する光源と、光ビームを二次元的に走査する光ビーム走査機構と、試料表面で反射された光ビームを検出する光検出器とを有し、
走査型プローブユニットは、プローブを自由端部に有するカンチレバーと、プローブを試料表面に対して三次元的に走査する(すなわち試料表面に平行に走査すると共に試料表面に垂直に走査する)プローブ走査機構とを有しており、
走査型プローブ顕微鏡は更に、プローブの変位を光学的に検出するプローブ変位検出系を有しており、プローブ変位検出系は走査型光学顕微鏡の光源と光検出器の少なくとも一方を含んでいる、走査型プローブ顕微鏡。 - 請求項1において、プローブ変位検出系は、走査型光学顕微鏡の光源と、走査型光学顕微鏡の光源から射出されカンチレバーで反射された光ビームを検出する第二の光検出器とを有し、第二の光検出器は、走査型プローブユニットに含まれており、プローブの変位に対応して引き起こされるカンチレバーで反射された光ビームの入射位置の変化を検出する、走査型プローブ顕微鏡。
- 請求項1において、走査型プローブユニットは、光ビームを発する光源を有し、プローブ変位検出系は、走査型プローブユニットの光源と、走査型光学顕微鏡の光検出器とを有し、走査型光学顕微鏡の光検出器は、入射する光を光電変換する光電変換素子と、光電変換素子の手前に位置するピンホールとを有しており、ピンホールは、プローブの変位を検出する際に、カンチレバーから外れた光軸上の点に対して共焦点の位置におかれ、走査型光学顕微鏡の光検出器は、プローブの変位に対応して引き起こされるピンホールを通過する光ビームの光量の変化を検出する、走査型プローブ顕微鏡。
- 請求項1において、プローブ変位検出系は、走査型光学顕微鏡の光源と、走査型光学顕微鏡の光検出器とを有し、走査型光学顕微鏡の光検出器は、入射する光を光電変換する光電変換素子と、光電変換素子の手前に位置するピンホールとを有しており、ピンホールは、プローブの変位を検出する際に、カンチレバーから外れた光軸上の点に対して共焦点の位置におかれ、走査型光学顕微鏡の光検出器は、プローブの変位に対応して引き起こされるピンホールを通過する光ビームの光量の変化を検出する、走査型プローブ顕微鏡。
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Cited By (3)
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JP2010521693A (ja) * | 2007-03-16 | 2010-06-24 | ビーコ インストルメンツ インコーポレイテッド | 高速走査spmスキャナ及びその動作方法 |
JP2014006314A (ja) * | 2012-06-22 | 2014-01-16 | Lasertec Corp | 異物除去装置及び異物除去方法 |
CN106595520A (zh) * | 2016-12-12 | 2017-04-26 | 东莞市鸿金顺机械制造有限公司 | 智能3d检测设备 |
-
2003
- 2003-05-08 JP JP2003130668A patent/JP2004333334A/ja not_active Withdrawn
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