JP2007139557A - 複合型顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】 短時間に、精度の高いSPM測定を行うことができる複合型顕微鏡を提供する。
【解決手段】 プローブにより試料3表面を走査し物性値の力を検出し画像化可能にしたSPM6、試料3の表面形状の3次元情報を取得可能にしたLSMを有し、LSMにより取得された3次元情報に基づいて制御部11によりSPM6の走査軌道情報を求め、該走査軌道情報に基づいてプローブの走査軌道を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】 プローブにより試料3表面を走査し物性値の力を検出し画像化可能にしたSPM6、試料3の表面形状の3次元情報を取得可能にしたLSMを有し、LSMにより取得された3次元情報に基づいて制御部11によりSPM6の走査軌道情報を求め、該走査軌道情報に基づいてプローブの走査軌道を制御する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、試料表面形状の3次元情報を取得可能な例えばレーザ走査型顕微鏡(以下、LSMと称する。)と走査型プローブ顕微鏡(以下、SPMと称する。)を複合した複合型顕微鏡に関する。
周知のように、SPMは、プローブ径が数nm程度と微小なプロープ有し、このプローブにより原子間力やトンネル電流、磁気力といった試料の物性値の力を検出し、それを画像化できる応用性の高い顕微鏡である。
しかし、SPMは、プローブを走査する面と試料との間に傾きが生じていると、SPMのプロープを走査する面と試料との間隔を一定に保つのが難しく、走査位置により間隔が一定でなくなるためSPM測定することが困難になる。
例えば、磁気力(磁束)の検出の場合、微量の磁気力を検出する必要がある。この磁気力は、試料表面からある一定距離間離れた位置に発生するため、SPMのプローブの走査面は試料表面から一定距離離れた既知位置の走査軌道をとる事が好ましい。しかし、仮に試料とSPMのプローブの走査面に傾きが生じていると、プローブをX,Y方向に走査した場合に試料表面とプローブ間のZ方向の距離が変化するため、正確に磁気力を検出できないという問題を生じることがある。
このような問題に対し、従来、特許文献1に開示されるように、まず試料表面形状をSPMで取得し、磁気特性等の形状への依存性の低い試料の物性値を検出し、画像を取得する際には、先に取得した試料表面形状の情報を使用し、カンチレバーの探針と試料表面位置の関係が例えば一定になようにSPMの走査軌道を決定し、2回目のSPM測定で磁気特性を安定して検出し、画像を取得するようにしたものがある。
特許第2837083号公報
しかしながら、このような特許文献1のものは、最初に試料表面形状の情報を得るためにSPM測定を行うようにしているが、かかるSPM測定は、走査速度が非常に遅いため、測定に多大な時間が掛かってしまうという問題を生じる。また、最初のSPM測定に、消耗品であるプロープが用いられるため、この測定によりプロープ先端が磨耗し先端径が大きくなってしまうことがあり、このため実際の測定を行う際に、測定の検出分解能が大幅に低下してしまうという問題もあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、短時間に、精度の高いSPM測定を行うことができる複合型顕微鏡を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、プローブにより試料表面を走査し物性値の力を検出し、画像化可能にしたプローブ顕微鏡と、前記プローブ顕微鏡に比べ短時間に前記試料の表面形状の3次元情報を取得可能にした3次元情報取得手段と、前記3次元情報取得手段により取得された3次元情報に基づいて前記プローブ顕微鏡のプローブの走査軌道情報を求め、該走査軌道情報に基づいて前記プローブの走査軌道を制御可能にした制御手段とを具備したことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記3次元情報取得手段により取得された3次元情報を保存する保存手段と、該保存手段に保存されている前記試料の表面形状の3次元情報に基づいて前記プローブ顕微鏡のプローブの走査軌道情報を算出する演算手段を具備することを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記試料の高さ方向の傾きを調整する傾き調整手段をさらに有し、前記制御手段は、前記3次元情報取得手段により取得された3次元情報に基づいて前記試料の傾きを算出し、前記傾き調整手段により前記試料表面と前記プローブによる走査面が平行になるように前記試料の傾きを調整することを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記プローブ顕微鏡のプローブは、あらかじめ磁化され、該プローブの前記試料に対する距離条件を設定するとともに、前記軌道情報に基づいて前記プローブの走査軌道が制御され前記試料の磁気力を検出可能としたことを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記3次元情報取得手段は、対物レンズを介して前記試料面で光ビームを2次元走査し、前記試料面からの検出光より求められる2次元情報と、前記試料と前記対物レンズとの相対距離から求められる高さ情報に基づいて前記試料の表面形状の3次元情報を取得するレーザ走査型顕微鏡であることを特徴としている。
本発明によれば、短時間に、精度の高いSPM測定を行うことができる複合型顕微鏡を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る複合顕微鏡の概略構成を示している。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る複合顕微鏡の概略構成を示している。
図1において、1は顕微鏡フレームで、このフレーム1は、水平に配置されたベース部1aが設けられている。このベース部1aには、直立した胴部1bが設けられている。また、胴部1bの先端には、ベース部1aに対し平行に配置されるアーム部1cが設けられている。
ベース部1aには、試料ステージ2が設けられている。試料ステージ2には、試料3が載置される。この試料ステージ2は、XY方向に移動可能になっている。試料ステージ2は、使い勝手によっては高さ(Z軸)方向の移動も可能にしたX−Y−Z、さらに傾き角度θを調整可能にしたX−Y−Z−θステージであってもよい。
アーム部1c下部には、Zレボルバ4が設けられている。Zレボルバ4には、対物レンズ5とSPM6が搭載されている。これら対物レンズ5とSPM6は、Zレボルバ4の操作により選択的に試料ステージ2上の試料3と対向する位置に配置されるようになっている。この場合、対物レンズ5が試料3と対向配置された状態で、試料3の表面形状の情報を3次元で取得するLSMモードが設定され、SPM6が試料3と対向配置された状態で、SPM測定モードが設定される。また、Zレボルバ4は、対物レンズ5を光軸に沿ってZ軸方向に移動させるZレボルバ移動機構7及び対物レンズ5の光軸に沿った移動によるZ位置、つまり試料3と対物レンズ5との相対距離を計測するZスケール8を有している。
一方、アーム部1c上部には、光源部9及びLSMユニット10が配置されている。光源部9は、LSMモードの際に光のビームを発生する。LSMユニット10は、詳細を後述するが、光源部9からの光のビームを試料3上で2次元走査させる走査手段や前記試料3からの反射光を検出する光検出手段などが設けられている。
光源部9及びLSMユニット10は、制御部11に接続されている。この制御部11には、さらにZレボルバ4及びSPM6が接続されている。制御部11は、主制御部12、メモリ部13、演算部14及びSPM制御部15を有している。ここで、主制御部12は、Zレボルバ4のZレボルバ移動機構7に対し制御指令を出力するとともに、Zスケール8で計測されたZ位置のデータを取り込む。また、主制御部12は、LSMユニット10の光検出手段を構成する後述の光検出器22からの電気信号と、走査手段を構成する後述の2次元走査機構16からの光スポットのXY位置情報から2次元画像を生成し、さらにZスケール8によるZ位置の計測データを用いて試料3の表面形状の3次元情報を生成する。メモリ部13は、主制御部12で生成された試料3の表面形状の3次元情報を保存する。演算部14は、メモリ部13に保存された試料3の表面形状の3次元情報に基づいて、SPM6の走査位置に対応するX−Y−Zの位置情報と試料3から検出したい物性値の力に適した試料3表面からの既知の距離量とを加算演算してSPM走査軌道情報を求める。SPM制御部15は、演算部14により求められたSPM走査軌道情報に基づいてSPM6の走査軌道を制御する。
図2は、LSMをさらに説明するためのもので、図1と同一部分には、同符号を付している。この場合、LSMは、光のビームを発する光源部9と、光源部9からの光のビームを2次元的に走査する2次元走査機構16と、2次元走査される光のビームを収束させて試料3の内部に光スポットを形成する対物レンズ5と、光源部9と2次元走査機構16との間の光路上に配置されるPBS(偏光ビームスプリッター)17、2次元走査機構16と対物レンズ5との間の光路上に配置される瞳投影レンズ18、結像レンズ19及び1/4波長板20を有している。ここで、PBS17は、1/4波長板20と共働して試料3からの反射光のビームを、試料3に向かう光のビームから偏光に基づいて選択的に分離する。2次元走査機構16は、例えば高速スキャンが可能な、2つのガルバノミラーを組み合わせて構成される。また、2次元走査機構16は、対物レンズ5の瞳と共役な位置に配置されている。1/4波長板20は、光源部9から射出される直線偏光の光を円偏光に変換し、試料3で反射された円偏光の光を再び直線偏光の光に変換する。
PBS17で分離された光の光路には、PBS17で反射される試料3からの光を収束する収束レンズ21、収束レンズ21で収束された反射光を検出する光検出器22が配置されている。光検出器22は、収束レンズ21の集光位置に実質的に微小開口として機能する大きさの受光面を有するもので、この受光面を試料3内部に形成される光スポットに対して共焦点の位置(対物レンズ5による集光位置と光学的に共役な位置)に配置している。これにより、図2に示す光学系は、共焦点光学系を構成している。この場合、収束レンズ21の収束位置に、対物レンズ5による集光位置と光学的に共役な関係にあるピンホールを配置し、このピンホールを通過した光だけを光検出器により検出するようにしてもよい。
光検出器22には、制御部11が接続されている。この制御部11には、2次元走査機構16、Zレボルバ4に設けられるZレボルバ移動機構7及びZスケール8が接続されている。制御部11は、上述した通りのもので、ここでの説明は省略する。
図3は、SPM6の概略構成を示している。この場合、試料3の表面に対向してプローブ32が配置されている。プローブ32は、例えば、円筒圧電体や積層圧電体により構成されるX−Y−Z駆動部33が設けられ、このX−Y−Z駆動部33により試料3表面上のSPM走査軌道34に沿ってプローブ32を走査させる。また、プローブ32の上方には、検出器32が配置されている。検出器32には、図示しないレーザ光源と光検出器が設けられている。レーザ光源からの光をプローブ32上に照射し、その反射光を検出することでプローブ32の変位を検出する。
このような構成において、光源部9から光が発せられると、光のビーム41は、PBS17を透過し、2次元走査機構16により2次元的に走査される。2次元走査機構16を経た光のビームは、瞳投影レンズ18、結像レンズ19及び1/4波長板20を透過した後、対物レンズ5によって試料3表面に集光され、光スポットを形成する。試料3の内部に形成された光スポットは、2次元走査機構16によるビームの二次元走査に対応して、光軸に直交する平面内で走査される。
この状態で、試料3からの反射光のビームは、試料3への入射時の光路を逆に戻り、対物レンズ5、1/4波長板20、結像レンズ19、瞳投影レンズ18を透過し、さらに2次元走査機構16を経て、PBS17に到達する。この場合、光源部9から射出される光は直線偏光であり、この光は試料3表面に到達する途中で1/4波長板20を通過することにより円偏光に変換される。試料3で反射された光は、PBS17に到達する間に1/4波長板20を再び通過することにより、円偏光から直線偏光に変換される。この直線偏光は、光源部9からの射出された直後の直線偏光に対して直交しているこのため、試料3表面からの反射光のビームは、PBS17で反射され、試料3に向かう光のビーム41から選択的に分離され、検出光のビーム42となる。検出光のビーム42は、収束レンズ21によって収束され、光検出器22に入射する。
光検出器22は、実質的に微小開口として機能する大きさの受光面を有し、その受光面は、試料3の内部に形成された光スポットに対して共焦点の位置に配置されている。つまり、図2に示される光学系は、共焦点光学系を構成している。
光検出器22は、受光面で受光した光強度に対応した電気信号を出力する。光検出器22からの電気信号は、制御部11に取り込まれる。制御部11は、主制御部12において、光検出器22からの電気信号と、2次元走査機構16からの光スポットのXY位置情報から2次元画像を生成する。
ところで、LSMにおける、対物レンズ5と試料3の相対位置(Z)と光検出器22の出力すなわち光強度(I)との関係を考えると図4に示すグラフで表わすことができる。このグラフは、一般にI−Zカーブと呼ばれ、Z座標対光強度のグラフである。図4では、比較のため、通常の非共焦点顕微鏡におけるZ座標対光強度のグラフも一緒に示してある。同図(a)は、非共焦点顕微鏡におけるZ座標対光強度のグラフを示しており、同図からも分かるように、合焦位置から外れたZ位置からの反射光の強度も高く、場合によっては合焦位置からの反射光の強度よりも高い場合もある。このため、不必要なノイズ光が多く、光のビームが観察対象に合焦していても、鮮明な画像を得るのは難しい。それに対して、同図(b)は、共焦点顕微鏡におけるZ座標対光強度のグラフを示しており、同図からも分かるように、合焦位置からの反射光の強度は高いが、合焦から外れたZ位置からの反射光の強度は極端に小さい。このため、ノイズ光が少なく、合焦面すなわち光スポットが位置する平面の鮮明な画像が得られる。
LSMでは、このような共焦点光学系の特性を利用し、光検出器22で検出される光強度が最大となるように、Zレボルバ移動機構7により、試料3に対する対物レンズ5の光軸に沿った位置を調整することにより、光スポットの光軸に沿った位置すなわち合焦位置を所望の観察対象に合わせることが可能である。これにより、試料3表面にて光検出器22で検出される光強度が最大となるように対物レンズ5の光軸に沿った位置を調整することにより光スポットが常に試料3表面上に配置され、さらに平面上において2次元走査機構16により光スポットを走査することにより、試料3表面の鮮明な画像を得ることができる。
このようなLSMの動作において、Zレボルバ移動機構7による対物レンズ5の光軸に沿った移動量がZスケール8により計測され、試料3表面のZ位置が検出される。このZスケール8の測定データは、制御部11の主制御部12に入力される。これにより、主制御部12は、上述した光検出器22からの電気信号と2次元走査機構16からの光スポットのXY位置情報に、さらに上記Zスケール8のZ位置の計測データを用いて、試料3の表面形状のX−Y−Z情報、つまり3次元情報を生成する。この試料3の表面形状の3次元情報は、メモリ部13に保存する。
ここで、LSMで取得した試料3の表面形状に凹凸が少ない場合は、表面データ中の少なくとも3個所の座標を用いて最小自乗法などによる平面方式への回帰演算から仮想平面を求め、この仮想面を、試料3の表面形状として保存しても良い。
次に、Zレボルバ4によりSPM6を試料3と対向する位置に切替える。
この状態でメモリ部13に保存された試料3の表面形状の3次元情報を呼び出し、演算部14に与える。演算部14は、メモリ部13から呼び出された3次元情報に基づいて、SPM6の走査位置に対応するX−Y−Zの位置情報に、試料3から検出したい物性値の力に適した試料3表面からの既知の距離量を加算演算してSPM走査軌道情報を求める。
演算部14で求められたSPM走査軌道情報は、SPM制御部15に送られる。SPM制御部15は、SPM走査軌道情報に応じた制御信号を生成して図3に示すSPM6のX−Y−Z駆動部33に与える。X−Y−Z駆動部33は、SPM制御部15の制御信号によりSPM走査軌道情報に基づくSPM走査軌道34をプローブ32がトレースするように、該プローブ32を駆動する。また、これと同時にプローブ32の変位を検出器31により検出し、この検出されたプローブ32の変位量から試料3の物性値を取得する。
なお、ここでは、SPM走査軌道34をトレースするため、プローブ32をX−Y−Z駆動部33により駆動するようにしたが、例えば、試料ステージ2側を制御してSPM走査軌道34をトレースさせるようにしてもよい。つまり、試料3とプローブ32の位置がSPM走査軌道34の関係となるように制御できるのであればよく、本発明はこの構成のみに限定されない。また、試料3から検出したい物性値の力に適した試料3表面からの距離は既知としているが、SPMモードで画像取得する際に一番感度の高い試料3表面からの距離を検出し、その量としてもよい。
したがって、このようにすれば、LSMの共焦点光学系の特性を利用して、あらかじめ試料3の表面形状の3次元情報を取得し、この表面形状の3次元情報を利用してSPM6の走査軌道を決定するようにしており、この場合、LSMを適用することでコントラストが良く、SPMに比べ格段に速い走査速度により試料表面形状の情報が得られるので、SPM6の走査軌道を速やかに決定することができ、その後のSPM測定による画像取得までの所要時間を大幅に短縮することができ、効率のよいSPM測定を実現できる。また,SPMの走査軌道の決定にLSMを使用することで、従来のように最初のSPM測定に消耗品であるプロープが用いられることがなく、プロープ先端を不要に磨耗させるようなことが無くなるので、SPM測定の際の検出分解能の低下を回避でき精度の高い測定を実現することもできる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る複合顕微鏡の概略構成を示すもので、第1の実施の形態と同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施の形態では、図1で述べた試料ステージ2に代えて傾き調整手段としてアオリ機能を有するアオリステージ44が設けられている。図6は、アオリステージ44の概略構成を示すもので、フレーム1のベース部1a上に基台441が設けられ、この基台441上に傾き調整機構442を介して試料3を載置するステージ本体443が配置されている。傾き調整機構442は、基台441とステージ本体443との間の、例えば図示X方向の両端部に配置される支点442aと上下動機構442bを有するもので、上下動機構442bを上下動させることにより、支点442aを中心にステージ本体443を回動させ、試料3表面の角度を変えるようになっている。また、制御部11には、アオリステージ44の上下動機構442bを制御するアオリステージ制御部45が設けられている。
その他は、図1と同様である。
このような構成においても、上述と同様にLSMの共焦点光学系の特性を利用して、あらかじめ試料3の表面形状の3次元情報を取得し、次いで、Zレボルバ4によりSPM6を試料3と対向する位置に切替える。
次に、メモリ部13に保存された試料3の表面形状の3次元情報を呼び出し、演算部14に与える。この場合、演算部14は、試料3の表面データ中の少なくとも3個所の座標を用いて最小自乗法などによる平面方式への回帰演算から仮想平面を求め、ここで求めた仮想面を試料3の表面とする。そして、演算部14では、この表面とSPM6の走査面との角度のズレ量(傾き)を算出する。
この演算部14で求められたズレ量は、アオリステージ制御部45に送られる。アオリステージ制御部45は、ズレ量に応じた制御信号を生成して図6に示すアオリステージ44の上下動機構442bに与える。上下動機構442bは、アオリステージ制御部45の制御信号により上下動してステージ本体443を回動させ、ステージ本体443上の試料3表面とSPM走査面が平行になるように位置調整する。そして、SPM制御部15により、図3に示すX−Y−Z駆動部33を制御して、試料3表面とプローブ32を、試料3から検出したい物性値の力に適した既知の距離量分だけ離れるようにしたのち、上述したSPM走査軌道情報に基づいてSPM走査を行ない、さらにプローブ32の変位を検出器31により検出し、この検出されたプローブ32の変位量から試料3の物性値を取得する。
なお、上述のアオリステージ44は、説明を簡単にするため基台441とステージ本体443との間の、図示X方向の両端部に1組の支点442aと上下動機構442bを配置するようにしたが、図示X方向と直交するY方向にも1組の支点と上下動機構(ともに不図示)を配置して、2方向でアオリ動作を可能にしたものを使用することもできる。また、傾き調整機構442は、電動式に限らず手動式にしてもよい。この場合、例えばモニタを設けて試料3の傾きをモニタに表示し、この表示内容を確認しながら手動によりSPM走査面と試料3の傾きを平行に調整するようにしてもよい
したがって、このようにすれば、第1の実施の形態の効果に加え、メカ的に試料3表面とSPM走査面を平行に調整できるので、一般的にSPM6に設けられている微小なX−Y−Z駆動部33のZストロークを有効に使用することができ、試料3表面の凹凸の高さに対応可能な範囲を広げることができる。
したがって、このようにすれば、第1の実施の形態の効果に加え、メカ的に試料3表面とSPM走査面を平行に調整できるので、一般的にSPM6に設けられている微小なX−Y−Z駆動部33のZストロークを有効に使用することができ、試料3表面の凹凸の高さに対応可能な範囲を広げることができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
第3の実施の形態が適用される複合顕微鏡は、第1の実施の形態の図1乃至図3と同様なので、これら図面を援用するものとする。
この場合、SPM6のプローブ32は、ある極性で磁化されたものを使用する。
このような構成においても、上述と同様にLSMの共焦点光学系の特性を利用して、あらかじめ試料3の表面形状の3次元情報を取得し、次いで、Zレボルバ4によりSPM6を試料3と対向する位置に切替える。
この状態からメモリ部13に保存された試料3の表面形状の3次元情報を呼び出し、演算部14に与える。演算部14は、メモリ部13から呼び出された3次元情報に基づいて、SPM走査軌道情報を決定する。
次に、X−Y−Z駆動部33のZ駆動を使用し、試料3表面にプローブ32を接触させ、次にプローブ32を徐々に試料3表面から遠ざける。そのとき、検出器31によりプローブ32の反応が最も良い試料3表面からの距離(プローブ32と試料3からの磁気極性が同じであれば反発し、極性が異なれば引き合う)を見つけ出し、その位置をプローブ32の初期位置とする。そして、SPM制御部15により、前記SPM走査軌道情報に基づくSPM走査軌道34をプローブ32がトレースするようにX−Y−Z駆動部33を制御する。即ち、前記初期位置を考慮して試料3から一定の距離を保ってSPM走査を行うようにX−Y−Z駆動部33を制御し、プローブ32の変位を検出器31により検出し、この検出したプローブ32の変位量から試料3の磁気力を算出し、試料3の磁気力値を取得する。
したがって、このようにすれば、プローブ32として、ある極性で磁化されたものを使用し、このプローブ32により試料3に対し最良の距離条件(初期位置)を見つけ、この距離に基づいて試料3から一定距離の間隔を保ってSPM走査するようにしたので、磁気力の強い箇所をSPM走査することができ、磁気力という難しい力を安定して検出でき、良好な画像が取得することができる。
なお、このような第3の実施の形態は、上述した第2の実施の形態にも適用できる。この場合、第2の実施の形態では、SPM走査面と試料3の傾きを平行調整しているため、プローブ32が試料3から一定の距離を保つようにX−Y−Z駆動部33を制御し、プローブ32の変位を検出器31により検出し、この検出した変位量から試料3の磁気力を算出し、試料3の磁気力値を取得する。また、検出器31により検出されるプローブ32の反応が一番良かった試料3からの距離情報はメモリ部13に保存しておけば、その後、同じ物性の試料3を計測する際に、これを読み出してプローブ32の初期位置を決定するための情報として利用することもできる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。例えば、上述した実施の形態では、SPMに比べ短時間で試料表面形状の3次元情報が得られる手段としてLSMを適用する例を述べたが、SPMより短時間で試料表面形状の3次元情報が得られるものであれば、LSMに限らず、例えば自己干渉法を利用した手段など他の方法を適用することもできる。
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
1…フレーム、1a…ベース部、1b…胴部
1c…アーム部、2…試料ステージ
3…試料、4…Zレボルバ
5…対物レンズ、6…SPM
7…Zレボルバ移動機構、8…Zスケール
9…光源部、10…LSMユニット
11…制御部、12…主制御部
13…メモリ部、14…演算部、15…SPM制御部
16…2次元走査機構、17…PBS
18…瞳投影レンズ、19…結像レンズ
20…1/4波長板、21…収束レンズ
22…光検出器、31…検出器
32…プローブ、33…X−Y−Z駆動部
34…SPM走査軌道、41、42…ビーム
44…アオリステージ、441…基台
442…傾き調整機構、442a…支点
442b…上下動機構、443…ステージ本体
45…アオリステージ制御部
1c…アーム部、2…試料ステージ
3…試料、4…Zレボルバ
5…対物レンズ、6…SPM
7…Zレボルバ移動機構、8…Zスケール
9…光源部、10…LSMユニット
11…制御部、12…主制御部
13…メモリ部、14…演算部、15…SPM制御部
16…2次元走査機構、17…PBS
18…瞳投影レンズ、19…結像レンズ
20…1/4波長板、21…収束レンズ
22…光検出器、31…検出器
32…プローブ、33…X−Y−Z駆動部
34…SPM走査軌道、41、42…ビーム
44…アオリステージ、441…基台
442…傾き調整機構、442a…支点
442b…上下動機構、443…ステージ本体
45…アオリステージ制御部
Claims (5)
- プローブにより試料表面を走査し物性値の力を検出し、画像化可能にしたプローブ顕微鏡と、
前記プローブ顕微鏡に比べ短時間に前記試料の表面形状の3次元情報を取得可能にした3次元情報取得手段と、
前記3次元情報取得手段により取得された3次元情報に基づいて前記プローブ顕微鏡のプローブの走査軌道情報を求め、該走査軌道情報に基づいて前記プローブの走査軌道を制御可能にした制御手段と
を具備したことを特徴とする複合型顕微鏡。 - 前記制御手段は、前記3次元情報取得手段により取得された3次元情報を保存する保存手段と、該保存手段に保存されている前記試料の表面形状の3次元情報に基づいて前記プローブ顕微鏡のプローブの走査軌道情報を算出する演算手段を具備することを特徴とする請求項1記載の複合型顕微鏡。
- 前記試料の高さ方向の傾きを調整する傾き調整手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記3次元情報取得手段により取得された3次元情報に基づいて前記試料の傾きを算出し、前記傾き調整手段により前記試料表面と前記プローブによる走査面が平行になるように前記試料の傾きを調整することを特徴とする請求項1又は2記載の複合型顕微鏡。 - 前記プローブ顕微鏡のプローブは、あらかじめ磁化され、該プローブの前記試料に対する距離条件を設定するとともに、前記軌道情報に基づいて前記プローブの走査軌道が制御され前記試料の磁気力を検出可能としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の複合型顕微鏡。
- 前記3次元情報取得手段は、対物レンズを介して前記試料面で光ビームを2次元走査し、前記試料面からの検出光より求められる2次元情報と、前記試料と前記対物レンズとの相対距離から求められる高さ情報に基づいて前記試料の表面形状の3次元情報を取得するレーザ走査型顕微鏡であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の複合型顕微鏡。
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