JP2008241791A - 光ピンセット装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズを移動させることなく、ミラーの操作のみによって標本を3次元的に操作・観察できる光ピンセット装置を提供する。
【解決手段】レーザー光源2、レーザー光源から出射されたレーザー光を反射する第1の偏向手段4、第1の偏向手段によって反射されたレーザー光を反射する第2の偏向手段6、第2の偏向手段によって反射されたレーザー光を標本上に集束して光ピンセット効果を生じさせる対物レンズ10とを備え、第1の偏向手段及び第2の偏向手段はその反射角β、γがそれぞれ変更可能に取付けられている。
【選択図】図2
【解決手段】レーザー光源2、レーザー光源から出射されたレーザー光を反射する第1の偏向手段4、第1の偏向手段によって反射されたレーザー光を反射する第2の偏向手段6、第2の偏向手段によって反射されたレーザー光を標本上に集束して光ピンセット効果を生じさせる対物レンズ10とを備え、第1の偏向手段及び第2の偏向手段はその反射角β、γがそれぞれ変更可能に取付けられている。
【選択図】図2
Description
本発明は、レーザー光の集光照射による光放射圧を利用して、非接触的に標本(例えばデオキシリボ核酸や高分子)を操作する光ピンセット装置に関する。
近年、レーザー光の集光照射による光放射圧を利用して水中の微細物を捕捉する、いわゆる光ピンセットが用いられている。この光ピンセットは、レーザー光を水等の媒質を通して微細物に照射した場合に、媒質と微細物の屈折率の違いからレーザー光が屈折し、それに伴う光運動量変化に対する反作用によって微細物を焦点にトラップするものである。そして、微細物を捕捉した状態で、微細物を含む試料ステージ側を相対移動させることにより、微細物を移動・搬送することができる。このような光ピンセットを用いて微細物を操作・採取する技術が種々開発されている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方、光ピンセットを用いてプラズマディスプレイの背面基板の蛍光体色素を移動させて定着させる技術が提案されている(特許文献3参照)。この技術によれば、レーザ発光器からのレーザの照射方向を、ミラーの角度を回動させることによって変化させ、レーザを壁面に均等に照射させて色素を定着させることが記載されている。
又、光ピンセット装置を使用中に、試料ステージへ入射するレーザー光のXY(平面方向)スキャンを行うため、レーザー光路の1箇所にミラー(偏向手段)を配置した技術がある。このミラーとしては、ガルバノミラー、ピエゾスキャナやAOD(音響光学回折偏向機)が用いられる。例えばガルバノミラーの場合、ミラー1枚あたり1軸(XかYのどちらか1次元方向)しかスキャンできないので、XとYにそれぞれスキャンするミラー2枚1組で2次元的なXYスキャンを行うようになっている。
上記したように、従来の光ピンセット装置の場合、標本を載置したXYステージをレーザー光に対して平面上で相対移動させることにより、標本を2次元的に操作・観察するようになっている。しかしながら、標本を3次元的に操作・観察しようとすると、対物レンズ等を微小に移動させる必要があり、操作が複雑となる。そのため、従来は、高価な共焦点顕微鏡を用いて擬似的に3次元像を観察できたに過ぎなかった。
仮にレーザー光路上に1個(レーザー光路の1箇所に2枚1組のミラーを設置した場合も含む、又、レーザー光路の1箇所にX方向へスキャンするミラーを置き、この位置と異なる位置(先の共役焦点に当たる位置)にY方向へスキャンするミラーを置いた場合も含む)のミラーを用いてレーザー光の照射方向を変えても、3次元的な操作を充分に行うことは難しい。このことを図4を用いて説明する。
図4において、レーザー光源2から出射したレーザー光がミラー200で方向を約90度曲げられ、対物レンズ10へ入射するものとする。対物レンズ10の上方には試料ステージ12が配置され、試料ステージ12上には標本100が載置されている。レーザー光は対物レンズ10から試料ステージ12上へ入射光S1として入射し、光ピンセット効果により標本100を捕捉する。
いま、ミラー200を反時計回りに角度αだけ傾けた場合、レーザー光源2から出射したレーザー光は反時計回りに角度θだけ傾いて対物レンズ10に入射し、試料ステージ12上へ入射光S2として入射する。このようにして、入射光S2による光ピンセット効果により、標本100を角度θ傾けることができる。しかしながら、この場合、試料ステージ12への入射光S2の入射位置がS1より距離dだけ左にずれるという不具合が生じる。このため、標本100が観察視野から外れたり、標本100の捕捉に失敗し、3次元的に操作・観察がし難いという欠点があった。
つまり、従来の光ピンセット装置の場合、ミラー(偏向装置)を用いてレーザー光の入射角度を変えようとすると、入射位置も変化してしまうという不具合がある。
図4において、レーザー光源2から出射したレーザー光がミラー200で方向を約90度曲げられ、対物レンズ10へ入射するものとする。対物レンズ10の上方には試料ステージ12が配置され、試料ステージ12上には標本100が載置されている。レーザー光は対物レンズ10から試料ステージ12上へ入射光S1として入射し、光ピンセット効果により標本100を捕捉する。
いま、ミラー200を反時計回りに角度αだけ傾けた場合、レーザー光源2から出射したレーザー光は反時計回りに角度θだけ傾いて対物レンズ10に入射し、試料ステージ12上へ入射光S2として入射する。このようにして、入射光S2による光ピンセット効果により、標本100を角度θ傾けることができる。しかしながら、この場合、試料ステージ12への入射光S2の入射位置がS1より距離dだけ左にずれるという不具合が生じる。このため、標本100が観察視野から外れたり、標本100の捕捉に失敗し、3次元的に操作・観察がし難いという欠点があった。
つまり、従来の光ピンセット装置の場合、ミラー(偏向装置)を用いてレーザー光の入射角度を変えようとすると、入射位置も変化してしまうという不具合がある。
従って、本発明の目的は、レンズを移動させることなく、偏向装置の操作のみによってレーザー光の入射位置を変えずに入射角度を変えることにより、標本を3次元的に操作・観察できる光ピンセット装置を提供することにある。
すなわち本発明の光ピンセット装置は、レーザー光源と、前記レーザー光源から出射されたレーザー光を偏向する第1の偏向手段と、前記第1の偏向手段によって偏向されたレーザー光を偏向する第2の偏向手段と、前記第2の偏向手段によって偏向されたレーザー光を標本上に集束して光ピンセット効果を生じさせる集光手段とを備え、前記第1の偏向手段及び前記第2の偏向手段はその偏向角がそれぞれ変更可能に取付けられている。
このようにすると、前記第1の偏向手段によって偏向されたレーザー光の入射位置がずれたとしても、そのずれを補償するように第2の偏向手段の偏向角を調整することにより、標本へのレーザー光の入射位置を変えることなく、レーザー光の入射角度のみを変えることができる。
なお、レーザー光が集光手段(対物レンズ)を通過すると、レーザー光の入射角度のずれが入射位置のずれに変換され、入射位置のずれが入射角度のずれに変換されるが、上記した作用は実質的に変わらない。
このようにすると、前記第1の偏向手段によって偏向されたレーザー光の入射位置がずれたとしても、そのずれを補償するように第2の偏向手段の偏向角を調整することにより、標本へのレーザー光の入射位置を変えることなく、レーザー光の入射角度のみを変えることができる。
なお、レーザー光が集光手段(対物レンズ)を通過すると、レーザー光の入射角度のずれが入射位置のずれに変換され、入射位置のずれが入射角度のずれに変換されるが、上記した作用は実質的に変わらない。
前記第1の偏向手段及び前記第2の偏向手段における偏向位置は、前記集光手段の焦点に対する共役焦点及び共役後側焦点のいずれかであることが好ましい。
前記第1の偏向手段及び前記第2の偏向手段の偏向角を別個に制御する制御手段をさらに備えたことが好ましい。
本発明によれば、レンズを移動させることなく、偏向装置の操作のみによってレーザー光の入射位置を変えずに入射角度を変えることにより、標本を3次元的に操作・観察できる。
以下、本発明の光ピンセット装置の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る光ピンセット装置の構成を示すブロック図である。図1において、試料セル50内に操作対象となる標本(例えば、棒状の桿菌)が懸濁している。試料セル50は試料ステージ12上に保持されている。試料ステージ12は、図示しないXY移動ステージに装着され、XY移動ステージが装置本体の光学系の基準座標に対して縦横に移動する。これにより、試料ステージ12上の試料セル50がレーザー光の光軸に対して相対移動可能になっている。XY移動ステージ4は、それぞれ縦、横に変位可能なX移動ステージ、Y移動ステージから構成される。X移動ステージ、Y移動ステージは、ステッピングモータ等の駆動装置によってそれぞれ縦、横に駆動される。
試料ステージ12の開口の下方には油浸対物レンズ(集光手段)10が光軸を垂直にして配置され、油浸対物レンズ10の下方にはダイクロイックミラー(ハーフミラー)8が斜め(45度)に配設されている。ダイクロイックミラー8の下方には、CCD(電荷結合素子)カメラ14が配設されている。カメラ14は、油浸対物レンズ10と同軸の光軸上に位置し、ダイクロイックミラー8及び油浸対物レンズ10を通して試料セル50内を撮像する。
試料ステージ12の開口の上方には、試料セル50内の観察用光源であるハロゲンランプ(図示せず)が設置され、このランプから垂直下方向にハロゲン光Hが照射され、油浸対物レンズ10、ダイクロイックミラー8を通ってCCDカメラ14に受光されるようになっている。
試料ステージ12の開口の上方には、試料セル50内の観察用光源であるハロゲンランプ(図示せず)が設置され、このランプから垂直下方向にハロゲン光Hが照射され、油浸対物レンズ10、ダイクロイックミラー8を通ってCCDカメラ14に受光されるようになっている。
光ピンセット用のレーザー光はダイクロイックミラー8の側方から導入され、ダイクロイックミラー8によって油浸対物レンズ10に入射するようになっている。このレーザー光学系は以下のように構成されている。
まず、光ピンセット用の光源であるYAGレーザー(レーザー光源)2が横向きに設置されている。YAGレーザー2から側方に出射したレーザー光はビームエキスパンダー16によって平行光束に広げられ、レンズL4によって集光された後、斜め(45度)に配設されたθφ-Mミラー(第1の偏向手段)4に入射する。θφ-Mミラー4は、アンプ40a及びファンクションジェネレータ40bによって制御されるステッピングモータに接続され、ミラーの反射角(偏向角)を45度±10度の間で変更可能である。
まず、光ピンセット用の光源であるYAGレーザー(レーザー光源)2が横向きに設置されている。YAGレーザー2から側方に出射したレーザー光はビームエキスパンダー16によって平行光束に広げられ、レンズL4によって集光された後、斜め(45度)に配設されたθφ-Mミラー(第1の偏向手段)4に入射する。θφ-Mミラー4は、アンプ40a及びファンクションジェネレータ40bによって制御されるステッピングモータに接続され、ミラーの反射角(偏向角)を45度±10度の間で変更可能である。
θφ-Mミラー4によってレーザー光は垂直下方に向けられた後、レンズL3によって平行光束に広げられ、斜め(45度)に配設されたXY−ガルバノミラー(第2の偏向手段)6に入射する。XY−ガルバノミラー6は、アンプ60a及びファンクションジェネレータ60bによって制御されるステッピングモータに接続され、ミラーの反射角を45度±10度の間で変更可能である。
XY−ガルバノミラー6によってレーザー光は側方に向けられた後、レンズL2で集光され、次にレンズL1によって光束を広げられ、ダイクロイックミラー8の側方に導入され、上記したように油浸対物レンズ10に入射する。レーザー光は油浸対物レンズ10を通って試料ステージ12の開口から試料セル50内に入射し、試料セル50内の標本にレーザー光が集光され、標本はレーザー光の光圧力によって非接触で光ピンセット効果により捕捉される。なお、ダイクロイックミラー8は、レーザー光(波長1064nmの光)を反射するものを使用することができる。
XY−ガルバノミラー6によってレーザー光は側方に向けられた後、レンズL2で集光され、次にレンズL1によって光束を広げられ、ダイクロイックミラー8の側方に導入され、上記したように油浸対物レンズ10に入射する。レーザー光は油浸対物レンズ10を通って試料ステージ12の開口から試料セル50内に入射し、試料セル50内の標本にレーザー光が集光され、標本はレーザー光の光圧力によって非接触で光ピンセット効果により捕捉される。なお、ダイクロイックミラー8は、レーザー光(波長1064nmの光)を反射するものを使用することができる。
なお、詳しくは後述するが、試料ステージ12上のレーザー光の焦点Fとし、後側焦点(バックフォーカス)BFとしたとき、θφ-Mミラー4で反射される位置をFの共役焦点F*に合わせ、XY−ガルバノミラー6で反射される位置をBFの共役焦点BF*に合わせることが好ましい。又、レンズL2で集光される位置をFの共役焦点F*に合わせることが好ましい。
又、θφ-Mミラー4、XY−ガルバノミラー6の反射角は、ファンクションジェネレータ40b、60bに接続された制御部70によって調整することができる。制御部70はキーボード等の入力部及びモニター等の表示部を有し、例えばパーソナルコンピュータからなる。
又、θφ-Mミラー4、XY−ガルバノミラー6の反射角は、ファンクションジェネレータ40b、60bに接続された制御部70によって調整することができる。制御部70はキーボード等の入力部及びモニター等の表示部を有し、例えばパーソナルコンピュータからなる。
次に本発明の光ピンセット装置により2個のミラーを用いてレーザー光の照射方向を変え、3次元的な操作を行う原理について、図2を用いて説明する。
図2において、レーザー光源2から出射したレーザー光がミラー4で方向を約90度曲げられ、次に、ミラー6で方向を約90度曲げられ、図示しない対物レンズ10を経由して試料ステージ12上へ入射することは既に述べた通りである。なお、説明を簡単にするため、図2においては、ダイクロイックミラー8による光学経路を省略している。
まず、ミラー4、ミラー6の反射角をそれぞれ45度とした場合、レーザー光は試料ステージ12へ垂直へ入射し、入射光P1となる。
いま、ミラー4を反時計回りに角度βだけ傾け、ミラー6を傾けない場合(つまりミラー6が無い場合と同様)、レーザー光源2から出射したレーザー光は反時計回りに角度φだけ傾き、試料ステージ12上へ入射光P2として入射するのは、図4で説明した通りであwる。この場合、入射光P2の入射位置がP1より距離d1だけずれるという不具合が生じる。このミラー6の機能のみを持つ光学技術はすでに存在し、試料ステージ12上での入射位置Mを移動させる役割を持っていることは既に述べた通りである。
図2において、レーザー光源2から出射したレーザー光がミラー4で方向を約90度曲げられ、次に、ミラー6で方向を約90度曲げられ、図示しない対物レンズ10を経由して試料ステージ12上へ入射することは既に述べた通りである。なお、説明を簡単にするため、図2においては、ダイクロイックミラー8による光学経路を省略している。
まず、ミラー4、ミラー6の反射角をそれぞれ45度とした場合、レーザー光は試料ステージ12へ垂直へ入射し、入射光P1となる。
いま、ミラー4を反時計回りに角度βだけ傾け、ミラー6を傾けない場合(つまりミラー6が無い場合と同様)、レーザー光源2から出射したレーザー光は反時計回りに角度φだけ傾き、試料ステージ12上へ入射光P2として入射するのは、図4で説明した通りであwる。この場合、入射光P2の入射位置がP1より距離d1だけずれるという不具合が生じる。このミラー6の機能のみを持つ光学技術はすでに存在し、試料ステージ12上での入射位置Mを移動させる役割を持っていることは既に述べた通りである。
いま、ミラー4を固定してミラー6を反時計回りに角度γだけ傾けた場合、入射位置Mは新たな移動先入射位置(図2においてMより上側)に移ると共に角度εだけ傾き、レーザー光は試料ステージ12上へ入射光P3として入射する。そこで、ミラー6を反時計回りに角度γだけ傾けると共に、ミラー4を時計回りに角度βだけ傾けた場合、ミラー6による入射位置の変更に伴うアオリ効果をミラー4が打ち消すことによって試料ステージ12上への入射光P3の入射位置を入射光P1の入射位置Mに一致させることができる。
このように、2つのミラーを用いることにより、レーザー光の入射位置を変えることなく、レーザー光の入射角のみを変えることができ、光ピンセットによる3次元的な操作や観察が容易かつ精度よく行える。
このように、2つのミラーを用いることにより、レーザー光の入射位置を変えることなく、レーザー光の入射角のみを変えることができ、光ピンセットによる3次元的な操作や観察が容易かつ精度よく行える。
なお、レーザー光が集光手段(対物レンズ)を通過すると、レーザー光の入射角度のずれが入射位置のずれに変換され、入射位置のずれが入射角度のずれに変換されるが、上記した作用は実質的に変わらない。
又、偏向手段としては、ガルバノミラー等の各種ミラー(反射手段)、ピエゾスキャナやAOD(音響光学回折偏向機)を用いることができるがこれらに限られない。第1及び第2の偏向手段は、それぞれXY(平面)方向へ2次元的に偏向角を調整できることが望ましい。
又、偏向手段としては、ガルバノミラー等の各種ミラー(反射手段)、ピエゾスキャナやAOD(音響光学回折偏向機)を用いることができるがこれらに限られない。第1及び第2の偏向手段は、それぞれXY(平面)方向へ2次元的に偏向角を調整できることが望ましい。
図3は、本発明の光ピンセット装置により3次元的な操作を行う一態様を示す。例えば、標本として棒状の桿菌100(長さ約30μm、直径1μm未満)を光ピンセットにより捕捉して3次元的な操作・観察を行う場合、まず、レーザー光を試料ステージ12上に垂直な入射光P1として入射すると、桿菌100は長手方向を試料ステージ12に垂直にして捕捉される。次に、ミラー6、ミラー4の反射角を調整すると試料ステージ12上の入射位置Mを変えずに入射光P3の入射角度をP1から角度εだけ傾ける事ができる、すると桿菌100は入射位置Mを支点にして先端が首振りするようになる。同様に、入射光P4の入射角度をP1から角度-εだけ傾けると、桿菌100は入射位置Mを支点にして先端が反対方向に首振りする。このようにして、レーザー光の入射位置Mを変えずに入射角度のみを変化させることによって、標本は入射位置Mを支点とする首振り運動をするようになり、標本の3次元的な操作が行える。
なお、図3に示すミラーの操作は、XY(平面)方向のうち一方の方向を示すので、図3の紙面と垂直な方向についても同様に操作する必要がある。そのため、例えば、ミラー4、6として例えばガルバノミラーを用いる場合、ミラー4、6のそれぞれがXとYにそれぞれスキャンするミラー2枚1組を要する。
なお、図3に示すミラーの操作は、XY(平面)方向のうち一方の方向を示すので、図3の紙面と垂直な方向についても同様に操作する必要がある。そのため、例えば、ミラー4、6として例えばガルバノミラーを用いる場合、ミラー4、6のそれぞれがXとYにそれぞれスキャンするミラー2枚1組を要する。
光ピンセットによれば、マイクロスケール(数μm〜100μm)の標本を捕捉できるので、上記のようにしてマイクロスケールの3次元的な操作が実現できる。しかも、ミラーの反射角を調整することは、レンズの位置や角度を調整することに比べて容易であるので、光ピンセット装置も簡便、低コストになる。
特に、標本が生物の場合等、標本の形状は必ずしも理想的な球でない場合が多く、標本のうち光によってトラップされる部分は標本の中心と必ずしも一致せず、光ピンセットの入射角度に沿って捕捉される。そのため、レーザー光の入射角度のみを調整する事で、細胞を対象の領域に据えたままで(入射位置を変えずに)、細胞の向きを調整する事が可能になる。
特に、標本が生物の場合等、標本の形状は必ずしも理想的な球でない場合が多く、標本のうち光によってトラップされる部分は標本の中心と必ずしも一致せず、光ピンセットの入射角度に沿って捕捉される。そのため、レーザー光の入射角度のみを調整する事で、細胞を対象の領域に据えたままで(入射位置を変えずに)、細胞の向きを調整する事が可能になる。
一方、従来の方法で細胞の向きを変えるには、細胞を対象の領域から移動させるか(入射位置を変えるか)、代替の方法が必要となる。逆に、従来の方法では、レーザー光による捕捉領域の移動に伴い、細胞の向きが変化する可能性があるという不都合があったが、本発明によればそれを解消する事が可能になる。
なお、各ミラー4,6の反射角の調整は、標本を観察しながら操作者が行ってもよいが、例えば以下のような方法により、制御部70が自動的に反射角の調整を行うこともできる。
すなわち、例えば図2において、予め、ミラー4の反射角βを変化させた時、試料ステージ12上へのレーザー光の入射角度εがどの程度変化するかについて、いくつかのβに対して測定しておき、βとεの関係式をコンピュータプログラムに格納しておく。次に、いくつかのβに対し、入射位置Mを変えないため、ミラー6の反射角γをどの程度変化させればよいか、いくつかのβに対して測定しておき、βとγの関係式をコンピュータプログラムに格納しておく。
すなわち、例えば図2において、予め、ミラー4の反射角βを変化させた時、試料ステージ12上へのレーザー光の入射角度εがどの程度変化するかについて、いくつかのβに対して測定しておき、βとεの関係式をコンピュータプログラムに格納しておく。次に、いくつかのβに対し、入射位置Mを変えないため、ミラー6の反射角γをどの程度変化させればよいか、いくつかのβに対して測定しておき、βとγの関係式をコンピュータプログラムに格納しておく。
そして、例えば操作者が所望の入射角εを入力すると、制御部70は上記したコンピュータプログラムの各関係式からβ、γを計算し、各ミラー4,6の反射角を調整する。一方、CCDカメラ14によって、光軸上の光量を測定しておき、測定値を制御部70に出力する。制御部70は、光量が低下した場合は、反射角を元に戻すようなフィードバック処理を行い、光量が低下しないβ、γの角度を最終的に得るようにする。つまり、光軸上の光量が低下することは、試料ステージ12上へ入射したレーザー光の入射位置が位置Mからずれたことを意味するので、フィードバック制御により、レーザー光の入射位置が位置Mに一致するようにβ、γの角度を微調整することができるようになる。
より具体的に説明すると、ミラー4の角度変化と、試料上での入射角度の変化はほぼ比例」し、その比例係数は試料とミラー4の間のレーザー光路上のレンズ群によって定まる固有の値である。比例係数は、所定の光学計算ソフトや光学理論を用いて計算することができる。
又、入射位置Mが変わると、上記比例係数が若干変化することがある。この場合の変化の度合は光軸の中心から周辺に向かうにつれて変化する関数であり、対物レンズに固有の値であると考えられる。
一方、ミラー6を動かして入射位置Mを変化させる際の、試料上での入射角度の変化は、中心から周辺に向かうにつれて変化する関数であり、レーザー光の径の大きさと分布、試料とミラー4の間の光路上のレンズ群によって定まる固有の関数である。この関数も、所定の光学計算ソフトや光学理論を用いて計算することができる。
上記した比例係数や関数を求めるには、使用に供する光ピンセット装置で想定される条件(レンズの配置等)について予め計算し、その数値や関数を記憶しておき、個々の使用時にミラーの角度を入力値としてコンピュータプログラムで処理すれば、最適な角度を算出することができる。
又、入射位置Mが変わると、上記比例係数が若干変化することがある。この場合の変化の度合は光軸の中心から周辺に向かうにつれて変化する関数であり、対物レンズに固有の値であると考えられる。
一方、ミラー6を動かして入射位置Mを変化させる際の、試料上での入射角度の変化は、中心から周辺に向かうにつれて変化する関数であり、レーザー光の径の大きさと分布、試料とミラー4の間の光路上のレンズ群によって定まる固有の関数である。この関数も、所定の光学計算ソフトや光学理論を用いて計算することができる。
上記した比例係数や関数を求めるには、使用に供する光ピンセット装置で想定される条件(レンズの配置等)について予め計算し、その数値や関数を記憶しておき、個々の使用時にミラーの角度を入力値としてコンピュータプログラムで処理すれば、最適な角度を算出することができる。
一方、対物レンズの形態等の影響により、上記以外の理由で、上記した比例係数や関数が変化したり誤差が生じることがあるが、その場合は、実測値により補正値を求めればよい。例えば、上記した比例係数や関数を補正するような修正関数をコンピュータプログラムに組み込み、CCDカメラ等からレーザー光の試料上の強度をフィードバックしたものを入力値として、補正値を算出すればよい。
2 レーザー光源
4 θφ-Mミラー(第1の偏向手段)
6 XY−ガルバノミラー(第2の偏向手段)
10 対物レンズ
12 試料ステージ12
M (レーザー光の)入射位置
ε (レーザー光の)入射角度
β、γ (ミラーの)反射角
4 θφ-Mミラー(第1の偏向手段)
6 XY−ガルバノミラー(第2の偏向手段)
10 対物レンズ
12 試料ステージ12
M (レーザー光の)入射位置
ε (レーザー光の)入射角度
β、γ (ミラーの)反射角
Claims (3)
- レーザー光源と、前記レーザー光源から出射されたレーザー光を偏向する第1の偏向手段と、前記第1の偏向手段によって偏向されたレーザー光を偏向する第2の偏向手段と、前記第2の偏向手段によって偏向されたレーザー光を標本上に集束して光ピンセット効果を生じさせる集光手段とを備え、
前記第1の偏向手段及び前記第2の偏向手段はその偏向角がそれぞれ変更可能に取付けられている光ピンセット装置。 - 前記第1の偏向手段及び前記第2の偏向手段における偏向位置は、それぞれ前記集光手段の焦点に対する共役焦点及び共役後側焦点のいずれかである請求項1記載の光ピンセット装置。
- 前記集光手段へのレーザー光の入射位置を変えずに該レーザー光の入射角度のみを変えるよう、前記第1の偏向手段及び前記第2の偏向手段の偏向角を別個に制御する制御手段をさらに備えた請求項1又は2記載の光ピンセット装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016039397A1 (ja) * | 2014-09-10 | 2016-03-17 | 学校法人同志社 | レーザーを用いて細胞を配列する方法及び装置 |
CN107708914A (zh) * | 2015-06-19 | 2018-02-16 | Ipg光子公司 | 具有提供光束移动功能的双可移动反射镜的激光焊接头 |
CN109633858A (zh) * | 2019-02-19 | 2019-04-16 | 浙江大学 | 一种光镊中对射光束焦点对准的装置及方法 |
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2007
- 2007-03-26 JP JP2007078314A patent/JP2008241791A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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