JP2004102228A - 合焦装置及び変位センサ並びに共焦点顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で測定範囲を拡大したり、測定精度を高めたりすることができる合焦装置及び変位センサ並びに共焦点顕微鏡を提供する。
【解決手段】レーザダイオード11からのレーザ光は、偏光ビームスプリッタ13、コリメータレンズ14、発散レンズ15、対物レンズ16を通過して被測定対象物17に集光状態で照射されて反射し、偏光ビームスプリッタ13で反射することによりフォトダイオード19で受光される。発散レンズ15は音叉22により微振動しており、フォトダイオード19の受光量が最大となる時点における発散レンズ15の位置に基づいて被測定対象物17の変位を検出することができる。ここで、発散レンズ15の位置を光軸に沿って変更すると、対物レンズ16の縦倍率を変更することができるので、より高精度な測定や、より広い範囲の測定が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】レーザダイオード11からのレーザ光は、偏光ビームスプリッタ13、コリメータレンズ14、発散レンズ15、対物レンズ16を通過して被測定対象物17に集光状態で照射されて反射し、偏光ビームスプリッタ13で反射することによりフォトダイオード19で受光される。発散レンズ15は音叉22により微振動しており、フォトダイオード19の受光量が最大となる時点における発散レンズ15の位置に基づいて被測定対象物17の変位を検出することができる。ここで、発散レンズ15の位置を光軸に沿って変更すると、対物レンズ16の縦倍率を変更することができるので、より高精度な測定や、より広い範囲の測定が可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定対象物に照射する光の集光位置を移動させることにより被測定対象物の状態を測定する合焦装置及び当該合焦装置を用いた変位センサ並びに共焦点顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開平07−113617号公報
【0004】
【特許文献2】
特開2000−314616号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、被測定対象物の変位量を測定するものとして、特開平07−113617号公報に示されるように、投光部からの光を対物レンズにより被測定対象物上に集光状態で照射し、この対物レンズを加振部により光軸に沿って振動させることによって光の集光位置を振動させ、この振動させたときの被測定対象物からの反射光を受光部にて受光し、この受光部に受光された受光量の大きさと、そのときの対物レンズの位置とに基づいて被測定対象物の変位量を測定するものが提案されている。
【0006】
また、特開2000−314616号公報に示されるものは、対物レンズを固定しておき、被測定対象物を載せるステージを上下動させ、このときの物体からの反射光量の大きさと、ステージの位置とに基づいて被測定対象物の変位量を測定するものである。
【0007】
しかしながら、特開平07−113617号公報のものでは、投光部からの光をコリメータレンズを介して平行光とし、その平行光を対物レンズで集光する構成であるため、受光部が最大受光量を受光した際の対物レンズの変位量がそのまま被測定対象物の変位量となって現れてくる。このため、予め設定される測定範囲の変位量より大きい測定範囲の変位量を測定することはできず、広い測定レンジに対応することはできなかった。
【0008】
しかも、被測定対象物の変位量の測定精度は、図18に示されるように、コリメータレンズ1からの平行光を対物レンズ2を通して被測定対象物上に集光状態で照射させると共に、変位量を測定する際には、対物レンズ2を移動させる構成であるため、対物レンズ2を通して集束される光の焦点位置(焦点距離)Lは予め決まっており、対物レンズ2をXの距離だけ移動させた場合の焦点位置の移動量Hは対物レンズの移動距離Xに相当する。
【0009】
従って、対物レンズ2を移動させる距離Xが焦点位置の移動量Hと同一であることから、被測定対象物の変位量の測定精度は、対物レンズ2の移動距離そのものであって、対物レンズ2の最小移動量(最小変位量)以上に分解能を高くするといったように精度を向上することはできないと共に、大きな測定範囲の変位量を測定するには、対物レンズ2の振動が遅くなることにより測定が遅くなり、対物レンズの振動が大きくなることにより測定精度が粗く(悪く)なってしまうという問題がある。
【0010】
これに対し、特開2000−314616号公報の方式であれば、ステージの移動機構の可動範囲を大きくすることで、測定範囲の大きな変位量に対しても測定を行うことができるが、ステージを移動させる距離だけ装置が大型化するほか、この方式においても、被測定対象物の変位量の測定精度を、ステージの移動変位量を測定する精度以上にすることはできない。しかも、機械的な上下動を伴うために測定精度には限界がある。
このような問題は、対物レンズからの合焦点の光のみを受光するようにした共焦点顕微鏡でも同様である。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で測定範囲を拡大したり、測定精度を高めたりすることができる合焦装置及び変位センサ並びに共焦点顕微鏡を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の合焦装置は、光を出射する投光手段を設け、この投光手段からの光を非平行光となるように発散若しくは収束する補助光学手段を設け、この補助光学手段からの光を被測定対象物に集光状態で照射する対物レンズを設け、この対物レンズによる集光を前記被測定対象物を介して受光する受光手段を設け、前記補助光学手段を移動するための駆動信号を出力する制御手段を設け、この制御手段からの駆動信号に応じて前記補助光学手段を前記投光手段からの光の光軸に沿って移動させる可動手段を設け、前記補助光学手段の位置を示す位置信号を出力する位置検出手段を設けた上で、前記制御手段は、前記駆動信号の出力状態で前記受光手段の受光量が最大となる時を検出するものである(請求項1)。
【0013】
このような構成によれば、投光手段からの光は補助光学手段により非平行光となるように発散若しくは収束されてから、対物レンズにより集光状態で被測定対象物に照射される。
さて、対物レンズの縦倍率(光軸に沿った方向の倍率)は、対物レンズの焦点距離を対物レンズの焦点と発散レンズの焦点との距離で除した値の2乗で示すことができるので、対物レンズの焦点距離を大きくすることにより対物レンズの縦倍率を大きくすることができると共に、対物レンズの焦点と発散レンズの焦点との距離を大きくすることにより対物レンズの縦倍率を小さくすることができる。これにより、対物レンズの縦倍率を適切に設定することにより、対物レンズの集光位置の移動範囲を調整でき、測定範囲を拡大したり、測定精度を高めたりすることができる。
この場合、対物レンズの縦倍率は、受光手段の受光量が最大となる時における補助光学手段の位置に基づいて求めることができるので、制御手段は、受光手段の受光量が最大となる時を検出する。
【0014】
上記構成において、前記投光手段からの光を平行光とした状態で前記補助光学手段に入射させるコリメータレンズを設けるようにしてもよい(請求項4)。 このような構成によれば、補助光学手段に入射する光芒の大きさを抑制することができるので、補助光学手段、ひいては全体の小型化を図ることができる。
【0015】
上記構成において、前記対物レンズは、複数のレンズからなる複合レンズであるのが望ましい(請求項5)。
このような構成によれば、複数のレンズによりレンズ収差を抑制することができるので、投光手段から被測定対象物に対する集光の位置精度を高めることができ、対物レンズが単一のレンズである場合に比較して、より高精度に受光手段の受光量に基づいた測定が可能となる。
【0016】
また、前記対物レンズは、集束率を変更可能に設けられているようにしてもよい(請求項6)。
このような構成によれば、測定対象、測定範囲に応じて、対物レンズの集束率(焦点距離)を変更することで、複雑な調整・設定を行うことなく、測定範囲を拡大したり、測定精度を高めたりすることができる。
【0017】
また、前記補助光学手段の移動中心位置と前記対物レンズとの間隔を可変する間隔可変手段を設けるようにしてもよい(請求項7)。
このような構成によれば、測定対象、測定範囲に応じて、発散レンズの移動中心位置と対物レンズとの間隔を可変することで、複雑な調整・設定を行うことなく、測定範囲を拡大したり、測定精度を高めたりすることができる。
【0018】
また、前記位置検出手段は、前記補助光学手段の位置を検出する位置センサを備え、前記位置センサの出力を前記位置信号として出力するようにしてもよい(請求項8)。
このような構成によれば、受光手段の受光量が最大となる時点における補助光学手段の位置をより正確に測定できるので、被測定対象物の変位を高精度に測定することができる。
【0019】
また、前記位置検出手段は、前記制御手段からの駆動信号を前記位置信号として出力するようにしてもよい(請求項9)。
このような構成によれば、補助光学手段の位置を検出するための位置センサが不要となるので、構成を簡単にしつつ、被測定対象物の変位を測定することができる。
【0020】
また、前記可動手段は、自由端の先端に前記補助光学手段が連結された音叉と、前記制御手段からの駆動信号に基づいて前記音叉を駆動するソレノイドとから構成されていてもよい(請求項10)。
このような構成によれば、補助光学手段を移動させる際、制御手段から所定の信号を出力することにより、音叉が所定振幅幅で振動するので、発散レンズの位置を容易に制御することができる。
【0021】
また、前記補助光学手段は、前記音叉の一方の自由端に連結された第1レンズと他方の自由端に連結された第2レンズとからなり、前記第1レンズ及び第2レンズは、それらの光軸が一致するように設けられ、前記音叉は、前記第1及び第2レンズが接続された状態で前記一方及び他方の自由端における固有振動数が等しく構成されているのが望ましい(請求項11)。
【0022】
このような構成によれば、音叉の一方の自由端の振動に伴って当該自由端に連結された第1レンズに光軸ぶれ(ずれ)が生ずるにしても、他方の自由端の振動は、一方の自由端の振動と振動量が等しく且つ逆方向の振動となることから、他方の自由端に連結された第2レンズに第1レンズと反対方向の光軸ずれを生じるようになる。この結果、第1レンズの光軸のぶれが第2レンズのぶれにより打ち消されるようになるので、合焦装置における焦点位置のぶれを抑制して合焦させることができる。
【0023】
また、前記第1レンズ及び第2レンズは主平面及び主曲面で規定され、前記音叉の自由端の振動中心点を基点として前記投光手段の光軸に対して直角に交差する振動中心軸に前記第1レンズ及び第2レンズの前記主曲面の頂点が略位置するのが望ましい(請求項12)。
【0024】
このような構成によれば、音叉の自由端の振動に伴うレンズの変位は振動中心軸上に位置する部位が最も小さいことから、レンズの主曲面を振動中心軸に略位置させることにより自由端の振動による第1レンズ及び第2レンズの光軸ぶれ(ずれ)量を最小限に抑えることができ、より確実に合焦装置における焦点位置のぶれを抑制して合焦させることができる。
【0025】
本発明の変位センサは、上記構成の合焦装置を設けた上で、前記制御手段が検出した受光量が最大となる点における位置信号の変化に基づいて被測定対象物の変位量を測定するものである(請求項13)。
このような構成によれば、対物レンズによる集光位置が被測定対象物上となったときに受光手段の受光量が最大となるので、制御手段が検出した受光量が最大となる点における位置信号の変化に基づいて被測定対象物の変位量を測定することができる。
【0026】
本発明の共焦点顕微鏡は、上記構成の合焦装置を設け、前記制御手段の駆動に応じて前記対物レンズによる集光位置を水平方向に走査する走査手段を設けた上で、前記制御手段は、前記受光手段の受光量が最大となる時点における前記位置検出手段からの位置信号及び前記走査手段の走査位置を検出して記憶手段に記憶すると共に、前記制御手段が検出し、前記記憶手段に記憶された位置信号及び走査位置に基づいて被測定対象物の表面形状を立体的に測定するものである(請求項14)。
このような構成によれば、制御手段は可動手段及び走査手段を駆動することにより対物レンズによる集光位置を立体的に移動させる。
【0027】
ここで、対物レンズによる集光位置が被測定対象物上となったときに受光手段の受光量が最大となるので、制御手段は、受光手段の受光量が最大となる時点における位置検出手段からの位置信号及び走査手段の走査位置を検出して記憶手段に記憶する。従って、制御手段が検出し、記憶手段に記憶した位置信号及び走査位置に基づいて被測定対象物の表面形状を立体的に測定することができる。この場合、対物レンズの集光位置を光軸方向に沿って移動させるための補助光学手段を合焦装置が有しているので、共焦点顕微鏡が構成上必要とされる対物レンズの焦点位置を光軸に沿って移動させるための手段を新規に設ける必要がなく、構成を簡単化することができると共にコストの低減を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を変位センサに適用した第1の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。
投光手段であるレーザダイオード(以下、LDと称する)11はレーザ駆動制御回路12で駆動された状態でレーザ光を出射し、そのレーザ光は、光分割手段である偏光ビームスプリッタ13を通過した後、コリメータレンズ14で平行光に変換される。
【0029】
コリメータレンズ14で変換された平行光は、後述する補助光学手段としての発散レンズ15により発散された状態で対物レンズ16に入射することにより被測定対象物17に集光状態で投射される。これらのコリメータレンズ14、発散レンズ15及び対物レンズ16は複数のレンズからなる複合レンズから構成されている。
【0030】
被測定対象物17からの反射光は、対物レンズ16、発散レンズ15、コリメータレンズ14を通過して偏光ビームスプリッタ13で反射することにより、光絞り部18のピンホール18aを通過して受光手段であるフォトダイオード(以下、PDと称する)19へ入射するようになっている。
【0031】
尚、図1には示していないが、偏光ビームスプリッタ13を通過したレーザ光が被測定対象物17で反射して偏光ビームスプリッタ13に戻った際に光の振動方向を90°回転させる振動方向変換手段としての1/4波長板が設けられており、これにより、偏光ビームスプリッタ13に戻ったレーザ光がLD11の光軸の直交方向に反射されるようになっている。
PD19で光電変換した信号は増幅器20へ入力され、その出力信号は、制御手段であるCPU21へ入力されるようになっている。
本実施の形態では、上述したLD11、偏光ビームスプリッタ13、コリメータレンズ14、発散レンズ15、対物レンズ16、光絞り部18、PD19、CPU21から合焦装置が構成されている。
【0032】
ここで、LD11の光軸に対して直交する方向を指向するようにレンズ可動手段としてのU字形状の音叉22が配設されており、その音叉22の自由端の先端に発散レンズ15の周縁部分が連結されている。この発散レンズ15は、コリメータレンズ14からの平行光を発散させた状態で対物レンズ16へ入射させるもので、音叉22の微振動によりLD11からのレーザ光の光軸に沿って所定振幅で振動するようになっており、このような構成が本発明の特徴となっている。この場合、音叉22の振幅は極めて小さいことから、発散レンズ15は光軸に沿って振動しているとみなすことができる。
【0033】
一方、音叉22の自由端の側方の近接した位置には、例えば渦電流式磁気センサ、或は光センサ、或は静電容量センサを利用した位置検出手段(位置センサ)たる音叉振幅検出器23が配設されており、音叉22の振動位置、つまり発散レンズ15の位置を検出するようになっている。音叉振幅検出器23が検出した検出振幅信号は増幅器24へ入力され、その出力信号はCPU21へ入力される。
【0034】
音叉22の自由端部の側方には、当該音叉22を振動させるためのソレノイド25が配設されている。このソレノイド25は、制御手段としてのCPU21からの駆動信号に基づいて音叉振幅制御回路26から制御電流が供給されることに応じて駆動するようになっている。音叉振幅制御回路26には増幅器24の出力信号が与えられており、音叉22の振幅を一定にするようにフィードバック制御するようになっている。
【0035】
このような構成において、音叉振幅制御回路26からソレノイド25に所定周波数の交流電流を供給すると、ソレノイド25から交流磁界が発生する。この交流磁界により音叉22が所定振幅で微振動し、発散レンズ15をLD11の光軸に沿って振動させる。
【0036】
そして、音叉振幅検出器23は、音叉22の振幅、即ち発散レンズ15の振幅を検出し、発散レンズ15の振幅を示す正弦波信号を出力する。この正弦波信号を増幅器24で増幅し、増幅器24から出力される出力信号をCPU21へ入力させることにより、CPU21は、発散レンズ15の位置を検出可能となっている。
【0037】
ここで、上記音叉22、ソレノイド25、音叉振幅検出器23は、図2に示すように一体で移動可能な間隔可変手段27として構成されており、移動位置に応じて発散レンズ15の焦点と対物レンズ16の焦点との距離を調整することが可能となっている。このときの発散レンズ15の位置も、図示しないが、別に設けてある測定手段によってCPU21に入力され、処理手段によって被測定点の位置情報として出力される。
【0038】
次に、発散レンズ15と対物レンズ16の焦点距離との関係について図3及び図4に基づいて説明する。
図3は、物点cからの光線が対物レンズ16により屈折されて像点c’ で結像する際の光学系を示している。ここで、物点cの微小変位量xc1とその像点変位量xc2の比αを縦倍率といい、通常の横倍率に対して光軸に沿った方向の倍率であり、次の式で求めることができる。
【0039】
【数1】
【0040】
ここで、対物レンズ16の焦点距離をf、物体側焦点位置から物体までの距離をx、像側焦点位置から像までの距離をx’ とすると、図中に示すように物点Cを基点とする矢印が像点c’ を基点として結像したとすると、矢印の基点と先端のそれぞれに関して、ニュートンの公式に基づいて次に示す式を導き出すことができる。
【0041】
【数2】
【0042】
上記▲2▼式の左辺x’ を右辺に移し、上記▲1▼式を用いて整理すると、
【数3】
となる。従って、対物レンズ16の縦倍率は、
【数4】
により求めることができる。つまり、対物レンズ16の縦倍率は、対物レンズ16の焦点距離を物点cと対物レンズ16の焦点Fとの距離で除した値の2乗で示すことができる。この式から、対物レンズ16の縦倍率は、対物レンズ16の焦点距離が大きくなるほど大きくなり、物点cと対物レンズ16の焦点Fとの距離が大きくなるほど小さくなる関係であることが分る。
【0043】
ところで、本発明では、コリメータレンズ14からの平行光を発散レンズ15により発散させた状態で対物レンズ16に入射させていることから、発散レンズ15の焦点位置を物点cに一致させるように配置した場合、発散レンズ15に入射した平行光はあたかも物点cから放射されたように出射するようになる。また、発散レンズ15が変位した場合は、その移動に応じてあたかも物点cが同様に変位したことになる。
【0044】
さて、上記関係式に基づいて、物点cと像点c’の微小変位量が互いに等しくなる物点位置xは、α=1であり、
【数5】
の関係になるときである。このような関係は、発散レンズ15の変位量と対物レンズ16の集光位置の変位量とが一致する場合であり、従来と同様な関係となる。
【0045】
また、物点の微小変位量が像点の微小変位量の2倍になる物点位置xは、α=1/2であり、
【数6】
の関係になるときである。このような関係は、発散レンズ15の変位量よりも対物レンズ16の集光位置の変位量が小さくなる場合であり、被測定対象物17の測定精度を高めることができる。これは、被測定対象物17の測定範囲を小さく設定できる結果、検出可能な分解能を高められるからである。
【0046】
また、物点の微小変位量が像点の微小変位量の1/2倍になる物点位置xは、α=2であり、
【数7】
の関係になるときである。このような関係は、発散レンズ15の変位量よりも対物レンズ16の集光位置の変位量が大きくなる場合であり、被測定対象物17の測定可能な変位量(測定レンジ)を拡大することができる。
【0047】
尚、発散レンズ15と対物レンズ16の位置関係は、発散レンズ15の焦点位置が対物レンズ16の焦点Fに対して物点側となるように位置決めする必要がある。これは、発散レンズ15に平行光が入射したときは、発散レンズ15の焦点から投光されたように発散レンズ15から出射することから、発散レンズ15の焦点位置が対物レンズ16の焦点位置に対して対物レンズ16側に位置した状態では、対物レンズ16からの出射光は集光しないからである。
【0048】
このような位置関係を満足した場合は、上述した縦倍率αの関係から、発散レンズ15の変位量と対物レンズ16による集光位置の変位量とが異なるように設定することが可能となる。つまり、対物レンズの焦点距離に対して発散レンズ15の焦点位置と対物レンズ16の焦点位置との距離が小さな場合は、発散レンズ15の変位量に比べて対物レンズ16による集光位置の変位量を大きく設定することができる。これに対して、対物レンズ16の焦点距離に対して発散レンズ15の焦点位置と対物レンズ16の焦点位置とが大きな場合は、発散レンズ15の変位量に比べて対物レンズ16による集光位置の変位量を小さく設定することができる。
【0049】
さて、被測定対象物17の変位量を検出する際は、被測定対象物17を検出位置に位置させた状態で装置を駆動する。すると、CPU21は、音叉22を振動させた状態で、レーザ駆動制御回路12からLD11に駆動電流を供給する。これにより、LD11はレーザ光を出射し、この出射光は、偏光ビームスプリッタ13、コリメータレンズ14、発散レンズ15及び対物レンズ16を通過して被測定対象物17へ集光状態で投射される。被測定対象物17で反射した反射光は、対物レンズ16、発散レンズ15及びコリメータレンズ14を通過して偏光ビームスプリッタ13でPD19側へ反射し、光絞り部18のピンホール18aを通過した光のみがPD19へ入射する。この結果、被測定対象物17で生じた潜り光及びLD11で発生した迷光による反射光は、ピンホール18aを通過することができず、PD19には、コリメータレンズ14によりピンホール8aに集光された光、つまり被測定対象物17に集光状態で反射した光のみが入射することになる。そして、PD19からの受光出力に応じた信号が増幅器20へ出力されるので、増幅器20からは増幅信号がデジタル化されてCPU21へ出力される。
【0050】
ここで、発散レンズ15は微振動していることから、発散レンズ15と被測定対象物17との距離、つまり、対物レンズ16により集光される光の位置が変化する。この場合、対物レンズ16により集光される光の位置の変位量は、発散レンズ15の変位量に対して上述した縦倍率を掛け合わせた値となる。
そして、対物レンズ16から被測定対象物17に投射した光の集光位置が被測定対象物17上となると、PD19の受光出力は瞬時に最大となるので、PD19からの受光出力は最大となる。
【0051】
CPU21は、増幅器24からの増幅信号を監視しており、増幅信号が最大となる時点における音叉振幅検出器23からの検出信号に基づいて発散レンズ15の変位量を求める。この場合、被測定対象物17の表面の変位量は、発散レンズ15の変位量に対物レンズ16の縦倍率を掛け合わせることにより求めることができる。
【0052】
このような実施の形態によれば、LD11からの光を平行光に変換するコリメータレンズ14と対物レンズ16との間に発散レンズ15を介在させ、対物レンズ16の焦点距離に対する発散レンズ15の焦点位置と対物レンズ16の焦点位置との距離の関係から、振動させる発散レンズ15の変位量と被測定対象物17に対する集光位置の変位量との割合を任意に設定可能としたので、対物レンズを振動させることにより被測定対象物の変位を測定する構成と違って、より高精度な測定や、より広い範囲の測定が可能となる。
【0053】
また、コリメータレンズ14からの平行光を発散レンズ15により発散させるようにしたので、発散レンズ15を対物レンズ16よりも小さくすることができる。従って、発散レンズ15をより高速に振動させることが可能であり、高速測定が容易にできるという利点を生じると共に、コリメータレンズ14からの平行光の光芒幅を抑制することができるので、装置の小型化を図ることができる。
【0054】
(第2の実施の形態)
次に、本発明を共焦点顕微鏡に適用した第2の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。この実施の形態の特徴は、補助光学手段として発散レンズの代わりに収束レンズを用いた点である。
【0055】
共焦点顕微鏡の構造を概略的に示す図5において、投光手段としてLD31は、レーザ駆動回路32により駆動された状態でレーザ光を投光し、そのレーザ光は、コリメータレンズ33で平行光に変換された状態で偏光ビームスプリッタ34に照射され当該偏光ビームスプリッタ34で反射されることにより1/4波長板35、走査手段としての水平偏光装置36及び垂直偏光装置37、リレーレンズ38、ハーフミラー39、補助光学手段としての収束レンズ40、ハーフミラー41、対物レンズ42を介して被測定対象物43に集光状態で照射される。
【0056】
被測定対象物43で反射した光は、対物レンズ42、ハーフミラー41、収束レンズ40、ハーフミラー39、リレーレンズ38、垂直偏光装置37、水平偏光装置36、1/4波長板35、偏光ビームスプリッタ34、結像レンズ44、ピンホール45を介して受光手段としてのPD46で受光される。
【0057】
ここで、収束レンズ40は可動手段としての変位機構47により支持されており、その変位機構47がレンズ位置制御回路48で制御されることにより、収束レンズ40が垂直方向つまりLD31からのレーザ光の光軸方向に沿って移動可能に構成されている。
【0058】
一方、白色光源49からの光は、コリメータレンズ50で略平行光とされた状態でハーフミラー41で反射してから対物レンズ42により集光状態で被測定対象物43に照射される。被測定対象物17で反射した光は、対物レンズ42、ハーフミラー41、収束レンズ40を通過してハーフミラー39で反射することによりCCD51で受光される。このCCD51は、CCD駆動回路52により駆動されることにより被測定対象物43の表面を画像信号として出力する。
【0059】
上述した光学系を収納した筐体53全体はXYステージ54に載置されており、XYステージ54の動作に応じて筐体53が水平方向に移動可能となっている。
【0060】
制御手段及び記憶手段としての制御装置55は、レンズ位置制御回路48に指令を与え、それに応じて変位機構47が収束レンズ40を所定の初期位置に移動した状態で水平偏光装置36及び垂直偏光装置37を駆動することにより対物レンズ42による集光位置を平面走査すると共に、その平面走査状態でPD46の受光レベルを収束レンズ40の位置に対応して平面情報として記憶する。そして、平面走査が終了したときは、レンズ位置制御回路48に対する指令により収束レンズ40を1ステップ移動した状態で集光位置を平面走査しながら受光レベルを収束レンズ40の位置に対応して平面情報として記憶する。
【0061】
そして、制御装置55は、被測定対象物43に対する測定が終了したときは、記憶した平面情報に基づいて受光量が最大受光量となる位置、つまり被測定対象物43の表面形状を立体的に求め、図示しない表示装置に立体画像として表示したり、被測定対象物43の所定ラインの断面形状画像をCCD51が受光した被測定対象物43の画像に重ねて表示したりする。
【0062】
本実施の形態では、上述したLD31、コリメータレンズ33、偏光ビームスプリッタ34、1/4波長板35、リレーレンズ38、収束レンズ40、対物レンズ42、結像レンズ44、ピンホール45、PD46、制御装置55から合焦装置が構成されている。
【0063】
尚、被測定対象物43に対する平面測定領域が水平偏光装置36及び垂直偏光装置37による最大平面走査領域を上回る場合は、制御装置55は、XYステージ54を駆動して被測定対象物43に対する平面走査領域を水平方向にずらすことにより平面走査領域の拡大を図るようにしている。
【0064】
図6は、収束レンズ40と対物レンズ42との光学系を示している。この図6において、収束レンズ40と対物レンズ42とで構成される組合わせレンズ系の有効焦点距離fは、次の式で求めることができる。
【0065】
【数8】
但し、f1は収束レンズ40の有効焦点距離、f2は対物レンズ42の有効焦点距離、dはレンズ間隔で、収束レンズ40の第2主点と対物レンズ42の第1主点の距離、s”は対物レンズ42の第2主点と組合わせ後の最終焦点との距離、zは対物レンズ42の第2主点と組合わせ後の第2主点との距離である。
【0066】
上記式から、レンズ間隔dを変化させることにより組合わせレンズ系の有効焦点距離は変化することから、収束レンズ40を変位させることにより焦点距離fを変化させることが可能なことが分る。
【0067】
従って、第1の実施の形態で説明した縦倍率を求める式に基づいて、収束レンズ40の1ステップの変位に応じた縦倍率を求めることができることから、収束レンズ40の変位量にそのときの縦倍率を掛け合わせることにより垂直方向への集光位置の変位量を求めることができ、最終的に被測定対象物43の表面形状を立体的に測定することができる。
【0068】
このような実施の形態によれば、収束レンズ40と対物レンズ42とから構成される組合わせレンズ系において、収束レンズ40を変位させることにより対物レンズ42の集光位置を光軸方向に沿って変位させことにより縦倍率を変更可能としたので、縦倍率を適切に調整することにより第1の実施の形態と同様に、より高精度な測定や、より広い範囲の測定が可能となる。
【0069】
しかも、被測定対象物が載置されたステージを垂直方向に間欠移動させ、移動停止状態で被検査対象物の水平方向の平面情報を検出する構成のものでは、被測定対象物によってはステージの上下動により振動を生じるために、ステージを1ステップ移動する毎に一定時間停止させ、被測定対象物が安定するのを待ってから測定する必要を生じるものの、本実施の形態では、光学系のみで測定を実施することができるので、ステージを無くすことにより測定精度を一層高めることができると共に、計測の1ステップ毎に被測定対象物43の安定化のための待機時間が不要となり、高速計測が可能となる。
また、測定のための駆動部は光学部分のみでよいことから、高速計測に有効であると共に、被測定対象物43の大きさや形状、重量、或は形態などによる制約が著しく軽減され、用途を格段に広げることができる。
【0070】
(第3の実施の形態)
次に本発明を変位センサに適用した第3の実施の形態を図7に基づいて説明する。第1の実施の形態では、発散レンズを音叉の一方の自由端に連結したが、このような構成では、音叉の振動に伴う発散レンズの変位により当該発散レンズの光軸が対物レンズの光軸に対して僅かに傾き、対物レンズによる集光位置がLDの光軸からずれてしまうことから、この第3の実施の形態では、発散レンズの変位による光軸ぶれを防止したことを特徴とする。
【0071】
図7は、変位センサにおける光学系の構成を概略的に示している。この図7において、ケース61内には光学系が構成されており、投光手段であるLD62は、図示しないレーザ駆動制御回路で駆動された状態でレーザ光を出射し、そのレーザ光は、光分割手段であるハーフミラー63(偏光ビームスプリッタでも可)を通過した後、コリメータレンズ64で平行光に変換される。
【0072】
コリメータレンズ64で変換された平行光は、後述する補助光学手段としての第1レンズ65及び第2レンズ66により若干発散された状態でケース61に装着された対物レンズ67に入射することにより被測定対象物68に集光状態で投射される。
【0073】
ここで、第1レンズ65は光を発散させるレンズであり、本実施の形態においては発散レンズ(以下、発散レンズ65と称する)を用いているが、これに限らず、収束レンズを用いてもよい。この場合、収束レンズで収束した光も収束点(焦点位置)を越えた領域では発散されることになるので、発散レンズと同様の作用を得ることができる。第2レンズ66は光を収束させるレンズであり、本実施形態においては収束レンズ(以下、収束レンズ66と称する)を用いている。
【0074】
以上のコリメータレンズ64、発散レンズ65、収束レンズ66及び対物レンズ67は複数のレンズからなる複合レンズから構成されており、主平面及び主曲面で規定することができ、一方の面が平面、他方の面が曲面で形成された単レンズとみなすことができる。
【0075】
尚、レンズが平凸の単レンズで形成されている場合は、平凸レンズの平面が主平面に一致し、曲面が主曲面に一致する。また、複合レンズの場合は、主曲面は非球面で規定されるのが通常である。図7では、コリメータレンズ64、発散レンズ65、収束レンズ66、対物レンズ67は複合レンズであるものの、主平面及び主曲面からなる単レンズとして図示した。
【0076】
被測定対象物68からの反射光は、対物レンズ67、収束レンズ66、発散レンズ65、コリメータレンズ64を通過してハーフミラー63で反射することにより、LD62に対して直交する方向に反射され、光絞り部69のピンホールを通過して受光手段であるPD70へ入射するようになっている。
【0077】
尚、図7には示していないが、光分割手段をハーフミラー63に代えて偏光ビームスプリッタで構成した場合には、偏光ビームスプリッタを通過したレーザ光が被測定対象物68で反射して偏光ビームスプリッタに戻った際に光の振動方向を90°回転させる振動方向変換手段としての1/4波長板が設けられており、これにより、偏光ビームスプリッタに戻ったレーザ光がLD62の光軸の直交方向に反射されるようになっている。
【0078】
PD70で光電変換した信号は、図示しない増幅器へ入力され、その出力信号は、制御手段であるCPU(図示しない)へ入力されるようになっている。
本実施の形態では、上述したLD62、ハーフミラー63、コリメータレンズ64、発散レンズ65、収束レンズ66、対物レンズ67、光紋り部69、PD70、CPUから合焦装置が構成されている。
【0079】
ここで、LD62の光軸に対して直交する方向を指向するようにレンズ可動手段としてのU字形状の音叉71が配設されており、その音叉の一方の自由端の先端に発散レンズ65の周縁部分が連結されていると共に、他方の自由端の先端に収束レンズ66の周縁部分が連結されている。発散レンズ65は、コリメータレンズ64からの平行光を発散させた状態で収束レンズ66に入射させ、収束レンズ66は、発散レンズ65で発散された光を若干収束させることにより対物レンズ67に若干発散させた状態で入射させる。これらの発散レンズ65及び収束レンズ66は、音叉71の微振動によりLD62からのレーザ光の光軸に沿って所定振幅で振動するようになっている。
【0080】
ところで、第1の実施の形態で示したように音叉71の一方の自由端の先端に発散レンズ65のみを連結した構成の場合、音叉71の振幅は極めて小さいことから、発散レンズ65は光軸に沿って振動しているとみなすことができるものの、発散レンズ65は音叉71の自由端の振動中心点(図7にAで示す)を中心として円弧状に振動していることから、微小現象としては、発散レンズ65の光軸は当該発散レンズ65の移動に伴ってLD62の光軸から僅かに傾いて光軸ぶれを生じている。このため、極めて精度の高い検出を行う際に検出精度の低下を招来する虞がある。
【0081】
そこで、本実施の形態では、音叉71の一方の自由端の先端に発散レンズ65を連結した上で、他方の自由端の先端に収束レンズ66を連結するように構成した。つまり、音叉71が振動した際に、一方の自由端の振動による発散レンズ65の微小な光軸ぶれを、他方の自由端の振動による収束レンズ66の微小な反対方向への光軸ぶれにより相殺するのである。
【0082】
ここで、発散レンズ65の光軸中心(レンズ中心軸)と収束レンズ66の光軸中心(レンズ中心軸)とが一致するように音叉71の自由端の先端に連結されている。また、発散レンズ65及び収束レンズ66が音叉71に連結された状態で、音叉71における一方の自由端と他方の自由端の固有振動数は等しく構成されている。この場合、音叉71の固有振動数は、音叉の材質、厚み、梁の長さ(振動する棒状部分)、重さ、音叉に連結するレンズ部の形状(大きさ、重さ、材質)により決定されるもので、これらを適宜組み合わせて、所望の振動を得るように設計されている。
【0083】
さらに、本実施の形態では、発散レンズ65及び収束レンズ66の主曲面の頂点が、音叉71における振動中心軸に略位置する構成となっている。具体的には、図7中に示すAが音叉71の自由端の振動中心点であり、音叉71の自由端は、この振動中心点Aを中心とする円弧状に振動している。この場合、振動中心点Aを基点としてLD62の光軸に直交する線が振動中心軸(図中に一点鎖線で示す)であり、レンズは振動中心軸の変位に応じて変位する。本実施の形態では、発散レンズ65及び収束レンズ66の主曲面の頂点が振動中心軸に略位置するように設定されている。つまり、主平面及び主曲面で規定されるレンズは、その主曲面が光の屈折に主に寄与することから、レンズの主曲面の頂点を振動中心軸に一致させることによりレンズの主曲面の変位を最小とすることができる。これにより、発散レンズ65及び収束レンズ66の光軸がLD62の光軸から大きくずれないようにすることができるので、音叉71の振動による光軸ぶれを極力抑制することができる。
【0084】
ところで、音叉71の自由端の先端に発散レンズ65及び収束レンズ66を直接的に連結した構成において、自由端の指向方向と振動中心軸の指向方向とを一致させた場合(自由端の指向方向がLD62の光軸と直交している場合)、凹レンズで示される発散レンズ65に関してはその主曲面の頂点を振動中心軸に一致させることができるものの、凸レンズで示される収束レンズ66に関してはその主曲面の頂点を振動中心軸に一致させることができないことから、収束レンズ66が連結された自由端を内側に折曲した形状とした。
【0085】
一方、音叉71の自由端の側方の近接した位置には、例えば渦電流式磁気センサ、或は光センサ、或は静電容量センサを利用した位置検出手段(位置センサ)たる音叉振幅検出器72が配設されており、音叉71の振動位置、つまり発散レンズ65の位置を検出するようになっている。音叉振幅検出器72が検出した検出振幅信号は増幅器へ入力され、その出力信号はCPUへ入力される。
【0086】
音叉71の自由端部の側方には、当該音叉71を振動させるためのソレノイド73が配設されている。このソレノイド73は、CPUからの駆動信号に基づいて音叉振幅制御回路から制御電流が供給されることに応じて駆動するようになっており、圧電素子を用いるようにしてもよい。音叉振幅制御回路には増幅器の出力信号が与えられており、音叉の振幅を一定にするようにフィードバック制御するようになっている。
【0087】
このような構成において、音叉振幅制御回路からソレノイド73に所定周波数の交流電流を供給すると、ソレノイド73から交流磁界が発生する。この交流磁界により音叉71が所定振幅で微振動し、発散レンズ65がLD62の光軸に沿って振動する。そして、音叉振幅検出器72は、音叉71の振幅、即ち発散レンズ65の振幅を検出し、発散レンズ65の振幅を示す正弦波信号を出力する。この正弦波信号を増幅器で増幅し、増幅器から出力される出力信号をCPUへ入力させることにより、CPUは、発散レンズ65の位置を検出可能となっている。
【0088】
ここで、上記音叉71、音叉振幅検出器72、ソレノイド73は、−体で移動可能な間隔可変手段として構成されており、移動位置に応じて発散レンズ65の焦点と対物レンズ67の焦点との距離を調整することが可能となっている。このときの発散レンズ65の位置も、図示しない測定手段によってCPUに入力され、処理手段によって被測定点の位置情報として出力される。そして、CPUは、発散レンズ65の移動位置情報及び位置情報に基づいて被測定対象物68の表面の変位を測定する。
【0089】
このような実施の形態によれば、音叉71の自由端の一方に発散レンズ65を連結した上で、他方の自由端に収束レンズ66を連結するようにしたので、音叉の振動による発散レンズ65の移動に伴う光軸ぶれを収束レンズ66による反対方向への光軸ぶれにより抑制することができ、第1の実施の形態のものに比較して、検出精度を高めることができる。
【0090】
また、本実施の形態では、発散レンズ65と収束レンズ66とは音叉71の振動に伴って光軸に沿って互いに反対方向に移動するようにアフォーカル系を構成していることから、例えば発散レンズ65と収束レンズ66とが接近するように移動する場合は、発散レンズ65は対物レンズ67に接近するように移動すると同時に、収束レンズ66は対物レンズ67から離間するように移動する。ここで、発散レンズ65が対物レンズ67に接近するように移動した場合は、対物レンズ67による集光位置は対物レンズ67から離間するように変位すると共に、収束レンズ66が対物レンズ67から離間するように移動した場合も、対物レンズ67による集光位置は対物レンズ67から離間するように変位する。この結果、対物レンズ67による集光位置は、発散レンズ65と収束レンズ66との協調動作により、発散レンズ65及び収束レンズ66を単体で移動した場合に比較して、対物レンズ67から離間する変位(発散レンズ65と収束レンズ66とが離間するように移動する場合は、対物レンズ67による集光位置が対物レンズ67に近接する変位)を増大することができる。このことは、第1の実施の形態で説明した縦倍率を大きくできることを意味しており、第1の実施の形態のものよりも検出精度を高めながら、音叉71の振動による振幅を抑制することができ、結果として検出の高速化を図ることができる。
【0091】
尚、発散レンズ65及び収束レンズ66の周縁部を音叉71の自由端の先端に直接連結する構造としては、図8に示すように収束レンズ66と連結された自由端を外側に折曲した形状としてもよい。また、発散レンズ65と収束レンズ66との位置関係及び主平面と主曲面の向きについては図9ないし図15に示すように種々の組合せが可能である。この場合、収束レンズ66をホルダ74により保持することにより音叉71の自由端の指向方向と振動中心軸の指向方向とを一致させることが可能となり、音叉71の両方の自由端を平行な形状とすることができる。
【0092】
(第4の実施の形態)
第3の実施の形態で説明した合焦装置を共焦点顕微鏡に適用した第4の実施の形態を図16に基づいて説明するに、第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0093】
光学系を概略的に示す図16において、ハーフミラー63とコリメータレンズ64との間には第2ハーフミラー81及び第3ハーフミラー82が配置されており、照明用光源である白色光源83からの光がレンズ84で平行光に変換した状態で第2ハーフミラー81により合流されてから、コリメータレンズ64で略平行光とされた状態で対物レンズ67により集光状態で被測定対象物68に照射される。被測定対象物68で反射した光は、対物レンズ67、収束レンズ66、発散レンズ65、コリメータレンズ64を通過して第3ハーフミラー82によりLD62に対して直交する方向に反射されて撮像手段であるCCD85で受光される。このCCD85は、CCD駆動回路により駆動されることにより被測定対象物の表面を画像信号として出力する。
【0094】
このような実施の形態によれば、音叉71の自由端の先端に発散レンズ65及び収束レンズ66を連結した合焦装置を共焦点顕微鏡に適用するようにしたので、対物レンズ67による集光位置がLD62の光軸からずれてしまうことを極力抑制することができ、共焦点顕微鏡の検出精度を高めることができる。
【0095】
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態を図17に基づいて説明するに、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。この第5の実施の形態は、対物レンズの集束率を変更可能としたものである。
【0096】
図17は対物レンズ交換装置を示している。この図17において、対物レンズ交換装置91は、回動部材92に異なる集束率(焦点距離)の複数の対物レンズ93,94を装着して構成されている。
ここで、第1の実施の形態で説明した対物レンズの縦倍率を求める式に基づいて、対物レンズの焦点距離を変更することによっても縦倍率を変更することができることから、対物レンズ93,94を適宜交換することにより縦倍率を変更することができる。つまり、焦点距離の大きな対物レンズに交換することにより、縦倍率を大きくすることができる。
【0097】
このような実施の形態によれば、対物レンズ交換装置91により対物レンズ93,94を交換可能としたので、第1の実施の形態のように発散レンズ15の位置、或は第2の実施の形態のように収束レンズ40の位置を調整することなく、対物レンズの縦倍率を調整することができ、第1の実施の形態と同様に、より高精度な測定や、より広い範囲の測定が可能となる。
【0098】
本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、次のように変形或は拡張できる。
被測定対象物の変位量を、縦倍率を求める数式に基づいて演算するのに代えて、第1の実施の形態における発散レンズ15或は第2の実施の形態における収束レンズ40の位置に基づいて求めるようにしてもよい。つまり、発散レンズ15或は収束レンズ40と集光位置との対応関係をテーブルに記憶したり、或は関数で演算したりするようにし、受光量が最大となる時点における発散レンズ15或は収束レンズ40の位置に基づいて被測定対象物の変位量を求めるものである。この場合、発散レンズ15或は収束レンズ40と集光位置との対応関係は、理論値ではなく実際の実験結果から求めるようにしてもよい。
【0099】
また、サンプルモデルを使ってティーチングを行うようにしてもよい。つまり、例えば、所定高さ(具体的に、1.0mm)のサンプルにおいて、この高さ情報を記憶させると共に、このときの受光量最大点における位置信号を検出し記憶させる。次に、先ほどと高さの違うサンプル(具体的に、1.1mm)をおいて、この高さ情報を記憶させると共に、このときの受光量最大点における位置信号を検出して記憶させる。これによって、0.1mmの変位量に対する位置信号の変位量との関係が求められる。従って、この位置信号の変位量に対応する被測定対象物の変位量をテーブルに記憶したり、数式として求めて記憶させたりしてもよい。
【0100】
第1の実施の形態において、発散レンズ15の位置を検出する手段としては、音叉振幅制御回路26からの駆動信号に基づいて検出するようにしてもよい。この場合、発散レンズ15の位置を検出する手段を省略することができる。
発散レンズ15を振動させるのに代えて、単に直線的に移動させるようにしてもよい。
光絞り部18を省略するようにしてもよい。
第2の実施の形態において、透過型の共焦点顕微鏡に適用するようにしてもよい。
【0101】
対物レンズを取り外し可能に設け、集束率の異なる対物レンズを装着可能としてもよい。
対物レンズとして、例えば液体が封入され表面の湾曲率を調整することにより集束率を可変可能な構造のものを用いるようにしてもよい。
発散レンズ或は収束レンズを変位させると同時に対物レンズの収束率を変更するようにしてもよい。
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、投光手段からの光を補助光学手段により非平行光となるように発散若しくは収束すると共に、この補助光学手段で発散若しくは収束された光を対物レンズにより被測定対象物に集光状態で照射するように設けた上で、その補助光学手段を投光手段からの光の光軸に沿って移動させた状態で受光手段の受光量が最大となる時点における補助光学手段の位置を検出することにより被測定対象物の変位を求めるようにしたので、簡単な構成で測定範囲を拡大したり、測定精度を高めたりすることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における変位センサの構成を示す概略図
【図2】間隔可変手段を示す概略図
【図3】対物レンズの光学系を示す模式図
【図4】発散レンズと対物レンズとを組合わせた光学系を示す模式図
【図5】本発明の第2の実施の形態における共焦点顕微鏡の構成を示す概略図
【図6】収束レンズと対物レンズとを組合わせた光学系を示す模式図
【図7】本発明の第3の実施の形態における光学系を概略的に示す側面図
【図8】音叉の異なる形状を示す側面図
【図9】音叉の異なる形状を示す側面図
【図10】音叉の異なる形状を示す側面図
【図11】音叉の異なる形状を示す側面図
【図12】音叉の異なる形状を示す側面図
【図13】音叉の異なる形状を示す側面図
【図14】音叉の異なる形状を示す側面図
【図15】音叉の異なる形状を示す側面図
【図16】本発明の第4の実施の形態を示す図7相当図
【図17】本発明の第5の実施の形態における対物レンズ交換装置を示す斜視図
【図18】従来例における光学系を示す模式図
【符号の説明】
11はレーザダイオード(投光手段)、14はコリメータレンズ、15は発散レンズ、16は対物レンズ、19はフォトダイオード(受光手段)、21はCPU(制御手段)、22は音叉(可動手段)、23は音叉振幅検出器(位置検出手段)、25はソレノイド、27は間隔可変手段、31はレーザダイオード(投光手段)、40は収束レンズ(補助光学手段)、42は対物レンズ、47は変位機構(可動手段)、55は制御装置(制御手段、記憶手段)、62はレーザダイオード(投光手段)、65は発散レンズ(第1レンズ)、66は収束レンズ(第2レンズ)、67は対物レンズ、70はフォトダイオード(受光手段)、71は音叉、72は音叉振幅検出器(位置検出手段)、73はソレノイド、91は対物レンズ交換装置、93,94は対物レンズである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定対象物に照射する光の集光位置を移動させることにより被測定対象物の状態を測定する合焦装置及び当該合焦装置を用いた変位センサ並びに共焦点顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開平07−113617号公報
【0004】
【特許文献2】
特開2000−314616号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、被測定対象物の変位量を測定するものとして、特開平07−113617号公報に示されるように、投光部からの光を対物レンズにより被測定対象物上に集光状態で照射し、この対物レンズを加振部により光軸に沿って振動させることによって光の集光位置を振動させ、この振動させたときの被測定対象物からの反射光を受光部にて受光し、この受光部に受光された受光量の大きさと、そのときの対物レンズの位置とに基づいて被測定対象物の変位量を測定するものが提案されている。
【0006】
また、特開2000−314616号公報に示されるものは、対物レンズを固定しておき、被測定対象物を載せるステージを上下動させ、このときの物体からの反射光量の大きさと、ステージの位置とに基づいて被測定対象物の変位量を測定するものである。
【0007】
しかしながら、特開平07−113617号公報のものでは、投光部からの光をコリメータレンズを介して平行光とし、その平行光を対物レンズで集光する構成であるため、受光部が最大受光量を受光した際の対物レンズの変位量がそのまま被測定対象物の変位量となって現れてくる。このため、予め設定される測定範囲の変位量より大きい測定範囲の変位量を測定することはできず、広い測定レンジに対応することはできなかった。
【0008】
しかも、被測定対象物の変位量の測定精度は、図18に示されるように、コリメータレンズ1からの平行光を対物レンズ2を通して被測定対象物上に集光状態で照射させると共に、変位量を測定する際には、対物レンズ2を移動させる構成であるため、対物レンズ2を通して集束される光の焦点位置(焦点距離)Lは予め決まっており、対物レンズ2をXの距離だけ移動させた場合の焦点位置の移動量Hは対物レンズの移動距離Xに相当する。
【0009】
従って、対物レンズ2を移動させる距離Xが焦点位置の移動量Hと同一であることから、被測定対象物の変位量の測定精度は、対物レンズ2の移動距離そのものであって、対物レンズ2の最小移動量(最小変位量)以上に分解能を高くするといったように精度を向上することはできないと共に、大きな測定範囲の変位量を測定するには、対物レンズ2の振動が遅くなることにより測定が遅くなり、対物レンズの振動が大きくなることにより測定精度が粗く(悪く)なってしまうという問題がある。
【0010】
これに対し、特開2000−314616号公報の方式であれば、ステージの移動機構の可動範囲を大きくすることで、測定範囲の大きな変位量に対しても測定を行うことができるが、ステージを移動させる距離だけ装置が大型化するほか、この方式においても、被測定対象物の変位量の測定精度を、ステージの移動変位量を測定する精度以上にすることはできない。しかも、機械的な上下動を伴うために測定精度には限界がある。
このような問題は、対物レンズからの合焦点の光のみを受光するようにした共焦点顕微鏡でも同様である。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で測定範囲を拡大したり、測定精度を高めたりすることができる合焦装置及び変位センサ並びに共焦点顕微鏡を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の合焦装置は、光を出射する投光手段を設け、この投光手段からの光を非平行光となるように発散若しくは収束する補助光学手段を設け、この補助光学手段からの光を被測定対象物に集光状態で照射する対物レンズを設け、この対物レンズによる集光を前記被測定対象物を介して受光する受光手段を設け、前記補助光学手段を移動するための駆動信号を出力する制御手段を設け、この制御手段からの駆動信号に応じて前記補助光学手段を前記投光手段からの光の光軸に沿って移動させる可動手段を設け、前記補助光学手段の位置を示す位置信号を出力する位置検出手段を設けた上で、前記制御手段は、前記駆動信号の出力状態で前記受光手段の受光量が最大となる時を検出するものである(請求項1)。
【0013】
このような構成によれば、投光手段からの光は補助光学手段により非平行光となるように発散若しくは収束されてから、対物レンズにより集光状態で被測定対象物に照射される。
さて、対物レンズの縦倍率(光軸に沿った方向の倍率)は、対物レンズの焦点距離を対物レンズの焦点と発散レンズの焦点との距離で除した値の2乗で示すことができるので、対物レンズの焦点距離を大きくすることにより対物レンズの縦倍率を大きくすることができると共に、対物レンズの焦点と発散レンズの焦点との距離を大きくすることにより対物レンズの縦倍率を小さくすることができる。これにより、対物レンズの縦倍率を適切に設定することにより、対物レンズの集光位置の移動範囲を調整でき、測定範囲を拡大したり、測定精度を高めたりすることができる。
この場合、対物レンズの縦倍率は、受光手段の受光量が最大となる時における補助光学手段の位置に基づいて求めることができるので、制御手段は、受光手段の受光量が最大となる時を検出する。
【0014】
上記構成において、前記投光手段からの光を平行光とした状態で前記補助光学手段に入射させるコリメータレンズを設けるようにしてもよい(請求項4)。 このような構成によれば、補助光学手段に入射する光芒の大きさを抑制することができるので、補助光学手段、ひいては全体の小型化を図ることができる。
【0015】
上記構成において、前記対物レンズは、複数のレンズからなる複合レンズであるのが望ましい(請求項5)。
このような構成によれば、複数のレンズによりレンズ収差を抑制することができるので、投光手段から被測定対象物に対する集光の位置精度を高めることができ、対物レンズが単一のレンズである場合に比較して、より高精度に受光手段の受光量に基づいた測定が可能となる。
【0016】
また、前記対物レンズは、集束率を変更可能に設けられているようにしてもよい(請求項6)。
このような構成によれば、測定対象、測定範囲に応じて、対物レンズの集束率(焦点距離)を変更することで、複雑な調整・設定を行うことなく、測定範囲を拡大したり、測定精度を高めたりすることができる。
【0017】
また、前記補助光学手段の移動中心位置と前記対物レンズとの間隔を可変する間隔可変手段を設けるようにしてもよい(請求項7)。
このような構成によれば、測定対象、測定範囲に応じて、発散レンズの移動中心位置と対物レンズとの間隔を可変することで、複雑な調整・設定を行うことなく、測定範囲を拡大したり、測定精度を高めたりすることができる。
【0018】
また、前記位置検出手段は、前記補助光学手段の位置を検出する位置センサを備え、前記位置センサの出力を前記位置信号として出力するようにしてもよい(請求項8)。
このような構成によれば、受光手段の受光量が最大となる時点における補助光学手段の位置をより正確に測定できるので、被測定対象物の変位を高精度に測定することができる。
【0019】
また、前記位置検出手段は、前記制御手段からの駆動信号を前記位置信号として出力するようにしてもよい(請求項9)。
このような構成によれば、補助光学手段の位置を検出するための位置センサが不要となるので、構成を簡単にしつつ、被測定対象物の変位を測定することができる。
【0020】
また、前記可動手段は、自由端の先端に前記補助光学手段が連結された音叉と、前記制御手段からの駆動信号に基づいて前記音叉を駆動するソレノイドとから構成されていてもよい(請求項10)。
このような構成によれば、補助光学手段を移動させる際、制御手段から所定の信号を出力することにより、音叉が所定振幅幅で振動するので、発散レンズの位置を容易に制御することができる。
【0021】
また、前記補助光学手段は、前記音叉の一方の自由端に連結された第1レンズと他方の自由端に連結された第2レンズとからなり、前記第1レンズ及び第2レンズは、それらの光軸が一致するように設けられ、前記音叉は、前記第1及び第2レンズが接続された状態で前記一方及び他方の自由端における固有振動数が等しく構成されているのが望ましい(請求項11)。
【0022】
このような構成によれば、音叉の一方の自由端の振動に伴って当該自由端に連結された第1レンズに光軸ぶれ(ずれ)が生ずるにしても、他方の自由端の振動は、一方の自由端の振動と振動量が等しく且つ逆方向の振動となることから、他方の自由端に連結された第2レンズに第1レンズと反対方向の光軸ずれを生じるようになる。この結果、第1レンズの光軸のぶれが第2レンズのぶれにより打ち消されるようになるので、合焦装置における焦点位置のぶれを抑制して合焦させることができる。
【0023】
また、前記第1レンズ及び第2レンズは主平面及び主曲面で規定され、前記音叉の自由端の振動中心点を基点として前記投光手段の光軸に対して直角に交差する振動中心軸に前記第1レンズ及び第2レンズの前記主曲面の頂点が略位置するのが望ましい(請求項12)。
【0024】
このような構成によれば、音叉の自由端の振動に伴うレンズの変位は振動中心軸上に位置する部位が最も小さいことから、レンズの主曲面を振動中心軸に略位置させることにより自由端の振動による第1レンズ及び第2レンズの光軸ぶれ(ずれ)量を最小限に抑えることができ、より確実に合焦装置における焦点位置のぶれを抑制して合焦させることができる。
【0025】
本発明の変位センサは、上記構成の合焦装置を設けた上で、前記制御手段が検出した受光量が最大となる点における位置信号の変化に基づいて被測定対象物の変位量を測定するものである(請求項13)。
このような構成によれば、対物レンズによる集光位置が被測定対象物上となったときに受光手段の受光量が最大となるので、制御手段が検出した受光量が最大となる点における位置信号の変化に基づいて被測定対象物の変位量を測定することができる。
【0026】
本発明の共焦点顕微鏡は、上記構成の合焦装置を設け、前記制御手段の駆動に応じて前記対物レンズによる集光位置を水平方向に走査する走査手段を設けた上で、前記制御手段は、前記受光手段の受光量が最大となる時点における前記位置検出手段からの位置信号及び前記走査手段の走査位置を検出して記憶手段に記憶すると共に、前記制御手段が検出し、前記記憶手段に記憶された位置信号及び走査位置に基づいて被測定対象物の表面形状を立体的に測定するものである(請求項14)。
このような構成によれば、制御手段は可動手段及び走査手段を駆動することにより対物レンズによる集光位置を立体的に移動させる。
【0027】
ここで、対物レンズによる集光位置が被測定対象物上となったときに受光手段の受光量が最大となるので、制御手段は、受光手段の受光量が最大となる時点における位置検出手段からの位置信号及び走査手段の走査位置を検出して記憶手段に記憶する。従って、制御手段が検出し、記憶手段に記憶した位置信号及び走査位置に基づいて被測定対象物の表面形状を立体的に測定することができる。この場合、対物レンズの集光位置を光軸方向に沿って移動させるための補助光学手段を合焦装置が有しているので、共焦点顕微鏡が構成上必要とされる対物レンズの焦点位置を光軸に沿って移動させるための手段を新規に設ける必要がなく、構成を簡単化することができると共にコストの低減を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を変位センサに適用した第1の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。
投光手段であるレーザダイオード(以下、LDと称する)11はレーザ駆動制御回路12で駆動された状態でレーザ光を出射し、そのレーザ光は、光分割手段である偏光ビームスプリッタ13を通過した後、コリメータレンズ14で平行光に変換される。
【0029】
コリメータレンズ14で変換された平行光は、後述する補助光学手段としての発散レンズ15により発散された状態で対物レンズ16に入射することにより被測定対象物17に集光状態で投射される。これらのコリメータレンズ14、発散レンズ15及び対物レンズ16は複数のレンズからなる複合レンズから構成されている。
【0030】
被測定対象物17からの反射光は、対物レンズ16、発散レンズ15、コリメータレンズ14を通過して偏光ビームスプリッタ13で反射することにより、光絞り部18のピンホール18aを通過して受光手段であるフォトダイオード(以下、PDと称する)19へ入射するようになっている。
【0031】
尚、図1には示していないが、偏光ビームスプリッタ13を通過したレーザ光が被測定対象物17で反射して偏光ビームスプリッタ13に戻った際に光の振動方向を90°回転させる振動方向変換手段としての1/4波長板が設けられており、これにより、偏光ビームスプリッタ13に戻ったレーザ光がLD11の光軸の直交方向に反射されるようになっている。
PD19で光電変換した信号は増幅器20へ入力され、その出力信号は、制御手段であるCPU21へ入力されるようになっている。
本実施の形態では、上述したLD11、偏光ビームスプリッタ13、コリメータレンズ14、発散レンズ15、対物レンズ16、光絞り部18、PD19、CPU21から合焦装置が構成されている。
【0032】
ここで、LD11の光軸に対して直交する方向を指向するようにレンズ可動手段としてのU字形状の音叉22が配設されており、その音叉22の自由端の先端に発散レンズ15の周縁部分が連結されている。この発散レンズ15は、コリメータレンズ14からの平行光を発散させた状態で対物レンズ16へ入射させるもので、音叉22の微振動によりLD11からのレーザ光の光軸に沿って所定振幅で振動するようになっており、このような構成が本発明の特徴となっている。この場合、音叉22の振幅は極めて小さいことから、発散レンズ15は光軸に沿って振動しているとみなすことができる。
【0033】
一方、音叉22の自由端の側方の近接した位置には、例えば渦電流式磁気センサ、或は光センサ、或は静電容量センサを利用した位置検出手段(位置センサ)たる音叉振幅検出器23が配設されており、音叉22の振動位置、つまり発散レンズ15の位置を検出するようになっている。音叉振幅検出器23が検出した検出振幅信号は増幅器24へ入力され、その出力信号はCPU21へ入力される。
【0034】
音叉22の自由端部の側方には、当該音叉22を振動させるためのソレノイド25が配設されている。このソレノイド25は、制御手段としてのCPU21からの駆動信号に基づいて音叉振幅制御回路26から制御電流が供給されることに応じて駆動するようになっている。音叉振幅制御回路26には増幅器24の出力信号が与えられており、音叉22の振幅を一定にするようにフィードバック制御するようになっている。
【0035】
このような構成において、音叉振幅制御回路26からソレノイド25に所定周波数の交流電流を供給すると、ソレノイド25から交流磁界が発生する。この交流磁界により音叉22が所定振幅で微振動し、発散レンズ15をLD11の光軸に沿って振動させる。
【0036】
そして、音叉振幅検出器23は、音叉22の振幅、即ち発散レンズ15の振幅を検出し、発散レンズ15の振幅を示す正弦波信号を出力する。この正弦波信号を増幅器24で増幅し、増幅器24から出力される出力信号をCPU21へ入力させることにより、CPU21は、発散レンズ15の位置を検出可能となっている。
【0037】
ここで、上記音叉22、ソレノイド25、音叉振幅検出器23は、図2に示すように一体で移動可能な間隔可変手段27として構成されており、移動位置に応じて発散レンズ15の焦点と対物レンズ16の焦点との距離を調整することが可能となっている。このときの発散レンズ15の位置も、図示しないが、別に設けてある測定手段によってCPU21に入力され、処理手段によって被測定点の位置情報として出力される。
【0038】
次に、発散レンズ15と対物レンズ16の焦点距離との関係について図3及び図4に基づいて説明する。
図3は、物点cからの光線が対物レンズ16により屈折されて像点c’ で結像する際の光学系を示している。ここで、物点cの微小変位量xc1とその像点変位量xc2の比αを縦倍率といい、通常の横倍率に対して光軸に沿った方向の倍率であり、次の式で求めることができる。
【0039】
【数1】
【0040】
ここで、対物レンズ16の焦点距離をf、物体側焦点位置から物体までの距離をx、像側焦点位置から像までの距離をx’ とすると、図中に示すように物点Cを基点とする矢印が像点c’ を基点として結像したとすると、矢印の基点と先端のそれぞれに関して、ニュートンの公式に基づいて次に示す式を導き出すことができる。
【0041】
【数2】
【0042】
上記▲2▼式の左辺x’ を右辺に移し、上記▲1▼式を用いて整理すると、
【数3】
となる。従って、対物レンズ16の縦倍率は、
【数4】
により求めることができる。つまり、対物レンズ16の縦倍率は、対物レンズ16の焦点距離を物点cと対物レンズ16の焦点Fとの距離で除した値の2乗で示すことができる。この式から、対物レンズ16の縦倍率は、対物レンズ16の焦点距離が大きくなるほど大きくなり、物点cと対物レンズ16の焦点Fとの距離が大きくなるほど小さくなる関係であることが分る。
【0043】
ところで、本発明では、コリメータレンズ14からの平行光を発散レンズ15により発散させた状態で対物レンズ16に入射させていることから、発散レンズ15の焦点位置を物点cに一致させるように配置した場合、発散レンズ15に入射した平行光はあたかも物点cから放射されたように出射するようになる。また、発散レンズ15が変位した場合は、その移動に応じてあたかも物点cが同様に変位したことになる。
【0044】
さて、上記関係式に基づいて、物点cと像点c’の微小変位量が互いに等しくなる物点位置xは、α=1であり、
【数5】
の関係になるときである。このような関係は、発散レンズ15の変位量と対物レンズ16の集光位置の変位量とが一致する場合であり、従来と同様な関係となる。
【0045】
また、物点の微小変位量が像点の微小変位量の2倍になる物点位置xは、α=1/2であり、
【数6】
の関係になるときである。このような関係は、発散レンズ15の変位量よりも対物レンズ16の集光位置の変位量が小さくなる場合であり、被測定対象物17の測定精度を高めることができる。これは、被測定対象物17の測定範囲を小さく設定できる結果、検出可能な分解能を高められるからである。
【0046】
また、物点の微小変位量が像点の微小変位量の1/2倍になる物点位置xは、α=2であり、
【数7】
の関係になるときである。このような関係は、発散レンズ15の変位量よりも対物レンズ16の集光位置の変位量が大きくなる場合であり、被測定対象物17の測定可能な変位量(測定レンジ)を拡大することができる。
【0047】
尚、発散レンズ15と対物レンズ16の位置関係は、発散レンズ15の焦点位置が対物レンズ16の焦点Fに対して物点側となるように位置決めする必要がある。これは、発散レンズ15に平行光が入射したときは、発散レンズ15の焦点から投光されたように発散レンズ15から出射することから、発散レンズ15の焦点位置が対物レンズ16の焦点位置に対して対物レンズ16側に位置した状態では、対物レンズ16からの出射光は集光しないからである。
【0048】
このような位置関係を満足した場合は、上述した縦倍率αの関係から、発散レンズ15の変位量と対物レンズ16による集光位置の変位量とが異なるように設定することが可能となる。つまり、対物レンズの焦点距離に対して発散レンズ15の焦点位置と対物レンズ16の焦点位置との距離が小さな場合は、発散レンズ15の変位量に比べて対物レンズ16による集光位置の変位量を大きく設定することができる。これに対して、対物レンズ16の焦点距離に対して発散レンズ15の焦点位置と対物レンズ16の焦点位置とが大きな場合は、発散レンズ15の変位量に比べて対物レンズ16による集光位置の変位量を小さく設定することができる。
【0049】
さて、被測定対象物17の変位量を検出する際は、被測定対象物17を検出位置に位置させた状態で装置を駆動する。すると、CPU21は、音叉22を振動させた状態で、レーザ駆動制御回路12からLD11に駆動電流を供給する。これにより、LD11はレーザ光を出射し、この出射光は、偏光ビームスプリッタ13、コリメータレンズ14、発散レンズ15及び対物レンズ16を通過して被測定対象物17へ集光状態で投射される。被測定対象物17で反射した反射光は、対物レンズ16、発散レンズ15及びコリメータレンズ14を通過して偏光ビームスプリッタ13でPD19側へ反射し、光絞り部18のピンホール18aを通過した光のみがPD19へ入射する。この結果、被測定対象物17で生じた潜り光及びLD11で発生した迷光による反射光は、ピンホール18aを通過することができず、PD19には、コリメータレンズ14によりピンホール8aに集光された光、つまり被測定対象物17に集光状態で反射した光のみが入射することになる。そして、PD19からの受光出力に応じた信号が増幅器20へ出力されるので、増幅器20からは増幅信号がデジタル化されてCPU21へ出力される。
【0050】
ここで、発散レンズ15は微振動していることから、発散レンズ15と被測定対象物17との距離、つまり、対物レンズ16により集光される光の位置が変化する。この場合、対物レンズ16により集光される光の位置の変位量は、発散レンズ15の変位量に対して上述した縦倍率を掛け合わせた値となる。
そして、対物レンズ16から被測定対象物17に投射した光の集光位置が被測定対象物17上となると、PD19の受光出力は瞬時に最大となるので、PD19からの受光出力は最大となる。
【0051】
CPU21は、増幅器24からの増幅信号を監視しており、増幅信号が最大となる時点における音叉振幅検出器23からの検出信号に基づいて発散レンズ15の変位量を求める。この場合、被測定対象物17の表面の変位量は、発散レンズ15の変位量に対物レンズ16の縦倍率を掛け合わせることにより求めることができる。
【0052】
このような実施の形態によれば、LD11からの光を平行光に変換するコリメータレンズ14と対物レンズ16との間に発散レンズ15を介在させ、対物レンズ16の焦点距離に対する発散レンズ15の焦点位置と対物レンズ16の焦点位置との距離の関係から、振動させる発散レンズ15の変位量と被測定対象物17に対する集光位置の変位量との割合を任意に設定可能としたので、対物レンズを振動させることにより被測定対象物の変位を測定する構成と違って、より高精度な測定や、より広い範囲の測定が可能となる。
【0053】
また、コリメータレンズ14からの平行光を発散レンズ15により発散させるようにしたので、発散レンズ15を対物レンズ16よりも小さくすることができる。従って、発散レンズ15をより高速に振動させることが可能であり、高速測定が容易にできるという利点を生じると共に、コリメータレンズ14からの平行光の光芒幅を抑制することができるので、装置の小型化を図ることができる。
【0054】
(第2の実施の形態)
次に、本発明を共焦点顕微鏡に適用した第2の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。この実施の形態の特徴は、補助光学手段として発散レンズの代わりに収束レンズを用いた点である。
【0055】
共焦点顕微鏡の構造を概略的に示す図5において、投光手段としてLD31は、レーザ駆動回路32により駆動された状態でレーザ光を投光し、そのレーザ光は、コリメータレンズ33で平行光に変換された状態で偏光ビームスプリッタ34に照射され当該偏光ビームスプリッタ34で反射されることにより1/4波長板35、走査手段としての水平偏光装置36及び垂直偏光装置37、リレーレンズ38、ハーフミラー39、補助光学手段としての収束レンズ40、ハーフミラー41、対物レンズ42を介して被測定対象物43に集光状態で照射される。
【0056】
被測定対象物43で反射した光は、対物レンズ42、ハーフミラー41、収束レンズ40、ハーフミラー39、リレーレンズ38、垂直偏光装置37、水平偏光装置36、1/4波長板35、偏光ビームスプリッタ34、結像レンズ44、ピンホール45を介して受光手段としてのPD46で受光される。
【0057】
ここで、収束レンズ40は可動手段としての変位機構47により支持されており、その変位機構47がレンズ位置制御回路48で制御されることにより、収束レンズ40が垂直方向つまりLD31からのレーザ光の光軸方向に沿って移動可能に構成されている。
【0058】
一方、白色光源49からの光は、コリメータレンズ50で略平行光とされた状態でハーフミラー41で反射してから対物レンズ42により集光状態で被測定対象物43に照射される。被測定対象物17で反射した光は、対物レンズ42、ハーフミラー41、収束レンズ40を通過してハーフミラー39で反射することによりCCD51で受光される。このCCD51は、CCD駆動回路52により駆動されることにより被測定対象物43の表面を画像信号として出力する。
【0059】
上述した光学系を収納した筐体53全体はXYステージ54に載置されており、XYステージ54の動作に応じて筐体53が水平方向に移動可能となっている。
【0060】
制御手段及び記憶手段としての制御装置55は、レンズ位置制御回路48に指令を与え、それに応じて変位機構47が収束レンズ40を所定の初期位置に移動した状態で水平偏光装置36及び垂直偏光装置37を駆動することにより対物レンズ42による集光位置を平面走査すると共に、その平面走査状態でPD46の受光レベルを収束レンズ40の位置に対応して平面情報として記憶する。そして、平面走査が終了したときは、レンズ位置制御回路48に対する指令により収束レンズ40を1ステップ移動した状態で集光位置を平面走査しながら受光レベルを収束レンズ40の位置に対応して平面情報として記憶する。
【0061】
そして、制御装置55は、被測定対象物43に対する測定が終了したときは、記憶した平面情報に基づいて受光量が最大受光量となる位置、つまり被測定対象物43の表面形状を立体的に求め、図示しない表示装置に立体画像として表示したり、被測定対象物43の所定ラインの断面形状画像をCCD51が受光した被測定対象物43の画像に重ねて表示したりする。
【0062】
本実施の形態では、上述したLD31、コリメータレンズ33、偏光ビームスプリッタ34、1/4波長板35、リレーレンズ38、収束レンズ40、対物レンズ42、結像レンズ44、ピンホール45、PD46、制御装置55から合焦装置が構成されている。
【0063】
尚、被測定対象物43に対する平面測定領域が水平偏光装置36及び垂直偏光装置37による最大平面走査領域を上回る場合は、制御装置55は、XYステージ54を駆動して被測定対象物43に対する平面走査領域を水平方向にずらすことにより平面走査領域の拡大を図るようにしている。
【0064】
図6は、収束レンズ40と対物レンズ42との光学系を示している。この図6において、収束レンズ40と対物レンズ42とで構成される組合わせレンズ系の有効焦点距離fは、次の式で求めることができる。
【0065】
【数8】
但し、f1は収束レンズ40の有効焦点距離、f2は対物レンズ42の有効焦点距離、dはレンズ間隔で、収束レンズ40の第2主点と対物レンズ42の第1主点の距離、s”は対物レンズ42の第2主点と組合わせ後の最終焦点との距離、zは対物レンズ42の第2主点と組合わせ後の第2主点との距離である。
【0066】
上記式から、レンズ間隔dを変化させることにより組合わせレンズ系の有効焦点距離は変化することから、収束レンズ40を変位させることにより焦点距離fを変化させることが可能なことが分る。
【0067】
従って、第1の実施の形態で説明した縦倍率を求める式に基づいて、収束レンズ40の1ステップの変位に応じた縦倍率を求めることができることから、収束レンズ40の変位量にそのときの縦倍率を掛け合わせることにより垂直方向への集光位置の変位量を求めることができ、最終的に被測定対象物43の表面形状を立体的に測定することができる。
【0068】
このような実施の形態によれば、収束レンズ40と対物レンズ42とから構成される組合わせレンズ系において、収束レンズ40を変位させることにより対物レンズ42の集光位置を光軸方向に沿って変位させことにより縦倍率を変更可能としたので、縦倍率を適切に調整することにより第1の実施の形態と同様に、より高精度な測定や、より広い範囲の測定が可能となる。
【0069】
しかも、被測定対象物が載置されたステージを垂直方向に間欠移動させ、移動停止状態で被検査対象物の水平方向の平面情報を検出する構成のものでは、被測定対象物によってはステージの上下動により振動を生じるために、ステージを1ステップ移動する毎に一定時間停止させ、被測定対象物が安定するのを待ってから測定する必要を生じるものの、本実施の形態では、光学系のみで測定を実施することができるので、ステージを無くすことにより測定精度を一層高めることができると共に、計測の1ステップ毎に被測定対象物43の安定化のための待機時間が不要となり、高速計測が可能となる。
また、測定のための駆動部は光学部分のみでよいことから、高速計測に有効であると共に、被測定対象物43の大きさや形状、重量、或は形態などによる制約が著しく軽減され、用途を格段に広げることができる。
【0070】
(第3の実施の形態)
次に本発明を変位センサに適用した第3の実施の形態を図7に基づいて説明する。第1の実施の形態では、発散レンズを音叉の一方の自由端に連結したが、このような構成では、音叉の振動に伴う発散レンズの変位により当該発散レンズの光軸が対物レンズの光軸に対して僅かに傾き、対物レンズによる集光位置がLDの光軸からずれてしまうことから、この第3の実施の形態では、発散レンズの変位による光軸ぶれを防止したことを特徴とする。
【0071】
図7は、変位センサにおける光学系の構成を概略的に示している。この図7において、ケース61内には光学系が構成されており、投光手段であるLD62は、図示しないレーザ駆動制御回路で駆動された状態でレーザ光を出射し、そのレーザ光は、光分割手段であるハーフミラー63(偏光ビームスプリッタでも可)を通過した後、コリメータレンズ64で平行光に変換される。
【0072】
コリメータレンズ64で変換された平行光は、後述する補助光学手段としての第1レンズ65及び第2レンズ66により若干発散された状態でケース61に装着された対物レンズ67に入射することにより被測定対象物68に集光状態で投射される。
【0073】
ここで、第1レンズ65は光を発散させるレンズであり、本実施の形態においては発散レンズ(以下、発散レンズ65と称する)を用いているが、これに限らず、収束レンズを用いてもよい。この場合、収束レンズで収束した光も収束点(焦点位置)を越えた領域では発散されることになるので、発散レンズと同様の作用を得ることができる。第2レンズ66は光を収束させるレンズであり、本実施形態においては収束レンズ(以下、収束レンズ66と称する)を用いている。
【0074】
以上のコリメータレンズ64、発散レンズ65、収束レンズ66及び対物レンズ67は複数のレンズからなる複合レンズから構成されており、主平面及び主曲面で規定することができ、一方の面が平面、他方の面が曲面で形成された単レンズとみなすことができる。
【0075】
尚、レンズが平凸の単レンズで形成されている場合は、平凸レンズの平面が主平面に一致し、曲面が主曲面に一致する。また、複合レンズの場合は、主曲面は非球面で規定されるのが通常である。図7では、コリメータレンズ64、発散レンズ65、収束レンズ66、対物レンズ67は複合レンズであるものの、主平面及び主曲面からなる単レンズとして図示した。
【0076】
被測定対象物68からの反射光は、対物レンズ67、収束レンズ66、発散レンズ65、コリメータレンズ64を通過してハーフミラー63で反射することにより、LD62に対して直交する方向に反射され、光絞り部69のピンホールを通過して受光手段であるPD70へ入射するようになっている。
【0077】
尚、図7には示していないが、光分割手段をハーフミラー63に代えて偏光ビームスプリッタで構成した場合には、偏光ビームスプリッタを通過したレーザ光が被測定対象物68で反射して偏光ビームスプリッタに戻った際に光の振動方向を90°回転させる振動方向変換手段としての1/4波長板が設けられており、これにより、偏光ビームスプリッタに戻ったレーザ光がLD62の光軸の直交方向に反射されるようになっている。
【0078】
PD70で光電変換した信号は、図示しない増幅器へ入力され、その出力信号は、制御手段であるCPU(図示しない)へ入力されるようになっている。
本実施の形態では、上述したLD62、ハーフミラー63、コリメータレンズ64、発散レンズ65、収束レンズ66、対物レンズ67、光紋り部69、PD70、CPUから合焦装置が構成されている。
【0079】
ここで、LD62の光軸に対して直交する方向を指向するようにレンズ可動手段としてのU字形状の音叉71が配設されており、その音叉の一方の自由端の先端に発散レンズ65の周縁部分が連結されていると共に、他方の自由端の先端に収束レンズ66の周縁部分が連結されている。発散レンズ65は、コリメータレンズ64からの平行光を発散させた状態で収束レンズ66に入射させ、収束レンズ66は、発散レンズ65で発散された光を若干収束させることにより対物レンズ67に若干発散させた状態で入射させる。これらの発散レンズ65及び収束レンズ66は、音叉71の微振動によりLD62からのレーザ光の光軸に沿って所定振幅で振動するようになっている。
【0080】
ところで、第1の実施の形態で示したように音叉71の一方の自由端の先端に発散レンズ65のみを連結した構成の場合、音叉71の振幅は極めて小さいことから、発散レンズ65は光軸に沿って振動しているとみなすことができるものの、発散レンズ65は音叉71の自由端の振動中心点(図7にAで示す)を中心として円弧状に振動していることから、微小現象としては、発散レンズ65の光軸は当該発散レンズ65の移動に伴ってLD62の光軸から僅かに傾いて光軸ぶれを生じている。このため、極めて精度の高い検出を行う際に検出精度の低下を招来する虞がある。
【0081】
そこで、本実施の形態では、音叉71の一方の自由端の先端に発散レンズ65を連結した上で、他方の自由端の先端に収束レンズ66を連結するように構成した。つまり、音叉71が振動した際に、一方の自由端の振動による発散レンズ65の微小な光軸ぶれを、他方の自由端の振動による収束レンズ66の微小な反対方向への光軸ぶれにより相殺するのである。
【0082】
ここで、発散レンズ65の光軸中心(レンズ中心軸)と収束レンズ66の光軸中心(レンズ中心軸)とが一致するように音叉71の自由端の先端に連結されている。また、発散レンズ65及び収束レンズ66が音叉71に連結された状態で、音叉71における一方の自由端と他方の自由端の固有振動数は等しく構成されている。この場合、音叉71の固有振動数は、音叉の材質、厚み、梁の長さ(振動する棒状部分)、重さ、音叉に連結するレンズ部の形状(大きさ、重さ、材質)により決定されるもので、これらを適宜組み合わせて、所望の振動を得るように設計されている。
【0083】
さらに、本実施の形態では、発散レンズ65及び収束レンズ66の主曲面の頂点が、音叉71における振動中心軸に略位置する構成となっている。具体的には、図7中に示すAが音叉71の自由端の振動中心点であり、音叉71の自由端は、この振動中心点Aを中心とする円弧状に振動している。この場合、振動中心点Aを基点としてLD62の光軸に直交する線が振動中心軸(図中に一点鎖線で示す)であり、レンズは振動中心軸の変位に応じて変位する。本実施の形態では、発散レンズ65及び収束レンズ66の主曲面の頂点が振動中心軸に略位置するように設定されている。つまり、主平面及び主曲面で規定されるレンズは、その主曲面が光の屈折に主に寄与することから、レンズの主曲面の頂点を振動中心軸に一致させることによりレンズの主曲面の変位を最小とすることができる。これにより、発散レンズ65及び収束レンズ66の光軸がLD62の光軸から大きくずれないようにすることができるので、音叉71の振動による光軸ぶれを極力抑制することができる。
【0084】
ところで、音叉71の自由端の先端に発散レンズ65及び収束レンズ66を直接的に連結した構成において、自由端の指向方向と振動中心軸の指向方向とを一致させた場合(自由端の指向方向がLD62の光軸と直交している場合)、凹レンズで示される発散レンズ65に関してはその主曲面の頂点を振動中心軸に一致させることができるものの、凸レンズで示される収束レンズ66に関してはその主曲面の頂点を振動中心軸に一致させることができないことから、収束レンズ66が連結された自由端を内側に折曲した形状とした。
【0085】
一方、音叉71の自由端の側方の近接した位置には、例えば渦電流式磁気センサ、或は光センサ、或は静電容量センサを利用した位置検出手段(位置センサ)たる音叉振幅検出器72が配設されており、音叉71の振動位置、つまり発散レンズ65の位置を検出するようになっている。音叉振幅検出器72が検出した検出振幅信号は増幅器へ入力され、その出力信号はCPUへ入力される。
【0086】
音叉71の自由端部の側方には、当該音叉71を振動させるためのソレノイド73が配設されている。このソレノイド73は、CPUからの駆動信号に基づいて音叉振幅制御回路から制御電流が供給されることに応じて駆動するようになっており、圧電素子を用いるようにしてもよい。音叉振幅制御回路には増幅器の出力信号が与えられており、音叉の振幅を一定にするようにフィードバック制御するようになっている。
【0087】
このような構成において、音叉振幅制御回路からソレノイド73に所定周波数の交流電流を供給すると、ソレノイド73から交流磁界が発生する。この交流磁界により音叉71が所定振幅で微振動し、発散レンズ65がLD62の光軸に沿って振動する。そして、音叉振幅検出器72は、音叉71の振幅、即ち発散レンズ65の振幅を検出し、発散レンズ65の振幅を示す正弦波信号を出力する。この正弦波信号を増幅器で増幅し、増幅器から出力される出力信号をCPUへ入力させることにより、CPUは、発散レンズ65の位置を検出可能となっている。
【0088】
ここで、上記音叉71、音叉振幅検出器72、ソレノイド73は、−体で移動可能な間隔可変手段として構成されており、移動位置に応じて発散レンズ65の焦点と対物レンズ67の焦点との距離を調整することが可能となっている。このときの発散レンズ65の位置も、図示しない測定手段によってCPUに入力され、処理手段によって被測定点の位置情報として出力される。そして、CPUは、発散レンズ65の移動位置情報及び位置情報に基づいて被測定対象物68の表面の変位を測定する。
【0089】
このような実施の形態によれば、音叉71の自由端の一方に発散レンズ65を連結した上で、他方の自由端に収束レンズ66を連結するようにしたので、音叉の振動による発散レンズ65の移動に伴う光軸ぶれを収束レンズ66による反対方向への光軸ぶれにより抑制することができ、第1の実施の形態のものに比較して、検出精度を高めることができる。
【0090】
また、本実施の形態では、発散レンズ65と収束レンズ66とは音叉71の振動に伴って光軸に沿って互いに反対方向に移動するようにアフォーカル系を構成していることから、例えば発散レンズ65と収束レンズ66とが接近するように移動する場合は、発散レンズ65は対物レンズ67に接近するように移動すると同時に、収束レンズ66は対物レンズ67から離間するように移動する。ここで、発散レンズ65が対物レンズ67に接近するように移動した場合は、対物レンズ67による集光位置は対物レンズ67から離間するように変位すると共に、収束レンズ66が対物レンズ67から離間するように移動した場合も、対物レンズ67による集光位置は対物レンズ67から離間するように変位する。この結果、対物レンズ67による集光位置は、発散レンズ65と収束レンズ66との協調動作により、発散レンズ65及び収束レンズ66を単体で移動した場合に比較して、対物レンズ67から離間する変位(発散レンズ65と収束レンズ66とが離間するように移動する場合は、対物レンズ67による集光位置が対物レンズ67に近接する変位)を増大することができる。このことは、第1の実施の形態で説明した縦倍率を大きくできることを意味しており、第1の実施の形態のものよりも検出精度を高めながら、音叉71の振動による振幅を抑制することができ、結果として検出の高速化を図ることができる。
【0091】
尚、発散レンズ65及び収束レンズ66の周縁部を音叉71の自由端の先端に直接連結する構造としては、図8に示すように収束レンズ66と連結された自由端を外側に折曲した形状としてもよい。また、発散レンズ65と収束レンズ66との位置関係及び主平面と主曲面の向きについては図9ないし図15に示すように種々の組合せが可能である。この場合、収束レンズ66をホルダ74により保持することにより音叉71の自由端の指向方向と振動中心軸の指向方向とを一致させることが可能となり、音叉71の両方の自由端を平行な形状とすることができる。
【0092】
(第4の実施の形態)
第3の実施の形態で説明した合焦装置を共焦点顕微鏡に適用した第4の実施の形態を図16に基づいて説明するに、第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0093】
光学系を概略的に示す図16において、ハーフミラー63とコリメータレンズ64との間には第2ハーフミラー81及び第3ハーフミラー82が配置されており、照明用光源である白色光源83からの光がレンズ84で平行光に変換した状態で第2ハーフミラー81により合流されてから、コリメータレンズ64で略平行光とされた状態で対物レンズ67により集光状態で被測定対象物68に照射される。被測定対象物68で反射した光は、対物レンズ67、収束レンズ66、発散レンズ65、コリメータレンズ64を通過して第3ハーフミラー82によりLD62に対して直交する方向に反射されて撮像手段であるCCD85で受光される。このCCD85は、CCD駆動回路により駆動されることにより被測定対象物の表面を画像信号として出力する。
【0094】
このような実施の形態によれば、音叉71の自由端の先端に発散レンズ65及び収束レンズ66を連結した合焦装置を共焦点顕微鏡に適用するようにしたので、対物レンズ67による集光位置がLD62の光軸からずれてしまうことを極力抑制することができ、共焦点顕微鏡の検出精度を高めることができる。
【0095】
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態を図17に基づいて説明するに、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。この第5の実施の形態は、対物レンズの集束率を変更可能としたものである。
【0096】
図17は対物レンズ交換装置を示している。この図17において、対物レンズ交換装置91は、回動部材92に異なる集束率(焦点距離)の複数の対物レンズ93,94を装着して構成されている。
ここで、第1の実施の形態で説明した対物レンズの縦倍率を求める式に基づいて、対物レンズの焦点距離を変更することによっても縦倍率を変更することができることから、対物レンズ93,94を適宜交換することにより縦倍率を変更することができる。つまり、焦点距離の大きな対物レンズに交換することにより、縦倍率を大きくすることができる。
【0097】
このような実施の形態によれば、対物レンズ交換装置91により対物レンズ93,94を交換可能としたので、第1の実施の形態のように発散レンズ15の位置、或は第2の実施の形態のように収束レンズ40の位置を調整することなく、対物レンズの縦倍率を調整することができ、第1の実施の形態と同様に、より高精度な測定や、より広い範囲の測定が可能となる。
【0098】
本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、次のように変形或は拡張できる。
被測定対象物の変位量を、縦倍率を求める数式に基づいて演算するのに代えて、第1の実施の形態における発散レンズ15或は第2の実施の形態における収束レンズ40の位置に基づいて求めるようにしてもよい。つまり、発散レンズ15或は収束レンズ40と集光位置との対応関係をテーブルに記憶したり、或は関数で演算したりするようにし、受光量が最大となる時点における発散レンズ15或は収束レンズ40の位置に基づいて被測定対象物の変位量を求めるものである。この場合、発散レンズ15或は収束レンズ40と集光位置との対応関係は、理論値ではなく実際の実験結果から求めるようにしてもよい。
【0099】
また、サンプルモデルを使ってティーチングを行うようにしてもよい。つまり、例えば、所定高さ(具体的に、1.0mm)のサンプルにおいて、この高さ情報を記憶させると共に、このときの受光量最大点における位置信号を検出し記憶させる。次に、先ほどと高さの違うサンプル(具体的に、1.1mm)をおいて、この高さ情報を記憶させると共に、このときの受光量最大点における位置信号を検出して記憶させる。これによって、0.1mmの変位量に対する位置信号の変位量との関係が求められる。従って、この位置信号の変位量に対応する被測定対象物の変位量をテーブルに記憶したり、数式として求めて記憶させたりしてもよい。
【0100】
第1の実施の形態において、発散レンズ15の位置を検出する手段としては、音叉振幅制御回路26からの駆動信号に基づいて検出するようにしてもよい。この場合、発散レンズ15の位置を検出する手段を省略することができる。
発散レンズ15を振動させるのに代えて、単に直線的に移動させるようにしてもよい。
光絞り部18を省略するようにしてもよい。
第2の実施の形態において、透過型の共焦点顕微鏡に適用するようにしてもよい。
【0101】
対物レンズを取り外し可能に設け、集束率の異なる対物レンズを装着可能としてもよい。
対物レンズとして、例えば液体が封入され表面の湾曲率を調整することにより集束率を可変可能な構造のものを用いるようにしてもよい。
発散レンズ或は収束レンズを変位させると同時に対物レンズの収束率を変更するようにしてもよい。
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、投光手段からの光を補助光学手段により非平行光となるように発散若しくは収束すると共に、この補助光学手段で発散若しくは収束された光を対物レンズにより被測定対象物に集光状態で照射するように設けた上で、その補助光学手段を投光手段からの光の光軸に沿って移動させた状態で受光手段の受光量が最大となる時点における補助光学手段の位置を検出することにより被測定対象物の変位を求めるようにしたので、簡単な構成で測定範囲を拡大したり、測定精度を高めたりすることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における変位センサの構成を示す概略図
【図2】間隔可変手段を示す概略図
【図3】対物レンズの光学系を示す模式図
【図4】発散レンズと対物レンズとを組合わせた光学系を示す模式図
【図5】本発明の第2の実施の形態における共焦点顕微鏡の構成を示す概略図
【図6】収束レンズと対物レンズとを組合わせた光学系を示す模式図
【図7】本発明の第3の実施の形態における光学系を概略的に示す側面図
【図8】音叉の異なる形状を示す側面図
【図9】音叉の異なる形状を示す側面図
【図10】音叉の異なる形状を示す側面図
【図11】音叉の異なる形状を示す側面図
【図12】音叉の異なる形状を示す側面図
【図13】音叉の異なる形状を示す側面図
【図14】音叉の異なる形状を示す側面図
【図15】音叉の異なる形状を示す側面図
【図16】本発明の第4の実施の形態を示す図7相当図
【図17】本発明の第5の実施の形態における対物レンズ交換装置を示す斜視図
【図18】従来例における光学系を示す模式図
【符号の説明】
11はレーザダイオード(投光手段)、14はコリメータレンズ、15は発散レンズ、16は対物レンズ、19はフォトダイオード(受光手段)、21はCPU(制御手段)、22は音叉(可動手段)、23は音叉振幅検出器(位置検出手段)、25はソレノイド、27は間隔可変手段、31はレーザダイオード(投光手段)、40は収束レンズ(補助光学手段)、42は対物レンズ、47は変位機構(可動手段)、55は制御装置(制御手段、記憶手段)、62はレーザダイオード(投光手段)、65は発散レンズ(第1レンズ)、66は収束レンズ(第2レンズ)、67は対物レンズ、70はフォトダイオード(受光手段)、71は音叉、72は音叉振幅検出器(位置検出手段)、73はソレノイド、91は対物レンズ交換装置、93,94は対物レンズである。
Claims (14)
- 光を出射する投光手段と、
この投光手段からの光を非平行光となるように発散若しくは収束する補助光学手段と、
この補助光学手段からの光を被測定対象物に集光状態で照射する対物レンズと、
この対物レンズによる集光を前記被測定対象物を介して受光する受光手段と、
前記補助光学手段を移動するための駆動信号を出力する制御手段と、
この制御手段からの駆動信号に応じて前記補助光学手段を前記投光手段からの光の光軸に沿って移動させる可動手段と、
前記補助光学手段の位置を示す位置信号を出力する位置検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記駆動信号の出力状態で前記受光手段の受光量が最大となる時を検出することを特徴とする合焦装置。 - 前記補助光学手段は、入射した光を発散する発散レンズであることを特徴とする請求項1記載の合焦装置。
- 前記補助光学手段は、入射した光を収束する収束レンズであることを特徴とする請求項1記載の合焦装置。
- 前記投光手段からの光を平行光とした状態で前記補助光学手段に入射させるコリメータレンズを備えたことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の合焦装置。
- 前記各レンズは、複数のレンズからなる複合レンズであることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の合焦装置。
- 前記対物レンズは、集束率を変更可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の合焦装置。
- 前記補助光学手段の移動中心位置と前記対物レンズとの間隔を可変する間隔可変手段を備えたことを特徴とする請求項2ないし6の何れかに記載の合焦装置。
- 前記位置検出手段は、
前記補助光学手段の位置を検出する位置センサを備え、
前記位置センサの出力を前記位置信号として出力することを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の合焦装置。 - 前記位置検出手段は、前記制御手段からの駆動信号を前記位置信号として出力することを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の合焦装置。
- 前記可動手段は、自由端の先端に前記補助光学手段が連結された音叉と、前記制御手段からの駆動信号に基づいて前記音叉を駆動するソレノイドとから構成されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の合焦装置。
- 前記補助光学手段は、前記音叉の一方の自由端に連結された第1レンズと他方の自由端に連結された第2レンズとからなり、
前記第1レンズ及び第2レンズは、それらの光軸が一致するように設けられ、前記音叉は、前記第1及び第2レンズが接続された状態で前記一方及び他方の自由端における固有振動数が等しく構成されていることを特徴とする請求項10記載の合焦装置。 - 前記第1レンズ及び第2レンズは主平面及び主曲面で規定され、
前記音叉の自由端の振動中心点を基点として前記投光手段の光軸に対して直角に交差する振動中心軸に前記第1レンズ及び第2レンズの前記主曲面の頂点が略位置していることを特徴とする請求項11記載の合焦装置。 - 請求項1ないし12の何れかに記載の合焦装置を備え、
前記制御手段が検出した受光量が最大となる点における位置信号の変化に基づいて被測定対象物の変位量を測定することを特徴とする変位センサ。 - 請求項1ないし12の何れかに記載の合焦装置と、
前記制御手段の駆動に応じて前記対物レンズによる集光位置を水平方向に走査する走査手段とを備え、
前記制御手段は、前記受光手段の受光量が最大となる時点における前記位置検出手段からの位置信号及び前記走査手段の走査位置を検出して記憶手段に記憶し、
前記制御手段が検出し、前記記憶手段に記憶された位置信号及び走査位置に基づいて被測定対象物の表面形状を立体的に測定することを特徴とする共焦点顕微鏡。
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