JP2005077443A - 音叉及びその製造方法、並びに音叉を用いた合焦装置、変位センサ、共焦点顕微鏡 - Google Patents

音叉及びその製造方法、並びに音叉を用いた合焦装置、変位センサ、共焦点顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的容易な構成で性能の高い音叉、及びその製造方法、並びに、音叉を用いた合焦装置、変位センサ、及び共焦点顕微鏡を提供する。
【解決手段】板材1’は、帯状に長く延びた振動部2と、その振動部2の延長方向の中央位置において互いに反対方向に向けて突設された1対の支持部3,3とを一体的に備えた形状をなす。この板材1’は、例えば1枚の軟鉄(SPCC)板上で上記十文字状の形状に沿ってレーザを走査させることで切り出し形成されたものである。そして、両自由端2A,2Aの先端が同方向を向くように振動部2を、支持部3,3との連結部分を中心に折り曲げ加工を施すことで音叉1を製造される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音叉及びその製造方法、並びに音叉を用いた合焦装置、変位センサ、共焦点顕微鏡に関し、特に、音叉の構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
音叉は、一般的に図22に示すように、1本の細長い鋼をU字型に曲げてなる振動部100の中央に支持部101を設けた構造をなし、U字型の両自由端側が振動子100A,100Aとして機能する。ところで、音叉は、下記特許文献1,2などにも示すように合焦装置、変位センサや共焦点顕微鏡などさまざまな装置に使用される。例えば変位センサは、投光素子からの光を収束レンズにて収束させて被測定物体上に照射する一方で、この収束レンズを上記光の光軸方向に沿って振動させつつ被測定物体からの反射光を受光素子にて受光するようになっている。収束レンズの振動による変位に伴って投光素子からの光の焦点位置が変位し、その焦点位置が被測定物体上に位置したときに受光素子での受光量が最大となる。従って、収束レンズの位置と、受光素子での受光量とに基づいて被測定物体の変位を測定することができる。そして、上記収束レンズの加振機構に音叉が用いられる。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−127682号公報
【特許文献1】
特許第3300803号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の音叉は、一般に、上記U字型の振動部100とそれを支持する支持部101とを別部材でそれぞれ形成し、これらを例えば溶接やロー付けなどによって接合して製造されていた。従って、2つの部材が必要であるため製造の手間や部品管理などが煩雑であった。
【0005】
また、音叉では一方の振動子100Aから他の振動子100Aに振動エネルギーを効率よく伝達させる必要があり、そのためには、上記支持部101を振動部100の中央位置に正確に接合して、その支持部101の形成位置に両振動子100A,100Aに生じる振動波の節が位置するように構成する必要がある。ところが、従来の音叉では、製造段階において支持部101を上記振動部100の中央位置に正確に位置決めして接合することは困難であり、位置ずれが生じた音叉を用いた変位センサなどにおいては測定誤差が生じるという問題があった。
【0006】
更に、振動部100と支持部101との接合方法としては、溶接やロー付けなどが用いられる。これらの方法では接合部位に高熱が加えられたり、溶接後の接合部位が肉厚になったりするため、振動部100の形状、機械的性能(例えば硬度、弾性)や磁気性能などが変化し、振動特性が変わってしまうおそれがあり、やはり変位センサなどに用いられた場合には測定誤差の要因になり得る。しかも、音叉に使用できる材料は接合時において熱変形の少ないものに限定されてしまう。
なお、音叉を削り出しにより振動部100及び支持部101を一体的に形成する方法も考えられるが、これでは製造コストが非常に高くなり、製造作業が煩雑で時間がかかるという問題が生じる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、比較的容易な構成で性能の高い音叉、及びその製造方法、並びに、音叉を用いた合焦装置、変位センサ、及び共焦点顕微鏡を提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る音叉の製造方法は、振動部とそれを支持固定する支持部とを備えた音叉の製造方法であって、両端が自由端とされる長細状の振動部と、その振動部の前記両自由端の間の所定位置において前記延長方向に直交する方向の両端部分にそれぞれ突設され所定の取付箇所に固定される一対の支持部とを一体的に備えた板状部材を、一枚の弾性板から形成する工程と、前記振動部を、前記一対の自由端が同方向を向くように前記中央位置を中心に折り曲げる工程とを含むところに特徴を有する。
【0009】
請求項2の発明に係る音叉は、両端が自由端とされる長細状の振動部と、その振動部の延長方向の中央位置において前記延長方向に直交する方向の両端部分に突設され所定の取付箇所にそれぞれ固定される一対の支持部とを備えて、前記振動部と前記支持部とは1枚の弾性板から一体的に形成されたものであって、前記振動部は、前記一対の自由端が同方向を向くように前記中央位置を中心に折り曲げられた形状になっているところに特徴を有する。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2記載の音叉において、一対の支持部は、振動部を取付箇所から離間した状態で取付箇所に固定されるよう構成されているところに特徴を有する。
【0011】
請求項4の発明に係る合焦装置は、光を出射する投光手段と、この投光手段からの光を非平行光となるように発散若しくは収束する補助光学手段と、この補助光学手段からの光を被測定物体に集光状態で照射する対物レンズと、この対物レンズによる集光を被測定物体を介して受光する受光手段と、補助光学手段を移動するための駆動信号を出力する制御手段と、この制御手段からの駆動信号に応じて補助光学手段を投光手段からの光の光軸に沿って移動させる可動手段と、補助光学手段の位置を示す位置信号を出力する位置検出手段とを備え、制御手設は、駆動信号の出力状態で受光手段の受光量が最大となる時を検出する合焦装置であって、可動手段は、自由端の先端側に補助光学手段が連結された請求項2または請求項3記載の音叉と、制御手段からの駆動信号に基づいて音叉を駆動するソレノイドとから構成されているところに特徴を有する。
【0012】
請求項5の発明に係る変位センサは、請求項4記載の合焦装置を備えて、制御手段が検出した受光量が最大となる点における位置信号の変化に基づいて被測定対象物の変位量を測定するところに特徴を有する。
【0013】
請求項6の発明に係る共焦点顕微鏡は、請求項4記載の合焦装置と、制御手段の駆動に応じて対物レンズによる集光位置を水平方向に走査する走査手段とを備えて、制御手段は、受光手段の受光量が最大となる時点における位置検出手段からの位置信号及び走査手段の走査位置を検出して記憶手段に記憶し、記憶手段に記憶された位置信号及び走査位置に基づいて被測定物体の表面形状を立体的に測定するところに特徴を有する。
【0014】
【発明の作用及び効果】
<請求項1及び請求項2の発明>
本構成によれば、音叉は、例えば1枚の弾性板から、振動部及び支持部が備えた板材を切り出し形成や打ち抜き形成し、上記振動部をその両自由端を同方向に向けるように中央位置を中心に折り曲げ加工を施して製造される。従って、音叉の製造に際し、溶接やロー付けなどのような熱処理等による振動部の振動特性変化を生じさせることなく比較的簡単かつ安価な工程によって音叉を製造することができる。
【0015】
<請求項3の発明>
振動部が取付箇所に接触した状態では、一方の自由端の振動エネルギーの一部が取付箇所にも伝わり、他方の自由端への振動エネルギー伝達効率が低下してしまう。そこで、本構成によれば、一対の支持部は、振動部の中央部分を取付箇所から離間した状態で取付箇所に固定されるよう構成した。従って、取付箇所への振動漏れを極力低下させて一方の自由端の振動エネルギーを効率よく他方の自由端へ伝達することができる。
【0016】
<請求項4ないし請求項6の発明>
本構成によれば、請求項2または請求項3記載の音叉を用いて可動手段が構成されている。従って、振動特性を保持しつつ製造された安価で精度の高い音叉を用いて、製造コストを抑えつつ精度の高い合焦装置、変位センサ及び共焦点顕微鏡を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1ないし図4によって説明する。
本実施形態は、例えば音高を知るための道具として、或いは、後述する合焦装置、変位センサや共焦点顕微鏡などの装置の一構成として使用される音叉1である。
【0018】
まず、図1には、折り曲げ加工前の板材1’の展開図である。この板材1’は、帯状に長く延びた振動部2と、その振動部2の延長方向の中央位置において互いに反対方向に向けて突設された1対の支持部3,3とを一体的に備えて、全体として十字状の形状をなす。なお、この板材1’は、例えば1枚の軟鉄(SPCC)板上で上記十文字状の形状に沿ってレーザを走査させることで切り出し形成されたものである。なお、プレスなどの打ち抜き形成などによって上記板部材を形成する方法であってもよい。振動部2の両端の自由端2A,2Aは、振動子として機能する。1対の支持部3,3は、所定の取付箇所に螺合される図示しない取付ネジを通す貫通孔3A,3Aが形成されている。
【0019】
また、本実施形態では、図2(B)に示すように、振動部2と各支持部3との連結部分4,4の横幅d1は、両振動子の間隔d2(同図(C)にも図示)よりも狭くなっている。また、上記各連結部分4の横幅は、振動部2の板厚tの2倍よりも小さくなるよう設計されている。また、連結部分4の長さd3(図1に図示)は、板厚の2倍よりも小さくなるよう設定されている。このように上記連結部分4を極力細くすることで一方の振動子の振動エネルギーが他方の振動子に伝達される際の伝達効率の低下を抑えることができる。
更に、連結部分4の側面は、振動部2の側面と支持部3,3の側面とを滑らかにつなげる曲面をなす。これにより振動部2の振動動作により生じる応力が連結部分4に集中して損傷することを抑制することができる。
【0020】
次いで、図2及び図3に示すように、両自由端2A,2Aの先端が同方向を向くように上記振動部2を、上記支持部3,3との連結部分を中心に折り曲げ加工を施す。なお、この際、振動部2の折り曲げ部分の外面2B(取付箇所との対向面)は、図2(C)に示すように曲面状になっていても平面状になっていてもよい。
また、本実施形態では、図2(A)及び図3に示すように、取付箇所に対して振動部2の上記外面2Bが接触しないように、連結部分4に折り曲げ加工が施されている。具体的には、1対の連結部分4,4は、各支持部材3,3が取り付けられる取付壁(取付箇所)に対して立ち上がるように折り曲げられ、上記振動部2を取付壁から浮かせるようにした形状をなす。
なお、図4に示すように、1対の支持部3,3をその並び方向に沿った軸を中心にねじり加工を施すことで、取付箇所への取付方向を変えた構成とすることもできる。
【0021】
以上のように、本実施形態に係る音叉1は、レーザ加工により1枚の軟鉄板から、振動部2及び支持部3,3が備えた板部材を切り出し形成し、上記振動部2をその両自由端2A,2Aを同方向に向けるように中央位置を中心に折り曲げ加工を施して製造される。従って、音叉1の製造に際し、溶接やロー付けなどのような熱処理等による振動部2の振動特性変化を生じさせることなく比較的簡単かつ安価な工程によって音叉1を製造することができる。
【0022】
また、振動部2が取付箇所に接触した状態では、一方の自由端2Aの振動エネルギーの一部が取付箇所にも伝わり、他方の自由端2Aへの振動エネルギー伝達効率が低下してしまう。しかしながら、本構成によれば、一対の支持部3,3は、振動部2の中央部分を取付箇所Wから離間した状態で当該取付箇所Wに固定されるよう構成した。従って、取付箇所Wへの振動漏れを極力低下させて一方の自由端2Aの振動エネルギーを効率よく他方の自由端2Aへ伝達することができる。
【0023】
<第2実施形態>
以下、第1実施形態の音叉1を使用した変位センサについて図5ないし図8に基づいて説明する。
投光手段であるレーザダイオード(以下、LDと称する)11はレーザ駆動制御回路12で駆動された状態でレーザ光を出射し、そのレーザ光は、光分割手段である偏光ビームスプリッタ13を通過した後、コリメータレンズ14で平行光に変換される。
コリメータレンズ14で変換された平行光は、後述する補助光学手段としての発散レンズ15により発散された状態で対物レンズ16に入射することにより被測定物体17に集光状態で投射される。これらのコリメータレンズ14、発散レンズ15及び対物レンズ16は複数のレンズからなる複合レンズから構成されている。
【0024】
被測定物体17からの反射光は、対物レンズ16、発散レンズ15、コリメータレンズ14を通過して偏光ビームスプリッタ13で反射することにより、光絞り部18のピンホール18aを通過して受光手段であるフォトダイオード(以下、PDと称する)19へ入射するようになっている。
なお、図1には示していないが、偏光ビームスプリッタ13を通過したレーザ光が被測定物体17で反射して偏光ビームスプリッタ13に戻った際に光の振動方向を90°回転させる振動方向変換手段としての1/4波長板が設けられており、これにより、偏光ビームスプリッタ13に戻ったレーザ光がLD11の光軸の直交方向に反射されるようになっている。
PD19で光電変換した信号は増幅器20へ入力され、その出力信号は、制御手段であるCPU21へ入力されるようになっている。
【0025】
本実施の形態では、上述したLD11、偏光ビームスプリッタ13、コリメータレンズ14、発散レンズ15、対物レンズ16、光絞り部18、PD19、CPU21から合焦装置が構成されている。
【0026】
ここで、LD11の光軸に対して直交する方向を指向するようにレンズ可動手段としての上記第1実施形態の音叉1が配設されており、その音叉1の自由端2Aの先端に発散レンズ15の周縁部分が連結されている。この発散レンズ15は、コリメータレンズ14からの平行光を発散させた状態で対物レンズ16へ入射させるもので、音叉1の微振動によりLD11からのレーザ光の光軸に沿って所定振幅で振動するようになっており、このような構成が本実施形態の特徴となっている。この場合、音叉1の振幅は極めて小さいことから、発散レンズ15は光軸に沿って振動しているとみなすことができる。
【0027】
一方、音叉1の自由端2Aの側方の近接した位置には、例えば渦電流式磁気センサ、或は光センサ、或は静電容量センサを利用した位置検出手段(位置センサ)たる音叉振幅検出器23が配設されており、音叉1の振動位置、つまり発散レンズ15の位置を検出するようになっている。音叉振幅検出器23が検出した検出振幅信号は増幅器24へ入力され、その出力信号はCPU21へ入力される。
音叉1の自由端2Aの側方には、当該音叉1を振動させるためのソレノイド25が配設されている。このソレノイド25は、制御手段としてのCPU21からの駆動信号に基づいて音叉振幅制御回路26から制御電流が供給されることに応じて駆動するようになっている。音叉振幅制御回路26には増幅器24の出力信号が与えられており、音叉1の振幅を一定にするようにフィードバック制御するようになっている。
【0028】
このような構成において、音叉振幅制御回路26からソレノイド25に所定周波数のパルス電流または交流電流を供給すると、ソレノイド25から磁界(交流磁界)が発生する。この交流磁界により音叉1が所定振幅で微振動し、発散レンズ15をLD11の光軸に沿って振動させる。
そして、音叉振幅検出器23は、音叉1の振幅、即ち発散レンズ15の振幅を検出し、発散レンズ15の振幅を示す正弦波状信号を出力する。この正弦波状信号を増幅器24で増幅し、増幅器24から出力される出力信号をCPU21へ入力させることにより、CPU21は、発散レンズ15の位置を検出可能となっている。
【0029】
ここで、上記音叉1、ソレノイド25、音叉振幅検出器23は、図6に示すように一体で移動可能な間隔可変手段27として構成されており、移動位置に応じて発散レンズ15の焦点と対物レンズ16の焦点との距離を調整することが可能となっている。このときの発散レンズ15の位置も、図示しないが、別に設けてある測定手段によってCPU21に入力され、処理手段によって被測定点の位置情報として出力される。
【0030】
次に、発散レンズ15と対物レンズ16の焦点距離との関係について図7及び図8に基づいて説明する。
図7は、物点cからの光線が対物レンズ16により屈折されて像点c’で結像する際の光学系を示している。ここで、物点cの微小変位量xc1とその像点変位量xc2の比αを縦倍率といい、通常の横倍率に対して光軸に沿った方向の倍率であり、次の式で求めることができる。
【0031】
【数1】
Figure 2005077443
【0032】
ここで、対物レンズ16の焦点距離をf、物体側焦点位置から物体までの距離をx、像側焦点位置から像までの距離をx’とすると、図中に示すように物点cを基点とする矢印が像点c’を基点として結像したとすると、矢印の基点と先端のそれぞれに関して、ニュートンの公式に基づいて次に示す式を導き出すことができる。
【0033】
【数2】
Figure 2005077443
上記(2)式の左辺x’を右辺に移し、上記(2)式を用いて整理すると、
【0034】
【数3】
Figure 2005077443
となる。従って、対物レンズ16の縦倍率は、
【0035】
【数4】
Figure 2005077443
により求めることができる。つまり、対物レンズ16の縦倍率は、対物レンズ16の焦点距離を物点cと対物レンズ16の焦点Fとの距離で除した値の2乗で示すことができる。この式から、対物レンズ16の縦倍率は、対物レンズ16の焦点距離が大きくなるほど大きくなり、物点cと対物レンズ16の焦点Fとの距離が大きくなるほど小さくなる関係であることが分る。
【0036】
ところで、本発明では、コリメータレンズ14からの平行光を発散レンズ15により発散させた状態で対物レンズ16に入射させていることから、発散レンズ15の焦点位置を物点cに一致させるように配置した場合、発散レンズ15に入射した平行光はあたかも物点cから放射されたように出射するようになる。また、発散レンズ15が変位した場合は、その移動に応じてあたかも物点cが同様に変位したことになる。
【0037】
さて、上記関係式に基づいて、物点cと像点c’の微小変位量が互いに等しくなる物点位置xは、α=1であり、
【0038】
【数5】
Figure 2005077443
の関係になるときである。このような関係は、発散レンズ15の変位量と対物レンズ16の集光位置の変位量とが一致する場合であり、従来と同様な関係となる。
また、物点の微小変位量が像点の微小変位量の2倍になる物点位置xは、α=1/2であり、
【0039】
【数6】
Figure 2005077443
の関係になるときである。このような関係は、発散レンズ15の変位量よりも対物レンズ16の集光位置の変位量が小さくなる場合であり、被測定物体17の測定精度を高めることができる。これは、被測定物体17の測定範囲を小さく設定できる結果、検出可能な分解能を高められるからである。
【0040】
また、物点の微小変位量が像点の微小変位量の1/2倍になる物点位置xは、α=2であり、
【0041】
【数7】
Figure 2005077443
の関係になるときである。このような関係は、発散レンズ15の変位量よりも対物レンズ16の集光位置の変位量が大きくなる場合であり、被測定物体17の測定可能な変位量(測定レンジ)を拡大することができる。
なお、発散レンズ15と対物レンズ16の位置関係は、発散レンズ15の焦点位置が対物レンズ16の焦点Fに対して物点側となるように位置決めする必要がある。これは、発散レンズ15に平行光が入射したときは、発散レンズ15の焦点から投光されたように発散レンズ15から出射することから、発散レンズ15の焦点位置が対物レンズ16の焦点位置に対して対物レンズ16側に位置した状態では、対物レンズ16からの出射光は集光しないからである。
【0042】
このような位置関係を満足した場合は、上述した縦倍率αの関係から、発散レンズ15の変位量と対物レンズ16による集光位置の変位量とが異なるように設定することが可能となる。つまり、対物レンズ16の焦点距離に対して発散レンズ15の焦点位置と対物レンズ16の焦点位置との距離が小さな場合は、発散レンズ15の変位量に比べて対物レンズ16による集光位置の変位量を大きく設定することができる。これに対して、対物レンズ16の焦点距離に対して発散レンズ15の焦点位置と対物レンズ16の焦点位置とが大きな場合は、発散レンズ15の変位量に比べて対物レンズ16による集光位置の変位量を小さく設定することができる。
【0043】
さて、被測定物体17の変位量を検出する際は、被測定物体17を検出位置に位置させた状態で装置を駆動する。すると、CPU21は、音叉1を振動させた状態で、レーザ駆動制御回路12からLD11に駆動電流を供給する。これにより、LD11はレーザ光を出射し、この出射光は、偏光ビームスプリッタ13、コリメータレンズ14、発散レンズ15及び対物レンズ16を通過して被測定物体17へ集光状態で投射される。被測定物体17で反射した反射光は、対物レンズ16、発散レンズ15及びコリメータレンズ14を通過して偏光ビームスプリッタ13でPD19側へ反射し、光絞り部18のピンホール18aを通過した光のみがPD19へ入射する。この結果、被測定物体17で生じた潜り光及びLD11で発生した迷光による反射光は、ピンホール18aを通過することができず、PD19には、コリメータレンズ14によりピンホール18aに集光された光、つまり被測定物体17に集光状態で反射した光のみが入射することになる。そして、PD19からの受光出力に応じた信号が増幅器20へ出力されるので、増幅器20からは増幅信号がデジタル化されてCPU21へ出力される。
【0044】
ここで、発散レンズ15は微振動していることから、発散レンズ15と被測定対象物17との距離、つまり、対物レンズ16により集光される光の位置が変化する。この場合、対物レンズ16により集光される光の位置の変位量は、発散レンズ15の変位量に対して上述した縦倍率を掛け合わせた値となる。
そして、対物レンズ16から被測定物体17に投射した光の集光位置が被測定対象物17上となると、PD19の受光出力は瞬時に最大となるので、PD19からの受光出力は最大となる。
【0045】
CPU21は、増幅器24からの増幅信号を監視しており、増幅信号が最大となる時点における音叉振幅検出器23からの検出信号に基づいて発散レンズ15の変位量を求める。この場合、被測定物体17の表面の変位量は、発散レンズ15の変位量に対物レンズ16の縦倍率を掛け合わせることにより求めることができる。
【0046】
このような実施の形態によれば、LD11からの光を平行光に変換するコリメータレンズ14と対物レンズ16との問に発散レンズ15を介在させ、対物レンズ16の焦点距離に対する発散レンズ15の焦点位置と対物レンズ16の焦点位置との距離の関係から、振動させる発散レンズ15の変位量と被測定物体17に対する集光位置の変位量との割合を任意に設定可能としたので、対物レンズを振動させることにより被測定物体の変位を測定する構成と違って、より高精度な測定や、より広い範囲の測定が可能となる。
【0047】
また、コリメータレンズ14からの平行光を発散レンズ15により発散させるようにしたので、発散レンズ15を対物レンズ16よりも小さくすることができる。従って、発散レンズ15をより高速に振動させることが可能であり、高速測定が容易にできるという利点を生じると共に、コリメータレンズ14からの平行光の光芒幅を抑制することができるので、装置の小型化を図ることができる。
また、上記実施形態1の音叉1を用いて可動手段を構成したから、振動特性を保持しつつ製造された安価で精度の高い音叉1を用いて、製造コストを抑えつつ精度の高い合焦装置を得ることができる
【0048】
<第3実施形態>
以下、第1実施形態の音叉を使用した共焦点顕微鏡について図9及び図10に基づいて説明する。なお、この実施形態の特徴は、補助光学手段として発散レンズの代わりに収束レンズを用いた点である。
【0049】
共焦点顕微鏡の構造を概略的に示す図9において、投光手段としてLD31は、レーザ駆動回路32により駆動された状態でレーザ光を投光し、そのレーザ光は、コリメータレンズ33で平行光に変換された状態で偏光ビームスプリッタ34に照射され当該偏光ビームスプリッタ34で反射されることにより1/4波長板35、走査手段としての水平偏光装置36及び垂直偏光装置37、リレーレンズ38、ハーフミラー39、補助光学手段としての収束レンズ40、ハーフミラー41、対物レンズ42を介して被測定物体43に集光状態で照射される。
【0050】
被測定物体43で反射した光は、対物レンズ42、ハーフミラー41、収束レンズ40、ハーフミラー39、リレーレンズ38、垂直偏光装置37、水平偏光装置36、1/4波長板35、偏光ビームスプリッタ34、結像レンズ44、ピンホール45を介して受光手段としてのPD46で受光される。
【0051】
ここで、収束レンズ40は可動手段としての変位機構47により支持されており、その変位機構47がレンズ位置制御回路48で制御されることにより、収束レンズ40が垂直方向、つまりLD31からのレーザ光の光軸方向に沿って移動可能に構成されている。
一方、白色光源49からの光は、コリメータレンズ50で略平行光とされた状態でハーフミラー41で反射してから対物レンズ42により集光状態で被測定物体43に照射される。被測定物体43で反射した光は、対物レンズ42、ハーフミラー41、収束レンズ40を通過してハーフミラー39で反射することによりCCD51で受光される。このCCD51は、CCD駆動回路52により駆動されることにより被測定物体43の表面を画像信号として出力する。
【0052】
上述した光学系を収納した筐体53全体はXYステージ54に載置されており、XYステージ54の動作に応じて筐体53が水平方向に移動可能となっている制御手段及び記憶手段としての制御装置55は、レンズ位置制御回路48に指令を与え、それに応じて変位機構47が収束レンズ40を所定の初期位置に移動した状態で水平偏光装置36及び垂直偏光装置37を駆動することにより対物レンズ42による集光位置を平面走査すると共に、その平面走査状態でPD46の受光レベルを収束レンズ40の位置に対応して平面情報として記憶する。そして、平面走査が終了したときは、レンズ位置制御回路48に対する指令により収束レンズ40を1ステップ移動した状態で集光位置を平面走査しながら受光レベルを収束レンズ40の位置に対応して平面情報として記憶する。
【0053】
そして、制御装置55は、被測定物体43に対する測定が終了したときは、記憶した平面情報に基づいて受光量が最大受光量となる位置、つまり被測定物体43の表面形状を立体的に求め、図示しない表示装置に立体画像として表示したり、被測定物体43の所定ラインの断面形状画像をCCD51が受光した被測定物体43の画像に重ねて表示したりする。
【0054】
本実施形態では、上述したLD31、コリメータレンズ33、偏光ビームスプリッタ34、1/4波長板35、リレーレンズ38、収束レンズ40、対物レンズ42、結像レンズ44、ピンホール45,PD46、制御装置55から合焦装置が構成されている。
なお、被測定物体43に対する平面測定領域が水平偏光装置36及び垂直偏光装置37による最大平面走査領域を上回る場合は、制御装置55は、XYステージ54を駆動して被測定物体43に対する平面走査領域を水平方向にずらすことにより平面走査領域の拡大を図るようにしている。
図10は、収束レンズ40と対物レンズ42との光学系を示している。この図10において、収束レンズ40と対物レンズ42とで構成される組合わせレンズ系の有効焦点距離fは、次の式で求めることができる。
【0055】
【数8】
Figure 2005077443
但し、f1は収束レンズ40の有効焦点距離、f2は対物レンズ42の有効焦点距離、dはレンズ間隔で、収束レンズ40の第2主点と対物レンズ42の第1主点の距離、s”は対物レンズ42の第2主点と組合わせ後の最終焦点との距離、zは対物レンズ42の第2主点と組合わせ後の第2主点との距離である。
上記式から、レンズ間隔dを変化させることにより組合わせレンズ系の有効焦点距離は変化することから、収束レンズ40を変位させることにより焦点距離fを変化させることが可能なことが分る。
【0056】
従って、第2実施形態で説明した縦倍率を求める式に基づいて、収束レンズ40の1ステップの変位に応じた縦倍率を求めることができることから、収束レンズ40の変位量にそのときの縦倍率を掛け合わせることにより垂直方向への集光位置の変位量を求めることができ、最終的に被測定物体43の表面形状を立体的に測定することができる。
【0057】
このような実施形態によれば、収束レンズ40と対物レンズ42とから構成される組合わせレンズ系において、収束レンズ40を変位させることにより対物レンズ42の集光位置を光軸方向に沿って変位させことにより縦倍率を変更可能としたので、縦倍率を適切に調整することにより第2実施形態と同様に、より高精度な測定や、より広い範囲の測定が可能となる。
【0058】
しかも、被測定物体が載置されたステージを垂直方向に間欠移動させ、移動停止状態で被検査対象物の水平方向の平面情報を検出する構成のものでは、被測定対象物によってはステージの上下動により振動を生じるために、ステージを1ステップ移動する毎に一定時間停止させ、被測定物体が安定するのを待ってから測定する必要を生じるものの、本実施形態では、光学系のみで測定を実施するととができるので、ステージを無くすことにより測定精度を一層高めることができると共に、計測の1ステップ毎に被測定物体43の安定化のための待機時間が不要となり、高速計測が可能となる。
また、測定のための駆動部は光学部分のみでよいことから、高速計測に有効であると共に、被測定物体43の大きさや形状、重量、或は形態などによる制約が著しく軽減され、用途を格段に広げることができる。
また、上記実施形態1の音叉1を用いて可動手段を構成したから、振動特性を保持しつつ製造された安価で精度の高い音叉1を用いて、製造コストを抑えつつ精度の高い共焦点顕微鏡を得ることができる。
【0059】
<第4実施形態>
以下、第1実施形態の音叉1を使用した変位センサについて図11に基づいて説明する。第2実施形態では、発散レンズを音叉の一方の自由端2Aに連結したが、このような構成では、音叉の振動に伴う発散レンズの変位により当該発散レンズの光軸が対物レンズの光軸に対して僅かに傾き、対物レンズによる集光位置がLDの光軸からずれてしまうことから、この本実施形態では、発散レンズの変位による光軸ぶれを防止したことを特徴とする。
【0060】
図11は、変位センサにおける光学系の構成を概略的に示している。同図において、ケース61内には光学系が構成されており、投光手段であるLD62は、図示しないレーザ駆動制御回路で駆動された状態でレーザ光を出射し、そのレーザ光は、光分割手段であるハーフミラー63(偏光ビームスプリッタでも可)を通過した後、コリメータレンズ64で平行光に変換される。
【0061】
コリメータレンズ64で変換された平行光は、後述する補助光学手投としての第1レンズ65及び第2レンズ66により若干発散された状態でケース61に装着された対物レンズ67に入射することにより被測定物体68に集光状態で投射される。
【0062】
ここで、第1レンズ65は光を発散させるレンズであり、本実施形態においては発散レンズ(以下、発散レンズ65と称する)を用いているが、これに限らず、収束レンズを用いてもよい。この場合、収束レンズで収束した光も収束点(焦点位置)を越えた領域では発散されることになるので、発散レンズと同様の作用を得ることができる。第2レンズ66は光を収束させるレンズであり、本実施形態においては収束レンズ(以下、収束レンズ66と称する)を用いている。
【0063】
以上のコリメータレンズ64、発散レンズ65、収束レンズ66及び対物レンズ67は複数のレンズからなる複合レンズから構成されていてもよく、この場合、主平面及ぴ主曲面で規定することができ、一方の面が平面、他方の面が曲面で形成された単レンズとみなすことができる。
なお、レンズが平凸の単レンズで形成されている場合は、平凸レンズの平面が主平面に一致し、他面が主曲面に一致する。図11では、コリメータレンズ64、発散レンズ65、収束レンズ66、対物レンズ67は単レンズとして図示したが、主平面及び主曲面からなる複合レンズであってもよい。
【0064】
被測定物体68からの反射光は、対物レンズ67、収束レンズ66、発散レンズ65、コリメータレンズ64を通過してハーフミラー63で反射することにより、LD62に対して直交する方向に反射され、光絞り部69のピンホールを通過して受光手段であるPD70へ入射するようになっている。
なお、図11には示していないが、光分割手段をハーフミラー63に代えて偏光ビームスプリッタで構成した場合には、偏光ビームスプリンタを通過したレーザ光が被測定物体68で反射して偏光ビームスプリンタに戻った際に光の振動方向を90度回転させる振動方向変換手段としての1/4波長板が設けられており、これにより、偏光ビームスプリッタに戻ったレーザ光がLD62の光軸の直交方向に反射されるようになっている。
【0065】
PD70で光電変換した信号は、図示しない増幅器へ入力され、その出力信号は、制御手段であるCPU(図示しない)へ入力されるようになっている。本実施の形態では、上述しだPD62、ハーフミラー63、コリメータレンズ64、発散レンズ65、収束レンズ66、対物レンズ67、光絞り部69、PD70、CPUから合焦装置が構成されている。
【0066】
ここで、LD62の光軸に対して直交する方向を指向するようにレンズ可動手段としてのU字形状の音叉1が配設されており、その音叉の一方の自由端2Aの先端に発散レンズ65の周縁部分が連結されていると共に、他方の自由端2Aの先端に収束レンズ66の周縁部分が連結されている。発散レンズ65は、コリメータレンズ64からの平行光を発散させた状態で収束レンズ66に入射させ、収束レンズ66は、発散レンズ65で発散された光を若干収束させることにより対物レンズ67に若干発散させた状態で入射させる。これらの発散レンズ65及び収束レンズ66は、音叉1の微振動によりLD62からのレーザ光の光軸に沿って所定振幅で振動するようになっている。
【0067】
ところで、第2実施形態で示したように音叉1の一方の自由端2Aの先端に発散レンズ65のみを連結した構成の場合、音叉1の振幅は極めて小さいことから、発散レンズ65は光軸に沿って振動しているとみなすことができるものの、発散レンズ65は音叉1の自由端2Aの振動中心点(図11にAで示す)を中心として円弧状に振動していることから、微小現象としては、発散レンズ65の光軸は当該発散レンズ65の移動に伴ってLD62の光軸から僅かに傾いて光軸ぶれを生じている。このため、極めて精度の高い検出を行う際に検出精度の低下を招来する虞がある。
【0068】
そこで、本実施形態では、音叉1の一方の自由端2Aの先端に発散レンズ65を連結した上で、他方の自由端2Aの先端に収束レンズ66を連結するように構成した。つまり、音叉1が振動した際に、一方の自由端2Aの振動による発散レンズ65の微小な光軸ぶれを、他方の自由端2Aの振動による収束レンズ66の微小な反対方向への光軸ぶれにより相殺するのである。
【0069】
ここで、発散レンズ65の光軸中心(レンズ中心軸)と収束レンズ66の光軸中心(レンズ中心軸)とが一致するように音叉1の自由端2Aの先端に連結されている。また、発散レンズ65及び収束レンズ66が音叉1に連結された状態で、音叉1における一方の自由端2Aと他方の自由端2Aの固有振動数は等しく構成されている。この場合、音叉1の固有振動数は、音叉の材質、厚み、梁の長さ(振動する棒状部分)、重さ、音叉に連結するレンズ部の形状(大きさ、重さ、材質)により決定されるもので、これらを適宜組み合わせて、所望の振動を得るように設計されている。
【0070】
さらに、本実施形態では、発散レンズ65及び収束レンズ66の主曲面の頂点が、音叉1における振動中心軸に略位置する構成となっている。具体的には、図11中に示すAが音叉1の自由端2Aの振動中心点であり、音叉1の自由端2Aはこの振動中心点Aを中心とする円弧状に振動している、この場合、振動中心点Aを基点としてLD62の光軸に直交する線が振動中心軸(図中に一点鎖線で示す)であり、レンズは振動中心軸の変位に応じて変位する。本実施形態では、発散レンズ65及び収束レンズ66の主曲面の頂点が振動中心軸に略位置するように設定されている。つまり、主平面及び主曲面で規定されるレンズは、その主曲面が光の屈折に主に寄与することから、レンズの主曲面の頂点を振動中心軸に一致させることによりレンズの主曲面の変位を最小とすることができる。これにより、発散レンズ65及び収束レンズ66の光軸がLD62の光軸から大きくずれないようにすることができるので、音叉1の振動による光軸ぶれを極力抑制することができる。
【0071】
ところで、音叉1の自由端2Aの先端に発散レンズ65及び収束レンズ66を直接的に連結した構成において、自由端2Aの指向方向と振動中心軸の指向方向とを一致させた場合(自由端2Aの指向方向がLD62の光軸と直交している場合)、凹レンズで示される発散レンズ65に関してはその主曲面の頂点を振動中心軸に一致させることができるものの、凸レンズで示される収束レンズ66に関してはその主曲面の頂点を振動中心軸に一致させることができないことから、収束レンズ66が連結された自由端2Aを内側に折曲した形状とした。
【0072】
一方、音叉1の自由端2Aの側方の近接した位置には、例えば渦電流式磁気センサ、或は光センサ、或は静電容量センサを利用した位置検出手段(位置センサ)たる音叉振幅検出器72が配設されており、音叉1の振動位置、つまり発散レンズ65の位置を検出するようになっている。音叉振幅検出器72が検出した検出振幅信号は増幅器へ入力され、その出力信号はCPUへ入力される。
【0073】
音叉1の自由端2Aの側方には、当該音叉1を振動させるためのソレノイド73が配設されている。このソレノイド73は、CPUからの駆動信号に基づいて音叉振幅制御回路から制御電流が供給されることに応じて駆動するようになっており、圧電素子を用いるようにしてもよい。音叉振幅制御回路には増幅器の出力信号が与えられており、音叉の振幅を一定にするようにフィードバック制御するようになっている。
【0074】
このような構成において、音叉振幅制御回路からソレノイド73に所定周波数の交流電流を供給すると、ソレノイド73から交流磁界が発生する。この交流磁界により音叉1が所定振幅で微振動し、発散レンズ65がLD62の光軸に沿って振動する。そして、音叉振幅検出器72は、音叉1の振幅、即ち発散レンズ65の振幅を検出し、発散レンズ65の振幅を示す正弦波信号を出力する。この正弦波信号を増幅器で増幅し、増幅器から出力される出力信号をCPUへ入力させることにより、CPUは、発散レンズ65の位置を検出可能となっている。
【0075】
このような実施形態によれば、音叉1の自由端2Aの一方に発散レンズ65を連結した上で、他方の自由端2Aに収束レンズ66を連結するようにしたので、音叉の振動による発散レンズ65の移動に伴う光軸ぶれを収束レンズ66による反対方向への光軸ぶれにより抑制することができ、第2実施形態のものに比較して、検出精度を高めることができる。
【0076】
また、本実施の形態では、発散レンズ65と収束レンズ66とは音叉1の振動に伴って光軸に沿って互いに反対方向に移動するようにアフォーカル系を構成していることから、例えば発散レンズ65と収束レンズ66とが接近するように移動する場合は、発散レンズ65は対物レンズ67に接近するように移動すると同時に、収束レンズ66は対物レンズ67から離間するように移動する。ここで、発散レンズ65が対物レンズ67に接近するように移動した場合は、対物レンズ67による集光位置は対物レンズ67から離間するように変位すると共に、収束レンズ66が対物レンズ67から離間するように移動した場合も、対物レンズ67による集光位置は対物レンズ67から離間するように変位する。この結果、対物レンズ67による集光位置は、発散レンズ65と収束レンズ66との協調動作により、発散レンズ65及び収束レンズ66を単体で移動した場合に比較して、対物レンズ67から離間する変位(発散レンズ65と収束レンズ66とが離間するように移動する場合は、対物レンズ67による集光位置が対物レンズ67に近接する変位)を増大することができる。このことは、第2実施形態で説明した縦倍率を大きくできることを意味しており、第2実施形態のものよりも検出精度を高めながら、音叉1の振動による振幅を抑制することができ、結果として検出の高速化を図ることができる。
【0077】
なお、発散レンズ65及び収束レンズ66の周縁部を音叉1の自由端2Aの先端に直接連結する構造としては、図12に示すように収束レンズ66と連結された自由端2Aを外側に折曲した形状としてもよい。また、発散レンズ65と収束レンズ66との位置関係及び主平面と主曲面の向きについては図13ないし図19に示すように種々の組合せが可能である。この場合、収束レンズ66をホルダ74により保持することにより音叉1の自由端2Aの指向方向と振動中心軸の指向方向とを一致させることが可能となり、音叉1の両方の自由端2Aを平行な形状とすることができる。
また、上記実施形態1の音叉1を用いて可動手段を構成したから、振動特性を保持しつつ製造された安価で精度の高い音叉1を用いて、製造コストを抑えつつ精度の高い変位センサを得ることができる
【0078】
<第5実施形態>
第4実施形態で説明した合焦装置を共焦点顕微鏡に適用した第5実施形態を図20に基づいて説明するに、第4実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0079】
光学系を概略的に示す図20において、ハーフミラー63とコリメータレンズ64との問には第2ハーフミラー81及び第3ハーフミラー82が配置されており、照明用光源である白色光源83からの光がレンズ84で平行光に変換した状態で第2ハーフミラー81により合流されてから、コリメータレンズ64で略平行光とされた状態で対物レンズ67により集光状態で被測定物体68に照射される。被測定物体68で反射した光は、対物レンズ67、収束レンズ66、発散レンズ65、コリメータレンズ64を通過して第3ハーフミラー82によりLD62に対して直交する方向に反射されて撮像手段であるCCD85で受光される。このCCD85は、CCD駆動回路により駆動されることにより被測定物体の表面を画像信号として出力する。
【0080】
このような実施形態によれば、音叉1の自由端2Aの先端に発散レンズ65及び収束レンズ66を連結した合焦装置を共焦点顕微鏡に適用するようにしたので、対物レンズ67による集光位置がLD62の光軸からずれてしまうことを極力抑制することができ、共焦点顕微鏡の検出精度を高めることができる。
また、上記実施形態1の音叉1を用いて可動手段を構成したから、振動特性を保持しつつ製造された安価で精度の高い音叉1を用いて、製造コストを抑えつつ精度の高い共焦点顕微鏡を得ることができる。
【0081】
<第6実施形態>
次に本発明の第6実施の形態を図21に基づいて説明するに、第2実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態は、対物レンズの集束率を変更可能としたものである。
【0082】
図21は対物レンズ交換装置を示している。同図において、対物レンズ交換装置91は、回動部材92に異なる集束率(焦点距離)の複数の対物レンズ93,94を装着して構成されている。
ここで、第2実施形態で説明した対物レンズの縦倍率を求める式に基づいて、対物レンズの焦点距離を変更することによっても縦倍率を変更することができることから、対物レンズ93,94を適宜交換することにより縦倍率を変更することができる。つまり、焦点距離の大きな対物レンズに交換することにより、縦倍率を大きくすることができる。
【0083】
このような実施の形態によれば、対物レンズ交換装置91により対物レンズ93,94を交換可能としたので、第2実施形態のように発散レンズ15の位置、或は第3実施形態のように収束レンズ40の位置を調整することなく、対物レンズの縦倍率を調整することができ、第2実施形態と同様に、より高精度な測定や、より広い範囲の測定が可能となる。
【0084】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0085】
(1)被測定物体の変位量を、縦倍率を求める数式に基づいて演算するのに代えて、第2実施形態における発散レンズ15或は第3実施形態における収束レンズ40の位置に基づいて求めるようにしてもよい。つまり、発散レンズ15或は収束レンズ40と集光位置との対応関係をテーブルに記憶したり、或は関数で演算したりするようにし、受光量が最大となる時点における発散レンズ15或は収束レンズ40の位置に基づいて被測定物体の変位量を求めるものである。
この場合、発散レンズ15或は収束レンズ40と集光位置との対応関係は、理論値ではなく実際の実験結果から求めるようにしてもよい。
【0086】
(2)また、サンプルモデルを使ってティーチングを行うようにしてもよい。つまり、例えば、所定高さ(具体的に、1.0mm)のサンプルにおいて、この高さ情報を記憶させると共に、このときの受光量最大点における位置信号を検出し記憶させる。次に、先ほどと高さの違うサンプル(具体的に、1,1mm)をおいて、この高さ情報を記憶させると共に、このときの受光量最大点における位置信号を検出して記憶させる。これによって、O.1mmの変位量に対する位置信号の変位量との関係が求められる。従って、この位置信号の変位量に対応する被測定物体の変位量をテーブルに記憶したり、数式として求めて記憶させたりしてもよい。
【0087】
(3)第2実施形態において、発散レンズ15の位置を検出する手段としては、音叉振幅制御回路26からの駆動信号に基づいて検出するようにしてもよい。この場合、発散レンズ15の位置を検出する手段を省略することができる。発散レンズ15を振動させるのに代えて、単に直線的に移動させるようにしてもよい。また、光絞り部18を省略するようにしてもよい。第3実施形態において、透過型の共焦点顕微鏡に適用するようにしてもよい。
対物レンズを取り外し可能に設け、集束率の異なる対物レンズを装着荷能としてもよい。対物レンズとして、例えば液体が封入され表面の湾曲率を調整することにより集束率を可変可能な構造のものを用いるようにしてもよい。発散レンズ或は収束レンズを変位させると同時に対物レンズの収束率を変更するようにしてもよい。
【0088】
(4)上記各実施形態では、音叉1を製造するための素材として軟鉄(SPCC)板としたが、これに限らず、弾性を有する板状部材であれば、例えばセラミックや樹脂等からなるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る折り曲げ加工前の音叉の展開図
【図2】折り曲げ加工後の音叉の側面図、取付箇所側から見た正面図及び上面図
【図3】折り曲げ加工後の音叉の斜視図
【図4】変形例に係る音叉の側面図、取付箇所側から見た正面図及び上面図
【図5】第2実施形態における変位センサの構成を示す概略図
【図6】間隔可変手段を示す概略図
【図7】対物レンズの光学系を示す模式図
【図8】発散レンズと対物レンズとを組合わせた光学系を示す模式図
【図9】第3実施形態における共焦点顕微鏡の構成を示す概略図
【図10】収束レンズと対物レンズとを組合わせた光学系を示す模式図
【図11】第4実施形態における光学系を概略的に示す側面図
【図12】音叉の異なる形状を示す側面図
【図13】音叉の異なる形状を示す側面図
【図14】音叉の異なる形状を示す側面図
【図15】音叉の異なる形状を示す側面図
【図16】音叉の異なる形状を示す側面図
【図17】音叉の異なる形状を示す側面図
【図18】音叉の異なる形状を示す側面図
【図19】音叉の異なる形状を示す側面図
【図20】第5実施形態を示す光学系を概略的に示す側面図
【図21】第6実施形態における対物レンズ交換装置を示す斜視図
【図22】従来の音叉を示す斜視図
【符号の説明】
1…音叉
1’…板材
2…振動部
2A…自由端
3…支持部
11,31,62…レーザダイオード(投光手段)
14…コリメータレンズ
15,65…発散レンズ
16,42,67,91,94,94…対物レンズ
19…フォトダイオード(受光手段)
21…CPU(制御手段)
23,72…音叉振幅検出器(位置検出手段)
25,73…ソレノイド
40,66…収束レンズ(補助光学手段)
47…変位機構(可動手段)
55…制御装置(制御手段、記憶手段)
70…フォトダイオード(受光手段)

Claims (6)

  1. 振動部とそれを支持固定する支持部とを備えた音叉の製造方法であって、
    両端が自由端とされる長細状の振動部と、その振動部の前記両自由端の間の所定位置において前記延長方向に直交する方向の両端部分にそれぞれ突設され所定の取付箇所に固定される一対の支持部とを一体的に備えた板状部材を、一枚の弾性板から形成する工程と、
    前記振動部を、前記一対の自由端が同方向を向くように前記中央位置を中心に折り曲げる工程とを含むことを特徴とする音叉の製造方法。
  2. 両端が自由端とされる長細状の振動部と、その振動部の延長方向の中央位置において前記延長方向に直交する方向の両端部分に突設され所定の取付箇所にそれぞれ固定される一対の支持部とを備えて、
    前記振動部と前記支持部とは1枚の弾性板から一体的に形成されたものであって、
    前記振動部は、前記一対の自由端が同方向を向くように前記中央位置を中心に折り曲げられた形状になっていることを特徴とする音叉。
  3. 前記一対の支持部は、前記振動部を前記取付箇所から離間した状態で前記取付箇所に固定されるよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載の音叉。
  4. 光を出射する投光手段と、
    この投光手段からの光を非平行光となるように発散若しくは収束する補助光学手段と、
    この補助光学手段からの光を被測定物体に集光状態で照射する対物レンズと、
    この対物レンズによる集光を前記被測定物体を介して受光する受光手段と、
    前記補助光学手段を移動するための駆動信号を出力する制御手段と、
    この制御手段からの駆動信号に応じて前記補助光学手段を前記投光手段からの光の光軸に沿って移動させる可動手段と、
    前記補助光学手段の位置を示す位置信号を出力する位置検出手段とを備え、
    前記制御手設は、前記駆動信号の出力状態で前記受光手段の受光量が最大となる時を検出する合焦装置であって、
    前記可動手段は、自由端の先端側に前記補助光学手段が連結された請求項2または請求項3記載の音叉と、前記制御手段からの駆動信号に基づいて前記音叉を駆動するソレノイドとから構成されていることを特徴する合焦装置。
  5. 請求項4記載の合焦装置を備えて、
    前記制御手段が検出した受光量が最大となる点における位置信号の変化に基づいて被測定対象物の変位量を測定することを特徴とする変位センサ。
  6. 請求項4記載の合焦装置と、
    前記制御手段の駆動に応じて前記対物レンズによる集光位置を水平方向に走査する走査手段とを備えて、
    前記制御手段は、前記受光手段の受光量が最大となる時点における前記位置検出手段からの位置信号及び前記走査手段の走査位置を検出して記憶手段に記憶し、
    前記記憶手段に記憶された位置信号及び走査位置に基づいて被測定物体の表面形状を立体的に測定することを特徴とする共焦点顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3238435A4 (en) * 2014-12-22 2018-07-18 Google LLC Illuminator for camera system having three dimensional time-of-flight capture with movable mirror element

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