JP6358577B2 - 走査型光学顕微鏡 - Google Patents

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Description

本開示は、走査型光学顕微鏡に関する。
従来、走査に伴う照明むらを避けることができる走査ユニットを備えた走査型共焦点顕微鏡が知られている(特許文献1を参照)。
特開2001−91848号公報
しかしながら、上記従来の構成では、試料から反射する信号光量が極めて小さく、試料の反射像を高感度に取得するには、フォトマルチプライアのような大型の高感度な検出器が必要となり、小型化が困難であった。つまり、高感度化と小型化を両立した走査型光学顕微鏡を提供することが困難であった。
そこで、本開示は、高感度化と小型化を両立できる走査型光学顕微鏡を提供することを目的とする。
本開示における走査型光学顕微鏡は、光源と、前記光源からの出射光を、照射光と参照光とに分岐する第1ビームスプリッタと、前記照射光を試料上に集光し、前記集光された光が前記試料で反射された光である信号光を受光する第1対物レンズと、前記光源と前記試料との間の光路から前記信号光を分岐する第2ビームスプリッタと、前記分岐された信号光の光路中に設けられ、前記第1対物レンズの結像点と光学的に共役な位置に配置されたピンホールと、前記分岐された信号光を前記ピンホールに集光する集光レンズと、第1の少なくも互いに位相が異なる4つの分割光を含む第1の光を出力する位相板と、前記第1の光と第2の光を合波し、第2の少なくとも互いに位相が異なる4つの分割光を含む干渉光を生成する第3ビームスプリッタと、前記干渉光を受光し、少なくとも4つの電気信号を出力する光検出素子を含み、前記第1の少なくとも4つの分割光と前記第2の少なくとも4つの分割光は対応しており、前記少なくとも4つの電気信号の強度と前記第2の少なくとも4つの分割光の強度は対応しており、位相板は第1の位相板または第2の位相板であり、前記位相板が前記第1の位相板である時は、前記参照光が前記第1の位相板に入力され、前記第2の光は前記ピンホールを透過した前記信号光であり、前記位相板が前記第2の位相板であるときは、前記ピンホールを透過した前記信号光が前記第2の位相板に入力され、前記第2の光は前記参照光である。
本開示の走査型光学顕微鏡は、高感度化と小型化を両立できる。
本開示の実施の形態1における走査型光学顕微鏡の光学系全体を示す構成図 本開示の実施の形態1における位相板の構成図 本開示の実施の形態1における光検出素子、および、信号処理装置の構成図 本開示の実施の形態1における走査型光学顕微鏡の光学系全体を示す構成図 本開示の実施の形態2における走査型光学顕微鏡の光学系全体を示す構成図 本開示の実施の形態3における走査型光学顕微鏡の光学系全体を示す構成図 本開示の実施の形態3における走査型光学顕微鏡の光学系全体を示す構成図 本開示の実施の形態3における走査型光学顕微鏡の光学系全体を示す構成図 本開示の実施の形態4における走査型光学顕微鏡の光学系全体を示す構成図 本開示の実施の形態4における走査型光学顕微鏡の光学系全体を示す構成図 従来の走査型光学顕微鏡の光学系全体の概略構成を示す構成図
<基礎となった知見>
走査型光学顕微鏡は、レーザー光などの光を対物レンズにより集光し、その光スポットを走査しながら試料に照射し、前記試料からの透過光もしくは反射光の強度を検出し、画像処理を行うことにより試料の像を得る。
現在、市販されている走査型光学顕微鏡の多くは、試料へ照射したレーザー光スポットからの反射光を検出器の前側で集光させ、その集光点にピンホールを配置する共焦点光学系を採用している。
共焦点光学系では、光源と試料とピンホ−ル面が全て共役な位置に配置されており、試料中の焦点が合った面からの光は、ピンホールを通過し、検出器に受光されるが、焦点の合っていない面からの光は、ピンホ−ル面で広がり、ピンホールを通過できないため、ほとんど検出器に受光されない。
従って、対物レンズの焦点面以外からの不要な散乱光を排除できるため、取得する画像の解像力とコントラストを著しく向上することができる。
さらに、共焦点光学系では、面内の分解能が向上するだけでなく、焦点深度が浅くなり、試料の奥行き方向における分解能も向上するため、試料と対物レンズの相対的な位置を3次元的に動かすことにより、試料の深さ方向の情報を光量変化として高い分解能で得ることが可能となる。この得られた深さ方向の情報を、コンピュータにより合成し、試料の3次元像を構成することもできる。
また、走査型光学顕微鏡における、試料へ照射した光スポットの走査方式は、レーザービームの集光位置を固定し、試料を載せるステージを走査する方式と、レーザービームを偏向することで走査する方式の2つに分けることができる。
レーザービームを偏向して走査する方式としては、高速回転するポリゴンミラーや、ガルバノミラーを用いて機械的にレーザービームの方向を変える方式や、超音波光偏向素子、電気光学光偏向素子等を用いて、電気信号により素子の屈折率などを変化させ、レーザービームを偏向する方式が用いられ、偏向したレーザー光束を対物レンズで集光することで、集光点におけるレーザースポットを走査することができる。
また、高速に測定資料の像を得るために、上記ピンホールの代わりに、膨大な数の孔を有するニポウディスクを利用してスキャンする方式もすでに実用化されている。
さて、従来の走査型共焦点顕微鏡は、たとえば、特許文献1などに示されている。以下、従来の走査型共焦点顕微鏡の構成について図11を用いて説明する。
図11において、レーザー光源101からの光は、コリメートレンズ102により平行光に変換され、ビームスプリッタ103を透過し、回転軸方向に直交する1組のミラー105、106からなる走査ユニット104に入射する。
走査ユニット104は、回転制御装置115からの信号により、前記ミラー105、106を図示しないモータや、振動子で動かすことで、レーザー光の光軸に直交する2方向について光を偏向する。
前記走査ユニット104を出た平行光束は、リレーレンズ107を通過することにより再び平行光束となり、対物レンズ108によって試料109上に集光され、スポット光を形成する。
リレーレンズ107は、走査ユニット104で偏向された光束が対物レンズ108に入射するように、走査ユニット104で偏向された光束の回転中心位置と、対物レンズ108の瞳位置とが共役な位置となるように配置されている。
試料109上のスポット光からの反射光は、再び対物レンズ108で集められ、照明光の光路を逆に進み、リレーレンズ107を透過した後、走査ユニット104を通り、ビームスプリッタ103で反射され、検出器レンズ111によりピンホール112に集光される。
ピンホール112上にできる集光点は、試料109上での光スポットの像となっており、試料109上での光スポットの像のみが、ピンホール112を通過でき、光検出器113に受光される。
前記走査ユニット104での走査に同期させて、光検出器113により試料からの反射光を受け、反射光強度を電気信号に変換し、電気信号を情報処理装置114により合成することで、試料109の二次元的な像を得ることができる。
試料109上の光スポット以外の点から反射した光は、ピンホール112からずれた位置に像を結ぶため、光検出器113には、ほとんど到達できない。
したがって、図11の走査型共焦点顕微鏡では、高い横分解能だけでなく、高い深さ方向分解能で試料を観察することができる。
また、試料からの反射光による観察だけではなく、試料109の照明光の照射領域で発生した蛍光や散乱光についても、ピンホール112を通過させることにより、光検出器113で捉えることができる。
さらに、走査型共焦点顕微鏡の高い縦分解能の特徴を利用し、試料ステージ110を上下させながら、その都度二次元像を取得することで、試料109の三次元的な観察も可能になる。
しかしながら、上記の従来技術では、試料の反射像を高感度に取得することが可能な、小型で低価格の反射型走査型光学顕微鏡や、試料の透過像を高感度に取得することが可能な、小型で低価格の透過型の走査型光学顕微鏡を提供することができなかった。
上述の特許文献1では、試料から反射する信号光を検出し、反射光強度を電気信号に変換することによって、反射像の高分解能での試料観察を実現している。
しかしながら、上記の従来技術では、試料への照射光に対し、試料から反射する信号光量が極めて小さく、試料の反射像を高感度に取得することが困難であった。
たとえば、生体細胞を観察する場合、細胞質と細胞核の屈折率差は0.01以下であり、反射率も0.0013%以下と極めて小さくなってしまい、識別が極めて困難であった。
したがって、従来の共焦点顕微鏡では、フォトマルチプライアなどの高感度検出器を用い、試料からの微弱な信号光を受けているが、フォトマルチプライアは一種の真空管であり、素子サイズが大きく価格も高価となるという課題がある。この素子を使用する場合、顕微鏡システムを小型、低価格化することができない。
照射する光量を増やすことで信号光量を増加させることも可能ではある。しかし、生体細胞の観察を行う場合、試料への照射光量を増やすと、生体細胞にダメージを与えてしまうため、信号光量を増加させるには限界がある。
そこで、本開示の一態様に係る走査型光学顕微鏡は、光源と、前記光源からの出射光を、照射光と参照光とに分岐する第1ビームスプリッタと、前記照射光を試料上に集光し、前記集光された光が前記試料で反射された光である信号光を受光する第1対物レンズと、前記光源と前記試料との間の光路から前記信号光を分岐する第2ビームスプリッタと、前記分岐された信号光の光路中に設けられ、前記第1対物レンズの結像点と光学的に共役な位置に配置されたピンホールと、前記分岐された信号光を前記ピンホールに集光する集光レンズと、第1の少なくも互いに位相が異なる4つの分割光を含む第1の光を出力する位相板と、前記第1の光と第2の光を合波し、第2の少なくとも互いに位相が異なる4つの分割光を含む干渉光を生成する第3ビームスプリッタと、前記干渉光を受光し、少なくとも4つの電気信号を出力する光検出素子を含み、前記第1の少なくとも4つの分割光と前記第2の少なくとも4つの分割光は対応しており、前記少なくとも4つの電気信号の強度と前記第2の少なくとも4つの分割光の強度は対応しており、位相板は第1の位相板または第2の位相板であり、前記位相板が前記第1の位相板である時は、前記参照光が前記第1の位相板に入力され、前記第2の光は前記ピンホールを透過した前記信号光であり、前記位相板が前記第2の位相板であるときは、前記ピンホールを透過した前記信号光が前記第2の位相板に入力され、前記第2の光は前記参照光である。
これにより、参照光と試料から反射した信号光を干渉させることにより、信号光の強度を増幅することができる。よって、試料の反射像を、高感度に取得することができる。
また、試料からの微弱な信号光を、高感度に取得することが可能となるため、反射率の小さい試料から、信号対雑音比の高い信号を、フォトダイオードのような従来の光受光素子で高感度に検出することが可能となる。したがって、フォトマルチプライアなどの大型かつ高価な高感度光検出素子を用いる必要がなく、装置を小型化、低価格化できる。
その結果、試料の反射像を高感度に取得することが可能で、小型で、低価格の反射型の走査型光学顕微鏡を提供できる。
また、前記第1の少なくも互いに位相が異なる4つの分割光は、i)第1分割域を透過した第1分割光、ii)第2分割領域を透過し前記第1分割光と位相が90度シフトした第2分割光、iii)第3分割領域を透過し前記第1分割光と位相が180度シフトした第3分割光、iv)第4分割領域を透過し前記第1分割光と位相が270度シフトした第4分割光を含んでもよい。
これにより、位相の状態が異なる4つの干渉光を、容易に生成できる。
また、前記光検出素子は、i)前記第1分割光に対応する第1干渉光を受光する第1受光面、ii)前記第2分割光に対応する第2干渉光を受光する第2受光面、iii)前記第3分割光に対応する第3干渉光を受光する第3受光面、及びiv)前記第4分割光に対応する第4干渉光を受光する第4受光面を含み、前記第2の少なくとも互いに位相が異なる4つの分割光は前記第1干渉光、前記第2干渉光、前記第3干渉光、前記第4干渉光を含んでもよい。
これにより、前記第1〜第4干渉光を、それぞれ前記第1〜第4受光面で独立に受光できるため、前記第1〜第4干渉光間でのクロストークによる前記第1〜第4受光面から出力される電気信号の品質低下を抑えることができる。
また、前記光検出素子は、前記第1受光面、前記第2受光面、前記第3受光面、第4受光面を同一平面に有してもよい。
これにより、平面基板上に前記第1から第4受光面を集積化できる。さらに、それぞれの受光面の相対位置調整が不要となるため、走査型光学顕微鏡の組立調整が容易となる。
また、前記1受光面からの出力信号値と前記第3受光面からの出力信号値との差分を得る第1の信号演算器と、前記第2受光面からの出力信号値と前記第4受光面からの出力信号値との差分を得る第2の信号演算器と、前記第1の信号演算器からの出力信号値と前記第2の信号演算器からの出力信号値との二乗和平方根を出力する第3の信号演算器を含んでもよい。
これにより、試料からの信号光の位相や参照光の位相が変動しても、反射率の低い試料の反射像を検出できる。
また、本開示の一態様に係る走査型光学顕微鏡は、光源と、前記光源からの出射光を、照射光と参照光とに分岐する第1ビームスプリッタと、前記照射光を試料上に集光する第1対物レンズと、前記試料上に集光され、前記試料を透過した信号光を受光する第2対物レンズと、前記信号光の光路を変更する第2ビームスプリッタと、前記光路を変更された信号光の光路中に設けられ、前記第1対物レンズの結像点と光学的に共役な位置に配置されたピンホールと、前記光路を変更された信号光を前記ピンホールに集光する集光レンズと、第1の少なくとも互いに位相が異なる4つの分割光を含む第1の光を出力する位相板と、前記第1の光と第2の光を合波し、第2の少なくとも互いに位相が異なる4つの分割光を含む干渉光を生成する第3ビームスプリッタと、前記干渉光を受光し、少なくとも4つ電気信号を出力する光検出素子と、前記第1の少なくとも4つの分割光と前記第2の少なくとも4つの分割光は対応しており、前記少なくとも4つの電気信号の強度と前記第2の少なくとも4つの分割光の光学強度は対応しており、位相板は第1の位相板または第2の位相板であり、前記位相板が前記第1の位相板である時は、前記参照光が前記第1の位相板に入力され、前記第2の光は前記ピンホールを透過した前記信号光であり、前記位相板が前記第2の位相板である時は、前記ピンホールを透過した前記信号光が前記第2の位相板に入力され、前記第2の光は前記参照光である。
これにより、試料からの微弱な信号光を、高感度に取得することが可能となるため、透過率の小さい試料から、信号対雑音比の高い信号を、フォトダイオードのような従来の光受光素子で高感度に検出することが可能となる。したがって、フォトマルチプライアなどの大型かつ高価な高感度光検出素子を用いる必要がなく、装置を小型化、低価格化できる。
その結果、試料の透過像を高感度に取得することが可能な、小型で低価格の透過型の走査型光学顕微鏡を提供できる。
また、前記位相板は、i)第1分割域を透過した第1分割光、ii)第2分割領域を透過し前記第1分割光と位相が90度シフトした第2分割光、iii)第3分割領域を透過し前記第1分割光と位相が180度シフトした第3分割光、iv)第4分割領域を透過し前記第1分割光と位相が270度シフトした第4分割光に分割して出力してもよい。
これにより、位相の状態が異なる4つの干渉光を、容易に生成できる。
また、前記光検出素子は、i)前記第1分割光に対応する第1干渉光を受光する第1受光面、ii)前記第2分割光に対応する第2干渉光を受光する第2受光面、iii)前記第3分割光に対応する第3干渉光を受光する第3受光面、及びiv)前記第4分割光に対応する第4干渉光を受光する第4受光面を含み、前記第2の少なくとも互いに位相が異なる4つの分割光は前記第1干渉光、前記第2干渉光、前記第3干渉光、前記第4干渉光を含んでもよい。
これにより、前記第1〜第4干渉光を、それぞれ前記第1〜第4受光面で独立に受光できるため、前記第1〜第4干渉光間でのクロストークによる前記第1〜第4受光面から出力される電気信号の品質低下を抑えることができる。
また、前記光検出素子は、前記第1受光面、前記第2受光面、前記第3受光面、第4受光面を同一平面に有してもよい。
これにより、平面基板上に前記第1から第4受光面を集積化できる。さらに、それぞれの受光面の相対位置調整が不要となるため、走査型光学顕微鏡の組立調整が容易となる。
また、前記1受光面からの出力信号値と前記第3受光面からの出力信号値との差分を得る第1の信号演算器と、前記第2受光面からの出力信号値と前記第4受光面からの出力信号値との差分を得る第2の信号演算器と、前記第1の信号演算器からの出力信号値と前記第2の信号演算器からの出力信号値との二乗和平方根を出力する第3の信号演算器を含んでもよい。
これにより、試料からの信号光の位相や参照光の位相が変動しても、透過率の低い試料の反射像を検出できる。
また、本開示の一態様に係る走査型光学顕微鏡は、光源と、前記光源からの出射光を、照射光と参照光とに分岐する第1ビームスプリッタと、前記照射光を試料上に集光し、前記集光された光が前記試料で反射された光である信号光を受光する第1対物レンズと、前記光源と前記試料との間の光路から前記信号光を分岐する第2ビームスプリッタと、前記分岐された信号光の光路中に設けられ、前記第1対物レンズの結像点と光学的に共役な位置に配置されたピンホールと、前記分岐された信号光を前記ピンホールに集光する集光レンズと、前記ピンホールを通過した前記分岐された信号光と前記参照光とを合波し、さらに、前記合波された合波光を第1光束と第2光束に分岐する光分岐素子と、前記第1光束の偏光方向を変える2分の1波長板と、前記2分の1波長板を透過した前記第1光束を、第1干渉光、および、前記第1干渉光に対して位相が180度異なる第3干渉光に分岐する第1の偏光ビームスプリッタと、前記第2光束の偏光方向を変える4分の1波長板と、前記4分の1波長板を透過した前記第2光束を、前記第1干渉光に対して位相が90度異なる第2干渉光、および、前記第1干渉光に対して位相が90度異なる第4干渉光に分岐する第2の偏光ビームスプリッタと、前記第1干渉光を受光し、前記第1干渉光の強度に応じた第1電気信号を出力する第1光検出素子と、前記第2干渉光を受光し、前記第2干渉光の強度に応じた第2電気信号を出力する第2光検出素子と、前記第3干渉光を受光し、前記第3干渉光の強度に応じた第3電気信号を出力する第3光検出素子と、前記第4干渉光を受光し、前記第4干渉光の強度に応じた第4電気信号を出力する第4光検出素子と、を有する。
これにより、位相の状態が異なる4つの干渉光を、容易に生成することが可能となる。
また、前記光検出素子は、i)前記第1干渉光を受光する第1受光面、ii)前記第2干渉光を受光する第2受光面、iii)前記第3干渉光を受光する第3受光面、及びiv)前記第4干渉光を受光する第4受光面を含んでもよい。
これにより、前記第1〜第4干渉光を、それぞれ前記第1〜第4受光面で独立に受光できるため、前記第1〜第4干渉光間でのクロストークによる前記第1〜第4受光面から出力される電気信号の品質低下を抑えることができる。
また、前記1受光面からの出力信号値と前記第3受光面からの出力信号値との差分を得る第1の信号演算器と、前記第2受光面からの出力信号値と前記第4受光面からの出力信号値との差分を得る第2の信号演算器と、前記第1の信号演算器からの出力信号値と前記第2の信号演算器からの出力信号値との二乗和平方根を出力する第3の信号演算器を含んでもよい。
これにより、試料からの信号光の位相や参照光の位相が変動しても、反射率の低い試料の反射像を検出できる。
また、本開示の一態様に係る走査型光学顕微鏡は、光源と、前記光源からの出射光を、照射光と参照光とに分岐する第1ビームスプリッタと、前記照射光を試料上に集光する第1対物レンズと、前記試料上に集光され、前記試料を透過した信号光を受光する第2対物レンズと、前記光源から前記試料及び前記第2対物レンズを透過した光路を変更する第2ビームスプリッタと、前記光路を変更された信号光の光路中に設けられ、前記第1対物レンズの結像点と光学的に共役な位置に配置されたピンホールと、前記光路を変更された信号光を前記ピンホールに集光する集光レンズと、前記ピンホールを通過した前記信号光と前記参照光とを合波し、さらに、前記合波された合波光を第1光束と第2光束に分岐する光分岐素子と、前記第1光束の偏光方向を変える2分の1波長板と、前記2分の1波長板を透過した前記第1光束を、第1干渉光、および、前記第1干渉光に対して位相が180度異なる第3干渉光に分岐する第1の偏光ビームスプリッタと、前記第2光束の偏光方向を変える4分の1波長板と、 前記4分の1波長板を透過した前記第2光束を、前記第1干渉光に対して位相が90度異なる第2干渉光、および、前記第1干渉光に対して位相が90度異なる第4干渉光に分岐する第2の偏光ビームスプリッタと、前記第1干渉光を受光し、前記第1干渉光の強度に応じた第1電気信号を出力する第1光検出素子と、前記第2干渉光を受光し、前記第2干渉光の強度に応じた第2電気信号を出力する第2光検出素子と、前記第3干渉光を受光し、前記第3干渉光の強度に応じた第3電気信号を出力する第3光検出素子と、前記第4干渉光を受光し、前記第4干渉光の強度に応じた第4電気信号を出力する第4光検出素子と、を有する。
これにより、位相の状態が異なる4つの干渉光を、容易に生成することが可能となる。
また、前記光検出素子は、i)前記第1干渉光を受光する第1受光面、ii)前記第2干渉光を受光する第2受光面、iii)前記第3干渉光を受光する第3受光面、及びiv)前記第4干渉光を受光する第4受光面を含んでもよい。
これにより、前記第1〜第4干渉光を、それぞれ前記第1〜第4受光面で独立に受光できるため、前記第1〜第4干渉光間でのクロストークによる前記第1〜第4受光面から出力される電気信号の品質低下を抑えることができる。
また、前記1受光面からの出力信号値と前記第3受光面からの出力信号値との差分を得る第1の信号演算器と、前記第2受光面からの出力信号値と前記第4受光面からの出力信号値との差分を得る第2の信号演算器と、前記第1の信号演算器からの出力信号値と前記第2の信号演算器からの出力信号値との二乗和平方根を出力する第3の信号演算器を含んでもよい。
これにより、試料からの信号光の位相や参照光の位相が変動しても、透過率の低い試料の反射像を検出できる。
また、本開示の一態様に係る走査型光学顕微鏡は、光源と、前記光源からの照射光を試料上に集光し、前記集光された光が前記試料で反射された光である信号光を受光する第1対物レンズと、前記光源と前記試料との間の光路上に設けられており、前記光源からの照射光を第1方向に分岐させて参照光を出力し、さらに、前記反射した信号光を前記第1方向と逆方向の第2方向に分岐する、ビームスプリッタと、前記分岐された参照光を反射させ、前記ビームスプリッタを透過させて前記第2方向に向かわせる反射ミラーと、前記分岐された信号光の光路中に設けられ、前記第1対物レンズの結像点と光学的に共役な位置に配置されたピンホールと、前記反射分岐された参照光及び前記分岐された信号光を前記ピンホールに集光する集光レンズと、前記ピンホールを通過した反射分岐された参照光と前記ピンホールを通過した前記信号光とを合波し、さらに、前記合波された合波光を第1光束と第2光束に分岐する光分岐素子と、前記第1光束の偏光方向を変える2分の1波長板と、前記2分の1波長板を透過した前記第1光束を、第1干渉光、および、前記第1干渉光に対して位相が180度異なる第3干渉光に分岐する第1の偏光ビームスプリッタと、前記第2光束の偏光方向を変える4分の1波長板と、前記4分の1波長板を透過した前記第2光束を、前記第1干渉光に対して位相が90度異なる第2干渉光、および、前記第1干渉光に対して位相が90度異なる第4干渉光に分岐する第2の偏光ビームスプリッタと、前記第1干渉光を受光し、前記第1干渉光の強度に応じた第1電気信号を出力する第1光検出素子と、前記第2干渉光を受光し、前記第2干渉光の強度に応じた第2電気信号を出力する第2光検出素子と、前記第3干渉光を受光し、前記第3干渉光の強度に応じた第3電気信号を出力する第3光検出素子と、前記第4干渉光を受光し、前記第4干渉光の強度に応じた第4電気信号を出力する第4光検出素子を備える。
これにより、参照光もピンホール9を通す構成とすることにより、参照光が持つ収差成分やノイズ光を前記ピンホールで除去することができるため、参照光の干渉性を向上させることができる。
また、前記光検出素子は、i)前記第1干渉光を受光する第1受光面、ii)前記第2干渉光を受光する第2受光面、iii)前記第3干渉光を受光する第3受光面、及びiv)前記第4干渉光を受光する第4受光面を含んでもよい。
これにより、前記第1〜第4干渉光を、それぞれ前記第1〜第4受光面で独立に受光できるため、前記第1〜第4干渉光間でのクロストークによる前記第1〜第4受光面から出力される電気信号の品質低下を抑えることができる。
また、前記1受光面からの出力信号値と前記第3受光面からの出力信号値との差分を得る第1の信号演算器と、前記第2受光面からの出力信号値と前記第4受光面からの出力信号値との差分を得る第2の信号演算器と、前記第1の信号演算装置からの出力信号値と前記第2の信号演算装置からの出力信号値との二乗和平方根を出力する第3の信号演算器を含んでもよい。
これにより、試料からの信号光の位相や参照光の位相が変動しても、反射率の低い試料の反射像を検出できる。
また、前記試料上の微小スポットを走査するスポット走査装置を備えてもよい。
これにより、試料の2次元像、または、3次元像を合成することが可能となる。
また、前記スポット走査装置は電動ステージであり、前記試料を前記電動ステージにより、2次元または3次元方向に移動することにより、前記試料と前記微小スポットの相対位置を変え、前記試料の画像情報を得てもよい。
これにより、試料の2次元像、または、3次元像を合成することが可能となる。
また、前記スポット走査装置はガルバノスキャナ、または、音響光学素子、または、電気光学素子のいずれかであり、前記照射光の光軸傾きを変えることで、前記試料上の前記微小スポット位置を2次元的に走査し、前記試料の画像情報を得てもよい。
これにより、試料に振動を与えずに、試料の2次元像を合成することが可能となる。
また、前記光源は、レーザー、または、スーパールミネッセントダイオード、または、発光ダイオード、または、ハロゲンランプであってもよい。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1における走査型光学顕微鏡の一例を示す構成図である。
走査型光学顕微鏡は、試料台7に載置された試料6の走査を行う。図1に示すように、走査型光学顕微鏡は、レーザー光源1、コリメートレンズ2、第1のビームスプリッタ3、第2のビームスプリッタ4、第1対物レンズ5、第1のレンズ8、ピンホール9、第2のレンズ10、ミラー11、位相板12、光合波素子13、結像レンズ14および光検出素子15を備えている。
図1において、レーザー光源1からの出射光は、コリメートレンズ2により平行光に変換された後、第1のビームスプリッタ3を透過する照射光と、第1のビームスプリッタ3を反射する参照光とに分離される。第1のビームスプリッタ3は、コリメートレンズ2からの平行光の一部を透過させ、一部を反射させる。
照射光は、第1対物レンズ5により、試料6に照射され、集光スポットを形成する。
試料6上の集光スポットから反射した信号光は、第2のビームスプリッタ4により反射され、第1のレンズ8により集光され、第1のレンズ8の集光点に配置されたピンホール9を透過し、再び、第2のレンズ10により平行光に変換される。
ピンホール9は、試料6における前記第1対物レンズ5の結像点と光学的に共役な位置に配置され、試料内でのレーザー光の焦点以外からの散乱成分をカットし、画像の解像力とコントラストを大きく向上させる役割を果たす。
さらに、ピンホール9には、集光スポットから反射した信号光の光学的な収差を除去する効果もある。
たとえば、信号光には、第1対物レンズ5や前記第1のレンズ8などの光学部品の、設計公差や製造誤差に伴う収差や、試料6の厚みの違いに伴う球面収差などが発生してしまう場合がある。
この収差成分は、前記ピンホール9に集光された光スポットの周辺部に、光量分布として現れるため、光スポット周辺部の光をカットすることでピンホール9を透過する光の収差を除去し、信号光の波面精度を改善することができる。これにより、信号光の可干渉性を向上させることが可能となる。
一方、第1のビームスプリッタ3を反射した参照光は、位相板12を透過した後、前記第2のレンズ10により平行光に変換された信号光と、光合波素子13により合波される。
この合波された参照光と信号光との干渉光が、結像レンズ14により光検出素子15に導かれる。
ここで、位相板12は、位相の異なる複数の干渉光を生成するよう構成されている。一例として図2に示す構成が好ましい。図2は、本実施の形態における位相板の構成を示す構成図である。図2において、位相板12はa、b、cおよびdの4つの領域に分かれている。図2において、紙面に向かう方向を前記参照光が進む方向とし、eは参照光の光束を示す。参照光の光束のうち、図2のaの領域を透過した光束と、図2のbの領域を透過した光束と、図2のcの領域を透過した光束と、図2のdの領域を透過した光束とは、それぞれ異なる位相を有する。
位相板12は、参照光の光束のうち、図2のbの領域を透過する光束の位相を、aの領域を透過する光束に対し、90度進ませるように構成されている。同様に、位相板12は、図2のc、dの領域を透過する光束の位相を、aの領域を透過する光束に対し、それぞれ270度、180度進ませるように構成されている。
位相板12は、たとえば、硝子のような透明基板表面に、図2におけるa、b、cおよびdの各領域に厚みの異なる透明膜を形成することで作成することができる。
位相板12を透過して生成した位相の異なる複数の干渉光は、光検出素子15で受光され、電気信号を出力する。一例として図3に示す構成が好ましい。図3は、本実施の形態における光検出素子15および信号処理装置の構成を示す構成図である。図3におけるeは、図1における前記結像レンズ14により集光された参照光と信号光の干渉光の光束である。図3の光検出素子15は、図2における前記位相板12のa、b、cおよびdの4つの領域を透過した参照光が、それぞれ、図3における第1受光面16、第2受光面17、第3受光面18、および、第4受光面19に独立して受光される。
前記光検出素子15は、たとえば、以下のように調整する。図1におけるレーザー光源1を発光させ、遮光板を用いて、ミラー11からの反射光をすべて遮光し、参照光のみを光検出素子15に入射させる。次に、図2における位相板12のbおよびdの領域を、遮光板を用いて遮光し、第2受光面17、第4受光面19からの信号出力がそれぞれ最大となり、第1受光面16、第3受光面18からの信号出力がそれぞれ最小となるように、光検出素子15の位置調整を行う。光検出素子の位置調整は、参照光の光軸に対し、水平方向、垂直方向、回転方向、および、光軸方向に行う。最後に、前記位相板12のbおよびdの領域に配置した遮光版を取り外せば、調整が完了する。なお、位相板12のbおよびdの領域の代わりに、位相板12のaおよびcの領域を遮光し、同様な調整を行っても良い。
以上により、低反射率の試料であっても大きな電気信号振幅を得ることができ、反射率の少ない試料の反射像を高感度に検出することが可能となる。
また、信号光や参照光の位相が変化した場合でも、安定して確実に一定の信号を得ることができる。
具体的には、以下のメカニズムによる。
さて、図1における前記光合波素子13に入射する参照光の強度をIr、第2のレンズ10により平行光に変換された前記信号光の強度をIsとする。図3における光検出素子15の、それぞれの受光面に入射する干渉光の強度をI、I、I、Iとし、それぞれ式で表すと次式となる。
Figure 0006358577
ここで、φはIの干渉光の位相であり、信号光と参照光の光源からの光路長差により決定される。また、ここでは簡単のために、レーザー光は完全コヒーレンスであることを仮定している。また、光合波素子の分岐比は1:1としている。
簡単のため、前記光検出素子15の各受光面の量子効率を1とし、第1の信号演算装置20、および、第2の信号演算装置21の増幅率を1とする。
第1の信号演算装置は、第1受光面16と、第3受光面18からのからの電気信号の差分Sig1を出力し、第2の信号演算装置は、第4受光面19と、第2受光面17からのからの電気信号の差分Sig2を出力するので、式(1)〜式(4)より、前記第1の信号演算装置20、および、前記第2の信号演算装置21からの出力はそれぞれ、式(5)、および、式(6)となる。
Figure 0006358577
第3の信号演算装置22は、前記第1の信号演算装置20、および、前記第2の信号演算装置21からの二乗和平方根を出力する装置であり、式(5)、式(6)より、その出力Sig3は式(7)となる。
Figure 0006358577
ところで、従来の共焦点顕微鏡の場合は、前記信号光のみが光検出素子に受光され、前記参照光が無い場合と等価であり、この場合の電気信号出力Sig0は、Isとなる。
したがって、本実施例における走査型光学顕微鏡により増幅される信号光の電気信号の増幅率Sig3/Sig0は式(8)となる。
Figure 0006358577
たとえば、式(8)においてIr=1とする。試料の反射率をRとすると、式(8)におけるIs=R/4となり、式(8)は、式(9)となる。
Figure 0006358577
たとえば、試料の反射率が0.01%の場合、R=0.0001であるため、式(9)より、増幅率は100倍となる。したがって、本実施の形態の走査型光学顕微鏡は従来の走査型光学顕微鏡の100倍の電気信号振幅を得ることができるため、このような低反射率の試料であっても反射率の少ない試料の反射像を高感度に検出することが可能となる。
また、式(1)〜式(6)における位相φは信号光と参照光の光路長差により決定されることは、既に前述した通りである。しかしながら、この光路長差はビームスポットの走査や、振動、光学系の温度変化などにより変動してしまうという課題があった。
ところが、式(7)の演算により、前記位相φのパラーメータがキャンセルされるため、前記信号光や、前記参照光の位相が変化した場合でも、安定して確実に一定の信号を得ることができる。
試料の反射像の取得は、たとえば、図示しない走査装置を用い、試料台7を水平方向に動かしながら、前記第3の信号演算装置22の電気信号を取得することで行われる。
さらに、図示しない画像処理装置により試料の像を合成し、最終的にはTVモニター等の画像出力装置に供給されて、試料の顕微画像が表示される。
また、図示しない、試料の高さ調整装置を用いて、前記試料6を上下方向に走査することにより、前記試料6の立体的な像を得ることも可能である。スポット走査装置は、ガルバノスキャナ、音響光学素子、または、電気光学素子であっても構わない。
照射光の光軸傾きを変えることで、試料上の微小スポットの位置を2次元方向に走査し、試料の画像情報を得ても構わない。
本実施の形態において、光源としてレーザー光を用いたが、これに限定されるものではなく、たとえば、光源として電球、スーパールミネッセントダイオード、発光ダイオード、ハロゲンランプや、赤外光を発する光源であっても良い。
また、本実施の形態において、前記位相板12は前記参照光の光路中に配置されたが、前記位相板12を、前記信号光の光路中であって、光合波素子13により合波される前の光路中に配置しても良い。
さらに、本実施の形態においては、前記ピンホール9により、焦点位置以外の信号光をカットしたが、これに限定されるものではなく、たとえば、前記ピンホール9の代わりにスリットを配置する構成、または、光ファイバを配置し、焦点位置以外の信号光をカットする構成としても良い。
なお、本実施の形態における、走査型光学顕微鏡は、正立型の顕微鏡構成を有しているが、生物顕微鏡のように倒立型の構成であってもよい。
また、位相板12は、図2のaの領域を透過する光束と、b、cおよびdの領域を透過する光束は位相がそれぞれ、90度、270度、および、180度進む構成としたが、これに限られるものではない。たとえば、図2のaの領域を透過する光束の位相に対し、b、cおよびdの領域を透過する光束の位相は、それぞれ、90度、270度、および、180度遅れる構成としてもよい。
さらに、図2では、位相板12の分割数を4つとしていたが、これに限定されるものではなく、複数個あってもよい。
また、光検出素子15の受光面は少なくとも4つの受光面を有していればよく、位相板12の分割数に合わせて複数個の受光面を有していても良い。
なお、位相板12、または、光検出素子15の境界部に遮光領域を設け、境界線上付近の干渉光をカットしても構わない。位相板の分割部分の境界が連続している場合、隣接する干渉光が光検出素子15の隣接する受光面に入射すると、信号のクロストークが発生する可能性がある。位相板12、または、光検出素子15の境界部に遮光領域を設ければ、信号のクロストークを低減することができる。
(実施の形態1の変形例)
なお、本実施の形態における、走査型光学顕微鏡においては、試料からの反射光により試料の像を得ているが、これに限定されるものではなく、たとえば、一般的に用いられる生物用の顕微鏡のように、試料の透過光より試料の透過像を得る、透過型の走査型光学顕微鏡であってもよい。
具体的な透過型の走査型光学顕微鏡構成例を図4に示す。図4は、本変形例における走査型光学顕微鏡の光学系全体を示す構成図である。
同図に示すように、試料6上の前記集光スポットに集光した信号光は、試料6を透過し、第2対物レンズ205で平行光に変換され、再び、第1のレンズ8により集光され、第1のレンズ8の集光点に配置されたピンホール9を透過し、再び、第2のレンズ10により平行光に変換される。
図示しないアクチュエータにより、第1対物レンズ5または第2対物レンズ205を、第1対物レンズ5または第2対物レンズ205の光軸方向に駆動しても構わない。
これにより、たとえば、前記試料6上の微小スポットを、前記第1対物レンズ5または前記第2対物レンズ205のアクチュエータにて光軸方向に走査しながら、試料の反射率、または、透過率を検出することで、試料を静止させたままで、試料の高さ方向の像を合成することが可能となる。
第2のレンズ10により平行光に変換された信号光は、参照光と光合波素子13により合波され、図1と同様に、信号光と前記参照光の干渉光が光検出素子15にて受光される。
さらに、図1と、図4の光学系を組み合わせて、反射像と透過像を得、信号処理により2つの像を合成した像を得る構成としてもよい。
(実施の形態2)
図5は、本開示の実施の形態2における走査型光学顕微鏡の一例を示す構成図である。図5に示すように、本実施の形態の走査型光学顕微鏡は、実施の形態1のレーザー光源1、コリメートレンズ2、第1のビームスプリッタ3、第1対物レンズ5、第1のレンズ8、ピンホール9、第2のレンズ10、ミラー11、位相板12、光合波素子13、結像レンズ14および光検出素子15(第2のビームスプリッタ4以外の構成)を備えている。さらに、本実施の形態の走査型光学顕微鏡は、第1の偏光ビームスプリッタ23と、1/4波長板24と、1/2波長板25と、第1の偏向ミラー37と、第2の偏向ミラー38とを備えている。
図5の構成は、図1とは異なり、回転軸方向がそれぞれ直交する、第1の偏向ミラー37、および、第2の偏向ミラー38を用い、照射光の光軸に直交する2方向について光を走査することで、第1対物レンズ5の集光スポット位置を2次元的に走査し、試料6の反射像を得る構成を有している。
また、第1の偏光ビームスプリッタ23と、1/4波長板24を配置することで、信号光がレーザー光源に戻らない、光アイソレータ光学系を構成している。
すなわち、前記第1の偏光ビームスプリッタ23は、レーザー光源1と同じ偏光状態の光に対しては透過率が高く、レーザー光源1と直行する偏光状態の光に対しては反射率が高くなるように配置されており、1/4波長板24を往復した信号光は90度偏光方向が変わり、レーザー側に戻らず、ピンホール側に反射されるため、図1の構成と比較し、光の伝達効率を向上させることができる。
ただし、偏光方向が直行する光では干渉が起こらないため、1/2波長板25を配置することにより、光合波素子13に入射する前に信号光の偏光方向をさらに90度回転させ、参照光と同じ偏光状態に戻している。
なお、本実施の形態において、レーザービームの走査は、偏向ミラーを駆動させて行ったが、これに限定されるものではなく、光走査を高速に行うことができ、試料の反射像および透過像を高速に取得できるものであればよい。
たとえば、レーザービームを走査する素子として、音響光学光偏向素子や、電気光学光偏向素子、ポリゴンミラー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)アクチュエータなどを用いてもよい。
その他については、本開示の実施の形態1と同様である。
(実施の形態3)
図6は、本開示の実施の形態3における走査型光学顕微鏡の一例を示す構成図である。図6に示すように、本実施の形態の走査型光学顕微鏡は、実施の形態2のレーザー光源1、コリメートレンズ2、第1のビームスプリッタ3、第1対物レンズ5、第1のレンズ8、ピンホール9、第2のレンズ10、ミラー11、光合波素子13、第1の偏光ビームスプリッタ23、1/4波長板24および1/2波長板25を備えている。言い換えると、本実施の形態の走査型光学顕微鏡は、実施の形態2の構成要素のうち、位相板12、結像レンズ14、光検出素子15、第1の偏向ミラー37および第2の偏向ミラー38以外の構成を備えている。さらに、本実施の形態の走査型光学顕微鏡は、1/4波長板26と、第2の偏光ビームスプリッタ27と、第3の偏光ビームスプリッタ28と、第1受光素子29と、第2受光素子30と、第3受光素子31と、第4受光素子32とを備えている。
実施の形態1では、位相板12を用いることで、式(1)〜式(4)に示す90度ずつ位相の異なる4つの干渉光を生成したが、本実施の形態においては、偏光ビームスプリッタと波長板を組み合わせることにより、前記90度ずつ位相の異なる4つの干渉光を生成する構成となっている。以下、図6を用いて、本開示の実施の形態3における走査型光学顕微鏡の動作について説明を行う。
図6において、レーザー光源1からの出射光は、コリメートレンズ2により平行光に変換された後、第1のビームスプリッタ3を透過する照射光と、前記第1のビームスプリッタ3を反射する参照光とに分離される。
前記照射光は、第1対物レンズ5により、試料6に照射され、集光スポットを形成する。
前記試料6上の前記集光スポットから反射した信号光は、第1の偏光ビームスプリッタ23により反射され、第1のレンズ8により集光され、前記集光点に配置されたピンホール9を透過し、再び、第2のレンズ10により平行光に変換される。
ここで、第1の偏光ビームスプリッタ23はレーザー光源1と同じ偏光方向の光を透過し、レーザー光源1と直行する偏光方向の光を反射する機能を有している。
1/4波長板24の結晶軸は、レーザー光源1の偏光方向と45度傾くように配置されている。1/4波長板24から出力された信号光は、1/4波長板に入射するレーザー光源1からの出射光に対して、偏光方向が90度回転する。1/4波長板から出力された信号光は、第1の偏光ビームスプリッタ23により反射される。
第2のレンズ10により平行光に変換された信号光と、前記参照光は光合波素子13で合波され、さらに、合波された光束は、1/2波長板25に向かう第1の光束と、1/4波長板26に向かう第2の光束とに分離される。
前記第1の光束、および、前記第2の光束は、それぞれ、前記参照光と前記信号光の合成であるが、参照光と信号光は直行しているため干渉は発生しておらず、前記1/2波長板25と、前記1/4波長板26により、前記第1、および、前記第2の光束の偏光方向を回転させ、第2の偏光ビームスプリッタ27、および、第3の偏光ビームスプリッタ28で、前記第1、および、前記第2の光束をそれぞれ偏光分離することで、前記、位相の異なる4つの干渉光を生成する。
以下、図6、および、数式を用いてこの原理を説明する。
図6において、紙面に向かう方向を−y方向とする。
前記第1、および、前記第2の光束において、y方向、および、それぞれの光束の光軸方向と直行する方向をx方向とする。
図6において、前記第1、および、前記第2の光束が、x方向に電界振幅1/2Esの信号光のみ、y方向に電界振幅1/2Erの参照光成分のみを持つように光学系を配置し、また、光合波素子13の分岐比を1:1とすると、前記第1、および、前記第2の光束の電界ベクトルは、何れも、次式で表される。
Figure 0006358577
ここで、Exは、電界ベクトルのx成分、Eyは電界ベクトルのy成分である。
まず、前記第1の光束について考える。1/2波長板25は、y軸に対し、結晶軸が22.5度傾いた状態で配置してあり、前記1/2波長板25を透過した前記第1の光束の電界ベクトルは、式(11)に示す、ジョーンズ行列式を解くことで得られる。
Figure 0006358577
x方向、および、y方向の光強度は、電界ベクトルの2乗に比例するため、式(11)より電界成分Ex,Eyの絶対値の2乗を計算すると、式(12)、および、式(13)となる。
Figure 0006358577
ここで、φは式(12)の干渉光の位相であり、信号光と参照光の光源からの光路長差により決定される。
同様に、前記第2の光束について考える。1/4波長板26は、y軸に対し、結晶軸が45度傾いた状態で配置してあり、前記1/4波長板26を透過した前記第2の光束の電界ベクトルは、式(14)に示すジョーンズ行列式を解くことで得られる。
Figure 0006358577
ここで、iは虚数単位であり、i×i=−1である。
x方向、および、y方向の光強度は、電界ベクトルの2乗に比例するため、式(11)より電界成分Ex,Eyの絶対値の2乗を計算すると、式(15)、および、式(16)となる。
Figure 0006358577
式(12)、および、式(15)はx方向成分の偏光を持つ干渉光であり、また、式(13)、および、式(16)はy方向成分の偏光を持つ干渉光であるため、図6において、たとえば、x方向の偏光を持つ光を透過し、y方向の偏光を持つ光を反射する偏光ビームスプリッタを用いることで、それぞれの干渉光を分離できる。
具体的には、図6に示すように、第2の偏光ビームスプリッタ27、および、第3の偏光ビームスプリッタ28により4つの光に分離し、第1受光素子29、第2受光素子30、第3受光素子31、および、第4受光素子32で4つの光を受光する。
電界振幅の二乗は光強度に比例するが、簡単のため比例定数を1とし、Er=Ir,Es=Isと置くと、結局、式(12)、式(13)、式(15)、式(16)は式(1)、式(2)、式(3)、式(4)と同じ次式となる。
Figure 0006358577
したがって、第1受光素子29、第2受光素子30、第3受光素子31、および第4受光素子32の出力信号を、実施の形態1と同様に処理することで、反射率の少ない試料の反射像を高感度に検出することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、前記第1、および、前記第2の光束をそれぞれ偏光分離するために、第2の偏光ビームスプリッタ27、および、第3の偏光ビームスプリッタ28を用いたが、偏光方向の異なる光を分離できる光学素子、たとえば、回折格子や、プリズムなどを用いても良い。
(実施の形態3の変形例)
なお、本実施の形態3における、走査型光学顕微鏡においては、試料からの反射光により試料の像を得ているが、これに限定されるものではなく、第1の実施の形態と同様、試料の透過光より試料の透過像を得る、透過型の走査型光学顕微鏡であってもよい。
具体的な構成例として、図7に、透過型の走査型光学顕微鏡構成を示す。図7は、本実施の形態における走査型光学顕微鏡の光学系全体を示す構成図である。
同図において、前記試料6上の前記集光スポットに集光した信号光は、前記試料6を透過し、第2対物レンズ205で平行光に変換され、再び、第1のレンズ8により集光され、前記第1のレンズ8の集光点に配置されたピンホール9を透過し、再び、第2のレンズ10により平行光に変換される。
前記第2のレンズ10により平行光に変換された前記信号光は、参照光と光合波素子13により合波され、合波された光は、2つの光束に分離され、図6と同じ原理にて、第1受光素子29、第2受光素子30、第3受光素子31、および第4受光素子32から得られた信号を処理することで、試料6の透過像の画像情報を得ることができる。
また、本実施の形態においては、試料の像の取得は、たとえば、図示しない走査装置を用い、試料台7を水平方向に動かしながら、第3の信号演算装置22の電気信号を取得することで行われるが、これに限られるものではない。例えば、図8に示すように、回転軸方向がそれぞれ直交する、第1の偏向ミラー37、および、第2の偏向ミラー38を用い、照射光の光軸に直交する2方向について光を走査することで、第1対物レンズ5の集光スポット位置を2次元的に走査し、試料6の反射像を得る構成としてもよい。図8は、本実施の形態の変形例における走査型光学顕微鏡の光学系全体を示す構成図である。
その他については、本開示の実施の形態1、および、実施の形態2と同様である。
(実施の形態4)
図9は、本開示の実施の形態4における走査型光学顕微鏡の一例を示す構成図である。図9に示すように、本実施の形態の走査型光学顕微鏡は、レーザー光源1、コリメートレンズ2、第1対物レンズ5、第1のレンズ8、ピンホール9、第1の偏光ビームスプリッタ23、1/4波長板24、1/2波長板25、1/4波長板26、第2の偏光ビームスプリッタ27、第3の偏光ビームスプリッタ28、第1受光素子29、第2受光素子30、第3受光素子31、第4受光素子32、1/2波長板33、反射ミラー34および1/4波長板35を備えている。
実施の形態3の干渉光学系は、マッハツェンダー型の干渉計を適用した光学構成を有しているが、実施の形態3とは異なり、図9においては、マイケルソン型の干渉計を基本にした構成を示す。
以下、図9を用いて、本実施の形態について説明を行う。
図6においては、第1のビームスプリッタ3により、第2の参照光を得ているが、図9においては、図6とは参照光の分離の方法が異なる。
レーザー光源1から出射した光は、1/2波長板33により、偏光方向を45度傾いた状態に変換され、レーザー光源1と同じ偏光方向成分の光は、第1の偏光ビームスプリッタ23を透過し、レーザー光源1と直行する偏光方向成分の光は、第1の偏光ビームスプリッタ23を反射する。
ここで、第1の偏光ビームスプリッタ23はレーザー光源1と同じ偏光方向の光を透過し、レーザー光源1と直行する偏光方向の光を反射する機能を有している。
第1の偏光ビームスプリッタ23により反射された光は参照光となり、反射ミラー34で反射し、第1の偏光ビームスプリッタ23に、参照光として再び入射する。
第1の偏光ビームスプリッタ23を透過した光は第1対物レンズ5により試料6に集光され、その反射光を前記第1対物レンズ5で受光し、信号光として前記第1の偏光ビームスプリッタ23に再び入射する。
前記信号光、および、前記参照光は1/4波長板35、および、1/4波長板24を往復することで90度偏光方向が変えられ、前記信号光は、前記第1の偏光ビームスプリッタ23を反射し、前記反射ミラー34で反射した前記参照光は、前記第1の偏光ビームスプリッタ23を透過する。
前記第1の偏光ビームスプリッタ23より出射された、前記参照光と前記信号光は、第1のレンズ8により集光され、前記集光点に配置されたピンホール9を透過した後、結像レンズ36を透過して、光分岐素子213に入射する。
光分岐素子213を透過、または、反射した光束の振る舞いは、実施の形態3と同じであり、図6と同じ光学系、および、同じ原理にて、試料6の反射像を取得することができる。
本実施の形態において、図9のように、参照光もピンホール9を通す構成とすることにより、参照光が持つ収差差成分やノイズ光を前記ピンホール9で除去することができるため、参照光の干渉性をさらに向上させることができる。
なお、図8と同様に、図10に示すような走査光学系を追加してもよい。図10は、本実施の形態の変形例における走査型光学顕微鏡の光学系全体を示す構成図である。
その他については、本開示の実施の形態1〜実施の形態3と同様である。
以上、複数の態様に係る走査型光学顕微鏡について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
本開示の走査型光学顕微鏡は、信号光に参照光を干渉させることで、信号光を増幅し、高感度に信号検出を行うことができるため、反射率や透過率の少ない試料や、生体細胞のように、強い測定光を照射できない試料からの微弱な信号光を高感度に取得したい用途、例えば、医療用の細胞診断や、生体試料などの観察を行うための走査型光学顕微鏡として有用である。
1 レーザー光源
2 コリメートレンズ
3 第1のビームスプリッタ
4 第2のビームスプリッタ
5 第1対物レンズ
6 試料
7 試料台
8 第1のレンズ
9 ピンホール
10 第2のレンズ
11 ミラー
12 位相板
13 光合波素子
14 結像レンズ
15 光検出素子
16 第1受光面
17 第2受光面
18 第3受光面
19 第4受光面
20 第1の信号演算装置
21 第2の信号演算装置
22 第3の信号演算装置
23 第1の偏光ビームスプリッタ
24 1/4波長板
25 1/2波長板
26 1/4波長板
27 第2の偏光ビームスプリッタ
28 第3の偏光ビームスプリッタ
29 第1受光素子
30 第2受光素子
31 第3受光素子
32 第4受光素子
33 1/2波長板
34 反射ミラー
35 1/4波長板
36 結像レンズ
37 第1の偏向ミラー
38 第2の偏向ミラー
101 レーザー光源
102 コリメートレンズ
103 ビームスプリッタ
104 走査ユニット
105 ミラー
106 ミラー
107 リレーレンズ
108 対物レンズ
109 試料
110 試料ステージ
111 検出器レンズ
112 ピンホール
113 光検出器
114 情報処理装置
115 回転制御装置
205 第2対物レンズ
213 光分岐素子

Claims (14)

  1. 光源と、
    前記光源からの出射光を、照射光と参照光とに分岐する第1ビームスプリッタと、
    前記照射光を試料上に集光し、前記集光された光が前記試料で反射された光である信号光を受光する第1対物レンズと、
    前記光源と前記試料との間の光路から前記信号光を分岐する第2ビームスプリッタと、
    前記分岐された信号光の光路中に設けられ、前記第1対物レンズの結像点と光学的に共役な位置に配置されたピンホールと、
    前記分岐された信号光を前記ピンホールに集光する集光レンズと、
    第1の少なくも互いに位相が異なる4つの分割光を含む第1の光を出力する位相板と、
    前記第1の光と第2の光を合波し、第2の少なくとも互いに位相が異なる4つの分割光を含む干渉光を生成する第3ビームスプリッタと、
    前記干渉光を受光し、少なくとも4つの電気信号を出力する光検出素子を含み、
    前記第1の少なくとも4つの分割光と前記第2の少なくとも4つの分割光は対応しており、
    前記少なくとも4つの電気信号の強度と前記第2の少なくとも4つの分割光の強度は対応しており、
    位相板は第1の位相板または第2の位相板であり、
    前記位相板が前記第1の位相板である時は、前記参照光が前記第1の位相板に入力され、前記第2の光は前記ピンホールを透過した前記信号光であり、
    前記位相板が前記第2の位相板であるときは、前記ピンホールを透過した前記信号光が前記第2の位相板に入力され、前記第2の光は前記参照光である、
    走査型光学顕微鏡。
  2. 前記第1の少なくも互いに位相が異なる4つの分割光は、
    i)第1分割域を透過した第1分割光、ii)第2分割領域を透過し前記第1分割光と位相が90度シフトした第2分割光、iii)第3分割領域を透過し前記第1分割光と位相が180度シフトした第3分割光、iv)第4分割領域を透過し前記第1分割光と位相が270度シフトした第4分割光を含む、
    請求項1に記載の走査型光学顕微鏡。
  3. 前記光検出素子は、i)前記第1分割光に対応する第1干渉光を受光する第1受光面、ii)前記第2分割光に対応する第2干渉光を受光する第2受光面、iii)前記第3分割光に対応する第3干渉光を受光する第3受光面、及びiv)前記第4分割光に対応する第4干渉光を受光する第4受光面を含み、
    前記第2の少なくとも互いに位相が異なる4つの分割光は前記第1干渉光、前記第2干渉光、前記第3干渉光、前記第4干渉光を含む、
    請求項2に記載の走査型光学顕微鏡。
  4. 前記光検出素子は、前記第1受光面、前記第2受光面、前記第3受光面、第4受光面を同一平面に有する、
    請求項3に記載の走査型光学顕微鏡。
  5. 前記1受光面からの出力信号値と前記第3受光面からの出力信号値との差分を得る第1の信号演算器と、
    前記第2受光面からの出力信号値と前記第4受光面からの出力信号値との差分を得る第2の信号演算器と、
    前記第1の信号演算器からの出力信号値と前記第2の信号演算器からの出力信号値との二乗和平方根を出力する第3の信号演算器を含む、
    請求項3に記載の走査型光学顕微鏡。
  6. 光源と、
    前記光源からの出射光を、照射光と参照光とに分岐する第1ビームスプリッタと、
    前記照射光を試料上に集光する第1対物レンズと、
    前記試料上に集光され、前記試料を透過した信号光を受光する第2対物レンズと、
    前記信号光の光路を変更する第2ビームスプリッタと、
    前記光路を変更された信号光の光路中に設けられ、前記第1対物レンズの結像点と光学的に共役な位置に配置されたピンホールと、
    前記光路を変更された信号光を前記ピンホールに集光する集光レンズと、
    第1の少なくとも互いに位相が異なる4つの分割光を含む第1の光を出力する位相板と、
    前記第1の光と第2の光を合波し、第2の少なくとも互いに位相が異なる4つの分割光を含む干渉光を生成する第3ビームスプリッタと、
    前記干渉光を受光し、少なくとも4つ電気信号を出力する光検出素子と、
    前記第1の少なくとも4つの分割光と前記第2の少なくとも4つの分割光は対応しており、
    前記少なくとも4つの電気信号の強度と前記第2の少なくとも4つの分割光の強度は対応しており、
    位相板は第1の位相板または第2の位相板であり、
    前記位相板が前記第1の位相板である時は、前記参照光が前記第1の位相板に入力され、前記第2の光は前記ピンホールを透過した前記信号光であり、
    前記位相板が前記第2の位相板である時は、前記ピンホールを透過した前記信号光が前記第2の位相板に入力され、前記第2の光は前記参照光である、
    走査型光学顕微鏡。
  7. 前記位相板は、
    i)第1分割域を透過した第1分割光、ii)第2分割領域を透過し前記第1分割光と位相が90度シフトした第2分割光、iii)第3分割領域を透過し前記第1分割光と位相が180度シフトした第3分割光、iv)第4分割領域を透過し前記第1分割光と位相が270度シフトした第4分割光に分割して出力する、
    請求項6に記載の走査型光学顕微鏡。
  8. 前記光検出素子は、i)前記第1分割光に対応する第1干渉光を受光する第1受光面、ii)前記第2分割光に対応する第2干渉光を受光する第2受光面、iii)前記第3分割光に対応する第3干渉光を受光する第3受光面、及びiv)前記第4分割光に対応する第4干渉光を受光する第4受光面を含み、
    前記第2の少なくとも互いに位相が異なる4つの分割光は前記第1干渉光、前記第2干渉光、前記第3干渉光、前記第4干渉光を含む、
    請求項7に記載の走査型光学顕微鏡。
  9. 前記光検出素子は、前記第1受光面、前記第2受光面、前記第3受光面、第4受光面を同一平面に有する、
    請求項8に記載の走査型光学顕微鏡。
  10. 前記1受光面からの出力信号値と前記第3受光面からの出力信号値との差分を得る第1の信号演算器と、
    前記第2受光面からの出力信号値と前記第4受光面からの出力信号値との差分を得る第2の信号演算器と、
    前記第1の信号演算器からの出力信号値と前記第2の信号演算器からの出力信号値との二乗和平方根を出力する第3の信号演算器を含む、
    請求項9に記載の走査型光学顕微鏡。
  11. 前記試料上の微小スポットを走査するスポット走査装置を備えた、
    請求項1に記載の走査型光学顕微鏡。
  12. 前記スポット走査装置は電動ステージであり、
    前記試料を前記電動ステージにより、2次元または3次元方向に移動することにより、
    前記試料と前記微小スポットの相対位置を変え、前記試料の画像情報を得る、
    請求項11に記載の走査型光学顕微鏡。
  13. 前記スポット走査装置は、ガルバノスキャナ、または、音響光学素子、または、電気光学素子のいずれかであり、
    前記照射光の光軸傾きを変えることで、前記試料上の前記微小スポットの位置を2次元方向に走査し、前記試料の画像情報を得る、
    請求項11に記載の走査型光学顕微鏡。
  14. 前記光源は、レーザー、または、スーパールミネッセントダイオード、または、発光ダイオード、または、ハロゲンランプである、
    請求項1に記載の走査型光学顕微鏡。
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