JP2001091848A - 走査型光学顕微鏡 - Google Patents

走査型光学顕微鏡

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JP2001091848A
JP2001091848A JP27282699A JP27282699A JP2001091848A JP 2001091848 A JP2001091848 A JP 2001091848A JP 27282699 A JP27282699 A JP 27282699A JP 27282699 A JP27282699 A JP 27282699A JP 2001091848 A JP2001091848 A JP 2001091848A
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light beam
reflecting
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Hisao Osawa
日佐雄 大澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】走査に伴う照明むらを避けることができる走査
ユニットを備えた走査型共焦点顕微鏡を提供する。 【解決手段】走査型共焦点顕微鏡の走査部は、光束を一
方向に沿って偏向する第1の反射鏡611と、第1の反
射鏡611が偏向した光束を前記方向に沿ってさらに偏
向する第2の反射鏡613と、第1および第2の反射鏡
の向きを同期させて回転させる駆動部とを備える。第1
および第2の反射鏡611、613は、第2の反射鏡6
13で偏向された光束の前記回転に伴う偏向の中心位置
Pが、対物レンズの瞳位置と共役な位置に一致するよう
に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型光学顕微
鏡、特に共焦点の走査型光学顕微鏡に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の走査型共焦点顕微鏡を図2
(a)、(b)を用いて落射型の構成で簡単に説明す
る。レーザ光源201からの光は、ビームエキスパンダ
202で必要なビーム径の平行光束となり、ビームスプ
リッタ203を透過し、走査ユニット204に入る。走
査ユニット204は、図3のように、回転軸方向の直交
する1組のミラー204a,204bからなる。これら
のミラー204a,204bを回転駆動源250内のモ
ータで回転させることにより、光軸231に直交する2
方向(x、y方向)について光を走査する。走査ユニッ
ト204を出た平行光束は、走査レンズ210により一
次像面211に結像された後、リレーレンズ212を通
過することにより再び平行光束となり、対物レンズ21
4によって標本215上に結像される。リレーレンズ2
12と対物レンズ214との間に配置されたミラー21
3は単純に光の方向を変化させているだけであり必須の
ものではない。
【0003】標本215上に結像されたレーザービーム
の像は点像となっている。点像の径は、対物レンズ21
4のNAで決まる大きさである。標本215上の点像
(照射領域)からの反射光は、再び対物レンズ214で
集められ、照明光の光路を逆に進み、リレーレンズ21
2で一次像面に結像した後、走査レンズ210で平行光
束となる。その後、走査ユニット204を通り、ビーム
スプリッター203で反射され、検出器レンズ206に
より遮光板207の開口208上に集光される。この開
口208を通過した光のみが光検出器209に到達でき
る。
【0004】ここで、開口208上にできる集光点は、
標本215上での光スポットの像となっているため、標
本215上での光スポットの像は、開口208を通過で
きる。走査ユニット204の走査に同期させて、光検出
器で光信号を検出することにより、標本215の二次元
的な像を得ることができる。このとき、標本215上の
他の点から発生した光は、遮光板207の開口208か
らずれた位置に像を結ぶため、遮光板207により遮ら
れ、光検出器209には、ほとんど到達できない。これ
により、走査型共焦点顕微鏡では、高い横分解能だけで
なく、高い縦分解能(深さ方向分解能)で標本215を
観察できる顕微鏡となる。
【0005】また、このような反射光による観察だけで
はなく、標本215の照明光の照射領域で発生した蛍光
や散乱光についても、遮光板207の開口208を通過
させることにより、光検出器209で捉えることができ
る。なお、透過型顕微鏡の構成の場合には、蛍光,散乱
光,及び透過光の吸収の程度を捉えることができる。
【0006】さらに、走査型共焦点顕微鏡の高い縦分解
能の特徴を利用し、不図示の標本ステージを上下させな
がら、そのつど二次元像を取得していくと、標本215
の三次元的な観察も可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、走査型
共焦点顕微鏡は、走査ユニット204によりレーザー光
を標本215上で走査する構成であるが、走査ユニット
204は、ビームエキスパンダ203と走査レンズ21
0の間のどこに置いてもよいわけではない。なぜなら
ば、上述の構成では、走査レンズ210の光源201側
の焦点位置221が、対物レンズ214の瞳位置220
と共役となるため、図7(b)のように走査レンズ21
0の光源側焦点位置221の像が、対物レンズの瞳位置
220にできているのと等価である。したがって、走査
ユニット204によるレーザー光の走査によって光源側
焦点位置221における光束の通過位置が光軸231に
垂直な方向に移動した場合、図7(b)のように対物レ
ンズ214の瞳位置220でもレーザー光の光路が光軸
に垂直な方向に移動してしまう。これにより、光束の一
部701が、対物レンズ214の瞳の外側を通過するこ
とになり、対物レンズ214より光束の一部701が蹴
られ、広い視野を観察したときなどに照明むら(主に周
辺部で暗くなるシェーディング)が生じてしまう。
【0008】このような照明むらを生じさせないために
は、光源側焦点位置221において光束を光軸231に
垂直な方向に移動させることなく、レーザ光を走査する
配置にする必要がある。これを実現するためには、光源
側焦点位置221と、反射ミラー204a,204bの
反射面の回転中心とを一致させる必要がある。しかしな
がら、1箇所の光源側焦点位置221に、2つの反射ミ
ラー204a,204bの回転中心を同時に配置するこ
とは空間的に不可能である。このため、従来は、 1.もう一つリレー光学系を追加して、対物レンズ21
4の瞳位置220と共役な位置を2箇所設ける構成と
し、それぞれの位置に反射ミラー204a,204bを
配置する、 2.2つの反射ミラー204a,204bをできるだけ
接近させ、図2(a)のように2つの反射ミラー204
a,204bの間に光源側焦点位置221がくるように
配置する、ことで対応していた。しかしながら、1.の
方法では2つの反射ミラー204a,204bの間にリ
レー光学系が必要となるため、その分だけ走査光学系が
大きくなってしまうという問題があり、2.の方法では
影響を小さく抑えているだけであるから、広い視野を得
ようとするなど大きな角度で走査する場合には照明むら
が無視できなくなるという問題があった。
【0009】また、走査ユニット204の反射ミラーに
変えて、光を屈折させる音響光学素子等の光学素子を用
いる場合でも、同じ問題は生じる。
【0010】本発明は、走査に伴う照明むらを避けるこ
とができる走査ユニットを備えた走査型共焦点顕微鏡を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、以下のような走査型共焦点顕微鏡
が提供される。すなわち、光源からの光束を少なくとも
一方向に走査するための走査部と、前記光束を標本上に
集光する対物レンズとを有し、前記走査部は、前記光束
を前記一方向に沿って偏向する第1の反射鏡と、該第1
の反射鏡が偏向した光束を前記一方向に沿ってさらに偏
向する第2の反射鏡と、前記第1および第2の反射鏡の
向きを同期させて回転させる駆動部とを備え、前記第1
および第2の反射鏡は、前記第2の反射鏡で偏向された
光束の前記回転に伴う偏向の中心位置が、前記対物レン
ズの瞳位置と共役な位置に一致するように配置されてい
ることを特徴とする走査型光学顕微鏡である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態の走査型共
焦点顕微鏡について図面を用いて説明する。
【0013】本実施の形態の第1の走査型共焦点顕微鏡
は、図6のような構成であり、レーザ光源201から出
射された光を、標本215上で走査させるための走査ユ
ニット601の構成と、この走査ユニット601と走査
レンズ210との位置関係に特徴がある。まず、図6の
走査型共焦点顕微鏡の全体の構成について説明する。光
軸231上には、レーザー光源201、ビームエキスパ
ンダ202、ビームスプリッタ203、走査ユニット6
01、走査レンズ210、リレーレンズ212、ミラー
213、対物レンズ214が順に配置されている。ま
た、ビームスプリッタ203により、光軸231から分
離された光軸232上には、ビームスプリッタ203側
から順に検出器レンズ206、遮光板207、光検出器
209が配置されている。光検出器209および走査ユ
ニット601には、データ処理装置205が接続されて
いる。
【0014】走査ユニット601は、本実施の形態では
x方向走査鏡として2枚の反射鏡611、613を備
え、y方向走査鏡として反射鏡612を備えている。こ
れら3枚の反射鏡611、612、613は、図1
(a),(b)のように、光が反射鏡611、612、
613の順に反射されるように、反射鏡611、613
を反射鏡612に向かい合わせに配置している。反射鏡
611、613にはそれぞれ、入射してきた光を、光軸
231に垂直なx方向に偏向するための回転軸621、
622が取り付けられている。また、反射鏡612に
は、入射してきた光を、光軸231とx方向とに垂直な
y方向に偏向するための回転軸622が取り付けられて
いる。回転軸621、622、623には、これらを回
転させるモータ等を有する駆動源650が取り付けられ
ている。駆動源650は、データ処理装置205に接続
され、回転動作を制御される。本実施の形態では、デー
タ処理装置205は、反射鏡611および613の回転
軸621、622を同期させて同位相で回転させるよう
に駆動源650を制御する。これにより、反射鏡611
でx方向に偏向された光を、反射鏡613でさらにx方
向に偏向する構成である。
【0015】このように、x走査鏡である反射鏡61
1、613により、2段階に分けてx方向へ偏向する構
成にすることにより、光束のx方向の偏向の中心(回転
中心)を、反射鏡611、613の間の点P(図1
(b))に位置するさせることができる。この原理につ
いては、後で詳しく説明する。この点Pを利用し、点P
が、y走査鏡である反射鏡612の反射面の回転軸62
2上に位置するように、反射鏡612を配置している。
これにより、x方向の偏向の中心とy方向の偏向の中心
とを点Pに一致させることができる。さらに、本実施の
形態では、点Pが、走査レンズ210の光源側焦点位置
221に一致するように走査ユニット601が、配置し
ている。これにより、x方向の偏向の中心とY方向の偏
向の中心とを、光源側焦点位置221に一致させた配置
するにすることができる。
【0016】このような構成において、レーザ光源20
1から出射された光は、ビームエキスパンダ202で必
要なビーム径の平行光束にされ、ビームスプリッタ20
3を透過する。その後、走査ユニット601で、回転駆
動源650により反射面の向きが制御されている反射鏡
611、612、613により反射される。このとき光
束は、反射鏡611で反射されることにより、光軸21
3に対してx方向に偏向され、反射鏡612で反射され
ることにより、光軸213に対してy方向に偏向され、
反射鏡613で反射されることにより、光軸213に対
してx方向にさらに偏向される。これにより、光軸23
1に直交する2方向(x、y方向)について任意の走査
角で走査される。
【0017】走査ユニット601を出た平行光束は、走
査レンズ210により一次像面211に結像された後、
リレーレンズ212を通過することにより再び平行光束
となる。そして、対物レンズ214によって標本215
上に結像され、標本215上の点を照明する。リレーレ
ンズ212と対物レンズ214との間に配置されたミラ
ー213は、単に光の方向を変化させているだけであ
る。
【0018】このとき、上述のように走査ユニット60
1では、図7(a)のように光束のx方向の偏向の回転
中心Pが、光束のy方向への偏向の中心と一致してお
り、さらに、点Pは、走査レンズ210の光源側焦点位
置221に一致している。したがって、光源側焦点位置
221における光束の通過位置は、走査ユニット204
におけるxy方向への走査角の大きさに関わらず常に一
定の位置となる。走査レンズ210の光源側焦点位置2
21は、図6の光学系では対物レンズ214の瞳位置2
20と共役であるため、対物レンズ214の瞳位置22
0においても光束の通過位置は常に一定となる。したが
って、走査ユニット601により、光束を大きな走査角
で走査しても、図7(a)のように対物レンズ214の
瞳にはすべての光束を入射させることができ、対物レン
ズ214で光束が蹴られる現象が生じることなく、照明
むらは生じない。
【0019】また、標本215から反射光は、従来と同
様に、再び対物レンズ214で集められ、照明光の光路
を逆に進み、リレーレンズ212で一次像面に結像した
後、走査レンズ210で平行光束となる。その後、走査
ユニット601を照明光とは逆の光路で通り、ビームス
プリッター203で反射され、検出器レンズ206によ
り遮光板207の開口208上に集光される。この開口
208を通過した光のみが光検出器209に到達でき
る。開口208上にできる集光点は、標本215上での
光スポットの像であるため、データ処理装置205が、
走査ユニット204の走査に同期させて、光検出器20
9の出力を取得することにより、標本215の二次元的
な像を得ることができる。また、標本215の反射光で
はなく、蛍光の二次元像を得たい場合には、遮光板20
7の開口208を蛍光の集光点に配置することより、蛍
光の像を得ることができる。
【0020】つぎに、上述の走査ユニット601におい
て、x方向の偏向の回転中心が、反射鏡611、613
の間の点Pになる原理について説明する。
【0021】まず、この原理を反射鏡611、613を
図4のように、向かい合わせに配置した場合で説明す
る。反射鏡611の回転軸621と反射鏡611の回転
軸623とは平行に設定されている。反射鏡611は反
時計回りに予め定めた回転角(最大振れ角Θ、−Θ)範
囲で走査され、反射鏡613は時計回りに予め定めた回
転角(最大振れ角Φ、−Φ)範囲で走査されている。こ
のとき、反射鏡611と反射鏡613の走査周期は、同
一の周期で、逆位相である。
【0022】この配置において、反射鏡611に光路4
00に沿ってレーザー光束を入射させると、反射鏡61
1で反射され、光路401に沿って反射鏡613の方向
へ向かう。そして、反射鏡613でさらに反射され、光
路402の方向に進む。つぎに、反射鏡611が角度θ
だけ反時計方向に回転したとすると、反射鏡611で反
射されたレーザー光の光路403は、光路401よりも
角度2θだけ反時計方向に回転し、反射鏡613が回転
していなければ反射鏡613で反射されたレーザー光の
光路404は、光路402に対して時計方向に角度2θ
だけ回転する。また、反射鏡613が、角度φだけ時計
方向に回転した場合には、反射鏡613で反射されたレ
ーザー光の光路404は、さらに2φだけ時計方向に回
転することになるため、反射鏡613で反射されたレー
ザー光の光路404は、光路402に対して時計方向に
2(φ+θ)だけ回転することになる。
【0023】光路402から光路404への回転の様子
は、出射されたレーザー光から見ると、あたかも図4の
点P’の位置を中心としてレーザー光が回転させられて
いるかのように見える。厳密には反射鏡611,613
の回転に伴って点P’の位置もわずかに動くのである
が、光束402と光束404との角度が±24度となる
ような非常に大きな角度の走査を行う場合(例えばΦ=
Θ=6度の場合)でも、点P’の位置の移動量は、回転
軸623、621間の距離Lに対して、わずか1%程度
であるため、事実上動かないとみなせる。この点P’の
位置は、図4のように反射鏡611と反射鏡613との
間の点Pの位置と等価である。点Pの位置は、反射鏡6
11や反射鏡613とは空間的に離れた位置であるか
ら、この点Pにy方向走査鏡である反射鏡612の回転
軸622を配置することが可能である。これにより、x
方向の偏向の中心とy方向の偏向の中心を一致させるこ
とができる。また、点Pの位置に、走査レンズ210の
光源側焦点位置221を一致させることにより、光源側
焦点位置221に、x方向の偏向中心とy方向の偏向中
心の両方を一致させることができるのである。
【0024】Pの位置は、上述のように反射鏡611、
613の走査の同期が逆位相である場合には、点Pの位
置は、反射鏡613の回転軸623から反射鏡611寄
りの LΘ/(Φ−Θ)=L|Θ|/(|Φ|+|Θ|) の位置になる。よって、点Pと反射鏡613との距離
は、距離Lよりも小さくなり、点Pは、反射鏡613と
反射鏡611との間に存在する。
【0025】一方、反射鏡611、613の走査の同期
が同位相である場合には、点Pの位置は、反射鏡613
の回転軸623から反射鏡611寄りの LΘ/(Φ−Θ)=L|Θ|/(|Φ|−|Θ|) の位置になる。よって、点Pと反射鏡613との距離
は、距離Lよりも大きくなり、点Pは、反射鏡611よ
りも光源側の位置になる。なお、反射鏡611、613
の走査の同期が同位相でΘ=Φの場合には、点Pが無限
遠の位置になり、光束の走査ができなくなるため、利用
できない。
【0026】また、反射鏡611、613の走査の周期
が同期していない場合には、点Pの位置が走査に伴って
動いてしまうため、利用できない。
【0027】また、走査ユニット601を小型にすると
いう観点からは、反射鏡611、613間に反射鏡61
2が配置される方が望ましいため、図4の配置では逆位
相が望ましい。この場合、反射鏡611と反射鏡613
との間の点Pに反射鏡612を配置すると、反射鏡61
2で光路が偏向されるようにするために、反射鏡611
と反射鏡613の反射面が反射鏡612の方を向くよう
に回転軸621、623を傾ける必要がある。反射鏡6
11、613を完全に反射鏡612の方に向け、向かい
合わせにした配置が、上述の図1(a),(b)の走査
ユニットの配置である。この配置の場合、回転軸62
1、623が図1(b)のように同一軸上に位置するた
め、図4の逆位相と同じ効果を得るために、反射鏡61
1と反射鏡612とを同位相で走査させることになる。
反射鏡612の位置は、反射鏡611の振幅Θおよび反
射鏡613の振幅Φにより、反射鏡611、613間の
光路を、Φ:Θで内分する位置である。
【0028】データ処理装置205は、反射鏡611、
613を予め定められた回転角Θ〜−Θ、Φ〜−Φの範
囲で同位相で同期させて回転させるようにそれぞれの回
転駆動源650を制御する。ΘおよびΦは、必要なx方
向の最大走査角=Θ+Φとなるように定められており、
Θ=Φに設定することもできる。また、データ処理装置
205は、反射鏡612の最大振れ角Ψは、Θ、Φに対
して任意でよいが、本実施の形態では、標本215上の
観察視野を正方形にするために、Ψ=Θ+Φとし、x方
向の最大走査角とY方向の最大走査角とを同じにした。
【0029】このように、第1の実施の形態の走査型共
焦点顕微鏡では、走査ユニット601として、図1
(a),(b)に示した構成のものを用いることによ
り、x方向の偏向の中心と、y方向の偏向の中心とを一
致させることができ、これらの偏向の中心を走査レンズ
210の光源側焦点位置に配置することができる。これ
により、対物レンズ220の瞳位置を通過する光束が光
軸231に垂直な方向に移動せず、照明むらの生じない
走査型共焦点顕微鏡を得ることができる。また、走査ユ
ニット601は、反射鏡を3枚用いるだけの簡単な構成
であり、小型化が可能であるため、小型な走査ユニット
601を備えた走査型共焦点顕微鏡を提供できる。
【0030】なお、走査ユニット601のy方向走査鏡
である反射鏡612に代えて、音響光学素子等の光透過
性の光偏向素子を用いることもできる。この場合、図4
の点Pに光透過性の光偏向素子を配置すればよく、反射
鏡611、613の配置は図4のそのままでよい。
【0031】つぎに、第2の実施の形態の走査型共焦点
顕微鏡について説明する。本実施の形態では、走査型ユ
ニット601として図5に示した構成のものを用いる。
他の構成は、第1の実施の形態の図6の構成と同じであ
るので説明を省略する。
【0032】図5の走査ユニットは、図1(a),
(b)の走査ユニット601の反射鏡611と反射鏡6
13とを連結し、1枚の反射鏡501とした構成であ
る。第1の実施の形態の図1(a),(b)の走査ユニ
ット601において反射鏡611と反射鏡613は、そ
れぞれ振れ幅Θ、Φで同位相で同期して回転駆動される
のであるから、両者を連結することにより、Θ=Φに設
定した場合と同様の作用を得ることができる。
【0033】また、図5の走査ユニットの反射鏡501
では、光束が2回反射され、反射鏡612は、反射鏡5
01の2つの反射点の間の光路の中点に配置される。走
査レンズ210の光源側焦点位置221も、この点Pに
一致させる。
【0034】また、図5の走査ユニットでは、x方向の
偏向のための反射鏡が、反射鏡501の1枚であるた
め、x方向の偏向のための回転軸が回転軸621の一つ
ですみ、回転駆動源650のx方向の偏向用モータも一
つになり、構成がより簡単になるという利点もある。ま
た、これにより、データ処理装置205は、制御する回
転駆動源650のモータの数が減るため、制御が簡単に
なる。
【0035】なお、反射鏡501の反射面は、必ずしも
全面である必要はなく、光束が反射される2つの領域付
近のみが少なくとも反射面であれば足りる。
【0036】第2の実施の形態の走査型共焦点顕微鏡
も、第1の実施の形態と同様に、照明むらを生じさせな
いという効果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、走査に伴
う照明むらを避けることができる走査ユニットを備えた
走査型共焦点顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の走査型共焦点顕微
鏡の走査ユニット601の構成を示す(a)斜視図、
(b)ブロック図。
【図2】(a)、(b)従来の走査型共焦点顕微鏡の全
体の構成を示すブロック図。
【図3】従来の走査型共焦点顕微鏡の走査ユニットの構
成を示す斜視図。
【図4】図1の走査ユニット601の原理を説明するた
めの説明図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の走査型共焦点顕微
鏡の走査ユニットの構成を示す斜視図。
【図6】(a)、(b)本発明の一実施の形態の走査型
共焦点顕微鏡の全体の構成を示すブロック図。
【図7】(a)本発明の第1の実施の形態の走査型共焦
点顕微鏡において走査ユニット601の偏向の中心位置
Pが、対物レンズ214の瞳位置220に共役な焦点位
置221と一致している場合の光束の走査と瞳との関係
を示す示す説明図。(b)従来の走査型共焦点顕微鏡に
おいて走査ユニット204の偏向の中心位置が、対物レ
ンズ214の瞳位置220に共役な焦点位置221から
ずれている場合の光束の走査と瞳との関係を示す示す説
明図。
【符号の説明】
201・・・レーザー光源、202・・・ビームエキス
パンダ、203・・・ビームスプリッタ、204・・・
走査ユニット、204a、204b・・・反射ミラー、
205・・・データ処理装置、206・・・検出器レン
ズ、207・・・遮光板、208・・・開口、209・
・・光検出器、210・・・走査レンズ、211・・・
一次像面、212・・・リレーレンズ、213・・・ミ
ラー、214・・・対物レンズ、215・・・標本、2
20・・・対物レンズの瞳位置、221・・・走査レン
ズの光源側焦点位置、231・・・光軸、400、40
1、402、403、404・・・光路、501・・・
反射ミラー、601・・・走査ユニット、611、61
2、613・・・反射鏡、621、622、623・・
・回転軸。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの光束を少なくとも一方向に走査
    するための走査部と、前記光束を標本上に集光する対物
    レンズとを有し、 前記走査部は、前記光束を前記一方向に沿って偏向する
    第1の反射鏡と、該第1の反射鏡が偏向した光束を前記
    一方向に沿ってさらに偏向する第2の反射鏡と、前記第
    1および第2の反射鏡の向きを同期させて回転させる駆
    動部とを備え、前記第1および第2の反射鏡は、前記第
    2の反射鏡で偏向された光束の前記回転に伴う偏向の中
    心位置が、前記対物レンズの瞳位置と共役な位置に一致
    するように配置されていることを特徴とする走査型光学
    顕微鏡。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の走査型光学顕微鏡におい
    て、前記走査部は、前記一方向とは異なる方向に沿って
    前記光束を偏向するための第3の反射鏡を備え、前記第
    3の反射鏡は、前記中心位置に配置されていることを特
    徴とする走査型光学顕微鏡。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の走査型光学顕微鏡におい
    て、前記駆動部は、単一の駆動部であり、該単一の駆動
    部によって前記第1および第2の反射鏡が回転すること
    を特徴とする走査型光学顕微鏡。
  4. 【請求項4】光源からの光束を第1および第2の方向に
    走査するための走査部と、前記光束を標本上に集光する
    対物レンズとを有し、 前記走査部は、第1および第2の反射鏡と、前記第1お
    よび第2の反射鏡をそれぞれ回転させる第1および第2
    の駆動部とを備え、 前記第1および第2の反射鏡は、前記光束を第1の反射
    鏡、第2の反射鏡、第1の反射鏡で順に反射するように
    配置され、 前記第1の駆動部は、前記第1の反射鏡を前記第1の方
    向に光を偏向する向きに回転させ、前記第2の駆動部
    は、前記第2の反射鏡を前記第2の方向に光を偏向する
    向きに回転させ、 前記第2の反射鏡は、前記対物レンズの瞳位置と共役な
    位置に配置されており、さらに、この位置が前記第1の
    反射鏡での2度目の反射により偏向された光束の前記回
    転に伴う偏向の中心位置に一致していることを特徴とす
    る走査型光学顕微鏡。
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