JP2001051206A - 動吸振器付き顕微鏡 - Google Patents

動吸振器付き顕微鏡

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JP2001051206A
JP2001051206A JP11241917A JP24191799A JP2001051206A JP 2001051206 A JP2001051206 A JP 2001051206A JP 11241917 A JP11241917 A JP 11241917A JP 24191799 A JP24191799 A JP 24191799A JP 2001051206 A JP2001051206 A JP 2001051206A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、設置場所の制約を受けず、かつ装置
の重力の増加を抑えて振動を制振する。 【解決手段】アーム部3と観察光学系としての接眼鏡筒
4、中間鏡筒5及びCCDカメラ6との間に動吸振器ユ
ニット10を設け、アーム部3の振動を振動センサ15
により検出し、制御装置16によりアーム部3の振動に
応じて圧電型アクチュエータ13を駆動して動吸振器の
錘20となる接眼鏡筒4、中間鏡筒5及びCCDカメラ
6をZ方向に振動させ、その反力によりアーム部3の振
動を制振する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば高解像度を
有する顕微鏡における微小振動を制振する機能を備えた
動吸振器付き顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】高解像度を有する顕微鏡では、僅かな振
動があっても試料を観察する上で大きな障害となること
からその振動対策が講じられている。この振動対策とし
ては、例えば除振台やゴム足、動吸振器が用いられてい
る。
【0003】このうち除振台は、空気ばね等を用いて床
からの振動を減衰させるものとして、顕微鏡の載置台と
して使われている。又、振動センサによりテーブル上の
振動を検出し、床面とテーブル面との間に設けられたア
クチュエータを駆動制御して振動を打ち消す除振台も提
案されている。
【0004】ゴム足は、顕微鏡の下面に配し、顕微鏡の
がたつきを防止するとともに、設置面から伝達される振
動を減衰するものである。又、ゴム足は、顕微鏡装置全
体のゆれを制振する効果もある。
【0005】動吸振器は、錘の振動の反力により制振す
るもので、錘、ばね要素・粘性抵抗要素から成る受動的
動吸振器と、振動センサにより振動を検出しアクチュエ
ータにより錘を駆動することで制振する能動的動吸振器
とに分けられるもので、例えば建築や自動車関係等の様
々な技術に適用されており、特許出願としても例えば特
開平3−250165号公報や特開平8−21483号
公報がある。
【0006】このうち受動的動吸振器は、錘がばね要素
・減衰要素を介して制振対象に取り付けられた構成をと
り、制振対象が振動すると錘と制振対象との相対変位が
変化し、錘と制振対象との間の減衰要素により振動エネ
ルギが消費されて振動が減衰するものである。
【0007】能動的動吸振器は、錘がアクチュエータを
介して制振対象に取り付けられた構成をとり、制振対象
の振動を振動センサで検出し、振動に応じてアクチュエ
ータで錘を駆動し、その反力で制振対象の振動を相殺し
制振するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように高解像度
を有する顕微鏡では、除振台やゴム足、動吸振器等の振
動対策を講じて制振を行っているが、これらの振動対策
では対応できなくなってきている。
【0009】すなわち、近年、トンネル顕微鏡や原子間
力顕微鏡などのnm以下の分解能を有する顕微鏡が実用
化されている。又、走査型レーザ顕微鏡なども旧来の顕
微鏡に比べて非常に鮮明な観察像が得られるようになっ
ている。これらの顕微鏡が要求する設置環境は、非常に
厳しいものとなっており、例えば声、振動、空調による
空気の振動や電動化された装置自体が発する機械的な振
動も観察像を劣化させる原因となっている。
【0010】又、顕微鏡自体の電動化に伴って顕微鏡内
部に電動機構が組み込まれこれが振動源となっている。
このため、試料ステージの移動やフォーカシング、フィ
ルタ・プリズム等の切り替えを行うために駆動機構を動
作させると、この駆動機構から機械的振動が発生して顕
微鏡にとっての振動源となる。
【0011】このような実情において振動対策として除
振台を用いると、この除振台は床振動の除振を目的とし
ているので、声、騒音、空調による空気の振動や電動化
された装置自体が発する機械的な振動などの除振台上の
構造に作用する外乱に対して除振効果がない。
【0012】ゴム足は、顕微鏡設置時のがたつき防止、
顕微鏡装置全体のゆれの減衰を目的としているので、試
料と観察光学系との相対関係が変化するような振動モー
ドの除振に直接寄与するものでない。
【0013】動吸振器は、声、騒音、空調による空気の
振動や電動化された装置自体が発する機械的な振動に対
し、これらの振動により試料の観察像に影響を与える部
位、例えば対物レンズや試料ステージに対する制振を行
えばよいので、局所的な制振を行うには適しているが、
設置場所の制約を受けたり、錘を使用することから装置
の重力が増すという問題がある。
【0014】設置場所の制約を受けることについて説明
すると、顕微鏡において制振したい部位は、試料ステー
ジや観察光学系であり、このうち観察光学系は片持ちア
ーム型のフレームに支持される構成をとる場合が多い。
この片持ちアーム型は、振動に弱い形状なので、その振
動モードの振動を制振したいが、観察光学系があるため
に設置場所の制約を受ける。既存の顕微鏡システムで
は、動吸振器を組み込むスペースがない。
【0015】錘の使用により装置の重力が増すことにつ
いて説明すると、受動型動吸振器は振動センサを持たな
いので、制振対象に変化があった場合に対応できない。
特に制振対象の等価質量に対して動吸振器の錘(厳密に
は動吸振器の等価質量)が小さい場合に顕著である。
又、高剛性に作られた顕微鏡のフレームの等価質量は大
きいので、重い錘が必要になる。さらに設置スペースも
必要であり、装置重量も増加する。装置重量が大幅に増
加すると、装置のフレーム等の再設計が必要になる。
【0016】そこで本発明は、設置場所の制約を受け
ず、かつ装置の重力の増加を抑えて振動を制振できる動
吸振器付き顕微鏡を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる動吸振器
付き顕微鏡は、試料を光学観察又は測定するための光学
系の光軸方向の振動に応じてこの振動方向に変位可能な
錘を備え、光軸方向の振動を減衰する手段を備えたもの
である。
【0018】このような動吸振器付き顕微鏡において、
振動を減衰する手段は、光学系を含む制振対象部位を錘
とし、この錘を支持する粘弾性部材で構成される受動的
動吸振器ユニットである。
【0019】又、振動を減衰する手段は、光学系を含む
制振対象部位で構成される錘と、この錘を駆動するアク
チュエータと、顕微鏡における制振対象部位の振動を検
出する振動センサと、この振動センサにより検出された
振動に応じてアクチュエータを駆動する制御手段とを有
している。
【0020】さらに、本発明に係わる動吸振器付き顕微
鏡は、顕微鏡における制振対象部位とこの制振対象部位
の近傍にある顕微鏡構成要素との間に配置され、制振対
象部位の振動を検出する振動センサ及び顕微鏡構成要素
を駆動するアクチュエータを有する動吸振器ユニット
と、振動センサにより検出された制振対象部位の振動に
応じてアクチュエータを駆動する制御手段とを備え、顕
微鏡構成要素を錘として作用させるとともにアクチュエ
ータの駆動により制振対象部位の振動を制振するもので
ある。
【0021】又、本発明に係わる動吸振器付き顕微鏡
は、顕微鏡における制振対象部位とこの制振対象部位の
近傍にある顕微鏡構成要素との間に配置され、顕微鏡構
成要素の振動に応じて伸縮して顕微鏡構成要素の振動を
減衰する抵抗粘性要素を有する動吸振器ユニットを備
え、顕微鏡構成要素を錘として作用させるとともに抵抗
粘性要素の伸縮により制振対象部位の振動を制振するも
のである。
【0022】このような動吸振器付き顕微鏡において、
動吸振器ユニットは、顕微鏡中の平行光束が通過する部
位に配置されている。
【0023】
【発明の実施の形態】(1) 以下、本発明の第1の実施の
形態について図面を参照して説明する。
【0024】図1は能動的動吸振器付き顕微鏡の構成図
である。
【0025】顕微鏡のフレーム1には、試料ステージ2
が設けられている。この試料ステージ2には、試料Mが
載置されている。又、このフレーム1には、アーム部3
が試料ステージ2の上方に張り出している。このアーム
部3の上部には観察光学系である接眼鏡筒4、中間鏡筒
5及びCCDカメラ6が取り付けられ、その下部にはレ
ボルバ7及び無限遠補正の対物レンズ8が取り付けられ
ている。接眼鏡筒4には、結像レンズ9が取り付けら
れ、この結像レンズ9により対物レンズ8からの平行光
束の観察光LがCCDカメラ6の結像面6aに結像する
ようになっている。なお、この顕微鏡には、試料Mを照
明するための照明光学系が設けられている。
【0026】この顕微鏡には、制振対象部位とするアー
ム部3の振動を制振する動吸振器ユニット10が設けら
れている。すなわち、フレーム1の振動モードでは、図
2に示すように観察光学系と試料Mとの相対位置が振動
により変化して観察像のぼけになることから、フレーム
1の振動を動吸振器を用いて制振する必要がある。
【0027】動吸振器ユニット10は、アーム部3と、
顕微鏡構成要素すなわち能動的動吸振器の錘20として
作用する観察光学系としての接眼鏡筒4、中間鏡筒5及
びCCDカメラ6との間に設けられている。
【0028】図3はかかる動吸振器ユニット10の具体
的な構成図である。
【0029】この動吸振器ユニット10は、筒形状の制
振対象側部材11の内部に錘側部材12が摺動に嵌め込
められ、かつこれら制振対象側部材11と錘側部材12
との間に例えば圧電型アクチュエータ13及びばね14
が介挿されている。これにより、これら圧電型アクチュ
エータ13及びばね14は、接眼鏡筒4、中間鏡筒5及
びCCDカメラ6を支えるものとなっている。このうち
圧電型アクチュエータ13は、錘20としての接眼鏡筒
4、中間鏡筒5及びCCDカメラ6をZ方向に伸縮駆動
するものとなっている。なお、圧電型アクチュエータ1
3に代ってボイスコイルを用いてもよい。
【0030】又、錘側部材12の上面には、能動的動吸
振器の錘20として作用する接眼鏡筒4、中間鏡筒5及
びCCDカメラ6が取り付けられ、かつ制振対象側部材
11の下面には、制振対象部位であるアーム部3が取り
付けられるもので、それぞれアリ構造となっている。こ
のアリ構造により動吸振器ユニット10は、既存の顕微
鏡システムに取り付け可能となっている。
【0031】さらに、制振対象側部材11には、制振対
象部位のアーム部3の振動を検出する振動センサ15が
設けられている。この振動センサ15は、帯域、感度、
大きさの面から例えば圧電型加速度センサが用いられて
いる。
【0032】制御装置16は、振動センサ15から出力
される振動センサ信号pを入力し、この振動センサ信号
pから得られるアーム部3の振動に応じてアーム部3の
振動を制振するためのアクチュエータ駆動信号sを演算
して求め、このアクチュエータ駆動信号sを圧電型アク
チュエータ13に送出する機能を有している。
【0033】ここで、以上のような構成の能動的動吸振
器の物理モデルを図4を参照して説明すると、Mは制振
対象であるアーム部3の等価質量、K1は同アーム部3
の等価剛性、Cは同アーム部3の等価粘性を示してお
り、これらによりアーム部3の物理モデルQ1が示され
ている。
【0034】又、mは錘(接眼鏡筒4、中間鏡筒5及び
CCDカメラ6)20、K2はばね14のばね要素、f
は圧電型アクチュエータ13を示し、これらと振動セン
サ15、制御装置16とにより動吸振器の物理モデルQ
2が示されている。
【0035】次に上記の如く構成された顕微鏡での制振
作用について説明する。
【0036】例えば、風や音などの空気振動、床からの
振動、顕微鏡を操作することに伴う機械的な内部振動な
どによりフレーム1のアーム部3には、このアーム部3
の固有振動数の振動が励起される。このようにアーム部
3が振動すると、試料ステージ2と対物レンズ8との相
対距離が変化し、観察像にぼけが生じる。
【0037】このとき振動センサ15は、アーム部3の
振動を検出し、その振動センサ信号pを出力する。
【0038】制御装置16は、振動センサ15から出力
される振動センサ信号pを入力し、この振動センサ信号
pから得られるアーム部3の振動に応じてアーム部3の
振動を制振するためのアクチュエータ駆動信号sを演算
して求め、このアクチュエータ駆動信号sを圧電型アク
チュエータ13に送出する。
【0039】この圧電型アクチュエータ13は、錘20
となる接眼鏡筒4、中間鏡筒5及びCCDカメラ6をZ
方向に振動させ、その反力によりアーム部3の振動を制
振する。
【0040】図5は動吸振器の制振効果を周波数特性で
示した図である。同図においてf1は動吸振器無しのア
ーム部3の振動振幅を示し、f2は動吸振器有りのアー
ム部3の振動振幅を示し、f3はアーム部3の共振周波
数を示している。同図から動吸振器によってアーム部3
の固有振動数の共振ピークを減衰させることができるこ
とが分かる。
【0041】このように上記第1の実施の形態において
は、アーム部3と観察光学系としての接眼鏡筒4、中間
鏡筒5及びCCDカメラ6との間に動吸振器ユニット1
0を設け、アーム部3の振動を振動センサ15により検
出し、制御装置16によりアーム部3の振動に応じて圧
電型アクチュエータ13を駆動して動吸振器の錘20と
なる接眼鏡筒4、中間鏡筒5及びCCDカメラ6をZ方
向に振動させ、その反力によりアーム部3の振動を制振
するので、顕微鏡の構造を変えずに動吸振器ユニット1
0を設けることができて設置場所の制約を受けずに顕微
鏡システムに導入しやすく、かつ装置の重力の増加を抑
えてアーム部3の振動を制振できる。例えば、動吸振器
ユニット10は、アーム部3とレボルバ7との間、レボ
ルバ7と対物レンズ8との間に設けてこれらレボルバ7
や対物レンズ8の振動を制振することもできる。
【0042】又、アーム部3と接眼鏡筒4との間の動吸
振器ユニット10を通過する観察光Lは、平行光束であ
るので、観察像に影響を与えることはない。
【0043】(2) 次に、本発明の第2の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分荷
は同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0044】図6は受動的動吸振器付き顕微鏡の構成図
である。
【0045】この顕微鏡には、制振対象部位とするアー
ム部3の振動を制振する動吸振器ユニット30が設けら
れている。
【0046】この動吸振器ユニット30は、アーム部3
と能動的動吸振器の錘20として作用する観察光学系と
しての接眼鏡筒4、中間鏡筒5及びCCDカメラ6との
間に設けられている。
【0047】図7はかかる動吸振器ユニット30の具体
的な構成図である。
【0048】この動吸振器ユニット30は、筒形状の制
振対象側部材11の内部に錘側部材12が摺動に嵌め込
められ、かつこれら制振対象側部材11と錘側部材12
との間に粘性抵抗要素例えば粘弾性部材31及びばね1
4が介挿されている。これにより、これら粘弾性部材3
1及びばね14は、接眼鏡筒4、中間鏡筒5及びCCD
カメラ6を支えるものとなっている。
【0049】このうち粘弾性部材31は、観察光学系で
ある接眼鏡筒4、中間鏡筒5及びCCDカメラ6の振動
に応じてZ方向に伸縮してこれら接眼鏡筒4、中間鏡筒
5及びCCDカメラ6の振動を減衰する機能を有してい
る。この粘弾性部材31は、例えばシリコンゴム、ウレ
タンゴムなどのゴム材が用いられるもので、機械的性質
とバネ要素の性質とを有している。粘弾性部材31及び
ばね14は、その特性の異なるものに交換可能にすれ
ば、接眼鏡筒4、中間鏡筒5及びCCDカメラ6の交換
による動吸振器ユニット30の特性変化に対応できる。
【0050】粘弾性部材31とばね14とにより動吸振
器の固有振動数が決まるものであり、この固有振動数
は、制振対象であるアーム部3の固有振動数に一致する
場合に制振効果が大きいものである。これにより、動吸
振器の固有振動数は、アーム部3の固有振動数に略一致
するように錘20及びばね14は選択される。
【0051】このばね14は、交換可能又は調整可能で
あり、錘20として利用する接眼鏡筒4、中間鏡筒5及
びCCDカメラ6を交換したとき等に動吸振器の調整が
できるものとなっている。
【0052】図8はかかる能動的動吸振器の物理モデル
を示ず図であり、Mは制振対象であるアーム部3の等価
質量、K1は同アーム部3の等価剛性、Cは同アーム部
3の等価粘性を示しており、これらによりアーム部3の
物理モデルQ1が示されている。
【0053】又、mは錘(接眼鏡筒4、中間鏡筒5及び
CCDカメラ6)20、K2はばね14のばね要素、c
aは粘性抵抗要素を示し、これらにより動吸振器の物理
モデルQ3が示されている。
【0054】次に上記の如く構成された顕微鏡での制振
作用について説明する。
【0055】例えば、風や音などの空気振動、床からの
振動、顕微鏡を操作することに伴う機械的な内部振動な
どによりフレーム1のアーム部3には、このアーム部3
の固有振動数の振動が励起される。このアーム部3が振
動すると、試料ステージ2と対物レンズ8との相対距離
が変化し、観察像にぼけが生じる。
【0056】このようにアーム部3が振動すると、この
アーム部3上の錘20となる接眼鏡筒4、中間鏡筒5及
びCCDカメラ6も振動し、これらアーム部3と錘20
との間に配置された粘弾性部材31及びばね14も伸縮
する。このとき、粘弾性部材31により振動エネルギー
が熱エネルギーに変換される。このように振動エネルギ
ーが粘弾性部材31の伸縮により消費されることによ
り、アーム部3は制振される。
【0057】このように上記第2の実施の形態において
は、アーム部3と観察光学系としての接眼鏡筒4、中間
鏡筒5及びCCDカメラ6との間に動吸振器ユニット3
0を設け、この動吸振器ユニット30の粘弾性部材31
により振動エネルギーを熱エネルギーに変換してアーム
部3を制振するようにしたので、上記第1の実施の形態
と同様に、顕微鏡の構造を変えずに動吸振器ユニット3
0を設けることができて設置場所の制約を受けずに顕微
鏡システムに導入しやすく、かつ装置の重力の増加を抑
えてアーム部3の振動を制振できる。例えば、動吸振器
ユニット30は、アーム部3とレボルバ7との間、レボ
ルバ7と対物レンズ8との間に設けてこれらレボルバ7
や対物レンズ8の振動を制振することもできる。
【0058】又、上記第1の実施の形態のように制御装
置16を設ける必要がないので、上記第1の実施の形態
よりも動吸振器ユニット30の設置の制約が少ない。
【0059】又、アーム部3と接眼鏡筒4との間の動吸
振器ユニット30を通過する観察光Lは、平行光束であ
るので、観察像に影響を与えることはない。
【0060】(3) 次に、本発明の第3の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0061】図9は動吸振器付き顕微鏡の構成図であ
る。
【0062】ベース40上には、試料ステージ41及び
フレーム42が設けられている。このうちフレーム42
には、レーザ光源43が固定されている。このレーザ光
源43から出射されるレーザ光の光路上には、ハーフミ
ラー44、XY軸走査用の2つのガルバノミラー45、
46、ハーフミラー47、ミラー48が配置され、さら
にレボルバ49及びこのレボルバ49に取り付けられた
対物レンズ50が配置されるようになっている。このう
ちレボルバ49は、支持部材51を介して合焦機構52
に取り付けられ、この合焦機構52によってZ方向に対
して位置決め調整ができるようになっている。なお、対
物レンズ50とミラー48との間には、図示しないが結
像レンズが配置され、上記ハーフミラー44の反射光路
上に配置された検出系53に試料像を結像するようにな
っている。ここで、結像レンズと検出系53に取り付け
られるCCDカメラとにより観察光学系が形成される。
【0063】又、上記ハーフミラー47の分岐光路上に
は、ハーフミラー54が配置され、その一方の分岐光路
上に光学顕微鏡照明光学系55が配置され、他方の分岐
光路上に光学顕微鏡結像光学系56が配置されている。
このうち光学顕微鏡照明光学系55は光源及びフィルタ
等により形成されている。
【0064】以上の構成部品のうちレーザ光源43、合
焦機構52、検出系53、光学顕微鏡照明光学系55及
び光学顕微鏡結像光学系56は、それぞれ動吸振器ユニ
ットA〜Aを介してフレーム42に固定されてい
る。さらに、レボルバ49は、支持部材51に対して動
吸振器ユニットAを介して固定されている。
【0065】これらレーザ光源43、レボルバ49、合
焦機構52、検出系53、光学顕微鏡照明光学系55及
び光学顕微鏡結像光学系56は、その各振動方向が光学
顕微鏡に支障のない方向に取らなければならないので、
光軸方向に振動可能に各動吸振器ユニットA〜A
より支持されている。ここでは、レーザ光源43及び光
学顕微鏡照明光学系55がY方向に支持され、検出系5
3、レボルバ49、合焦機構52及び光学顕微鏡結像光
学系56がZ方向に支持されている。なお、検出系53
は図中ではZ方向に向いているがハーフミラー44によ
ってX方向に回転可能である。
【0066】各動吸振器ユニットA〜Aは、能動的
動吸振器ユニット又は受動的動吸振器ユニットであって
もよく、能動的動吸振器ユニットであればそれぞれ上記
第1の実施の形態で説明したのと同様に、制振対象の振
動を振動センサ15により検出し、制御装置16により
各制振対象の振動に応じて圧電型アクチュエータ13を
駆動して動吸振器の錘20を各方向に振動させ、その反
力により制振対象の振動を制振するものとなっている。
【0067】又、受動的動吸振器ユニットであれば、粘
弾性部材31により1方向の振動エネルギーを熱エネル
ギーに変換して各制振対象を制振するものとなる。
【0068】なお、本第3の実施の形態では、各動吸振
器ユニットA1〜A5を受動的動吸振器ユニットとし、
動吸振器ユニットAを能動的動吸振器ユニットとして
この動吸振器ユニットAに制御装置16が接続されて
いる。
【0069】次に上記の如く構成された顕微鏡での制振
作用について説明する。
【0070】例えば、風や音などの空気振動が装置を振
動させたり、床からの振動がフレーム42を伝わって振
動させたり、内部振動源である各ガルバノミラー45、
46や合焦機構52の振動がフレーム42や合焦機構5
2、レボルバ49を振動させる。これらの振動により対
物レンズ50と試料Mとの相対変位が変化し、観察像の
ノイズの原因になる。
【0071】このような場合におけるレボルバ49、動
吸振器ユニットA、制御装置16により構成される動
吸振器の作用を説明する。支持部材51が振動すると、
動吸振器ユニットAに組み込まれている振動センサ1
5から出力される振動センサ信号pが変化し、制御装置
16はその振動に応じて制振するためのアクチュエータ
駆動信号sを演算して求め、このアクチュエータ駆動信
号sを圧電型アクチュエータ13に送出する。この圧電
型アクチュエータ13は、錘となるレボルバ49を駆動
するので、その反力が支持部材51に伝わり、この支持
部材51は制振される。
【0072】ここで、対物レンズ50を支持するレボル
バ49を駆動することは、合焦位置の変化につながる。
ところが、支持部材51の振動をレボルバ49の振動の
反力で相殺するように駆動されるので、支持部材51が
レボルバ49を合焦位置から遠ざけるように動くとき、
動吸振器ユニットA6は、レボルバ49を合焦位置に近
付けるように駆動する。従って、制御装置16で圧電型
アクチュエータ13の駆動振幅が支持部材51の振動振
幅を超えないようにゲインを設定することにより、支持
部材51の振動による合焦位置の変化を抑えるようにレ
ボルバ49が駆動され、支持部材51は制振される。
【0073】これと共に、レーザ光源43、合焦機構5
2、検出系53、光学顕微鏡照明光学系55及び光学顕
微鏡結像光学系56は、それぞれ動吸振器ユニットA
〜A による制振作用によりフレーム42の振動を制振
する。この場合、レーザ光源43及び光学顕微鏡照明光
学系55はY方向の振動が制振され、検出系53はX方
向の振動が制振され、レボルバ49、合焦機構52及び
光学顕微鏡結像光学系56はZ方向の振動が制振され
る。
【0074】このように上記第3の実施の形態において
は、レーザ光源43、合焦機構52、検出系53、光学
顕微鏡照明光学系55及び光学顕微鏡結像光学系56を
それぞれ動吸振器ユニットA〜Aを介してフレーム
42に支持し、レボルバ49を支持部材51に対して動
吸振器ユニットAにより支持したので、レーザ光源4
3及び光学顕微鏡照明光学系55のY方向の振動を制振
でき、検出系53のX方向の振動を制振でき、レボルバ
49、合焦機構52及び光学顕微鏡結像光学系56のZ
方向の振動を制振でき、このように複数モードの制振が
できる。
【0075】(4) 次に、本発明の第4の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0076】図10は能動的な動吸振器ユニットを設け
た測定顕微鏡の構成図である。
【0077】この測定顕微鏡は、試料Mの形状を計測す
るもので、L字形状のフレーム60の底部には、XYス
テージ61が設けられ、このXYステージ61上に試料
Mが載置されている。
【0078】又、フレーム60の倒立部には、XYステ
ージ61の上方に延びているZステージ62が摺動自在
に設けられている。このZステージ62上には、変位測
定光学系63、観察光学系である接眼鏡筒64、中間鏡
筒65及びCCDカメラ66が取り付けられ、かつZス
テージ62の下部にはレボルバ67及び対物レンズ68
が取り付けられている。
【0079】このうち変位測定光学系63は、Z軸方向
の微小変位を計測できる機能を有している。接眼鏡筒6
4には、結像レンズ69が取り付けられ、この結像レン
ズ69により対物レンズ68からの平行光束の観察光L
がCCDカメラ66の結像面66aに結像するようにな
っている。
【0080】これら変位測定光学系63、接眼鏡筒6
4、中間鏡筒65及びCCDカメラ66は、Zステージ
62の駆動により光軸方向(Z軸方向)に移動するもの
となっている。
【0081】又、XYステージ61及びZステージ62
には、それぞれ変位計が組み込まれており、これらXY
ステージ61、Zステージ62の移動に伴って各変位計
がその移動量を検出し、これら移動量が変位表示部に表
示されるようになっている。これにより、観察者は、X
Yステージ61及びZステージ62を動作させて試料M
の観察位置を変えることで、観察位置間の距離を変位表
示部で読むことができる。
【0082】このような測定顕微鏡において、変位測定
光学系63と接眼鏡筒64との間には、能動的な動吸振
器ユニット70が設けられている。すなわち、フレーム
60又はZステージ62が振動すると、対物レンズ68
と試料Mとの相対変位が振動し、試料Mの測定結果に振
動成分が加算されることから、フレーム60又はZステ
ージ62の振動を動吸振器ユニット70を設けて制振す
る必要がある。
【0083】この動吸振器ユニット70は、Zステージ
62上の変位測定光学系63と、顕微鏡構成要素すなわ
ち能動的動吸振器の錘71として作用する観察光学系と
しての接眼鏡筒64、中間鏡筒65及びCCDカメラ6
6との間に設けられている。
【0084】この動吸振器ユニット70は、上記図3に
示す動吸振器ユニット10と同一構成であってその詳し
い説明は省略するものであり、かつ制御装置72は、動
吸振器ユニット70に設けられて振動センサ15から出
力される振動センサ信号pを入力し、この振動センサ信
号pから得られるZステージ62の振動に応じてZステ
ージ62の振動を制振するためのアクチュエータ駆動信
号sを演算して求め、このアクチュエータ駆動信号sを
動吸振器ユニット70の圧電型アクチュエータ13に送
出する機能を有している。
【0085】次に上記の如く構成された顕微鏡での制振
作用について説明する。
【0086】例えば、風や音などの空気振動、床からの
振動、顕微鏡を操作することに伴う機械的な内部振動な
どによりZステージ62が加振される。このようにZス
テージ623が振動すると、XYステージ61と対物レ
ンズ68との相対距離が変化し、変位測定結果に誤差が
生じる。
【0087】このとき振動センサ15は、Zステージ6
2の振動を検出し、その振動センサ信号pを出力する。
【0088】制御装置72は、振動センサ15から出力
される振動センサ信号pを入力し、この振動センサ信号
pから得られるZステージ62の振動に応じてZステー
ジ62の振動を制振するためのアクチュエータ駆動信号
sを演算して求め、このアクチュエータ駆動信号sを圧
電型アクチュエータ13に送出する。
【0089】この圧電型アクチュエータ13は、錘71
となる接眼鏡筒64、中間鏡筒65及びCCDカメラ6
6をZ方向に振動させ、その反力によりZステージ62
の振動を制振する。
【0090】このように上記第4の実施の形態において
は、Zステージ62上の変位測定光学系63と観察光学
系としての接眼鏡筒64、中間鏡筒65及びCCDカメ
ラ66との間に動吸振器ユニット70を設け、Zステー
ジ62の振動を振動センサ15により検出し、制御装置
72によりZステージ62の振動に応じて圧電型アクチ
ュエータ13を駆動して動吸振器の錘71となる接眼鏡
筒64、中間鏡筒65及びCCDカメラ66をZ方向に
振動させ、その反力によりZステージ62の振動を制振
するので、Zステージ62の振動を制振することで、試
料Mの測定結果に振動による変位が加算されることを抑
えることができ、精度の高い測定を行うことができる。
【0091】又、上記第1の実施の形態と同様に、測定
顕微鏡の構造を変えずに動吸振器ユニット70を設ける
ことができて設置場所の制約を受けずに測定顕微鏡に導
入しやすく、かつ装置の重力の増加を抑えてZステージ
62の振動を制振できる。例えば、動吸振器ユニット7
0は、接眼鏡筒64と中間鏡筒65との間、又は中間鏡
筒65とCCDカメラ66との間に設けて中間鏡筒65
やCCDカメラ66の振動を制振することもできる。さ
らに、Zステージ62と接眼鏡筒64との間の動吸振器
ユニット70を通過する観察光Lは、平行光束であるの
で、観察像に影響を与えることはない。
【0092】(5) 次に、本発明の第5の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0093】図11は能動的な動吸振器ユニットを設け
た共焦点顕微鏡の構成図である。
【0094】この共焦点顕微鏡のフレーム80には、試
料ステージ81が設けられている。この試料ステージ8
1には、試料Mが載置されている。
【0095】フレーム80には、アーム部82が試料ス
テージ81の上方に張り出している。このアーム部82
の上部には観察光学系である接眼鏡筒83、共焦点ユニ
ット84、中間鏡筒85及びCCDカメラ86が取り付
けられ、その下部にはレボルバ87及び対物レンズ88
が取り付けられている。
【0096】接眼鏡筒85には、結像レンズ89が取り
付けられ、この結像レンズ89により対物レンズ88か
らの平行光束の観察光LがCCDカメラ86の結像面8
6aに結像するようになっている。
【0097】共焦点ユニット84は、ランダムに配置さ
れたピンホールが形成されたディスク90と、このディ
スク90を回転させるモータ91を備えている。
【0098】又、照明光学系92が共焦点ユニット84
に設けられ、照明光学系92から放射された照明光が共
焦点ユニット84内のミラー93で反射して試料Mに照
射されるようになっている。
【0099】このような共焦点顕微鏡には、制振対象部
位とするアーム部82の振動を制振する能動的な動吸振
器ユニット94が設けられている。すなわち、回転する
ディスク90の振動がフレーム80を振動させると、対
物レンズ88と試料Mとの相対変位が振動し、試料Mの
観察画像にぼけが生じる。
【0100】共焦点顕微鏡は、光軸方向(Z軸方向)の
分解能が高く、3次元計測にも利用されるので、このよ
うな振動が生じると、性能を著しく損なう。このため
に、動吸振器ユニット94を用いてフレーム80を制振
する必要がある。
【0101】この動吸振器ユニット94は、フレーム8
0のアーム部82と顕微鏡構成要素すなわち能動的動吸
振器の錘95として作用する観察光学系としての接眼鏡
筒83、共焦点ユニット84、中間鏡筒85及びCCD
カメラ86との間に設けられている。
【0102】この動吸振器ユニット94は、上記図3に
示す動吸振器ユニット10と同一構成であってその詳し
い説明は省略するものであり、かつ制御装置96は、動
吸振器ユニット94に設けられて振動センサ15から出
力される振動センサ信号pを入力し、この振動センサ信
号pから得られるフレーム80の振動に応じてフレーム
80の振動を制振するためのアクチュエータ駆動信号s
を演算して求め、このアクチュエータ駆動信号sを動吸
振器ユニット94の圧電型アクチュエータ13に送出す
る機能を有している。
【0103】次に上記の如く構成された顕微鏡での制振
作用について説明する。
【0104】例えば、風や音などの空気振動、床からの
振動、共焦点顕微鏡を操作することに伴う機械的な内部
振動、回転するディスク90とそのモータ91とによる
振動などによりフレーム80が加振される。このように
フレーム80が振動すると、試料Mと対物レンズ88と
の相対距離が変化し、観察画像にぼけ生じる。
【0105】このとき振動センサ15は、フレーム80
の振動を検出し、その振動センサ信号pを出力する。
【0106】制御装置96は、振動センサ15から出力
される振動センサ信号pを入力し、この振動センサ信号
pから得られるフレーム80の振動に応じてフレーム8
0の振動を制振するためのアクチュエータ駆動信号sを
演算して求め、このアクチュエータ駆動信号sを圧電型
アクチュエータ13に送出する。
【0107】この圧電型アクチュエータ13は、錘95
となる接眼鏡筒83、共焦点ユニット84、中間鏡筒8
5及びCCDカメラ86をZ方向に振動させ、その反力
によりフレーム80の振動を制振する。
【0108】このように上記第5の実施の形態において
は、フレーム80と観察光学系としての接眼鏡筒83、
共焦点ユニット84、中間鏡筒85及びCCDカメラ8
6との間に動吸振器ユニット94を設け、フレーム80
の振動を振動センサ15により検出し、制御装置96に
よりフレーム80の振動に応じて圧電型アクチュエータ
13を駆動して動吸振器の錘95となる接眼鏡筒83、
共焦点ユニット84、中間鏡筒85及びCCDカメラ8
6をZ方向に振動させ、その反力によりフレーム80の
振動を制振するので、フレーム80の振動を制振するこ
とで、試料Mの観察画像のぼけ、光軸方向のずれを抑
え、良好な共焦点像の観察、又は3次元計測を行うこと
ができる。
【0109】(6) 次に、本発明の第6の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0110】図12は振動を減衰する手段を備えた動吸
振器付き顕微鏡の構成図である。
【0111】この顕微鏡のフレーム100には、試料ス
テージ101が設けられている。この試料ステージ10
1には、試料Mが載置されている。
【0112】フレーム100には、アーム部102が試
料ステージ101の上方に張り出している。このアーム
部102の上部には観察光学系である接眼鏡筒103、
中間鏡筒104及びCCDカメラ105が取り付けら
れ、その下部にはレボルバ106及び対物レンズ107
が取り付けられている。
【0113】接眼鏡筒103には、結像レンズ108が
取り付けられ、この結像レンズ108により対物レンズ
107からの平行光束の観察光LがCCDカメラ105
の結像面105aに結像するようになっている。
【0114】このような顕微鏡には、制振対象部位とす
るフレーム100の振動を制振する制振手段109が設
けられている。すなわち、フレーム100が振動する
と、対物レンズ107と試料Mとの相対変位が振動し、
試料Mの観察画像にぼけが生じることから、フレーム1
00の振動を制振手段109を設けて制振する必要があ
る。
【0115】この制振手段109は、フレーム100の
アーム部102上に粘弾性部材110を介して錘111
を支持した構成となっている。このように錘111を支
持することにより、この錘111は、光軸方向(Z軸方
向)に可動するものとなっている。
【0116】次に上記の如く構成された顕微鏡での制振
作用について説明する。
【0117】例えば、風や音などの空気振動、床からの
振動、共焦点顕微鏡を操作することに伴う機械的な内部
振動などによりフレーム100のアーム部102が加振
される。このようにフレーム100のアーム部102が
振動すると、試料Mと対物レンズ107との相対距離が
変化し、観察画像にぼけ生じる。又、試料Mと対物レン
ズ107との相対距離の変化が大きい場合には、試料M
の観察ができなくなる場合もある。
【0118】このとき、アーム部102の振動に応じて
制振手段109の錘111が振動する。この錘111が
振動すると、この制振手段109の粘弾性部材110に
錘111の振動が伝達され、この粘弾性部材110によ
り振動エネルギーが熱エネルギーに変換される。
【0119】この粘弾性部材110における振動エネル
ギーから熱エネルギーへの変換により、アーム部102
の振動は制振される。
【0120】このように上記第6の実施の形態において
は、フレーム100のアーム部102上に粘弾性部材1
10を介して錘111を支持し、アーム部102の振動
に応じて錘111を振動させ、この錘111の振動を粘
弾性部材110により振動エネルギーから熱エネルギー
に変換するようにしたので、フレーム100の振動を制
振でき、試料Mの観察画像のぼけ、光軸方向のずれを抑
えることができる。
【0121】又、フレーム100上に粘弾性部材110
を介して錘111を支持する構成なので、既存の顕微鏡
に付加するだけで容易に試料Mの観察画像のぼけを抑え
ることができる。
【0122】なお、本発明は、上記第1乃至第6の実施
の形態に限定されるものでなく次の通り変形してもよ
い。
【0123】例えば、上記第6の実施の形態における粘
弾性部材110の代わりに錘111を光軸方向(Z軸方
向)に移動させるアクチュエータ(例えば圧電素子)を
配設し、フレーム100の振動を振動センサにより検出
し、この振動センサから出力される振動信号に応じて制
御回路によりアクチュエータを駆動制御するようにして
もよい。この場合、この制御手段は、フレーム100の
振動に応じてアクチュエータにより錘111を駆動し、
フレーム100の振動を打ち消す能動型のものとなる。
【0124】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、設
置場所の制約を受けず、かつ装置の重力の増加を抑えて
振動を制振できる動吸振器付き顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる能動的動吸振器付き顕微鏡の第
1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同顕微鏡における制振対象であるアーム部の共
振モードを示す図。
【図3】同顕微鏡に設けられた動吸振器ユニットの具体
的な構成図。
【図4】同顕微鏡に設けられた能動的動吸振器の物理モ
デルを示す図。
【図5】動吸振器の制振効果を周波数特性で示した図。
【図6】本発明に係わる能動的動吸振器付き顕微鏡の第
2の実施の形態を示す構成図。
【図7】同顕微鏡に設けられた動吸振器ユニットの具体
的な構成図。
【図8】同顕微鏡に設けられた能動的動吸振器の物理モ
デルを示す図。
【図9】本発明に係わる動吸振器付き顕微鏡の第3の実
施の形態を示す構成図。
【図10】本発明に係わる能動的動吸振器を設けた測定
顕微鏡の第4の実施の形態を示す構成図。
【図11】本発明に係わる能動的動吸振器を設けた共焦
点顕微鏡の第5の実施の形態を示す構成図。
【図12】本発明に係わる振動を減衰する手段を備えた
動吸振器付き顕微鏡の第6の実施の形態を示す構成図。
【符号の説明】
1,60,80,100:フレーム、 3,102:アーム部、 4,64,83,103:接眼鏡筒、 5,65,85,104:中間鏡筒、 6,66,86,105:CCDカメラ、 7,49,67,87,106:レボルバ、 8,68,88,107:対物レンズ、 10:動吸振器ユニット、 11:制振対象側部材、 12:錘側部材、 13:圧電型アクチュエータ、 14:ばね、 15:振動センサ、 16,72,96:制御装置、 20:錘、 30:動吸振器ユニット、 31:粘弾性部材、 43:レーザ光源、 51:支持部材、 52:合焦機構、 53:検出系、 55:光学顕微鏡照明光学系、 56:光学顕微鏡結像光学系、 A〜A:動吸振器ユニット、 61:XYステージ、 62:Zステージ、 63:変位測定光学系、 70:動吸振器ユニット、 71:錘、 81,101:試料ステージ、 84:共焦点ユニット、 90:ディスク、 91:モータ、 94:動吸振器ユニット、 95:錘、 109:制振手段、 110:粘弾性部材、 111:錘、 M:試料。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を光学観察又は測定するための光学
    系の光軸方向の振動に応じてこの振動方向に変位可能な
    錘を備え、前記光軸方向の振動を減衰する手段を備えた
    ことを特徴とする動吸振器付き顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記振動を減衰する手段は、前記光学系
    を含む制振対象部位を錘とし、この錘を支持する粘弾性
    部材で構成される受動的動吸振器ユニットであることを
    特徴とする請求項1記載の動吸振器付き顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記振動を減衰する手段は、前記光学系
    を含む制振対象部位で構成される錘と、 この錘を駆動するアクチュエータと、 前記顕微鏡における制振対象部位の振動を検出する振動
    センサと、 この振動センサにより検出された振動に応じて前記アク
    チュエータを駆動する制御手段と、を有することを特徴
    とする請求項1記載の動吸振器付き顕微鏡。
  4. 【請求項4】 顕微鏡における制振対象部位とこの制振
    対象部位の近傍にある顕微鏡構成要素との間に配置さ
    れ、前記制振対象部位の振動を検出する振動センサ及び
    前記顕微鏡構成要素を駆動するアクチュエータを有する
    動吸振器ユニットと、 前記振動センサにより検出された前記制振対象部位の振
    動に応じて前記アクチュエータを駆動する制御手段とを
    備え、 前記顕微鏡構成要素を錘として作用させるとともに前記
    アクチュエータの駆動により前記制振対象部位の振動を
    制振することを特徴とする動吸振器付き顕微鏡。
  5. 【請求項5】 顕微鏡における制振対象部位とこの制振
    対象部位の近傍にある顕微鏡構成要素との間に配置さ
    れ、前記顕微鏡構成要素の振動に応じて伸縮して前記顕
    微鏡構成要素の振動を減衰する抵抗粘性要素を有する動
    吸振器ユニットを備え、 前記顕微鏡構成要素を錘として作用させるとともに前記
    抵抗粘性要素の伸縮により前記制振対象部位の振動を制
    振することを特徴とする動吸振器付き顕微鏡。
  6. 【請求項6】 前記動吸振器ユニットは、前記顕微鏡中
    の平行光束が通過する部位に配置されたことを特徴とす
    る請求項4又は5記載の動吸振器付き顕微鏡。
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