JP2007132782A - 加振型カンチレバーホルダ及び走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

加振型カンチレバーホルダ及び走査型プローブ顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】 余分な振動をカット(相殺)して、カンチレバーのみの振動特性で該カンチレバーを振動させること。
【解決手段】 試料に対向配置され、先端に探針3aを有すると共に基端側が本体部3bに片持ち状態に支持されたカンチレバー3を固定するものであって、カンチレバーを試料に対して所定角度傾けた状態で本体部を載置して固定する載置台10と、該載置台に固定され、所定の波形信号に応じた位相及び振幅で振動する第1の加振源11と、該第1の加振源が固定されたホルダ本体12と、該ホルダ本体の少なくとも1箇所に固定され、第1の加振源から載置台及びホルダ本体に伝わった振動を、相殺させる振動を発生させる第2の加振源13とを備えている加振型カンチレバーホルダ2を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、先端に探針を有するカンチレバーを所定の周波数及び振幅で振動可能に固定する加振型カンチレバーホルダ、該加振型カンチレバーを有する走査型プローブ顕微鏡に関するものである。
周知のように、金属、半導体、セラミック、樹脂、高分子、生体材料、絶縁物等の試料を微小領域にて測定し、試料の粘弾性等の物性情報や試料の表面形状の観察等を行う装置として、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)が知られている。この走査型プローブ顕微鏡は、測定対象物に応じて様々な測定モードがあり、その1つとして、カンチレバーホルダにセットしたカンチレバーを振動させて、測定を行う振動モードSPMが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この振動モードSPMとしては、例えば、共振させたカンチレバーの振動振幅が一定になるように探針と試料との間の距離を制御しながら走査を行うDFM(共振モード測定−原子間力顕微鏡:Dynamic Force Mode Microscope)や、AFM動作中に、試料を試料表面に垂直なZ方向に微小振動させて、又はカンチレバーを試料表面に垂直なZ方向に微小振動させて、周期的な力を加え、この際のカンチレバーの撓み振幅や、sin成分、cos成分を検出することで粘弾性分布を測定するVE−AFM(マイクロ粘弾性測定−原子間力顕微鏡:Viscoelastic AFM)や、AFM動作中に、試料を試料表面に平行な水平方向に横振動させ、又はカンチレバーを試料表面に平行な水平方向に横振動させ、この際のカンチレバーのねじれ振動振幅を検出することで摩擦力分布を測定するLM−FFM(横振動摩擦力顕微鏡:Lateral Force Modulation Friction Force Microscope)等がある。
特開2003−42931号公報
しかしながら、上述した従来の振動モードSPMによる測定では以下の問題があった。
即ち、通常カンチレバーを振動させるには、カンチレバーホルダに取り付けられた加振源に所定の電圧を印加して振動させ、該振動をカンチレバーに伝えることでカンチレバーを所定の振動数及び振幅で振動させている。ところが、この加振源の振動は、カンチレバー以外の周辺構造物にも伝わってしまい、これらを振動させてしまうものであった。そのため、カンチレバーの振動特性に影響を与えてしまい、理想的な振動状態とは異なった振動特性になってしまっていた。
その結果、Qカーブ(カンチレバーの共振特性を示す曲線)測定を行う際、図7に示すように、カンチレバーの共振Aに加え、それ以外の共振である副次的な共振Bが現れてしまう。その結果、カンチレバー以外の振動特性を含んだ特性が加わってしまい、カンチレバーの共振特性を正確に識別することが難しく、振動周波数や振幅、位相の振動特性に対して、正確な設定をすることが困難な場合があった。
また、探針を試料に接近させる際に、カンチレバーへの共振特性に影響を与えてしまい、最適な測定条件が変化して測定領域まで接近させることができなかったり、接近させすぎて衝突を招いたりする場合があった。
更には、走査中に、カンチレバーへの共振特性に影響を与えてしまい、最適な測定条件が変化して安定した正確な測定を持続することが困難な場合があった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、余分な振動をカット(相殺)して、カンチレバーのみの振動特性で該カンチレバーを振動させる加振型カンチレバーホルダ、該加振型カンチレバーホルダを有する走査型プローブ顕微鏡を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の加振型カンチレバーホルダは、試料に対向配置され、先端に探針を有すると共に基端側が本体部に片持ち状態に支持されたカンチレバーを固定する加振型カンチレバーホルダであって、前記カンチレバーを前記試料に対して所定角度傾けた状態で前記本体部を載置して固定する載置台と、該載置台に固定され、所定の波形信号に応じた位相及び振幅で振動する第1の加振源と、該第1の加振源が固定されたホルダ本体と、該ホルダ本体の少なくとも1箇所に固定され、前記第1の加振源から前記載置台及び前記ホルダ本体に伝わった振動を、相殺させる振動を発生させる第2の加振源とを備えていることを特徴とするものである。
この発明に係る加振型カンチレバーホルダにおいては、まず第1の加振源を介してホルダ本体に固定された載置台に、カンチレバー本体部を載置して固定することで試料に対向させた状態でカンチレバーを固定することができる。この際、カンチレバーは、載置台によって試料に対して所定角度傾いた状態で固定されている。カンチレバーの固定後、第1の加振源を所定の波形信号に応じて振動させる。この振動は、載置台を介してカンチレバーに伝わる。これにより、カンチレバーは、第1の加振源に入力された波形信号に応じた振幅及び位相遅れをもって振動する。
一方、第1の加振源で発生した振動は、カンチレバーを振動させるだけでなく、載置台及びホルダ本体にも伝わるので、これらも同時に振動させてしまう。しかしながら、ホルダ本体の少なくとも1箇所には、第2の加振源が固定されているので、第1の加振源と同時に作動させることで、第1の加振源から伝わってきた不要な振動を相殺することができ、ホルダ本体及び載置台が振動してしまうことを極力防止することができる。つまり、第1の加振源及び第2の加振源を同時に作動させることで、互いが発生する振動をそれぞれ打ち消し合わせることができ、カンチレバー以外に伝わる不要な振動をカットすることができる。従って、従来のものとは異なり、カンチレバーのみを振動させて、該カンチレバー単独の振動特性を得ることができる。
よって、Qカーブ測定の際に、カンチレバーの共振特性を正確に識別することができ、カンチレバーの振動周波数や振幅、位相等の振動特性に対して正確な設定を行うことができる。その結果、振動モードSPMでの測定を常に正確に行うことができ、測定精度を向上することができると共に、使い易くなり利便性が向上する。
また、カンチレバーのみの振動特性を確実に得ることができるので、従来とは異なり、探針を試料に接近させる際に、所望する測定領域まで正確に近づけることができる。このことからも、測定精度を向上することができる。更に、走査中にカンチレバーの共振特性が変化しないので、安定した測定を持続して行うことができる。
なお、ホルダ本体に第2の加振源を複数固定しても構わない。
また、本発明の加振型カンチレバーホルダは、上記本発明の加振型カンチレバーホルダにおいて、前記第2の加振源が、前記第1の加振源との相対位置関係及び第1の加振源に入力された前記所定の波形信号に基づいて、少なくとも位相が調整された波形信号を受けて振動することを特徴とするものである。
この発明に係る加振型カンチレバーホルダにおいては、第2の加振源が、第1の加振源との相対位置関係及び第1の加振源に入力された波形信号に基づいて、少なくとも位相が調整された波形信号(例えば、逆位相となる信号)を受けて振動する。よって、ホルダ本体のどの位置に固定されたとしても、第1の加振源からカンチレバー以外に伝わる不要な振動を打ち消すことができ、カンチレバーの共振以外の振動を最小とすることができる。
なお、位相と共に振幅を適時調整して第2の加振源を振動させても構わない。また、調整した結果、第1の加振源に入力された信号と同じ信号の場合も考えられる。
このように、第2の加振源の固定位置を自由に選択可能であるので、設計の自由度を向上することができる。
また、本発明の加振型カンチレバーホルダは、上記本発明の加振型カンチレバーホルダにおいて、前記第2の加振源を、前記ホルダ本体に向けて押し付ける錘部を備えていることを特徴とするものである。
この発明に係る加振型カンチレバーホルダにおいては、錘部が第2の加振源をホルダ本体側に向けて重力により押し付けているので、力が伝わり易くなり、第2の加振源が発生する振動を効率良くホルダ本体側に伝えることができる。つまり、振動の伝わりが促進されるので、より確実にカンチレバー以外に伝わる不要な振動を相殺することができる。従って、カンチレバーの振動特性をより正確に得ることができる。
また、本発明の加振型カンチレバーホルダは、上記本発明の加振型カンチレバーホルダにおいて、前記ホルダ本体が、互いに対向する第1の面及び第2の面を有する平板状に形成され、前記第1の加振源と前記第2の加振源とが、前記ホルダ本体を挟んで対向配置されるように、前記第1の面及び前記第2の面にそれぞれ固定され、前記第2の加振源が、前記第1の加振源と同じ前記所定の波形信号を受けて振動することを特徴とするものである。
この発明に係る加振型カンチレバーホルダにおいては、第1の加振源と第2の加振源とが、第1の面及び第2の面にそれぞれ固定されてホルダ本体を挟んで対向配置されている。そして、第2の加振源が、第1の加振源に入力される同じ波形信号を受けて、第1の加振源と同じ振幅、位相で振動する。これにより、両加振源から発生した信号が打ち消しあって、第1の加振源からカンチレバー以外に伝わる不要な振動を、より確実に相殺することができる。
特に、第2の加振源に入力する波形信号は、特別に調整した信号ではなく、第1の加振源に入力する信号と同じ信号であるので、複雑な動作制御が不要であり、構成の簡略化を図ることができる。
また、本発明の加振型カンチレバーホルダは、上記本発明の加振型カンチレバーホルダにおいて、前記第2の加振源を、前記ホルダ本体に向けて押し付ける錘部を備えていることを特徴とするものである。
この発明に係る加振型カンチレバーホルダにおいては、錘部が第2の加振源をホルダ本体側に向けて重力により押し付けているので、力が伝わり易くなり、第2の加振源が発生する振動を効率良くホルダ本体側に伝えることができる。つまり、振動の伝わりが促進されるので、より確実にカンチレバー以外に伝わる不要な振動を相殺することができる。従って、カンチレバーの振動特性をより正確に得ることができる。
また、本発明の加振型カンチレバーホルダは、上記本発明の加振型カンチレバーホルダにおいて、前記錘部が、前記載置台と同一形状及び同一重量であることを特徴とするものである。
この発明に係る加振型カンチレバーホルダにおいては、錘部が載置台と同一形状及び同一重量であるので、ホルダ本体を挟んで、載置台を両側に設けた構成と擬制することができる。よって、カンチレバー以外に伝わる不要な振動をさらに確実に打ち消すことができる。従って、カンチレバーの振動特性をさらに確実に得ることができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記本発明のいずれかの加振型カンチレバーホルダと、先端に探針を有すると共に基端側が本体部に片持ち状態に支持され、該本体部を介して前記加振型カンチレバーホルダに固定されるカンチレバーと、前記探針に対向配置された試料を載置するステージと、前記探針と前記試料とを、試料表面に平行な方向に相対的に走査させると共に、試料表面に垂直な方向に相対的に移動させる移動手段と、前記カンチレバーの振動状態の変位を測定する測定手段と、該測定手段による測定結果に基づいて、前記走査時に前記探針と前記試料表面との距離を、前記カンチレバーの振動状態が一定となるように前記移動手段を制御すると共に、観測データを採取する制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡においては、まず、試料に応じたカンチレバーを選択し、本体部を載置部に載置して固定する。これにより、カンチレバーは、試料に対して所定の角度傾いた状態で加振型カンチレバーホルダに固定される。次いで、第1の加振源及び第2の加振源を同時に作動させて、カンチレバーを振動させる。次いで、探針を試料表面に接触又は近接させた状態で、移動手段により探針と試料とを相対的に移動させて走査を行う。この際、制御手段は、測定手段による測定結果に基づいて、カンチレバーの振動状態、例えば、振動振幅(又は自励発振時の周波数)が一定となるように、カンチレバーと試料間との距離(高さ)を移動手段により調整することで、観測データ、例えば高さ情報を検出したり、位相の変化を検出して各種の物性情報(磁気力、電位等)を計測したりすることができる。
特に、カンチレバーのみを単独で振動させて、該カンチレバーの共振特性を正確に識別することができる加振型カンチレバーホルダを備えているので、振動モードSPMでの測定を正確に行うことができると共に、測定結果の信頼性を向上することができる。
また、カンチレバーのQ値制御にて、Q値を高くし、感度を向上させる手法を用いる場合には、カンチレバーの振動以外は、測定誤差を増加させる要因となるため、通常以上に向上させることができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記本発明の走査型プローブ顕微鏡において、前記測定手段による測定結果から、前記カンチレバーの振動以外の振幅及び位相で振動する他の波形信号を検出する検出部と、該検出部で検出された前記他の波形信号を相殺するように、少なくとも振幅及び位相が調整された調整信号を前記第2の加振源に入力する加振電源とを備えていることを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡においては、検出部が、測定手段による測定結果から、カンチレバーの振動以外の振幅及び位相で振動する他の波形の検出を行う。つまり、第1の加振源からホルダ本体等の周辺構造部に対して伝わった不要な振動波形を検出する。そして、加振電源は、この不要な振動波形を相殺して打ち消すように、少なくとも振幅及び位相を調整した調整信号を第2の加振源にフィードバックして入力する。なお、他の複数の異なる周波数を組み合わせた波形を合成して調整信号としても構わない。
これにより、第1の加振源からカンチレバー以外の周辺構造物に伝わった不要な振動を、より確実に打ち消すことができる。従って、カンチレバーの共振特性をより正確に識別することができ、測定精度をさらに向上することができる。
この発明に係る加振型カンチレバーホルダによれば、第1の加振源及び第2の加振源を同時に作動させることで、互いが発生する振動をそれぞれ打ち消し合わせてカンチレバー以外に伝わる振動をカットすることができる。よって、カンチレバーの共振特性を正確に識別することができ、振動モードSPMでの測定を常に正確に行って、測定精度を向上することができると共に、使い易くなり利便性が向上する。
また、この発明に係る走査型プローブ顕微鏡によれば、カンチレバーのみを単独で振動させて、該カンチレバーの共振特性を正確に識別することができる加振型カンチレバーホルダを備えているので、振動モードSPMでの測定を正確に行うことができると共に、測定結果の信頼性を向上することができる。
以下、本発明に係る走査型プローブ顕微鏡及び加振型カンチレバーホルダの第1実施形態について、図1から図3を参照して説明する。なお、本実施形態においては、試料側を3次元方向に移動させる試料スキャン方式を例にして説明する。
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡1は、図1に示すように、加振型カンチレバーホルダ2と、先端に探針3aを有すると共に基端側が本体部3bに片持ち状態に支持され、該本体部3bを介して加振型カンチレバーホルダ2に固定されるカンチレバー3と、探針3aに対向配置された試料Sを載置するステージ4と、探針3aと試料Sとを、試料表面S1に平行なXY方向に相対的に走査させると共に、試料表面S1に垂直なZ方向に相対的に移動させる移動手段5と、カンチレバー3の振動状態の変位を測定する測定手段6と、該測定手段6による測定結果に基づいて、走査時に探針3aと試料表面S1とを、カンチレバー3の振動状態が一定となるように移動手段5を制御すると共に、観測データを採取する制御手段8とを備えている。なお、本実施形態では制御手段8が、カンチレバー3の振動振幅が一定となるように移動手段5を制御する場合を例にして説明する。
上記加振型カンチレバーホルダ2は、図2に示すように、カンチレバー3を試料Sに対して所定角度傾けた状態で本体部3bを載置面10aに載置して固定する斜面ブロック(載置台)10と、該斜面ブロック10に固定され、所定の波形信号に応じた位相及び振幅で振動する加振源(第1の加振源)11と、該加振源11が固定されたホルダ本体12と、該ホルダ本体12の少なくとも1箇所に固定され、加振源11から斜面ブロック10及びホルダ本体12に伝わった振動を、相殺させる対向加振源(第2の加振源)13とを備えている。
上記ホルダ本体12は、互いに対向する第1の面12a及び第2の面12bを有する平板状に形成されており、第1の面12aを試料S側に向けて配されている。また、ホルダ本体12には、固定したカンチレバー3の図示しない反射面に対して、後述するレーザ光Lを入射させると共に、反射面で反射したレーザ光Lを出射させる開口部12cが形成されている。
上記加振源11は、第1の面12aに固定されており、図1に示す加振電源7から入力された波形信号に基づいて、所定の位相及び振幅で振動するようになっている。
また、斜面ブロック10は、載置面10aを試料S側に向けた状態で加振源11の下面に固定されている。そして、この載置面10aにカンチレバー3の本体部3bが載置され、図示しないワイヤ等を利用して固定されている。
また、上記対向加振源13は、ホルダ本体12を挟んで加振源11に対向する位置(向い合う位置)に固定されている。そして、対向加振源13は、加振電源7から加振源11と同一の波形信号を受けて、加振源11と同じ位相及び振幅で振動するようになっている。
更に、本実施形態の加振型カンチレバーホルダ2は、対向加振源13をホルダ本体12に向けて押し付ける錘部14を備えている。この錘部14は、斜面ブロック10と同一形状、且つ、同一重量となるように形成されており、対向加振源13上に取り付けられている。
このように構成された加振型カンチレバーホルダ2は、図1に示すように、図示しない架台により試料Sの上方に固定されている。また、上記ステージ4は、XYスキャナ20上に載置されており、該XYスキャナ20はZスキャナ21上に載置されている。また、このZスキャナ21は、図示しない防振台上に載置されている。
これらXYスキャナ20及びZスキャナ21は、例えば、ピエゾ素子であり、それぞれXY駆動部22及びZ駆動部23から電圧を印加されて、それぞれの方向に微小移動するようになっている。即ち、これらXYスキャナ20、Zスキャナ21、XY駆動部22及びZ駆動部23は、上記移動手段5を構成している。
また、加振型カンチレバーホルダ2の上方には、ミラー25を利用して、カンチレバー3の裏面に形成された図示しない反射面に向けてレーザ光Lを照射する光照射部26と、ミラー27を利用して、反射面で反射されたレーザ光Lを受光する光検出部28とが設けられている。なお、光照射部26から照射されたレーザ光Lは、ホルダ本体12の開口部12c内を通過しながら反射面に達し、反射面で反射された後、再度開口部12c内を通過して光検出部28に入射するようになっている。
また、光検出部28は、例えば、フォトディテクタであり、レーザ光Lの入射位置からカンチレバー3の振動状態(振幅)を検出する。そして、光検出部28は、検出したカンチレバー3の振動状態の変位をDIF信号としてプリアンプ29に出力している。即ち、これら光照射部26、ミラー25、27及び光検出部28は、上記測定手段6を構成している。
また、光検出部28から出力されたDIF信号は、プリアンプ29によって増幅された後、交流−直流変換回路30に送られて直流変換され、Z電圧フィードバック回路31に送られる。Z電圧フィードバック回路31は、直流変換されたDIF信号が常に一定となるように、Z駆動部23をフィードバック制御する。これにより、移動手段5により走査を行ったときに、探針3aと試料表面S1との距離を、カンチレバー3の振動状態が一定になるように、即ち、振幅が一定となるように制御することができる。
また、このZ電圧フィードバック回路31には、制御部32が接続されており、該制御部32が直流変換されたDIF信号に基づいて試料Sの表面形状を測定したり、位相の変化を検出して各種の物性情報(例えば、磁気力や電位等)を測定したりすることができるようになっている。
即ち、これらZ電圧フィードバック回路31、制御部32は、上記制御手段8を構成している。なお、この制御手段8は、上記各構成品を総合的に制御する機能を有している。
次に、このように構成された加振型カンチレバーホルダ2及び走査型プローブ顕微鏡1により、試料Sを振動モードSPMの1つであるDFMで測定する場合について、以下に説明する。
まず始めに、測定を行うための初期設定を行う。即ち、測定対象物である試料Sに応じて最適なカンチレバー3を選択し、該カンチレバー3を加振型カンチレバーホルダ2に固定する。次いで、ステージ4上に試料Sを載置した後、カンチレバー3の反射面に確実にレーザ光Lが入射するように、また、反射したレーザ光Lが光検出部28に確実に入射するように、光照射部26及び光検出部28の位置や、カンチレバー3の取付状態等を調整する。
その後、加振電源7から加振源11及び対向加振源13に対して、同時に同じ波形信号を出力して、加振源11及び対向加振源13を同じ振幅及び位相で振動させる。ここで、加振源11から発生した振動は、斜面ブロック10を介してカンチレバー3に伝わるので、該カンチレバー3を波形信号に応じた振幅及び位相遅れをもって振動させることができる。更に、この振動は、カンチレバー3を振動させるだけではなく、斜面ブロック10及びホルダ本体12にも伝わるので、これら周辺構造物も同時に振動させてしまう。
しかしながら、ホルダ本体12及び斜面ブロック10には、ホルダ本体12を挟んで加振源11に対向配置された対向加振源13からの振動が伝わってくるので、加振源11から伝わってきた上記振動が打ち消される。よって、加振源11から伝わってきた不要な振動を相殺でき、ホルダ本体12及び斜面ブロック10が振動してしまうことを防止することができる。つまり、加振源11及び対向加振源13を同時に作動させることで、互いが発生する振動をそれぞれ打ち消し合わせることができ、カンチレバー3以外に伝わる不要な振動をカットすることができる。従って、従来のカンチレバーホルダとは異なり、カンチレバー3のみを振動させて、該カンチレバー3単独の振動特性を得ることができる。
次いで、カンチレバー3を振動させた後、Qカーブの測定を行うと共に動作点(加振周波数の最適値)の設定を行う。この際、上述したように、対向加振源13によりカンチレバー3以外の構成品(周辺構造物)が振動してしまうことを防止しているので、図3に示すように、カンチレバー3の共振A以外に副次的な共振が生じ難い(図7と比べて副次的な共振Bが生じていないことが明らかである)。その結果、カンチレバー3の共振特性を正確に識別することができ、カンチレバー3の振動周波数や振幅、位相等の振動特性に対して正確な設定を行うことができる。
上述した初期設定が終了した後、試料Sの測定を行う。
即ち、試料Sの測定表面と、探針3aとの距離を、振幅が一定になるように制御した状態で、XY駆動部22よりXYスキャナ20を移動させて、試料Sの走査を行う。この際、試料表面S1の凹凸に応じてカンチレバー3の振幅が増減しようとするので、光検出部28に入射するレーザ光L(反射面で反射したレーザ光)の振幅が異なる。光検出部28は、この振幅に応じたDIF信号をプリアンプ29に出力する。出力されたDIF信号は、プリアンプ29によって増幅されると共に、交流−直流変換回路30によって直流変換された後、Z電圧フィードバック回路31に送られる。
Z電圧フィードバック回路31は、直流変換されたDIF信号が常に一定になるように(つまり、レバーの振幅が一定になるように)、Z駆動部23によりZスキャナ21をZ方向に微小移動させて、フィードバック制御を行う。これにより、試料Sの測定表面と、探針3aとの距離を、振幅が一定になるように制御した状態で走査を行うことができる。また、制御部32は、Z電圧フィードバック回路31により上下させる信号に基づいて、試料Sの表面形状を測定する。
特に、上述したQカーブ測定の際に、加振型カンチレバーホルダ2により、カンチレバー3の振動特性に対して正確な設定を行っているので、DFMでの測定を常に正確に行うことができ、測定精度を向上することができる。また、使い易くなり利便性が向上する。
また、カンチレバー3のみの振動特性を確実に得ることができるので、探針3aを試料Sに接近させる際に、所望する測定領域まで探針3aを正確に近づけることができる。このことからも、測定精度を向上することができる。更に、走査中にカンチレバー3の共振特性が変化しないので、安定した測定を持続して行うことができる。
このように本実施形態の走査型プローブ顕微鏡1によれば、カンチレバー3のみを単独で振動させて、該カンチレバー3の共振特性を正確に識別することができる加振型カンチレバーホルダ2を備えているので、DFMでの測定を正確に行うことができると共に、測定結果の信頼性を向上することができる。
また、対向加振源13に入力する波形信号は、特別に調整した信号ではなく、加振源11に入力する信号と同じ信号であるので、加振電源7はそれぞれ別々の波形信号を出力する必要がない。よって、複雑な制御が不要であり、構成の簡略化を図ることができる。
また、錘部14が対向加振源13をホルダ本体12に向けて重力により押し付けているので、力が伝わり易くなり、対向加振源13が発生する振動を効率良くホルダ本体12側に伝えることができる。つまり、振動の伝わりが促進されるので、より確実に加振源11からカンチレバー3以外に伝わる不要な振動を相殺することができる。従って、カンチレバー3の振動特性を正確に得やすい。
更に、本実施形態では、錘部14が斜面ブロック10と同一形状、同一重量であるので、ホルダ本体12を挟んで、斜面ブロック10を両側に設けた構成と擬制することができる。よって、加振源11からカンチレバー3以外に伝わった不要な振動をさらに確実に打ち消すことができ、カンチレバー3の振動特性をさらに高精度に得ることができる。
次に、本発明に係る走査型プローブ顕微鏡及び加振型カンチレバーホルダの第2実施形態について、図4及び図5を参照して説明する。なお、第2実施形態において第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態と第2実施形態との異なる点は、第1実施形態では、加振源11に対向配置されるように、対向加振源13をホルダ本体12の第2の面12b上に固定したが、第2実施形態の走査型プローブ顕微鏡40は、図4に示すように、対向加振源13が加振源11に対して対向配置されていない加振型カンチレバーホルダ41を備えている点である。
即ち、本実施形態の加振型カンチレバーホルダ41は、図5に示すように、第2の面12b上の端部に固定されている。また、対向加振源13上には、第1実施形態と同様に対向加振源13をホルダ本体12に向けて押し付ける錘部42が取り付けられている。但し、この錘部42は、第1実施形態の錘部14と異なり、斜面ブロック10と異なるサイズ及び重量で形成されている。
また、本実施形態の対向加振源13は、予め加振源11との相対位置関係、及び、加振源11に入力される波形信号に基づいて、少なくとも位相が調整された波形信号を受けて振動するようになっている。即ち、加振電源7が、加振源11に入力する波形信号とは逆位相となる信号を対向加振源13に入力して振動させるようになっている。これにより、対向加振源13は、ホルダ本体12のどの位置に固定されたとしても、加振源11からカンチレバー3以外に伝わる不要な振動を打ち消すことができ、カンチレバー3の共振以外の振動を低減することができる。
また、第1実施形態と同様に錘部42を備えているので、対向加振源13が発する振動を効率良くホルダ本体12側に伝えることができる。
なお、本実施形態において、位相と共に振幅を適時調整して(場合によっては、他の複数の異なる周波数を組み合わせた波形を合成して)対向加振源13を振動させても構わない。また、調整した結果、加振源11に入力された信号と同じ信号が最適な信号となる場合も考えられる。
特に、本実施形態の加振型カンチレバーホルダ41によれば、対向加振源13の固定位置を自由に選択できるので、設計の自由度を向上することができる。
次に、本発明に係る走査型プローブ顕微鏡及び加振型カンチレバーホルダの第3実施形態について、図6を参照して説明する。なお、第3実施形態において第2実施形態と同一の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第3実施形態との異なる点は、第2実施形態では、予め少なくとも位相が調整された信号を対向加振源13に入力したが、第3実施形態の走査型プローブ顕微鏡50は、カンチレバー3の振動以外の振動を測定し、この測定結果に基づいて対向加振源13を振動させる点である。
即ち、本実施形態の走査型プローブ顕微鏡50は、測定手段6による測定結果から、カンチレバー3の振動以外の振幅及び位相で振動する他の波形信号を検出するカットフィルタ(検出部)51と、カットフィルタ51で検出された他の波形信号を相殺するように、少なくとも振幅及び位相を調整して(場合によっては、他の複数の異なる周波数を組み合わせた波形を合成した)調整信号を加振電源7に出力する調整回路52とを備えている。また、加振電源7は、調整回路52から送られてきた調整信号に基づいて、対向加振源13を振動させる。
ここで、カットフィルタ51は、プリアンプ29で増幅されたDIF信号の中から、カンチレバー3の共振周波数だけをカットして、それ以外の信号(他の波形信号)を検出している。また、調整回路52は、検出された他の波形信号が最小となるように、位相反転及びゲイン調整を行って、逆位相となる信号を、振幅を調整した調整信号として加振電源7に出力する。
そして、加振電源7は、この調整信号に応じた位相及び振幅で対向加振源13を振動させる。これにより、加振源11からカンチレバー3以外に伝わった不要な振動を、さらに確実に打ち消すことができる。
従って、カンチレバー3の共振特性をより正確に識別することができ、測定精度をさらに向上することができる。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記第1実施形態では、錘部を斜面ブロックと同一形状、同一重量としたが、この場合に限られず、サイズ、重量は任意に設定して構わない。また、この錘部は必須ではなく、なくても構わない。但し、対向加振源の振動を効率良くホルダ本体側に伝えることができるので錘部を設けることが好ましく、更には上記実施形態と同様に斜面ブロックと同一形状、同一重量の錘部を設けることがより好ましい。
また、上記第2実施形態及び第3実施形態では、対向加振源をホルダ本体の第2の面上に固定したが、対向加振源の位置はこの位置に限定されるものではなく、例えば、加振源と同じ第1の面上に固定しても構わないし、側面に固定しても構わない。更に、対向加振源は、1つに限られず複数固定しても構わない。
また、上記各実施形態では、ホルダ本体に形成された開口部を介して、カンチレバーにレーザ光を入射させると共に反射したレーザ光を出射させる構成としたが、この場合に限られるものではない。例えば、図8に示すように、ホルダ本体12を光学的に透明な材料(例えば、ガラス)で構成して開口部12cをなくしても構わない。
この場合には、光照射部26から照射されたレーザ光Lは、ホルダ本体12の第2の面12bに垂直に入射してカンチレバー3の反射面に入射する。そして、該反射面で反射したレーザ光Lは、ホルダ本体12の第1の面12aに斜めに入射して、屈折を繰り返しながら光検出部28に向けて出射する。このように、光学的に透明な材料でホルダ本体12を構成することで、開口部12cをなくすことができるので、開口部12cを形成する手間を省くことができる。
また、上記各実施形態では、走査時において、カンチレバーの振動振幅が一定になるように、探針と試料との距離を制御したが、振動振幅に限られず、カンチレバーの振動状態が一定になるように制御すれば構わない。例えば、カンチレバーの周波数が一定になるように制御しても構わないし、カンチレバーの角度が一定になるように制御しても構わない。
また、上記各実施形態では、試料側を3次元方向に移動させる試料スキャン方式を例にして説明したが、この方式に限られず、カンチレバー側を3次元方向に移動させるカンチレバースキャン方式にしても構わない。
例えば、図9に示すように、走査型プローブ顕微鏡60は、加振型カンチレバーホルダ2が図示しない架台を介してXYスキャナ20の下面に固定されている。また、このXYスキャナ20は、Zスキャナ21の下面に固定されている。一方、試料Sは、固定されたステージ4上に載置されている。これにより、XY駆動部22及びZ駆動部23によって、XYスキャナ20及びZスキャナ21を作動させることで、探針3aと試料Sとを、3次元方向に対して相対的に移動させることができるようになっている。
更に、XYスキャナ20の下面には、光照射部26及び光検出部28が加振型カンチレバーホルダ2と共に固定されている。これにより、レーザ光Lを常にカンチレバー3の反射面に入射させることができるようになっている。
このように構成された走査型プローブ顕微鏡60においても、スキャン方式が異なるだけで、第1実施形態の走査型プローブ顕微鏡1と同一の作用効果を奏することができる。
なお、試料S側及びカンチレバー3側を共に、3次元方向に移動できるように構成しても構わない。
また、上記各実施形態では、振動モードSPMの一例として、DFM測定を行う場合を例にしたが、この場合に限られず、例えば、磁気を検知できる探針を有するカンチレバーを同様に振動させ、この際のカンチレバーの撓み振幅や位相を検出することで磁気試料の磁気分布や磁区構造等の測定を行うMFM(Magnetic Force Microscope:磁気力顕微鏡)においても同様の作用効果を奏することができる。
更に、上記MFMだけでなく、例えば、導電性探針(カンチレバー)と試料との間に、ACバイアス電圧を印加し、探針と試料との静電結合によってカンチレバーを振動させ、この際のカンチレバーの撓み振幅を検知することで試料の表面電位分布等の測定を行うKFM(Kelvin Prove Force Microscope:ケルビンプローブフォース顕微鏡)やSMM(Scanning Maxwell-stress Microscope:走査型マクスウェル応力顕微鏡)等のSPMにおいても同様の作用効果を奏することができる。
更には、AFM動作中に、試料を試料表面に平行な水平方向に横振動させ、又はカンチレバーを試料表面に平行な水平方向に横振動させ、この際のカンチレバーのねじれ振動振幅を検出することで摩擦力分布を測定するLM−FFM(Lateral Force Modulation Friction Force Microscope:横振動摩擦力顕微鏡)や、AFM動作中に、試料Sを試料表面S1に垂直なZ方向に微小振動させて、又は、カンチレバーを試料表面に垂直なZ方向に微小移動させて、周期的な力を加え、この際のカンチレバーの撓み振幅や、sin成分、cos成分を検出することで粘弾性分布を測定するVE−AFM(Viscoelastic AFM:マイクロ粘弾性測定−原子間力顕微鏡)等においても同様の作用効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、測定手段が光てこ方式によりカンチレバーの変位検出を行ったが、光てこ方式に限定されるものではない、例えば、カンチレバー自身に変位検出機能(例えば、ピエゾ抵抗素子等)を設けた自己検知方式を採用しても構わない。
本発明の第1実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡の構成図である。 図1に示す走査型プローブ顕微鏡の構成品で本発明に係る加振型カンチレバーホルダの側面図である。 図2に示す加振型カンチレバーにより固定されたカンチレバーの共振特性を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡の構成図である。 図4に示す走査型プローブ顕微鏡の構成品で本発明に係る加振型カンチレバーホルダの側面図である。 本発明の第3実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡の構成図である。 従来の加振型カンチレバーにより固定されたカンチレバーの共振特性を示す図である。 図2に示す加振型カンチレバーホルダの変形例を示す図であって、開口部が形成されていない加振型カンチレバーホルダを示す図である。 図1に示す走査型プローブ顕微鏡の変形例を示す図であって、カンチレバー側を3次元方向に移動させるカンチレバースキャン式の走査型プローブ顕微鏡を示す図である。
符号の説明
S 試料
S1 試料表面
1、40、50、60 走査型プローブ顕微鏡
2、41 加振型カンチレバーホルダ
3 カンチレバー
3a 探針
3b 本体部
4 ステージ
5 移動手段
6 測定手段
7 加振電源
8 制御手段
10 斜面ブロック(載置台)
11 加振源(第1の加振源)
12 ホルダ本体
12a 第1の面
12b 第2の面
13 対向加振源(第2の加振源)
14、42 錘部
51 カットフィルタ(検出部)

Claims (8)

  1. 試料に対向配置され、先端に探針を有すると共に基端側が本体部に片持ち状態に支持されたカンチレバーを固定する加振型カンチレバーホルダであって、
    前記カンチレバーを前記試料に対して所定角度傾けた状態で前記本体部を載置して固定する載置台と、
    該載置台に固定され、所定の波形信号に応じた位相及び振幅で振動する第1の加振源と、
    該第1の加振源が固定されたホルダ本体と、
    該ホルダ本体の少なくとも1箇所に固定され、前記第1の加振源から前記載置台及び前記ホルダ本体に伝わった振動を、相殺させる振動を発生させる第2の加振源とを備えていることを特徴とする加振型カンチレバーホルダ。
  2. 請求項1に記載の加振型カンチレバーホルダにおいて、
    前記第2の加振源は、前記第1の加振源との相対位置関係及び第1の加振源に入力された前記所定の波形信号に基づいて、少なくとも位相が調整された波形信号を受けて振動することを特徴とする加振型カンチレバーホルダ。
  3. 請求項1又は2に記載の加振型カンチレバーホルダにおいて、
    前記第2の加振源を、前記ホルダ本体に向けて押し付ける錘部を備えていることを特徴とする加振型カンチレバーホルダ。
  4. 請求項1に記載の加振型カンチレバーホルダにおいて、
    前記ホルダ本体は、互いに対向する第1の面及び第2の面を有する平板状に形成され、
    前記第1の加振源と前記第2の加振源とは、前記ホルダ本体を挟んで対向配置されるように、前記第1の面及び前記第2の面にそれぞれ固定され、
    前記第2の加振源は、前記第1の加振源と同じ前記所定の波形信号を受けて振動することを特徴とする加振型カンチレバーホルダ。
  5. 請求項4に記載の加振型カンチレバーホルダにおいて、
    前記第2の加振源を、前記ホルダ本体に向けて押し付ける錘部を備えていることを特徴とする加振型カンチレバーホルダ。
  6. 請求項5に記載の加振型カンチレバーホルダにおいて、
    前記錘部は、前記載置台と同一形状及び同一重量であることを特徴とする加振型カンチレバーホルダ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の加振型カンチレバーホルダと、
    先端に探針を有すると共に基端側が本体部に片持ち状態に支持され、該本体部を介して前記加振型カンチレバーホルダに固定されるカンチレバーと、
    前記探針に対向配置された試料を載置するステージと、
    前記探針と前記試料とを、試料表面に平行な方向に相対的に走査させると共に、試料表面に垂直な方向に相対的に移動させる移動手段と、
    前記カンチレバーの振動状態の変位を測定する測定手段と、
    該測定手段による測定結果に基づいて、前記走査時に前記探針と前記試料表面との距離を、前記カンチレバーの振動状態が一定となるように前記移動手段を制御すると共に、観測データを採取する制御手段とを備えていることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  8. 請求項7に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記測定手段による測定結果から、前記カンチレバーの振動以外の振幅及び位相で振動する他の波形信号を検出する検出部と、
    該検出部で検出された前記他の波形信号を相殺するように、少なくとも振幅及び位相が調整された調整信号を前記第2の加振源に入力する加振電源とを備えていることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
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