JP2010190590A - 走査プローブ顕微鏡及びその動作方法 - Google Patents

走査プローブ顕微鏡及びその動作方法 Download PDF

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Abstract

【課題】走査プローブ顕微鏡において、カンチレバの背面に照射される光のフォーカススポットの位置及びフォーカス状態を調整しているときに、光検出器の受光面における反射光のスポットサイズの評価を同時に行う。
【解決手段】探針3aを備えるカンチレバ3と、カンチレバ3の背面に光10を照射するための光源1と、光源1から照射されてカンチレバ3の背面から反射した光(反射光)11を検出するための光検出器2と、光検出器2による反射光11の検出結果に基づいてカンチレバ3の変位を検出して出力する演算手段9とを有し、演算手段9は、光検出器2の2つの受光面による反射光11の検出信号の差分を算出してこの差分に応じた信号を出力する機能を備えた走査プローブ顕微鏡において、光検出器2をその受光面の配列方向に沿って振動させるための振動手段8を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、原子間力顕微鏡等からなる走査プローブ顕微鏡及びその動作方法に関する。
試料表面をnmオーダの高分解能で、表面形状の観察を行うことができる走査プローブ顕微鏡(SPM)の代表的なものとして、原子間力顕微鏡(AFM)がある。AFMは、長さ100μm程度の片持ち状態とされたカンチレバの自由端側に設けられている探針を試料表面に近づけ、探針−試料間に生じる相互作用力を検出する。
その相互作用力は、カンチレバの変位やカンチレバの固有振動数の変化として現れる。そこで、カンチレバの変位又は固有振動数の変化を一定に保持するように、探針−試料間の距離を制御し、そのときの制御信号から試料表面の高さ情報(Z方向の情報)が求められる。そして、試料表面に対して探針を走査することにより、試料のX−Y平面での高さ情報が取得され、試料の表面形状像を得ることができる。
カンチレバの変位検出手段としては、光てこ方式が一般的に使用されている。光てこ方式は、光源からの光(レーザ光等)をカンチレバの背面にフォーカスさせ、この背面からの反射光を分割光検出器に受光させるような構成となっている。この構成により、探針−試料間の相互作用によりカンチレバが変位したときの撓みによる反射光の反射方向の変化を分割光検出器の差分信号として検出している。
図1(a)に、一般的な光てこ方式を備えるAFMの構成を示す。同図において、カンチレバ3の上方には、レーザダイオード(LD)を光源として備えるLDレンズユニット1が配置されている。LDレンズユニット1からのレーザ光10は、カンチレバ3の背面上でフォーカスされるようになっている。
カンチレバ3の背面に照射されたレーザ光10において、この背面で反射された反射光11は、受光面が2分割されたフォトダイオード(PD)2に入射する。このPD2は、光検出器を構成する。
このような構成において、LDレンズユニット1から出射されたレーザ光10は、LDレンズユニット1の位置調整(X,Y,Zの各方向での位置調整)を行うことにより、カンチレバ3の背面の先端部分にフォーカスされた状態で照射される。
カンチレバ3の背面から反射された反射光11は、PD2が位置する方向に向かって進む。PD2はプリアンプ付き基板5に直接取り付けられており、反射光11がPD2に入射して光電変換された検出信号をプリアンプが増幅する際に、当該検出信号へのノイズの混入を低減している。
カンチレバ3の背面におけるレーザ光10の位置合わせは、カンチレバ3の真上から見た像をCCDカメラ等により撮像し、その画像をオペレータが目視にて確認しながら、LDレンズユニット1のX,Y方向での位置調整を行う。
また、カンチレバ3の背面におけるレーザ光10のフォーカス合わせは、同様にオペレータがその画像を確認しながら、LDレンズユニット1のZ方向での位置調整を行う。
ここで、図2に、当該画像の一例を示す。同図に示すごとく、レーザ光10がカンチレバ3の背面の先端部分にフォーカスされた状態で照射され、当該先端部分にレーザ光10によるフォーカススポット4が形成されている。
なお、図1(a)に示す構成では、カンチレバ3の背面の真上からの撮像を直接的に行うことができないので、LDレンズユニット1とカンチレバ3との間に、図示しないスプリッタを配置して直上からの撮像を可能とする。また、可能な限り直上に近い斜め上方からカンチレバ3の背面を直接撮像してもよい。このようにして、レーザ光10によるカンチレバ3の背面上でのフォーカススポット4の位置及び状態が、画像によってオペレータにより目視にて観察できるようにしている。
PD2は、上述したように、分割された2つの受光面(A),(B)を備えている(図1(b)参照)。そして、カンチレバ3の背面から反射した反射光11は、これら2つの受光面(A),(B)に入射する。PD2の各受光面(A),(B)で受光された反射光11は、PD2内部でそれぞれ光電変換され、光電変換後の各検出信号はプリアンプ付き基板5によって増幅される。プリアンプ付き基板5により増幅された各検出信号は、演算手段9に送られる。
ここで、PD2に設けられた2つ受光面のうち、上側に位置する受光面(A)によって検出された反射光11に基づく検出信号(プリアンプ付き基板5により増幅済み)をA、下側に位置する受光面(B)によって検出された反射光11に基づく検出信号(プリアンプ付き基板により増幅済み)をBとする。
演算手段9は、検出信号A,Bの加算(A+B)を行うとともに、検出信号A,Bの減算(A−B)を行う。これにより、加算信号(A+B)と差分信号(A−B)が得られる。この加算信号(A+B)と差分信号(A−B)は、演算手段9から、表示手段を備える図示しないコンピュータに出力される。コンピュータは、加算信号(A+B)に応じた表示(加算信号表示)と、差分信号(A−B)に応じた表示(差分信号表示)を行う。
オペレータは、コンピュータによる加算信号表示と差分信号表示を目視にて確認しながら、加算信号(A+B)が最大となり、差分信号(A−B)が最小(ほぼ零)となるようにPD2の位置調整を行う。このときの位置調整は、プリアンプ付き基板5の位置調整をすることにより、反射光11の進行方向に直交する面内におけるPD2の受光面の位置を調整する。この調整時において、カンチレバ3の振動は行わない。
ここで、カンチレバ3の下面(背面に対して反対側の面)の先端側には、探針3aが設けられている。探針3aの下方には、試料6が配置されている。試料6は、スキャナ7に載置されている。スキャナ7は、試料6をX,Y,Z各方向に移動できる。
コンタクトモードAFMの場合は、試料6にカンチレバ3の探針3aが接触し、試料表面からカンチレバ3を押し上げるような斥力が生じたときには、PD2の受光面上での反射光11のスポット12aは上側に移動する。これにより、PD2において上側に位置する受光面(A)で検出される反射光11の受光量が増加するとともに、下側に位置する受光面(B)で検出される反射光11の受光量が減少する。この結果、差分信号(A−B)の値はプラス側に変化する。
コンピュータは、このときの差分値(A−B)の変化が一定に保持された状態で、試料6の表面上を探針3aが2次元走査するように、試料6を保持するスキャナ7のX動、Y動及びZ動の制御を行うことにより、試料6の表面形状データを取得する。
他の測定モードの場合では、カンチレバ3の撓み信号となる差分信号(A−B)の代わりに、固有振動数又はその付近でカンチレバ3を強制振動させたときの振幅等を用いることにより、同様の手法で表面形状データを取得することができる。
上述した光てこ方式によるカンチレバ3の変位検出では、カンチレバ3の先端での変位量Δdは、Δd=(3Sδ)/Lとなる。この変位量Δdが、差分信号(A−B)の変化量として検出される。
ここで、Sはカンチレバ3からPD2までの距離であり、Lはカンチレバ3の長さである。このような装置において、カンチレバ3の変位検出感度を向上させるために、光てこ比(S/L)は、一般的にある程度大きく設定されている。
なお、調整時において、カンチレバを振動させた状態で、加算信号が大きくかつ差分信号が小さくなるように、レーザ光源及び光検出器の位置調整を行う手法もある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−134113号公報
上述した光てこ方式における変位検出感度は、上記の光てこ比の他に、PD2の受光面における反射光11のスポットサイズ12(図1(b)参照)に大きく影響される。すなわち、当該スポットサイズ12が最小となった状態が、最も検出感度が良い状態となる。
そして、このPD2の受光面における反射光11のスポットサイズ12は、カンチレバ3の背面上でのレーザ光10のフォーカススポット4(図2参照)の照射位置や、レーザ光10のフォーカス状態により影響を受ける。
すなわち、カンチレバ3の背面において、表面形状が異なる部分や、汚れが存在する部分があると、その部分にレーザ光10が照射された場合には反射光11に影響が発生することとなる。
また、カンチレバ3の背面上でのレーザ光10のフォーカス状態は、ジャストフォーカスよりもアンダーフォーカスの状態のほうが好ましいとされている。
従って、オペレータがLDレンズユニット1のX,Y,Zの各方向での位置調整を行って、カンチレバ3の背面上でのレーザ光10のフォーカススポット4の位置及びフォーカス状態を調整しているときに、PD2の受光面における反射光11のスポットサイズ12の評価を行えることが望まれている。
しかしながら、上記調整をしている最中に、PD2の受光面における反射光11のスポットサイズ12の評価を行える装置は開発されていなかった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、カンチレバの背面に照射される光(レーザ光)のフォーカススポットの位置及びフォーカス状態を調整しているときに、光検出器(PD)の受光面における反射光のスポットサイズの評価を同時に行うことのできる走査プローブ顕微鏡及びその動作方法を提供することを目的としている。
本発明に基づく走査プローブ顕微鏡は、探針を備えるカンチレバと、カンチレバの背面に光を照射するための光源と、光源から照射されてカンチレバの背面から反射した光(反射光)を検出するための光検出器と、光検出器による反射光の検出結果に基づいてカンチレバの変位を検出して出力する演算手段とを有し、光検出器には少なくとも2つの受光面が設けられており、演算手段は、光検出器の2つの受光面による反射光の検出信号の差分を算出してこの差分に応じた信号を出力する機能を備えている走査プローブ顕微鏡であって、光検出器をその受光面の配列方向に沿って振動させるための振動手段を具備することを特徴としている。
また、本発明に基づく走査プローブ顕微鏡の動作方法は、探針を備えるカンチレバと、カンチレバの背面に光を照射するための光源と、光源から照射されてカンチレバの背面から反射した光(反射光)を検出するための光検出器と、光検出器による反射光の検出結果に基づいてカンチレバの変位を検出して出力する演算手段と、光検出器を振動させるための振動手段とを有し、光検出器には少なくとも2つの受光面が設けられており、演算手段は、光検出器の2つの受光面による反射光の検出信号の差分を算出してこの差分に応じた信号を出力する機能を備えている走査プローブ顕微鏡の動作方法であって、振動手段が光検出器をその受光面の配列方向に沿って振動させ、この状態で演算手段が光検出器の2つの受光面による反射光の検出信号の差分を算出し、この差分に応じた信号を出力することを特徴としている。
本発明に基づく走査プローブ顕微鏡においては、少なくとも2つの受光面が光検出器に設けられており、光検出器の2つの受光面による反射光の検出信号の差分を算出してこの差分に応じた信号を出力する機能を演算手段が備え、光検出器をその受光面の配列方向に沿って振動させるための振動手段を備えている。
これにより、カンチレバの背面に照射される光のフォーカススポットの位置及びフォーカス状態を調整しているときに、光検出器をその受光面の配列方向に沿って振動させ、このときの光検出器の2つの受光面による反射光の検出信号の差分(光検出器の当該振動に起因する反射光の検出信号の差分振動)をオペレータが確認することができる。
この結果、オペレータが当該差分振動の振幅を確認することにより、光検出器の受光面における反射光のスポットサイズの評価を行うことができる。この場合、当該差分振動の振幅が最大となるときが、当該スポットサイズが最小となる状態である。
従って、当該差分振動を確認しながらその振幅が最大となるように、カンチレバの背面に照射される光のフォーカススポットの位置及びフォーカス状態をオペレータが調整すれば、光検出器の受光面における反射光のスポットサイズが最小の状態となり、検出感度が最も良い状態とすることができる。
また、本発明に基づく走査プローブ顕微鏡の動作方法においては、振動手段が光検出器をその受光面の配列方向に沿って振動させ、この状態で演算手段が光検出器の2つの受光面による反射光の検出信号の差分を算出し、この差分に応じた信号を出力する。
これによっても、カンチレバの背面に照射される光のフォーカススポットの位置及びフォーカス状態を調整しているときに、光検出器をその受光面の配列方向に沿って振動させて、このときの光検出器の2つの受光面による反射光の検出信号の当該差分振動をオペレータが確認することができ、上記と同様の効果を得ることができる。
走査プローブ顕微鏡における光てこ方式の構成を示す図である。 カンチレバの背面でのレーザ光によるフォーカススポットを示す図である。 本発明における走査プローブ顕微鏡の要部を示す概略構成図である。 本発明の変形例における走査プローブ顕微鏡の要部を示す概略構成図である。
以下、図面を参照して、本発明における実施の形態について説明する。図3は、本発明における走査プローブ顕微鏡の要部を示す概略構成図である。本発明の走査プローブ顕微鏡においても、光てこ方式を用いている。
図3(a)において、カンチレバ3の上方には、レーザダイオード(LD)からなる光源を備えるLDレンズユニット1が配置されている。LDレンズユニット1からのレーザ光10は、カンチレバ3の背面上でフォーカスされるようになっている。
カンチレバ3の背面に照射されたレーザ光10において、この背面で反射された反射光11は、受光面が2分割されたフォトダイオード(PD)2に入射する。このPD2は、光検出器を構成する。
このような構成において、オペレータがLDレンズユニット1の位置調整(X、Y、Zの各方向での位置調整)を行うことにより、LDレンズユニット1から出射されたレーザ光10は、カンチレバ3の背面の先端部分にフォーカスされた状態で照射される。
カンチレバ3の背面から反射された反射光11は、PD2が位置する方向に向かって進む。
ここで、PD2は、PD2を振動させるための振動手段となるピエゾ素子(PZT)8を介して、プリアンプ付き基板5に取り付けられている。PZT8は、PD2を、その2つの受光面(A),(B)の配列方向に沿って振動させることができる(図3(a)及び図3(b)中の「振動方向」を示す矢印を参照)。
PD2とPZT8との間には接着剤が介在されており、この接着剤によりPD2がPZT8に固定されている。また、PZT8とプリアンプ付き基板5との間にも接着剤が介在されており、この接着剤によってPZT8がプリアンプ付き基板5に固定されている。
そして、PD2から出力された検出信号は、プリアンプ付き基板5に直ちに供給される。これにより、反射光11がPD2に入射して光電変換されて出力された検出信号をプリアンプにより増幅する際に、当該検出信号へのノイズの混入を低減することができる。なお、PZT8をより小さく作製するためには、シェアーモード(剪断変形)のピエゾ素子から構成することが好ましい。
カンチレバ3の背面におけるレーザ光10の位置合わせは、カンチレバ3の真上から見た像をCCDカメラ等の撮像素子により撮像し、その画像をオペレータが目視にて確認しながら、LDレンズユニット1のX,Y方向での位置調整を行う。
そして、カンチレバ3の背面におけるレーザ光10のフォーカス合わせは、同様にオペレータがその画像を確認しながら、LDレンズユニット1のZ方向での位置調整を行う。
ここで、レーザ光10がカンチレバ3の背面にフォーカスされた状態で照射されることにより、カンチレバ3の先端部分の背面に形成されるフォーカススポットは、図2に示したフォーカススポット4と同様である。
PD2は、上述したように、分割された2つの受光面(A),(B)を備えており、これら受光面(A),(B)は上下に配列されている。カンチレバ3の背面から反射した反射光11は、これらの受光面(A),(B)に入射する。PD2の各受光面(A),(B)で受光された反射光11は、PD2内部でそれぞれ光電変換され、光電変換後の各検出信号はプリアンプ付き基板に供給されて増幅される。プリアンプ付き基板により増幅された各検出信号は、演算手段9に送られる。
ここで、PD2に設けられた2つの受光面(A),(B)のうち、上側に位置する受光面(A)によって検出された反射光11に基づく検出信号(プリアンプ付き基板5により増幅済み)をA、下側に位置する受光面(B)によって検出された反射光11に基づく検出信号(プリアンプ付き基板5により増幅済み)をBとする。
演算手段9は、検出信号A,Bの加算(A+B)を行うとともに、検出信号A,Bの減算(A−B)を行う。これにより、加算信号(A+B)と差分信号(A−B)が得られる。この加算信号(A+B)と差分信号(A−B)は、演算手段9から、表示手段を備える図示しないコンピュータに出力される。コンピュータは、加算信号(A+B)に応じた表示(加算信号表示)と、差分信号(A−B)に応じた表示(差分信号表示)を行う。なお、コンピュータは、後述するスキャナ7とPZT8の駆動制御を行うことができる。
そして、まずオペレータは、コンピュータによって行われた加算信号表示と差分信号表示とを目視にて確認しながら、加算信号(A+B)が最大となり、差分信号(A−B)が最小(ほぼ零)となるようにPD2の位置調整を行う。このときの位置調整は、プリアンプ付き基板5の位置調整を行うことにより、反射光11の進行方向に直交する面内におけるPD2の受光面の位置を調整する。この調整時において、カンチレバ3の振動は行わない。当該調整が済んだ後、プリアンプ付き基板5は、本走査プローブ顕微鏡内部において、位置固定される。
その後、さらにオペレータは、コンピュータを操作してPZT8の駆動を実行する。このとき、コンピュータの制御により、PZT8には所定の交流電圧が印加される。これにより、PZT8は、当該交流電圧の周波数で振動する。この結果、PZT8に固定されたPD2が、上下に配置された2つの受光面(A),(B)の配列方向に沿って振動する(図3(b)参照)。
このときにも、カンチレバ3の背面にはレーザ光10が照射されており、この背面からの反射光11はPD2の受光面(A),(B)に入射されている。各受光面(A),(B)において受光された反射光11に基づく各検出信号は、それぞれプリアンプ付き基板5により増幅され、増幅後の各検出信号A,Bとして、演算手段9に送られる。なお、このときにおいても、カンチレバ3の振動は行わない。
演算手段9は、当該検出信号の減算(A−B)を行い、差分信号(A−B)を求めてコンピュータに出力する。この差分(A−B)は、PD2及びその各受光面(A),(B)が上記周波数で振動しているので検出信号A,Bの差分振動となる。従って、当該差分信号(A−B)は、図3(a)中のFで示すような発振波形となる。この差分信号(A−B)の周波数は、上述した周波数と一致する。
当該差分信号(A−B)は、図示しないLock−inアンプやRMS−DCアンプにより、その振幅に対応する直流信号に変換される。この直流信号は、コンピュータに送られる。コンピュータは、当該直流信号に基づいて、上記差分信号(A−B)の振動振幅に応じた表示(差分振動振幅表示)を行う。
オペレータは、コンピュータによって行われた差分振動振幅表示を目視にて確認しながら、上記直流信号が最大となる(すなわち、上記差分信号(A−B)の振動振幅が最大となる)ように、LDレンズユニット1のX,Y,Zの各方向における位置調整を行う。
この位置調整時には、カンチレバ3の背面上でのレーザ光10のフォーカススポット4の位置及びそのフォーカス状態の調整が行われる。すなわち、上記差分信号(A−B)の振動振幅が最大となるように、カンチレバ3の背面上でのレーザ光10のフォーカススポット4の位置及びそのフォーカス状態の調整がオペレータにより成される。
このような調整を行うことにより、PD2の受光面における反射光11のスポットサイズ12が最適となり、光てこ方式におけるカンチレバ3の変位検出感度として、最大感度を得ることができる。
そして、カンチレバ3の下面(背面に対して反対側の面)の先端側には、探針3aが設けられている。探針3aの下方には、試料6が配置されている。試料6は、スキャナ7に載置されている。スキャナ7は、試料6をX,Y,Z各方向に移動できる。
上記調整を行った後、コンタクトモードAFMによる試料測定を行う場合は、試料6にカンチレバ3の探針3aを接触させる。そして、試料表面からカンチレバ3の先端部を押し上げるような斥力が生じたときには、PD2の受光面上での反射光11のスポット12aは上側に移動する。これにより、PD2において上側に位置する受光面(A)で検出される反射光11の受光量が増加するとともに、下側に位置する受光面(B)で検出される反射光11の受光量が減少する。この結果、差分信号(A−B)の値はプラス側に変化する。この差分信号(A−B)は、カンチレバ3の先端部の変位に対応する。
コンピュータは、このときの差分値(A−B)の変化が一定に保持された状態で、試料6の表面上を探針3aが2次元走査するように、試料6を保持するスキャナ7のX動、Y動及びZ動の制御を行うことにより、試料6の表面形状データを取得する。
また、他の測定モードによる試料測定を行う場合では、カンチレバ3の撓み信号となる差分信号(A−B)の代わりに、固有振動数又はその付近でカンチレバ3を強制振動させたときの振幅等を用いることにより、同様の手法で表面形状データを取得することができる。
なお、上記の実施の形態においては、PD2に設けられた受光面の分割数は2であったが、これに限られることなく、例えば受光面の分割数が4であるPDの場合においても本発明は適用できる。この場合には、4つの受光面のうちで、上下方向に配置された2つの受光面を用いることにより、本発明を実行することが可能となる。
また、図4に示すごとく、左右方向H及び上下方向Iに4分割された受光面を備えるPD2aにおいて、左右方向Hに配置された2つの受光面を用いることにより、カンチレバ3のねじれに対しても最大感度が得られるように調整することもできる。
この場合には、同図に示すように、シェアーモードのPZTをその駆動が直交する(それぞれ左右方向H及び上下方向Iに沿って駆動する)ように2枚貼り合わせてなるPZT構成体8aを、PD2aとプリアンプ付き基板5との間に配置する。そして、ねじれ信号としては、左側の受光面の信号を加算したC(=a1+b1)と右側の受光面を加算したD(=a2+b2)との差分(C−D)を用いる。
このように、本発明における走査プローブ顕微鏡は、探針3aを備えるカンチレバ3と、カンチレバ3の背面に光10を照射するための光源1と、光源1から照射されてカンチレバ3の背面から反射した光(反射光)11を検出するための光検出器2と、光検出器2による反射光11の検出結果に基づいてカンチレバ3の変位を検出して出力する演算手段9とを有し、光検出器2には少なくとも2つの受光面(A),(B)が設けられており、演算手段9は、光検出器2の2つの受光面(A),(B)による反射光11の検出信号A,Bの差分(A−B)を算出してこの差分(A−B)に応じた信号を出力する機能を備えている走査プローブ顕微鏡であって、光検出器2をその受光面(A),(B)の配列方向に沿って振動させるための振動手段8を具備することを特徴としている。
また、本発明における走査プローブ顕微鏡の動作方法は、探針3aを備えるカンチレバ3と、カンチレバ3の背面に光10を照射するための光源1と、光源1から照射されてカンチレバ3の背面から反射した光(反射光)11を検出するための光検出器2と、光検出器2による反射光11の検出結果に基づいてカンチレバ3の変位を検出して出力する演算手段9と、光検出器2を振動させるための振動手段8とを有し、光検出器2には少なくとも2つの受光面(A),(B)が設けられており、演算手段9は、光検出器2の2つの受光面(A),(B)による反射光11の検出信号A,Bの差分(A−B)を算出してこの差分(A−B)に応じた信号を出力する機能を備えている走査プローブ顕微鏡の動作方法であって、振動手段8が光検出器2をその受光面(A),(B)の配列方向に沿って振動させ、この状態で演算手段9が光検出器2の2つの受光面(A),(B)による反射光11の検出信号の差分(A−B)を算出し、この差分(A−B)に応じた信号を出力することを特徴としている。
ここで、上記走査プローブ顕微鏡において、光検出器2は、その検出信号を増幅するためのプリアンプ基板5に、振動手段8を介して取り付けられた構成をとることができる。また、振動手段8は、ピエゾ素子から構成することができる。
本発明においては、振動手段8によって光検出器2をその受光面(A),(B)の配列方向に微小振動させたときの差分(A−B)に応じた信号をオペレータが確認することにより、光検出器の受光面における反射光11のスポットサイズに関する指標がわかる。
これにより、LDレンズユニット1からのレーザ光10のカンチレバ3への照射位置やフォーカス状態を適宜調整することにより、これらの影響を受けることとなる当該スポットサイズの最適化を行うことができる。
1…LDレンズユニット(光源)、2…PD(光検出器)、3…カンチレバ、3a…探針、4…フォーカススポット、5…プリアンプ付き基板、6…試料、7…スキャナ、8…PZT(振動手段)、9…演算手段、10…レーザ光(光)、11…反射光、12…スポットサイズ、(A),(B)…受光面

Claims (6)

  1. 探針を備えるカンチレバと、カンチレバの背面に光を照射するための光源と、光源から照射されてカンチレバの背面から反射した光(反射光)を検出するための光検出器と、光検出器による反射光の検出結果に基づいてカンチレバの変位を検出して出力する演算手段とを有し、光検出器には少なくとも2つの受光面が設けられており、演算手段は、光検出器の2つの受光面による反射光の検出信号の差分を算出してこの差分に応じた信号を出力する機能を備えている走査プローブ顕微鏡であって、光検出器をその受光面の配列方向に沿って振動させるための振動手段を具備することを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  2. 光検出器は、その検出信号を増幅するためのプリアンプ基板に、振動手段を介して取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の走査プローブ顕微鏡。
  3. 振動手段は、ピエゾ素子からなることを特徴とする請求項1又は2記載の走査プローブ顕微鏡。
  4. 探針を備えるカンチレバと、カンチレバの背面に光を照射するための光源と、光源から照射されてカンチレバの背面から反射した光(反射光)を検出するための光検出器と、光検出器による反射光の検出結果に基づいてカンチレバの変位を検出して出力する演算手段と、光検出器を振動させるための振動手段とを有し、光検出器には少なくとも2つの受光面が設けられており、演算手段は、光検出器の2つの受光面による反射光の検出信号の差分を算出してこの差分に応じた信号を出力する機能を備えている走査プローブ顕微鏡の動作方法であって、振動手段が光検出器をその受光面の配列方向に沿って振動させ、この状態で演算手段が光検出器の2つの受光面による反射光の検出信号の差分を算出し、この差分に応じた信号を出力することを特徴とする走査プローブ顕微鏡の動作方法。
  5. 光検出器は、その検出信号を増幅するためのプリアンプ基板に、振動手段を介して取り付けられていることを特徴とする請求項2記載の走査プローブ顕微鏡の動作方法。
  6. 振動手段は、ピエゾ素子からなることを特徴とする請求項4又は5記載の走査プローブ顕微鏡の動作方法。
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