JPH1194854A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JPH1194854A
JPH1194854A JP10178446A JP17844698A JPH1194854A JP H1194854 A JPH1194854 A JP H1194854A JP 10178446 A JP10178446 A JP 10178446A JP 17844698 A JP17844698 A JP 17844698A JP H1194854 A JPH1194854 A JP H1194854A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】走査応答性に優れていると共に、常に正確な測
定情報を得ることが可能な走査型プローブ顕微鏡を提供
する。 【解決手段】三次元方向に移動可能な移動端を有するス
キャナ28と、この移動端に着脱自在に取り付けられた
カンチレバー30と、カンチレバーに所定の光を照射可
能な発光素子32及びカンチレバーからの反射光を受光
可能な受光素子34を有する変位センサと、スキャナの
移動端の移動中、発光素子からの光が常時カンチレバー
の一定位置に一定の入射角度で照射されるように、変位
センサの位置を調整可能な位置調整機構とを備える。位
置調整機構は、所定の形状のガイド面52を有する固定
系と、変位センサを支持した状態でガイド面に沿って移
動可能な可動系と、可動系をガイド面に沿って移動させ
ることによって、変位センサを所定方向に所定量だけ平
行移動及び回転させる駆動系とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば原子オーダ
ーの分解能で試料の表面情報を測定するための走査型プ
ローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走査型プローブ顕微鏡(SPM:
Scanning Probe Microscope )の一例として、ビニッヒ
(Binnig)やローラー(Rohrer)等によって、走査型トンネ
ル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Microscope )
が発明されている。しかし、STMでは、観察できる試
料が導電性の試料に限られている。そこで、サーボ技術
を始めとするSTMの要素技術を利用し、絶縁性の試料
を原子オーダーの分解能で観察できる装置として原子間
力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope )が提案
されている(特開昭62−130302号公報参照)。
【0003】AFM構造は、SPMの一つとして位置付
けられており、例えば図9に示すように、自由端に尖鋭
化した探針2を有するカンチレバー4と、このカンチレ
バー4を支持すると共に、探針2と試料6とを相対的に
移動させるスキャナ8(例えば、チューブ型ピエゾスキ
ャナやチューブ型圧電体スキャナなど)と、カンチレバ
ー4の自由端の撓み変位を例えば光学的に検出可能な変
位センサ10とを備えている。
【0004】カンチレバー4は、その基端部が取付台1
2に支持されており、この取付台12を介してスキャナ
8の移動端に着脱自在に取り付けられている。また、ス
キャナ8は、その基端部が所定のベース14に取り付け
られている。また、変位センサ10は、レーザー発振器
やフォトセンサ等の光学系を内蔵しており、スキャナ8
の移動端に取り付けられている(第1の従来技術)。
【0005】このような第1の従来技術の構成におい
て、ステージ16上に載置された試料6に対して探針2
を近接させると、探針2先端と試料6表面との間に働く
相互作用(例えば、原子間力、接触力、粘性、摩擦力、
磁気力など)によって、カンチレバー4の自由端が変位
する。そして、この自由端に生じる変位量を光学的に検
出しながら(或いは、自由端の変位量を一定に維持する
ように、スキャナ8をZ方向にフィードバック制御しな
がら)、探針2を試料6表面に沿ってXY方向に相対的
に走査することによって、試料2の表面情報等(例え
ば、凹凸情報)が三次元的に測定される。
【0006】また、例えばUSP5,463,897や
USP5,560,244には、スキャナの走査応答性
を向上させた走査型プローブ顕微鏡が開示されている。
【0007】このような走査型プローブ顕微鏡は、例え
ば図10(a)に示すように、ベース14に形成した開
口14aを介して所定のレーザー光をスキャナ8内に入
射させることが可能なレーザー発振器18と、このレー
ザー発振器18からスキャナ8内に入射したレーザー光
をカンチレバー4(具体的には、カンチレバー4の背面
(即ち、探針2が設けられた面とは反対側の面))に集
光させることが可能なレンズ20と、レーザー光をカン
チレバー4の背面に集光させた際に、このカンチレバー
4の背面から反射した反射光を受光可能なフォトセンサ
22(例えば、4分割フォトダイオード)とを備えてい
る。
【0008】レンズ20は、レーザー発振器18からの
レーザー光が、このレンズ20の中心に入射するよう
に、スキャナ8内に設けられた取付枠24に位置決め固
定されている。また、フォトセンサ22は、ベース14
に設けられた支持台26に支持されており、フォトセン
サ22の受光面22aと平行な面方向に沿って移動させ
ることができるように構成されている(第2の従来技
術)。
【0009】なお、他の構成は、第1の従来技術と略同
様であるため、同一符号を付して、その説明を省略す
る。
【0010】このような第2の従来技術の構成におい
て、レーザー発振器18から出射されたレーザー光は、
ベース14の開口14aを介してレンズ20に入射した
後、このレンズ20によって、カンチレバー4の背面に
集光される。
【0011】このとき、カンチレバー4の背面から反射
した反射光は、フォトセンサ(例えば、4分割フォトダ
イオード)22に照射され、このフォトセンサ22の各
々の受光素子によって、所定の電気信号(具体的には、
受光量及び/又は受光位置に対応した強度の電気信号)
に変換される。
【0012】このような状態において、スキャナ8の移
動端をXY方向(例えば、X方向)に移動させた場合、
カンチレバー4は、移動端の移動量と略同量だけX方向
に移動する。そして、XY走査中、レーザー光をカンチ
レバー4の背面に集光させるように、焦点距離を考慮し
つつレンズ20の取付位置が調整されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
従来技術では、カンチレバー4と変位センサ10と取付
台12が、スキャナ8の移動端に取り付けられているた
め、スキャナ8の移動端に加わる質量が増大して、スキ
ャナ8の移動端の運動質量が大きくなる。このため、ス
キャナ8の共振周波数が低くなり、XYZ方向の走査応
答性が低下してしまうといった問題がある。
【0014】そして、このような走査応答性の低いスキ
ャナ8(換言すれば、移動端の運動質量の大きなスキャ
ナ8)を用いて、例えば図10(b)に示すような急激
な段差6aを有する試料6(半導体の回路パターン等)
の表面情報を測定する場合、XY方向の走査速度を上げ
たとき、スキャナ8のZ方向への変位動作が追いつかず
に、試料6の表面情報を正確に測定することが困難にな
ってしまうといった問題が生じる。
【0015】また、変位センサ10には、上記光学系と
カンチレバー4との間の位置関係を調整するための調整
ツマミが取り付けられており、この調整ツマミを操作す
る際に変位センサ10に加えられる操作力によって、ス
キャナ8に曲げモーメントが負荷される。一般に、スキ
ャナ8は、薄いセラミックで形成されており、所定の接
着剤によってベース14に接着されている。このため、
スキャナ8に曲げモーメントが負荷されると、スキャナ
8が損傷したり、或いは、スキャナ8がベース14から
剥がれてしまうといった問題を生じる場合がある。
【0016】一方、第2の従来技術は、上記の第1の従
来技術の問題を解決するために改良された技術である
が、第1の従来技術が持っていた別の技術的効果を犠牲
にしている。
【0017】ここで、試料6と探針2との間に相互作用
が生じない状態(即ち、カンチレバー4を試料6から充
分離間させた状態)でスキャナ8の移動端を変位させた
場合を想定する。
【0018】この場合、第1の従来技術では、スキャナ
8の移動端の変位状態に影響されること無く、変位セン
サ10の光学系とカンチレバー4との間の位置関係は、
常に一定であるため、カンチレバー4に入射するレーザ
ー光の入射位置及び入射角度は変化しない。この結果、
カンチレバー4から反射した反射光のフォトセンサに対
する照射位置も常時一定に維持される。従って、変位セ
ンサ10から出力される電気信号は、常時一定に維持さ
れ、変化することは無い。
【0019】これに対して、第2の従来技術では、スキ
ャナ8の移動端を変位させると、その変位状態に対応し
て、カンチレバー4に対するレーザー光の入射角度及び
/又は入射位置が変化する。
【0020】カンチレバー4に対するレーザー光の入射
角度が変化する場合、カンチレバー4から反射した反射
光のフォトセンサ22に対する照射位置も変化する。こ
の結果、図10(c)に示すように、フォトセンサ22
から出力される電気信号は、スキャナ8の移動端の変位
dに対して、カンチレバー4の自由端が、試料6の凹凸
表面と探針2との間の相互作用によってあたかも変位し
たかのような出力特性Zを奏する。
【0021】また、カンチレバー4に対するレーザー光
の入射位置が変化する場合、このレーザー光の一部がカ
ンチレバー4からはみ出してしまうため、フォトセンサ
22に照射される反射光の照射位置が変化し、受光面2
2a上の光強度分布が変化する。この結果、図10
(c)に示すように、フォトセンサ22から出力される
電気信号は、スキャナ8の移動端の変位dに対して、カ
ンチレバー4の自由端が、試料6の凹凸表面と探針2と
の間の相互作用によってあたかも変位したかのような出
力特性Zを奏する。
【0022】従って、第2の従来技術を用いて実際に試
料6の表面情報を測定した場合、試料6の実際の表面情
報(凹凸情報)に対して、上記のような出力特性Zに対
応した電気信号がノイズ信号となって重畳されるため、
正確な表面情報を測定することが困難になってしまうと
いった問題が生じる。なお、このとき得られる表面情報
信号は、カンチレバー4の自由端が試料6から充分に離
れたときに生じる誤差信号を単に加算した信号ではな
い。つまり、表面情報信号は、試料6の凹凸情報と誤差
信号との関数になっている。
【0023】本発明は、このような問題を解決するため
に成されており、その目的は、走査応答性に優れている
と共に、常に正確な測定情報を得ることが可能な走査型
プローブ顕微鏡を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、三次元方
向に移動可能な移動端を有するスキャナと、このスキャ
ナの移動端に着脱自在に取り付けられたカンチレバー
と、このカンチレバーの変位状態を光学的に検出するよ
うに、カンチレバーに所定の光を照射可能な発光素子及
びカンチレバーから反射した反射光を受光可能な受光素
子を有する変位センサと、スキャナの移動端を移動させ
ている間、発光素子から発光した光がカンチレバーの一
定位置に一定の入射角度で照射されるように、変位セン
サの位置を調整可能な位置調整機構とを備えている。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
に係る走査型プローブ顕微鏡について、図1〜図3を参
照して説明する。
【0026】図1(a)に示すように、本実施の形態の
走査型プローブ顕微鏡は、所定の電気信号を印加するこ
とによって、三次元方向(XYZ方向)に移動可能な移
動端を有するスキャナ28と、このスキャナ28の移動
端に着脱自在に取り付けられたカンチレバー30と、こ
のカンチレバー30の変位状態を光学的に検出するよう
に、カンチレバー30に所定の光を照射可能な発光素子
32及びカンチレバー30から反射した反射光を受光可
能な受光素子34を有する変位センサと、スキャナ28
の移動端を移動させている間、発光素子32から発光し
た光が常時カンチレバー30の一定位置に一定の入射角
度で照射されるように、変位センサの位置を調整可能な
位置調整機構とを備えている。
【0027】スキャナ28は、その固定端が顕微鏡ベー
ス36に固定されており、例えば中空の円筒型(チュー
ブ型)圧電体スキャナを適用することが可能である。な
お、スキャナ28の移動端には、スキャナ28の中心線
に対して同心円状に形成された開口38a(以下、リン
グ開口という)を有するリング38が取り付けられてい
る。なお、リング38は、同心円状である必要は無く、
その形状は限定されない。
【0028】また、スキャナ28としては、印加電圧に
基づいて一方向に伸縮する3本の棒状圧電体を互いに直
交する軸方向(XYZ軸方向)に配置したものを適用し
ても有効である。これは公知の「トライポット型」と呼
ばれるアクチュエータであるため、その詳細な説明は省
略する。
【0029】更に、この「トライポット型」のアクチュ
エータの問題点として、3本の棒状圧電体の伸縮が互い
に干渉してしまうことが挙げられるが、この問題点を解
決するような構成、例えば、特開平9−89910号に
記載された「プローブ走査機構」を用いることも有効で
ある。これは「トライポット型」のアクチュエータを改
良したものであるが、異なる点として、印加電圧に基づ
いて一方向に伸縮する3本の棒状圧電体を互いに直交す
る軸方向(XYZ軸方向)に配置すると共に、これら棒
状圧電体が接点を持たず、カンチレバーを保持する移動
体を押圧する点が挙げられる。従って、この「プローブ
走査機構」は、「トライポット型」と比較して、3本の
棒状圧電体の伸縮が独立して得られる。
【0030】以下、本実施の形態においては、スキャナ
28としてチューブ型圧電体スキャナを適用した場合に
ついて詳述する。
【0031】カンチレバー30は、その自由端に先鋭化
した探針40を有しており、その基端に装着された取付
台42を介してリング38に対して着脱自在に取り付け
ることができるようになっている。なお、カンチレバー
30は、その自由端がリング開口38a内(例えば、リ
ング開口38aの中心、スキャナ28の中心線上)に位
置付けられるように、リング38に取り付けることが好
ましい。
【0032】変位センサは、位置調整機構が内蔵された
センサーホルダ44内に配置されており、この位置調整
機構によって、所定方向に所定量だけ平行移動及び回転
させることができるように構成されている。なお、セン
サーホルダ44は、取付部材46を介して顕微鏡ベース
36に取り付けられており、この取付部材46は、顕微
鏡ベース36に沿って二次元方向にセンサーホルダ44
を移動させることができるように構成され、例えば、測
定前の初期設定時に、カンチレバー30の背面の所望位
置へ発光素子32からの光を照射するための位置調整を
行うことが可能である。
【0033】また、変位センサの発光素子32は、例え
ば単色光やレーザー光等の測定光をリング開口38aを
介してカンチレバー30の背面(探針40が設けられた
面とは反対側の面)に照射させることができるように構
成されている。
【0034】また、変位センサの受光素子34は、例え
ば4分割フォトダイオードを適用することが可能であ
り、カンチレバー30の背面から反射した反射光を各々
の受光面で受光し、その各々の受光面の受光量及び/又
は受光位置に対応した電気信号に変換することができる
ように構成されている。
【0035】また、顕微鏡ベース36には、スキャナ2
8の中心線に対して同心円状に形成された開口36a
(以下、ベース開口という)が設けられており、取付部
材46を移動させてセンサーホルダ44の位置を調整す
ることによって、変位センサをベース開口36a内の所
定位置に位置付けることができるようになっている。な
お、ベース開口36aは、同心円状である必要は無く、
その形状は限定されない。
【0036】なお、本実施の形態の走査型プローブ顕微
鏡に適用可能な測定法としては、探針接触圧設定時のカ
ンチレバー30の撓み状態を一定に維持しながら、カン
チレバー30を励振させること無く探針40を試料48
に沿ってXY方向に走査することによって、試料48の
表面情報を測定するDC(Direct Contact)モード測定
法と、所定の共振周波数でカンチレバー30を励振させ
た状態において、探針40を試料48に沿ってXY方向
に走査することによって、試料48の表面情報を測定す
るAC( Alternative Contact)モード測定法とがあ
る。以下の説明では、前記DCモード測定法及びACモ
ード測定法を総称して単にSPM測定ということとす
る。
【0037】また、このSPM測定法には、試料の表面
情報を検出する方法として、以下に示すような2つの方
法がある。
【0038】1) カンチレバー30の自由端部の変位
又は振幅を一定に保つように試料48とカンチレバー3
0との間の距離を制御し、このときの制御信号に基づい
て、試料48の表面情報(例えば、試料表面の凹凸情
報)を検出する方法。
【0039】2) 試料48とカンチレバー30との間
の距離を所定の初期状態に保ち、このときのカンチレバ
ー30の自由端部の変位又は振幅の変化量に基づいて、
試料48の表面情報(例えば、試料表面の凹凸情報)を
検出する方法。
【0040】また、本実施の形態は、ステージ50上に
固定された試料48に対して探針40をXY方向に移動
させることによって、試料48の表面情報をSPM測定
する探針走査型の走査型プローブ顕微鏡を想定してい
る。
【0041】この走査型プローブ顕微鏡には、特に図示
しないが、SPM測定中において、受光素子34からの
信号に基づいて探針40先端と試料48表面との間の距
離(カンチレバー30の撓み状態)を一定に維持させる
ように、スキャナ28に所定の電気信号(例えば、電圧
信号)を印加する制御回路(例えば、フィードバック制
御回路)が設けられている。
【0042】本実施の形態に適用した位置調整機構は、
上述したSPM測定中、発光素子32から発光した測定
光が常時カンチレバー30の背面の同一位置に一定の入
射角度で照射されるように、変位センサを所定方向に所
定量だけ平行移動及び回転させることができるように構
成されている。
【0043】図1(b)には、センサーホルダ44に内
蔵された位置調整機構の構成が示されている。位置調整
機構は、所定の形状のガイド面52を有する固定系と、
変位センサを支持した状態で、固定系のガイド面52に
沿って移動可能な可動系と、可動系を固定系のガイド面
52に沿って移動させることによって、変位センサを所
定方向に所定量だけ平行移動及び回転させることが可能
な駆動系とを備えている。
【0044】固定系は、センサーホルダ44に固定され
た中空リング状の固定体54を備えており、この固定体
54には、後述する関数及びその補正によって規定され
る形状を有するガイド面52が形成されている。なお、
固定体54には、発光素子32から発光した測定光を通
過させるための開口54aが形成されており、一方、セ
ンサーホルダ44には、開口54aと連通接続した穴部
44aが形成されている。
【0045】可動系は、変位センサの発光素子32及び
受光素子34が取り付けられた可動体56と、この可動
体56を固定体54のガイド面52に沿って図中矢印方
向に平行移動及び回転させるように、可動体56と固定
体54のガイド面52との間に回転自在に挿入された複
数の球体58とを備えている。なお、本実施の形態で
は、その一例として、可動体56と固定体54のガイド
面52との間に、3個の球体58が挿入されている。
【0046】可動体56には、測定光をカンチレバー3
0(図1(a)参照)の背面に照射した際に、このカン
チレバー30の背面から反射した反射光を受光すること
ができるように、発光素子32及び受光素子34の取付
位置を調整する取付調整機構が設けられている。具体的
には、本実施の形態では、その一例として、受光素子3
4は、その取付位置の取付面内において、二次元方向に
移動させることができるようになっている。
【0047】また、可動体56は、センサーホルダ44
に取り付けられたZ方向押圧部材(例えば、押圧バネ6
0)によって、常時、固定体54のガイド面52方向に
押圧されている。
【0048】更に、可動体56とセンサーホルダ44と
の間には、複数のXY方向押圧部材(例えば、圧縮バネ
62)が張り渡されており、可動体56の静止状態にお
いて、可動体56を一定の姿勢及び位置に維持させるこ
とができるように構成されている。本実施の形態では、
その一例として、図1(c)に示すように、XY方向に
沿って互いに直交して配置された2本の圧縮バネ62が
張り渡されている。
【0049】このような状態において、後述する駆動系
からの外力が作用して可動体56が平行移動及び回転し
ても、圧縮バネ62によって、可動体56の位置と姿勢
は、一定に維持される。
【0050】駆動系は、センサーホルダ44と可動体5
6との間に設けられた複数のアクチュエータ64(例え
ば、圧電体を用いた圧電体スキャナ)を備えており、S
PM測定中、スキャナ28に印加される電気信号(電
圧)に基づいて、アクチュエータ64を駆動させること
によって、可動体56を固定体54のガイド面52に沿
って平行移動及び回転させることができるように構成さ
れている。
【0051】本実施の形態では、その一例として、図1
(c)に示すように、XY方向に沿って互いに直交して
配置された2個のアクチュエータ64が設けられてお
り、スキャナ28に印加される電気信号(電圧)に基づ
いて、これら2個のアクチュエータ64を適宜伸縮させ
ることによって、可動体56を固定体54のガイド面5
2に沿って平行移動及び回転させるようになっている。
【0052】ここで、固定体54のガイド面52の形状
を決めるための関数式について、説明する。
【0053】ガイド面52の形状を決める場合、可動体
56の平行移動及び回転に伴う発光素子32の発光点
(図示しない)の平行移動成分と回転成分を考慮する必
要がある。
【0054】まず、発光点の回転成分について説明す
る。
【0055】例えば図2(a)に示すように、スキャナ
28の移動端の中心28aのXY方向の変位量をd、角
度変化量をθ、スキャナ28の長さをL、ある電圧を印
加した際のスキャナ28の移動端の中心28aの曲率を
Rとすると、変位量dと角度変化量θとの関係は、 d=R(1−cosθ)=2Rsin2 (θ/2) …(1) また、 L=R・θ …(2) 故に、 d=(2L/θ)sin2 (θ/2) …(3) となる。
【0056】ここで、θ<<1のとき、
【数1】
【0057】故に、
【数2】
【0058】となる(図3の実測データ参照)。
【0059】このデータから明らかなように、カンチレ
バー30の背面に対する測定光の照射角度は、スキャナ
28の移動端の変位に比例することが分かる。
【0060】実際には、発光点の方位方向の変位は、X
Yの二次元であるため、夫々の方向の変位をdx、dy
とすると、
【数3】
【0061】から求められる角度θだけスキャナ28の
中心28aに向かって、発光点を傾ければ良い。
【0062】続いて、発光点の平行移動成分について説
明する。
【0063】図2(b)において、スキャナ28に電気
信号が印加されない状態の中心線00´と、スキャナ2
8の移動端がdだけ変位したときの移動端面の中心線C
C´とは、交点Qで互いに交わる。
【0064】ここで、中心線CC´の式は、
【数4】
【0065】となり、Q点の座標は、X=0であるか
ら、
【数5】
【0066】となる。また、Z=0のとき、
【数6】
【0067】となる。
【0068】従って、Q点は、線分28b・28cの中
点、つまり、スキャナ28に電気信号を印加しない状態
において、スキャナ28を包絡する空間の中心点とな
る。なお、本明細書中では、この中心点をスキャナ28
の中心(スキャナ28のL/2の面上の中心)と呼ぶ。
なお、上述した式(7)〜(9)が成立するのは、dが
小さいときに限られる。
【0069】また、発光点の方位方向の変位δは、スキ
ャナ28の移動端の変位とは反対方向に略同一の変位量
となる。このとき、Z方向の変位量dzを求める。
【0070】(5)式より、
【数7】
【0071】また、
【数8】
【0072】である。故に、
【数9】
【0073】となる。ここで、d=0のとき、dz=0
であるから、
【数10】
【0074】となる。なお、dに対する補正値は、「δ
−d」で表され、
【数11】
【0075】である。
【0076】この場合、(13)式から求められる変位
量「δ−d」だけ発光点を平行移動させれば良い。故
に、変位量d(又は、dx、dy)の3次式による補正
が可能であることが理解できる。
【0077】このような関係式によれば、スキャナ28
の固定端の中心28bを頂点とし且つZ軸を中心とした
放物線P(図2(b)参照)に発光素子32の発光点が
接するように、(6)式及び(12)式、或いは、
(6)式及び(13)式を満足する量だけ発光点を平行
移動及び回転させることによって、測定光を常時カンチ
レバー30の背面の一定位置に一定の入射角度で照射さ
せることが可能となる。
【0078】従って、(6)式及び(12)式、或い
は、(6)式及び(13)式を満足するように、固定体
54のガイド面52の形状を決めれば良い。
【0079】このような構成を有する位置調整機構によ
れば、SPM測定中、スキャナ28に印加される所定の
電気信号(電圧)に基づいて、2個のアクチュエータ6
4を適宜伸縮させて、可動体56を固定体54のガイド
面52に沿って所定方向に所定量だけ平行移動及び回転
させることによって、発光素子32から発光した測定光
を常時カンチレバー30の背面の一定位置に一定の入射
角度で照射させることが可能となる。
【0080】即ち、図1(a)に示すように、発光素子
32から発光した測定光は、固定体54の開口54aか
らセンサーホルダ44の穴部44aを通過した後、カン
チレバー30の背面の一定位置に一定の入射角度で照射
される。
【0081】なお、このとき、カンチレバー30の背面
から反射した反射光は、取付位置が調整された受光素子
34によって受光され、受光位置の変化に基づく受光量
の変化に対応した電気信号に変換される。そして、探針
40を試料48に沿ってXY方向に走査している間、受
光素子34からの電気信号の出力変化に基づいて、探針
40先端と試料48表面との間の距離(カンチレバー3
0の撓み状態)が一定に維持されるように、スキャナ2
8をフィードバック制御しながら且つ位置調整機構を制
御することによって、ノイズの無い正確なSPM測定情
報(試料48の凹凸情報など)を得ることができる。
【0082】ところで、このような本実施の形態のSP
M測定では、スキャナ28のヒステリシスやクリープ等
の影響を考慮して、実際のSPM測定前に、スキャナ2
8の特性データを測定(以下、プレスキャンという)す
ることが好ましい。
【0083】この場合、スキャナ28の特性データとし
ては、例えば、スキャナ28に印加した電気信号(電
圧)と、スキャナ28の移動端の変位量との関係を示す
データ(以下、プレスキャンデータという)である。
【0084】このようなプレスキャンデータは、上述し
た制御回路のメモリ(図示しない)に一時的に記録すれ
ば良い。
【0085】そして、このプレスキャンデータに基づい
て、位置調整機構を制御、即ち、2個のアクチュエータ
64を適宜伸縮させて、可動体56を固定体54のガイ
ド面52に沿って所定方向に所定量だけ平行移動及び回
転させることによって、発光素子32から発光した測定
光を常時カンチレバー30の背面の一定位置に一定の入
射角度で正確に照射させることが可能となる。
【0086】また、本実施の形態の走査型プローブ顕微
鏡によれば、変位センサをスキャナ28の固定端側に配
置し、スキャナ28の移動端側にカンチレバー30と取
付台42のみを配置したことによって、スキャナ28の
共振周波数を高めることができるため、スキャナ28の
走査応答性を向上させることが可能となる。
【0087】更に、本実施の形態によれば、スキャナ2
8の固定端側に、発光素子32及び受光素子34の取付
位置を調整する取付調整機構を配置したことによって、
取付位置調整に際し、従来のようにスキャナ28に曲げ
モーメントが負荷されるといった問題は生じない。この
ため、スキャナ28が損傷したり、或いは、スキャナ2
8が顕微鏡ベース36から剥がれてしまうといった問題
も生じない。
【0088】なお、本発明は、上述した第1の実施の形
態に限定されることは無く、新規事項を追加しない範囲
で種々変更することが可能である。
【0089】例えば、変位センサの受光素子34を顕微
鏡ベース36に対して取付位置調整可能に取り付けても
本発明の目的の一つである走査応答性に優れた走査型プ
ローブ顕微鏡を実現することができる。
【0090】この場合、SPM測定中において、変位セ
ンサの発光素子32が、平行移動すること無く且つX軸
又はY軸を中心に回転するように、複数のアクチュエー
タ64を制御する。
【0091】このような構成において、カンチレバー3
0の背面に対する入射位置や入射角度は、スキャナ28
の中心線即ちZ軸に対称に変化することになる。
【0092】このような構成によれば、走査応答性を向
上させることができると共に、測定光がZ軸に対称に変
化するため、受光素子34の出力に基づく発光素子32
の位置調整処理を容易に行うことが可能となる。
【0093】次に、本発明の第2の実施の形態に係る走
査型プローブ顕微鏡について、図4を参照して説明す
る。なお、本実施の形態の説明に際し、第1の実施の形
態と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省
略する。
【0094】上記第1の実施の形態では、スキャナ28
に印加される電気信号(電圧)に基づいて、変位センサ
の位置を調整(平行移動及び回転)させているが、本実
施の形態では、スキャナ28の移動端の変位量(具体的
には、傾斜角度θ)に基づいて、変位センサの位置を調
整することができるように構成されている。
【0095】このため、図4に示すように、本実施の形
態の位置調整機構には、更に、スキャナ28の移動端の
傾斜角度を光学的に直接検出することが可能な角度検出
センサが設けられている。
【0096】角度検出センサは、リング38に設けられ
た光反射手段66(例えばミラーやガラス又は金属蒸着
膜など)と、顕微鏡ベース36に対して取付位置を調整
可能に取り付けられた角度検出センサ系とを備えてい
る。
【0097】角度検出センサ系には、光反射手段66に
所定の検出光(例えば、単色光やレーザー光)を照射可
能な発光素子68と、光反射手段66から反射した反射
光を受光して、その受光量及び/又は受光位置に対応し
た電気信号に変換可能な受光素子(例えば、4分割フォ
トダイオード)70とが設けられている。なお、顕微鏡
ベース36には、角度検出センサ系に対して光を出入射
させるための開口部36bが形成されている。
【0098】なお、本実施の形態において、角度検出セ
ンサ系は、スキャナ28の外側に設けられているが、光
反射手段66及び発光素子68をスキャナ28の内側に
設けることも可能である。
【0099】このような構成とした場合には、単純に2
つの光源(発光素子32、発光素子68)が、スキャナ
28の内側に存在することになる。従って、このような
構成の下では、カンチレバー30の変位を検出するセン
サ系と、上記角度検出センサ系とでは、光源として異な
る波長を用いることが有効である。更に、夫々の光源の
波長に合わせた特定の波長域のみを透過する公知のバン
ドパスフィルタ(図示しない)を受光素子34,70の
手前に配置することによって、夫々の受光素子34,7
0における検出波長を変え、双方の検出光のリンクに基
づく測定ノイズを除去することができる。
【0100】また、カンチレバー30の変位を検出する
センサ系と角度検出センサ系とをスキャナ28の内側と
外側に分けた場合、特に、異なる光源や波長を用いるま
でもないが、測定ノイズを低減させる目的で用いること
は有効である。
【0101】このような構成において、発光素子68か
ら発光した検出光は、開口部36bを介して光反射手段
66に照射される。このとき、光反射手段66から反射
した反射光は、受光素子70によって受光され、受光位
置の変化に基づく受光量の変化に対応した電気信号に変
換される。
【0102】SPM測定中、スキャナ28の移動端が、
X方向に傾斜角度θx及びY方向に傾斜角度θyだけ傾
斜したとすると、受光素子70に対する反射光の入射位
置が変化する。
【0103】このとき、光反射手段66は、XY方向に
平行移動しているが、検出光の照射方向は、常時一定の
方向に維持されているため、光反射手段66の移動に伴
い受光素子70上の受光位置が変化する。従って、受光
素子70から出力される電気信号の変化に基づいて、ス
キャナ28の移動端の角度変化量を正確に検出すること
ができる。
【0104】このように検出された傾斜角度θx,θy
によって定められるdx,dy,dz(上記(6),
(9)式参照)に基づいて、上記位置調整機構が変位セ
ンサを平行移動及び回転させることによって、発光素子
32から発光した測定光を常時カンチレバー30の背面
の一定位置に一定入射角度で正確に照射させることが可
能となる。
【0105】本実施の形態のSPM測定では、スキャナ
28の移動端の変位を直接測定しているため、第1の実
施の形態のようにプレスキャンする必要は無い。また、
別の表現を用いると、SPM測定中にリアルタイムでス
キャナ28の変位状態を検出しているので、プレスキャ
ンする必要は無い。更に、上述した実施の形態では、検
出センサとして光学センサを用いたが、例えば、静電容
量センサや磁気センサをスキャナ28の移動端近傍に設
けても良い。
【0106】なお、他の作用効果は、第1の実施の形態
と同様であるため、その説明は、省略する。
【0107】次に、本発明の第3の実施の形態に係る走
査型プローブ顕微鏡について、図5を参照して説明す
る。なお、本実施の形態の説明に際し、第1の実施の形
態と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省
略する。
【0108】図5に示すように、本実施の形態に適用し
た位置調整機構は、顕微鏡ベース36に取り付けられた
位置調整用スキャナ72(例えば、チューブ型圧電体ス
キャナ)を備えており、この位置調整用スキャナ72の
移動端に変位センサが取り付けられている。
【0109】位置調整用スキャナ72は、スキャナ28
に印加される電気信号(電圧)に基づいて、この位置調
整用スキャナ72の移動端を所定方向に所定量だけ変位
させることができるように構成されている。
【0110】この場合、位置調整用スキャナ72の移動
端のXY方向の変位量をd2 、位置調整用スキャナ72
の長さをL2 とすると、位置調整用スキャナ72の移動
端の角度変化量θ2 は、上記(5)式から
【数12】
【0111】で決まる値となる。
【0112】ここで、L2 <Lとすれば、d2 は、dよ
りも小さい変位で充分である。
【0113】いま、θ=θ2 となるように、位置調整用
スキャナ72の移動端を変位させた場合、スキャナ28
の移動端と位置調整用スキャナ72の移動端は、夫々の
平行移動成分の和分だけ、その中心線が相互にずれる。
【0114】この場合、カンチレバー30の背面の同一
位置に測定光が照射されるように、上記(5)式又は
(6)式で求められる値よりも小さな値に、θ2 を規定
すれば良い。
【0115】本実施の形態のSPM測定では、スキャナ
28及び位置調整用スキャナ72のヒステリシスやクリ
ープ等の影響を考慮して、実際のSPM測定前に、スキ
ャナ28及び位置調整用スキャナ72の特性データを測
定(以下、プレスキャンという)することが好ましい。
【0116】この場合、スキャナ28及び位置調整用ス
キャナ72の特性データとしては、例えば、スキャナ2
8及び位置調整用スキャナ72に印加した電気信号(電
圧)と、スキャナ28及び位置調整用スキャナ72の移
動端の変位量との関係を示すデータ(以下、プレスキャ
ンデータという)である。
【0117】このようなプレスキャンデータは、上述し
た制御回路のメモリ(図示しない)に一時的に記録すれ
ば良い。
【0118】そして、これら2つのプレスキャンデータ
に基づいて、位置調整用スキャナ72の移動端を所定方
向に所定量だけ変位させることによって、発光素子32
から発光した測定光を常時カンチレバー30の背面の同
一位置に正確に照射させることが可能となる。
【0119】ただし、本実施の形態において、カンチレ
バー30の背面に照射する測定光の入射角度は、一定に
維持されないが、変位センサをスキャナ28の固定端側
に配置し、スキャナ28の移動端側にカンチレバー30
と取付台42のみを配置したことによって、スキャナ2
8の共振周波数を高めることができるため、スキャナ2
8の走査応答性を向上させることが可能となる。
【0120】なお、本発明は、上述した第3の実施の形
態に限定されることは無く、新規事項を追加しない範囲
で種々変更することが可能である。
【0121】例えば、本実施の形態の走査型プローブ顕
微鏡に、スキャナ28の移動端の変位量(具体的には、
傾斜角度)を光学的に直接検出することが可能な角度検
出センサ(図4参照)を増設することによって、スキャ
ナ28の移動端の傾斜角度に基づいて、変位センサの位
置を調整することができるように構成しても良い。
【0122】この場合、スキャナ28の移動端の変位を
直接測定しているため、上記第3の実施の形態のように
プレスキャンする必要は無い。また、別の表現を用いる
と、SPM測定中にリアルタイムでスキャナ28の変位
状態を検出しているので、プレスキャンする必要は無
い。更に、上述した実施の形態では、検出センサとして
光学センサを用いたが、例えば、静電容量センサや磁気
センサをスキャナ28の移動端近傍に設けても良い。
【0123】次に、本発明の第4の実施の形態に係る走
査型プローブ顕微鏡について、図6及び図7を参照して
説明する。なお、本実施の形態の説明に際し、第1の実
施の形態と同一の構成には、同一符号を付して、その説
明を省略する。
【0124】図6に示すように、本実施の形態に適用し
た位置調整機構は、更に、受光素子34をスキャナ28
内の所定位置に位置調整可能に支持する位置調整ユニッ
トを備えている。
【0125】位置調整ユニットは、スキャナ28の内部
に配置可能な位置調整用スキャナ(例えば、チューブ型
スキャナ)74と、この位置調整用スキャナ74をスキ
ャナ28内に収容させた状態で支持することが可能な位
置調整用支持部材76とを備えており、位置調整用スキ
ャナ74は、位置調整用支持部材76を介して顕微鏡ベ
ース36に支持されている。
【0126】本実施の形態において、受光素子34は、
位置調整用スキャナ74の移動端に取り付けられてお
り、センサーホルダ44に内蔵されている位置調整機構
には、発光素子32だけが取り付けられている。
【0127】図7(a),(b)に示すように、センサ
ーホルダ44に内蔵されている位置調整機構において、
可動体56には、受光素子34を取り付ける部分が除去
されており、発光素子32だけを支持しながら図中矢印
方向に平行移動及び回転できるように構成されている。
その他の構成並びに作用は、第1の実施の形態と同一で
あるため、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0128】また、本実施の形態において、位置調整用
支持部材76及び位置調整用スキャナ74によって、受
光素子34は、その受光面の中心(特に図示しない)が
SPM測定中に常時スキャナ28の中心Q(図2(b)
参照)に位置付けられるように、位置調整されている。
そして、このように位置調整された状態において、SP
M測定中にカンチレバー30の背面から反射した反射光
は、常に受光素子34の受光面上に照射される。
【0129】例えば受光素子34の受光面の中心が中心
Qに略一致するように、位置調整用支持部材76及び位
置調整用スキャナ74をセットした後、位置調整用スキ
ャナ74に電圧を印加して、この位置調整用スキャナ7
4の移動端をXYZ方向に変位させることによって、受
光素子34の受光面の中心を中心Qに簡単且つ正確に位
置合わせすることができる。
【0130】本実施の形態によれば、第1の実施の形態
と同様に、スキャナ28に印加される電気信号(電圧)
に基づいて、2個のアクチュエータ64を適宜伸縮させ
て、可動体56を固定体54のガイド面52に沿って所
定方向に所定量だけ平行移動及び回転させることによっ
て、発光素子32から発光した測定光を常時カンチレバ
ー30の背面の一定位置に一定の入射角度で照射させる
ことができる。
【0131】このとき、カンチレバー30の背面から反
射した反射光は、中心Qに位置合わせされた受光素子3
4の受光面に照射され、その受光量及び/又は受光位置
の変化に対応した電気信号に変換される。そして、探針
40を試料に沿ってXY方向に走査している間に、受光
素子34からの電気信号の出力変化に基づいて探針40
先端と試料表面との間の距離(カンチレバー30の撓み
状態)が一定に維持されるように、スキャナ28をフィ
ードバック制御しながら且つ位置調整機構を制御するこ
とによって、ノイズの無い正確なSPM測定情報(試料
の凹凸情報など)を得ることができる。
【0132】スキャナ28がZ方向に変位すると、カン
チレバー30からの反射光が受光素子34に照射される
位置がずれる。このずれ量は、位置調整用スキャナ74
のZ方向の変位、又は、XY方向の変位によって較正す
ることができる。
【0133】Z方向の伸縮によって較正する場合、位置
調整用スキャナ74の変位は、スキャナ28のZ方向の
変位の1/2である。一方、XY方向のずれ量(dz/
L)は、スキャナ28のZ方向の変位の約10-4であ
る。このため、必ずしも位置調整用スキャナ74によっ
て較正する必要は無い。しかしながら、SPM測定をよ
り高精度に行うために、装置構成として制御回路に較正
テーブルを追加することが好ましい。
【0134】ところで、このような本実施の形態のSP
M測定では、スキャナ28のヒステリシスやクリープ等
の影響を考慮して、実際のSPM測定前に、スキャナ2
8の特性データを測定(以下、プレスキャンという)す
ることが好ましい。
【0135】この場合、スキャナ28の特性データとし
ては、例えば、スキャナ28に印加した電気信号(電
圧)と、スキャナ28の移動端の変位量との関係を示す
データ(以下、プレスキャンデータという)である。
【0136】このようなプレスキャンデータは、上述し
た制御回路のメモリ(図示しない)に一時的に記録すれ
ば良い。
【0137】そして、このプレスキャンデータに基づい
て、2個のアクチュエータ64を適宜伸縮させて、可動
体56を固定体54のガイド面52に沿って所定方向に
所定量だけ平行移動及び回転させることによって、発光
素子32から発光した測定光を常時カンチレバー30の
背面の同一位置に一定の入射角度で正確に照射させるこ
とができる。
【0138】なお、その他の作用効果は、第1の実施の
形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0139】次に、本発明の第5の実施の形態に係る走
査型プローブ顕微鏡について、図8を参照して説明す
る。なお、本実施の形態の説明に際し、第1の実施の形
態と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省
略する。
【0140】図8に示すように、本実施の形態に適用し
た位置調整機構は、受光素子34の受光面をスキャナ2
8の中心に位置調整して固定する位置調整ユニットを備
えている。本実施の形態において、位置調整ユニットと
しては、位置調整用支持部材78が適用されており、こ
の位置調整用支持部材78は、顕微鏡ベース36に取り
付けられている。なお、本実施の形態において、スキャ
ナ28の中心とは、上述した式(7)〜(9)によって
規定された線分28b・28cの中点(図2(b)参
照)、つまり、スキャナ28に電気信号を印加しない状
態において、スキャナ28を包絡する空間の中心点であ
る。
【0141】また、本実施の形態において、受光素子3
4は、位置調整用支持部材78の先端に取り付けられて
おり、発光素子32は、スキャナ28の移動端に取り付
けられたリング38内に固定されている。
【0142】発光素子32とカンチレバー30の背面と
の間の光路中には、反射ミラー80が配置されており、
SPM測定中、発光素子32から発光した測定光は、こ
の反射ミラー80によって、カンチレバー30の背面の
一定位置に一定の入射角度で照射される。なお、反射ミ
ラー80は、必ずしも必要では無く、発光素子32から
発光した測定光が直接カンチレバー30に照射されても
構わない。
【0143】また、測定光の微量な方向調整(カンチレ
バー30に対する測定光の入射位置及び入射角度の調
整)を行うために、反射ミラー80に回転軸(図示しな
い)を設けて、発光素子32からの測定光の反射方向を
カンチレバー30の取付位置に合わせて調整することが
できるように構成しても良い。このように構成すること
によって、例えばカンチレバー30の加工精度や取付精
度に伴う測定光のカンチレバー30の背面からの反射方
向(つまり、受光素子34の受光面に対する測定光の照
射位置)の微量な誤差を調整することができる。
【0144】この場合、図8に示すように、発光素子用
位置調整つまみ82を有する発光素子用位置調整ユニッ
ト及びカンチレバー用位置調整つまみ84を有するカン
チレバー用位置調整ユニットを設けることが好ましい。
これらユニットを用いることによって、測定光の微量な
方向調整(カンチレバー30に対する測定光の入射位置
及び入射角度の調整)を行うことができる。また、上記
の各調整つまみ82,84は、装置構成に対応して、調
整対象物(カンチレバー30、発光素子32)を1〜3
軸方向に移動させることができる。つまり、発光素子3
2からの測定光とカンチレバー30との間の相対的な位
置調整を行うことによって、受光素子34の受光面に対
する測定光の照射位置を微量に調整することができる。
【0145】なお、上述のような位置調整は、反射ミラ
ー80の回転軸、発光素子用位置調整つまみ82及びカ
ンチレバー用位置調整つまみ84の少なくとも2つを調
整するだけで確実に行うことができるため、必ずしも3
つ共に装置に設ける必要は無い。
【0146】また、本実施の形態において、位置調整用
支持部材78によって、受光素子34は、その受光面の
中心(特に図示しない)がSPM測定中に常時スキャナ
28の中心Q(図2(b)参照)に位置付けられるよう
に、位置調整されている。そして、このように位置調整
された状態において、SPM測定中にカンチレバー30
の背面から反射した反射光は、常に受光素子34の受光
面上に照射される。
【0147】このような構成によれば、スキャナ28の
移動端に取り付けられたリング38内に発光素子32を
固定したことによって、SPM測定中、スキャナ28の
移動端の変位状態に影響されること無く、発光素子32
とカンチレバー30の背面との間の光学的な位置関係
は、常に一定に維持される。
【0148】従って、SPM測定中、発光素子32から
発光した測定光を常時カンチレバー30の背面の一定位
置に一定の入射角度で照射させることができる。そし
て、このときカンチレバー30の背面から反射した反射
光は、中心Qに位置合わせされた受光素子34の受光面
に照射され、その受光量の変化に対応した電気信号に変
換される。この結果、ノイズの無い正確なSPM測定情
報(試料の凹凸情報など)を得ることができる。
【0149】本実施の形態によれば、上述した各実施の
形態のような複雑な位置調整機構を設ける必要が無く、
発光素子32及び受光素子34の位置を一旦調整してし
まえば、その後のSPM測定に際し、スキャナ28のヒ
ステリシスやクリープ等の影響を受けること無く、常
に、発光素子32から発光した測定光を常時カンチレバ
ー30の背面の一定位置に一定の入射角度で照射させる
ことができる。従って、第1の実施の形態のようにプレ
スキャンする必要は無い。
【0150】なお、上述した全ての実施の形態におい
て、発光素子からの測定光は、カンチレバーの背面に照
射されているが、これと反対の方向から、つまり、探針
が設けられた方向からカンチレバーに測定光を照射させ
ても、上述した実施の形態と同様の作用効果を奏するこ
とには変わりは無く、本発明の要旨を変更するものでは
ない。
【0151】
【発明の効果】本発明によれば、走査応答性に優れてい
ると共に、常に正確な測定情報を得ることが可能な走査
型プローブ顕微鏡を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る走
査型プローブ顕微鏡の構成を概略的に示す図、(b)
は、同図(a)に示された走査型プローブ顕微鏡に設け
られた位置調整機構の構成を示す図、(c)は、同図
(b)に示された位置調整機構に設けられた圧縮バネ及
びアクチュエータの位置関係を示す図。
【図2】(a)は、スキャナの移動端の変位と角度変化
の関係を示す図、(b)は、発光素子の発光点の軌跡を
示す図。
【図3】カンチレバーの背面に対する測定光の照射角度
と、スキャナの移動端の変位との関係を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る走査型プロー
ブ顕微鏡の構成を概略的に示す図。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る走査型プロー
ブ顕微鏡の構成を概略的に示す図。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る走査型プロー
ブ顕微鏡の構成を概略的に示す図。
【図7】(a)は、図6に示された走査型プローブ顕微
鏡に設けられた位置調整機構の構成を示す図、(b)
は、同図(a)に示された位置調整機構に設けられた圧
縮バネ及びアクチュエータの位置関係を示す図。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る走査型プロー
ブ顕微鏡の構成を概略的に示す図。
【図9】第1の従来技術に係る走査型プローブ顕微鏡の
構成を概略的に示す図。
【図10】(a)は、第2の従来技術に係る走査型プロ
ーブ顕微鏡の構成を概略的に示す図、(b)は、第1の
従来技術の走査型プローブ顕微鏡によって急激な段差を
有する試料の表面情報を測定している状態を示す図、
(c)は、第2の従来技術の走査型プローブ顕微鏡にお
いて、スキャナの移動端の変位とカンチレバーの自由端
の見かけ上の変位との関係を示す図。
【符号の説明】
28 スキャナ 30 カンチレバー 32 発光素子 34 受光素子 52 ガイド面

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三次元方向に移動可能な移動端を有する
    スキャナと、 このスキャナの移動端に着脱自在に取り付けられたカン
    チレバーと、 このカンチレバーの変位状態を光学的に検出するよう
    に、前記カンチレバーに所定の光を照射可能な発光素子
    及び前記カンチレバーから反射した反射光を受光可能な
    受光素子を有する変位センサと、 前記スキャナの移動端を移動させている間、前記発光素
    子から発光した光が前記カンチレバーの一定位置に一定
    の入射角度で照射されるように、前記変位センサの位置
    を調整可能な位置調整機構とを備えていることを特徴と
    する走査型プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記位置調整機構は、所定の形状のガイ
    ド面を有する固定系と、前記変位センサを支持した状態
    で、前記固定系のガイド面に沿って移動可能な可動系
    と、この可動系を前記固定系のガイド面に沿って移動さ
    せることによって、前記変位センサの位置を調整させる
    ことが可能な駆動系とを備えていることを特徴とする請
    求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記駆動系は、複数のアクチュエータを
    備えており、前記スキャナに印加される電気信号に基づ
    いて、前記複数のアクチュエータを駆動させることによ
    って、前記可動系を前記固定系のガイド面に沿って移動
    させるように構成されていることを特徴とする請求項2
    に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  4. 【請求項4】 前記位置調整機構は、前記スキャナの移
    動端の変位量を光学的に検出することが可能な検出セン
    サを更に備えており、前記スキャナの移動端の変位量に
    基づいて、前記駆動系を駆動させることによって、前記
    可動系を前記固定系のガイド面に沿って移動させるよう
    に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の走
    査型プローブ顕微鏡。
  5. 【請求項5】 三次元方向に移動可能な移動端を有する
    スキャナと、 このスキャナの移動端に着脱自在に取り付けられたカン
    チレバーと、 このカンチレバーの変位状態を光学的に検出するよう
    に、前記カンチレバーに所定の光を照射可能な発光素子
    及び前記カンチレバーから反射した反射光を受光可能な
    受光素子を有する変位センサと、 前記スキャナの移動端を移動させている間、前記発光素
    子から発光した光が前記カンチレバーの一定位置に照射
    されるように、前記変位センサの位置を調整可能な位置
    調整機構とを備え、 前記位置調整機構は、前記スキャナに印加される電気信
    号に基づいて、その移動端を所定方向に所定量だけ変位
    可能な位置調整用スキャナを有しており、前記変位セン
    サは、前記位置調整用スキャナの移動端に取り付けられ
    ていることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  6. 【請求項6】 三次元方向に移動可能な移動端を有する
    スキャナと、 このスキャナの移動端に着脱自在に取り付けられたカン
    チレバーと、 このカンチレバーの変位状態を光学的に検出するよう
    に、前記カンチレバーに所定の光を照射可能な発光素子
    及び前記カンチレバーから反射した反射光を受光可能な
    受光素子を有する変位センサと、 前記スキャナの移動端を移動させている間、前記発光素
    子から発光した光が前記カンチレバーの一定位置に照射
    されるように、前記変位センサの位置を調整可能な位置
    調整機構とを備え、 前記位置調整機構は、前記スキャナの移動端の変位量を
    光学的に検出することが可能な検出センサと、この検出
    センサで検出された前記スキャナの移動端の変位量に基
    づいて、その移動端を所定方向に所定量だけ変位可能な
    位置調整用スキャナとを有しており、前記変位センサ
    は、前記位置調整用スキャナの移動端に取り付けられて
    いることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  7. 【請求項7】 三次元方向に移動可能な移動端を有する
    中空のスキャナと、 このスキャナの移動端に着脱自在に取り付けられたカン
    チレバーと、 このカンチレバーの変位状態を光学的に検出するよう
    に、前記カンチレバーに所定の光を照射可能な発光素子
    及び前記カンチレバーから反射した反射光を受光可能な
    受光素子を有する変位センサと、 前記スキャナの移動端を移動させている間、前記発光素
    子から発光した光を前記カンチレバーの一定位置に一定
    の入射角度で照射させ、且つ、前記カンチレバーから反
    射した光を常に前記受光素子の受光面に照射させるよう
    に、前記変位センサの位置を調整可能な位置調整機構と
    を備えており、 前記位置調整機構は、前記受光素子を前記スキャナ内の
    所定位置に位置調整可能に支持する受光素子用位置調整
    ユニットと、前記発光素子を前記スキャナ外の所定位置
    に位置調整可能に支持する発光素子用位置調整ユニット
    とを有していることを特徴とする走査型プローブ顕微
    鏡。
  8. 【請求項8】 前記スキャナは、中空のチューブ型スキ
    ャナであり、前記受光素子用位置調整ユニットは、前記
    スキャナの移動端を移動させている間、常時、前記受光
    素子の受光面の中心を前記スキャナ内のほぼ中心に位置
    付けることを特徴とする請求項7に記載の走査型プロー
    ブ顕微鏡。
  9. 【請求項9】 前記受光素子用位置調整ユニットは、前
    記スキャナの内部に配置可能な位置調整用スキャナと、
    この位置調整用スキャナを前記スキャナ内に収容させた
    状態で支持することが可能な位置調整用支持部材とを備
    えていることを特徴とする請求項8に記載の走査型プロ
    ーブ顕微鏡。
  10. 【請求項10】 前記発光素子用位置調整ユニットは、
    所定の形状のガイド面を有する固定系と、前記変位セン
    サを支持した状態で、前記固定系のガイド面に沿って移
    動可能な可動系と、この可動系を前記固定系のガイド面
    に沿って移動させることによって、前記発光素子の位置
    を調整させることが可能な駆動系とを備えていることを
    特徴とする請求項7に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  11. 【請求項11】 前記駆動系は、複数のアクチュエータ
    を備えており、前記スキャナに印加される電気信号に基
    づいて、前記複数のアクチュエータを駆動させることに
    よって、前記可動系を前記固定系のガイド面に沿って移
    動させるように構成されていることを特徴とする請求項
    10に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  12. 【請求項12】 三次元方向に移動可能な移動端を有す
    るスキャナと、 このスキャナの移動端に着脱自在に取り付けられたカン
    チレバーと、 前記スキャナの移動端側に設けられると共に、前記カン
    チレバーの一定位置に一定の入射角度で光を照射する発
    光素子と、 前記カンチレバーから反射した反射光を受光可能な受光
    素子と、 前記スキャナの移動端を移動させている間、前記カンチ
    レバーから反射した光を常に前記受光素子の受光面に照
    射させるように、前記受光素子の位置を調整可能な受光
    素子用位置調整ユニットとを備えていることを特徴とす
    る走査型プローブ顕微鏡。
  13. 【請求項13】 前記発光素子と前記カンチレバーとの
    間の光路中に反射ミラーを備えており、この反射ミラー
    を調整することによって、前記カンチレバーに照射され
    る前記光の位置及び入射角度の調整を行うことを特徴と
    する請求項12に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  14. 【請求項14】 前記スキャナは、中空のチューブ型ス
    キャナであり、前記受光素子用位置調整ユニットは、前
    記受光素子の受光面の中心を前記スキャナのほぼ中心に
    位置調整して固定させることを特徴とする請求項12に
    記載の走査型プローブ顕微鏡。
  15. 【請求項15】 前記受光素子用位置調整ユニットは、
    前記受光素子を支持する位置調整用支持部材を備えてお
    り、この位置調整用支持部材によって、前記受光素子
    は、その受光面の中心が常時前記スキャナのほぼ中心に
    位置付けられるように、位置調整されて固定されること
    を特徴とする請求項14に記載の走査型プローブ顕微
    鏡。
  16. 【請求項16】 前記発光素子と前記カンチレバーとの
    間の位置を相対的に調整するための調整機構を備えてい
    ることを特徴とする請求項12に記載の走査型プローブ
    顕微鏡。
  17. 【請求項17】 前記調整機構は、発光素子用位置調整
    ユニットとカンチレバー用位置調整ユニットとを備えて
    おり、前記カンチレバーに照射させる光の照射位置を調
    整するように、前記各ユニットは、夫々、少なくとも1
    軸方向に移動可能に構成されていることを特徴とする請
    求項16に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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