JPH09105865A - 走査型近接場光学顕微鏡 - Google Patents

走査型近接場光学顕微鏡

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JPH09105865A
JPH09105865A JP7286733A JP28673395A JPH09105865A JP H09105865 A JPH09105865 A JP H09105865A JP 7286733 A JP7286733 A JP 7286733A JP 28673395 A JP28673395 A JP 28673395A JP H09105865 A JPH09105865 A JP H09105865A
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cantilever
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JP7286733A
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Katsushi Nakano
勝志 中野
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積の試料や質量の大きい試料の観察が可
能にする。高速走査が可能でコンパクトにする。 【解決手段】 X方向に伸縮可能な圧電駆動部材31、
Y方向に伸縮可能な圧電駆動部材33及びZ方向に伸縮
可能な圧電駆動部材35が、先端部に探針21aを有す
るカンチレバー21を移動させる。光源41からの光が
集光レンズ40により探針21aの背面に集光され、探
針21aの先端から近接場光が発生する。集光レンズ4
0は、圧電駆動部材33の一方の端部に対して固定さ
れ、集光レンズ40の光軸が実質的に変わらずにカンチ
レバー21の移動に実質的に追従して移動する。集光レ
ンズ40は、その焦点がカンチレバー21の探針21a
の背面と実質的に一致するように配置されている。光源
41は、固定側に設けられ、実質的な平行光を集光レン
ズ40の光軸の方向から集光レンズ40に照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型近接場光学
顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、試料表面に探針を近づけて2次元
平面内で走査し、試料と探針との間に作用するトンネル
電流、原子間力や近接場光などを検出することにより試
料表面の微細構造を観察する走査型プローブ顕微鏡の開
発・改良が盛んに行われている。
【0003】走査型プローブ顕微鏡の一つである走査型
近接場光学顕微鏡では、探針を単に試料上の平面内を走
査させるより、探針と試料との間の距離を一定に保ちな
がら試料表面上を走査させる方が、分解能も高く、得ら
れた画像の解釈も容易である。そのためには、探針と試
料表面との間の距離を測定しなければならない。
【0004】従来、走査型近接場光学顕微鏡の探針に
は、細く引き伸ばされたガラスピペットや、先端が研磨
された光ファイバーなどが一般に用いられていた。それ
らの探針を使い、試料と探針との間の距離を測定する方
法は、探針を試料と水平方向に振動させながら試料に近
づけ、探針と試料間に働く摩擦力による探針先端の振幅
の減少を測定する方法(A. Shchemelinin, M. Rudman,
K. Lieberman, and A. Lewis, A simple lateral force
sensing technipue for near-field micropatterm gen
eration, Rev. Sci. Instrum. 64(12)Dec. 1993)や、
探針を試料に接触させたときの探針の撓みを測定する方
法(S. Shalom, K. Lieberman, and A. Lewis, A micro
pipette force probe suitable for near-field scanni
ng opticalmicroscopy, Rev. Sci. Instrum. 63(9)Sep
t. 1993)がある。
【0005】しかし、探針を横方向に振動させる方法
は、横方向の分解能を低下させてしまう。また、探針の
撓みを測定する方法は、探針自体を作製するのが難し
く、また探針のばね定数も硬いため、試料を傷めてしま
うという欠点もあった。
【0006】そこで、走査型近接場顕微鏡に原子間力顕
微鏡(AFM)の機能を組み合わせ、試料と探針間の距
離測定を解決した例もある(N.F. van Hust, M.H.P. Mo
ers,O.F.J. Noordman, T. Fauldner, F.B. Segerink,
K.O. van der Werf, B.G. deGrooth and B. Bolger, Op
erating of a scanning near field optical microscop
e in reflection in combination with a scanning for
ce microscope, SPIEVol.1639 Scanning Probe Microsc
opies, pp.36-43 (1992))。なお、原子間力顕微鏡は、
先端部に探針を有したカンチレバーを試料表面に接近さ
せ、探針と試料表面との間に働く原子間力によるカンチ
レバーの撓みを測定する走査型プローブ顕微鏡である。
【0007】この原子間力顕微鏡の機能を有する前記従
来の走査型近接場光学顕微鏡について、図16を参照し
て説明する。図16はその概念構成図である。
【0008】図16において、1は、原子間力顕微鏡に
広く用いられている、先端部にピラミッド型の探針1a
を持つ窒化シリコン製のカンチレバーである。カンチレ
バー1は図示しない支持部材に固定されている。図示し
ないレーザー光源から発したレーザー光が、凹レンズ2
を通過して拡散光となり、ビームスプリッター3を透過
した後に反射鏡4で反射され、集光レンズ5で集光され
てカンチレバー1の探針1aの背面に近接場光発生用の
光として照射される。ここで、窒化シリコンの屈折率は
2.0と高いため、照射された光はピラミッド型探針1
aの側面において全反射される。しかし探針1aの先端
においては、全反射の条件を満たさなくなるため、わず
かな光が探針1aを透過し、探針1aの先端から近接場
光が発生する。この近接場光は試料6に照射され、試料
6の表面で反射した近接場光は、前述と逆の経路でビー
ムスプリッター3に戻り、ビームスプリッター3で反射
し、光学フィルタ7及び絞り8を経て光検出器9により
検出される。
【0009】試料6はチューブ型圧電駆動部材(いわゆ
るチューブスキャナ)10上に搭載され、試料6の表面
と平行な方向及び試料6の表面と垂直な方向に移動(走
査)させることができるようになっている。
【0010】原子間力顕微鏡において用いられている力
検出(カンチレバー1の撓み検出)方法は一般に光てこ
法であり、図16に示す走査型近接場光学顕微鏡も、光
てこ法が採用されている。すなわち、レーザー光源11
から発したレーザー光が集光レンズ12を経てカンチレ
バー1の梁部1bに照射され、その反射光が2分割フォ
トダイオード13により受光され、カンチレバー1の撓
み(この撓みは探針1aの先端と試料1aの表面との間
に作用する原子間力により生ずる)が2分割フォトダイ
オード13の受光位置の変化として検出される。レーザ
ー光源11及び2分割フォトダイオード13も前記支持
部材に固定され、カンチレバー1に対して不動となって
いる。
【0011】なお、15図中、14はハロゲンランプ、
15はレンズ、16はダイクロイックミラー、17は対
物レンズ、18は光学フィルタ、19は反射鏡、20は
接眼レンズであり、これらは観察光学系を構成してい
る。
【0012】図16に示す従来の走査型近接場光学顕微
鏡によれば、探針1aと試料6の表面との間に原子間力
が働き、この力に応じてカンチレバー1が撓む。2分割
フォトダイオード13からの検出信号に基づいてカンチ
レバー1の撓みが一定になるようにチューブ型圧電駆動
部材10を制御しつつ、試料6表面と平行な面の方向に
探針1aが相対的に試料1aの表面を走査するようにチ
ューブ型圧電駆動部材10を制御する。したがって、試
料6の表面の凹凸に追従して探針1aと試料6との間の
距離が一定に保たれつつ、試料6の表面と平行な面の方
向に探針1aが試料6の表面を走査することになる。こ
のため、光検出器9から得られる近接場光検出信号には
光学的情報のみが含まれ、試料6の光学的情報のみを形
状情報から分離して得ることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た原子間力顕微鏡の機能を有する従来の走査型近接場光
学顕微鏡では、カンチレバー1が固定されて試料6が移
動(駆動)される、いわゆる試料走査型であるので、大
面積の試料や質量の大きい試料の観察を行う場合、走査
が困難となる。
【0014】そこで、前述した原子間力顕微鏡の機能を
有する従来の走査型近接場光学顕微鏡において、試料6
を固定してカンチレバー1を移動させる、いわゆる探針
走査型に変更することが考えられる。この場合には、大
面積の試料や質量の大きい試料の観察が可能となる。
【0015】しかし、この場合には、カンチレバー1の
みならず、近接場光発生用の光を発する光源、反射鏡、
集光レンズなどの近接場光発生用光学系の全体などを、
これらの相対位置関係を保ったまま一緒に移動させなけ
ればならない。したがって、移動させるべきものの質量
が大きくなって駆動装置の負荷が大きくなり、走査速度
の低下を免れず迅速な測定ができなくなってしまうとと
もに、装置が大型化せざるを得ない。
【0016】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、大面積の試料や質量の大きい試料の観察が可能であ
るとともに、高速走査が可能でコンパクトである、原子
間力顕微鏡の機能を有する走査型近接場光学顕微鏡を提
供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による走査型近接場光学顕微鏡
は、近接場光を発生させるための近接場光発生用光源
と、前記近接場光発生用光源から発する光の波長より小
さい開口径を有した探針と、前記探針を先端部に有する
カンチレバーと、前記探針から発した近接場光と試料と
が相互作用した光を検出する近接場光検出手段と、前記
チップを前記試料に対して3次元的に移動させる探針駆
動手段と、前記カンチレバーの撓み量を検出する撓み検
出手段とを備えた走査型近接場光学顕微鏡において、前
記探針に入射する前記近接場光の光源からの光の光軸上
に設けられ、かつ前記探針の試料表面と平行な動きとほ
ぼ同様な移動をする前記探針駆動手段の所定位置に固定
され、前記探針に前記近接場光発生用光源の光を集光す
る光学特性を有した光学部材とを有するものである。
【0018】この第1の態様によれば、探針駆動手段に
よりカンチレバーが移動する探針走査型となっているの
で、大面積の試料や質量の大きい試料の観察が可能とな
る。
【0019】ところで、この第1の態様では、光学部材
は、探針駆動手段の試料表面と平行に駆動した場合、探
針と探針駆動手段とがの位置が、試料表面に射影したと
きにほぼ同じ位置となる探針駆動部材の所定箇所に固定
されている。そして、この光学部材は、近接場光発生用
光源の光を探針に集光できる光学特性を有したものであ
る。したがって、探針が探針駆動手段によって移動した
としても、常に近接場光発生用光源の光をその光学部材
によって探針に照射することができる。
【0020】本発明の第2の態様による走査型光学顕微
鏡は、試料表面に近接場光が発生するように試料の裏面
から全反射条件で近接場光の光源からの光を照射する近
接場光発生用光学系と、前記近接場光発生用光学系で照
射された光の波長より小さい開口径を有した探針と、前
記探針を先端部に有するカンチレバーと、前記探針で細
くされた近接場光を検出する近接場光検出手段と、前記
探針を前記試料に対して3次元的に移動させる探針駆動
手段と、前記カンチレバーの撓み量を検出する撓み検出
手段とを備えた近接場光学顕微鏡において、前記探針で
捕捉された光を前記近接場光検出手段に照射できる程度
の幅を有した光束にする光学特性を有するものである。
【0021】この第2の態様は、前記第1の態様が探針
側から近接場光が発生するタイプであるのに対し、試料
側から近接場光が発生するタイプである。前記第1の態
様と同様の利点が得られる。すなわち、この第2の態様
においても、探針駆動手段によりチップが移動する探針
走査型となっているので、大面積の試料や質量の大きい
試料の観察が可能となる。
【0022】この第2の態様では、試料表面に存在する
近接場光を探針によって捕捉し、探針先端から伝搬光が
発生する。この伝搬光を所望の幅を有した光束にする光
学部材を備えている。この様に探針および光学部材が移
動しても、チップから得られる光を探針駆動手段の移動
範囲に対して十分な幅を有した光束であるので、探針か
ら得られる光を近接場光検出手段に照射することができ
る。
【0023】ところで、この光学部材は、探針駆動手段
の試料平面と平行な駆動にした場合、探針と探針駆動手
段とがほぼ同じ位置となる探針駆動部材の所定古書に固
定されているものである。したがって、探針が試料表面
上を移動しても、光学部材もその移動とほぼ同様に移動
することができる。
【0024】また、本発明の第3の態様に走査型近接場
光学顕微鏡は、前記撓み検出手段からの検出信号に基づ
いて前記カンチレバーの撓みが一定になるように前記探
針駆動手段を制御しつつ、前記探針が前記試料表面と平
行な方向に走査するよう前記探針駆動手段を制御する制
御手段を有した。
【0025】この第3の態様では、第1の態様および第
2態様に設けることで試料表面に探針を走査させること
で探針が存在する位置における試料表面の凹凸が変化し
ても、試料表面に対して垂直方向に探針走査手段を制御
することにより、常にカンチレバーの撓み量が一定にす
ることができる。この様に行うことで、試料表面にカン
チレバーが変位しきれない程の大きな凹凸を有しても、
有効に試料表面の凹凸を検出することができる。
【0026】本発明の第4の態様による走査型近接場光
学顕微鏡は、先端部に探針を有するカンチレバーと、前
記探針の先端から近接場光が発生するように前記探針に
光を照射する近接場光発生用光学系と、試料と相互作用
した近接場光を検出する近接場光検出手段と、前記試料
表面と略垂直な方向及び前記試料表面と略平行な面の方
向に前記カンチレバーを移動させる探針駆動手段と、前
記カンチレバーの撓みを検出する撓み検出手段と、前記
撓み検出手段からの検出信号に基づいて前記カンチレバ
ーの撓みが一定になるように前記探針駆動手段を制御し
つつ、前記試料表面と略平行な面の方向に前記探針が前
記試料表面を走査するように前記探針駆動手段を制御す
る制御手段と、前記試料表面と略平行な面の方向におけ
る前記カンチレバーの前記試料表面に対する相対位置に
応じた、前記近接場光検出手段からの検出信号に関する
情報を得る手段と、を備えたものである。そして、前記
近接場光発生用光学系は、光軸方向が実質的に変わらず
に前記探針駆動手段による前記カンチレバーの移動に実
質的に追従するように、前記探針駆動手段の所定箇所に
対して固定された集光光学系であって、当該集光光学系
の焦点が前記探針の所定箇所と実質的に一致するように
配置された集光光学系と、前記探針駆動手段による前記
カンチレバーの移動に対する固定側に設けられ実質的な
平行光を前記集光光学系に照射する平行光照射手段であ
って、前記実質的な平行光の照射方向が前記集光光学系
の前記光軸方向と実質的に一致する平行光照射手段と、
を有するものである。
【0027】この第4の態様によれば、探針駆動手段に
よりカンチレバーが移動され、探針走査型となっている
ので、大面積の試料や質量の大きい試料の観察が可能と
なる。ところで、近接場光発生用光学系のうちの平行光
照射手段が固定側に設けられているが、近接場光発生用
光学系のうちの集光光学系は、探針駆動手段の所定箇所
に固定され、光軸方向が実質的に変わらずに探針駆動手
段によるカンチレバーの移動に実質的に追従して移動す
る。そして、集光光学系は、その焦点が探針の所定箇所
と実質的に一致するように配置され、平行光照射手段
は、ほぼ集光光学系の光軸方向に実質的な平行光を集光
光学系に照射する。このため、探針駆動手段により探針
が走査されても、常に近接場光発生用の光が探針の所定
箇所に集光されることになる。そして、前記第4の態様
によれば、近接場光発生用光学系のうちの平行光照射手
段は、固定側に設けられているので、探針駆動手段の負
荷にならない。したがって、前記第4の態様によれば、
近接場光発生用光学系の全体を探針駆動手段で駆動する
場合に比べて、探針駆動手段の負荷が小さくなり、これ
により高速走査が可能であるとともにコンパクトにな
る。
【0028】本発明の第5の態様による走査型近接場光
学顕微鏡は、先端部に探針を有するカンチレバーと、試
料表面に近接場光が発生するように試料裏面から全反射
条件で光を照射する近接場光発生用光学系と、前記探針
により捕捉された近接場光を検出する近接場光検出手段
と、前記試料表面と略垂直な方向及び前記試料表面と略
平行な面の方向に前記カンチレバーを移動させる探針駆
動手段と、前記カンチレバーの撓みを検出する撓み検出
手段と、前記撓み検出手段からの検出信号に基づいて前
記カンチレバーの撓みが一定になるように前記探針駆動
手段を制御しつつ、前記試料表面と略平行な面の方向に
前記探針が前記試料表面を走査するように前記探針駆動
手段を制御する制御手段と、前記試料表面と略平行な面
の方向における前記カンチレバーの前記試料表面に対す
る相対位置に応じた、前記近接場光検出手段からの検出
信号に関する情報を得る手段と、を備えたものである。
そして、前記近接場光検出手段は、光軸方向が実質的に
変わらずに前記探針駆動手段による前記カンチレバーの
移動に実質的に追従するように、前記探針駆動手段の所
定箇所に対して固定された集光光学系であって、当該集
光光学系の焦点が前記探針の所定箇所と実質的に一致す
るように配置され、前記探針により捕捉された近接場光
を実質的な平行光にする集光光学系と、前記探針駆動手
段による前記カンチレバーの移動に対する固定側に設け
られ前記実質的な平行光にされた近接場光を検出する検
出手段と、を有するものである。
【0029】この第5の態様は、前記第4の態様が探針
側から近接場光が発生するタイプであるのに対し、試料
側から近接場光が発生するタイプであるが、前記第4の
態様と同様の利点が得られる。すなわち、前記第5の態
様においても、探針駆動手段によりカンチレバーが移動
され、探針走査型となっているので、大面積の試料や質
量の大きい試料の観察が可能となる。近接場光検出手段
のうちの前記検出手段が固定側に設けられているが、近
接場光検出手段のうちの集光光学系は、探針駆動手段の
所定箇所に固定され、光軸方向が実質的に変わらずに探
針駆動手段によるカンチレバーの移動に実質的に追従し
て移動する。そして、集光光学系は、その焦点が探針の
所定箇所と実質的に一致するように配置され、探針によ
り捕捉された近接場光を実質的な平行光にする。前記検
出手段はこの実質的な平行光となった近接場光を検出す
る。このため、探針駆動手段により探針が走査されて
も、常に近接場光が検出されることになる。そして、前
記第5の態様によれば、近接場光検出手段のうちの前記
検出手段は、固定側に設けられているので、探針駆動手
段の負荷にならない。したがって、前記第5の態様によ
れば、近接場光検出手段の全体を探針駆動手段で駆動す
る場合に比べて、探針駆動手段の負荷が小さくなり、こ
れにより高速走査が可能であるとともにコンパクトにな
る。
【0030】本発明の第6の態様による走査型近接場光
学顕微鏡は、前記第4又は第5の態様による走査型近接
場光学顕微鏡において、前記試料表面と略平行な面の方
向における前記カンチレバーの前記試料表面に対する相
対位置に応じた、前記試料表面と略垂直な方向の前記カ
ンチレバーの前記試料表面に対する相対位置に関する情
報を得る手段を、更に備えたものである。
【0031】前記第4及び第5の態様によれば、原子間
力顕微鏡におけるいわゆるコンタクトモードと同様の探
針の移動制御が実現されることになるので、前記第6の
態様のように相対位置に関する情報を得ることによっ
て、試料表面の凹凸の形状データも得ることができ、試
料を観察する上で一層好ましい。
【0032】本発明の第7の態様による走査型近接場光
学顕微鏡は、前記第1乃至第6のいずれかの態様による
走査型近接場光学顕微鏡において、前記撓み検出手段
は、前記探針駆動手段による前記カンチレバーの移動に
対する固定側に設けられ、前記カンチレバーの梁部に照
射するための照射光を発する光源と、前記探針駆動手段
による前記カンチレバーの移動に対する固定側に設けら
れ、複数に分割された受光面を有し、前記梁部からの反
射光を受光する光検出器と、前記探針駆動手段による前
記カンチレバーの移動にかかわらず、前記カンチレバー
への前記照射光の光軸が実質的に変わらないとともに、
前記カンチレバーの撓み量が一定である場合に前記反射
光の前記光検出器における受光位置が実質的に変わらな
いように、前記照射光及び前記反射光を導く導光手段
と、を備えたものである。
【0033】前記第1乃至第6の態様では、撓み検出手
段は光てこ法によるものに限定されず、例えば、光干渉
法によるものやカンチレバーの梁部に形成した圧電膜な
どを撓み検出手段として用いることもできるが、この第
7の態様では、撓み検出手段として光てこ法による構成
が採用されている。前記第1乃至第6の態様では、光て
こ法による撓み検出手段を採用する場合、撓み検出手段
の全体を探針駆動手段で駆動してもよいが、前記第7の
態様では、撓み検出手段のうちの光源及び光検出器が固
定側に設けられているので、これらが探針駆動手段の負
荷にならない。したがって、前記第7の態様によれば、
撓み検出手段の全体を探針駆動手段で駆動する場合に比
べて、一層探針駆動手段の負荷が小さくなり、これによ
り一層高速走査が可能であるとともにコンパクトにな
る。前記第7の態様では、撓み検出手段のうちの光源及
び光検出器が固定側に設けられているが、導光手段が、
探針駆動手段によるカンチレバーの移動にかかわらず、
カンチレバーへの照射光の光軸が実質的に変わらないと
ともに、カンチレバーの撓み量が一定である場合にカン
チレバーからの反射光の光検出器における受光位置が実
質的に変わらないように、前記照射光及び前記反射光を
導く。このため、前記第7の態様によれば、撓み検出手
段のうちの光源及び光検出器が固定側に設けられている
とともにカンチレバーが探針駆動手段により移動される
にもかかわらず、カンチレバーの撓みを正確に検出する
ことができる。
【0034】本発明の第8の態様による走査型近接場光
学顕微鏡は、前記第7の態様による走査型近接場光学顕
微鏡において、前記探針駆動手段は、第1の伸縮方向に
伸縮可能な第1の圧電駆動部材であって、前記第1の伸
縮方向の一端が支持部材に対して固定された第1の圧電
駆動部材と、第2の伸縮方向に伸縮可能な第2の圧電駆
動部材であって、前記第2の伸縮方向が前記第1の伸縮
方向と異なる方向となるように、前記第2の伸縮方向の
一端が前記第1の圧電駆動部材の前記第1の伸縮方向の
他端に対して固定された第2の圧電駆動部材と、第3の
伸縮方向に伸縮可能な第3の圧電駆動部材であって、前
記第3の伸縮方向が、前記第1及び第2の伸縮方向がな
す平面と交差する方向となるように、前記第3の伸縮方
向の一端が前記第2の圧電駆動部材の前記第2の伸縮方
向の他端に対して固定され、かつ、前記第3の伸縮方向
の他端に対しては前記カンチレバーが固定された第3の
圧電駆動部材と、を備えたものである。なお、本明細書
において、圧電駆動部材というのは、単体又は積層型な
どの圧電素子及びそれらを駆動する電極を含む総称であ
る。
【0035】この第8の態様によれば、第1の圧電駆動
部材が伸び縮みする間、第2及び第3の圧電駆動部材は
それぞれ平行移動するため、変位の干渉は起こらない。
また、第2の圧電駆動部材が伸び縮みする間、第3の圧
電駆動部材は平行移動するため、変位の干渉は起こらな
い。このように、各方向の圧電駆動部材の変位が互いに
干渉しないので、特別な補正等を行わなくても、試料表
面から得られた画像は歪むことがなく、実試料表面の状
態を忠実に再現することが可能となる。また、前記第8
の態様の探針駆動手段は、従来広く使われて来たチュー
ブ型圧電駆動部材に比べ共振周波数を高くすることがで
きるので、より高速に探針を走査することが可能とな
る。
【0036】本発明の第9の態様による走査型近接場光
学顕微鏡は、前記第8の態様による走査型近接場光学顕
微鏡において、前記導光手段は、前記第1の圧電駆動部
材の前記一端に対して固定された第1の光路変換部材
と、前記第1の圧電駆動部材の前記他端に対して固定さ
れた第2の光路変換部材と、前記第2の圧電駆動部材の
前記他端に対して固定された第3の光路変換部材と、を
備えたものである。そして、前記光源からの前記照射光
が前記第1乃至第3の光路変換部材を順次経て前記カン
チレバーの前記梁部に略垂直に照射されるとともに、前
記カンチレバーからの前記反射光が当該経路と逆の経路
を経て前記光検出器に受光され、かつ、前記照射光が前
記第1の光路変換部材を経た後に前記第1の伸縮方向に
進み前記第2の光路変換部材を経た後に前記第2の伸縮
方向に進むように、前記第1乃至第3の光路変換部材が
配置されたものである。
【0037】この第9の態様は前記第7の態様の具体的
な例である。この第9の態様のように構成すれば、各光
路変換部材が各圧電駆動部材に沿って配置されているの
で、探針駆動手段によるカンチレバーの移動にかかわら
ず、カンチレバーへの照射光の光軸が実質的に変わらな
いとともに、カンチレバーの撓み量が一定である場合に
カンチレバーからの反射光の光検出器における受光位置
が実質的に変わらなくなる。
【0038】本発明の第10の態様による走査型近接場
光学顕微鏡は、前記第7の態様による走査型近接場光学
顕微鏡において、前記探針駆動手段は、一端が支持部材
に固定され、所定平面において変位可能なバイモルフ型
圧電駆動部材と、所定の伸縮方向に伸縮可能な圧電駆動
部材であって、前記伸縮方向が前記所定平面と交差する
方向となるように、前記伸縮方向の一端が前記バイモル
フ型圧電駆動部材の他端に対して固定され、かつ、前記
伸縮方向の他端に対しては前記カンチレバーが固定され
た圧電駆動部材と、を備えたものである。そして、前記
導光手段は、反射面を有する第1の光路変換部材であっ
て、前記バイモルフ型圧電駆動部材の全長の略中心位置
上に前記反射面が位置するように、前記バイモルフ型圧
電駆動部材の全長の前記略中心位置に対して固定された
第1の光路変換部材と、前記バイモルフ型圧電駆動部材
の前記他端に対して固定された第2の光路変換部材と、
を備え、前記光源からの前記照射光が前記第1及び第2
の光路変換部材を順次経て前記カンチレバーの前記梁部
に略垂直に照射されるとともに、前記カンチレバーから
の前記反射光が当該経路とは逆の経路を経て前記光検出
器に受光され、かつ、前記照射光が前記第1の光路変換
部材を経た後に前記所定平面と平行な方向に進むよう
に、前記第1及び第2の光路変換部材が配置されたもの
である。
【0039】この第10の態様は前記第7の態様の具体
的な例であり、この第10の態様のように構成すれば、
探針駆動手段によるカンチレバーの移動にかかわらず、
カンチレバーへの照射光の光軸が実質的に変わらないと
ともに、カンチレバーの撓み量が一定である場合にカン
チレバーからの反射光の光検出器における受光位置が実
質的に変わらなくなる。
【0040】本発明の第11の態様による走査型近接場
光学顕微鏡は、前記第7の態様による走査型近接場光学
顕微鏡において、前記探針駆動手段は、軸方向の一端が
支持部材に固定され前記軸方向の他端に対しては前記カ
ンチレバーが固定されたチューブ型圧電駆動部材を備
え、前記導光手段は、反射面を有する第1の光路変換部
材であって、前記チューブ型圧電駆動部材の前記軸方向
の全長の略中心位置上に前記反射面が位置するように、
前記チューブ型圧電駆動部材の全長の前記略中心位置に
対して固定された第1の光路変換部材を備え、前記光源
からの前記照射光が前記第1の光路変換部材を経て前記
カンチレバーの前記梁部に略垂直に照射されるととも
に、前記カンチレバーからの前記反射光が当該経路とは
逆の経路を経て前記光検出器に受光されるように、前記
第1の光路変換部材が配置されたものである。
【0041】この第11の態様は前記第7の態様の具体
的な例であり、この第11の態様のように構成すれば、
探針駆動手段によるカンチレバーの移動にかかわらず、
カンチレバーへの照射光の光軸が実質的に変わらないと
ともに、カンチレバーの撓み量が一定である場合にカン
チレバーからの反射光の光検出器における受光位置が実
質的に変わらなくなる。
【0042】本発明の第12の態様による走査型近接場
光学顕微鏡は、前記第7の態様による走査型近接場光学
顕微鏡において、前記探針駆動手段は、第1の伸縮方向
に伸縮可能な第1の圧電駆動部材であって、前記第1の
伸縮方向が所定平面と平行な方向となるように、前記第
1の伸縮方向の一端が支持部材に対して固定された第1
の圧電駆動部材と、第2の伸縮方向に伸縮可能な第2の
圧電駆動部材であって、前記第2の伸縮方向が前記所定
平面と平行な方向となるとともに前記第1の伸縮方向と
異なる方向となるように、前記第2の伸縮方向の一端が
前記所定平面において屈曲可能な第1のヒンジを介して
前記支持部材に対して固定され、かつ、前記第2の伸縮
方向の他端が前記所定平面において屈曲可能な第2のヒ
ンジを介して前記第1の圧電駆動部材の前記第1の伸縮
方向の他端に対して固定された第2の圧電駆動部材と、
第3の伸縮方向に伸縮可能な第3の圧電駆動部材であっ
て、前記第3の伸縮方向が、前記所定平面と交差する方
向となるように、前記第3の伸縮方向の一端が前記第1
の圧電駆動部材の前記第1の伸縮方向の前記他端に対し
て固定され、かつ、前記第3の伸縮方向の他端に対して
は前記カンチレバーが固定された第3の圧電駆動部材
と、を備えたものである。そして、前記導光手段は、反
射面を有する第1の光路変換部材であって、前記第1の
圧電駆動部材の全長の略中心位置上に前記反射面が位置
するように、前記第1の圧電駆動部材の全長の前記略中
心位置に対して固定された第1の光路変換部材と、前記
第1の圧電駆動部材の前記他端に対して固定された第2
の光路変換部材と、を備え、前記光源からの前記照射光
が前記第1及び第2の光路変換部材を順次経て前記カン
チレバーの前記梁部に略垂直に照射されるとともに、前
記カンチレバーからの前記反射光が当該経路とは逆の経
路を経て前記光検出器に受光され、かつ、前記照射光が
前記第1の光路変換部材を経た後に前記所定平面と平行
な方向に進むように、前記第1及び第2の光路変換部材
が配置されたものである。なお、本明細書では、ヒンジ
には、任意の屈曲可能な部材や圧電駆動部材等と一体と
なった屈曲可能な部分も含まれるものとする。
【0043】この第12の態様は前記第7の態様の具体
的な例であり、この第12の態様のように構成すれば、
探針駆動手段によるカンチレバーの移動にかかわらず、
カンチレバーへの照射光の光軸が実質的に変わらないと
ともに、カンチレバーの撓み量が一定である場合にカン
チレバーからの反射光の光検出器における受光位置が実
質的に変わらなくなる。
【0044】本発明の第13の態様による走査型近接場
光学顕微鏡は、前記第7の態様による走査型近接場光学
顕微鏡において、前記探針駆動手段は、第1の伸縮方向
に伸縮可能な第1の圧電駆動部材であって、前記第1の
伸縮方向が所定平面と平行な方向となるように、前記第
1の伸縮方向の一端が、前記所定平面において屈曲可能
な第1のヒンジを介して支持部材に対して固定された第
1の圧電駆動部材と、第2の伸縮方向に伸縮可能な第2
の圧電駆動部材であって、前記第2の伸縮方向が前記所
定平面と平行な方向となるとともに前記第1の伸縮方向
と異なる方向となるように、前記第2の伸縮方向の一端
が前記所定平面において屈曲可能な第2のヒンジを介し
て前記支持部材に対して固定され、かつ、前記第2の伸
縮方向の他端が前記所定平面において屈曲可能な第3の
ヒンジを介して前記第1の圧電駆動部材の前記第1の伸
縮方向の他端に対して固定された第2の圧電駆動部材
と、第3の伸縮方向に伸縮可能な第3の圧電駆動部材で
あって、前記第3の伸縮方向が、前記所定平面と交差す
る方向となるように、前記第3の伸縮方向の一端が前記
第1の圧電駆動部材の前記第1の伸縮方向の前記他端に
対して固定され、かつ、前記第3の伸縮方向の他端に対
しては前記カンチレバーが固定された第3の圧電駆動部
材と、を備えたものである。
【0045】この第13の態様によれば、各圧電駆動部
材が伸縮したときに、第1乃至第3のヒンジが屈曲する
ことによって、各圧電駆動部材内部に蓄積される応力を
排除することができ、各圧電駆動部材の損傷を防止する
ことができる。
【0046】本発明の第14の態様による走査型近接場
光学顕微鏡は、第13の態様による走査型近接場光学顕
微鏡において、前記導光手段は、反射面を有する第1の
光路変換部材であって、前記第1の圧電駆動部材の所定
位置上に前記反射面が位置するように、前記第1の圧電
駆動部材の前記所定位置に対して固定された第1の光路
変換部材と、前記第1の圧電駆動部材の前記他端に対し
て固定された第2の圧電駆動部材と、を備え、前記光源
からの前記照射光が前記第1及び第2の光路変換部材を
順次経て前記カンチレバーの前記梁部に略垂直に照射さ
れるとともに、前記カンチレバーからの前記反射光が当
該経路とは逆の経路を経て前記光検出器に受光され、か
つ、前記照射光が前記第1の光路変換部材を経た後に前
記所定平面と平行な方向に進むように、前記第1及び第
2の光路変換部材が配置され、前記所定位置は、前記第
1のヒンジの屈曲する中心線上の位置から前記第1の光
路変換部材の前記反射面までの前記第1の伸縮方向の距
離と、前記第1の光路変換部材で反射された前記照射光
の経路における前記第1の光路変換部材の前記反射面か
ら前記第2の光路変換部材を経た前記カンチレバーの前
記梁部までの距離とが、実質的に等しい位置であるもの
である。
【0047】この第14の態様は前記第7の態様の具体
的な例である。この第14の態様によれば、第1の光路
変換部材が前述した位置に配置されているので、第1の
圧電駆動部材に、支持部材に対する角度変化が起きて
も、第1の光路変換部材は、その角度変化と同じ量角度
変化を起こす。よって、探針駆動手段によるカンチレバ
ーの移動にかかわらず、カンチレバーへの照射光の光軸
が実質的に変わらないとともに、カンチレバーの撓み量
が一定である場合にカンチレバーからの反射光の光検出
器における受光位置が実質的に変わらなくなる。
【0048】本発明の第15の態様による走査型近接場
光学顕微鏡は、前記第10、第11、第12及び第14
のいずれか態様による走査型近接場光学顕微鏡におい
て、前記導光手段は、前記探針駆動手段による前記カン
チレバーの移動に対する固定側に設けられた第3の光路
変換部材であって、前記光源からの前記照射光を前記第
1の光路変換部材に照射し、かつ前記第1の光路変換部
材を反射した前記カンチレバーからの前記反射光を前記
光検出器へ向かわせる第3の光路変換部材を、更に備え
たものである。
【0049】この第15の態様によれば、前記第3の光
路変換部材を設けたことによって、撓み検出手段の光源
及び光検出器を、光源から第1の光路変換部材に照射光
を直接照射したり第1の光路変換部材からの光を光検出
器に直接照射したりできる位置に配置しなくても構わな
くなり、任意の位置に配置することが可能となる。
【0050】本発明の第16の態様による走査型近接場
光学顕微鏡は、前記第13の態様による走査型近接場光
学顕微鏡において、前記導光手段は、反射面を有する第
1の光路変換部材であって、前記第1のヒンジの屈曲の
中心線上に前記反射面が位置するように、前記第1の圧
電駆動部材の前記一端に対して前記第1のヒンジを介す
ることなく固定された第1の光路変換部材と、前記第1
の圧電駆動部材の前記他端に固定された第2の光路変換
部材と、を備え、前記光源からの前記照射光が前記第1
及び第2の光路変換部材を順次経て前記カンチレバーの
前記梁部に略垂直に照射されるとともに、前記カンチレ
バーからの前記反射光が当該経路と逆の経路を経て前記
光検出器に受光され、かつ、前記照射光が前記第1の光
路変換部材を経た後に前記第1の伸縮方向に進むよう
に、前記第1及び第2の光路変換部材が配置されたもの
である。
【0051】この第16の態様は前記第7の態様の具体
的な例であり、この第16の態様のように構成すれば、
探針駆動手段によるカンチレバーの移動にかかわらず、
カンチレバーへの照射光の光軸が実質的に変わらないと
ともに、カンチレバーの撓み量が一定である場合にカン
チレバーからの反射光の光検出器における受光位置が実
質的に変わらなくなる。
【0052】本発明の第17の態様による走査型近接場
光学顕微鏡は、前記第9、第10、第11、第12、第
14、第15及び第16のいずれかの態様による走査型
近接場光学顕微鏡において、前記光源と前記第1の光路
変換部材との間に設けられた分割手段であって、前記光
源からの前記照射光と前記カンチレバーからの前記反射
光とを分割する分割手段を、更に備えたものである。
【0053】カンチレバーの撓み量はごく小さいものな
ので、光源からの照射光の光軸とカンチレバーからの反
射光の光軸は、ほとんど平行になってしまい、光源と光
検出器の配置が困難となる。そこで、この第17の態様
のように光源と第1の光路変換部材との間に分割手段を
設けると、光源からの照射光の光軸とカンチレバーから
の反射光の光軸とを完全に変えることができ、光源と光
検出器の配置が簡単になる。
【0054】なお、前記第9乃至第12及び第14乃至
第17の態様において、前記光源からの前記照射光はカ
ンチレバーの梁部に対して略垂直に入射するようにされ
ているので、光てこ倍率が大きくなり、カンチレバーの
撓み測定感度が高くなる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明による走査型近接場
光学顕微鏡について、図面を参照して説明する。
【0056】(実施の形態1)まず、本発明の第1の実
施の形態による走査型近接場光学顕微鏡について、図1
及び図2を参照して説明する。
【0057】図1は、本発明の第1の実施の形態による
走査型近接場光学顕微鏡を示す概略構成図である。図2
はその一部拡大図である。
【0058】本実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡は、先端部に探針21aを有するカンチレバー21
と、探針21aの先端から近接場光が発生するように探
針21aに光を照射する近接場光発生用光学系と、試料
22と相互作用した近接場光を検出する近接場光検出手
段としてのレンズ23,24及びフォトダイオード等の
光検出器25,26と、試料22の表面と略垂直な方向
及び試料22の表面と略平行な面の方向にカンチレバー
21を移動させる探針駆動装置(探針走査装置)と、探
針21aと試料22の表面との間に作用する原子間力に
より生ずるカンチレバー21の撓みを検出する撓み検出
手段としての撓み検出光学系(変位測定光学系)と、制
御部27と、処理部28と、CRT等の表示部29と、
を備えている。
【0059】なお、試料22は、その表面が図1及び図
2中のXY平面と一致するように配置されている。X方
向とY方向とは直交しており、Z方向はXY平面と直交
している。これらの点については、後述する他の図面に
ついても同様である。
【0060】本実施の形態では、図16に示す前記従来
の走査型近接場光学顕微鏡と同様に、カンチレバー21
として、原子間力顕微鏡用に一般に用いられている窒化
シリコン製のカンチレバーが用いられている。もっと
も、カンチレバー21として、例えば、先端部に微小開
口を有する探針を備えた公知のカンチレバー等を用いて
もよい。なお、カンチレバー21はプレート状の梁部
(レバー部分)21bを有している。
【0061】前記レンズ23及び光検出器25は、試料
22を透過した近接場光を検出するように配置されてい
る。前記レンズ24及び光検出器26は、試料22の表
面で反射した近接場光を検出するように配置されてい
る。これらはカンチレバー21の探針駆動装置による移
動に対する固定側に設けられている。なお、これらの2
組のうち一方の組を削除してもよい。
【0062】本実施の形態では、前記探針駆動装置は、
第1の伸縮方向(図1の場合には、X方向)に伸縮可能
であって、前記第1の伸縮方向の一端がブロック(屈曲
せず、剛性を有する部材又は部分)30を介して図示し
ない支持部材に固定された第1の圧電駆動部材31と、
第2の伸縮方向に伸縮可能であって、前記第2の伸縮方
向が前記第1の伸縮方向と異なる方向(図1の場合、Y
方向)となるように、前記第2の伸縮方向の一端が第1
の圧電駆動部材31の前記第1の伸縮方向の他端(自由
端)にブロック32を介して固定された第2の圧電駆動
部材33と、第3の伸縮方向に伸縮可能であって、前記
第3の伸縮方向が、前記第1及び第2の伸縮方向がなす
平面(XY平面)と交差する方向(図1の場合、Z方
向)となるように、前記第3の伸縮方向の一端が第2の
圧電駆動部材33の前記第2の伸縮方向の他端にブロッ
ク34を介して固定された第3の圧電駆動部材35と、
を備えている。第3の圧電駆動部材35の前記第3の伸
縮方向の他端には、カンチレバーホルダー36を介して
カンチレバー21が固定されている。
【0063】各圧電駆動部材31,33,35は、それ
ぞれ自身の伸縮方向に複数の板状の圧電体がエポキシ系
の接着剤等によって張り合わせて積層された構成となっ
ている。個々の圧電体の積層方向の両側に電極を有して
おり、これらの電極に後述する制御部27から電圧が印
加されることによって、積層方向に伸び縮みが行われる
ようになっている。もっとも、各圧電駆動部材31,3
3,35の積層方向は、伸縮方向と異なる方向でもよ
い。例えば、各圧電駆動部材31,33,35として、
伸縮方向と垂直な方向に複数の圧電体が積層されたエク
スパンド型の圧電駆動部材を用いてもよい。また、各圧
電駆動部材31,33,35として、単体の圧電体によ
り構成された圧電駆動部材を用いてもよい。
【0064】このように構成された探針駆動装置では、
第1の圧電型駆動部材31がX方向に伸び縮みする間、
Y方向及びZ方向に変位する第2及び第3の圧電型駆動
部材33,35は、それぞれ平行移動するだけである。
従って、X方向の変位とY方向及びZ方向の変位との干
渉は起こらない。また、Y方向に変位する第2の圧電型
駆動部材33が伸び縮みする間、Z方向に変位する第3
の圧電駆動部材35は平行移動するだけである。そのた
め、Y方向の変位とZ方向の変位との干渉は起こらな
い。このように、各方向の圧電駆動部材31,33,3
5の変位が互いに干渉しないので、特別な補正等を行わ
なくても、試料22の表面から後述するようにして得ら
れた画像は歪むことがなく、実試料表面の状態を忠実に
再現することが可能となる。また、本実施の形態におけ
る前記探針駆動装置は、後述するようなチューブ型圧電
駆動部材に比べ共振周波数を高くすることができるの
で、より高速に探針を走査することが可能となる。
【0065】また、本実施の形態では、前記近接場光発
生用光学系は、集光光学系としての集光レンズ40と、
光源41とを備えている。集光レンズ40は、第2の圧
電駆動部材33の前記他端に、ブロック34及びこれに
設けられた支持腕42を介して固定されており、集光レ
ンズ40の光軸が実質的に変わらずに探針駆動装置によ
るカンチレバー21の移動に実質的に追従して移動する
ようになっている。また、集光レンズ40は、その焦点
がカンチレバー21の探針21aの背面と実質的に一致
するように配置されている。図面には示していないが、
光源41は、カンチレバー21の探針駆動装置による移
動に対する固定側に設けられている。本実施の形態で
は、光源41は、実質的な平行光を集光レンズ40に照
射する。該実質的な平行光の照射方向は、集光レンズ4
0の光軸と実質的に一致している。カンチレバー21が
所望の走査範囲内であればいずれの位置に移動しても、
適切に探針21aに光が照射されるように、図面には詳
細に示していないが、光源41が発する平行光の断面よ
り集光レンズ40の口径が大きくされるかあるいは逆に
光源41が発する平行光の断面が集光レンズ40の口径
より大きくされる。なお、本実施の形態では、光源41
が集光レンズ40に前記実質的な平行光を照射する平行
光照射手段を構成しているが、該平行光照射手段は、例
えば、光源とコリメータレンズで構成してもよい。
【0066】ここで、このように構成された近接場光発
生用光学系の動作について説明する。本実施の形態で
は、第1乃至第3の圧電駆動部材31,33,35が前
述したように伸縮することによってカンチレバー21が
移動され、集光レンズ40がブロック34及び支持腕4
2を介して第2の圧電駆動部材33の前記他端に固定さ
れているので、第1乃至第3の圧電駆動部材31,3
3,35のいずれが伸縮しても集光レンズ40の光軸の
方向は、全く変わらず、常に光源41からの実質的な平
行光の照射方向と実質的に一致した状態を保つ。そし
て、集光レンズ40が第2の圧電駆動部材33の前記他
端に対して固定されているので、第1及び第2の圧電駆
動部材31,33のいずれが伸縮しても、集光レンズ4
0とカンチレバー21との位置関係は全く変わらず、常
に集光レンズ40の焦点はカンチレバー21の探針21
aの背面と実質的に一致した状態を保つ。第3の圧電駆
動部材35が伸縮すると、集光レンズ40とカンチレバ
ー21との位置関係が変化するが、第3の圧電駆動部材
35は試料22の表面の凹凸に従って伸縮するものであ
ることからその変位量は極めて小さく、実質的には、集
光レンズ40の焦点はカンチレバー21の探針21aの
背面と一致した状態を保つことになる。また、カンチレ
バー21が試料22と探針21aとの間に作用する原子
間力により撓んだ場合も、集光レンズ40とカンチレバ
ー21との位置関係が変化するが、その撓み量は極めて
小さく、実質的には、集光レンズ40の焦点はカンチレ
バー21の探針21aの背面と一致した状態を保つこと
になる。このように、集光レンズ40の光軸の方向が常
に光源41からの実質的な平行光の照射方向と実質的に
一致した状態を保つとともに、集光レンズ40の焦点が
常にカンチレバー21の探針21aの背面と実質的に一
致した状態を保つので、探針21aの走査中に常に、光
源からの41が探針21aの背面に集光され、探針21
aの先端から近接場光が発生することになる。
【0067】また、本実施の形態では、前記撓み検出光
学系は、レーザー光源50と、4分割ポジションセンサ
ーフォトダイオード51と、光アイソレータ52と、偏
光ビームスプリッター53と、1/4波長板54と、第
1の光路変換部材55と、第2の光路変換部材56と、
第3の光路変換部材57と、を有している。
【0068】前記素子50〜55は、図面には示してい
ないが、前記探針駆動装置によるカンチレバー21の移
動に対する固定側に設けられている。なお、レーザー光
源50、4分割ポジションセンサーフォトダイオード5
1、光アイソレータ52、偏光ビームスプリッター53
及び1/4波長板54は、図面には示していないが、そ
れぞれ前記支持部材に位置調整できるように固定されて
いる。レーザー光源50は、カンチレバー21の梁部2
1bに照射する照射光であるレーザー光61を発する。
なお、レーザー光源50として例えば半導体レーザー光
源を用いることができる。光束を十分小さいものにでき
るものであれば、レーザー光源50の代わりに他の光源
を用いてもよい。例えば、発光ダイオードにレンズを設
けるなどして光束を十分小さいものにした光源でも構わ
ない。4分割ポジションセンサーフォトダイオード51
は、4分割された受光面を有し、カンチレバー21の梁
部21bからの反射光であるレーザー光62を受光する
光検出器となっている。該光検出器として、例えば、2
分割フォトダイオードを用いてもよい。
【0069】第1乃至第3の光路変換部材55〜57と
して反射鏡が用いられているが、プリズム等を用いるこ
ともできる。第1の光路変換部材55はブロック30に
固定されて第1の圧電駆動部材31の前記一端に対して
固定され、第2の光路変換部材56は図示しない支持腕
を介してブロック32に固定されて第1の圧電駆動部材
31の前記他端に対して固定され、第3の光路変換部材
57は支持腕58を介してブロック34に固定されて前
記第2の圧電駆動部材33の前記他端に対して固定され
ている。第1乃至第3の光路変換部材55〜57は、レ
ーザー光61が第1乃至第3の光路変換部材55〜57
を順次経てカンチレバー21の梁部21bに略垂直に照
射されるとともに、カンチレバー21からのレーザー光
62が当該経路と逆の経路を経て4分割ポジションセン
サーフォトダイオード51に受光され、かつ、レーザー
光源50からのレーザー光61が第1の光路変換部材5
5を経た後に第1の圧電駆動部材31の第1の伸縮方向
(X方向)に進み第2の光路変換部材33を経た後に第
2の圧電駆動部材31の第2の伸縮方向(Y方向)に進
むように、配置されている。なお、カンチレバー21は
その梁部21bがXY平面に対して若干傾くように第3
の圧電駆動部材35の前記他端に対して固定されている
ので、レーザー光61は第3の光路変換部材57を経た
後にZ方向に対して若干傾いた方向に進んで、カンチレ
バー21の梁部21bに照射されるようになっている。
【0070】ここで、このように構成された撓み検出光
学系の動作について説明する。レーザー光源50からの
レーザー光61は偏光しているため、光アイソレータ5
2を透過した後に偏光ビームスプリッター53を透過
し、1/4波長板54により円偏光となる。円偏光とな
ったレーザー光61は第1の光路変換部材55により第
1の圧電駆動部材31の伸縮方向であるX方向に反射さ
れる。そのレーザー光61は、第2の光路変換部材56
により第2の圧電駆動部材33の伸縮方向であるY方向
に反射され、さらに第3の光路変換部材57によりカン
チレバー21の梁部21bに略垂直に入射するように反
射され、梁部21bをスポット状に照射する。カンチレ
バー21の梁部21b上で反射されたレーザー光62
は、再び第3、第2及び第1の光路変換部材57,5
6,55により順次反射され、1/4波長板54を透過
する。ここでレーザー光62の偏光面は、1/4波長板
54により、入射レーザー光61の偏光面と直交した偏
光面となる。その偏光面を有するレーザー光62は、偏
光ビームスプリッター53により反射され、光検出器で
ある4分割ポジションセンサーダイオード51に入射す
る。その際、わずかではあるがレーザー光62の一部が
偏光ビームスプリッター53を透過するので、本実施の
形態では、その光がレーザー光源50に入射してレーザ
ーの安定化に悪影響を及ぼすことを防止するために、レ
ーザー光源50の前に光アイソレータ52が配置され、
反射レーザー光62が半導体レーザー50に入射しない
ようにしている。もっとも、光アイソレータ52は必ず
しも必要ない。そして、4分割ポジションセンサーフォ
トダイオード51におけるレーザー光62の入射位置が
カンチレバー21の撓み量に応じて変化するので、光て
こ法の原理に従って、4分割ポジションセンサーフォト
ダイオード51からカンチレバー21の撓み量を示す検
出信号を得ることができる。なお、カンチレバー21の
梁部21bに対してレーザー光61が略垂直に入射され
るので、光てこ倍率が大きくなり、カンチレバー21の
撓み測定感度が高くなる。
【0071】ところで、第1の圧電駆動部材31がX方
向に伸縮しても、第2及び第3の圧電駆動部材33,3
5並びに第2及び第3の光路変換部材56,57など
は、X方向に平行移動するだけである。その時、第1乃
至第3の光路変換部材55,56,57を介してカンチ
レバー21に入射するレーザー光61の光軸は全く変わ
らず、カンチレバー21の撓み量が一定であれば4分割
ポジションセンサーフォトダイオード51上のレーザー
光62のスポットの位置も実質的に変化しない。同様
に、第2の圧電駆動部材56がY方向に伸縮しても、第
3の圧電駆動部材35及び第3の光路変換部材57など
は、Y方向に平行移動するだけである。その時、第1乃
至第3の光路変換部材55,56,57を介してカンチ
レバー21に入射するレーザー光61の光軸は全く変わ
らず、カンチレバー21の撓み量が一定であれば4分割
ポジションセンサーフォトダイオード51上のレーザー
光62のスポットの位置も実質的に変化しない。第3の
圧電駆動部材35がZ方向に伸縮すると、厳密には第1
乃至第3の光路変換部材55,56,57を介して入射
するレーザー光61の光軸がカンチレバー21に対して
変化し、カンチレバー21の撓み量が一定であっても厳
密には4分割ポジションセンサーフォトダイオード51
上のレーザー光62のスポットの位置が変化するが、第
3の圧電駆動部材35は試料22の表面の凹凸に従って
伸縮するものであることからその変位量は極めて小さ
く、実質的には、第1乃至第3の光路変換部材55,5
6,57を介して入射するレーザー光61の光軸は変わ
らず、カンチレバー21の撓み量が一定であれば4分割
ポジションセンサーフォトダイオード51上のレーザー
光62のスポットの位置も変化しないものである。この
ように、第1乃至第3の圧電駆動部材31,33,35
のいずれが伸縮しても、カンチレバー21へのレーザー
光61の光軸が実質的に変わらないとともに、カンチレ
バー21の撓み量が一定である場合にカンチレバー21
からのレーザー光62の4分割ポジションセンサーフォ
トダイオード51における受光位置が実質的に変わらな
いので、レーザー光源50及び4分割ポジションセンサ
ーフォトダイオード51が固定側に設けられているにも
かかわらず、カンチレバー21の撓みを正確に検出する
ことができる。そして、撓み検出光学系のうちのレーザ
ー光源50及び4分割ポジションセンサーフォトダイオ
ード51が固定側に設けられているので、これらが前記
探針駆動装置の複数のかにならない。したがって、撓み
検出光学系の全体を探針駆動装置で駆動する場合に比べ
て、探針駆動装置の負荷が小さくなり、これにより高速
走査が可能となるとともにコンパクトになる。
【0072】なお、本実施の形態では、前記偏光ビーム
スプリッター53、1/4波長板54、第1乃至第3の
光路変換部材55,56,57が、前記探針駆動装置に
よるカンチレバー21の移動にかかわらず、カンチレバ
ー21へのレーザー光源50からの照射光の光軸が実質
的に変わらないとともに、カンチレバー21の撓み量が
一定である場合にカンチレバー21からの反射光の4分
割ポジションセンサーフォトダイオード51における受
光位置が実質的に変わらないように、前記照射光及び前
記反射光を導く導光手段を、構成している。
【0073】また、本実施の形態では、偏光ビームスプ
リッター53及び1/4波長板54が、4分割ポジショ
ンセンサーフォトダイオード51と第1の光路変換部材
55との間に設けられて照射光であるレーザー光61と
反射光であるレーザー光62とを分割する分割手段を構
成している。カンチレバー21の撓み量はごく小さいも
のなので、このような分割手段がなければ、レーザー光
源50からのレーザー光61の光軸とカンチレバー21
からのレーザー光62の光軸は、ほとんど平行になって
しまい、レーザー光源50と4分割ポジションセンサー
フォトダイオード51の配置が困難となるが、本実施の
形態では、偏光ビームスプリッター53及び1/4波長
板54によって、レーザー光源50からのレーザー光6
1の光軸とカンチレバー21からのレーザー光62の光
軸とを完全に変えることができ、レーザー光源50と4
分割ポジションセンサーフォトダイオード51の配置が
簡単となっている。なお、カンチレバー21からの反射
光が十分強いものであれば、偏光ビームスプリッター5
3及び1/4波長板54の代わりに、ハーフミラーを用
いてもよい。
【0074】また、前記制御部27は、4分割ポジショ
ンセンサーフォトダイオード51からの検出信号に基づ
いてカンチレバー21の撓みが一定になるように前記探
針駆動装置である圧電駆動部材31,33,36を制御
しつつ、試料22の表面と平行な面の方向に探針21a
が試料22の表面を走査するように圧電駆動部材31,
33,36を制御する。制御部27から前記探針駆動装
置に与えられるZ方向の制御信号は、探針21aの試料
表面に対するZ方向の相対位置を示すことになる。ま
た、制御部27から前記探針駆動装置に与えられるX方
向及びY方向の制御信号は、探針21aの試料表面に対
するX方向及びY方向の相対位置を示すことになる。処
理部28は、制御部27からの各制御信号及び光検出器
25,26からの検出信号を取り込み、探針21aのX
方向及びY方向の試料表面に対する相対位置に応じた光
検出部25,26の検出信号のレベルに関する情報(す
なわち、試料22の光学的情報)を得るとともに、探針
21aのX方向及びY方向の試料表面に対する相対位置
に応じた探針21aのZ方向の試料表面に対する相対位
置に関する情報(すなわち、試料の形状情報)を得る。
そして、これらの情報はCRT等の表示部32に画像と
して表示される。このように、本実施の形態では、処理
部23により試料20の形状情報も得ているので、試料
22を観察する上で好ましい。もっとも、本発明では、
必ずしも試料22の形状情報を得なくてもよい。
【0075】本実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡によれば、探針22と試料表面との間に原子間力が働
き、この力に応じてカンチレバー21が撓む。カンチレ
バー21の撓み量に応じた信号が4分割ポジションセン
サーフォトダイオード51から出力される。そして、制
御部27及び探針駆動装置である第1乃至第3の圧電駆
動部材55,56,57によって、4分割ポジションセ
ンサーフォトダイオード51からの信号に基づいてカン
チレバー21の撓み量が一定になるようにカンチレバー
21がZ方向に移動させられつつ、X方向及びY方向に
探針21aが試料表面を走査するようにカンチレバー2
1が移動させられる。したがって、試料表面の凹凸に追
従して探針21aと試料22との間の距離が一定に保た
れつつ、試料表面と略平行な面の方向に探針21aが試
料表面を走査することになる。このため、光検出器2
5,26からの検出信号には光学的情報のみが含まれ、
試料22の光学的情報のみを形状情報から分離して得る
ことができる。
【0076】そして、本実施の形態によれば、前述した
探針駆動装置によりカンチレバー21が移動され、探針
走査型となっているので、大面積の試料や質量の大きい
試料の観察が可能となる。近接場光発生用光学系のうち
の光源41が固定側に設けられているが、前述したよう
に前記探針駆動装置により探針21aが走査されても、
常に近接場光発生用の光が探針21aの背面上に集光さ
れることになる。そして、本実施の形態によれば、近接
場光発生用光学系のうちの光源41は、固定側に設けら
れているので、前記探針駆動装置の負荷にならない。し
たがって、本実施の形態によれば、近接場光発生用光学
系の全体を探針駆動装置で駆動する場合に比べて、探針
駆動手段の探針が小さくなり、これにより高速走査が可
能であるとともにコンパクトになる。
【0077】(実施の形態2)次に、本発明の第2の実
施の形態による走査型近接場光学顕微鏡について、図3
を参照して説明する。
【0078】図3は、本発明の第2の実施の形態による
走査型近接場光学顕微鏡を示す概略構成図である。図3
において、図1及び図2中の構成要素と同一又は対応す
る構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0079】本実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡が前記第1の実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡と異なる所は、図1中の光源41並びにレンズ23,
24及び光検出器25,26が削除され、代わりに、試
料22を搭載する三角柱状のプリズム70が試料台とし
て設けられ、光源71からの光がプリズム70を介して
試料22の裏面から試料22の表面で全反射条件を満た
すように入射するように光源71がプリズム70の側方
に配置され、集光レンズ72及びフォトダイオード等の
光検出器73が集光レンズ40の上方に配置されている
点のみである。なお、プリズム70、光源71、集光レ
ンズ72及び光検出器73は、前記探針走査装置による
カンチレバー21の移動に対する固定側に設けられてい
る。
【0080】本実施の形態では、光源71からの光がプ
リズム70を介して試料22の裏面から試料22の表面
で全反射条件を満たすように入射され、これにより試料
22の表面近傍に近接場光が発生する。探針21aの先
端付近の近接場光が探針21aの先端から探針21a内
に入り(すなわち、探針21aにより捕捉され)、伝播
光となって探針21aを透過し、集光レンズ40により
実質的な平行光とされる。この実質的な平行光は、集光
レンズ72により光検出器73に集光され、光検出器7
3により検出される。なお、カンチレバー21が所望の
走査範囲内であればいずれの位置に移動しても、探針2
1aにより捕捉された近接場光が光検出器73により適
切に受光されるように、集光レンズ72の口径は集光レ
ンズ40の口径より大きくされている。
【0081】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、前記プリズム70及び光源71が、試料22の
表面に近接場光が発生するように試料裏面から全反射条
件で光を照射する近接場光発生用光学系を構成してい
る。また、集光レンズ40,72及び光検出器73が探
針21aにより捕捉された近接場光を検出する近接場光
検出手段を構成しており、特に、集光レンズ72及び光
検出器73が集光レンズ40により実質的な平行光にさ
れた近接場光を検出する検出手段を構成している。な
お、プリズム70の形状は三角柱に限定されるものでは
ない。
【0082】本実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡は、前記第1の実施の形態による走査型近接場光学顕
微鏡が探針21a側から近接場光が発生するタイプであ
るのに対し、試料22側から近接場光が発生するタイプ
であるが、本実施の形態によっても前記第1の実施の形
態と同様の利点が得られる。すなわち、本実施の形態に
おいても、探針駆動装置によりカンチレバー21が移動
され、探針走査型となっているので、大面積の試料や質
量の大きい試料の観察が可能となる。近接場光検出手段
のうちの集光レンズ72及び光検出器73が固定側に設
けられているが、近接場光検出手段のうちの集光レンズ
40は、光軸方向が実質的に変わらずに探針駆動装置に
よるカンチレバー21の移動に実質的に追従して移動す
る。そして、集光レンズ40は、その焦点が探針21a
の背面と実質的に一致するように配置され、探針21a
により捕捉された近接場光を実質的な平行光にする。集
光レンズ72及び光検出器73は、この実質的な平行光
となった近接場光を検出する。このため、探針駆動装置
により探針21aが走査されても、常に近接場光が検出
されることになる。そして、本実施の形態によれば、近
接場光検出手段のうちの集光レンズ72及び光検出器7
3は、固定側に設けられているので、探針駆動装置の負
荷にならない。したがって、本実施の形態によれば、近
接場光検出手段の全体を探針駆動装置で駆動する場合に
比べて、探針駆動装置の負荷が小さくなり、これにより
高速走査が可能であるとともにコンパクトになる。
【0083】(実施の形態3)次に、本発明の第3の実
施の形態による走査型近接場光学顕微鏡について、図4
乃至図6を参照して説明する。
【0084】図4は、本発明の第3の実施の形態による
走査型近接場光学顕微鏡を示す、一部を省略した概略構
成図である。図4において、図1及び図2中の構成要素
と同一又は対応する構成要素には同一符号を付し、その
説明は省略する。
【0085】本実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡が前記第1の実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡と異なる所は、主として、探針駆動装置の構成及び撓
み検出光学系における導光手段の一部の構成のみであ
り、具体的には以下の点である。
【0086】本実施の形態では、試料22と探針21a
との間の位置調整を行うため3つのマイクロメーター8
0で支えられた支持基板81を備えており、該支持基板
81が前記第1の実施の形態における前記支持部材(探
針駆動装置によるカンチレバー21の移動に対する固定
側となる)として用いられている。なお、図1及び図2
には示していないが、前記第1の実施の形態において
も、本実施の形態と同様に、マイクロメーター80で支
えられた支持基板81を前記支持部材として用いること
ができる。
【0087】また、本実施の形態では、前記探針駆動装
置は、一端が支持基板81に固定されXY平面において
変位可能なバイモルフ型圧電駆動部材83と、所定の伸
縮方向に伸縮可能であって、前記伸縮方向がZ方向とな
るように、前記伸縮方向の一端(図4では上端)が図示
しない断面逆L字状の固定部材を介してバイモルフ型圧
電駆動部材83の他端に固定された圧電駆動部材84
と、を備えている。圧電駆動部材84の他端には、カン
チレバーホルダー36を介してカンチレバー21が固定
されている。
【0088】バイモルフ型圧電駆動部材83は、電極を
挟んで2枚の板状の圧電体を貼り合わせ、当該貼り合わ
せ面と相対する前記2枚の圧電体のそれぞれの面に電極
を形成した構造を有している。本実施の形態では、バイ
モルフ型圧電駆動部材83が撓んでいない場合に前記貼
り合わせ面がXZ平面と平行となるように配置されてお
り、それぞれの圧電体に同方向の電圧を印加した場合に
は、2枚の圧電体が両方ともX方向に伸縮し、バイモル
フ型圧電駆動部材83は全体としてX方向に伸縮する。
また、それぞれの圧電体に異なる方向の電圧を印加した
場合には、一方の圧電体がX方向に収縮するとともに他
方の圧電体がX方向に伸張することによって、バイモル
フ型圧電駆動部材83が全体としてXY面において撓む
(すなわち、湾曲する)。バイモルフ型圧電駆動部材8
3は、このようにして前記他端をY方向に振ることもで
きる圧電駆動部材である。本実施の形態では、このバイ
モルフ型圧電駆動部材83を用いて、試料22の表面と
平行なXY平面において探針21aを駆動することを可
能としている。一方、圧電駆動部材84は、前述した図
1中の圧電駆動部材35と同様の部材である。
【0089】また、本実施の形態では、前記撓み検出光
学系は、レーザー光源90aと、コリメータレンズ90
bと、4分割ポジションセンサーフォトダイオード91
と、偏光ビームスプリッター93と、1/4波長板94
と、第1の光路変換部材95と、第2の光路変換部材9
6と、第3の光路変換部材97と、を有している。
【0090】前記素子90a,90b,91,93,9
4は、図面には示していないが、それぞれ支持基板81
に位置調整できるように固定されている。レーザー光源
90a及びコリメータレンズ90bは、図1中のレーザ
ー光源50に相当しており、レーザー光源50にはコリ
メータレンズも内臓されている。コリメータレンズ90
bは、焦点がカンチレバー21の梁部21b上で結ぶよ
うな光学系である。また、4分割ポジションセンサーフ
ォトダイオード91、偏光ビームスプリッター93及び
1/4波長板94は、それぞれ図1中の4分割ポジショ
ンセンサーフォトダイオード51、偏光ビームスプリッ
ター53及び1/4波長板54に相当している。ただ
し、偏光ビームスプリッター53は、レーザー光源90
aからの直線偏光のレーザー光101を反射し、その偏
光面と直交する直線偏光を透過させるように設定されて
いる。
【0091】第1乃至第3の光路変換部材95〜97と
して反射鏡が用いられているが、プリズム等を用いるこ
ともできる。第1の光路変換部材95は、反射面を有し
ており、該反射面がバイモルフ型圧電駆動部材83の全
長の略中心位置上に位置するように、バイモルフ型圧電
駆動部材83の全長の前記略中心位置に対して固定され
ている。第2の光路変換部材96は、支持腕98を介し
てバイモルフ型圧電駆動部材83の前記他端に固定され
ている。第1及び第2の光路変換部材95,96は、レ
ーザー光源90aからの照射光であるレーザー光101
が第1及び第2の光路変換部材95,96を順次経てカ
ンチレバー21の梁部21bに略垂直に照射されるとと
もに、前記カンチレバー21からの反射光であるレーザ
ー光102が当該経路とは逆の経路を経て4分割ポジシ
ョンセンサーフォトダイオード91に受光され、かつ、
レーザー光101が第1の光路変換部材95を経た後に
XY平面と平行な方向(本実施の形態では、バイモルフ
型圧電駆動部材83が撓んでいない場合にはX方向)に
進むように、配置されている。なお、カンチレバー21
はその梁部21bがXY平面に対して若干傾くようにバ
イモルフ型圧電駆動部材83の前記他端に対して固定さ
れているので、レーザー光101は第2の光路変換部材
96を経た後にZ方向に対して若干傾いた方向に進ん
で、カンチレバー21の梁部21bに照射されるように
なっている。第3の光路変換部材97は、レーザー光1
01を第1の光路変換部材95に照射するとともに、第
1の光路変換部材95を反射したレーザー光102を4
分割ポジションセンサーフォトダイオード91へ向かわ
せるように、配置されている。すなわち、本実施の形態
では、第3の光路変換部材97は、バイモルフ型圧電駆
動部材83の長手方向(X方向)での中央から圧電駆動
部材84側の位置で、かつ、バイモルフ型圧電駆動部材
83の直上において、支持基板81に固定されている。
なお、第3の光路変換部材97を取り除いてもよいが、
本実施の形態のように第3の光路変換部材97を設けれ
ば、レーザー光源90aや4分割ポジションセンサーフ
ォトダイオード91等を、レーザー光源90aから第1
の光路変換部材95にレーザー光101を直接照射した
り第1の光路変換部材95からのレーザー光102を4
分割ポジションセンサーフォトダイオード91に直接照
射したりできる位置に配置しなくても構わなくなり、任
意の位置に配置することが可能となる。
【0092】ここで、このように構成された撓み検出光
学系の動作について説明する。レーザー光源90aから
のレーザー光101は偏光しているため、コリメータレ
ンズ90bを透過した後に偏光ビームスプリッター93
で反射され、1/4波長板94により円偏光となる。円
偏光となったレーザー光101は、第3の光路変換部材
97、第1の光路変換部材95及び第2の光路変換部材
96を順次反射し、カンチレバー21の梁部21bに略
垂直に入射する。カンチレバー21の梁部21b上で反
射されたレーザー光102は、再び第2の光路変換部材
96、第1の光路変換部材95及び第3の光路変換部材
97により順次反射され、1/4波長板94を透過す
る。ここでレーザー光102の偏光面は、1/4波長板
94により、入射レーザー光101の偏光面と直交した
偏光面となる。その偏光面を有するレーザー光102
は、偏光ビームスプリッター53を透過し、光検出器で
ある4分割ポジションセンサーダイオード91に入射す
る。そして、4分割ポジションセンサーフォトダイオー
ド91におけるレーザー光102の入射位置がカンチレ
バー21の撓み量に応じて変化するので、光てこ法の原
理に従って、4分割ポジションセンサーフォトダイオー
ド91からカンチレバー21の撓み量を示す検出信号を
得ることができる。
【0093】ここで、バイモルフ型圧電駆動部材83を
駆動させた場合に第1乃至第3の光路変換部材95〜9
7がどのような働きをするかについて、説明する。
【0094】まず、バイモルフ型圧電駆動部材83を撓
ませることによって駆動させ、カンチレバー21(すな
わち、探針21a)を移動させた場合について、図5を
参照して説明する。図5は、バイモルフ型圧電駆動部材
83を動作させた場合の状態を模式的に表した図であ
る。図5(a)は、バイモルフ型圧電駆動部材83を撓
ませた状態を模式的に表した図である。図5(b)は、
バイモルフ型圧電駆動部材83が撓んだときの曲率半径
をR1とし、曲率半径R1の中心をO1とし、第1の光路
変換部材95とその第1の光路変換部材95に入射され
るレーザー光101の光軸とその第1の光路変換部材9
5によって反射されたレーザー光101の光軸との関係
を示した図である。図5では、第1の反射部材95の反
射面の位置をM1とし、バイモルフ型圧電駆動部材83
の支持基板4に固定された固定端と第1の反射部材10
までの距離をd1とし、バイモルフ型圧電駆動部材83
の他端をB1としている。
【0095】バイモルフ型圧電駆動部材83の曲率半径
1のときのA111の角度を2θ 1とすると、このと
き、第1の反射部材95の反射面の角度変化は、図5
(b)で示されたM1とO1を結ぶ線とA1とO1を結ぶ線
とがなす角度と同じになる。よって、第1の光路変換部
材95は、θ1傾くことになる。第1の光路変換部材9
5がθ1傾くと、第1の光路変換部材95の入射光の光
軸と反射光の光軸のなす角度は2θ1となり、反射光の
光軸は、曲率半径R1で撓んでいるバイモルフ型圧電駆
動部材83の他端B1における接線と同じになる。
【0096】つまり、バイモルフ型圧電駆動部材83の
撓みがどのくらいになっても、第1の光路変換部材95
からの反射光の光軸は、バイモルフ型圧電駆動部材83
の他端B1における接線と平行になり、第1の光路変換
部材95からの反射光は、バイモルフ型圧電駆動部材8
3の延長上に設けられた第2の光路変換部材96の同じ
ところに入射することができるということである。
【0097】ところで、バイモルフ型圧電駆動部材83
を長手方向(X方向)に駆動した場合は、第1の光路変
換部材95からの反射光の光軸とバイモルフ型圧電駆動
部材83の軸とは平行であるので、バイモルフ型圧電駆
動部材83の他端B1に対して固定された第2の光路変
換部材96には、必ず第1の光路変換部材95からの反
射光が照射される。
【0098】ところで、前述したように、第1の光路変
換部材95と第2の光路変換部材96だけでは、レーザ
ー光源90aを支持基板4に固定してカンチレバー21
に光を照射することが困難であるので、本実施の形態で
は、更にバイモルフ型圧電駆動部材83の直上に配置し
た第3の光路変換部材97を支持基板81に設けてい
る。そして、本実施の形態では、この第3の光路変換部
材97を使い、光をほぼX方向になるように第1の光路
変換部材95に入射させている。そのことについて、次
に図6を参照して説明する。
【0099】バイモルフ型圧電駆動部材83が撓むこと
によって、第1の光路変換部材95がXY平面上におい
てθの角度変化したときの状態を、模式的に図6に示
す。図6(a)は、第1の光路変換部材95の反射面の
法線上から見たときの模式図である。図6(b)は、X
Y平面の法線上から見たときの模式図である。図6の
(c)は斜視したときの模式図である。図6において、
Oは第1の光路変換部材95の受光位置である。O’は
XY平面に対する法線上の点であり、Oから発した法線
上である。BOはXY平面に射影した入射光軸を示して
おり、DOはXY平面上に射影した第1の光路変換部材
95の反射面からの法線を示している。また、OCは第
1の光路変換部材95によって反射された反射光の光軸
を示している。AOは第3の光路変換部材97によって
反射された光が第1の光路変換部材95に入射する光軸
を示しており、EFOで形成される面は、第1の光路変
換部材の反射面に対して垂直な面を示している。点
O’,A,B,C,D,E,FはそれぞれOから等しい
距離にある。ここでは、説明上の便宜上、Oからこれら
の各点までの距離を1とする。
【0100】バイモルフ型圧電駆動部材83が駆動した
ことにより、第1の光路変換部材95がθ角度変化した
とき、第1の光路変換部材95の反射面の法線がEOか
らFOになる。これに従い、第1の光路変換部材95を
反射した反射光の光軸が、BO方向からOC方向にな
る。ところで、OCとDOとがなす角度をθ’とする
と、θ’はθより小さくなる。その理由について、図6
(a)を用いて説明する。入射する光の光軸AOと第1
の光路変換部材95の反射面の法線FOのなす角度と、
反射した光の光軸OCと法線FOとのなす角度とは等し
い。この入射光軸AOと反射光軸OCとをそれぞれXY
平面上に射影投射したときのそれぞれのDOに対する角
度は異なってしまう。このことからθに比べθ’は小さ
くなる。
【0101】次にθ’の角度をθで表してみる。
【0102】第3の光路変換部材97によって反射され
た光が、第1の光路変換部材95への入射する光軸とX
Y平面とのなす角度をα、入射光軸と弧O’Bとの交点
をAとし、点Aと軸OO’との距離dとすると、次式
(1)のように表すことができる。
【0103】
【数1】d=cosα ・・・(1) 点AをXY平面に射影投射し、そのときの線DOと点
A、及び線DOと点Cとの距離をhとすると、次式
(2)のように表すことができる。
【0104】
【数2】 h=sinθ’=d×sinθ ・・・(2) 次に式(1)を式(2)に代入すると、式(3)のよう
になる。
【0105】
【数3】 sinθ’=cosα×sinθ ・・・(3) ところで、バイモルフ型圧電駆動部材83の中点におけ
る角度変化は、非常に小さいのでsinθ=θ、sin
θ’=θ’で置き換えると、次式(4)のようになる。
【0106】
【数4】θ’=θ×cosα ・・・(4) 第3の光路変換部材97の位置と試料面からの距離と、
第1の光路変換部材95の位置と試料面からの距離と
は、第3の光路変換部材97へ入射させる光軸を第1の
光路変換部材95へ近づけることで近づけることができ
るので、αを10度程度とすることができる。ここでα
に10度を代入すると、次式(5)のように表すことが
できる。
【0107】
【数5】θ’=0.98θ ・・・(5) この式(5)からわかるように、第1の光路変換部材9
5における入射光軸と反射光軸のXY平面への射影投射
したときの両者のなす角度は、1.98θとなり、ほぼ
2θに近似した角度となる。
【0108】よって、第3の光路変換部材97からの反
射光を第1の光路変換部材95へ照射し、第1の光路変
換部材95からの反射光を第2の光路変換部材96へ照
射するときに、バイモルフ型圧電駆動部材83が撓んで
変位した場合に、微妙な光軸のズレが起きるが、至って
微小な誤差のためカンチレバーの撓み量を検出には、影
響が少ない。
【0109】その影響を減らしたい場合には、光軸のズ
レの大きさはバイモルフ型圧電駆動部材83の撓み量に
比例して決まるため、図1中の制御部27に相当する制
御部(図示せず)から圧電駆動部材84に与えられる制
御信号(バイモルフ型圧電駆動部材83の撓み量に関す
る信号)に基づいて前記制御部でカンチレバー21の撓
み量に関する検出データに補正をすればよい。
【0110】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、前記偏光ビームスプリッター93、1/4波長
板94、第1乃至第3の光路変換部材95,96,97
が、前記探針駆動装置によるカンチレバー21の移動に
かかわらず、カンチレバー21へのレーザー光源90a
からの照射光の光軸が実質的に変わらないとともに、カ
ンチレバー21の撓み量が一定である場合にカンチレバ
ー21からの反射光の4分割ポジションセンサーフォト
ダイオード51における受光位置が実質的に変わらない
ように、前記照射光及び前記反射光を導く導光手段を、
構成している。
【0111】なお、図4中では省略しているが、本実施
の形態による走査型近接場光学顕微鏡も、前記第1の実
施の形態と同様に、図1中のレンズ23,24、光検出
器25,26、制御部27、処理部28、表示部29、
集光レンズ40及び光源41に相当するものを備えてい
る。
【0112】なお、集光レンズ40に相当する集光レン
ズは、バイモルフ型圧電駆動部材83の前記他端(圧電
駆動部材84側の端部)に対して固定される。バイモル
フ型圧電駆動部材83が撓むと、厳密には前記集光レン
ズの光軸の方向が若干変化するが、その変化量は小さい
ので、常に前記集光レンズの焦点はカンチレバー21の
探針21aの背面と実質的に一致した状態を保ち、探針
21aの走査中に常に、光源41に相当する光源からの
光が探針21aの背面に集光され、探針21aの先端か
ら近接場光が発生することになる。
【0113】本実施の形態によっても、前記第1の実施
の形態と同様の利点が得られることは、明らかである。
【0114】(実施の形態4)次に、本発明の第4の実
施の形態による走査型近接場光学顕微鏡について、図図
7を参照して説明する。
【0115】図7は、本発明の第4の実施の形態による
走査型近接場光学顕微鏡を示す、一部を省略した概略構
成図である。図7において、図4中の構成要素と同一又
は対応する構成要素には同一符号を付し、その説明は省
略する。
【0116】本実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡が前記第3の実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡と異なる所は、主として探針駆動装置の構成及び撓み
検出光学系における導光手段の一部の構成のみであり、
具体的には以下の点である。
【0117】すなわち、本実施の形態では、前記第3の
実施の形態におけるバイモルフ型圧電駆動部材83及び
圧電駆動部材84の代わりに、探針駆動装置として、チ
ューブ型圧電駆動部材111が設けられている。チュー
ブ型圧電駆動部材111は、円筒状等の筒状の形状を有
した圧電体に、内側の面又は外側の面のいずれか一方に
全面的にグランド電極が設けられ、かつ他方の面には例
えば4分割された電極が設けられた構成を有している。
その駆動は、対向する分割電極に、それぞれ正負反対の
電圧を印加することによって筒状の圧電体が横方向に撓
み、これによりX方向あるいはY方向の走査駆動が行わ
れる。また、Z方向の走査駆動は、分割電極にそれぞれ
同電圧のオフセットを印加することによって、筒状の圧
電体が伸縮変位することによって、実現される。
【0118】また、本実施の形態では、図4中の支持基
板81の代わりに、支持基板115,116が設けられ
ている。支持基板115と支持基板116とは、脱着可
能になっている。この支持基板115には、前記第3の
実施の形態と同じレーザー光源90a、コリーメータレ
ンズ90b、偏光ビームスプリッター93及び1/4波
長板94が設けられている。また、支持基板115に
は、チューブ型圧電駆動部材111の軸方向の一端(図
7では上端)が固定されている。チューブ型圧電駆動部
材11の軸方向はZ方向と一致している。チューブ型圧
電駆動部材111の軸方向の他端には、カンチレバーホ
ルダー36を介してカンチレバー21が固定されてい
る。そして、本実施の形態では、レーザー光源90aか
らの光を図4中の第3の光路変換部材97に相当する光
路変換部材113に照射する、光路変換部材114を有
している。この光路変換部材114は、レーザー光源9
0aからの光を光路変換部材113に照射させるだけの
ものであるので、レーザー光源90aからの光を直接、
光路変換部材113に照射できるように配置すれば、設
けなくても構わない。
【0119】図7中、112は図4中の第1の光路変換
部材95に相当する光路変換部材である。光路変換部材
112は、反射面を有しており、該反射面がチューブ型
圧電駆動部材111の全長の略中心位置上に位置するよ
うに、チューブ型圧電駆動部材111の全長の前記略中
心位置に対して固定されている。そして、光路変換部材
112は、レーザー光源90aからのレーザー光が光路
変換部材112を経てカンチレバー21の梁部21bに
略垂直に照射されるとともに、カンチレバー21からの
反射光が当該経路とは逆の経路を経て4分割ポジション
センサーフォトダイオード91に受光されるように、配
置されている。
【0120】本実施の形態では、試料面に対し平行に探
針3を移動させる場合、チューブ型圧電駆動部材111
を前記第3の実施の形態におけるバイモルフ型圧電駆動
部材1と同様に撓みを生じさせて探針21bを移動させ
るので、前記第3の実施の形態と同じ原理でレーザー光
源90aからの光をカンチレバー31に照射することが
できる。
【0121】本実施の形態では、1つの圧電駆動部材で
3次元的に駆動できるチューブ型圧電駆動部材111が
用いられているので、図4中の第2の光路変換部材96
に相当する光路変換部材を設けることなく、レーザー光
源90aからの光をカンチレバー21の梁部21bに照
射することができ、かつカンチレバー21からの反射光
を4分割ポジションセンサーフォトダイオード12まで
導くことができる。
【0122】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、前記偏光ビームスプリッター93、1/4波長
板94、光路変換部材112,113,114が、前記
探針駆動装置によるカンチレバー21の移動にかかわら
ず、カンチレバー21へのレーザー光源90aからの照
射光の光軸が実質的に変わらないとともに、カンチレバ
ー21の撓み量が一定である場合にカンチレバー21か
らの反射光の4分割ポジションセンサーフォトダイオー
ド91における受光位置が実質的に変わらないように、
前記照射光及び前記反射光を導く導光手段を、構成して
いる。
【0123】なお、図7中では省略しているが、本実施
の形態による走査型近接場光学顕微鏡も、前記第1の実
施の形態と同様に、図1中のレンズ23,24、光検出
器25,26、制御部27、処理部28、表示部29、
集光レンズ40及び光源41に相当するものを備えてい
る。
【0124】なお、集光レンズ40に相当する集光レン
ズは、チューブ型圧電駆動部材111の前記他端(図7
では下端)に対して固定される。チューブ型圧電駆動部
材111が横方向に撓むと、厳密には前記集光レンズの
光軸の方向が若干変化するが、その変化量は小さいの
で、常に前記集光レンズの焦点はカンチレバー21の探
針21aの背面と実質的に一致した状態を保ち、探針2
1aの走査中に常に、光源41に相当する光源からの光
が探針21aの背面に集光され、探針21aの先端から
近接場光が発生することになる。
【0125】本実施の形態によっても、前記第1の実施
の形態と同様の利点が得られることは、明らかである。
【0126】(実施の形態5)次に、本発明の第5の実
施の形態による走査型近接場光学顕微鏡について、図図
8乃至図10を参照して説明する。
【0127】図8は、本発明の第5の実施の形態による
走査型近接場光学顕微鏡を示す、一部を省略した概略構
成図である。図9はその一部拡大図である。図10は、
第1の圧電駆動部材121に発生する撓み方の説明図で
ある。なお、図8及び図9において、図1、図2及び図
4中の構成要素と同一又は対応する構成要素には同一符
号を付し、その説明は省略する。
【0128】本実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡が前記第3の実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡と異なる所は、主として探針駆動装置の構成及び撓み
検出光学系における導光手段の一部の構成のみであり、
具体的には以下の点である。
【0129】本実施の形態では、前記探針駆動装置は、
前記第3の実施の形態におけるバイモルフ型圧電駆動部
材83の代わりに、第1及び第2の圧電駆動部材12
1,122を用いて構成されている。すなわち、本実施
の形態では、探針駆動装置は、第1の伸縮方向に伸縮可
能であって、前記第1の伸縮方向が所定平面(図8の場
合、XY平面)と平行な方向(図8の場合、X方向)と
なるように、前記第1の伸縮方向の一端が支持基板81
に固定された第1の圧電駆動部材121と、第2の伸縮
方向に伸縮可能であって、前記第2の伸縮方向が前記所
定平面(XY平面)と平行な方向となるとともに前記第
1の伸縮方向と異なる方向(図8の場合、XY平面と平
行な方向でかつX方向と異なる方向であって、第1及び
第2の圧電駆動部材121,122が伸縮していなけれ
ばY方向)となるように、前記第2の伸縮方向の一端が
前記所定平面(XY平面)において屈曲可能な第1のヒ
ンジ123を介して支持基板81に固定され、かつ、前
記第2の伸縮方向の他端が前記所定平面(XY平面)に
おいて屈曲可能な第2のヒンジ124を介して更にブロ
ック125を介して第1の圧電駆動部材121の前記第
1の伸縮方向の他端に固定された第2の圧電駆動部材1
22と、第3の伸縮方向に伸縮可能な第3の圧電駆動部
材84であって、前記第3の伸縮方向が、前記所定平面
(XY平面)と交差する方向(図8の場合、Z方向)と
なるように、前記第3の伸縮方向の一端がブロック12
5及び断面逆L字状の固定部材(図示せず)を介して第
1の圧電駆動部材121の前記第1の伸縮方向の前記他
端に固定された第3の圧電駆動部材84と、を備えてい
る。第3の圧電駆動部材84の前記第3の伸縮方向の他
端には、カンチレバーホルダー36を介してカンチレバ
ー21が固定されている。第1乃至第3の圧電駆動部材
121,122,84は、前述した図1中の圧電駆動部
材35と同様の部材である。
【0130】前記探針駆動装置がこのように構成されて
いるので、第2の圧電駆動部材122が伸縮すると、第
1の圧電駆動部材121がXY平面において撓むことに
なる。また、第1の圧電駆動部材121が伸縮したとき
は、ヒンジ123,124が屈曲することで、第2の圧
電駆動部材122は撓まないことになる。
【0131】なお、ヒンジ123,124は、例えば、
直方体の金属物に放電加工又は切削加工により、中央部
がくびれた形状のI字型に加工した構成とすることがで
きる。このような形状にすることにより、容易にヒンジ
123,124の中央部が屈曲し易くなる。このヒンジ
123,124に用いる金属としては、アルミニウム、
鉄、ニッケル等を用いることができる。また、ヒンジ1
23,124は、図示された形状の物以外でも、少なく
とも2方向に屈曲可能な形状のものであれば構わない。
例えば、原子の大きさレベルの精度を有した蝶番や、コ
イルバネのようなものでも構わない。
【0132】また、本実施の形態では、前記撓み検出光
学系は、前記第3の実施の形態と同様に、レーザー光源
90aと、コリメータレンズ90bと、4分割ポジショ
ンセンサーフォトダイオード91と、偏光ビームスプリ
ッター93と、1/4波長板94と、第1の光路変換部
材95と、第2の光路変換部材96と、第3の光路変換
部材97と、を有している。
【0133】本実施の形態では、第1の光路変換部材9
5は、その反射面が第1の圧電駆動部材121の全長の
略中心位置上に位置するように、第1の圧電駆動部材1
21の全長の前記略中心位置に対して固定されている。
第2の光路変換部材96は、ブロック125及びこれに
設けられた支持腕98を介して第1の圧電駆動部材12
1の前記他端に固定されている。第1及び第2の光路変
換部材95,96は、レーザー光源90aからの照射光
であるレーザー光101が第1及び第2の光路変換部材
95,96を順次経てカンチレバー21の梁部21bに
略垂直に照射されるとともに、前記カンチレバー21か
らの反射光であるレーザー光102が当該経路とは逆の
経路を経て4分割ポジションセンサーフォトダイオード
91に受光され、かつ、レーザー光101が第1の光路
変換部材95を経た後にXY平面と平行な方向(本実施
の形態では、第2の圧電駆動部材122が伸縮していな
い場合、すなわち、第1の圧電駆動部材121の第1の
伸縮方向がX方向である場合には、X方向)に進むよう
に、配置されている。なお、カンチレバー21はその梁
部21bがXY平面に対して若干傾くように第1の圧電
駆動部材121の前記他端に対して固定されているの
で、レーザー光101は第2の光路変換部材96を経た
後にZ方向に対して若干傾いた方向に進んで、カンチレ
バー21の梁部21bに照射されるようになっている。
第3の光路変換部材97は、レーザー光101を第1の
光路変換部材95に照射するとともに、第1の光路変換
部材95を反射したレーザー光102を4分割ポジショ
ンセンサーフォトダイオード91へ向かわせるように、
配置されている。すなわち、本実施の形態では、第3の
光路変換部材97は、第1の圧電駆動部材121の長手
方向(X方向)での中央から第3の圧電駆動部材84側
の位置で、かつ、第1の圧電駆動部材121の直上にお
いて、支持基板81に固定されている。
【0134】ところで、実施例3における第2の圧電駆
動部材122の伸縮により第1の圧電駆動部材121に
発生する撓み方は、自由端に集中荷重する片持ち梁の撓
み方と同一である。よって、図8を参考にしてこの撓み
方について説明すると、片持ち梁の長さをk、自由端に
作用する集中荷重をP、自由端からの距離xにおける、
梁の傾きをνとすると、この傾きνは次式(6)のよう
に表される。ただし、式(6)中、Eはヤング率、Iは
断面二次モーメントを示す。
【0135】
【数6】 ν=(Px2/2EI)−(PI2/2EI) ・・・(6) 次に、梁の自由端の傾きと梁の中心の傾きとを比較する
ため、式(6)にx=0とx=1/2を代入し、両者の
比率を算出すると、梁の自由端の傾き:梁の中心の傾き
=4:3となる。このことから、本実施の形態では、第
1の圧電駆動部材121の中央に設けられた第1の光路
変換部材95の角度変化が前記第3の実施の形態におけ
る第1の光路変換部材95の起こす角度変化に比べて大
きくなることがわかる。そこで、本実施の形態では、前
記式(4)から、第1の光路変換部材95に入射する入
射光のXY平面に対する前記角度αを調整することで、
第1の圧電駆動部材95で反射される角度θ’を小さく
させる。本実施の形態においても、前記第3及び第4の
実施の形態と同様に第1の光路変換部材95によって反
射された光の角度を自由端(すなわち、第1の圧電駆動
部材121の前記他端)の振れた角度の1/2にする。
そのようにするため、第1の光路変換部材95によって
反射される光の角度θ’を(2/3)θにすればよいの
で、前記式(3)より、α=48.2度の角度にすれば
よい。このようにして、第1の光路変換部材95に入射
する光のXY平面に対する第2の反射部材に入射する角
度を48.2度になるように第3の反射部材97の位置
および角度を調整することによって、探針21aの走査
中でも、常にカンチレバー21にレーザー光源90aか
らの光が照射されるようになる。
【0136】以上の説明からわかるように、本実施の形
態においても、前記第3の実施の形態と同様に、前記偏
光ビームスプリッター93、1/4波長板94、第1乃
至第3の光路変換部材95,96,97が、前記探針駆
動装置によるカンチレバー21の移動にかかわらず、カ
ンチレバー21へのレーザー光源90aからの照射光の
光軸が実質的に変わらないとともに、カンチレバー21
の撓み量が一定である場合にカンチレバー21からの反
射光の4分割ポジションセンサーフォトダイオード51
における受光位置が実質的に変わらないように、前記照
射光及び前記反射光を導く導光手段を、構成している。
【0137】また、本実施の形態においても、前記第1
の実施の形態と同様に、前記近接場光発生用光学系は、
集光レンズ40と、光源41とを備えている。ただし、
本実施の形態では、集光レンズ40は、第1の圧電駆動
部材121の前記他端に、ブロック84及びこれに設け
られた支持腕42を介して固定されており、集光レンズ
40の光軸が実質的に変わらずに探針駆動装置によるカ
ンチレバー21の移動に実質的に追従して移動するよう
になっている。第2の圧電駆動部材122が伸縮して第
1の圧電駆動部材121が撓むと、厳密には集光レンズ
40の光軸の方向が若干変化するが、その変化量は小さ
いので、常に集光レンズ40の焦点はカンチレバー21
の探針21aの背面と実質的に一致した状態を保ち、探
針21aの走査中に常に、光源41に相当する光源から
の光が探針21aの背面に集光され、探針21aの先端
から近接場光が発生することになる。
【0138】なお、図8中では省略しているが、本実施
の形態による走査型近接場光学顕微鏡も、前記第1の実
施の形態と同様に、制御部27、処理部28、表示部2
9に相当するものを備えている。
【0139】本実施の形態によっても、前記第1の実施
の形態と同様の利点が得られることは、明らかである。
【0140】(実施の形態6)次に、本発明の第6の実
施の形態による走査型近接場光学顕微鏡について、図図
11乃至図13を参照して説明する。
【0141】図11は、本発明の第6の実施の形態によ
る走査型近接場光学顕微鏡を示す、一部を省略した概略
構成図である。図11において、図1、図2及び図4中
の構成要素と同一又は対応する構成要素には同一符号を
付し、その説明は省略する。
【0142】本実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡が前記第3の実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡と異なる所は、主として探針駆動装置の構成及び撓み
検出光学系における導光手段の一部の構成のみであり、
具体的には以下の点である。
【0143】本実施の形態では、前記探針駆動装置は、
前記第3の実施の形態におけるバイモルフ型圧電駆動部
材83の代わりに、第1及び第2の圧電駆動部材13
1,132を用いて構成されている。すなわち、本実施
の形態では、探針駆動装置は、第1の伸縮方向に伸縮可
能であって、前記第1の伸縮方向が所定平面(図11の
場合、XY平面)と平行な方向(図11の場合、第1及
び第2の圧電駆動部材131,132が伸縮していなけ
れば、X方向)となるように、前記第1の伸縮方向の一
端が第1のヒンジ133を介して支持基板81に固定さ
れた第1の圧電駆動部材131と、第2の伸縮方向に伸
縮可能であって、前記第2の伸縮方向が前記所定平面
(XY平面)と平行な方向となるとともに前記第1の伸
縮方向と異なる方向(図8の場合、XY平面と平行な方
向でかつX方向と異なる方向であって、第1及び第2の
圧電駆動部材131,132が伸縮していなければY方
向)となるように、前記第2の伸縮方向の一端が前記所
定平面(XY平面)において屈曲可能な第2のヒンジ1
34を介して支持基板81に固定され、かつ、前記第2
の伸縮方向の他端が前記所定平面(XY平面)において
屈曲可能な第3のヒンジ135を介して更にブロック1
36を介して第1の圧電駆動部材131の前記第1の伸
縮方向の他端に固定された第2の圧電駆動部材132
と、第3の伸縮方向に伸縮可能な第3の圧電駆動部材8
4であって、前記第3の伸縮方向が、前記所定平面(X
Y平面)と交差する方向(図8の場合、Z方向)となる
ように、前記第3の伸縮方向の一端がブロック136及
び断面逆L字状の固定部材(図示せず)を介して第1の
圧電駆動部材131の前記第1の伸縮方向の前記他端に
固定された第3の圧電駆動部材84と、を備えている。
第3の圧電駆動部材84の前記第3の伸縮方向の他端に
は、カンチレバーホルダー36を介してカンチレバー2
1が固定されている。第1乃至第3の圧電駆動部材13
1,132,84は、前述した図1中の圧電駆動部材3
5と同様の部材である。
【0144】第1の圧電駆動部材131又は第2の圧電
駆動部材132が伸縮しても、第1乃至第3のヒンジ1
33,134,135がXY平面において屈曲するの
で、図12に示すように、第1の圧電駆動部材131及
び第2の圧電駆動部材132が撓むことがない。図12
は、第1及び第2の圧電駆動部材131,132が伸縮
したときの状態を示す概略平面図である。したがって、
第1及び第2の圧電駆動部材131,132に応力が蓄
積されず、第1及び第2の圧電駆動部材131,132
の割れやクラック等の損傷を防止することができる。
【0145】また、本実施の形態では、前記撓み検出光
学系は、前記第3の実施の形態と同様に、レーザー光源
90aと、コリメータレンズ90bと、4分割ポジショ
ンセンサーフォトダイオード91と、偏光ビームスプリ
ッター93と、1/4波長板94と、第1の光路変換部
材137と、第2の光路変換部材96と、第3の光路変
換部材97と、を有している。
【0146】本実施の形態では、第1の光路変換部材1
37は、反射面を有しており、該反射面が第1の圧電駆
動部材131の所定位置上に位置するように、第1の圧
電駆動部材131の前記所定位置に対して固定されてい
る。この所定位置は、第1のヒンジ133の屈曲する中
心線上の位置から第1の圧電駆動部材131の前記反射
面までの第1の圧電駆動部材131の伸縮方向の距離
と、第1の光路変換部材137で反射されたレーザー光
源90aからのレーザー光の経路における第1の光路変
換部材137の前記反射面から第2の光路変換部材96
を経たカンチレバー21の梁部21bまでの距離とが、
実質的に等しい位置とされている。第2の光路変換部材
96は、ブロック136及びこれに設けられた支持腕9
8を介して第1の圧電駆動部材131の前記他端に固定
されている。第1及び第2の光路変換部材137,96
は、レーザー光源90aからの照射光であるレーザー光
101が第1及び第2の光路変換部材137,96を順
次経てカンチレバー21の梁部21bに略垂直に照射さ
れるとともに、前記カンチレバー21からの反射光であ
るレーザー光102が当該経路とは逆の経路を経て4分
割ポジションセンサーフォトダイオード91に受光さ
れ、かつ、レーザー光101が第1の光路変換部材13
7を経た後にXY平面と平行な方向(本実施の形態で
は、第1及び第2の圧電駆動部材131,132が伸縮
していない場合、すなわち、第1の圧電駆動部材131
の第1の伸縮方向がX方向である場合には、X方向)に
進むように、配置されている。なお、カンチレバー21
はその梁部21bがXY平面に対して若干傾くように第
1の圧電駆動部材131の前記他端に対して固定されて
いるので、レーザー光101は第2の光路変換部材96
を経た後にZ方向に対して若干傾いた方向に進んで、カ
ンチレバー21の梁部21bに照射されるようになって
いる。第3の光路変換部材97は、レーザー光101を
第1の光路変換部材95に照射するとともに、第1の光
路変換部材137を反射したレーザー光102を4分割
ポジションセンサーフォトダイオード91へ向かわせる
ように、配置されている。すなわち、本実施の形態で
は、第3の光路変換部材97は、第1及び第2の圧電駆
動部材131,132が伸縮していない場合における、
第1の圧電駆動部材131の長手方向(X方向)での中
央から第3の圧電駆動部材84側の位置で、かつ、第1
の圧電駆動部材131の直上において、支持基板81に
固定されている。
【0147】次に、第2の圧電駆動部材132が駆動
(伸縮)した場合、レーザー光源90a発した光がカン
チレバー21の梁部21bに照射することについて、図
13を参照して説明する。
【0148】図13は、第2の圧電駆動部材132が駆
動して変位(伸縮)したときの、第1の圧電駆動部材1
31の様子と第1の光路変換部材137によって反射さ
れた光の光軸との関係を示した図である。
【0149】まず、第1の圧電駆動部材131が駆動し
ていないときは、第1の光路変換部材137への入射光
の光軸と反射光の光軸は一緒である。次に、第2の圧電
駆動部材132が駆動したときは、第1の光路変換部材
137への入射光の光軸と反射光の光軸は異なる。この
様子を図13(a)に示す。図13(b)では、第1の
圧電駆動部材131が傾いたときの圧電駆動部材131
の伸縮方向の軸をO22で表している。ところで、O2
は、第1のヒンジ133の屈曲する中心である。また、
2は、第2の圧電駆動部材132が駆動したときの第
1の光路変換部材137がレーザー光源90aからの光
を受光する位置である。B2は、第2の圧電駆動部材1
32が駆動した場合の第1の光路変換部材137から第
2の光路変換部材96までの距離と、第2の光路変換部
材96からカンチレバー31までの距離を合わせた距離
を直線的に示した場合の位置である。A2は、第2の圧
電駆動部材132が変位していないときに、第1の光路
変換部材137がレーザー光源90aからの光を受光す
る位置である。L2は、第1のヒンジ133の屈曲する
中心O2からC2までの距離である。
【0150】第2の圧電駆動部材132が駆動したとき
に、第1の圧電駆動部材131は、O2を中心にθ2傾く
とする。このときの第1の光路変換部材137の反射面
は、入射した光軸に対してA22の線と同じ傾きを持
つ。第1の光路変換部材137もθ2傾くことになる。
このときの第1の光路変換部材137への入射光と反射
光の光軸のなす角度は、2θ2となる。よって、第1の
光路変換部材137によって反射された光は、B2に到
達する。その証明は、次の通りである。
【0151】三角形O222と三角形B222とに着
眼すると、 角O222と角B222はそれぞれ同じであり、か
つ直角である、 O22との距離とC22との距離とは同じである、 また、三角形O222のA22と三角形B222
22とは、共通である。
【0152】以上の、、から、三角形O222
と三角形B222とは合同である。そして、三角形O2
22と三角形B222は線A22に対し線対称であ
る。ここで、レーザー光が第1の光路変換部材137の
反射面A22により反射されなければ、レーザー光はO
2に達する。そのO2に達するレーザー光が、反射面A2
2により反射されたなら、O2の線A22に対し線対称
な点B2に反射されるのである。よって、第2の圧電駆
動部材132の変位量がどのくらいでも(すなわち、第
1の圧電駆動部材131の傾き角θ2がどのくらいで
も)、第2の光路変換部材96に第1の光路変換部材1
37からの反射光を照射することができる。
【0153】ところで、第1の圧電駆動部材131を駆
動した場合については、駆動量が第2の圧電駆動部材1
32に比べ十分に小さいので、第1の光路変換部材13
7は、常に第1のヒンジ133の屈曲する中心からカン
チレバー31までの距離のほぼ中央に位置するため、レ
ーザー光源90aからの光をカンチレバー21の梁部2
1bに照射することができる。
【0154】ところで、本実施の形態においても、前記
第3の実施の形態と同様に第3の光路変換部材97から
第1の光路変換部材137へレーザー光源90aからの
光を反射する際、第3の光路変換部材97で反射した光
は、図13に示すように第1の圧電駆動部材131の伸
縮方向に必ずしも平行に第1の光路変換部材137に入
射しない。しかしながら、前記第3の実施の形態で図6
を用いて説明したとおり、第3の光路変換部材97で反
射した光は、第1の圧電駆動部材131の軸とは、ほと
んど誤差範囲内で入射するので問題ない。しかし、この
誤差が問題になるような場合は、前記第3の実施の形態
と同様な方法でその誤差を補正することができる。
【0155】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、前記偏光ビームスプリッター93、1/4波長
板94、第1乃至第3の光路変換部材137,96,9
7が、前記探針駆動装置によるカンチレバー21の移動
にかかわらず、カンチレバー21へのレーザー光源90
aからの照射光の光軸が実質的に変わらないとともに、
カンチレバー21の撓み量が一定である場合にカンチレ
バー21からの反射光の4分割ポジションセンサーフォ
トダイオード51における受光位置が実質的に変わらな
いように、前記照射光及び前記反射光を導く導光手段
を、構成している。
【0156】なお、図11中では省略しているが、本実
施の形態による走査型近接場光学顕微鏡も、前記第1の
実施の形態と同様に、図1中のレンズ23,24、光検
出器25,26、制御部27、処理部28、表示部2
9、集光レンズ40及び光源41に相当するものを備え
ている。
【0157】なお、集光レンズ40に相当する集光レン
ズは、第1の圧電駆動部材131の前記他端(圧電駆動
部材84側の端部)に対して固定される。第1及び第2
の圧電駆動部材131,132が撓むと、厳密には前記
集光レンズの光軸の方向が若干変化するが、その変化量
は小さいので、常に前記集光レンズの焦点はカンチレバ
ー21の探針21aの背面と実質的に一致した状態を保
ち、探針21aの走査中に常に、光源41に相当する光
源からの光が探針21aの背面に集光され、探針21a
の先端から近接場光が発生することになる。
【0158】本実施の形態によっても、前記第1の実施
の形態と同様の利点が得られることは、明らかである。
【0159】(実施の形態7)次に、本発明の第7の実
施の形態による走査型近接場光学顕微鏡について、図図
14及び図15を参照して説明する。
【0160】図14は、本発明の第7の実施の形態によ
る走査型近接場光学顕微鏡を示す、一部を省略した概略
構成図である。図15はその一部拡大図である。図14
及び図15において、図1、図2、図4及び図11中の
構成要素と同一又は対応する構成要素には同一符号を付
し、その説明は省略する。
【0161】本実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡が前記第6の実施の形態による走査型近接場光学顕微
鏡と異なる所は、主として撓み検出光学系における導光
手段の一部の構成のみであり、具体的には以下の点であ
る。
【0162】本実施の形態では、4分割ポジションセン
サーダイオード51及び偏光ビームスプリッター53に
は、それぞれ4分割ポジションセンサーフォトダイオー
ド用微動機構151及び偏光ビームスプリッター用微動
機構152が設けられていて、4分割ポジションセンサ
ーフォトダイオード用微動機構151によって、4分割
ポジションセンサーフォトダイオード51の受光面の位
置及び受光面の角度を調整することができ、この偏光ビ
ームスプリッター用微動機構152によって、偏光ビー
ムスプリッター53からの反射光の光軸を調整すること
ができるようになっている。勿論、これらの微動機構1
51,152は前述した各実施の形態においても設けて
おくことができる。
【0163】本実施の形態では、前記第6の態様におけ
る図11中の第1及び第3の光路変換部材137,97
が取り除かれ、代わりに、反射面を有する第1の光路変
換部材140が、第1のヒンジ133の屈曲の中心線
(本実施の形態では、Z方向に延びている)上に前記反
射面が位置するように、第1の圧電駆動部材131の前
記一端に対して第1のヒンジ133を介することなく
(すなわち、第1のヒンジ133の屈曲の中心に対して
第1の圧電駆動部材131側に)固定されている。この
ようにすることで、第1のヒンジ133が第2の圧電駆
動部材132の伸縮変化によって屈曲するときに、その
屈曲した角度と同じく、第1の光路変換部材140の反
射面も同じ角度変化するようになっている。第1の光路
変換部材140及び第2の光路変換部材96は、レーザ
ー光源51からのレーザー光が第1及び第2の光路変換
部材96を順次経てカンチレバー21の梁部21bに略
垂直に照射されるとともに、カンチレバー21からの反
射光が当該経路と逆の経路を経て4分割ポジションセン
サーフォトダイオード51に受光され、かつ、レーザー
光源51からのレーザー光が第1の光路変換部材140
を経た後に第1の圧電駆動部材131の伸縮方向に進む
ように、配置されている。なお、レーザー光源50から
のレーザー光は、1/4波長板54を透過した後に、第
1の光路変換部材140の反射面と第1のヒンジ133
の屈曲の中心線との交点に入射するようになっている。
【0164】次に、第2の圧電駆動部材132が駆動し
た場合について、以下に説明する。
【0165】第2の圧電駆動部材132が駆動した場合
を図15に示す。点線で示した部分は、第2の圧電駆動
部材132が駆動していないときの状態を示しており、
実線で示した部分は、第2の圧電駆動部材132が駆動
した後の状態を示している。第2の圧電駆動部材132
が変位(伸縮)すると、第1の圧電駆動部材131が第
1のヒンジ133の屈曲の中心を中心にしてXY平面に
おいて傾く。それと同時に、第1の光路変換部材140
が第1のヒンジ133を介することなく第1の圧電駆動
部材131の前記一端に対して固定されているため、第
1の光路変換部材140も、第1の圧電駆動部材131
が傾いた角度と同じ角度傾くことになる。したがって、
第2の圧電駆動部材132の変位後も、第1の圧電駆動
部材131の伸縮方向と第1の光路変換部材140で反
射された光の光軸との関係は変わらない。また、第2の
光路変換部材96は第1の圧電駆動部材131の前記他
端に対して固定されているため、第2の光路変換部材9
6と第1の光路変換部材140で反射された光の光軸と
の関係は変わらない。よって、第2の圧電駆動部材13
2が変位しても、常にカンチレバー21の梁部21bに
レーザー光を照射することができる。
【0166】次に、第1の圧電駆動部材131が変位し
た場合について説明する。第1の圧電駆動部材131が
変位した場合は、第2の光路変換部材96と第1の光路
変換部材140との間の距離が変わるだけで、第1の光
路変換部材140で反射された光の光軸と第2の光路変
換部材96の反射面との関係は一切変わらない。よっ
て、レーザー光は常にカンチレバー21の梁部21bに
照射することができる。
【0167】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、前記偏光ビームスプリッター53、1/4波長
板54、第1及び第2の光路変換部材140,96が、
前記探針駆動装置によるカンチレバー21の移動にかか
わらず、カンチレバー21へのレーザー光源50からの
照射光の光軸が実質的に変わらないとともに、カンチレ
バー21の撓み量が一定である場合にカンチレバー21
からの反射光の4分割ポジションセンサーフォトダイオ
ード51における受光位置が実質的に変わらないよう
に、前記照射光及び前記反射光を導く導光手段を、構成
している。
【0168】また、本実施の形態においても、前記第1
の実施の形態と同様に、前記近接場光発生用光学系は、
集光レンズ40と、光源41とを備えている。ただし、
本実施の形態では、集光レンズ40は、第1の圧電駆動
部材131の前記他端に、ブロック136及びこれに設
けられた支持腕42を介して固定されており、集光レン
ズ40の光軸が実質的に変わらずに探針駆動装置による
カンチレバー21の移動に実質的に追従して移動するよ
うになっている。第2の圧電駆動部材132が伸縮して
第1の圧電駆動部材131が傾くと、厳密には集光レン
ズ40の光軸の方向が若干変化するが、その変化量は小
さいので、常に集光レンズ40の焦点はカンチレバー2
1の探針21aの背面と実質的に一致した状態を保ち、
探針21aの走査中に常に、光源41に相当する光源か
らの光が探針21aの背面に集光され、探針21aの先
端から近接場光が発生することになる。
【0169】なお、図14中では省略しているが、本実
施の形態による走査型近接場光学顕微鏡も、前記第1の
実施の形態と同様に、図1中の制御部27、処理部2
8、表示部29に相当するものを備えている。
【0170】本実施の形態によっても、前記第1の実施
の形態と同様の利点が得られることは、明らかである。
【0171】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。
【0172】例えば、本発明では、前記第1の実施の形
態を前記第2の実施の形態に変形したのと同様な方法
で、前記第3乃至第7の実施の形態を試料側から近接場
光が発生するタイプに変形してもよい。
【0173】
【発明の効果】本発明によれば、大面積の試料や質量の
大きい試料の観察が可能であるとともに、高速走査が可
能でコンパクトとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による走査型近接場
光学顕微鏡を示す概略構成図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による走査型近接場
光学顕微鏡を示す概略構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態による走査型近接場
光学顕微鏡を示す、一部を省略した概略構成図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるバイモルフ
型圧電駆動部材を動作させた場合の状態を模式的に表し
た図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における第3の光路
変換部材からの反射光が第1の光路変換部材に入射し、
そして反射されたときの光の光軸を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態による走査型近接場
光学顕微鏡を示す、一部を省略した概略構成図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態による走査型近接場
光学顕微鏡を示す、一部を省略した概略構成図である。
【図9】図8の一部拡大図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態における第1の圧
電駆動部材に発生する撓み方の説明図である。
【図11】本発明の第6の実施の形態による走査型近接
場光学顕微鏡を示す、一部を省略した概略構成図であ
る。
【図12】本発明の第6の実施の形態における第1及び
第2の圧電駆動部材が伸縮したときの状態を示す概略平
面図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態における、第2の
圧電駆動部材が駆動して変位したときの、第1の圧電駆
動部材の様子と第1の光路変換部材によって反射された
光の光軸との関係を示した図である。
【図14】本発明の第7の実施の形態による走査型近接
場光学顕微鏡を示す、一部を省略した概略構成図であ
る。
【図15】図14の一部拡大図である。
【図16】従来の走査型近接場光学顕微鏡を示す概念構
成図である。
【符号の説明】
21 カンチレバー 21a 探針 21b 梁部 22 試料 25,26 光検出器 27 制御部 28 処理部 29 表示部 31,33,35,84,121,122,131,1
32 圧電駆動部材 40 集光レンズ 41 光源 50 光源 51,91 4分割ポジションセンサーフォトダイオー
ド 53,93 偏光ビームスプリッター 54,94 1/4波長板 55,56,57,95,96,97 光路変換部材 70 プリズム 71 光源 73 光検出器 81,115,116 支持基板 83 バイモルフ型圧電駆動部材 90a 光源 90b コリメータレンズ 111 チューブ型圧電駆動部材 112,113,114,137,140 光路変換部
材 123,124,133,134,135 ヒンジ

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 近接場光を発生させるための近接場光発
    生用光源と、 前記近接場光発生用光源から発する光の波長より小さい
    開口径を有した探針と、 前記探針を先端部に有するカンチレバーと、 前記探針から発した近接場光と試料とが相互作用した光
    を検出する近接場光検出手段と、 前記チップを前記試料に対して3次元的に移動させる探
    針駆動手段と、 前記カンチレバーの撓み量を検出する撓み検出手段とを
    備えた走査型近接場光学顕微鏡において、 前記探針に入射する前記近接場光の光源からの光の光軸
    上に設けられ、かつ前記探針の試料表面と平行な動きと
    ほぼ同様な移動をする前記探針駆動手段の所定位置に固
    定され、前記探針に前記近接場光発生用光源の光を集光
    する光学特性を有した光学部材とを備えたことを特徴と
    する走査型近接場光学顕微鏡。
  2. 【請求項2】 試料表面に近接場光が発生するように試
    料の裏面から全反射条件で近接場光の光源からの光を照
    射する近接場光発生用光学系と、 前記近接場光発生用光学系で照射された光の波長より小
    さい開口径を有した探針と、 前記探針を先端部に有するカンチレバーと、 前記探針で細くされた近接場光を検出する近接場光検出
    手段と、 前記探針を前記試料に対して3次元的に移動させる探針
    駆動手段と、 前記カンチレバーの撓み量を検出する撓み検出手段とを
    備えた走査型近接場光学顕微鏡において、 前記探針で捕捉された光を前記近接場光検出手段に照射
    できる程度の幅を有した光束にする光学特性を有した光
    学部材を備えたことを特徴とする走査型近接場光学顕微
    鏡。
  3. 【請求項3】 前記撓み検出手段からの検出信号に基づ
    いて前記カンチレバーの撓みが一定になるように前記探
    針駆動手段を制御しつつ、前記探針が前記試料表面と平
    行な方向に走査するよう前記探針駆動手段を制御する制
    御手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載
    の走査型近接場光学顕微鏡。
  4. 【請求項4】 先端部に探針を有するカンチレバーと、 前記探針の先端から近接場光が発生するように前記探針
    に光を照射する近接場光発生用光学系と、 試料と相互作用した近接場光を検出する近接場光検出手
    段と、 前記試料表面と略垂直な方向及び前記試料表面と略平行
    な面の方向に前記カンチレバーを移動させる探針駆動手
    段と、 前記カンチレバーの撓みを検出する撓み検出手段と、 前記撓み検出手段からの検出信号に基づいて前記カンチ
    レバーの撓みが一定になるように前記探針駆動手段を制
    御しつつ、前記試料表面と略平行な面の方向に前記探針
    が前記試料表面を走査するように前記探針駆動手段を制
    御する制御手段と、 前記試料表面と略平行な面の方向における前記カンチレ
    バーの前記試料表面に対する相対位置に応じた、前記近
    接場光検出手段からの検出信号に関する情報を得る手段
    と、 を備え、 前記近接場光発生用光学系は、光軸方向が実質的に変わ
    らずに前記探針駆動手段による前記カンチレバーの移動
    に実質的に追従するように、前記探針駆動手段の所定箇
    所に対して固定された集光光学系であって、当該集光光
    学系の焦点が前記探針の所定箇所と実質的に一致するよ
    うに配置された集光光学系と、前記探針駆動手段による
    前記カンチレバーの移動に対する固定側に設けられ実質
    的な平行光を前記集光光学系に照射する平行光照射手段
    であって、前記実質的な平行光の照射方向が前記集光光
    学系の前記光軸方向と実質的に一致する平行光照射手段
    と、を有する、 ことを特徴とする走査型近接場光学顕微鏡。
  5. 【請求項5】 先端部に探針を有するカンチレバーと、 試料表面に近接場光が発生するように試料裏面から全反
    射条件で光を照射する近接場光発生用光学系と、 前記探針により捕捉された近接場光を検出する近接場光
    検出手段と、 前記試料表面と略垂直な方向及び前記試料表面と略平行
    な面の方向に前記カンチレバーを移動させる探針駆動手
    段と、 前記カンチレバーの撓みを検出する撓み検出手段と、 前記撓み検出手段からの検出信号に基づいて前記カンチ
    レバーの撓みが一定になるように前記探針駆動手段を制
    御しつつ、前記試料表面と略平行な面の方向に前記探針
    が前記試料表面を走査するように前記探針駆動手段を制
    御する制御手段と、 前記試料表面と略平行な面の方向における前記カンチレ
    バーの前記試料表面に対する相対位置に応じた、前記近
    接場光検出手段からの検出信号に関する情報を得る手段
    と、 を備え、 前記近接場光検出手段は、光軸方向が実質的に変わらず
    に前記探針駆動手段による前記カンチレバーの移動に実
    質的に追従するように、前記探針駆動手段の所定箇所に
    対して固定された集光光学系であって、当該集光光学系
    の焦点が前記探針の所定箇所と実質的に一致するように
    配置され、前記探針により捕捉された近接場光を実質的
    な平行光にする集光光学系と、前記探針駆動手段による
    前記カンチレバーの移動に対する固定側に設けられ前記
    実質的な平行光にされた近接場光を検出する検出手段
    と、を有する、 ことを特徴とする走査型近接場光学顕微鏡。
  6. 【請求項6】 前記試料表面と略平行な面の方向におけ
    る前記カンチレバーの前記試料表面に対する相対位置に
    応じた、前記試料表面と略垂直な方向の前記カンチレバ
    ーの前記試料表面に対する相対位置に関する情報を得る
    手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれかに記載の走査型近接場光学顕微鏡。
  7. 【請求項7】 前記撓み検出手段は、 前記探針駆動手段による前記カンチレバーの移動に対す
    る固定側に設けられ、前記カンチレバーの梁部に照射す
    るための照射光を発する光源と、 前記探針駆動手段による前記カンチレバーの移動に対す
    る固定側に設けられ、複数に分割された受光面を有し、
    前記梁部からの反射光を受光する光検出器と、 前記探針駆動手段による前記カンチレバーの移動にかか
    わらず、前記カンチレバーへの前記照射光の光軸が実質
    的に変わらないとともに、前記カンチレバーの撓み量が
    一定である場合に前記反射光の前記光検出器における受
    光位置が実質的に変わらないように、前記照射光及び前
    記反射光を導く導光手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに
    記載の走査型近接場光学顕微鏡。
  8. 【請求項8】 前記探針駆動手段は、 第1の伸縮方向に伸縮可能な第1の圧電駆動部材であっ
    て、前記第1の伸縮方向の一端が支持部材に対して固定
    された第1の圧電駆動部材と、 第2の伸縮方向に伸縮可能な第2の圧電駆動部材であっ
    て、前記第2の伸縮方向が前記第1の伸縮方向と異なる
    方向となるように、前記第2の伸縮方向の一端が前記第
    1の圧電駆動部材の前記第1の伸縮方向の他端に対して
    固定された第2の圧電駆動部材と、 第3の伸縮方向に伸縮可能な第3の圧電駆動部材であっ
    て、前記第3の伸縮方向が、前記第1及び第2の伸縮方
    向がなす平面と交差する方向となるように、前記第3の
    伸縮方向の一端が前記第2の圧電駆動部材の前記第2の
    伸縮方向の他端に対して固定され、かつ、前記第3の伸
    縮方向の他端に対しては前記カンチレバーが固定された
    第3の圧電駆動部材と、 を備えたことを特徴とする請求項7記載の走査型近接場
    光学顕微鏡。
  9. 【請求項9】 前記導光手段は、前記第1の圧電駆動部
    材の前記一端に対して固定された第1の光路変換部材
    と、前記第1の圧電駆動部材の前記他端に対して固定さ
    れた第2の光路変換部材と、前記第2の圧電駆動部材の
    前記他端に対して固定された第3の光路変換部材と、を
    備え、 前記光源からの前記照射光が前記第1乃至第3の光路変
    換部材を順次経て前記カンチレバーの前記梁部に略垂直
    に照射されるとともに、前記カンチレバーからの前記反
    射光が当該経路と逆の経路を経て前記光検出器に受光さ
    れ、かつ、前記照射光が前記第1の光路変換部材を経た
    後に前記第1の伸縮方向に進み前記第2の光路変換部材
    を経た後に前記第2の伸縮方向に進むように、前記第1
    乃至第3の光路変換部材が配置された、 ことを特徴とする請求項8記載の走査型近接場光学顕微
    鏡。
  10. 【請求項10】 前記探針駆動手段は、 一端が支持部材に固定され、所定平面において変位可能
    なバイモルフ型圧電駆動部材と、 所定の伸縮方向に伸縮可能な圧電駆動部材であって、前
    記伸縮方向が前記所定平面と交差する方向となるよう
    に、前記伸縮方向の一端が前記バイモルフ型圧電駆動部
    材の他端に対して固定され、かつ、前記伸縮方向の他端
    に対しては前記カンチレバーが固定された圧電駆動部材
    と、 を備え、 前記導光手段は、反射面を有する第1の光路変換部材で
    あって、前記バイモルフ型圧電駆動部材の全長の略中心
    位置上に前記反射面が位置するように、前記バイモルフ
    型圧電駆動部材の全長の前記略中心位置に対して固定さ
    れた第1の光路変換部材と、前記バイモルフ型圧電駆動
    部材の前記他端に対して固定された第2の光路変換部材
    と、を備え、 前記光源からの前記照射光が前記第1及び第2の光路変
    換部材を順次経て前記カンチレバーの前記梁部に略垂直
    に照射されるとともに、前記カンチレバーからの前記反
    射光が当該経路とは逆の経路を経て前記光検出器に受光
    され、かつ、前記照射光が前記第1の光路変換部材を経
    た後に前記所定平面と平行な方向に進むように、前記第
    1及び第2の光路変換部材が配置された、 ことを特徴とする請求項7記載の走査型近接場光学顕微
    鏡。
  11. 【請求項11】 前記探針駆動手段は、軸方向の一端が
    支持部材に固定され前記軸方向の他端に対しては前記カ
    ンチレバーが固定されたチューブ型圧電駆動部材を備
    え、 前記導光手段は、反射面を有する第1の光路変換部材で
    あって、前記チューブ型圧電駆動部材の前記軸方向の全
    長の略中心位置上に前記反射面が位置するように、前記
    チューブ型圧電駆動部材の全長の前記略中心位置に対し
    て固定された第1の光路変換部材を備え、 前記光源からの前記照射光が前記第1の光路変換部材を
    経て前記カンチレバーの前記梁部に略垂直に照射される
    とともに、前記カンチレバーからの前記反射光が当該経
    路とは逆の経路を経て前記光検出器に受光されるよう
    に、前記第1の光路変換部材が配置された、 ことを特徴とする請求項7記載の走査型近接場光学顕微
    鏡。
  12. 【請求項12】 前記探針駆動手段は、 第1の伸縮方向に伸縮可能な第1の圧電駆動部材であっ
    て、前記第1の伸縮方向が所定平面と平行な方向となる
    ように、前記第1の伸縮方向の一端が支持部材に対して
    固定された第1の圧電駆動部材と、 第2の伸縮方向に伸縮可能な第2の圧電駆動部材であっ
    て、前記第2の伸縮方向が前記所定平面と平行な方向と
    なるとともに前記第1の伸縮方向と異なる方向となるよ
    うに、前記第2の伸縮方向の一端が前記所定平面におい
    て屈曲可能な第1のヒンジを介して前記支持部材に対し
    て固定され、かつ、前記第2の伸縮方向の他端が前記所
    定平面において屈曲可能な第2のヒンジを介して前記第
    1の圧電駆動部材の前記第1の伸縮方向の他端に対して
    固定された第2の圧電駆動部材と、 第3の伸縮方向に伸縮可能な第3の圧電駆動部材であっ
    て、前記第3の伸縮方向が、前記所定平面と交差する方
    向となるように、前記第3の伸縮方向の一端が前記第1
    の圧電駆動部材の前記第1の伸縮方向の前記他端に対し
    て固定され、かつ、前記第3の伸縮方向の他端に対して
    は前記カンチレバーが固定された第3の圧電駆動部材
    と、 を備え、 前記導光手段は、反射面を有する第1の光路変換部材で
    あって、前記第1の圧電駆動部材の全長の略中心位置上
    に前記反射面が位置するように、前記第1の圧電駆動部
    材の全長の前記略中心位置に対して固定された第1の光
    路変換部材と、前記第1の圧電駆動部材の前記他端に対
    して固定された第2の光路変換部材と、を備え、 前記光源からの前記照射光が前記第1及び第2の光路変
    換部材を順次経て前記カンチレバーの前記梁部に略垂直
    に照射されるとともに、前記カンチレバーからの前記反
    射光が当該経路とは逆の経路を経て前記光検出器に受光
    され、かつ、前記照射光が前記第1の光路変換部材を経
    た後に前記所定平面と平行な方向に進むように、前記第
    1及び第2の光路変換部材が配置された、 ことを特徴とする請求項7記載の走査型近接場光学顕微
    鏡。
  13. 【請求項13】 前記探針駆動手段は、 第1の伸縮方向に伸縮可能な第1の圧電駆動部材であっ
    て、前記第1の伸縮方向が所定平面と平行な方向となる
    ように、前記第1の伸縮方向の一端が、前記所定平面に
    おいて屈曲可能な第1のヒンジを介して支持部材に対し
    て固定された第1の圧電駆動部材と、 第2の伸縮方向に伸縮可能な第2の圧電駆動部材であっ
    て、前記第2の伸縮方向が前記所定平面と平行な方向と
    なるとともに前記第1の伸縮方向と異なる方向となるよ
    うに、前記第2の伸縮方向の一端が前記所定平面におい
    て屈曲可能な第2のヒンジを介して前記支持部材に対し
    て固定され、かつ、前記第2の伸縮方向の他端が前記所
    定平面において屈曲可能な第3のヒンジを介して前記第
    1の圧電駆動部材の前記第1の伸縮方向の他端に対して
    固定された第2の圧電駆動部材と、 第3の伸縮方向に伸縮可能な第3の圧電駆動部材であっ
    て、前記第3の伸縮方向が、前記所定平面と交差する方
    向となるように、前記第3の伸縮方向の一端が前記第1
    の圧電駆動部材の前記第1の伸縮方向の前記他端に対し
    て固定され、かつ、前記第3の伸縮方向の他端に対して
    は前記カンチレバーが固定された第3の圧電駆動部材
    と、 を備えたことを特徴とする請求項7記載の走査型近接場
    光学顕微鏡。
  14. 【請求項14】 前記導光手段は、反射面を有する第1
    の光路変換部材であって、前記第1の圧電駆動部材の所
    定位置上に前記反射面が位置するように、前記第1の圧
    電駆動部材の前記所定位置に対して固定された第1の光
    路変換部材と、前記第1の圧電駆動部材の前記他端に対
    して固定された第2の圧電駆動部材と、を備え、 前記光源からの前記照射光が前記第1及び第2の光路変
    換部材を順次経て前記カンチレバーの前記梁部に略垂直
    に照射されるとともに、前記カンチレバーからの前記反
    射光が当該経路とは逆の経路を経て前記光検出器に受光
    され、かつ、前記照射光が前記第1の光路変換部材を経
    た後に前記所定平面と平行な方向に進むように、前記第
    1及び第2の光路変換部材が配置され、 前記所定位置は、前記第1のヒンジの屈曲する中心線上
    の位置から前記第1の光路変換部材の前記反射面までの
    前記第1の伸縮方向の距離と、前記第1の光路変換部材
    で反射された前記照射光の経路における前記第1の光路
    変換部材の前記反射面から前記第2の光路変換部材を経
    た前記カンチレバーの前記梁部までの距離とが、実質的
    に等しい位置である、 ことを特徴とする請求項13記載の走査型近接場光学顕
    微鏡。
  15. 【請求項15】 前記導光手段は、前記探針駆動手段に
    よる前記カンチレバーの移動に対する固定側に設けられ
    た第3の光路変換部材であって、前記光源からの前記照
    射光を前記第1の光路変換部材に照射し、かつ前記第1
    の光路変換部材を反射した前記カンチレバーからの前記
    反射光を前記光検出器へ向かわせる第3の光路変換部材
    を、更に備えたことを特徴とする請求項10、11、1
    2、14のいずれかに記載の走査型近接場光学顕微鏡。
  16. 【請求項16】 前記導光手段は、反射面を有する第1
    の光路変換部材であって、前記第1のヒンジの屈曲の中
    心線上に前記反射面が位置するように、前記第1の圧電
    駆動部材の前記一端に対して前記第1のヒンジを介する
    ことなく固定された第1の光路変換部材と、前記第1の
    圧電駆動部材の前記他端に固定された第2の光路変換部
    材と、を備え、 前記光源からの前記照射光が前記第1及び第2の光路変
    換部材を順次経て前記カンチレバーの前記梁部に略垂直
    に照射されるとともに、前記カンチレバーからの前記反
    射光が当該経路と逆の経路を経て前記光検出器に受光さ
    れ、かつ、前記照射光が前記第1の光路変換部材を経た
    後に前記第1の伸縮方向に進むように、前記第1及び第
    2の光路変換部材が配置された、 ことを特徴とする請求項13記載の走査型近接場光学顕
    微鏡。
  17. 【請求項17】 前記導光手段は、前記光源と前記第1
    の光路変換部材との間に設けられた分割手段であって、
    前記光源からの前記照射光と前記カンチレバーからの前
    記反射光とを分割する分割手段を、更に備えたことを特
    徴とする請求項9、10、11、12、14、15、1
    6のいずれかに記載の走査型近接場光学顕微鏡。
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