JPH1019906A - プローブ駆動装置及びこれを用いた走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

プローブ駆動装置及びこれを用いた走査型プローブ顕微鏡

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JPH1019906A
JPH1019906A JP8197126A JP19712696A JPH1019906A JP H1019906 A JPH1019906 A JP H1019906A JP 8197126 A JP8197126 A JP 8197126A JP 19712696 A JP19712696 A JP 19712696A JP H1019906 A JPH1019906 A JP H1019906A
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JP8197126A
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Katsushi Nakano
勝志 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広域を走査できるとともに得られた像面の湾
曲の軽減を図ることができるプローブ駆動装置を提供す
る。 【解決手段】 圧電駆動部材21に対して拡大機構25
が取り付けられる。拡大機構25は、基準部26及び拡
大変位部27を有する。拡大変位部27は、圧電駆動部
材21の伸縮に従って基準部26に対して圧電駆動部材
25の伸縮量より大きい変位量で変位する。基準部26
に対する拡大変位部27の変位方向が基準部26に対す
る所定方向に実質的に規制される。基準部26は、ヒン
ジ付きブロック51を介して支持基材18に連結され、
ヒンジ51bを中心としてXY平面内において回動可能
となる。圧電駆動部材22の伸縮により基準部26が回
動される。一端にプローブ24が取り付けられた圧電駆
動部材23の他端は、ブロック52を介して拡大変位部
27に固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電駆動部材を用
いてプローブを3次元的に移動させるプローブ駆動装置
及びこれを用いた走査型プローブ顕微鏡に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡では、プローブを
試料に対して相対的に3次元的に移動させる。例えば、
走査型プローブ顕微鏡の1つである原子間力顕微鏡等で
は、試料表面の原子的尺度の凹凸形状を測定するため、
試料表面とプローブとの間の距離を一定に保ちながらプ
ローブを試料表面と平行な面内で走査している。したが
って、試料表面に対して垂直な方向であるZ方向のプロ
ーブの移動と、試料表面と平行なX,Y方向の面内走査
とが必要である。
【0003】従来、走査型プローブ顕微鏡におけるプロ
ーブや試料の駆動には、トライポッド型駆動装置(例え
ば、特開昭63−265573号)やチューブ型駆動装
置(G. Binnig and D. P. E. Smith, Single-tube thre
e dimensional scanner forscanning tunneling micros
copy, Rev. Sci. Instrum. 57 (8) p 1688-1689, Augus
t 1986)等が用いられていた。
【0004】図7は従来のチューブ型駆動装置1の一例
を示す図であり、図7(a)はその斜視図、図7(b)
は当該チューブ型駆動装置を用いて得た像の様子を模式
的に示す図である。このチューブ型駆動装置1は、円筒
状等の筒状の形状を有した圧電体に、内側の面又は外側
の面のいずれか一方に全面的にグランド電極が設けら
れ、かつ他方の面には例えば4分割された電極が設けら
れた構成を有している。図7に示す例では、該チューブ
型駆動装置1上には試料2が設置され、該試料2に近接
して、プローブとしての原子間力顕微鏡用カンチレバー
3が配置されている。前記チューブ型駆動装置1では、
対向する分割電極にそれぞれ正負反対の電圧を印加する
ことによって筒状の圧電体が横方向に撓み、これにより
X方向あるいはY方向の走査駆動が行われる。また、Z
方向の走査駆動は、分割電極にそれぞれ同電圧のオフセ
ットを印加することによって、筒状の圧電体が伸縮変位
することによって、実現される。
【0005】また、図8は、従来のトライポット型駆動
装置の一例を示す斜視図である。このトライポット型駆
動装置は、X,Y,Z方向にそれぞれ独立してプローブ
1010を駆動させるための3本の圧電駆動部材11
a,11b,11cを用いて構成されている。すなわ
ち、このトライポット型駆動装置は、互いに直交する3
面の平板12a,12b,12cからなる箱体13と、
該箱体13の1つの平板12c上に載置され、それぞれ
の一端がヒンジ14a,14bを介して他の平板12
a,12bの内壁に固定され、かつ前記他の平板12
a,12bに対して直角方向に伸縮可能な2つの圧電駆
動部材11a,11bと、前記1つの平板12c上の前
記2つの圧電駆動部材11a,11bの交点部分に固定
配置されたブロック15と、前記ブロック15の上に前
記1つの平板12cに垂直に固定した圧電駆動部材11
cと、該圧電駆動部材11cの先端にホルダー16を介
して取り付けられたプローブとしての走査型トンネル顕
微鏡用探針10とから構成されている。X,Y方向用の
圧電駆動部材11a,11bとしては、その伸縮方向に
圧電層を積層した積層型圧電体が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、走査型プロ
ーブ顕微鏡の普及に伴い、操作性の向上のために、走査
範囲の拡大と走査速度の向上が望まれている。
【0007】例えば試料表面の微細な凹凸形状を測定し
ようとする場合、制御電圧を時間変化させ、プローブと
試料との間の間隔を一定に保つようにサーボをかける。
この時、圧電駆動部材の共振周波数が問題となる。制御
電圧の時間変化の周波数成分が、いずれも圧電駆動部材
の共振周波数に比べて十分低い周波数のものであれば、
制御電圧の振幅に比例した効率で位相遅れが少ない変位
を生じさせることができる。したがって、圧電駆動部材
の共振周波数が高ければ高いほど圧電駆動部材を効率よ
く、速く伸縮させることができ、圧電駆動部材は、制御
電圧の変化に十分追従出来ることになる。ここで、走査
型プローブ顕微鏡で、画像を取得する場合、プローブを
X,Y方向にラスタースキャンしながらZ方向に高速で
サーボをかける。つまり、Z方向に一番高い共振周波数
が要求される。
【0008】前述した図7に示す従来のチューブ型駆動
装置において、XY面内の走査範囲を広くするには、円
筒形状の圧電体のZ方向の長さを長くすればよい。しか
し、Z方向の長さが長くなると、一番高い機械的共振周
波数を必要とするZ方向の共振周波数が下がり、走査速
度を高くできない。また、前述した従来のチューブ型駆
動装置では、X,Y方向の走査は円筒状の圧電体のX,
Y方向への撓みを利用しているため、プローブ又は試料
をX,Y面内で平らに走査することができず、得られた
画像は図7(b)のように歪んでしまうという問題もあ
った。そのため、測定した画像をソフトウエアで平面に
補正していた。
【0009】一方、前述した図8に示すトライポッド型
駆動装置では、一番高い機械的共振周波数を必要とする
Z方向の圧電駆動部材11cは、サイズの小さな共振周
波数の高い圧電体を採用できるので、走査速度を高くす
ることができる。また、走査範囲を広くするために、
X,Y方向用圧電駆動部材11a,11bとして、比較
的変位の大きい積層型圧電体が用いられている。しか
し、積層型圧電体は、変位する軸方向に0.1mm程度
の薄いPZT等の薄膜を数百層積層した構造を有してい
るため、各層厚のばらつきにより直進性が悪い。走査範
囲を一層拡大させるために、一層変位の大きい長い積層
型圧電体を用いれば、更に直進性が悪化してしまう。積
層方向と変位方向の軸ずれの度合は、100ロット内で
10°以上であることもしばしばである。このように圧
電駆動部材11a,11bの直進性が悪いと、走査型プ
ローブ顕微鏡のプローブは、XY平面上を走査されず、
Z方向に湾曲した面内を走査されることになる。一方、
走査型プローブ顕微鏡は、一般に、Z方向の分解能が1
オングストローム以下であり、Z方向の変位に大変敏感
である。そのため、積層型圧電体を用いた図8に示す従
来のトライポット型駆動装置を使用して得られる画像
は、大きく歪んだものとなる。
【0010】また、プローブが機械的振動を受けると分
解能が悪化してしまうため、プローブ駆動装置において
は、高分解能を得る上で、プローブが機械的な振動を受
け難い構造を持つことが好ましい。
【0011】さらに、走査型プローブ顕微鏡のうち原子
間力顕微鏡等においては、プローブとしてカンチレバー
が用いられ、該カンチレバーの撓みを検出するため、一
般的にいわゆる光てこ法が用いられている。光てこ法で
は、固定部に設置した光源から光をカンチレバーに照射
し、該カンチレバーからの反射光を受光面が複数に分割
され固定部に設置された光検出器にて受光し、当該反射
光の位置を検出する。したがって、プローブ駆動装置に
より走査範囲を拡大すると、照射光がカンチレバーの面
からはみ出し易くなる。もし、照射光の一部がカンチレ
バーの面からはみ出してしまうと、反射光量が減り、検
出感度の低下を招いてしまう。したがって、走査範囲が
拡大されても、照射光を適切に照射できることが重要で
ある。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、試料表面に対して直交する方向の機械的共振
周波数を高くして高速に走査を行うことができ、しか
も、広域を走査できるにもかかわらず得られた像面の湾
曲の軽減を図ることができるプローブ駆動装置、及びこ
れを用いた走査型プローブ顕微鏡を提供することを目的
とする。
【0013】また、本発明は、プローブが受ける機械的
振動を軽減して十分な分解能を確保することができるプ
ローブ駆動装置、及びこれを用いた走査型プローブ顕微
鏡を提供することを目的とする。
【0014】さらに、本発明は、走査範囲が従来に比べ
て拡大されてもプローブとしてのカンチレバーに照射光
を適切に照射することができる走査型プローブ顕微鏡を
提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様によるプローブ駆動装置は、第
1の伸縮方向に伸縮可能な第1の圧電駆動部材と、第2
の伸縮方向に伸縮可能な第2の圧電駆動部材と、第3の
伸縮方向に伸縮可能な第3の圧電駆動部材とを備え、前
記第1乃至第3の圧電駆動部材の伸縮によってプローブ
を3次元的に移動させるプローブ駆動装置において、前
記第1の圧電駆動部材が取り付けられ基準部及び拡大変
位部を有する拡大機構であって、前記拡大変位部が前記
第1の圧電駆動部材の伸縮に従って前記基準部に対して
前記第1の圧電駆動部材の伸縮量より大きい変位量で変
位し、前記基準部に対する前記拡大変位部の変位方向が
前記基準部に対する所定方向に実質的に規制される拡大
機構を備えたものである。
【0016】この第1の態様によれば、3つの圧電駆動
部材を用いているので、前述した従来のトライポット型
駆動装置と同様に、そのうちの1つの第3の圧電駆動部
材を試料表面に対して直交する方向のプローブ走査のた
めに用い、当該圧電駆動部材としてサイズの小さい圧電
体を用いることができる。したがって、当該方向の機械
的共振周波数を高くすることができ、このため、高速に
走査を行うことができる。そして、この第1の態様で
は、第1の圧電駆動部材の伸縮量(変位量)が拡大機構
により拡大されるので、第1の圧電駆動部材の伸縮量は
小さくてすむ。したがって、走査範囲を拡大しつつ、第
1の圧電駆動部材として伸縮量の小さい圧電駆動部材を
用いることができる。伸縮量の小さい圧電駆動部材は直
進性に優れている。加えて、拡大機構の拡大変位部の変
位方向は、基準部に対する所定方向に規制される。その
結果、歪みの少ない走査を行うことができる。このよう
に、前記第1の態様によれば、高速走査が可能となると
ともに、試料表面と平行な面内の走査に用いる2つの圧
電駆動部材のうちの少なくとも1つ(第1の圧電駆動部
材)に関して、走査範囲を拡大しつつ歪みの少ない走査
を行うことができる。
【0017】本発明の第2の態様によるプローブ駆動装
置は、前記第1の態様によるプローブ駆動装置におい
て、前記第1の伸縮方向と前記拡大変位部の変位方向と
が一致し、前記拡大機構は、前記第1の圧電駆動部材お
ける前記第1の伸縮方向の中心線の両側にそれぞれ当該
中心線に対して対称に形成された1段以上の機械的てこ
構造を有するものである。
【0018】本発明の第3の態様によるプローブ駆動装
置は、前記第1又は第2の態様によるプローブ駆動装置
において、前記拡大機構は、前記第1の圧電駆動部材を
配置するスペースであって表裏に貫通したスペースと表
裏に貫通した溝が形成された金属板からなるものであ
る。
【0019】本発明の第4の態様によるプローブ駆動装
置は、第1乃至第3のいずれかの態様によるプローブ駆
動装置において、前記基準部は、支持基材に対して前記
拡大変位部の変位方向を含む所定平面内において回動可
能となるとともに他の動きが実質的に規制されるよう
に、前記支持基材に連結され、前記基準部は、前記第2
の圧電駆動部材の伸縮に従って前記回動が行われ、前記
第3の圧電駆動部材の前記第3の伸縮方向の一端は、前
記第3の伸縮方向が前記所定平面と交差する方向となる
ように、前記拡大変位部に対して固定され、前記第3の
圧電駆動部材の前記第3の伸縮方向の他端に対して前記
プローブが固定されるものである。
【0020】この第4の態様によれば、基準部は、支持
基材に対して拡大変位部の変位方向を含む所定平面内に
おいて回動可能となるとともに他の動きが実質的に規制
されるように、前記支持基材に連結されているので、拡
大変位部(したがって、プローブ)が前記所定平面内の
動きに規制されつつ第1及び第2の圧電駆動部材の伸縮
により2次元に移動することになる。したがって、第2
の圧電駆動部材の直進性のずれにより生ずる走査の歪み
も軽減される。
【0021】本発明の第5の態様によるプローブ駆動装
置は、前記第4の態様によるプローブ駆動装置におい
て、前記第2の圧電駆動部材の前記第2の伸縮方向の両
端は、前記第2の伸縮方向が前記所定平面と略平行とな
るとともに前記拡大変位部の変位方向と異なる方向とな
るように、前記支持基材及び前記基準部にそれぞれ連結
され、前記第2の圧電駆動部材の前記第2の伸縮方向の
前記両端のうちの一端は、前記第2の伸縮方向が前記基
準部に対してなす角度が変化可能となるように前記支持
基材に連結され、前記第2の圧電駆動部材の前記第2の
伸縮方向の前記両端のうちの他端は、前記第2の伸縮方
向が前記基準部に対してなす角度が変化可能となるよう
に前記支持基材に連結されたものである。
【0022】この第5の態様によれば、第2の圧電駆動
部材の一端が当該圧電駆動部材自身の角度が変化可能と
なるように支持基材に連結されるとともに、第2の圧電
駆動部材の他端が当該圧電駆動部材自身の角度が変化可
能となるように基準部に連結されているので、第2の圧
電駆動部材の直進性のずれにより生ずる走査の歪みが一
層軽減される。
【0023】本発明の第6の態様によるプローブ駆動装
置は、前記第5の態様によるプローブ駆動装置におい
て、前記基準部の前記支持基材に対する回動の中心線と
前記第2の圧電駆動部材の伸縮が前記基準部の前記回動
に対して作用する力点との間の距離は、前記基準部の前
記回動の前記中心線と前記プローブとの間の距離より小
さいものである。
【0024】この第6の態様によれば、てこの原理に従
って、第2の圧電駆動部材の伸縮量(変位量)が拡大さ
れてプローブの変位量となる。このため、走査範囲を拡
大しつつ、第2の圧電駆動部材として伸縮量の小さい圧
電駆動部材を用いることができる。伸縮量の小さい圧電
駆動部材は直進性に優れていることから、一層歪みの少
ない走査を行うことができる。
【0025】本発明の第7の態様によるプローブ駆動装
置は、前記第4乃至第6のいずれかの態様によるプロー
ブ駆動装置において、第1のブロックと、該第1のブロ
ックに対して前記所定平面内において屈曲可能なヒンジ
を介して連結された第2のブロックとを有するヒンジ付
きブロックを更に備え、前記第1のブロックが前記支持
基材に固定されるとともに前記第2のブロックが前記基
準部に固定されて、前記基準部が前記ヒンジ付きブロッ
クを介して前記支持基材に連結されたものである。
【0026】本発明の第8の態様によるプローブ駆動装
置は、前記第5又は第6の態様によるプローブ駆動装置
において、第1のブロックと、該第1のブロックに対し
て前記所定平面内において屈曲可能なヒンジを介して連
結された第2のブロックとを有するヒンジ付きブロック
を更に備え、前記第1のブロックが前記支持基材に固定
されるとともに前記第2のブロックが前記基準部に固定
されて、前記基準部が前記ヒンジ付きブロックを介して
前記支持基材に連結され、前記第2の圧電駆動部材の前
記第2の伸縮方向の前記他端は、前記第2の伸縮方向が
前記ヒンジ付きブロックの前記第2のブロックに対して
なす角度が変化可能となるように前記第2のブロックに
連結されて、前記第2のブロックを介して前記基準部に
連結されたものである。
【0027】本発明の第9の態様によるプローブ駆動装
置は、前記第7又は第8の態様によるプローブ駆動装置
において、前記拡大機構はその中央部付近で前記ヒンジ
付きブロックにより支持されたものである。
【0028】この第9の態様によれば、拡大機構がその
中央部付近でヒンジ付きブロックにより支持されている
ので、拡大機構がその端部付近でヒンジ付きブロックに
より支持される場合に比べて、十分な強度で拡大機構を
保持することができる。したがって、プローブが機械的
振動を受け難くなり、高分解能を確保することができ
る。
【0029】本発明の第10の態様によるプローブ駆動
装置は、第1の伸縮方向に伸縮可能な第1の圧電駆動部
材と、第2の伸縮方向に伸縮可能な第2の圧電駆動部材
と、第3の伸縮方向に伸縮可能な第3の圧電駆動部材と
を備え、前記第1乃至第3の圧電駆動部材の伸縮によっ
てプローブを3次元的に移動させるプローブ駆動装置に
おいて、前記第1の圧電駆動部材が取り付けられ第1の
基準部及び第1の拡大変位部を有する第1の拡大機構で
あって、前記第1の拡大変位部が前記第1の圧電駆動部
材の伸縮に従って前記第1の基準部に対して前記第1の
圧電駆動部材の伸縮量より大きい変位量で変位し、前記
第1の基準部に対する前記第1の拡大変位部の変位方向
が前記第1の基準部に対する所定方向に実質的に規制さ
れる第1の拡大機構と、前記第2の圧電駆動部材が取り
付けられ第2の基準部及び第2の拡大変位部を有する第
2の拡大機構であって、前記第2の拡大変位部が前記第
2の圧電駆動部材の伸縮に従って前記第2の基準部に対
して前記第2の圧電駆動部材の伸縮量より大きい変位量
で所定方向に変位する第2の拡大機構と、を更に備え、
前記第1の基準部は、支持基材に対して前記第1の拡大
変位部の変位方向を含む所定平面内において回動可能と
なるとともに他の動きが実質的に規制されるように、前
記支持基材に連結され、前記第1の基準部は、前記第2
の拡大変位部の変位に従って前記前記回動が行われ、前
記第3の圧電駆動部材の前記第3の伸縮方向の一端は、
前記第3の伸縮方向が前記所定平面と交差する方向とな
るように、前記第1の拡大変位部に対して固定され、前
記第3の圧電駆動部材の前記第3の伸縮方向の他端に対
して前記プローブが固定されたものである。
【0030】前述した第5の態様では、第2の圧電駆動
部材の伸縮が予め拡大されることなく第1の圧電駆動部
材に対して設けられた拡大機構の基準部に伝えられる
が、この第10の態様では、第1及び第2の圧電駆動部
材の両方に対してそれぞれ拡大機構が設けられ、第2の
圧電駆動部材の伸縮が第2の圧電駆動部材に対して設け
られた拡大機構(第2の拡大機構)によって予め拡大さ
れた後に第1の圧電駆動部材に対して設けられた拡大機
構(第1の拡大機構)の基準部に伝えられる。
【0031】本発明の第11の態様による走査型プロー
ブ顕微鏡は、前記第1乃至第10のいずれかの態様によ
るプローブ駆動装置を備えたものである。
【0032】本発明の第12の態様による走査型プロー
ブ顕微鏡は、前記第4乃至第9のいずれかの態様による
プローブ駆動装置を備えた走査型プローブ顕微鏡であっ
て、前記プローブはカンチレバーであり、前記カンチレ
バーの撓みを検出する撓み検出手段を更に備え、前記撓
み検出手段は、前記支持基材に対して固定され前記カン
チレバーの梁部に照射するための照射光を発する光源
と、前記支持基材に対して固定され複数の分割された受
光面を有し前記カンチレバーからの反射光を受光する光
検出器と、前記照射光及び前記反射光を導く導光手段
と、を有し、前記導光手段は、前記基準部に対して固定
された第1の光路変換部材と、前記拡大変位部に対して
固定された第2の光路変換部材とを備え、前記光源から
の前記照射光が前記第1及び第2の光路変換部材を順次
経て前記カンチレバーの前記梁部に略垂直に照射される
とともに、前記カンチレバーからの前記反射光が当該経
路と逆の経路を経て前記光検出器に受光されるように、
前記第1及び第2の光路変換部材が配置され、前記第1
の光路変換部材が、前記基準部の前記支持基材に対する
前記回動の前記中心線の付近に配置されたものである。
【0033】この第12の態様によれば、前記第4乃至
第9の態様によるプローブ駆動装置を採用することを前
提とした上で、このような導光手段が採用されているの
で、照射光がカンチレバーの移動に実質的に追従してカ
ンチレバーを照射することになり、走査範囲が従来に比
べて拡大されてもプローブとしてのカンチレバーに照射
光を適切に照射することができる。
【0034】本発明の第13の態様による走査型プロー
ブ顕微鏡は、前記第12の態様による走査型プローブ顕
微鏡において、前記拡大変位部が前記拡大機構の一方端
部に位置し、前記基準部の前記支持基材に対する前記回
動の前記中心線が、前記拡大機構における他方端部に対
する前記拡大変位部寄りの位置を通るものである。
【0035】この第13の態様によれば、基準部の支持
基材に対する回動の中心線が拡大機構における他方端部
に対する前記拡大変位部寄りの位置を通るので、この中
心線が前記他方端部付近の位置を通る場合に比べて、前
記第1の光路変換部材をカンチレバーに近い位置に配置
することになる。したがって、第1の光路変換部材から
カンチレバーまでの光路を短くすることができ、ひいて
は、照射光をカンチレバー上に集光する集光レンズとし
て焦点距離の短いレンズを用いることができる。その結
果、カンチレバー上に形成されるスポットを十分に小さ
くすることができ、カンチレバーの移動に対する照射光
の追従の程度が必ずしも十分でない場合であっても、照
射光がカンチレバーからはみ出すようなことがなく、カ
ンチレバーに照射光を適切に照射することができる。
【0036】本発明の第14の態様による走査型プロー
ブ顕微鏡は、第1の方向に駆動可能な第1の駆動部材
と、第2の方向に駆動可能な第2の駆動部材と、第3の
方向に駆動可能な第3の駆動部材とを備え、前記第1の
駆動部材の固定端は前記第1の駆動部材が所定平面内に
おいて回動可能となるように支持基材に連結され、前記
第1の駆動部材は前記第2の駆動部材の駆動により前記
回動が行われ、前記第3の駆動部材の固定端が、前記第
3の方向が前記所定平面と交差する方向となるように、
前記第1の駆動部材の自由端に対して固定され、前記第
3の駆動部材の自由端に対してカンチレバーが固定され
るプローブ駆動装置を備えた走査型プローブ顕微鏡にお
いて、前記カンチレバーの撓みを検出する撓み検出手段
を更に備え、前記撓み検出手段は、前記支持基材に対し
て固定され前記カンチレバーの梁部に照射するための照
射光を発する光源と、前記支持基材に対して固定され複
数の分割された受光面を有し前記カンチレバーからの反
射光を受光する光検出器と、前記照射光及び前記反射光
を導く導光手段と、を有し、前記導光手段は、前記第1
の駆動部材の前記固定端に対して固定された第1の光路
変換部材と、前記第1の駆動部材の前記自由端に対して
固定された第2の光路変換部材とを備え、前記光源から
の前記照射光が前記第1及び第2の光路変換部材を順次
経て前記カンチレバーの前記梁部に照射されるととも
に、前記カンチレバーからの前記反射光が当該経路と逆
の経路を経て前記光検出器に受光されるように、前記第
1及び第2の光路変換部材が配置され、前記第1の光路
変換部材が、前記第1の駆動部材の前記回動の中心線に
近接して当該中心線に対する前記第1の駆動部材の前記
自由端の側に配置されたものである。
【0037】この第14の態様によれば、このような導
光手段が採用されているので、照射光がカンチレバーの
移動に実質的に追従してカンチレバーを照射することに
なり、プローブとしてのカンチレバーに照射光を適切に
照射することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるプローブ駆動
装置及びこれを用いた走査型プローブ顕微鏡について、
図面を参照して説明する。
【0039】図1は、本発明の一実施の形態によるプロ
ーブ駆動装置を示す斜視図である。図2は、本実施の形
態によるプローブ駆動装置を示す分解斜視図である。な
お、説明の便宜上、図1及び図2に示すように、互いに
直交するX,Y,Z軸を定義する。
【0040】本実施の形態によるプローブ駆動装置は、
図1及び図2に示すように、支持基材20と、第1の伸
縮方向(図1及び図2に示す状態では、X方向と一致し
ている。)に伸縮可能な第1の圧電駆動部材21と、第
2の伸縮方向(図1及び図2に示す状態では、Y方向と
一致している。)に伸縮可能な第2の圧電駆動部材22
と、第3の伸縮方向(図1及び図2に示す状態では、Z
方向と一致している。)に伸縮可能な第3の圧電駆動部
材23とを備え、圧電駆動部材21,22,23の伸縮
によってプローブ24を3次元的に移動させる。
【0041】支持基材20は、互いに直交する2つの
面、すなわち、XZ平面と一致した内側の面20a及び
XY平面と一致した下向きの面20bを持っている。
【0042】本実施の形態では、第1の圧電駆動部材2
1は、図2に示すように、複数の板状の圧電素子を積層
してなる積層型圧電体からなる。その積層方向は、図2
におけるX方向である。個々の圧電素子は、積層方向か
ら見て、積層された各圧電素子の両側にそれぞれ図示し
ていない電極を設けている。そして、それぞれの電極に
は、図示していない電源から駆動電圧が印加され、これ
により理想的には前記圧電素子の積層方向(Y方向)に
伸縮する。この理想的に伸縮する方向が前記第1の伸縮
方向であり、本実施の形態では積層方向である。もっと
も、実際には、圧電駆動部材21が何らの規制を受けな
いで伸縮する方向は、この伸縮方向からずれることがあ
る。
【0043】また、第2及び第3の圧電駆動部材22,
23も、第1の圧電駆動部材21と同様の積層型圧電体
からなり、第1の圧電駆動部材21と同様の方法で駆動
される。第2の圧電駆動部材22の積層方向はY方向で
あり、第3の圧電駆動部材23の積層方向はZ方向であ
る。
【0044】図2に示すように、第1の圧電駆動部材2
1は、拡大機構25に取り付けられている。拡大機構2
5は、基準部26及び拡大変位部27を有している。本
実施の形態では、拡大変位部27は、拡大機構25のX
方向の一方端部に位置している。拡大変位部27は第1
の圧電駆動部材21の伸縮に従って基準部26に対して
第1の圧電駆動部材21の伸縮量より大きい変位量で変
位し、基準部26に対する拡大変位部27の変位方向が
基準部26に対する所定方向(図2に示す状態では、X
方向)に実質的に規制されるようになっている。本実施
の形態では、拡大機構25は、金属板、例えば、剛性の
高い金属であるステンレスからなる板に、第1の圧電駆
動部材21を配置するスペース28及び溝29を例えば
ワイヤーカット法により形成した構造を有している。ス
ペース28及び溝29は、ステンレス板の表裏に貫通し
ている。拡大機構25には、ステンレス板にスペース2
8及び溝29が形成されることによって、第1の圧電駆
動部材21おける第1の伸縮方向(X方向)の中心線の
両側にそれぞれ当該中心線に対して対称に形成された1
段の機械的てこ構造が作り込まれている。なお、第1の
圧電駆動部材21の伸縮方向と拡大変位部27の変位方
向とは一致している。図2において、30aは当該機械
的てこの力点、30bは当該機械的てこの支点、30c
は当該機械的てこの作用点である。まず圧電駆動部材2
1が伸びると、拡大機構25の原理である機械的てこの
力点30aの部分が矢印100の向きに外側に押し出さ
れる。その動きによりてこ部31は支点30bを中心に
回転運動をし、矢印101の向きに、作用点30cをX
方向に押す。この場合の拡大率は、支点30bと力点3
0aとの間の距離と、支点30bと作用点30cとの間
の距離との比である。図2中のY軸を中心に正確に左右
対称にワイヤーカット法により機械的てこが作り込まれ
ているため、拡大変位部27の変位の水平方向の軸ずれ
は、第1の圧電駆動部材21単体の変位の場合と比べ極
めて小さい。更にプランジャー32等により基準部26
の側面を両側からかしめるようにすると、基準部26の
側面を習い面として変位させることができ、より直進性
が出る。なお、図2中、33はプランジャー32が螺合
されるネジ穴である。また、ステンレス板の厚みが比較
的厚いので、構造上、拡大変位部27の変位のZ軸方向
の軸ずれは起こりにくく、やはり圧電駆動部材21単体
の変位と比べ直進性は極めて高い。この拡大機構25を
使うことにより広い範囲を湾曲なく走査できる。
【0045】拡大機構25の他の例を図3に示す。図3
は、拡大機構25の他の例を示す概略平面図である。図
3において、図1及び図2に示す拡大機構25と対応す
る要素には同一符号を付している。図3に示す拡大機構
25は、機械的てこを3段階にして拡大変位部27の駆
動範囲を50μmとしたものであり、他の点は図1及び
図2に示す拡大機構25と同様である。図3中、41
a,41b,41cがそれぞれ第1段階の機械的てこの
力点、支点及び作用点であり、42a,42b,43a
が第2段階の機械的てこの力点、支点、作用点であり、
43a,43b,43cが第3段階の機械的てこの力
点、支点、作用点である。
【0046】再び図1及び図2を参照すると、拡大機構
25の基準部26は、支持基材20に対して拡大変位部
27の変位方向(X方向)を含む所定平面(XY平面)
内において回動可能となるとともに他の動きが実質的に
規制されるように、支持基材20に連結されている。本
実施の形態では、基準部26は、ヒンジ付きブロック5
1を介して支持基材20に連結されている。ヒンジ付き
ブロック51は、第1のブロック51aと、該第1のブ
ロック51aに対して前記所定平面(XY平面)内にお
いて屈曲可能なヒンジ51bを介して連結された第2の
ブロック51cとを有する。第1のブロック51aは、
ネジ52aにて支持基材20の下側の面に固定されてい
る。基準部26は、ネジ52bにて第2のブロック51
cの下側に固定されている。したがって、基準部26
は、第2のブロック51cと一体となって、ヒンジ51
bの中心を通ってZ方向に延びる中心線(図示せず)の
回りに、XY平面内において回動可能となっており、ヒ
ンジ51bによって他の動きが規制されることになる。
また、本実施の形態では、前述したように基準部26が
第2のブロック51cに固定されることによって、拡大
機構25はその中央部付近でヒンジ付きブロック51
(特に、その第2のブロック51c)により支持されて
いる。
【0047】拡大変位部27には、前記第3の圧電駆動
部材23の前記第3の伸縮方向(図1及び図2では、Z
方向)の一端(上端)が、前記第3の伸縮方向がZ方向
となるように、ブロック52を介して固定されている。
第3の圧電駆動部材23の前記第3の伸縮方向の他端
(下端)には、前記プローブ24が図示しないホルダー
を介して取り外し自在に固定されている。
【0048】前記第2の圧電駆動部材22の前記第2の
伸縮方向(図1及び図2に示す状態では、Y方向)の両
端は、前記第2の伸縮方向が前記所定平面(XY平面)
と略平行となるとともに拡大変位部27の変位方向(図
1及び図2に示す状態ではX方向)と異なる方向(図1
及び図2に示す状態ではY方向)となるように、支持基
材20及び基準部26にそれぞれ連結されている。第2
の圧電駆動部材22の前記第2の伸縮方向の一端は、前
記第2の伸縮方向(すなわち、本実施の形態では積層方
向)が支持基材20に対してなす角度が変化可能となる
ように支持基材28に連結されている。本実施の形態で
は、具体的には、当該一端はXY平面内において屈曲可
能なヒンジ53を介して支持基材20の面20aに固定
されている。このため、本実施の形態では、第2の圧電
駆動部材22の第2の伸縮方向(積層方向が支持基材2
0に対してなす角度は、XY平面内においてのみ変化可
能となっている。もっとも、例えばヒンジ53の中央部
をX方向の厚みを薄くするのみならずY方向の厚みも薄
くしてあらゆる方向に屈曲可能(この場合、もはやヒン
ジとは言えない)にしておき、前記角度の変化が一平面
に限定されないようにしてもよい。また、第2の圧電駆
動部材22の前記第2の伸縮方向の他端は、前記第2の
伸縮方向が基準部26に対してなす角度が変化可能とな
るように前記基準部に連結されている。本実施の形態で
は、具体的には、第2の圧電駆動部材22の前記第2の
伸縮方向の他端は、前記第2の伸縮方向がヒンジ付きブ
ロック51の第2のブロック51cに対してなす角度が
変化可能となるようにヒンジ54を介して第2のブロッ
ク51cに連結されて、第2のブロック51cを介して
基準部26に連結されている。もっとも、例えばヒンジ
54の中央部を図1及び図2中のX方向の厚みを薄くす
るのみならずY方向の厚みも薄くしてあらゆる方向に屈
曲可能(この場合、もはやヒンジとは言えない)にして
おき、前記角度の変化が一平面に限定されないようにし
てもよい。
【0049】また、基準部26の支持基材28に対する
回動の中心線(本実施の形態では、ヒンジ51bの中心
を通ってZ方向に延びる中心線)と第2の圧電駆動部材
22の伸縮が基準部26の前記回動に対して作用する力
点(本実施の形態では、ヒンジ54の中心)との間の距
離は、基準部26の前記回動の前記中心線とプローブ2
4との間の距離より小さくされている。すなわち、本実
施の形態では、後述するように両者の距離の比は2:5
とされている。もっとも、本発明では、両者の距離を同
一にしてもよい。
【0050】次に、主としてY方向の走査を行なう前記
第2の圧電駆動部材22の動作について、説明する。前
述したように、第2の圧電駆動部材22は、ヒンジ53
を介して支持基材20の内側の面20aにフレキシブル
に固定され、ヒンジ54を介しヒンジ付きブロック51
の第2のブロック51cにフレキシブルに固定されてい
る。圧電駆動部材22が力を出して変位すると、その力
はヒンジ54を介してヒンジ付きブロック51の第2の
ブロック51cの側面に伝わる。側面に加わった力によ
りヒンジ付きブロック51の第2のブロック51cはヒ
ンジ51bを中心にY軸方向に傾く。その傾くヒンジ付
きブロック51の第2のブロック51cと共に拡大機構
25も傾き、その拡大変位部27に固定されているプロ
ーブ24もY軸方向に駆動される。ここで、本実施の形
態では、支点であるヒンジ付きブロック51のヒンジ5
1bの中心から力点であるヒンジ54までの距離と、支
点から作用点であるプローブ24までの距離との比が、
2:5になっている。そのため、第2の圧電駆動部材2
2の変位を2.5倍に拡大している。本実施の形態で
は、第2の圧電駆動部材22に20μm変位のものを使
ったため、実際のY軸方向の走査領域は50μmであ
る。変位の小さい積層型圧電体は、直進性に優れてい
る。このように変位の小さい圧電駆動部材22を使うこ
とができ、プローブは水平に走査される。さらに、Y方
向のプローブ24の動きはヒンジ付きブロック51のヒ
ンジ51bによりXY平面内に制限される。さらに、第
2の圧電駆動部材2の変位は、ヒンジ54を介して間接
的にヒンジ付きブロック51に伝わるため、たとえ第2
の圧電駆動部材22の直進性にずれがあっても、影響は
更に軽減される。
【0051】なお、図1中、60は試料であり、該試料
60の表面はXY平面と一致している。
【0052】本実施の形態によるプローブ駆動装置で
は、X軸方向用の圧電駆動部材21に対して拡大機構2
5を用いているため、X軸方向の駆動は積層型圧電体単
体の駆動と比べ直進性は極めて高い。また、Y軸方向用
の圧電駆動部材22には直進性の高い変位の小さい積層
型圧電体を用い、その変位を2.5倍に拡大して使って
いる。また、Y方向のプローブ24の動きはヒンジ付き
ブロック51のヒンジ51bによりXY平面内に制限さ
れる。さらに、第2の圧電駆動部材22の変位はヒンジ
54を介し間接的にヒンジ付きブロック51に伝わるた
め、第2の圧電駆動部材22の直進性のずれの影響はさ
らに軽減される。このように、本実施の形態による圧電
体駆動装置によれば、広い範囲を湾曲なく走査できる。
【0053】次に、前述した図1及び図2に示すプロー
ブ駆動装置を用いて構成した走査型プローブ顕微鏡とし
ての原子間力顕微鏡の例について、図4を参照して説明
する。図4は、この原子間力顕微鏡の概略構成を示す斜
視図である。なお、理解を容易にするため、図4におい
て、本来隠れ線(破線)となるべき部分の一部について
も、実線で示している。
【0054】この原子間力顕微鏡では、支持基材20の
下側には前述した図1及び図2に示すプローブ駆動装置
が取り付けられている。支持基材20は2本のマイクロ
メーター61と1本の差動マイクロメータ63により支
持されている。試料(図4では図示せず)とプローブと
してのカンチレバー24との間隔は、マイクロメータ6
1と、差動マイクロメータ63の粗動ツマミ63bによ
り予め調整される。プローブ24と試料との間隔の微調
整は、ステッピングモータ62を駆動することよりコン
トロールされる。粗動ツマミ63bで粗動調整が終了し
たら、ストッパー64で差動マイクロメータ63の粗動
ツマミ63bをロックする。そして、ステッピングモー
タ62のシャフトは差動マイクロメータ63の微動ツマ
ミ63aに圧着されているので、試料とプローブ24と
の間隔を微調整する際には、ステッピングモータ62を
駆動することにより、差動マイクロメータ63が微動さ
れる。このようにして、プローブ24と試料との間隔を
調整する。
【0055】また、この原子間力顕微鏡では、図4に示
すように、カンチレバー24の撓みを検出する光てこ法
による撓み検出手段の大部分を構成する光学素子が、支
持基材20に対して設置されている。まず、光源として
の半導体レーザーダイオード71はレーザーダイオード
支持体72に固定され、支持基材20上に配置されてい
る。ポジションセンサー(4分割フォトディテクタ等の
光検出器)73は、メカニカルステージ74に固定され
ている。レーザー光の光軸調整のための反射鏡75がマ
イクロメータ76により角度を調整可能に支持基材20
上に配置されている。また、ヒンジ付きブロック51の
第2のブロック51c上には、第1の光路変換部材とし
ての反射鏡77が設けられ、反射鏡77がブロック51
cを介して基準部26に対して固定されている。なお、
図1及び図2に示すように、第2のブロック51cに
は、この反射鏡77を設置するための斜面58が形成さ
れている。また、図4に示すように、第2の光路変換部
材としての反射鏡78が反射鏡支持体79に固定されて
おり、反射鏡支持体79はネジ(図示せず)にてブロッ
ク52に固定されひいては前記拡大変位部27に対して
固定されている。レーザーダイオード支持体72と反射
鏡74との間に配置されたコリメートレンズ80(図4
では省略。後述する図5を参照)、スリット81(図4
では省略。後述する図5を参照)、偏光ビームスプリッ
タ82及び1/4波長板83は、支持基材20に対して
固定されている。反射鏡75と反射鏡77との間に配置
された集光レンズ84も、支持基材20に対して固定さ
れている。
【0056】次に、光てこ法によりカンチレバーの撓み
を測定するレーザー光がカンチレバー24にいかに照射
されるかを説明する。半導体レーザーダイオード71か
ら出たレーザー光は、コリメートレンズ80、スリット
81、偏光ビームスプリッタ82及び1/4波長板83
を通過して反射鏡75に入射される。そして反射鏡75
に入射された光はほぼZ方向に反射され、反射鏡77に
入射する。この反射鏡77は、半導体レーザーダイオー
ド71からの光をY方向に反射する。反射鏡77は、ヒ
ンジ付きブロック51のヒンジ51bの中心近くに配置
され第2のブロック51c及び基準部26に対して固定
されている。このようにすることで、ヒンジ51bが第
2の圧電駆動部材22の伸縮変化によって屈曲するとき
に、その屈曲した角度と同じく、反射鏡77の反射面も
同じ角度変化するようになっている。反射鏡78は、第
1の反射鏡77から反射された光を、カンチレバー24
上に照射する。カンチレバー24の背面により反射され
たレーザー光は、前述した経路と逆の経路を辿って偏光
ビームスプリッタ82に戻り、該偏光ビームスプリッタ
82にて反射されて、ポジションセンサー73に入射す
る。このように、半導体レーザーダイオード71からの
光を受光する第1の反射鏡77をヒンジ51bの屈曲す
る中心の近くに(すなわち、基準部26の支持基材20
に対する回動の中心線の付近に)配置し、反射鏡78を
拡大機構25の拡大変位部27に対して固定したこと
で、各圧電駆動部材21,22,23が駆動してカンチ
レバー24の位置が変わっても、常にカンチレバー24
に半導体レーザーダイオード71の光を照射させ、かつ
カンチレバー7からの反射光をポジションセンサー73
で受光できる。以上の説明からわかるように、反射鏡7
5,77,78は、前記プローブ駆動装置によるカンチ
レバー24の移動にかかわらず、カンチレバー24への
照射光の光軸が実質的に変わらないとともに、カンチレ
バー24の撓み量が一定である場合にカンチレバー24
からの反射光の前記光検出器における受光位置が実質的
に変わらないように、前記照射光及び前記反射光を導く
導光手段を構成している。
【0057】次に、図5を参照して、光てこ法によるカ
ンチレバーの撓み(変位)検出の光学系を詳しく説明す
る。なお、図5では、理解を容易にするため、反射鏡7
5,77,78は省略し、これらによって光軸は曲げら
れないものとしている。まず、半導体レーザーダイオー
ド71から出た光は、コリメートレンズ80によって平
行光束にされる。そしてスリット81により平行光束の
周辺の光強度の弱い部分がカットされ、中心部の光強度
の強い平行光束のみ偏光ビームスプリッタ82に照射さ
れる。ここで、半導体レーザーダイオード71から放射
される光を偏光ビームスプリッタ82に対しp偏光の向
きに合わせておくことにより、レーザー光は偏光ビーム
スプリッタ82を透過する。そして、偏光ビームスプリ
ッタ82を透過して射出した光は、1/4波長板83を
透過し、レーザー光の直線偏光は円偏光に変わる。そし
て、円偏光に変化した光は、集光レンズ84により集光
されて、カンチレバー24に照射される。カンチレバー
24に照射された光はカンチレバー24の撓み量により
光軸が変化して反射される。そして、反射された光は、
集光レンズ84を通過し、1/4波長板83でs偏光に
変化する。そして、s偏光に変化した光は、偏光ビーム
スプリッタ82にて照射され、偏光ビームスプリッタ8
2に形成された薄膜により入射した光軸に対して異なる
方向に反射される。そして、その反射された光は4分割
に受光面が分割されたポジションセンサー73に入射す
る。
【0058】ここで、カンチレバー24の背面に集光さ
れるレーザー光のスポット径について考える。カンチレ
バー24は、微小な力の変化により角度が大きく変化す
るように微細に作製されている。そのため、カンチレバ
ー24の背面の反射面も例えば50μm角程度の大きさ
しかない。したがって、光てこ法に使うレーザー光はそ
の大きさと同程度の大きさに集光されなければならな
い。もし、集光されたスポットがカンチレバー24の背
面より大きいと、レーザー光の一部は反射面からはみ出
てしまい、反射しない。そのため、ポジションセンサー
73に入射する光量が減り、感度が下がる。
【0059】集光されるレーザー光のスポット径は、次
の2つの要素により決まる。その第1の要素は、当該光
学系の開口数NAに関係している。開口のエッジにより
レーザー光は回折しシャープに結像しない。これはレー
リーの回折限界の式により与えられる。第2の要素は当
該光学系の倍率である。前述したように、図5には本実
施の形態において用いた光てこ式変位検出系を示してい
る。この光てこ式変位検出系では、2枚のレンズ80,
84により半導体レーザー71の出射端の像がカンチレ
バー4の背面に光学系の倍率で転写される。この倍率
は、コリメートレンズの焦点距離をf1、集光レンズの
焦点距離をf2とすると、f2/f1により与えられ
る。よって、カンチレバー4の背面に集光されるスポッ
ト径Dは、以下の式で与えられる。
【0060】 D=λ/(2・NA) + d・(f2/f1) ただし、λはレーザー光の波長、dはレーザーダイオー
ド71の出射端の径を示す。
【0061】次に、スポット径Dを小さくする方法を前
述した2つの要素毎に考える。まずレーリーの回折限界
の式から、開口数NAを大きくすることによりスポット
径Dを小さくできる。開口数を大きくするにはスリット
81の直径を大きくすれば良い。しかし、スリット81
の直径を大きくすると、レーザーの平行光束がポジショ
ンセンサー73の受光面からはみ出てしまい、カンチレ
バー24の変位(撓み)を検出できなくなる。本実施の
形態では、ポジションセンサー71の受光面は3×3m
mであり、スリット81の直径を2mmとした。つぎに
スポット径Dを小さくする方法は、光学系の倍率f2/
f1を小さくすることである。つまりf1を大きくする
か、f2を小さくするかである。ここで、f1を大きく
すると、レーザーダイオード71からの光が、スリット
81を通過する立体角が小さくなり、ポジションセンサ
ー73に入射するレーザー光が弱くなり、感度が落ち
る。最終的に、f2を小さくするのがスポット径Dを小
さくする唯一の方法となる。本実施の形態では、基準部
26の支持基材28に対する回動の中心線(本実施の形
態では、ヒンジ51bの中心を通ってZ方向に延びる中
心線)を、拡大機構25における中央部付近を通るよう
に設定し、その中心線の付近に反射鏡77を配置してい
る。このため、当該中心線を拡大機構25における拡大
変位部27と反対側の端部を通るように設定する場合に
比べて、f2を小さくできる。今回の実施の形態ではf
1=20mm、f2=50mmとした。ここで、本実施
の形態でのスポット径Dを求めてみると、本実施の形態
で用いたレーザーダイオード31の出射端の大きさdは
10μmであり、波長λは685nmであるので、D=
42μmとなる。この程度の大きさならカンチレバーの
裏面で反射させるには十分小さい大きさとすることがで
きる。
【0062】このように、本実施の形態では、広域を走
査するために駆動装置を大きくすると、カンチレバー2
4に集光するレーザースポットの径Dが大きくなりがち
であるが、それを従来程度の大きさにとどめ、分解能の
低下を防いでいる。
【0063】さらに、本実施の形態では、拡大機構25
をその中央部でヒンジ付きブロック51により支えるこ
とにより、拡大機構25を拡大変位部27と反対側の端
を固定するより一層強固に拡大機構25を保持できる。
原子間力顕微鏡は、Z方向にオングストロームの分解能
があり、機械的振動を受けやすい構造だと、高分解能観
察ができない。本実施の形態の場合、拡大機構25の拡
大変位部27にはカンチレバー24が設けられているた
め、もし拡大機構25が機械的振動を受けると、カンチ
レバー24も振動してしまい分解能が悪くなってしま
う。本実施の形態のように、拡大機構25をヒンジ付き
ブロック51により中央部で支えることにより、オング
ストロームの分解能を出すに十分な強度で、拡大機構2
5を保持できる。
【0064】このように、広域を走査するために駆動装
置を大きくすると、機械的強度が低くなりがちである
が、本実施の形態によれば、拡大機構25を中央部で支
えることにより、オングストロームの分解能を出すに十
分な機械的強度の駆動装置を実現できる。
【0065】次に、本発明によるプローブ駆動装置の他
の実施の形態について、図6を参照して説明する。図6
は、本実施の形態によるプローブ駆動装置の要部を示す
分解斜視図である。図6において、図1及び図2中の要
素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その説
明は省略する。
【0066】本実施の形態によるプローブ駆動装置が前
述した図1及び図2に示すプローブ駆動装置と基本的に
異なる所は、図1及び図2に示すプローブ駆動装置にお
いて、第2の圧電駆動部材に対して拡大機構25と同様
に構成された拡大機構90を用いた点のみである。拡大
機構90の拡大変位部27は、ヒンジ54を介してヒン
ジ付きブロック51の第2のブロック51cに連結され
ている。ヒンジ53を用いる代わりに、ヒンジ付きブロ
ック51と同様に構成されたヒンジ付きブロック91が
用いられている。ヒンジ付きブロック91の第2のブロ
ック51cが拡大機構90の基準部26に対して固定さ
れる。ヒンジ付きブロック91の第1のブロック51a
は、図6には示していないが、支持基材20に対して固
定される。
【0067】図6に示すプローブ駆動装置によっても、
図1及び図2に示すプローブ駆動装置と同様の利点が得
られる。
【0068】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。
【0069】例えば、本発明によるプローブ駆動装置
は、原子間力顕微鏡のみならず、他の種々の走査型プロ
ーブ顕微鏡において用いることができる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
試料表面に対して直交する方向の機械的共振周波数を高
くして高速に走査を行うことができ、しかも、広域を走
査できるにもかかわらず得られた像面の湾曲の軽減を図
ることができる。
【0071】また、本発明によれば、プローブが受ける
機械的振動を軽減して十分な分解能を確保することがで
きる。
【0072】さらに、走査範囲が従来に比べて拡大され
てもプローブとしてのカンチレバーに照射光を適切に照
射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるプローブ駆動装置
を示す斜視図である。
【図2】図1に示すプローブ駆動装置を示す分解斜視図
である。
【図3】拡大機構の一例を示す概略平面図である。
【図4】図1及び図2に示すプローブ駆動装置を用いた
原子間力顕微鏡の概略構成を示す斜視図である。
【図5】光てこ式変位検出系一例を示す概略構成図であ
る。
【図6】本発明の他の実施の形態によるプローブ駆動装
置の要部を示す分解斜視図である。
【図7】従来のチューブ型駆動装置の一例を示す図であ
り、図7(a)はその斜視図、図7(a)は当該チュー
ブ型駆動装置を用いて得た像の様子を模式的に示す図で
ある。
【図8】従来のトライポッド型駆動装置の一例を示す斜
視図である。
【符号の説明】
20 支持基材 21 第1の圧電駆動部材(X方向の圧電駆動部材) 22 第2の圧電駆動部材(Y方向の圧電駆動部材) 23 第3の圧電駆動部材(Z方向の圧電駆動部材) 24 プローブ(カンチレバー) 25 拡大機構 26 基準部 27 拡大変位部 32 プランジャー 51 ヒンジ付きブロック 53,54 ヒンジ 60 試料 61 マイクロメータ 62 ステッピングモータ 63 差動マイクロメータ 64 ストッパー 71 レーザーダイオード 73 ポジションセンサー 74 メカニカルステージ 75 反射鏡 77 反射鏡(第1の光路変換部材) 78 反射鏡(第2の光路変換部材) 79 レーザーダイオード支持体 80 コリメータレンズ 81 スリット 82 偏光ビームスプリッタ 83 1/4波長板 84 集光レンズ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の伸縮方向に伸縮可能な第1の圧電
    駆動部材と、第2の伸縮方向に伸縮可能な第2の圧電駆
    動部材と、第3の伸縮方向に伸縮可能な第3の圧電駆動
    部材とを備え、前記第1乃至第3の圧電駆動部材の伸縮
    によってプローブを3次元的に移動させるプローブ駆動
    装置において、 前記第1の圧電駆動部材が取り付けられ基準部及び拡大
    変位部を有する拡大機構であって、前記拡大変位部が前
    記第1の圧電駆動部材の伸縮に従って前記基準部に対し
    て前記第1の圧電駆動部材の伸縮量より大きい変位量で
    変位し、前記基準部に対する前記拡大変位部の変位方向
    が前記基準部に対する所定方向に実質的に規制される拡
    大機構を備えたことを特徴とするプローブ駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の伸縮方向と前記拡大変位部の
    変位方向とが一致し、前記拡大機構は、前記第1の圧電
    駆動部材おける前記第1の伸縮方向の中心線の両側にそ
    れぞれ当該中心線に対して対称に形成された1段以上の
    機械的てこ構造を有することを特徴とする請求項1記載
    のプローブ駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記拡大機構は、前記第1の圧電駆動部
    材を配置するスペースであって表裏に貫通したスペース
    と表裏に貫通した溝が形成された金属板からなることを
    特徴とする請求項1又は2記載のプローブ駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記基準部は、支持基材に対して前記拡
    大変位部の変位方向を含む所定平面内において回動可能
    となるとともに他の動きが実質的に規制されるように、
    前記支持基材に連結され、 前記基準部は、前記第2の圧電駆動部材の伸縮に従って
    前記回動が行われ、 前記第3の圧電駆動部材の前記第3の伸縮方向の一端
    は、前記第3の伸縮方向が前記所定平面と交差する方向
    となるように、前記拡大変位部に対して固定され、 前記第3の圧電駆動部材の前記第3の伸縮方向の他端に
    対して前記プローブが固定されることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載のプローブ駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の圧電駆動部材の前記第2の伸
    縮方向の両端は、前記第2の伸縮方向が前記所定平面と
    略平行となるとともに前記拡大変位部の変位方向と異な
    る方向となるように、前記支持基材及び前記基準部にそ
    れぞれ連結され、 前記第2の圧電駆動部材の前記第2の伸縮方向の前記両
    端のうちの一端は、前記第2の伸縮方向が前記支持基材
    に対してなす角度が変化可能となるように前記支持基材
    に連結され、 前記第2の圧電駆動部材の前記第2の伸縮方向の前記両
    端のうちの他端は、前記第2の伸縮方向が前記基準部に
    対してなす角度が変化可能となるように前記基準部に連
    結されたことを特徴とする請求項4記載のプローブ駆動
    装置。
  6. 【請求項6】 前記基準部の前記支持基材に対する回動
    の中心線と前記第2の圧電駆動部材の伸縮が前記基準部
    の前記回動に対して作用する力点との間の距離は、前記
    基準部の前記回動の前記中心線と前記プローブとの間の
    距離より小さいことを特徴とする請求項5記載のプロー
    ブ駆動装置。
  7. 【請求項7】 第1のブロックと、該第1のブロックに
    対して前記所定平面内において屈曲可能なヒンジを介し
    て連結された第2のブロックとを有するヒンジ付きブロ
    ックを更に備え、 前記第1のブロックが前記支持基材に固定されるととも
    に前記第2のブロックが前記基準部に固定されて、前記
    基準部が前記ヒンジ付きブロックを介して前記支持基材
    に連結されたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれ
    かに記載のプローブ駆動装置。
  8. 【請求項8】 第1のブロックと、該第1のブロックに
    対して前記所定平面内において屈曲可能なヒンジを介し
    て連結された第2のブロックとを有するヒンジ付きブロ
    ックを更に備え、 前記第1のブロックが前記支持基材に固定されるととも
    に前記第2のブロックが前記基準部に固定されて、前記
    基準部が前記ヒンジ付きブロックを介して前記支持基材
    に連結され、 前記第2の圧電駆動部材の前記第2の伸縮方向の前記他
    端は、前記第2の伸縮方向が前記ヒンジ付きブロックの
    前記第2のブロックに対してなす角度が変化可能となる
    ように前記第2のブロックに連結されて、前記第2のブ
    ロックを介して前記基準部に連結されたことを特徴とす
    る請求項5又は6記載のプローブ駆動装置。
  9. 【請求項9】 前記拡大機構はその中央部付近で前記ヒ
    ンジ付きブロックにより支持されたことを特徴とする請
    求項7又は8記載のプローブ駆動装置。
  10. 【請求項10】 第1の伸縮方向に伸縮可能な第1の圧
    電駆動部材と、第2の伸縮方向に伸縮可能な第2の圧電
    駆動部材と、第3の伸縮方向に伸縮可能な第3の圧電駆
    動部材とを備え、前記第1乃至第3の圧電駆動部材の伸
    縮によってプローブを3次元的に移動させるプローブ駆
    動装置において、 前記第1の圧電駆動部材が取り付けられ第1の基準部及
    び第1の拡大変位部を有する第1の拡大機構であって、
    前記第1の拡大変位部が前記第1の圧電駆動部材の伸縮
    に従って前記第1の基準部に対して前記第1の圧電駆動
    部材の伸縮量より大きい変位量で変位し、前記第1の基
    準部に対する前記第1の拡大変位部の変位方向が前記第
    1の基準部に対する所定方向に実質的に規制される第1
    の拡大機構と、 前記第2の圧電駆動部材が取り付けられ第2の基準部及
    び第2の拡大変位部を有する第2の拡大機構であって、
    前記第2の拡大変位部が前記第2の圧電駆動部材の伸縮
    に従って前記第2の基準部に対して前記第2の圧電駆動
    部材の伸縮量より大きい変位量で所定方向に変位する第
    2の拡大機構と、 を更に備え、 前記第1の基準部は、支持基材に対して前記第1の拡大
    変位部の変位方向を含む所定平面内において回動可能と
    なるとともに他の動きが実質的に規制されるように、前
    記支持基材に連結され、 前記第1の基準部は、前記第2の拡大変位部の変位に従
    って前記前記回動が行われ、 前記第3の圧電駆動部材の前記第3の伸縮方向の一端
    は、前記第3の伸縮方向が前記所定平面と交差する方向
    となるように、前記第1の拡大変位部に対して固定さ
    れ、 前記第3の圧電駆動部材の前記第3の伸縮方向の他端に
    対して前記プローブが固定されることを特徴とするプロ
    ーブ駆動装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
    プローブ駆動装置を備えたことを特徴とする走査型プロ
    ーブ顕微鏡。
  12. 【請求項12】 請求項4乃至9のいずれかに記載のプ
    ローブ駆動装置を備えた走査型プローブ顕微鏡であっ
    て、 前記プローブはカンチレバーであり、 前記カンチレバーの撓みを検出する撓み検出手段を更に
    備え、 前記撓み検出手段は、前記支持基材に対して固定され前
    記カンチレバーの梁部に照射するための照射光を発する
    光源と、前記支持基材に対して固定され複数の分割され
    た受光面を有し前記カンチレバーからの反射光を受光す
    る光検出器と、前記照射光及び前記反射光を導く導光手
    段と、を有し、 前記導光手段は、前記基準部に対して固定された第1の
    光路変換部材と、前記拡大変位部に対して固定された第
    2の光路変換部材とを備え、 前記光源からの前記照射光が前記第1及び第2の光路変
    換部材を順次経て前記カンチレバーの前記梁部に略垂直
    に照射されるとともに、前記カンチレバーからの前記反
    射光が当該経路と逆の経路を経て前記光検出器に受光さ
    れるように、前記第1及び第2の光路変換部材が配置さ
    れ、 前記第1の光路変換部材が、前記基準部の前記支持基材
    に対する前記回動の前記中心線の付近に配置されたこと
    を特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  13. 【請求項13】 前記拡大変位部が前記拡大機構の一方
    端部に位置し、 前記基準部の前記支持基材に対する前記回動の前記中心
    線が、前記拡大機構における他方端部に対する前記拡大
    変位部寄りの位置を通ることを特徴とする請求項12記
    載の走査型プローブ顕微鏡。
  14. 【請求項14】 第1の方向に駆動可能な第1の駆動部
    材と、第2の方向に駆動可能な第2の駆動部材と、第3
    の方向に駆動可能な第3の駆動部材とを備え、前記第1
    の駆動部材の固定端は前記第1の駆動部材が所定平面内
    において回動可能となるように支持基材に連結され、前
    記第1の駆動部材は前記第2の駆動部材の駆動により前
    記回動が行われ、前記第3の駆動部材の固定端が、前記
    第3の方向が前記所定平面と交差する方向となるよう
    に、前記第1の駆動部材の自由端に対して固定され、前
    記第3の駆動部材の自由端に対してカンチレバーが固定
    されるプローブ駆動装置を備えた走査型プローブ顕微鏡
    において、 前記カンチレバーの撓みを検出する撓み検出手段を更に
    備え、 前記撓み検出手段は、前記支持基材に対して固定され前
    記カンチレバーの梁部に照射するための照射光を発する
    光源と、前記支持基材に対して固定され複数の分割され
    た受光面を有し前記カンチレバーからの反射光を受光す
    る光検出器と、前記照射光及び前記反射光を導く導光手
    段と、を有し、 前記導光手段は、前記第1の駆動部材の前記固定端に対
    して固定された第1の光路変換部材と、前記第1の駆動
    部材の前記自由端に対して固定された第2の光路変換部
    材とを備え、 前記光源からの前記照射光が前記第1及び第2の光路変
    換部材を順次経て前記カンチレバーの前記梁部に照射さ
    れるとともに、前記カンチレバーからの前記反射光が当
    該経路と逆の経路を経て前記光検出器に受光されるよう
    に、前記第1及び第2の光路変換部材が配置され、 前記第1の光路変換部材が、前記第1の駆動部材の前記
    回動の中心線に近接して当該中心線に対する前記第1の
    駆動部材の前記自由端の側に配置されたことを特徴とす
    る走査型プローブ顕微鏡。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1293988C (zh) * 2003-06-05 2007-01-10 发那科株式会社 显微定位装置和工具位置/方向修正方法
JP2007033117A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Sii Nanotechnology Inc 走査型プローブ顕微鏡
CN115148637A (zh) * 2022-07-05 2022-10-04 北京派和科技股份有限公司 正交驱动的刚柔耦合高速刺晶机构

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