JP3353965B2 - スキャナシステム及びこれを用いた走査型顕微鏡 - Google Patents

スキャナシステム及びこれを用いた走査型顕微鏡

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JP3353965B2
JP3353965B2 JP24144293A JP24144293A JP3353965B2 JP 3353965 B2 JP3353965 B2 JP 3353965B2 JP 24144293 A JP24144293 A JP 24144293A JP 24144293 A JP24144293 A JP 24144293A JP 3353965 B2 JP3353965 B2 JP 3353965B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業状の利用分野】 本発明は、例えば、走査トンネ
ル顕微鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)などの
走査型プローブ顕微鏡に適用され、探針や試料などを走
査させるスキャナシステムに関し、また、このスキャナ
システムを用いる走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開昭62−130302号公報
における「サンプル表面の像を形成する方法及び装置」
のように、走査トンネル顕微鏡(STM)や原子間力顕
微鏡(AFM)など、簡単な構成で原子サイズレベルの
高い縦横分解能を有する走査型プローブ顕微鏡が提案さ
れている。
【0003】このような走査型プローブ顕微鏡で高い分
解能を実現するためには、プローブと試料との相対位置
を精度良くコントロールできるようなスキャナシステム
が必要である。一般にスキャナシステムには、圧電体を
用いた、トライポッド型またはチューブ型の圧電体スキ
ャナが用いられている。
【0004】チューブ型の圧電体スキャナは、例えばチ
ューブ状に形成された圧電体の内周面に単一の共通電極
を設けるとともに、外周面にはその周方向に4つの駆動
電極を設けてなる。かくして4つの駆動電極への電圧印
加を適宜制御することにより、屈曲や伸縮などにより圧
電体の端部を3次元的に変位させることができる。圧電
体の端部にステージを固着し、このステージに探針また
は試料を支持することにより、圧電体の端部の変位によ
って探針または試料を走査させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところがPZT(チタ
ン酸ジルコン酸鉛)などの圧電体は、電圧駆動を行った
ときの変位にヒステリシスやクリープ等の現象を示すこ
とが良く知られている。従って、前述のような圧電体ス
キャナを用いて探針や試料を走査させた場合、ステージ
(すなわち探針や試料)の移動特性は非直線性を示すこ
とになってしまう。このような非直線性は、走査型プロ
ーブ顕微鏡においては、観測像の歪みとして現れ、定量
的な測定の妨げとなるという不具合があった。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、その目的とするところは、圧電体の変位
に生じるヒステリシスやクリープ等による影響を除去
し、良好な走査を行うことが可能なスキャナシステム
と、このスキャナシステムを用いる走査型プローブ顕微
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ステージを、所定の第1方向およびこの第1方向に交差
する第2方向のそれぞれに移動させるチューブ型ピエゾ
スキャナシステムにおいて、前記ステージに設けられた
反射手段と、前記反射手段に平行光束を入射する光源手
段と、光スポットの位置を検出するスポット検出手段
と、前記反射手段からの反射光を集光し、スポット検出
手段に光スポットを形成する集光手段と、前記スポット
検出手段により検出された前記光スポットの位置に基づ
いて、前記ステージの移動量を求める移動量演算手段
と、前記スポット検出手段および前記集光手段の少なく
とも一方を、前記スポット検出手段と前記集光手段との
相対的位置を光軸方向に変化させるように移動させて前
記スポット検出手段に形成される光スポットの大きさを
可変させ、前記ステージの変位検出のダイナミックレン
ジを調整するための移動手段とを具備したことを特徴と
している。請求項2記載の発明は、請求項1記載のスキ
ャナシステムを用いたことを特徴とする走査型顕微鏡で
ある。
【0008】
【作用】このような手段を講じたことにより、光源手段
により反射手段に入射された光は、反射手段によって反
射したのち、集光手段によって集光されてスポット検出
手段に光スポットが形成される。この反射手段はステー
ジに設けられており、ステージの移動とともに傾斜する
ので、その傾斜角に応じて異なる方向に光を反射し、ス
ポット検出手段上での光スポットの形成位置を異ならせ
る。かくして光スポットの位置をスポット検出手段によ
り検出するとともに、これに基づいて傾斜角度演算手段
が所定の演算を行うことにより、前記ステージの傾斜角
度を求めることができる。従って、検出された実際の前
記ステージの傾斜角度が所望とする状態となるように制
御を行うことにより、偏差を補正することができる。
【0009】また移動手段は、必要に応じて前記スポッ
ト検出手段および前記集光手段の少なくともいずれか一
方を、前記スポット検出手段と前記集光手段との相対的
な位置を変化させるように移動させることにより、スポ
ット検出手段上での光スポットの大きさが変化される。
従って光スポットを大きくすれば、光スポット、すなわ
ちステージが比較的大きく変位しても光スポットがスポ
ット検出手段から外れてしまうことがなく、大きな変位
を検出することができる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例につ
き説明する。図1は本実施例に係るスキャナシステムの
概略構成を一部破断して示す図である。図中、1はチュ
ーブ型の圧電体スキャナ(以下、スキャナと称する)で
ある。このスキャナ1は、詳細な構成の図示は省略して
いるが、チューブ状に形成された圧電体の内周面に単一
の共通電極を設けるとともに、外周面にはその周方向に
4つの駆動電極を設けてなる。そしてスキャナ1は、そ
の一端が固定台2の上に固定されている。スキャナ1の
他端には、ステージ3が固定されている。また、ステー
ジ3の裏側には鏡4が固定されている。固定台2のうち
のスキャナ1の中心軸となる辺りには開口2aが設けら
れ、その下側からスキャナ内に光を導き入れられるよう
になっている。
【0011】開口2aの下側には、1/4波長板5、偏
光ビームスプリッタ6およびレンズ7が上方から順に配
置されている。偏光ビームスプリッタ6は、光源8より
発せられた光の特定の振動面を持った成分の光をスキャ
ナ1側へと反射する。また偏光ビームスプリッタ6は、
鏡4で反射し戻ってきた光を、レンズ7へと導く。
【0012】レンズ7は、入射した光を収束光に変換
し、さらに下方に配置されたポジションディテクタ9へ
と導く。このレンズ7は、レンズホルダ10に支持され
ている。
【0013】光源8は、半導体レーザ8aおよびレンズ
8bよりなり、半導体レーザ8aから発せられた光をレ
ンズ8bによって平行光とし、この平行光を偏光ビーム
スプリッタ6へと入射する。なお11は、半導体レーザ
8aを駆動して発光させるためのLDドライバである。
【0014】ポジションディテクタ9は、受光面がレン
ズ7の焦点面に位置するように配置され、偏光ビームス
プリッタ6を介して到来した光により受光面にスポット
が形成される。そしてポジションディテクタ9は、この
スポットの位置を検出する。
【0015】レンズホルダ10は、外側面にねじ山10
aが形成されており、このねじ山10aが固定台2の内
側面に形成されたねじ山2bに係合することによって固
定台2に螺合されている。また、レンズホルダ10の下
端には、複数の孔10bが形成されており、ここにギア
12に突設された複数のカップリング12aが挿入され
ている。ギア12は、回転可能に支持されている。また
ギア12は、モータ13の回転軸に固定されたギア14
に歯合している。
【0016】15はスキャンコントローラである。この
スキャンコントローラ15は、波形発生器16で発生さ
れるX方向の参照電圧および波形発生器17で発生され
るY方向の参照電圧に対して所定の処理(後述するフィ
ードバック制御のための処理や、スキャナ1の動きをX
Y方向から回転させたりずらしたりするための処理な
ど)を行い、X方向およびY方向のそれぞれの制御信号
を生成する。このX方向およびY方向のそれぞれの制御
信号は、スキャナドライバ18へと供給される。
【0017】スキャナドライバ18は、供給される制御
信号にて指示される状態にスキャナ1を変位させるべ
く、スキャナ1の4つの駆動電極への電圧印加を行う。
19はプリアンプであり、ポジションディテクタ9の出
力信号(スポットの位置を示す信号)を増幅し、演算回
路20へと与える。演算回路20は、プリアンプ19で
増幅されたのちの、ポジションディテクタ9の出力信号
を受け、これに基づいてスキャナ1の変位状態を求め
る。そしてこの変位状態を示す変位信号をスキャンコン
トローラ15に供給する。
【0018】さて、スキャンコントローラ15は非直線
性補正手段15aを有している。この非直線性補正手段
15aは、演算回路20から供給される変位信号に基づ
いて、生成する制御信号に所定の補正を加える。
【0019】次に以上のように構成されたスキャナシス
テムの動作を説明する。まず、スキャナドライバ18が
スキャナ1の4つの駆動電極のいずれにも電圧を印加し
ていない状態では、スキャナ1は変位しておらず、基準
状態にある。またスキャナドライバ18が、スキャンコ
ントローラ15から出力される制御信号に基づいてスキ
ャナ1の4つの駆動電極に電圧印加を行うと、その電圧
印加の状態に応じた変位がスキャナ1に生じる。
【0020】さて、光源8のレンズ8bで平行光とされ
た光は、偏光ビームスプリッタ6によって反射される。
このとき、光は、偏光ビームスプリッタ6により一方向
のみの偏光成分を持った直線偏光となるが、さらに1/
4波長板5を透過することにより円偏光となる。そして
1/4波長板5を透過した光は、固定台2の開口2aか
らスキャナ1の内部へと入射する。スキャナ1の内部へ
と入射した光は、鏡4へと到達し、この鏡4で反射して
再度1/4波長板5に入射する。光は1/4波長板5を
透過する際に、初めとは偏光直交する直線偏光となる。
かくして偏光ビームスプリッタ6では、光は光源8側に
は反射せずに透過する。そして偏光ビームスプリッタ6
を透過した光は、レンズ7によって集光されてポジショ
ンディテクタ9に入射し、ポジションディテクタ9の受
光面にスポットを形成する。ここでスキャナ1が変位し
ていない場合、スポットはポジションディテクタ9の受
光面の中央に形成される。
【0021】一方、スキャナ1が例えば図2に示すよう
に変位している場合、スキャナ1の内部に入射した光の
光軸に対して鏡4が傾いている。従って、光は鏡4で
は、入射方向とは異なる方向に反射する。具体的には、
スキャナ1の先端が基準状態に対してθの傾きを有して
いる場合、鏡4に入射した光は2θの角度をもって反射
する。
【0022】鏡4で反射した光は、1/4波長板5で直
線偏光とされたのち、偏光ビームスプリッタ6およびレ
ンズ7を通って、集光しながらポジションディテクタ9
に入射し、ポジションディテクタ9の受光面にスポット
を形成する。しかし、光は鏡4において2θの角度で反
射しているために、スポットの形成位置は鏡4の傾き方
向に応じてポジションディテクタ9の中心からずれる。
【0023】ここで、ポジションディテクタ9上でのス
ポットの形成位置のずれ量dと鏡4の傾き角θとの間に
は、 d=f・tan(2θ) …(1) なる関係がある。従って、ポジションディテクタ9によ
りスポットの形成位置のずれ量dを検出することによ
り、前記(1)式に基づいて鏡4の傾き角θを求めるこ
とができる。
【0024】演算回路20では、ポジションディテクタ
9の出力信号に基づいて上記の演算を行うことにより、
鏡4の傾き角θを求める。またポジションディテクタ9
は例えば受光領域が4分割されており、どの領域にスポ
ットが形成されているのかに基づいてスポットのずれ方
向を検出することができる。スポットのずれ方向は鏡4
の傾き方向に対応するので、演算回路20ではポジショ
ンディテクタ9の出力信号に基づいて鏡4の傾き方向を
求める。かくして演算回路20では、鏡4の傾き角θお
よび傾き方向、すなわちステージ3の傾き角θおよび傾
き方向が特定され、ステージ3の状態が検出される。
【0025】演算回路20は、このように求めた情報
を、ステージ3のX方向およびY方向のそれぞれの変位
を表すモニタ信号に変換し、スキャンコントローラ15
に与える。具体的には、ポジションディテクタ9の4つ
の受光領域のそれぞれでの受光情報をA,B,C,Dと
すると、 dx=(A+D)−(B+C) …(2) dy=(A+B)−(C+D) …(3) なる式に基づいてモニタ信号dx,dyを得、これをス
キャンコントローラ15に与える。
【0026】スキャンコントローラ15では、波形発生
器16,17のそれぞれから出力される基準波形に基づ
き、ステージ3を所定状態に変位させるべくX方向およ
びY方向のそれぞれの制御信号を生成しているが、この
状態で非直線性制御手段15aがモニタ信号を監視し、
現在所望とするステージ3の状態とモニタ信号が示す実
際のステージ3の状態との偏差を求める。所望とするス
テージ3の状態と実際のステージ3の状態との間には、
スキャナ1を構成する圧電体の変位に生じるヒステリシ
スやクリープ等によって偏差が生じるので、非直線性制
御手段15aはこの偏差を求めるのである。そして非直
線性制御手段15aは、この偏差を補償するように制御
信号を変化させる。すなわち、演算回路20にて求めら
れる実際のステージ3の状態が所望とする状態となるよ
うにフィードバック制御を行う。
【0027】かくして、実際のステージ3の状態(傾き
角θおよび傾き方向)が光学的に検出され、この検出さ
れる実際のステージ3の状態が所望の状態となるように
フィードバック制御がなされるので、スキャナ1を構成
する圧電体の変位にヒステリシスやクリープ等が生じて
いても、これがステージ3の変位に影響することが防止
され、ステージ3の状態を良好に制御できる。
【0028】具体的には、スキャナ1に4分割の電極を
有する長さ40mmのチューブスキャナを、またレンズ
7に焦点距離が50.2mmのものをそれぞれ用い、か
つレンズ7の焦点位置にポジションディテクタ9が位置
するように調整してシステムを構成し、40Vの電圧で
スキャナ1を駆動したとき、他の変位計と変位角計とを
用いたX方向の変位の測定結果の比較より、このときの
スキャナ1のX方向の変位3μmに対してステージ3の
傾きθ=27秒であった。このとき(1)式により、ポ
ジションディテクタ9上のスポットの形成位置のずれ量
dは13μmである。これを基準としてフィードバック
制御を実施したところ、ヒステリシスのないXY操作が
実現できた。このときのスキャナ1のX変位と演算回路
20の出力電圧との関係は、図3に示すような特性とな
る。
【0029】ところが、スキャナ1に印加する電圧を4
0Vよりも大きくし、変位量を増やすと、図4に示すよ
うに演算回路20の出力が飽和し、スキャナ変位と演算
回路出力との関係が非直線的なものになってしまう。こ
れは、スキャナ1が大きく変位したとき、スポットがポ
ジションディテクタ9の4つの受光領域のうちのいずれ
かから外れてしまうためである。すなわち、例えば図5
に示すように、ポジションディテクタ9上のスポット9
aが、4つの受光領域のうちの2つから外れてしまう。
【0030】このようにスキャナ変位と演算回路出力と
の関係が非直線的になってしまうと、変位検出のダイナ
ミックレンジD(スキャナ変位と演算回路出力とが直線
性を保つスキャナ1の最大変位量)が小さく、例えば3
μmしかないことになる。
【0031】そこで本実施例のスキャナシステムでは、
ポジションディテクタ9に対するレンズ7の位置を変化
させることを可能としている。すなわち、モータ13を
回転させると、その回転力がギア14を介してギア12
に伝達され、ギア12が回転する。ギア12が回転する
と、その回転力はカップリング12aを介してレンズホ
ルダ10に伝達される。レンズホルダ10は、外側面に
形成されたねじ山10aが固定台2の内側面に形成され
たねじ山2bに係合しているので、回転することによ
り、その回転方向に応じて図の上下方向に移動する。従
って、レンズホルダ10に支持されたレンズ7も、その
光軸方向に沿って移動し、ポジションディテクタ9に対
する位置が変化する。
【0032】このようにしてポジションディテクタ9に
対するレンズ7の位置を変化させることにより、ポジシ
ョンディテクタ9上のスポット9aの大きさを、例えば
図6に示すように変化させることができる。すなわち、
レンズ7とポジションディテクタ9との距離を小さくす
るほど、ポジションディテクタ9上のスポット9aの大
きさを大きくすることができる。そしてポジションディ
テクタ9上のスポット9aの大きさを大きくすることに
より、スポット9aがポジションディテクタ9の受光領
域のいずれかから外れるまでの変位量が大きくなる。
【0033】さて、レンズ7とポジションディテクタ9
との間の距離LとダイナミックレンジDとの関係を実験
的に求めた結果、図7に示す特性となった。この図から
分かるように、距離Lをわずかに小さくすることによ
り、ダイナミックレンジDは飛躍的に増大する。このと
きのスキャナ変位と演算回路出力との関係が図3のよう
な直線性を持つことが、実験により確認された。
【0034】かくして本実施例によれば、モータ13を
回転させて、レンズ7とポジションディテクタ9との間
の距離Lを小さくすることによって、容易にダイナミッ
クレンジを拡大することができ、これにより前述した制
御によってステージ3の状態を良好に制御できる走査範
囲を広くすることができる。つまり、スキャナ1の交換
を行って走査範囲が変化した場合などにおいて、その走
査範囲がダイナミックレンジ内に収まるようにレンズ7
の位置を調整することにより、様々な種類のスキャナ1
に良好に対応することが可能となる。
【0035】ただし、ポジションディテクタ9上のスポ
ット9aの大きさを大きくすると、ポジションディテク
タ9において単位面積当りの受光量が低下し、変位検出
の分解能の低下を招く。このため、ダイナミックレンジ
の増加は、必要最小限に止めることが望ましい。すなわ
ち、狭い走査範囲でスキャナ1を走査させれば良い場合
には、レンズ7の焦点位置にポジションディテクタ9が
位置するようにレンズ7の位置を調整し、スキャナ1の
XY変位を高分解能で検出できるようにシステムを設定
することが望ましい。
【0036】なお、走査型プローブ顕微鏡においては、
ステージ3はz方向(図1における上下方向)にも変位
させるが、本実施例では鏡4に平行光を入射しているこ
とにより、ポジションディテクタ9がレンズ7の焦点位
置にあれば、(1)式から分かるように、z方向の動き
に影響されること無くx方向およびY方向についてのみ
の変位を検出することができる。また、ダイナミックレ
ンジを拡大すべくポジションディテクタ9をレンズ7の
焦点位置からずらした場合であっても、z方向の5μm
の変位にともなうxy変位検出信号の変動は、計算上、
0.01%以下なので、十分無視できる。
【0037】また本実施例によれば、ステージ3の変位
を光学的に検出しているので、スキャナ1の駆動電圧な
どに起因するノイズ混入がなく、安定的な検出が行え
る。磁気センサや容量センサを用いた場合には、かなり
の高電圧であるスキャナ1の駆動電圧などの影響による
ノイズの混入が懸念される。
【0038】また本実施例では、ステージ3の変位の検
出のために光の干渉を利用していない。光干渉を利用す
る場合、一波長あるいは半波長を越えるような変位に対
しては、正弦波様に変化するセンサ光強度の山の数を数
えることになるが、インクリメント方式であるためにス
キャナ1の変位が急速である場合にカウントミスなどが
避けられず、誤差の原因になるが、本実施例ではこれを
回避することができる。
【0039】なお本発明は上記実施例に限定されるもの
ではない。例えばポジションディテクタ9に対するレン
ズ7の位置を変化させるための機構は上記実施例に挙げ
たものには限定されない。
【0040】また上記実施例では、レンズ7をモータ1
3の回転力を使用して移動させるものとなっているが、
例えば手動によるなど動力源は任意であって良い。また
上記実施例では、ポジションディテクタ9とレンズ7と
の相対的な位置を変化させるためにレンズ7を移動させ
ているが、ポジションディテクタ9を移動させても良い
し、あるいはレンズ7およびポジションディテクタ9の
両方を移動させても良い。
【0041】また上記実施例では、フィードバック制御
を行っているが、例えばSTMやAFMの場合には、演
算回路20からのモニタ信号に合わせて、XY座標を新
たにコンピュータ上におこし、このXY座標上にSTM
信号やAFM信号を再配置するような画像処理を行うこ
とによっても本発明の目的を達成することができる。
【0042】また上記実施例では、光源8に半導体レー
ザ8aを配しているが、LEDなどの他の発光手段を適
用することも可能であり、LEDを適用した場合には干
渉による悪影響が生じることがないので、1/4波長板
5を省略したり、偏光ビームスプリッタ6の代りにハー
フミラーを用いることができ、構成を簡単にすることが
できる。
【0043】上記実施例において、スキャナ1のXY動
作方向と、ポジションディテクタ9のXY方向とは一致
させることが好ましい。両者を一致させない場合、ポジ
ションディテクタ9の出力信号に対して処理を行ってそ
の校正を行うことが必要となる。このほか、本発明の要
旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、ステージに設けられた
例えば鏡などの反射手段と、この反射手段に平行光束を
入射する、例えばレーザダイオードおよびレンズからな
る光源手段と、入射する光スポットの位置を検出する例
えばポジションディテクタなどのスポット検出手段と、
前記反射手段からの反射光を集光し、前記スポット検出
手段に光スポットを形成する例えばレンズなどの集光手
段と、このスポット検出手段により検出された前記スポ
ットの位置に基づいて、前記ステージの移動量を求める
例えば演算回路などの移動量演算手段と、前記スポット
検出手段および前記集光手段の少なくともいずれか一方
を、前記スポット検出手段と前記集光手段との相対的な
位置を変化させるように移動させるための、例えばモー
タおよび2つのギアからなる移動手段とを具備したの
で、圧電体の変位に生じるヒステリシスやクリープ等に
よる影響を除去し、良好な走査を行うことが可能なスキ
ャナシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るスキャナシステムの概
略構成を一部破断して示す図。
【図2】図1中のスキャナ1を変位させた状態を示す
図。
【図3】スキャナ1のX変位が所定範囲以内であるとき
のX変位と演算回路20の出力電圧との関係を示す図。
【図4】スキャナ1のX変位が所定範囲を越える場合も
含めたときのX変位と演算回路20の出力電圧との関係
を示す図。
【図5】通常時におけるポジションディテクタ9へのス
ポットの形成状態を示す図。
【図6】スポットを大きくした場合におけるポジション
ディテクタ9へのスポットの形成状態を示す図。
【図7】レンズ7とポジションディテクタ9との間の距
離LとダイナミックレンジDとの関係を示す図。
【符号の説明】
1…スキャナ 2…固定台 3…ステージ 4…鏡 5…1/4波長板 6…偏光ビームスプリッタ 7…レンズ 8…光源 8a…半導体レーザ 8b…レンズ 9…ポジションディテクタ 10…レンズホルダ 11…LDドライバ 12,14…ギア 13…モータ 15…スキャンコントローラ 15a…非直線性補正手段 16,17…波形発生器 18…スキャナドライバ 19…プリアンプ 20…演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上 喜裕 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−5509(JP,A) 特開 平5−26645(JP,A) 特開 平2−167416(JP,A) 特開 平3−202708(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 - 11/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステージを、所定の第1方向およびこの
    第1方向に交差する第2方向のそれぞれに移動させるチ
    ューブ型ピエゾスキャナシステムにおいて、 前記ステージに設けられた反射手段と、 前記反射手段に平行光束を入射する光源手段と、 光スポットの位置を検出するスポット検出手段と、 前記反射手段からの反射光を集光し、スポット検出手段
    に光スポットを形成する集光手段と、 前記スポット検出手段により検出された前記光スポット
    の位置に基づいて、前記ステージの移動量を求める移動
    量演算手段と、 前記スポット検出手段および前記集光手段の少なくとも
    一方を、前記スポット検出手段と前記集光手段との相対
    的位置を光軸方向に変化させるように移動させて前記ス
    ポット検出手段に形成される光スポットの大きさを可変
    させ、前記ステージの変位検出のダイナミックレンジを
    調整するための移動手段とを具備したことを特徴とする
    スキャナシステム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスキャナシステムを用い
    た走査型顕微鏡。
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