JP3327041B2 - 原子間力顕微鏡 - Google Patents

原子間力顕微鏡

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JP3327041B2 JP08362595A JP8362595A JP3327041B2 JP 3327041 B2 JP3327041 B2 JP 3327041B2 JP 08362595 A JP08362595 A JP 08362595A JP 8362595 A JP8362595 A JP 8362595A JP 3327041 B2 JP3327041 B2 JP 3327041B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】近年、試料表面に探針を近づけて2次元
平面内で走査し、試料と探針との間に作用するトンネル
電流や原子間力などを検出することにより試料表面の微
細構造を観察する走査型プローブ顕微鏡の開発、改良が
盛んに行われている。図11および図12は、走査型プ
ローブ顕微鏡の一つである従来の原子間力顕微鏡の概念
構成図である。探針には、試料面上を走査するチップ1
04とカンチレバー103とから構成されている。ま
た、表面を観察する試料107は、円筒型圧電駆動機構
の自由端側に配置される。この圧電駆動機構について
は、円筒状の圧電素子100でできており、円筒型圧電
素子の内側に図示していないグランドの電極を持ち、外
側に4分割された電極102を持つ構成である。駆動方
法は、外側の対向する電極102に、グランドの電極に
対してそれぞれ正負反対の電圧を印加する。その結果、
円筒状の圧電素子100は横方向にたわむことができ
る。この横方向に撓む現象を利用して、XあるいはY方
向の走査駆動が行われる。また、Z方向の走査駆動は外
側の電極にそれぞれ同電圧のオフセットを印加する。円
筒状の圧電素子100がZ方向に伸縮変位することがで
きる。これらの動作を行うことにより3次元微動駆動が
実現されている。
【0002】一般に、原子間力顕微鏡において用いられ
ている原子間力の検出方法は、光てこ法を用いて検出し
ている。この光てこ法の場合、光源105とカンチレバ
ー103の位置関係および光検出器106とカンチレバ
ー103の位置関係が相対的に不動でなければならな
い。従って、従来のカンチレバーと光てこ法を使った原
子間力顕微鏡における検出系は、固定されており、試料
側を走査することで試料表面の形状を観察していた。
【0003】しかしながら、この試料駆動による走査方
法では、大面積の試料や質量の大きい試料の観察を行う
場合、走査が困難となる。よって、現在ではチップを有
するカンチレバー自体を走査して試料の表面を観察する
原子間力顕微鏡が要求されている。そのカンチレバーを
走査する原子間力顕微鏡の従来技術の一例として、カン
チレバーと光てこ法を用いた原子間力検出系を1つの構
造の中に組み込み、それら全体を走査することによっ
て、光源とカンチレバーの位置関係および光検出器とカ
ンチレバーの位置関係が相対的に保たれている方法であ
る(特開平6−82249号に記載の技術)。
【0004】一方、最近では、原子間力顕微鏡を光学顕
微鏡に搭載し、試料を同時観察することも行われてい
る。その方法として、対物レンズを包み込める大きさを
有した円筒状の圧電駆動素子を利用し、その一端を対物
レンズの鏡筒に固定する。また、他端には透明な板状の
部材を張り付け、その板状の部材にカンチレバーとチッ
ポを有した探針を固定する。この方法では、光学顕微鏡
で原子間力顕微鏡で走査している直上を観察するため
に、円筒型圧電駆動部材の内部に対物レンズを配置して
いる。(特開平2−281103号に記載の技術)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の光てこ法を利用
し、原子間力を検出するた原子間力顕微鏡では、大面積
の試料を測定しようとすると、その試料の質量により、
圧電駆動部材の共振周波数の低下を招き、観察が困難で
あった。また、従来の方法では、光てこ法による原子間
力の検出系全体を走査するため、必然的に走査する部材
が大きな質量を持つことになり、高速な走査は不可能で
あった。
【0006】よって、本発明の目的は、原子間力検出用
の光が、探針走査時でも、常にカンチレバー上に照射す
ることができ、コンパクトで簡単な探針走査駆動装置を
有する原子間力顕微鏡を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、試料面に対し平行な平面において変位
可能な試料面走査用駆動部材と、その試料面走査用駆動
部材の一端に設けられ、先端が尖ったチップが受ける原
子間力に応じて撓み量が変化する片持ち梁と、その片持
ち梁に光を照射するための光源と、試料面走査用駆動部
材に設けられ、前記試料面走査用駆動部材の変位する端
からの距離が、前記試料面走査用駆動部材の変位する部
分の全長に対し2分の1となる位置に反射面を有した反
射部材と、複数に分割された受光面を有し、反射部材に
よって反射された片持ち梁からの反射光を前記受光面で
受光する受光部材とを備えることとした(請求項1記載
の発明)。
【0008】更に、本発明では、反射部材については、
光源からの光を片持ち梁に照射し、かつ片持ち梁の反射
光を受光部材に照射することが好ましい(請求項2記載
の発明)。
【0009】
【0010】また、反射部材によって反射された前記光
源からの光を前記片持ち梁に照射し、かつ前記片持ち梁
からの反射光を反射部材に照射する照射部材を試料面走
査用駆動部材の一端に設けることが好ましい(請求項3
記載の発明)。
【0011】また、本発明では、試料面走査用駆動部材
には、チューブ型圧電駆動部材からなることとした(請
求項4記載の発明)。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【作用】本発明によれば、光てこ法による原子間力の検
出は、カンチレバーの撓み量に応じ、反射光の光軸変化
を検出している。よって、この方法でカンチレバーの撓
み量を正確に検出するための必要条件は次の2点であ
る。 カンチレバーへの入射光の光軸が変わらない。
【0016】カンチレバーの撓み量が一定である場
合、反射光を受光する光検出器の受光位置が変わらな
い。 本発明者は、この2点に着目し、各方向における駆動部
材が駆動することによって、カンチレバーとチップの構
成を有した探針が移動してもカンチレバーへの入射光の
光軸が変化せず、かつ、カンチレバーの撓み量が一定で
ある場合、反射光の光軸に対して、反射光を受光する光
検出器の受光位置が変わらない光学系を発明した。
【0017】また、本発明では、カンチレバーの付近に
光学顕微鏡を配置出来るようにするため、光源と受光部
材とを駆動部材上に配置しない構成を採った。そこで、
本発明では、試料面と平行な平面において変位し探針を
試料面に対し平行に移動させることができる駆動部材上
に、光源からの光をカンチレバーに照射するための反射
部材を設けることによって、光源からの光の光軸が、常
に一定の関係を持つようにした。この関係を保つため、
駆動部材が変位したとしても、常にカンチレバーに照射
できる様にするため、駆動部材が変位する部分の中心
(駆動部材が変位する全長と、駆動部材の端から反射部
材までの距離との比が2:1となるような位置)に反射
面が有るようにした。この様にすることで、例え駆動部
材が変位しても、反射部材によって反射された光源から
の光軸は、カンチレバーが固定された端において、カン
チレバーに対する入射光軸は、常に一定になる。
【0018】また、カンチレバーの撓み量の変化は、あ
まり大きくないので、カンチレバーによって反射された
反射光を試料面走査用駆動部材に取り付けられた反射部
材で反射させ、受光部材に照射するようにしても構わな
い。この様にすることで、光源と受光部材とを近くにま
とめて配置できる。(この部分を削除:ところで、光源
からの光の光軸とカンチレバーからの反射光の光軸とが
ほとんど平行であるので、光源と受光部材とを配置する
ことが出来ないという場合には、光源からの光とカンチ
レバーからの反射光とを分割する分割部材とを反射部材
と光源との間に配置することでこの問題を解消すること
が出来る。)
【0019】
【0020】また、反射部材によって反射された光源か
らの光をカンチレバーに直接照射出来ないような場合
は、カンチチレバーを固定した試料面走査用駆動部材の
一端に反射部材によって反射された光源からの光をカン
チレバーに照射する照射部材を設けることが好ましい。
この照射部材は、試料面走査用駆動部材の一端に固定さ
れているので、試料面走査用駆動部材が撓むなどして変
位しても、反射部材からの反射光の光軸に対しては常に
同じ角度の反射面を有することになる。よって、常にカ
ンチレバーに光源からの光を照射することが出来る。以
下に、実施例でもって、本発明を更に詳しく説明する
が、本発明はこれに限られるものではない。
【0021】
【0022】
【0023】
【実施例】
(実施例1)図1は、本発明にかかる実施例1に係る原
子間力顕微鏡を示した構成斜視図である。この原子間力
顕微鏡には、駆動部材として、2枚の圧電体を貼り合わ
し、それぞれの圧電体の一番面の広い面とその面に対向
する面の両面に電極を設けたバイモルフ型圧電駆動部材
1を用いた。このバイモルフ型圧電駆動部材1は、その
一端を支持基板6に固定されている。このバイモルフ型
圧電駆動部材1は、それぞれの圧電体に同方向の電圧を
印加した場合には、それぞれの圧電体が試料14の面と
平行な軸であるX軸に平行で同じ方向に伸縮する。
【0024】また、それぞれの圧電体に異方向の電圧を
印加した場合には、一方の圧電体がX軸に平行に収縮
し、他方の圧電体がX軸に平行に伸長することで、バイ
モルフ型圧電駆動部材1自体が撓む。この様にして、他
端がX軸とは異なるY軸と平行な方向に振ることができ
る圧電駆動部材である。このバイモルフ型圧電駆動部材
1を用いて試料面と平行なXY平面において探針を駆動
することを可能としている。
【0025】更にこの原子間力顕微鏡には、バイモルフ
型圧電駆動部材1の全長に対する中間の位置に、第2の
反射部材10を設けた。そして、バイモルフ型圧電駆動
部材1の他端には、Z方向用圧電駆動部材2を設けた。
このZ方向用圧電駆動部材2は、試料面と垂直な方向に
複数の圧電体を積層した構成を有している。このZ方向
用圧電駆動部材2を伸縮させることによって、Z軸と平
行な方向に駆動することが出来る。また、更にバイモル
フ型圧電駆動部材1の他端には、第3の反射部材を設け
た。
【0026】また、Z方向用圧電駆動部材2の試料面側
の他端には、カンチレバー31とチップ32とを有した
探針3とを固定している。ところで、支持基板4は、試
料14と探針3との位置調整を行うためのマイクロメー
ター13を3カ所に設けた。更に支持基板4には、レー
ザー光源5、コリーメートレンズ6、偏光ビームスプリ
ッター7、λ/4板8及び4分割ポジションセンサーフ
ォトダイオード12とが設けられている。このレーザー
光源5は、カンチレバー31の撓み量を検出するための
光源であり、実施例1では半導体レーザーを用いた。ま
た、4分割ポジションセンサーフォトダイオードは、受
光面を十字に分割して4つの受光面を有したフォトダイ
オードである。これは、カンチレバーの撓み量を検出す
るためのもので、カンチレバーの撓みの変化による受光
面上の光スポットの移動量を検出する。コリーメートレ
ンズ6については、焦点がカンチレバー31上で結ぶ様
な光学系である。
【0027】これらレーザー光源5、コリーメートレン
ズ6、偏光ビームスプリッター7、λ/4板8及び4分
割ポジションセンサーフォトダイオード12は、それぞ
れ支持基板17に位置調整できるよう固定されている。
また、実施例1での原子間力顕微鏡は、先に説明した第
2の反射部材10及び第3の反射部材11の他に第1の
反射部材9とを有している。第1の反射部材9は、バイ
モルフ型圧電駆動部材1の長手方向での中間の位置より
Z方向用圧電駆動部材2側で、かつ、バイモルフ型圧電
駆動部材の直上の支持基板4に固定されている。
【0028】これらの反射部材は、レーザー光源5から
の光をカンチレバー31へ入射し、カンチレバー31の
反射光を4分割ポジションセンサーフォトダイオード1
2へ入射させるためのものである。具体的には、レーザ
ー光源5からの光を第1の反射部材9により、第2の反
射部材10へ反射させる。更に第2の反射部材10に入
射した光は、第2の反射部材によって第3の反射部材1
1へ反射させる。また更に第3の反射部材に入射した光
は、カンチレバー32へ入射する。カンチレバー32か
らの反射光は、逆の経路を辿って、4分割ポジションセ
ンサーフォトダイオード12に入射される。
【0029】次に、実施例1における原子間力顕微鏡の
カンチレバーの撓み量測定について説明する。レーザー
光源5の光は偏光しているため、あらかじめ偏光面と偏
光ビームスプリッター7により反射される様に調整して
おくことにより、偏光ビームスプリッター7で反射す
る。その反射した光はλ/4板8により円偏光となる。
円偏光となった光は、第1の反射部材9、第2の反射部
材10、第3の反射部材11を反射してゆきカンチレバ
ー31に入射する。カンチレバー31に入射した光は、
カンチレバー31の撓み量に応じて光軸が変わって反射
する。カンチレバー31によって反射された光は、第3
の反射部材11、第2の反射部材10、第1の反射部材
9を経て再びλ/4板8に入射する。ここでカンチレバ
ー31からの反射光は、レーザー光源5からの入射光に
対し、偏光面が直交した偏光面を持つことになる。そし
て、偏光ビームスプリッター7を透過して4分割ポジシ
ョンセンサーフォトダイオード12に入射し、光スポッ
トが発生する。この時、光スポットの位置を4分割ポジ
ションセンサーフォトダイオード12のそれぞれの受光
面から得られる電流をデーターとして取り上げて、カン
チレバー31の撓み量を算出する。
【0030】カンチレバー31の撓み量の算出について
具体的に図4を用いて説明する。カンチレバー31の撓
み量が変化すると、カンチレバー31を反射したレーザ
ー光の光軸が変化する。この反射光の光軸の変化は、4
分割ポジションセンサー12における光のスポットの位
置の変化として表れる。この光のスポットの位置の変化
は、4分割ポジションセンサーフォトダイオード12の
それぞれの受光面から得られる電流の相違によって検出
される。それぞれ4つの受光面から得られる電流をI/
V変換機41a、41bで、それぞれの電流に対応する
電圧に変換する。I/V変換機で変換された電圧は、差
動増幅器42に入力される。そこで、それぞれの電圧の
差を算出し、CPU43に入力する。CPU43では、
それぞれの電圧の差から、カンチレバー31の撓み量の
変化を算出する。次に、CPU43では、カンチレバー
31が一定の撓み量になるようZ方向用圧電駆動部材2
を変位させるようピエゾ駆動回路44へZ方向用圧電駆
動部材2を変位させる信号を出力する。また、ピエゾ駆
動回路44からそれぞれの圧電駆動部材の伸縮量は、C
PU43に入力される。CPU43では、それぞれの圧
電駆動部材の伸縮量から、それぞれの試料面の位置にお
ける凹凸の大きさを算出し、そのデーターをメモリー4
5に出力する。そして、このメモリー45から、一括し
て位置のデーターとその位置における凹凸の情報を表示
装置46に出力する。そして、表示装置46では、3次
元的に試料表面の像を表示する。
【0031】ところで、バイモルフ型圧電駆動部材1を
駆動させた場合に各反射部材がどの様な働きをするかを
説明する。バイモルフ型圧電駆動部材1を撓ませること
によって駆動させ、探針3を移動させた時を説明する。
図2は、バイモルフ型圧電駆動部材1を動作させた時の
状態を模式的に表した図である。(a)はバイモルフ型
圧電駆動部材1を撓ませた時を模式的に表した図であ
る。(b)はバイモルフ型圧電駆動部材1が撓んだとき
の曲率半径をR1 とし、その曲率半径R1 の中心をO1
とし、第2の反射部材10とその反射部材に入射される
光軸とその反射部材によって反射された光軸との関係を
示した図である。図2では、第2の反射部材10の位置
をM1 とし、バイモルフ型圧電駆動部材1の支持基板4
に固定された固定端と第2の反射部材10までの距離を
1 とし、バイモルフ型圧電駆動部材1の他端をB1
した。
【0032】バイモルフ型圧電駆動部材1の曲率半径R
1 の時のA111 の角度を2θ1とすると、このと
き、第2の反射部材10の反射面の角度変化は、図2
(b)で示されたM1 とO1 を結ぶ線とA1 とO1 を結
ぶ線との角度と同じになる。よって、第2の反射部材1
0は、θ1 傾くことになる。第2の反射部材10がθ1
傾くと第2の反射部材の入射光の光軸と反射光の光軸の
なす角度は、2θ1 となり、反射された光の光軸は、曲
率半径R1 で撓んでいるバイモルフ型圧電駆動部材1の
他端における接線と同じになる。
【0033】つまり、バイモルフ型圧電駆動部材1の撓
みがどのくらいになっても第2の反射部材10からの反
射光の光軸は、バイモルフ型圧電駆動部材1の他端にお
ける接線と平行になりバイモルフ型圧電駆動部材1が撓
んでも、第2の反射部材10からの反射光は、バイモル
フ型圧伝駆動部材1の延長上に設けられた第3の反射部
材11の同じところに入射することができるということ
である。
【0034】ところで、バイモルフ型圧電駆動部材1を
長手方向(X軸と平行な方向)に駆動した場合は、第2
の反射部材からの反射光の光軸とバイモルフ型圧電駆動
部材1の軸とは、平行であるのでバイモルフ型圧電駆動
部材1に固定された第3の反射部材11には、必ず第2
の反射部材からの反射光が照射される。ところで、第2
の反射部材10と第3の反射部材11だけでは、レーザ
ー光源5を支持基板4に固定してカンチレバー31に光
を照射する事が出来ないので、実施例1では、更にバイ
モルフ型圧電駆動部材1の直上に設けた第1の反射部材
9を設けている。そこで実施例1では、この第1の反射
部材9を使い、光をX軸に対しほぼ平行になるように第
2の反射部材10に入射させている。そのことについ
て、次に説明する。
【0035】第2の反射部材10が、バイモルフ型圧電
駆動部材1が撓むことによって、XY平面上においてθ
の角度変化したときの状態を模式的に図3に示した。図
3の(a)は、第2の反射部材の反射面の法線上から見
たときの模式図である。図3の(b)は、XY平面の法
線上から見たときの模式図である。図3の(c)は斜視
したときの模式図である。ところで、Oは第2の反射部
材の受光位置である。O’はXY平面に対する法線上の
点であり、Oから発した法線上である。BOはXY平面
における入射光軸を示しており、DOはXY平面上にお
ける第2の反射部材の反射面からの法線を示している。
また、OCは第2の反射部材によって反射された反射光
軸を示している。AOは第1の反射部材9によって反射
された光が第2の反射部材10に入射する光軸を示して
おり、EFOで形成される面は、第2の反射部材の反射
面に対して、垂直な面を示している。点O’、A、B、
C、D、E、Fは、それぞれOから等しい距離にある。
説明上ここでの説明では、これらの各点とOからの距離
を1とする。
【0036】バイモルフ型圧電駆動部材1が駆動したこ
とにより、第2の反射部材10がθ角度変化したとき、
第2の反射部材10の反射面の法線がEOからFOにな
る。これに従い、第2の反射部材10を反射した反射光
の光軸が、BO方向からOC方向になる。ところで、O
CとDOとが成す角度をθ’とすると、θ’はθより小
さくなる。その理由は図3(a)を用いて説明する。入
射する光の光軸AOと第2の反射部材の反射面の法線F
Oのなす角度と、反射した光の光軸OCと法線FOとの
なす角度とは等しい。この入射光軸AOと反射光軸OC
とをそれぞれXY平面上に写影投射したときのそれぞれ
のDOに対する角度は異なってしまう。このことからθ
に比べθ’は小さくなる。
【0037】次にθ’の角度をθで表してみる。ところ
で第1の反射部材9によって反射された光が、第2の反
射部材10への入射する光軸とXY平面との角度をα、
入射光軸と弧O’Bとの交点をAとし、点Aと軸OO’
との距離dとすると式(1)の様に表すことが出来る。 d=cosα ・・・(1) 点AをXY平面に写影投射し、そのときの線DOと点
A、及び線DOと点Cとの距離をhとすると、式(2)
の様に表すことが出来る。
【0038】 h=sinθ’=d×sinθ ・・・(2) 次に式(1)を式(2)に代入すると式(3)の様にな
る。 sinθ’=cosα×sinθ ・・・(3) ところで、バイモルフ型圧電駆動部材1の中点における
角度変化は、非常に小さいのでsinθ=θ、sin
θ’=θ’と置き換えると、 θ’=θ×cosα ・・・(4) となる。第1の反射部材9の位置と試料面からの距離
と、第2の反射部材10の位置と試料面からの距離と
は、第1の反射部材9へ入射させる光軸を第2の反射部
材10へ近づけることで近づけることが出来るので、α
を10度程度とすることができる。ここでαを10度と
代入すると、式(5)の様に表すことが出来る。
【0039】θ’=0.98θ ・・・(5) この式(5)からわかるように第2の反射部材における
入射光軸と反射光軸のXY平面への写影投射したときの
角度は、1.97θとなりほぼ2θに近似した角度とな
る。よって、第1の反射部材9からの反射光を第2の反
射部材10へ照射し、第2の反射部材10からの反射光
を第3の反射部材11へ照射するときに、バイモルフ型
圧電駆動部材1が撓んで変位した場合に、微妙な光軸の
ズレが起きるが、至って微小な誤差のためカンチレバー
の撓み量を検出には、影響が少ない。
【0040】その影響を減らしたい場合には、光軸のズ
レはバイモルフ型圧電駆動部材1の撓み量に比例して、
光軸のズレの大きさが決まるため、ピエゾ駆動回路44
からバイモルフ型圧電駆動部材1の撓み量に関する信号
をCPU43に入力し、その信号をもとにしてCPU4
3でカンチレバーの撓み量に関するデーターに補正をす
ればよい。
【0041】以上のとおり説明をした実施例1の原子間
力顕微鏡は、探針3の近傍には第3の反射部材11しか
ないため、光学顕微鏡の対物レンズ51を図5の様に配
置できる。この様にすることで、狭い範囲で微小な試料
表面を実施例1の原子間力顕微鏡で観察しながら、広範
囲を光学顕微鏡で同時に観察することができ、原子間力
顕微鏡で観察した対象を光学顕微鏡で見ながら、使用者
がすばやく原子間力顕微鏡の探針3を所定の位置に移動
させることが出来る。
【0042】(実施例2)本発明に係る実施例2を図6
に示す。この原子間力顕微鏡は、実施例1のバイモルフ
型圧電駆動部材1及びZ方向用圧電駆動部材2の代わり
にチューブ型圧電駆動部材61を設けた。また、支持基
板4の代わりに支持基板63、64とを設けた。この支
持基板63には、実施例1と同じレーザー光源5、コリ
ーメーターレンズ6、偏光ビームスプリッター7、λ/
4板8が設けられている。また、更にチューブ型圧電駆
動部材61が固定されている。そして、レーザー光源5
からの光を第1の反射部材9に照射する第4の反射部材
62を有している。この第4の反射部材62は、レーザ
ー光源5からの光を第1の反射部材9に照射させるだけ
のものであるので、レーザー光源5からの光を直接、第
1の反射部材9に照射できるように配置すれば、設けな
くとも構わない。
【0043】また、支持基板64と支持基板63とは、
脱着可能になっている。そのほか実施例1と同じ符号を
付した部材は、実施例1と同じ部材であるので説明を省
略する。ところで、このチューブ型圧電駆動部材61
は、円筒上の圧電体に、内側全面に電極を設け、更に外
側に複数の電極を設けたものであり、内側に設けた電極
と外側に設けた電極とに電圧を印加し、内側に対して外
側に設けられたそれぞれの電極に任意の電圧を印加する
ことで任意の位置に探針3を移動させることが出来る。
試料面に対し平行に探針3を移動させる場合、このチュ
ーブ型圧電駆動部材61をバイモルフ型圧電駆動部材1
と同様に撓みを生じさせて探針3を移動させるので、実
施例1と同じ方法でレーザー光源5からの光をカンチレ
バー31に照射することが出来る。
【0044】この実施例2では、レーザー光源5からの
光は、偏光ビームスプリッター7、λ/4板を経て、第
4の反射部材62に反射されて、第1の反射部材9に入
射する。そこで、第1の反射部材9を反射した光は、チ
ューブ型圧電駆動部材61が駆動すると反射面の角度が
変化する第2の反射部材10に照射し、反射されてカン
チレバー31に照射される。そして、カンチレバー31
を反射した反射光は、再び第2の反射部材10に到達し
て、第1の反射部材9へ反射される。そして、第1の反
射部材9、第4の反射部材62、λ/4板8を経て、偏
光ビームスプリッター7を透過し4分割ポジションセン
サーフォトダイオード12に到達する。このとき、カン
チレバー31の撓み量が変化していれば、4分割ポジシ
ョンセンサーフォトダイオード12上の光スポットの位
置が変化し、そのときの4分割ポジションセンサーフォ
トダイオード12のそれぞれの受光面からの電流を検出
してカンチレバーの撓み量を検出することが出来る。こ
の様に実施例2で挙げたチューブ型圧電駆動部材61よ
うな一つの圧電駆動部材で3次元的に駆動できる部材を
用いれば、第3の反射部材を設けることなくカンチレバ
ー31に光源からの光を照射することが出来、かつ反射
光を4分割ポジションセンサーフォトダイオード12ま
で導くことが出来る。 (実施例3)次に本発明に係る実施例3の原子間力顕微
鏡について説明する。
【0045】図7に示したものは、実施例3の原子間力
顕微鏡の斜視構成図である。実施例3では、実施例1で
のバイモルフ型圧電駆動部材1の代わりに一端が支持基
板4に固定されていて、試料面と平行な平面におけるX
方向に伸縮可能なX方向用圧電駆動部材71と、両端に
ヒンジ74a、74bを設け、X方向とは垂直な方向で
試料面と平行に伸縮可能なY方向用圧電駆動部材72と
を設けた。そして、ヒンジ74bは、屈曲しないブロッ
ク部分を有している。このX方向用圧電駆動部材71の
他端はヒンジ74bのブロック部分に固定されていて、
Y方向用圧電駆動部材72が伸縮すると、X方向用圧電
駆動部材が撓む様になっている。また、X方向用圧電駆
動部材71が伸縮したときは、ヒンジ74a、ヒンジ7
4bが屈曲することで、Y方向用圧電駆動部材72は屈
曲しないようになっている。
【0046】ところで、ヒンジ74bのブロック部分に
は、試料面に対し垂直に伸縮することが出来るZ方向用
圧電駆動部材73を設けている。また、Z方向用圧電駆
動部材73の試料面側の一端には、探針3が設けられて
いる。これらX方向用圧電駆動部材71とY方向用圧電
駆動部材72とZ方向用圧電駆動部材73とで、探針3
を任意の位置に移動させることが出来る。
【0047】そして、X方向用圧電駆動部材71の長手
方向の中間位置には、第2の反射部材10が設けられて
おり、また、第3の反射部材11は、ヒンジ74bのブ
ロック部分に設けられている。そして、第1の反射部材
9は、実施例1と同様なころに取り付けられている。と
ころで、レーザー光源5からカンチレバー31に光が入
射する経路およびカンチレバー31の反射光が4分割ポ
ジションセンサーフォトダイオード12に反射光が入射
する経路は、実施例1と同じである。よってここでの説
明は省略する。また、実施例1と同一な符号を付された
部材は、実施例1と同じものなので説明を省略する。
【0048】ところで、実施例3におけるX方向用圧電
駆動部材71に発生する撓み方は、自由端に集中荷重す
る片持ち梁の撓み方である。よって、図8を参考にして
説明すると、片持ち梁の長さをk、自由端に作用する集
中荷重をP、自由端からの距離xにおける、梁の傾きを
νとすると式(6)として表される。
【0049】
【数1】
【0050】次に梁の自由端の傾きと梁の中心の傾きと
を比較するため、式(6)にx=0とx=1/2を代入
し、比率を算出すると、梁の自由端の傾き:梁の中心の
傾き=4:3となる。このことから、X方向用圧電駆動
部材71の中央に設けられた第2の反射部材の角度変化
が実施例1の第2の反射部材の起こす角度変化に比べて
大きくなることがわかる。そこで、式(4)から、第2
の反射部材に入射するXY平面との角度αを調整するこ
とで第2の反射部材10で反射される角度θ’を小さく
させる。実施例3でも、実施例1、2と同様に第2の反
射部材16によって反射された光の角度を自由端の振れ
た角度の1/2にしなければならない。そのようにする
ため、第2の反射部材10にによって反射される光の角
度θ’を(2/3)θにすればよいので、式(3)よ
り、α=48.2度の角度にすればよい。この様にし
て、第2の反射部材に入射する角度を48.2度になる
ように第1の反射部材の位置および角度を調整すること
によって探針を走査中でも常にカンチレバーに光が照射
されるようになる。
【0051】(実施例4)図9に示した図は、本発明に
係る実施例4の原子間力顕微鏡についての斜視構成図で
ある。実施例1で挙げられた符号と同じ符号のものは、
実施例1と同じものなので、ここでの説明は省略する。
【0052】実施例4では、実施例1でのバイモルフ型
圧電駆動部材1の代わりに、X方向に複数の圧電体を積
層し、X方向にのみ伸縮可能なX方向用圧電駆動部材9
1と、Y方向に複数の圧電体を積層し、Y方向にのみ伸
縮可能なY方向用圧電駆動部材92とを設けた。X方向
用圧電駆動部材91は、一端がヒンジ94aを介して支
持基板4に固定されている。そして、X方向用圧電駆動
部材91の他端には、ブロック96が固定されている。
また、Y方向用圧電駆動部材92は、一端がヒンジ94
bを介して支持基板4に固定されており、他端がヒンジ
94cを介してブロック96に固定されている。この様
にX方向用圧電駆動部材91とY方向用圧電駆動部材9
2とはヒンジ94cとブロック96とを介して互いに直
角に取り付けられている。
【0053】ところで、ヒンジ94a、94b、94c
は、X方向とY方向とを含むXY平面に対して屈曲可能
な部材であり、X方向用圧電駆動部材91またはY方向
用圧電駆動部材92が駆動して変位することで、これら
のヒンジ94が屈曲する。よって、実施例4ではX方向
用圧電駆動部材91及びY方向用圧電駆動部材92が変
位しても、撓むことが無い。この様にすることでX方向
用圧電駆動部材91及びY方向用圧電駆動部材92に応
力が掛からなくなるため、各圧電駆動部材が割れるとい
った問題が解消されるようになった。
【0054】ところで、ブロック96には、支持体で支
持された反射面を有した第3の反射部材11が固定され
ている。また、ブロック96には、試料面に対して垂直
な方向に伸縮可能なZ方向用圧電駆動部材93が取り付
けられている。また、このZ方向用圧電駆動部材93の
試料面側の一端には探針3が設けられている。また、X
方向用圧電駆動部材91には、レーザー光源5から発し
第1の反射部材9によって反射された光を第3の反射部
材11へ反射するための部材である第2の反射部材95
を設けている。この第2の反射部材95は、ヒンジ94
aの屈曲する中心から第2の反射部材95までの距離
と、第2の反射部材95から第3の反射部材11を経て
カンチレバー31までの距離とが同じになる位置に反射
面を有するよう固定しており、この位置でレーザー光か
らの光を反射している。
【0055】実施例4におけるカンチレバー撓み量の検
出方法は、実施例1と同じなので省略する。次に、Y方
向用圧電駆動部材92が駆動した場合、レーザー光源5
から発した光がカンチレバー31に照射することについ
て説明する。図10は、Y方向用圧電駆動部材92が駆
動して変位したとき、X方向用圧電駆動部材91がヒン
ジ94aを中心に傾いた角度を表した図である。
【0056】まず、Y方向用圧電駆動部材92が駆動し
ていないときは、第2の反射部材95への入射光の光軸
と反射光の光軸は一緒である。次にY方向用駆動部材9
2が駆動したときは、第2の反射部材への入射光の光軸
と反射光の光軸は異なる。この様子を図10(a)に示
す。次に図10(b)では、X方向用圧電駆動部材91
が傾いたときの軸をO22で表せる。ところで、O2
ヒンジ94aの屈曲する中心である。また、A2 は、Y
方向用圧電駆動部材92が駆動したときの第2の反射部
材95がレーザー光源からの光を受光する位置である。
2 は、Y方向用圧電駆動部材92が駆動した場合の第
2の反射部材95から第3の反射部材11までの距離
と、第3の反射部材11からカンチレバー31までの距
離を合わせた距離を直線的に示した場合の位置である。
2 は、Y方向用圧電駆動部材92が変位していないと
きに、第2の反射部材95がレーザー光源5からの光を
受光する位置である。L2 は、ヒンジ94aの屈曲する
中心O2 からC2 までの距離である。
【0057】Y方向用圧電駆動部材92が駆動したとき
に、X方向用圧電駆動部材91は、O2 を中心にθ2
くとする。この時の第2の反射部材95の反射面は、入
射した光軸に対してA22の線と同じ傾きを持つ。第2
の反射部材95もθ2 傾くことになる。この時の第2の
反射部材95への入射光と反射光の光軸の関係は、2θ
2 となる。よって、第2の反射部材95によって反射さ
れた光は、B2 に到達する。その証明は、次の通りであ
る。
【0058】三角形O222 と三角形B222 とに
着眼して、 角O222 と角B222 はそれぞれ同じであ
り、かつ直角である。 O22との距離とC22との距離同じである。 また、三角形O222 のA22と三角形B22
2 のA22とは、共通である。
【0059】以上の、、から、三角形O222
と三角形B222 は合同である。そして、三角形O2
22 と三角形B222 は線A22に対し線対称で
ある。ここで、レーザー光が第2の反射部材95の反射
面A22により反射されなければ、レーザー光はO2
達する。そのO2 に達するレーザー光が、反射面A22
により反射されたなら、O2 の線A22に対し線対称な
点B2 に反射されるのである。よって、Y方向用圧電駆
動部材92の変位量がどのくらいでも、第3の反射部材
11に第2の反射部材95からの反射光を照射すること
が出来る。
【0060】ところで、X方向用圧電駆動部材91を駆
動した場合については、駆動量が圧電駆動部材91に比
べ十分に小さいので、第2の反射部材95は、常にヒン
ジ94aの屈曲する中心からカンチレバー31までの距
離のほぼ中央に位置するため、レーザー光源からの光を
カンチレバー31に照射することができる。ところで、
実施例4においても、実施例1と同様に第1の反射部材
9から第2の反射部材95へレーザー光源5からの光を
反射する際、図10に示すようにX方向用圧電駆動部材
91の伸縮方向に必ずしも平行に入射しない。しかしな
がら、実施例1で図3で用いて説明したとおり、X方向
用圧電駆動部材91の軸とは、ほとんど誤差の範囲内で
入射するので問題ない。しかし、この誤差が問題になる
ような場合は、実施例1と同様な方法で誤差を修正でき
る。
【0061】ところで、以上に挙げた実施例について、
第3の反射部材から反射された光の光軸をカンチレバー
の反射面に対して垂直になるよう、第3の反射部材の反
射面を取り付ければ、カンチレバー31が撓んで変化す
る4分割ポジションセンサーフォトダイオード12上の
反射光の変化が大きくなり、測定検出感度が高く取れる
ことが出来る。
【0062】ところで、この様に以上に挙げた実施例
1、3、4における原子間力顕微鏡は、圧電駆動部材に
よって支持する原子間力を検出するための部材が、2つ
の反射部材だけであるので、走査する質量を比較的小さ
くすることができ、探針3をX方向及びY方向のどちら
の方向に対して、高速に走査することが出来る。また、
走査させる質量が小さくなったため、共振周波数を高く
することが出来る。この様に共振周波数を高く出来るこ
とで、振動に対する影響が少なくなり、探針3を走査し
ても分解能を高くすることが出来る。
【0063】また、カンチレバー31へ入射する光およ
びカンチレバー31から反射された光は、同じ経路を辿
るため、λ/4板8や偏光ビームスプリッター7を第1
の反射部材9とレーザー光源5との間に挿入すること
で、レーザー光源5と4分割ポジションセンサーフォト
ダイオード12とを近くに配置することができら。よっ
て、以上に挙げた実施例における原子間力顕微鏡は、従
来のものに比べコンパンクトになった。
【0064】また、以上に挙げた実施例における原子間
力顕微鏡では、探針3の上にレーザー光源や4分割ポジ
ションセンサーフォトダイオードを設けていないため、
光学顕微鏡の対物レンズを探針の直上、直下及び真横に
配置することが出来る。従来の原子間力顕微鏡と比較し
て、以上に挙げた実施例では、探針上にレーザー光源や
4分割ポジションセンサーフォトダイオードを配置する
ことを避けることが出来るため、薄型に出来る。よっ
て、光学顕微鏡にこの原子間力顕微鏡を搭載する際に
は、光学顕微鏡の設計変更や改造が不要であり、既存の
光学顕微鏡の機能を最大限に活用しながら、原子間力顕
微鏡との同時観察を行うことを可能とした。また、原子
間力顕微鏡を狭い範囲内で観察し、同時に広い範囲内を
光学顕微鏡で観察することができるため、顕微鏡として
の利用価値が格段に向上することができる。
【0065】ところで、以上に挙げた実施例での第1の
反射部材、第2の反射部材および第3の反射部材は、鏡
でもまたはプリズムでも良い。レーザー光の光軸を変え
られるものであればいっこうに構わない。また、カンチ
レバーからの反射光が十分強いものであれば、λ/4板
と偏光ビームスプリッターの変わりに、ハーフミラーを
用いることでも構わない。
【0066】
【発明の効果】本発明では、試料面と平行な平面におい
て変位可能な試料面走査用駆動部材に反射部材を設け、
その設ける位置を試料面走査用駆動部材の変位する部分
の全長に対し、反射部材から試料面走査用駆動部材の変
位する端からの距離が2分の1となる位置に固定するこ
とで、片持ち梁の直上または直下に光源や受光部材を設
けずに片持ち梁の変位量を検出することが出来、かつ、
非常にコンパクトな原子間力顕微鏡が得られるようにな
った。
【0067】更に、従来の原子間力顕微鏡に比べ、空間
スペースが少ない割には、カンチレバーから受光部材ま
での光路の長さが長いので、その長さに比例して、受光
部材における光スポットの位置の変化量も大きくなるよ
って、カンチレバーの撓み量の検出感度も非常に良くな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】:本発明に係る実施例1の原子間力顕微鏡の斜
視構成図である。
【図2】:実施例1におけるバイモルフ型圧電駆動部材
が変位したときの圧電駆動部材の様子と第2の反射部材
によって反射された光の光軸との関係を示した図であ
る。
【図3】:実施例1における第1の反射部材からの反射
光が第2の反射部材に入射し、そして反射されたときの
光の光軸を示した図である。
【図4】:実施例1におけるカンチレバーの撓み量を算
出する構成を示したブロック図である。
【図5】:実施例1における原子間力顕微鏡に光学顕微
鏡の対物レンズを設けたときの図である。
【図6】:本発明に係る実施例2の原子間力顕微鏡の斜
視構成図である。
【図7】:本発明に係る実施例3の原子間力顕微鏡の斜
視構成図である。
【図8】:実施例3のX方向用圧電駆動部材71に発生
する撓み方の説明図である。
【図9】:本発明に係る実施例4の原子間力顕微鏡の斜
視構成図である。
【図10】:実施例4についてのY方向用圧電駆動部材
が変位したときの圧電駆動部材の様子と第2の反射部材
によって反射された光の光軸との関係を示した図であ
る。
【図11】:従来の原子間力顕微鏡の構成図である。
【図12】:従来の原子間力顕微鏡の構成図である。
【符号の説明】
1 バイモルフ型圧電駆動部材 2 Z方向用圧電駆動部材 3 探針 31 カンチレバー 32 チップ 4、63、64 支持基板 5 レーザー光源 6 コリーメートレンズ 7 偏光ビームスプリッター 8 λ/4板 9 第1の反射部材 10 第2の反射部材 11 第3の反射部材 12 4分割ポジションセンサーフォトダイオード 13 マイクロメーター 14 試料 51 対物レンズ 61 チューブ型圧電駆動部材 62 第4の反射部材 71、91 X方向用圧電駆動部材 72、92 Y方向用圧電駆動部材 73、93 Z方向用圧電駆動部材 74、94 ヒンジ 95 第2の反射部材 96 ブロック 100 円筒状の圧電体 102 電極 103 カンチレバー 104 チップ 105 光源 106 光検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 13/10 - 13/24 G12B 21/00 - 21/24 G01B 11/30 102 G01B 21/30 H01J 37/28 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料面に対し平行な平面において変位可
    能な試料面走査用駆動部材と、 前記試料面走査用駆動部材の一端に設けられ、先端が尖
    ったチップが受ける原子間力に応じて撓み量が変化する
    片持ち梁と、 前記片持ち梁に光を照射するための光源と、 前記試料面走査用駆動部材に設けられ、前記試料面走査
    用駆動部材の変位する端からの距離が、前記試料面走査
    用駆動部材の変位する部分の全長に対し、2分の1とな
    る位置に反射面を有した反射部材と、 複数に分割された受光面を有し、前記反射部材によって
    反射された前記片持ち梁からの反射光を前記受光面で受
    光する受光部材とを備えたことを特徴とする原子間力顕
    微鏡。
  2. 【請求項2】 前記反射部材は、前記光源からの光を前
    記片持ち梁に照射し、かつ前記片持ち梁の反射光を前記
    受光部材に照射することを特徴とする請求項1記載の原
    子間力顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記反射部材によって反射された前記光
    源からの光を前記片持ち梁に照射し、かつ、前記片持ち
    梁からの反射光を前記反射部材に照射する照射部材を前
    記試料面走査用駆動部材の一端に設けたことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の原子間力顕微鏡。
  4. 【請求項4】 前記試料面走査用駆動部材は、チューブ
    型圧電駆動部材からなることを特徴とする請求項1に記
    載の原子間力顕微鏡。
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