JPH0954102A - 摩擦力顕微鏡の較正器および較正方法 - Google Patents

摩擦力顕微鏡の較正器および較正方法

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JPH0954102A
JPH0954102A JP20696795A JP20696795A JPH0954102A JP H0954102 A JPH0954102 A JP H0954102A JP 20696795 A JP20696795 A JP 20696795A JP 20696795 A JP20696795 A JP 20696795A JP H0954102 A JPH0954102 A JP H0954102A
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JP
Japan
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force microscope
cylindrical
convex surface
calibrator
axis
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JP20696795A
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Putsutoman Konsutanto
プットマン コンスタント
Masaru Igarashi
賢 五十嵐
Reizo Kaneko
礼三 金子
Shigeru Umemura
茂 梅村
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦力顕微鏡における試料表面を移動するカ
ンチレバーの探針のたわみ量とカンチレバーの傾き角度
を検知する光センサの較正器と較正方法。 【解決手段】 凹面部材12をPZTアクチュエータ8
上に載置固定し、円筒凹面の軸線と直角の方向にマイク
ロメータにより所定量移動し、反射角の変化量に対応す
る光センサの出力を較正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型プローブ顕
微鏡の一種の摩擦力顕微鏡に係り、特に、その出力であ
るカンチレバーの傾き量の検出器の較正器およびその較
正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦力顕微鏡は走査型プローブ顕微鏡の
一種として開発され、表面の微視的な摩擦力分布を観察
できる手段として、近年、学術研究のみならず、工業材
料の評価などにも広く使用されるようになってきた。最
近の摩擦力顕微鏡は原子間力顕微鏡と複合化されたもの
が多く、その原理は、図2(a)および(b)の模式図
に示すように、先が鋭い探針6を備えた矩形型のカンチ
レバー5を試料7の表面に接触させ、試料7をPZTア
クチュエータ8でラスタースキャンさせたときのカンチ
レバー5のZ方向のたわみ量を原子間力顕微鏡像とし
て、また、カンチレバー5の走査方向(X方向)の摩擦
力によるカンチレバー5の長手方向のねじれ量、すなわ
ち、カンチレバー上面のX−Y面に関する傾き量を摩擦
力分布像、つまり摩擦力顕微鏡像として測定する。これ
らのカンチレバー5のたわみ量および傾き量の同時測定
では、4分割フォトディテクタを用いた光てこ方式のセ
ンサ、臨界角プリズム光変位センサのような光センサが
用いられている。
【0003】しかし、これまでの摩擦力顕微鏡では、試
料7表面の微視的な摩擦力分布を観察することは比較的
容易であったものの、その摩擦力の絶対値を正確に求め
ることは困難であった。それは与えた摩擦力に対するカ
ンチレバー5の傾き量について、上記光センサからの傾
き量信号とカンチレバー5の実際の傾き量との間の較正
法が確立されていなかったことによる。
【0004】これまで、摩擦力顕微鏡におけるカンチレ
バー5の傾き量信号の較正法として下記の3案が提案さ
れている。すなわち、 1)図2(a)の模式図において、試料7の表面に接触
している探針6の先端が摩擦力で試料7表面に拘束され
ている状態で試料7を微動させ、与えた摩擦力に対する
カンチレバー5の傾き量を光センサで測定して傾き量信
号を較正する。 2)試料台の上に2個のPZTアクチュエータに接着さ
れた平面鏡を置き、両方のPZTアクチュエータの伸縮
により平面鏡を傾け、この平面鏡の既知の傾き量に対す
る摩擦力顕微鏡の光センサ出力からの傾き量信号を較正
する。 3)摩擦係数が既知の標準試料を用い、与えた荷重と摩
擦係数の積である摩擦力に対するカンチレバー5の傾き
量を光センサで測定して、その傾き量信号を較正する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の摩擦力
顕微鏡におけるカンチレバー5の傾き量信号の較正法で
は、まず、1)の方法では、探針6の先端が真に試料7
上に拘束されていることを確認することはほとんど不可
能であり、また、カンチレバー5を交換するたびに、そ
の較正を行わなければならず、1)の方法は非現実的で
ある。2)の方法では、平面鏡をPZTアクチュエータ
に接着する際の平面鏡に歪みを生ずる可能性があるこ
と、2個のPZTアクチュエータの変位特性をそろえる
ことが難しいことなどから、平面鏡の傾き量設定に誤差
が入り、高精度の較正は不可能といえる。また、3)の
方法では、摩擦係数が既知としても、それは摩擦力顕微
鏡で用いる荷重よりはるかに大きな荷重で求めたもので
あり、それが摩擦力顕微鏡で用いる荷重のレベルまで同
一という保証はなく、また、この方法でもカンチレバー
5を交換するたびにその較正を行う必要があることか
ら、これも非現実的といえる。このため、摩擦力顕微鏡
における光センサからのカンチレバー5の傾き量信号の
較正方法に関し、1)高精度であり、不確定要素が入ら
ないこと。2)カンチレバー5の交換とは関係無く、摩
擦力顕微鏡の光センサそのものの傾き角出力を較正でき
ること、の2点が望まれていた。
【0006】本発明は以上の課題を解決するためになさ
れたもので、摩擦力顕微鏡におけるカンチレバーの傾き
量信号の較正方法に関してカンチレバーを使用せずに、 1)高精度であり、不確定要素が入らないこと、 2)カンチレバーの交換とは関係なく、光センサそのも
のを較正できること、などの条件を満足する摩擦力顕微
鏡の較正器および較正方法を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明においては、表面を滑らかな円筒凸面または円
筒凹面に形成し、光を正反射する部材若しくは光を正反
射する薄膜により被覆された部材により摩擦力顕微鏡の
反射体を形成する。この反射体を前記円筒凸面または円
筒凹面の軸線に平行な水平面上の前記軸線と直交する方
向に移動させ、この移動量から前記円筒凸面または円筒
凹面の水平面に対する傾き角度を算出し、この傾き角度
に対応した出力信号を検出するように構成した摩擦力顕
微鏡の較正器である。
【0008】次に、この摩擦力顕微鏡の較正器およびそ
の較正方法における作用原理について、図1を用いて説
明する。まず、表面が滑らかな円筒凸面を有する反射体
1の反射面2の1点(これをA点とする)とその点より
わずかに離れた点(これをB点とする)に対して、垂直
に入射した光3の反射光4の反射角度を考える。このと
き、A点、B点は反射体1の頂点の近傍にあるものとす
る。A点からの反射角度は図1の記号を用いると2α、
B点からの反射角度は2βとなり、B点からの反射角度
とA点からの反射角度との差は、円筒凸面の円筒軸と直
交する横断面の円弧の中心点(以下単に中心点とよぶ)
とA点、B点とのなす角度、すなわち、(β−α)の2
倍である。さらに、A点とB点が接近していれば、A
点、B点のなす中心角(β−α)は、A点、B点の距離
dを前記円弧の曲率半径rで割ったもの(d/r)に等
しい。但しd≪rである。したがって、摩擦力顕微鏡で
検出される傾き量は、B点からの反射角度とA点からの
反射角度の差、すなわちA点とB点間の距離と円筒凸面
の前記円弧の曲率半径とから求めることができる。
【0009】上記の原理を具体的に実現するには、ま
ず、表面が滑らかな円筒凸面または円筒凹面を形成し、
この円筒凸面または円筒凹面により光を正反射させる摩
擦力顕微鏡の較正器を作成する。そして、この較正器を
既知の量だけ所定方向、すなわち、円筒軸と直角の方向
に移動させることによって、摩擦力顕微鏡の傾き信号を
較正する。ここで、較正器を既知の量だけ移動すること
は、摩擦力顕微鏡に備えられているPZTアクチュエー
タを使用、もしくは、マイクロメータを利用した移動機
構を使用すれば正確に求めることができる。また、円筒
凸面または円筒凹面の軸線と直交する横断面が正確な円
弧を形成するように反射面を加工成形することは容易で
あり、このことが本発明に係る較正方法が高精度である
ことの基盤となっている。これにより、本発明の課題で
あるところの摩擦力顕微鏡の傾き量検出に関し、従来技
術のようにカンチレバー自体を較正器に使用することな
く、1)高精度であり、不確定要素が入らないこと、
2)カンチレバーの交換とは関係なく、光センサそのも
のを較正できること、などの条件を満足する摩擦力顕微
鏡の較正器および較正方法を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る摩擦力顕微鏡
の較正器およびそれによる較正方法の実施の形態につい
て説明する。まず、図3(a)は、半円筒状の反射体1
を試料台に固定した本発明に係る較正器の斜視図であ
る。この図において、2は反射面、9は半円筒状の部
材、11は試料台、8はPZTアクチュエータである。
ここで、表面が滑らかな円筒凸面を有する半円筒状の部
材9は、摩擦力顕微鏡に使用される光センサの光を正反
射する材質であることが必要であって、薄膜を被覆した
部材であってもよく材質は問わないが、半円筒凸面の軸
線と直交する横断面が正確な円弧に形成されていること
が条件である。
【0011】図3(b)は、円筒状の反射体1を試料台
に固定した場合の較正器の斜視図である。2は反射面、
10は円筒状の部材、11は試料台、8はPZTアクチ
ュエータである。図3(b)の較正器の場合も、円筒状
凸面の軸線と直交する横断面の形状が正確に円弧であ
り、摩擦力顕微鏡のセンサに使用している光を反射する
ものであれば、反射面2、円筒状の部材10の材質は問
わない。この形状の具体的な一例としては、光ファイバ
の側面に反射材をコーティングした材料、一実施例とし
て、直径125μmの較正器があげられる。この較正器
の約5μmのスキャン幅は、4.5度の角度変化を作る
ことが明らかとなった。
【0012】図4は凹面部材と他の移動機構を組合わせ
た実施の形態を示す図である。12は凹面部材、2は反
射面、13はマイクロメータヘッド、14はマイクロメ
ータヘッドの支持部、15はPZTアクチュエータ8の
支持部である。図4では凹面の反射を利用しているが、
この場合の原理は、図1の場合と同様であり、説明は省
略する。図4を用いて本発明の実施の形態を説明する。
マイクロメータスクリューを作動させ、凹面部材12は
その軸線方向が、カンチレバーの長手方向と平行になる
ように配置する。ここで、カンチレバー5の反射面と凹
面部材12の反射面とが同じ位置において光センサを照
射するように位置の調整がなされる。すなわち、凹面部
材12はその軸線方向に直角の方向に水平面上を移動
し、鉛直方向から入射するレーザビームは凹面部材12
によって角度を変えて反射する。ここで、凹面部材12
の反射面2は常に臨界角検出器の焦点位置にくるよう
に、PZTアクチュエータによって移動させる。凹面部
材12は焦点を結ばせることが可能な能動光学部品であ
るため、反射面が臨界角検出器の焦点位置にくるように
することは本質的に重要である。
【0013】上記の設定状態において、凹面部材12の
反射面2を円筒凹面の軸線に平行な水平方向に所定量だ
け微動させることにより、この水平移動量に対応する反
射面2による反射角度の変化を演算し、摩擦力顕微鏡の
傾き量に相当する光センサ出力を検出することができ
る。
【0014】以上の説明で、図3(a)、(b)は、円
筒凸面の反射面と移動機構として摩擦力顕微鏡に備えら
れているPZTアクチュエータを組合わせた実施の形態
を示す図で、図4においては、円筒凹面の反射面とマイ
クロメータ利用の移動機構を組合わせた実施の形態を示
している。しかし実施の形態はこれらにとどまらず、円
筒凸面の反射面とマイクロメータ利用の移動機構を組合
わせた実施の形態、円筒凹面の反射面とPZTアクチュ
エータを組合わせた実施の形態も構成が可能である。さ
らに、移動機構としてはPZTアクチュエータ、マイク
ロメータ利用の移動機構だけでなく、さらに既知の量を
水平方向に直線状で移動できる機構であれば、どのよう
な移動機構でも本発明を実現することができる。また、
前記移動機構による移動方向は、前記円筒凸面または円
筒凹面の軸線と所定の角度を有する方向とし、軸線と直
角の方向のコンポネントを求めて移動量としてもよい。
【0015】図5は、図4に示した実施の形態の較正器
の反射体の傾き量と出力の関係を示す特性図で、較正結
果の一例を示している。横軸は反射体の移動量、縦軸は
摩擦力顕微鏡の傾き量検出器の出力電圧を示す。ここ
で、検出器にはフォトダイオードを用いているのでその
出力は電圧となる。また、横軸は、傾き角度に対応して
いる。この測定例では、図中の直線の傾きは10.1V
/mmであり、使用した凹面部材の曲率半径は25.9
5mmであって、摩擦力顕微鏡の傾き量検出器の感度
は、262V/ラジアンと求められる。
【0016】
【発明の効果】本発明の摩擦力顕微鏡の較正器および較
正方法によれば、較正器をその円筒凸面または円筒凹面
の軸線に平行な水平面上を前記軸線と直角の方向に所定
量だけ移動させ、この移動量に対応する光反射角度を演
算することが可能となり、これにより、不確定要素が混
入するおそれがなく、またカンチレバーの交換と無関係
にカンチレバーの傾き量、すなわち、光センサの出力を
較正し、信頼性の高い摩擦力顕微鏡を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る摩擦力顕微鏡の較正器の原理を示
す図である。
【図2】摩擦力顕微鏡のカンチレバーの動作を示す斜視
図(a)および同カンチレバーの摩擦力付加に伴う傾き
を示す図(b)である。
【図3】本発明に係る半円筒状部材を用いた較正器の斜
視図(a)および円筒状部材を用いた較正器の斜視図
(b)である。
【図4】本発明に係る較正器の凹面部材と移動手段を示
す図である。
【図5】図4の較正器による反射体の変位量と傾き量検
出器の出力との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1…反射体 2…反射面 3…入射光 4…反射光 5…カンチレバー 6…探針 7…試料 8…PZT
アクチュエータ 9…半円筒状の部材 10…円筒状
の部材 11…試料台 12…凹面
部材 13…マイクロメータヘッド支持部 14マイク
ロメータヘッド 15…PZTアクチュエータの支持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅村 茂 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面を滑らかな円筒凸面または円筒凹面に
    形成し光を正反射する部材もしくは光を正反射する薄膜
    により被覆された部材からなる反射体と、 前記円筒凸面または円筒凹面の軸線に平行な水平面上の
    前記軸線と直交する方向に前記反射体を移動させる移動
    手段と、 前記移動手段による移動量から前記円筒凸面または円筒
    凹面の水平面に対する傾き角度を算出し、この傾き角度
    に対応した出力信号を検出する検出手段を備えることを
    特徴とする摩擦力顕微鏡の較正器。
  2. 【請求項2】前記摩擦力顕微鏡の較正器を、前記円筒凸
    面または円筒凹面の軸線に直交する方向へ所定量移動さ
    せ、前記移動手段による所定の移動量から前記円筒凸面
    または円筒凹面の水平面に対する傾き角度を算出し、こ
    の傾き角度に対応した出力信号を検出することを特徴と
    する摩擦力顕微鏡の較正方法。
JP20696795A 1995-08-14 1995-08-14 摩擦力顕微鏡の較正器および較正方法 Pending JPH0954102A (ja)

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