JPH08278317A - 原子間力顕微鏡 - Google Patents

原子間力顕微鏡

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JPH08278317A
JPH08278317A JP7083626A JP8362695A JPH08278317A JP H08278317 A JPH08278317 A JP H08278317A JP 7083626 A JP7083626 A JP 7083626A JP 8362695 A JP8362695 A JP 8362695A JP H08278317 A JPH08278317 A JP H08278317A
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light
cantilever
optical path
light source
path changing
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JP7083626A
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Inventor
Katsushi Nakano
勝志 中野
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】原子間力検出用の光が、探針走査時でも、常に
カンチレバー上に照射でき、コンパクトで簡単な探針走
査駆動装置を有する原子間力顕微鏡を提供する。 【構成】支持部材6と、一端がヒンジ7aを介して支持
部材6に固定され、X方向用駆動部材1と、カンチレバ
ー41とチップ42とを有した探針4と、その探針4を
Y方向に駆動するY方向用駆動部材2と、光源9と、ヒ
ンジ7aの屈曲する中心より第1の光路変換部材11
と、反射面を有した第2の光路変換部材12と、第2の
光路変換部材にて反射したカンチレバーの反射光を受光
する複数の受光面を有したを受光部材13とを備え、光
源からの光を第1の光路変換部材11によって第2の光
路変換部材12に照射し、更に第1の光路変換部材11
からの光を第2の光路変換部材12によってカンチレバ
ー41に照射するよう光源と第1の光路変換部材11と
第2の変換部材12と設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カンチレバーを用いた
原子間力顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、試料表面に探針を近づけて2次元
平面内で走査し、試料と探針との間に作用するトンネル
電流や原子間力などを検出することにより試料表面の微
細構造を観察する走査型プローブ顕微鏡の開発、改良が
盛んに行われている。図5および図6は、走査型プロー
ブ顕微鏡の一つである従来の原子間力顕微鏡の概念構成
図である。プローブには、試料面上を走査するチップ8
4とカンチレバー83とから構成されている。また、表
面を観察する試料87は、円筒型圧電駆動機構の自由端
側に配置される。この圧電駆動機構については、円筒状
の圧電素子80でできており、円筒型圧電素子の内側に
図示していないグランドの電極を持ち、外側に4分割さ
れた電極82を持つ構成である。駆動方法は、外側の対
向する電極82に、グランドの電極に対してそれぞれ正
負反対の電圧を印加する。その結果、円筒状の圧電素子
80は横方向にたわむことができる。この横方向に撓む
現象を利用して、XあるいはY方向の走査駆動が行われ
る。また、Z方向の走査駆動は外側の電極にそれぞれ同
電圧のオフセットを印加する。円筒状の圧電素子80が
Z方向に伸縮変位することができる。これらの動作を行
うことにより3次元微動駆動が実現されている。
【0003】一般に、原子間力顕微鏡において用いられ
ている原子間力の検出方法は、光てこ法を用いて検出し
ている。この光てこ法の場合、光源85とカンチレバー
83の位置関係および光検出器86とカンチレバー83
の位置関係が相対的に不動でなければならない。従っ
て、従来のカンチレバーと光てこ法を使った原子間力顕
微鏡における検出系は、固定されており、試料側を走査
することで試料表面の形状を観察していた。
【0004】しかしながら、この試料駆動による走査方
法では、大面積の試料や質量の大きい試料の観察を行う
場合、走査が困難となる。よって、現在ではチップを有
するカンチレバー自体を走査して試料の表面を観察する
原子間力顕微鏡が要求されている。そのカンチレバーを
走査する原子間力顕微鏡の従来技術の一例として特開平
6−82249号がある。これは、カンチレバーと光て
こ法を用いた原子間力検出系を1つの構造の中に組み込
み、それら全体を走査することによって、光源とカンチ
レバー83の位置関係および光検出器とカンチレバーの
位置関係が相対的に保たれている方法である。
【0005】一方、最近では、原子間力顕微鏡を光学顕
微鏡に搭載し、試料を同時観察することも行われてい
る。その方法として、対物レンズを包み込める大きさを
有した円筒状の圧電駆動素子を利用し、その一端を対物
レンズの鏡筒に固定する。また、他端には透明な板状の
部材を張り付け、その板状の部材にカンチレバーとチッ
ポを有した探針を固定する。この方法では、光学顕微鏡
で原子間力顕微鏡で走査している直上を観察するため
に、円筒型圧電駆動部材の内部に対物レンズを配置して
いる。(特開平2−281103号に記載の技術)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の光てこ法を利用
し、原子間力を検出するた原子間力顕微鏡では、大面積
の試料を測定しようとすると、その試料の質量により、
圧電駆動部材の共振周波数の低下を招き、観察が困難で
あった。また、従来の方法では、光てこ法による原子間
力の検出系全体を走査するため、必然的に走査する部材
が大きな質量を持つことになり、高速な走査は不可能で
あった。
【0007】よって、本発明の目的は、原子間力検出用
の光が、探針走査時でも、常にカンチレバー上に照射す
ることができ、コンパクトで簡単な探針走査駆動装置を
有する原子間力顕微鏡を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、支持部材と、一端がヒンジを介して支
持部材に固定され、試料面と平行な方向であるX方向に
伸縮可能なX方向用駆動部材と、そのX方向用駆動部材
の他端に設けられ、カンチレバーとチップとを有した探
針と、その探針を試料面と平行な方向でかつX方向とは
異なる方向であるY方向に駆動するY方向用駆動部材
と、光源と、X方向用駆動部材と支持部材との間に設け
られたヒンジの屈曲する中心よりX方向用駆動部材側に
固定された第1の光路変換部材と、X方向用駆動部材に
設けられ、反射面を有した第2の光路変換部材と、第2
の光路変換部材にて反射したカンチレバーの反射光を受
光する複数の受光面を有したを受光部材とを備え、光源
からの光を第1の光路変換部材によって第2の光路変換
部材に照射し、更に第1の光路変換部材からの光を第2
の光路変換部材によってカンチレバーに照射するよう光
源と第1の光路変換部材と第2の変換部材と設けたこと
とした(請求項1記載の発明)。
【0009】また、更に本発明では、第1の光路変換部
材については、光源からの光を第2の光路変換部材へ照
射するよう反射面を有し、第1の光路変換部材の光源か
らの光を受光する反射面の位置は、X方向用駆動部材と
支持部材との間に設けられたヒンジの屈曲する中心から
光源からの光の光軸の延長上に対応する位置であり、更
に、第2の光路変換部材については、第1の光路変換部
材からの光をカンチレバーに照射し、かつカンチレバー
からの反射光を前記第1の光路変換部材に照射する反射
面を有し、更に、受光部材については、第2の光路変換
部材と第1の光路変換部材とを経たカンチレバーからの
反射光を受光する複数の受光面を有することが好ましい
(請求項2記載の発明)。
【0010】また、更に本発明では、光源と第1の光路
変換部材との間に光源からの光を透過し、かつ第1の光
路変換部材からの反射光を反射するカンチレバー反射光
分割部材を設けることが好ましい(請求項3記載の発
明)。また、本発明では、X方向用駆動部材について
は、複数の圧電体をX方向に積層した圧電駆動部材であ
り、Y方向用駆動部材は、一端がヒンジを介して支持部
材に固定され、かつ、他端がヒンジを介してX方向用圧
電駆動部材に固定され、複数の圧電体をY方向に積層し
た圧電駆動部材であることが好ましい(請求項4記載の
発明)。また、X方向用駆動部材の他端に、試料面に対
し垂直な方向であるZ方向に複数の圧電体を積層し、Z
方向に伸縮可能なZ方向用駆動部材を設け、Z方向用駆
動部材の試料面側の端に探針を設けたことが好ましい
(請求項5記載の発明)。
【0011】以上の構成によって、課題を解決すること
を試みた。
【0012】
【作用】光てこ法による原子間力の検出は、カンチレバ
ーの撓み量に応じ、反射光の光軸変化を検出する方法で
ある。よって、この方法でカンチレバーの撓み量を正確
に検出するための必要条件は次の2点である。 カンチレバーへの入射光の光軸が変わらない。
【0013】カンチレバーの撓み量が一定である場
合、反射光を受光する光検出器の受光位置が変わらな
い。 本発明者は、この2点に着目し、探針が移動してもカン
チレバーへの入射光の光軸が変化せず、かつ、カンチレ
バーの撓み量が一定である場合、反射光の光軸に対し
て、反射光を受光する光検出器の受光位置が変わらない
光学系を発明した。
【0014】また、本発明では、各駆動部材に掛かる質
量を出来るだけ小さくするため、光源と受光部材とを駆
動部材上に配置しない構成を採った。また、直接、光源
の光をカンチレバーに照射した場合、駆動部材によって
探針を駆動しようとすると、探針が移動してしまうため
光源からの光がカンチレバーに照射されないといった問
題が生じていたので、そこで、本発明では、これを解決
するために、第1の光路変換部材によって、X方向用駆
動部材の伸縮方向の軸に対して光源からの光の光軸が、
常に一定の関係を持つようにした。具体的に説明する
と、例えば、X方向用駆動部材の伸縮方向の軸に対し、
第1の光路変換部材を経た光源からの光の光軸が平行で
ある場合、Y方向用駆動部材が駆動したことによって、
X方向用駆動部材の軸が変化した場合、その第1の光路
変換部材がヒンジの屈曲する中心よりX方向駆動部材側
に設けられているので、常にX方向用駆動部材の軸と第
1の光路変換部材を経た光源からの光の光軸とは平行に
なる。また、X方向用駆動部材が伸縮した場合について
は、伸縮したとしても光軸とX方向用駆動部材との軸は
変わらないので、何ら影響が無い。
【0015】この様にして、探針を駆動しても第1の光
路変換部材からの光の光軸とX方向用駆動部材とは、一
定の関係を持つ。そして、本発明では、第1の光路変換
部材からの光をカンチレバーへ照射させるための第2の
光路変換部材を設けている。この第2の光路変換部材
は、X方向用駆動部材に取り付けられているので、第1
の光路変換部材からの光の光軸に対して、第2の光路変
換部材の反射面と第1の光路変換部材からの光の光軸と
の角度は、常に一定に保つことが出来る。
【0016】この様にして、各駆動部材が駆動しても、
光源からの光をカンチレバーへ一定の入射角で入射する
ことが出来る。そして、カンチレバーからの反射光は、
第2の光路変換部材と第1の光路変換部材を経て受光部
材に照射されるので、各駆動部材が駆動したとしても、
カンチレバーが撓まない限り、受光部材の同じ場所に、
カンチレバーからの反射光が到達する。
【0017】また、本発明には、更に第1の光路変換部
材に反射面を設けた。その反射面は、ヒンジの屈曲する
中心に配置し、その中心より圧電駆動部材側に固定す
る。よって、そのヒンジに固定された圧電駆動部材に支
持部材に対する角度変化がおきても、第1の光路変換部
材は、その角度変化と同じ量角度変化を起こすので、そ
の角度変化量と同じ分光軸を変化させることができる。
更に、第1の光路変換部材の反射面の中心の位置も変わ
らないため、また、第2の光路変換部材を角度変化の起
こす圧電駆動部材に固定することで、カンチレバーが移
動しても、常に同じ部分に照射することができる。
【0018】ちなみに、この圧電駆動部材が伸縮した場
合は、光軸の変化は起こらないため説明を省略する。ま
た、反射面を設けた第1の光路変換部材と光源との間
に、カンチレバーからの反射光を反射するビームスプリ
ッタを設けると、光源からの光の光軸とカンチレバーか
らの反射光の光軸とを完全に変えられることができる。
この様な原子間力顕微鏡は、カンチレバーの撓み量はご
く小さいものなので、光源からの光の光軸とカンチレバ
ーからの反射光の光軸は、ほとんど平行になってしま
う。そこで、ビームスプリッタを設れば、光源と受光部
材の配置が簡単になる。
【0019】以下に、実施例でもって、本発明を更に詳
しく説明するが、本発明はこれに限られるものではな
い。
【0020】
【実施例】図1は、本発明にかかる原子間力顕微鏡の実
施例の構成斜視図である。この原子間力顕微鏡は、試料
面に対し平行なX方向に伸縮可能なX方向用圧電駆動部
材1と、試料面に対し平行でかつX方向とは直角方向に
伸縮可能なY方向用圧電駆動部材2と、試料面に対し垂
直に伸縮可能なZ方向用圧電駆動部材3をそれぞれ組み
合わせて、探針4をあらゆる位置に移動することが出来
る駆動装置を有している。探針4については、カンチレ
バー41とチップ42とで構成されている。
【0021】ところで、X方向用圧電駆動部材1は、一
端にヒンジ7aを介して支持基板6に固定されている。
また、X方向用圧電駆動部材1の他端には、ブロック8
を固定している。Y方向用圧電駆動部材2は、ヒンジ7
bを介して支持基板6に固定されている。Y方向用圧電
駆動部材2の他端には、ヒンジ7cを介してブロック8
に固定されている。この様にしてX方向用圧電駆動部材
とY方向用圧電駆動部材とで、直角にそれぞれを固定し
ている。
【0022】また、Z方向用圧電駆動部材3は、ブロッ
ク8に固定されている。Z方向用圧電駆動部材3の試料
面側の端には、探針4が固定されている。ところで、支
持基板6は、探針4と試料5との間を粗動で位置調整を
行うためのマイクロメーター14を設けており、この支
持基板6を支持している。また、支持基板6には、レー
ザー光源9と、偏光ビームスプリッター10、λ/4板
17、4分割ポジションセンサーフォトダイオード13
が設けられている。
【0023】レーザー光源9は、探針4のカンチレバー
41の撓み量を光てこ法で検出するための光源である。
このレーザー光源9には、偏光している光源、例えば、
半導体レーザーなどを使用している。偏光ビームスプリ
ッター10は、レーザー光源9からの光を透過し、カン
チレバー41で反射された光を4分割ポジションセンサ
ー13へ反射させるためのもである。偏光ビームスプリ
ッター10及び4分割ポジションセンサーダイオード1
3には、それぞれ偏光ビームスプリッター用微動機構1
5及び4分割ポジションセンサーフォトダイオード用微
動機構16が設けられていて、この偏光ビームスプリッ
ター用微動機構15によって、偏光ビームスプリッター
10からの反射光の光軸を調整することができ、4分割
ポジションセンサーフォトダイオード用微動機構16に
よって、4分割ポジションセンサーフォトダイオード1
3の受光面の位置および受光面の角度を調整することが
出来る。
【0024】また、ヒンジ7a上には、第1の反射鏡1
1が設けられている。また、ブロック8には、第2の反
射鏡12が設けられている。この第1の反射鏡11は、
レーザー光源9からの光を反射して、その反射光をX方
向圧電駆動部材1の伸縮方向と平行な光軸にさせる。こ
の第1の反射鏡11は、ヒンジ7aが屈曲する中心よ
り、X方向用圧電駆動部材1側に固定されており、か
つ、第1の反射鏡がレーザー光源9を受光し反射する部
分は、丁度ヒンジ7aの屈曲する中心の直上になるよう
している。この様にすることで、ヒンジ7aがY方向用
圧電駆動部材2の伸縮変化によって屈曲するときに、そ
の屈曲した角度と同じく、反射面も同じ角度変化するよ
うになっている。
【0025】第2の反射鏡12は、第1の反射鏡11か
ら反射された光を、カンチレバー41に照射する。次
に、以上の構成を有した原子間力顕微鏡において、カン
チレバー41の撓み量の検出について説明する。レーザ
ー光源9からのレーザー光は、偏光ビームスプリッター
10に入射する。このレーザー光の偏光面は偏光ビーム
スプリッター10を透過する向きに調整しているため、
レーザー光は、偏光ビームスプリッター10を透過し、
λ/4板17に入射する。ここでレーザー光は円偏光と
なる。円偏光となったレーザー光は、第1の反射鏡11
に入射する。ここで、レーザー光の光軸は、X方向用圧
電駆動部材の軸方向と平行となる。次に、第1の反射鏡
11を反射したレーザー光は、第2の反射鏡12に入射
する。ここでレーザー光の光軸が変えられ、カンチレバ
ー41に入射し、反射する。カンチレバー41によって
反射されたレーザー光は、第2の反射鏡12および第1
の反射鏡11を経て、λ/4板17を透過する。ここで
レーザー光は再び直線偏光となる。そして、カンチレバ
ー41を反射してきたレーザー光は、レーザー光源9か
ら発せられたレーザー光の偏光面とは直交した偏光面を
有する。よって、このカンチレバー41からの反射光
は、偏光ビームスプリッター10によって反射され、4
分割ポジションセンサーフォトダイオード13に入射す
る。
【0026】ところで、圧電駆動部材を駆動させたとき
について、以下に説明する。Y方向用圧電駆動部材2を
駆動させた場合を図2に示す。細い点線で示した部分
は、Y方向用圧電駆動部材2が駆動していないときの状
態を示しており、実線で示した部分は、Y方向用圧電駆
動部材2が駆動した後の状態を示している。Y方向用圧
電駆動部材2が変位すると、X方向用圧電駆動部材1が
傾く。それと同時に第1の反射鏡11もヒンジ7aのX
方向用圧電駆動部材1側に取り付けられているため、X
方向用圧電駆動部材1が傾いた量と同じ量傾くことが出
来る。したがって、Y方向用圧電駆動部材2の変位後
も、X方向用圧電駆動部材1の軸方向と第1の反射鏡1
1から反射光の光軸との関係は変わらない。また、同時
に第2の反射鏡12は、X方向用圧電駆動部材1に直接
に固定されたブロック8に固定されているため、第1の
反射鏡11からの反射光の光軸との関係は変わらない。
よって、Y方向用圧電駆動部材2が変位しても、常にカ
ンチレバー41にレーザー光を照射することが出来る。
【0027】また、X方向用圧電駆動部材1が変位した
場合について説明する。このX方向用圧電駆動部材が変
位した場合は、第2の反射鏡12と第1の反射鏡11と
の距離は変わるだけで、第1の反射鏡11の反射光の光
軸と第2の反射鏡の反射面との関係はいっさい変わらな
い。よって、レーザー光は常にカンチレバー41に照射
することができる。
【0028】ここで探針4を走査して、試料5の表面を
計測する方法を説明する。その方法を図3を用いて説明
する。カンチレバー41の撓み量が変化すると、カンチ
レバー41を反射したレーザー光の光軸が変化する。こ
の反射光の光軸の変化は、4分割ポジションセンサー1
3におけるレーザー光のスポットの位置の変化として表
れる。このレーザー光のスポットの位置の変化は、4分
割ポジションセンサーフォトダイオード13のそれぞれ
の受光面から得られる電流の相違によって検出される。
それぞれ4つの受光面から得られる電流をI/V変換機
31a、31bで、それぞれの電流に対応する電圧に変
換する。I/V変換機で変換された電圧を差動増幅器3
2に入力する。そこで、それぞれの電圧の差を算出し、
CPU33に入力する。CPU33では、それぞれの電
圧の差から、カンチレバー41の撓み量の変化を算出す
る。次に、CPU33では、カンチレバー41が一定の
撓み量になるようZ方向用圧電駆動部材3を変位させる
ようピエゾ駆動回路34へZ方向用圧電駆動部材3を変
位させる信号を出力する。また、ピエゾ駆動回路34か
らそれぞれの圧電駆動部材の伸縮量は、CPU33に入
力される。CPU33では、それぞれの圧電駆動部材の
伸縮量から、それぞれの試料面の位置における凹凸の大
きさを算出し、そのデーターをメモリー35に出力す
る。そして、このメモリー35から、一括して位置のデ
ーターとその位置における凹凸の情報を表示装置36に
出力する。そして、表示装置36では、3次元的に試料
表面の像を表示する。
【0029】この様に本実施例における原子間力顕微鏡
は、圧電駆動部材によって支持する原子間力を検出する
ための部材が、第1の反射鏡11と第2の反射鏡12だ
けであるので、走査する質量を比較的小さくすることが
できる。特に、この場合、第1の反射鏡11に比べ、第
2の反射鏡12は小さくても良い。なぜなら、レーザー
光源9からの光はカンチレバー41上にレーザー光源9
内に設けられているレンズによって集光されているため
である。つまり、カンチレバー41に近づくにつれ、レ
ーザー光の幅が小さくなるためで、第2の反射鏡12に
照射されたときのレーザー光の光束の直径は、第1の反
射鏡11に照射されるときより小さくなるためである。
ところで、第1の反射鏡11は、ある程度の大きさを持
っていなければならない。しかし、第1の反射鏡11は
ヒンジ7aの上で端に回転運動するのみで、大きな力を
必要としない。
【0030】以上の様に、カンチレバー41の走査も伴
い、大きく動かす必要がある第2の反射鏡12は、小さ
くして軽くすることが出来、走査移動させる必要の無い
第1の反射鏡11は、軽くする必要がないという効率の
良い光学計の配置に成っているため、探針4をX方向及
びY方向のどちらの方向に対して、高速に走査しても正
確に原子間力を検出することが出来る。また、走査させ
る質量が小さくなったため、共振周波数を高く採ること
が出来る。この様に共振周波数を高く出来ることで、振
動に対する影響が少なくなり、探針3を走査しても分解
能を高くすることが出来る。
【0031】更に、カンチレバー41へ入射する光およ
びカンチレバー41から反射された光は、同じ経路を辿
るため、λ/4板17や偏光ビームスプリッター10を
第1の反射鏡11とレーザー光源9との間に挿入するこ
とで、レーザー光源9と4分割ポジションセンサーフォ
トダイオード13とを近くに配置することができる。よ
って、本実施例における原子間力顕微鏡は、従来のもの
に比べコンパンクトになった。
【0032】また、本実施例では、レーザー光源9から
の光を受光する第1の反射鏡11の反射面の位置をヒン
ジ7aに屈曲する中心の直上にし、更に第2の反射鏡1
2をX方向用駆動部材1のZ方向用駆動部材3が取り付
けられた端に設けたことで、各圧電駆動部材が駆動して
探針4の位置が変わっても、レーザー光源9と4分割ポ
ジションセンサーフォトダイオード13とを移動するこ
とせずに常にカンチレバー41に光を照射させ、かつカ
ンチレバー41からの反射光を受光出来るようになっ
た。
【0033】また、第2の反射鏡12から反射された光
の光軸をカンチレバーの反射面に対して垂直になるよ
う、第2の反射鏡12の反射面を取り付ければ、カンチ
レバー41が撓んで変化する4分割ポジションセンサー
フォトダイオード13上の反射光の変化が大きくなり、
測定検出感度が高く取れることが出来る。また、本実施
例における原子間力顕微鏡では、探針4の上にレーザー
光源9や4分割ポジションセンサーフォトダイオード1
3を設けていないため、光学顕微鏡の対物レンズ101
を図4に様に配置することが出来る。従来の原子間力顕
微鏡と比較して、本実施例では、探針4上にレーザー光
源やポジションセンサーフォトダイオードを配置するこ
とを避けることが出来るため、薄型に出来る。よって、
光学顕微鏡にこの原子間力顕微鏡を搭載する際には、光
学顕微鏡の設計変更や改造が不要であり、既存の光学顕
微鏡の機能を最大限に活用しながら、原子間力顕微鏡と
の同時観察を行うことを可能とした。また、原子間力顕
微鏡を狭い範囲内で観察し、同時に広い範囲内を光学顕
微鏡で観察することができるため、顕微鏡としての利用
価値が格段に向上することができる。
【0034】ところで、本実施例の第1の反射鏡および
第2の反射鏡は、鏡でもまたはプリズムでも良い。レー
ザー光の光軸を変えられるものであればいっこうに構わ
ない。特に第1の反射鏡については、レーザー光源から
の光を反射し、かつ、第2の反射鏡から反射された光を
反射するものでなくても構わない。他には、第1の反射
鏡を設けずに、レーザー光源からの光を、光ファイバー
によって第2の反射鏡に照射してカンチレバーの撓み量
を検出する。そして、カンチレバーからの反射光につい
ては、第2の反射鏡を経て、直接ポジションセンサーフ
ォトダイオードに入射することでも構わない。
【0035】また、本実施例でのカンチレバーの撓み量
を検出するための光源として、レーザー光源を用いた
が、光束を十分小さいものにできるものであったら、そ
の他の光源でも構わない。例えば、発光ダイオードにレ
ンズを設けるなどして光束を十分小さいものにした光源
でも構わない。また、カンチレバー4からの反射光が十
分強いものであれば、λ/4板17と偏光ビームスプリ
ッター10の変わりに、ハーフミラーを用いることでも
構わない。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、原子間力顕微鏡のカン
チレバーの撓み量を検出するレーザー光源やポジション
センサーフォトダイオードをカンチレバーの上に配置す
ることなく、任意の位置に配置できる。また、コンパク
トな原子間力顕微鏡を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】:本発明にかかる実施例の斜視構成図である。
【図2】:実施例におけるY方向用圧電駆動部材が変位
した場合の状態を示した図である。
【図3】:カンチレバーの撓み量を算出する構成を示し
たブロック図である。
【図4】:実施例の原子間呂顕微鏡の周囲に光学顕微鏡
の対物レンズを配置したときの図である。
【図5】:従来の原子間力顕微鏡の概念構成図である。
【図6】:従来の原子間力顕微鏡のカンチレバーの撓み
量を検出する構成を示した概略図である。
【符号の説明】
1 X方向用圧電駆動部材 2 Y方向用圧電駆動部材 3 Z方向用圧電駆動部材 4 探針 41 カンチレバー 42 スタイラス 5 試料 6 支持基板 7 ヒンジ 8 ブロック 9 レーザー光源 10 偏光ビームスプリッター 11 第1の反射鏡 12 第2の反射鏡 13 4分割ポジションセンサーフォトダイオード 14 マイクロメーター 15、16 微動機構 17 λ/4板 31 I/V変換機 32 差動増幅器 33 CPU 34 ピエゾ駆動回路 35 メモリー 36 表示装置 37 レーザー用電源 41 光学顕微鏡用の対物レンズ 80 チューブ型の圧電駆動部材 82 4分割された電極 83 カンチレバー 84 スタイラス 85 レーザー光源 86 フォトディテクター 87 試料 以上

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部材と、 一端がヒンジを介して前記支持部材に固定され、試料面
    と平行な方向であるX方向に伸縮可能なX方向用駆動部
    材と、 前記X方向用駆動部材の他端に設けられ、カンチレバー
    とチップとを有した探針と、 前記探針を試料面と平行な方向でかつ前記X方向とは異
    なる方向であるY方向に駆動するY方向用駆動部材と、 光源と、 前記X方向用駆動部材と前記支持部材との間に設けられ
    たヒンジの屈曲する中心より前記X方向用駆動部材側に
    固定された第1の光路変換部材と、 前記X方向用駆動部材に設けられ、反射面を有した第2
    の光路変換部材と、 前記第2の光路変換部材にて反射した前記カンチレバー
    の反射光を受光する複数の受光面を有したを受光部材と
    を備え、 前記光源からの光を前記第1の光路変換部材によって前
    記第2の光路変換部材に照射し、更に第1の光路変換部
    材からの光を前記第2の光路変換部材によって前記カン
    チレバーに照射するよう前記光源と前記第1の光路変換
    部材と前記第2の変換部材と設けたことを特徴とする原
    子間力顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記第1の光路変換部材は、前記光源か
    らの光を前記第2の光路変換部材へ照射するよう反射面
    を有し、前記第1の光路変換部材の前記光源からの光を
    受光する反射面の位置は、前記X方向用駆動部材と前記
    支持部材との間に設けられたヒンジの屈曲する中心から
    前記光源からの光の光軸の延長上に対応する位置であ
    り、 更に、前記第2の光路変換部材は、前記第1の光路変換
    部材からの光を前記カンチレバーに照射し、かつ前記カ
    ンチレバーからの反射光を前記第1の光路変換部材に照
    射する反射面を有し、 更に、前記受光部材は、前記第2の光路変換部材と前記
    第1の光路変換部材とを経た前記カンチレバーからの反
    射光を受光する複数の受光面を有したことを特徴とする
    請求項1記載の原子間力顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記光源と前記第1の光路変換部材との
    間に光源からの光を透過し、かつ前記第1の光路変換部
    材からの反射光を反射するカンチレバー反射光分割部材
    を設けたことを特徴とする請求項2記載の原子間力顕微
    鏡。
  4. 【請求項4】 前記X方向用駆動部材は、複数の圧電体
    を前記X方向に積層した圧電駆動部材であり、 前記Y方向用駆動部材は、一端がヒンジを介して前記支
    持部材に固定され、かつ、他端がヒンジを介して前記X
    方向用圧電駆動部材に固定され、複数の圧電体を前記Y
    方向に積層した圧電駆動部材であることを特徴とする請
    求項1記載の原子間力顕微鏡。
  5. 【請求項5】 前記X方向用駆動部材の他端に、試料面
    に対し垂直な方向であるZ方向に複数の圧電体を積層
    し、前記Z方向に伸縮可能なZ方向用駆動部材を設け、 前記Z方向用駆動部材の試料面側の端に前記探針を設け
    たことを特徴とする請求項1記載の原子間力顕微鏡。
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