JP3950627B2 - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走査型プローブ顕微鏡に係り、特に、プローブとしてカンチレバーを用い、カンチレバーがピエゾスキャナによりX、Y、Z方向に移動可能となされ、カンチレバーの背面上にレーザ光を照射し、カンチレバー背面からのレーザの反射光を検出する構成を有する走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
プローブとしてカンチレバーを用い、カンチレバーがピエゾスキャナによりX、Y、Z方向に移動可能となされ、カンチレバーの背面上にレーザ光を照射し、カンチレバー背面からのレーザの反射光を検出する構成を有する走査型プローブ顕微鏡としては、原子間力顕微鏡や磁気力顕微鏡等が知られている。
【0003】
ところで、原子間力顕微鏡や磁気力顕微鏡における走査方式としては、試料を走査する試料走査方式と、カンチレバーを走査するプローブ走査方式があるが、特に観察試料が大きい場合には後者のプローブ走査方式が用いられる。
【0004】
また、プローブ走査方式にも種々の手法が提案されている。代表的なものとしては、レーザ光源を固定して集光レンズをピエゾスキャナに取り付けて走査を行うトラックスキャン(trak scan)方式、ピエゾスキャナの先端にレーザ光源を取り付けて走査を行う方式、2次元的な走査を行うXYピエゾスキャナと高さ方向の制御を行うためのZピエゾスキャナとの間にレーザ光源を配置して走査を行う方式等が知られている。
【0005】
本発明は、2次元的な走査を行うXYピエゾスキャナと高さ方向の制御を行うためのZピエゾスキャナとの間にレーザ光源を配置して走査するプローブ走査方式を用いた顕微鏡に関するものである。なお、本明細書においては、Z方向は高さ方向とし、X方向、Y方向は共にZ方向と直交し、且つ互いに直交する方向とする。従って、XY平面はZ方向と直交する平面である。
【0006】
この種の走査型プローブ顕微鏡の構成例を図4に示す。図4において、1はプローブであるカンチレバー、2はカンチレバーホルダ、3はホルダ支持部、4はXYピエゾスキャナ(以下、単にXYスキャナと称す)、5はZピエゾスキャナ(以下、単にZスキャナと称す)、6はレーザ光源支持部、7はレーザ光源、8、9、10はミラー、11は検出器、12は位置調整機構、13は筐体、Sは試料を示す。
【0007】
まず、構成について説明する。
カンチレバー1はカンチレバーホルダ2の下端に着脱自在に取り付けられており、カンチレバーホルダ2の上端はホルダ支持部3に固定されている。ホルダ支持部3の内部は中空になっており、且つホルダ支持部3の下面のミラー9の反射面に対向する部分には開口が設けられている。そして、ホルダ支持部3の中空となされた内部にはミラー9が配置されている。このミラー9は支持部により筐体13に固定されている。ホルダ支持部3と、レーザ光源支持部6との間にはZスキャナ5が配置されている。Zスキャナ5は圧電体にZ方向伸縮用電極が形成されたものであり、そのZ方向伸縮用電極に印加される電圧に応じてZスキャナ5はZ方向に伸縮するように構成されている。レーザ光源支持部6の端部にはレーザ光源7が取り付けられている。レーザ光源7としては、レーザダイオードを用いればよい。
【0008】
XYスキャナ4の下端にはレーザ光源支持部6が取り付けられ、XYスキャナ4の上端は筐体13の上部に固定されている。即ち、XYスキャナ4は、筐体13の上部とレーザ光源支持部6との間に配置されている。XYスキャナ4は圧電体にX方向走査用電極とY方向走査用電極が形成されたものである。従って、XYスキャナ4の上端は筐体13に固定されているから、X方向走査用電極及びY方向走査用電極に印加される電圧に応じてXYスキャナ4の下端が、図5の4、4′、4″で示すように湾曲して変位することになり、これによって、XYスキャナ4から下に配置されている、レーザ光源支持部6、Zスキャナ5、ホルダ支持部3、カンチレバーホルダ2、ミラー10及びカンチレバー1を一体として2次元走査を行うことができる。なお、図5ではX方向の変位のみを示している。
【0009】
ミラー8は、位置調整機構12により2軸(θy,θz)のあおりが調整可能となされている。位置調整機構12が設けられている理由は次のようである。カンチレバーは交換されることがあり、カンチレバーを交換した場合にはレーザ光源7からのレーザ光が、ミラー8、ミラー9によりカンチレバー1の背面上に当たるようにアラインメント調整する必要があり、そのために位置調整機構12によりミラー8の2軸(θy,θz)のあおりを調整できるようにしてあるのである。なお、位置調整機構12は本発明の本質ではないので、詳細な説明は省略する。
【0010】
ミラー10はホルダ支持部3の下面に固定されている。検出器11はミラー10により反射されたレーザ光を検出するためのものであり、4分割されたフォトダイオードで構成されるのが通常である。
【0011】
そして、ミラー8、9、カンチレバー1、ミラー10、検出器11は、レーザ光源7から放射されたレーザ光がミラー8で反射してミラー9に至り、ミラー9で反射されたレーザ光がカンチレバー1の背面に当たり、その反射光がミラー10で反射して検出器11に入射するように配置されている。
【0012】
以上の構成の走査型プローブ顕微鏡によれば、例えば、検出器11からの出力信号が一定になるようにZスキャナ5に印加する電圧を制御しながら、XYスキャナ4により2次元走査を行えば、試料Sの表面の像を観察することができる。
【0013】
なお、XYスキャナ4は図5に示すように、その下端部が湾曲して変位するのであるが、XYスキャナ4の下にレーザ光源7とカンチレバー1が配置されているので、2次元走査中はミラー8及びミラー9におけるレーザ光の反射角度に関係なく、カンチレバー1の背面に合わせたレーザ光のスポットの位置はカンチレバー1に追従して変位することになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図4に示す構成の走査型プローブ顕微鏡では、上述したように、カンチレバー1の背面に合わせたレーザ光はカンチレバー1に追従して変位するのであるが、レーザ光のスポットの位置はカンチレバー1の背面上の1点に常に固定されるわけではなく、XYスキャナ4による走査範囲が大きくなると、レーザ光のスポットがカンチレバー1の背面上から外れてしまう場合があるという問題がある。
【0015】
具体的には次のようである。
いま、図6に示すように走査を行っていない状態、即ち、レーザ光のスポットがカンチレバー1の背面上に合わせられている状態から、XYスキャナ4のX方向走査用電極のみにある電圧を印加したとする。そして、このとき、図7に示すように、XYスキャナ4の下端、即ちXYスキャナ4とレーザ光源支持部6との境界が図6に示す状態からX方向にαだけ変位し、レーザ光源支持部6からカンチレバー1までの部分が図6に示す状態から角度θだけ傾斜したとする。
【0016】
そして、図6に示す状態から図7に示す状態になったとき、カンチレバー1がX方向にどれだけ変位したか、そのX方向変位量と、図6の状態におけるカンチレバー1の背面上のレーザ光のスポットの位置がX方向にどれだけ変位したか、そのX方向変位量を考える。なお、ここでは、図6に示すように、XYスキャナ4の下端と、カンチレバー1の背面上のレーザ光のスポットを合わせる位置までのZ方向の距離をβとし、ミラー8とミラー9のX方向の距離をlとする。また、図6、図7では構成を簡略化して示している。
【0017】
まず、カンチレバー1のX方向変位量は、図7から幾何学的に容易に求めることができ、
(カンチレバー1のX方向変位量)=α+βsinθ …(1)
となる。
【0018】
次に、レーザ光のスポット位置のX方向変位量であるが、これも幾何学的に求めることができるが、ここでは次のような手法を用いる。
いま、図6に示す状態でカンチレバー1の背面上に合わせられているレーザ光のスポット、即ちレーザ光源7の鏡像を、ミラー9、ミラー8と逆に順次とっていき、レーザ光源7から放射されるレーザ光の直線上にそれらの鏡像の位置をとると、図8のAで示すようである。図8のAにおいて、Pはレーザ光源、Qはミラー8上におけるレーザ光のスポット位置、Rはミラー9上におけるレーザ光源の鏡像、Sはカンチレバー1の背面上のレーザ光源の鏡像を示している。そして、上述したところにより、図8のAにおいて、線分QRの長さはlであり、線分PQの長さと線分RSの長さの和はβである。
【0019】
さて、図6に示す状態から図7に示す状態にした場合におけるレーザ光のスポット位置のX方向変位量は、図8のAで示す線分PSを、X方向にαだけ平行移動させ、そこで角度θだけ回転させたときのSのX方向の変位量と同じである。図8のBはそれを示している。図8のBにおいて、P′、Q′、R′、S′は、それぞれ、図8のAのレーザ光源P、ミラー8上におけるレーザ光のスポット位置Q、ミラー9上におけるレーザ光源の鏡像R、カンチレバー1の背面上のレーザ光源の鏡像Sの移動先を示している。
【0020】
そして、図8のBにおいて、S′が、図8のAのSの位置からX方向にどれだけ移動したか、そのX方向変位量は、容易に求めることができ、
(レーザ光のスポット位置のX方向変位量)=α+(β+l)sinθ …(2)
となる。
【0021】
以上のようであるので、図6に示す走査を行っていない状態から、図7に示すようにX方向に走査を行った場合、(1)式と(2)式とから、カンチレバー1のX方向変位量と、レーザ光のスポット位置のX方向変位量とは、lsinθだけ異なってくるのである。
以上はX方向に走査した場合について説明したが、Y方向に走査した場合も同様である。
【0022】
以上のように、図4に示す構成では、2次元走査を行うとXYスキャナ4の下端部が湾曲して変位するために、カンチレバー1と、カンチレバー1の背面上のレーザ光のスポットの走査中のX方向位置及びY方向位置は、レーザ光のスポットの方がlsinθだけ、カンチレバー1よりも大きく変位してしまうのである。
【0023】
従って、2次元走査の範囲が広くなればなる程、カンチレバー1の位置と、レーザ光のスポット位置とのズレは大きくなり、ある走査範囲以上では走査中にレーザ光のスポットがカンチレバー1の背面上から外れて、像の観察ができなくなる場合が生じてしまうのである。
【0024】
そこで、本発明は、図4に示す構成において、XYスキャナ4によって2次元走査を行った場合にも、カンチレバー1の位置と、レーザ光のスポット位置とのズレが生じることを防止し、広い走査範囲においても試料の像の観察を可能とする走査型プローブ顕微鏡を提供することを目的とするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバーと、カンチレバーの高さ方向の制御を行うためのZピエゾスキャナと、レーザ光源と、カンチレバーとレーザ光源を一体として2次元的な走査を行うXYピエゾスキャナとを備える走査型プローブ顕微鏡であって、Zピエゾスキャナには、XYピエゾスキャナによる走査時に生じるカンチレバーの変位量と、レーザ光源からのレーザ光のスポット位置の変位量のズレをキャンセルするための位置ズレ補正用電極が形成されてなることを特徴とする。
また、請求項2記載の走査型プローブ顕微鏡は、筐体と、カンチレバーと、カンチレバーの高さ方向の制御を行うためのZピエゾスキャナと、レーザ光源と、筐体に取り付けられ、レーザ光源から放射されたレーザ光を反射する第1のミラーと、筐体に取り付けられ、第1のミラーで反射されたレーザ光をカンチレバーの背面に向けて反射する第2のミラーと、カンチレバーとレーザ光源を一体として2次元的な走査を行うXYピエゾスキャナとを備える走査型プローブ顕微鏡であって、レーザ光源は、XYピエゾスキャナによる走査時に生じるカンチレバーの変位量と、レーザ光源からのレーザ光のスポット位置の変位量のズレをキャンセルするための位置ズレ補正用スキャナに取り付けられてなることを特徴とする。
また、請求項3記載の走査型プローブ顕微鏡は、請求項2記載の走査型プローブ顕微鏡において、前記位置ズレ補正用スキャナはチューブ型圧電体を用いて構成されてなることを特徴とする。
更に、請求項4記載の走査型プローブ顕微鏡は、請求項2記載の走査型プローブ顕微鏡において、前記位置ズレ補正用スキャナは積層型圧電体を用いて構成されてなることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1に本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の第1の実施形態の構成を示す。図1において、20は位置ズレ補正用電極を示す。なお、図1において、図4に示すものと同じ構成要素については同一の符号を付している。
【0027】
図1に示す構成では、Zスキャナ5の圧電体には、Z方向伸縮用電極の他に、位置ズレ補正用電極20が形成されている。その他は図4に示すと同じである。
【0028】
位置ズレ補正用電極20には、X方向位置ズレ補正用電極と、Y方向位置ズレ補正用電極がある。従って、Zスキャナ5のZ方向伸縮用電極、及び位置ズレ補正用電極20に電圧を印加することによって、ホルダ支持部3、カンチレバーホルダ2、ミラー10及びカンチレバー1を一体としてZ方向の位置を調整できるばかりでなく、カンチレバー1のX方向位置及び/またはY方向位置を変位させることができる。そして、Zスキャナ5の位置ズレ補正用電極20に電圧を印加した場合には、Zスキャナ5の圧電体は、レーザ光源支持部6との取り付け部分から湾曲して変位することになるので、レーザ光源7の位置は変化しない。
【0029】
従って、XYスキャナ4に2次元走査用の信号を印加して走査を行う際に、Zスキャナ5の位置ズレ補正用電極20に適宜な電圧を印加し、カンチレバー1がX方向及び/またはY方向に、上記のlsinθだけ大きく変位させるようにすることによって、上述したカンチレバー1の変位量と、レーザ光のスポット位置の変位量のズレをキャンセルすることができる。
【0030】
XYスキャナ4のX方向走査用電極、Y方向走査用電極にどれだけの電圧を印加したときに、レーザ光源支持部6からカンチレバー1までの部分がX方向、Y方向にどれだけ移動し、何度の角度傾斜するかは、実験や理論計算によって知ることができ、また、位置ズレ補正用電極20にどれだけの電圧を印加したときに、ホルダ支持部3からカンチレバー1までの部分がX方向、Y方向にどれだけ移動し、何度の角度傾斜するかも、実験や理論計算によって知ることができるから、これらに基づいて、XYスキャナ4のX方向走査用電極、Y方向走査用電極にどれだけの電圧を印加したときに位置ズレ補正用電極20にどれだけの電圧を印加すればよいかを知ることができる。
【0031】
従って、例えば、制御装置(図1には図示せず)によりXYスキャナ4のX方向走査用電極、Y方向走査用電極に走査用の電圧を印加すると共に、当該制御装置からZスキャナ5の位置ズレ補正用電極20に対して、カンチレバー1の変位量と、レーザ光のスポット位置の変位量のズレをキャンセルできる電圧を印加することによって、常に、レーザ光のスポットをカンチレバー1の背面上に合わせることができる。
【0032】
この位置ズレ補正用電極20に印加する電圧としては、実際的には、XYスキャナ4のX方向走査用電極、Y方向走査用電極に印加する電圧の波形及び振幅を適宜調整したものでよい。
【0033】
以上のように、この走査型プローブ顕微鏡においては、レーザ光源支持部6より下側、即ちカンチレバー1の側にあるZスキャナ5に位置ズレ補正用電極20を形成し、ホルダ支持部3からカンチレバー1までを一体としてX方向及び/またはY方向に変位させることができるので、XYスキャナ4によって2次元走査を行った場合、走査範囲が広くても従来のようにカンチレバー1の変位量と、レーザ光のスポット位置の変位量にズレが生じることはなく、常に、レーザ光のスポットをカンチレバー1の背面上に合わせることができるものである。
【0034】
[第2の実施形態]
次に、図2に本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の第2の実施形態の構成を示す。図2において、30は位置ズレ補正用スキャナを示す。なお、図2において、図4に示すものと同じ構成要素については同一の符号を付している。
【0035】
図2に示す構成では、レーザ光源支持部6とレーザ光源7との間には位置ズレ補正用スキャナ30が配置されている。その他は図4に示すものと同じである。
【0036】
位置ズレ補正用スキャナ30は、チューブ型圧電体にX方向位置ズレ補正用電極と、Y方向位置ズレ補正用電極が形成されたものであり、これらのX方向位置ズレ補正用電極及び/またはY方向位置ズレ補正用電極に電圧を印加することによって、レーザ光源7をX方向及び/またはY方向に変位可能となされている。
【0037】
従って、XYスキャナ4に2次元走査用の信号を印加して走査を行う際に、位置ズレ補正用スキャナ30のX方向位置ズレ補正用電極及び/またはY方向位置ズレ補正用電極に適宜な電圧を印加し、レーザ光源7をX方向及び/またはY方向に、上記のlsinθだけ小さく変位させるようにすることによって、上述したカンチレバー1の変位量と、レーザ光のスポット位置の変位量のズレをキャンセルすることができる。
【0038】
XYスキャナ4のX方向走査用電極、Y方向走査用電極にどれだけの電圧を印加したときに、レーザ光源支持部6からカンチレバー1までの部分がX方向、Y方向にどれだけ移動し、何度の角度傾斜するかは、実験や理論計算によって知ることができ、また、位置ズレ補正用スキャナ30のX方向位置ズレ補正用電極、Y方向位置ズレ補正用電極にどれだけの電圧を印加したときに、レーザ光源7がX方向、Y方向にどれだけ移動し、何度の角度傾斜するかも、実験や理論計算によって知ることができるから、これらに基づいて、XYスキャナ4のX方向走査用電極、Y方向走査用電極にどれだけの電圧を印加したときに位置ズレ補正用スキャナ30のX方向走査用電極、Y方向走査用電極にどれだけの電圧を印加すればよいかを知ることができる。
【0039】
従って、例えば、制御装置(図2には図示せず)によりXYスキャナ4のX方向走査用電極、Y方向走査用電極に走査用の電圧を印加すると共に、当該制御装置から位置ズレ補正用スキャナ30のX方向位置ズレ補正用電極、Y方向位置ズレ補正用電極に対して、カンチレバー1の変位量と、レーザ光のスポット位置の変位量のズレをキャンセルできる電圧を印加することによって、常に、レーザ光のスポットをカンチレバー1の背面上に合わせることができる。
【0040】
この位置ズレ補正用スキャナ30のX方向位置ズレ補正用電極、Y方向位置ズレ補正用電極に印加する電圧としては、実際的には、XYスキャナ4のX方向走査用電極、Y方向走査用電極に印加する電圧の波形及び振幅を適宜調整したものでよい。
【0041】
以上のように、この走査型プローブ顕微鏡においては、レーザ光源支持部6とレーザ光源7との間に位置ズレ補正用スキャナ30を配置し、レーザ光源7をX方向及び/またはY方向に変位させることができるので、XYスキャナ4によって2次元走査を行った場合、走査範囲が広くても従来のようにカンチレバー1の変位量と、レーザ光のスポット位置の変位量にズレが生じることはなく、常に、レーザ光のスポットをカンチレバー1の背面上に合わせることができるものである。
【0042】
[第3の実施形態]
次に、図3に本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の第3の実施形態の構成を示す。図3において、40は位置ズレ補正用スキャナを示す。なお、図3において、図4に示すものと同じ構成要素については同一の符号を付している。
【0043】
図4においては、レーザ光源支持部6のレーザ光源7が取り付けられる部分には、積層型圧電体を用いた位置ズレ補正用スキャナ40が配置されている。図3に示す構成の考え方は図2に示すものと同じであるが、図2では位置ズレ補正用スキャナ30はチューブ型圧電体で構成されているが、図3では位置ズレ補正用スキャナ40は積層形圧電体を用いて構成されている。図2に示す第2の実施形態と、図3に示す第3の実施形態の差異はこれだけであり、その他は第2の実施例で説明したものと同じである。
【0044】
従って、この走査型プローブ顕微鏡によれば、レーザ光源支持部6のレーザ光源7が取り付けられる部分に位置ズレ補正用スキャナ40を配置し、レーザ光源7をX方向及び/またはY方向に変位させることができるので、XYスキャナ4によって2次元走査を行った場合、走査範囲が広くても従来のようにカンチレバー1の変位量と、レーザ光のスポット位置の変位量にズレが生じることはなく、常に、レーザ光のスポットをカンチレバー1の背面上に合わせることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の第1の実施形態の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の第2の実施形態の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の第3の実施形態の構成を示す図である。
【図4】2次元的な走査を行うXYピエゾスキャナと高さ方向の制御を行うためのZピエゾスキャナとの間にレーザ光源を配置して走査するプローブ走査方式を用いた走査型プローブ顕微鏡の構成例を示す図である。
【図5】走査時におけるXYスキャナ4の動きを説明するための図である。
【図6】発明が解決しようとする課題を説明するための図である。
【図7】発明が解決しようとする課題を説明するための図である。
【図8】発明が解決しようとする課題を説明するための図である。
【符号の説明】
1…プローブであるカンチレバー、2…カンチレバーホルダ、3…ホルダ支持部、4…XYピエゾスキャナ(XYスキャナ)、5…Zピエゾスキャナ(Zスキャナ)、6…レーザ光源支持部、7…レーザ光源、8、9、10…ミラー、11…検出器、12…位置調整機構、13…筐体、S…試料。
Claims (4)
- カンチレバーと、
カンチレバーの高さ方向の制御を行うためのZピエゾスキャナと、
レーザ光源と、
カンチレバーとレーザ光源を一体として2次元的な走査を行うXYピエゾスキャナと
を備える走査型プローブ顕微鏡であって、
Zピエゾスキャナには、XYピエゾスキャナによる走査時に生じるカンチレバーの変位量と、レーザ光源からのレーザ光のスポット位置の変位量のズレをキャンセルするための位置ズレ補正用電極が形成されてなる
ことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。 - 筐体と、
カンチレバーと、
カンチレバーの高さ方向の制御を行うためのZピエゾスキャナと、
レーザ光源と、
筐体に取り付けられ、レーザ光源から放射されたレーザ光を反射する第1のミラーと、
筐体に取り付けられ、第1のミラーで反射されたレーザ光をカンチレバーの背面に向けて反射する第2のミラーと、
カンチレバーとレーザ光源を一体として2次元的な走査を行うXYピエゾスキャナと
を備える走査型プローブ顕微鏡であって、
レーザ光源は、XYピエゾスキャナによる走査時に生じるカンチレバーの変位量と、レーザ光源からのレーザ光のスポット位置の変位量のズレをキャンセルするための位置ズレ補正用スキャナに取り付けられてなる
ことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。 - 前記位置ズレ補正用スキャナはチューブ型圧電体を用いて構成されてなることを特徴とする請求項2記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記位置ズレ補正用スキャナは積層型圧電体を用いて構成されてなることを特徴とする請求項2記載の走査型プローブ顕微鏡。
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