JP2004198716A - スキャナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】曲面により形成される反射面12を有する光学部材11を、圧電素子16により反射面12への入射光の位置が曲面の曲率半径方向に移動するように直線移動させ、この直線移動により光学部材11の反射面12より反射される光を照射面上でスキャンさせる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの光を走査するスキャナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザ走査型顕微鏡には、光源からの光を走査するスキャナ装置が用いられている。
【0003】
このようなレーザ走査型顕微鏡を用いて試料を観察する場合、スキャナ装置により光源からの光を1次元または2次元に走査して試料に照射し、試料からの反射光を通じて試料観察を行うようにしている。
【0004】
ところで、従来のスキャナ装置は、ガルバノメータ式のものが多く用いられており、例えば、特許文献1に開示されるようにスキャナアセンブリユニットを備えた走査型顕微鏡で、スキャナアセンブリユニットを共振型のガルバノメータ式スキャナで構成することにより、非共振型のスキャナに比べて高速スキャンを実現できるようにしたものがある。
【0005】
また、他の例として、例えば、特許文献2に開示されるように走査型顕微鏡に使用する2次元スキャナであって、主に第1と第2の2つのガルバノメータ式スキャナで構成されている。そして、第1のスキャナミラーによる反射光の振れ中心と瞳投影レンズの光軸上の入射瞳位置と一致するように第1のスキャナミラー配置し、また、第2のスキャナミラーによる反射光の振れ中心から瞳投影レンズまでの光路長と、瞳投影レンズの入射瞳位置から瞳投影レンズまでの長さが一致するように第2のスキャナミラーを配置し、常に、瞳位置で光を偏向できるようにすることで、走査型顕微鏡に使用した場合、高精度の検出を実現できるようにしたものもある。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−202023号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平6−043369号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これら特許文献1、特許文献2に開示されるスキャナでは、いずれもガルバノメータ式スキャナが用いられている。このため、これらスキャナでは、ガルバノミラーを回転させるための駆動手段として、例えば、モータやコイルばねに電流を流して電磁場を作るようにしたものなどが一般に用いられる。
【0009】
しかし、これらの駆動手段によると、電流による発熱や構成上の剛性から、ある程度の振れ角度を確保したい場合、ガルバノミラーを高速で回転させるのに限界があり、現実に、数十KHz程度の高速のスキャナの実現は難しい。
【0010】
また、これら特許文献1、特許文献2に開示されるスキャナは、2次元のスキャンを行うのに、2つのガルバノメータ式スキャナを必要とするため、価格的に高価な構成となるとともに、システム構成も難しくなり、設計上の制限も生じるという問題があった。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、高速のスキャンを実現できるスキャナ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、曲面により形成される反射面を有する光学部材と、前記光学部材の反射面への入射光の位置が前記曲面の曲率半径方向に移動するように前記光学部材を直線移動させる駆動手段と、前記駆動手段による前記光学部材の移動量を制御する制御手段と、を具備し、前記前記光学部材の直線移動により前記光学部材の反射面より反射される光を照射面上でスキャンさせることを特徴としている。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記光学部材は、反射面の曲面の曲率半径が一定に形成された柱状体からなり、前記駆動手段は、さらに前記直線移動方向と直交する方向に前記光学部材を傾け可能にしたことを特徴としている。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記光学部材は、反射面の曲面の曲率半径が徐々に変化するような形状をなし、前記駆動手段は、さらに前記直線移動と直交する方向で前記反射面の曲率半径が変化する方向に前記光学部材を移動可能にしたことを特徴としている。
【0015】
請求項4記載の発明は、球面により形成される反射面を有する光学部材と、前記光学部材の反射面への入射光の位置が前記球面上の直交方向にそれぞれ移動するように前記光学部材を直線移動させる駆動手段と、前記駆動手段による前記光学部材の移動量を制御する制御手段と、を具備し、前記前記光学部材の直線移動により前記光学部材の反射面より反射される光を照射面上でスキャンさせることを特徴としている。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記駆動手段は、圧電素子を有することを特徴としている。
【0017】
この結果、本発明によれば、光学部材を直進移動して反射面への入射光の位置を曲面の曲率半径方向に移動させる簡単な構成により高速なスキャンを実現できる。
【0018】
また、本発明によれば、さらに光学部材を傾けたり、反射面の曲率半径が変化する方向に移動させることにより、2次元のスキャンを実現できる。
【0019】
さらに、本発明によれば、反射面を球面にした1個の光学部材を用い、反射面への入射光の位置が球面上の直交方向にそれぞれ移動するように、光学部材を直線移動させる簡単な構成により、高速な2次元スキャンを実現できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態が適用されるスキャナ装置の概略構成で、図1は、正面図、図2は、側面図を示している。
【0022】
図1において、11は光学部材で、この光学部材11は、図3に示すように、断面を扇状にするとともに、曲面の曲率半径が先端部から基端部にかけて一定の柱状体をなすものである。この光学部材11は、曲面を形成する側面を反射面12に形成している。
【0023】
光学部材11は、矩形状をした載置台13上に直立して載置されている。この場合、光学部材11は、載置台13の上面に対して垂直方向に精度よく取り付けられている。
【0024】
載置台13は、側縁部13a、13b、13c、13dのうち、相対向する側縁部13a、13cを、例えば板ばねのような弾性部材14a、14bにより支持台15に支持されている。これら弾性部材14a、14bは、一直線上に配置され、それぞれの弾性力により載置台13を弾性部材14a、14bの支持方向と直交する方向に水平移動できるように支持している。
【0025】
載置台13には、側縁部13bと支持台15の間に、駆動手段として、圧電素子16が設けられている。支持台15には、載置台13の側縁部13dとの間に僅かな間隔をおいてセンサ17が設けられている。この場合、センサ17は、載置台13の側縁部13dに接触する接触型センサであってもよい。
【0026】
これら圧電素子16およびセンサ17には、制御手段として、制御部18が接続されている。
【0027】
圧電素子16は、制御部18より印加される駆動電圧により伸び方向に変形するもので、載置台13を弾性部材14a、14bの支持方向と直交する水平方向に直線移動させて、光学部材11の反射面12に入射する、後述する入射光141の位置を反射面12の曲率半径方向に移動させるようにしている。
【0028】
この場合、圧電素子16の固有周波数は、移動ストローク、構成の質量および構成の剛性によって異なるが、通常のものでも数十KHzのものが用いられている。
【0029】
センサ17は、載置台13の移動量を検出するもので、この検出信号を制御部18に入力するようにしている。
【0030】
一方、図2に示すように支持台15は、例えばコイルばねのような弾性部材19a、19bを介してベース部20上に支持されている。支持台15には、ベース部20との間に圧電素子21、22が設けられている。また、支持台15の上面との間に僅かな間隔をおいてセンサ23が設けられている。この場合、センサ23は、支持台15の上面に接触する接触型センサであってもよい。
【0031】
これら圧電素子21、22およびセンサ23も上述した制御部18に接続されている。
【0032】
圧電素子21、22は、制御部18より印加される駆動電圧により伸び方向に変形するもので、これら圧電素子21、22の図示矢印P方向の変形の大きさにより、支持台15とともに、載置台13上の光学部材11を図示矢印Q方向に傾けるようにしている。この場合、支持台15の傾き方向は、載置台13の直線移動方向に直交する方向になっている。
【0033】
この場合の圧電素子21、22の固有周波数についても、上述した圧電素子16とほぼ同様なものが用いられる。
【0034】
センサ23は、支持台15の傾き量を検出するもので、この検出信号を制御部18に入力するようにしている。
【0035】
制御部18は、図示しない外部装置からの制御信号が与えられ、この制御信号により圧電素子16を駆動する電圧を出力するとともに、センサ17からの検出信号をチェックしながら載置台13の弾性部材14a、14bの支持方向と直交する方向の移動量を制御し、さらに、圧電素子21、22を駆動する電圧を出力するとともに、センサ23からの検出信号をチェックしながら支持台15の傾き量を制御するようにしている。
【0036】
次に、このように構成した実施の形態の動作を説明する。
【0037】
いま、図1に示すように、光学部材11の反射面12に図示しない光源から入射光141が与えられているとする。この場合、入射光141は、載置台13の弾性部材14a、14bによる支持方向に沿った方向から反射面12に入射されている。
【0038】
この状態から、図示しない外部装置から制御部18に制御信号が与えられると、制御部18より圧電素子16に対して駆動電圧が出力される。この場合、制御部18からは、図2に示す圧電素子21、22に対しても駆動電圧が出力される。
【0039】
ここで、まず、圧電素子16の駆動による光学部材11の動きについて説明する。この場合、制御部18より圧電素子16に駆動電圧が印加されると、このときの駆動電圧の大きさに応じて、圧電素子16は伸び方向に変形し、載置台13を押すようになる。
【0040】
載置台13は、弾性部材14a、14bにより支持台15に支持された状態で、圧電素子16の伸びと共に、弾性部材14a、14bの支持方向と直交する方向に直進移動し、載置台13に載置されている光学部材11も移動する。
【0041】
載置台13の移動量は、センサ17により検出され、この検出信号は制御部18に入力される。これにより、載置台13は、移動量を常に監視された状態で、制御部18に与えられた制御信号の通りに直進移動される。
【0042】
この後、制御部18より圧電素子16に印加される駆動電圧がゼロになると、圧電素子16は、元の状態に戻され、載置台13とともに光学部材11も、弾性部材14a、14bの弾性力により元の位置に戻される。
【0043】
以下、同様にして制御部18より圧電素子16に対し、上述した駆動電圧を繰り返し印加することにより、光学部材11を所定の移動量の範囲で直進往復移動させることができる。
【0044】
ところで、図4に示すように、載置台13と共に、光学部材11が図示破線で示す光学部材11’の位置まで直進移動すると、反射面12も図示破線で示す反射面12’の位置に移動することから、反射面12への入射光141の位置は、反射面12上の図示a点から反射面12’上の図示b点まで曲率半径方向に移動する。すると、反射面12の点aから反射する反射光151と反射面12’の点bから反射する反射光151’は、それぞれ異なる方向に偏向され、照射面161上に照射される。つまり、反射面12、12’で反射された反射光151、151’は、照射面161上の異なる点a’、b’に照射されるようになる。
【0045】
これにより、載置台13と共に光学部材11を直進移動させて入射光141を反射面12、12’の範囲で反射させることで、反射光151(151’)を照射面161上の点a’、b’の間でスキャンさせることができる。
【0046】
この場合、図4に示すように、光学部材11の反射面12の曲率半径をR、入射光141と照射面161の距離をL、入射光141と光学部材11の上面の距離をh、光学部材11の直進移動距離をt、反射光151(151’)の照射面161上での移動距離をlとした場合、lとtの関係は、下記の式で表すことができる。
【0047】
ここで、Lを100mm、Rを15mm、hを5mmとし、光学部材11の直進移動距離tを1〜9mmの範囲で変化させた場合のtとlの関係を調べたところ、図5に示す結果が得られ、同図のグラフから光学部材11の直進移動距離tが5mmを超えるとtとlが非線形の関係になることが分かる。
【0048】
しかし、一般に顕微鏡の場合、視野数が通常20mm程度であり、図5で示すような大きな反射光の移動量またはスキャン範囲を必要とせず、実際の構成寸法は、光学部材11の移動量は、1mm程度あれば、必要なスキャン範囲を充分確保できる。そこで、図5に示すグラフにおいて、光学部材11の移動量が1mmの範囲のみをを拡大すると、図6に示すようになり、同図に示すグラフからtとlの関係は、ほぼ線形ととみなすことができる。
【0049】
一方、図2において、圧電素子21、22のうち、例えば、圧電素子21に対して、制御部18から駆動電圧が印加されると、このときの駆動電圧の大きさに応じて、圧電素子21は伸び方向に変形する。この場合、制御部18から圧電素子22に印加される駆動電圧は、ゼロのままで、圧電素子22は、変形していない状態を維持されている。
【0050】
これにより、支持台15は、傾けられ、この支持台15の傾きとともに、載置台13上の光学部材11も傾けられる。この場合、光学部材11の傾き方向は、載置台13の移動方向に直交する方向である。
【0051】
この結果、図7に示すように光学部材11の反射面12は、図示破線で示す反射面12’’の角度の範囲で傾くようになり、反射面12に入射する入射光141は、反射面12の傾き角度に応じて異なる方向に反射し、照射面161上の点a’’、b’’の間で照射されるようになる。
【0052】
これにより、載置台13と共に光学部材11を直進移動させて、入射光141を照射面161上の点a’、b’の間でスキャンさせ、同時に、支持台15と共に光学部材11を傾けて、入射光141を照射面161上の点a’’、b’’の間で移動させることにより、照射面161上においてXY方向の2次元のスキャンを実現することができる。
【0053】
従って、このようにすれば、載置台13と共に光学部材11を直進移動させるとともに、支持台15と共に光学部材11を傾ける簡単な構成によって、2次元のスキャンを実現することができる。また、載置台13の直進移動および支持台15の傾けの駆動源として、圧電素子16、21、22が用いられ、これら圧電素子16、21、22の固有周波数として、例えば数十KHz程度のものを用いることにより、これらの動作を高速で行うことができ、高速スキャンを実現することができる。
【0054】
なお、光学部材11は、断面を扇状にした柱状体のものを用いたが、円柱状をしたものを用いることもできる。
【0055】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0056】
図8および図9は、本発明の第2の実施の形態が適用されるスキャナ装置の概略構成で、図8は、正面図、図9は、側面図を示している。なお、これら図8および図9は、上述した図1と同一部分には、同符号を付している。
【0057】
この場合、31は光学部材で、この光学部材31は、図10に示すように断面を扇状にするとともに、曲面の曲率半径が先端部から基端部にかけて徐々に大きくなるような形状をしたものである。光学部材31は、このような曲面を形成する側面を反射面32に形成している。
【0058】
光学部材31は、矩形状をした載置台13上に直立して載置されている。この場合、光学部材31は、載置台13の上面に対して垂直方向に精度よく取り付けられている。
【0059】
その他は、図1と同様である。
【0060】
一方、図9に示すように支持台15の下面には、圧電素子33が設けられている。この圧電素子33も制御部18に接続されている。
【0061】
圧電素子33は、制御部18より印加される駆動電圧により伸び方向に変形するもので、この変形により、支持台15とともに、載置台13上の光学部材31を上下動させるようにしている。この場合、支持台15の上下動は、載置台13の直線移動方向と直交する方向で、光学部材31の反射面32の曲面の曲率半径が変化する方向になっている。
【0062】
このような構成において、制御部18から圧電素子16に駆動電圧を印加し、圧電素子16を変形させて載置台13とともに光学部材31を弾性部材14a、14bの支持方向と直交する方向に直進移動させることにより、第1の実施の形態で述べたと同様にして、光学部材31の反射面32に入射する光の反射光が偏向され、照射面をスキャンすることができる。
【0063】
一方、圧電素子33に対して制御部18から駆動電圧が印加されると、圧電素子33が変形する。これにより、支持台15は、上下動し、この支持台15の上下動とともに、載置台13上の光学部材31も上下動される。
【0064】
この場合、光学部材31は、図10に示すように反射面32の曲面の曲率半径が底面に向けて徐々に大きくなるような形状をしているので、光学部材31が上下動されて、図9に示すように反射面32への入射光141の位置が図示c点からd点に移動すると、これらc、d点での反射面32の曲率半径が変化することから、入射光141は、反射面32上のそれぞれの位置、つまりc、d点で異なる方向に反射して照射面上に照射される。
【0065】
ここで、光学部材31の反射面32の曲率半径と、反射面32からの反射光の照射面上における移動距離の関係は、第1の実施の形態で述べた(1)式で表すことができる。例えばLを100mm、hを5mm、tを1mmとし、これらの条件の下で曲率半径Rを15〜50mmの範囲で変化させると、反射光の照射面上での移動距離は、図11のグラフに示す関係で表わすことができる。
【0066】
これにより、載置台13と共に光学部材31を直進移動させ、入射光141を照射面上でスキャンさせ、また、支持台15と共に光学部材31を上下動させ、入射光141を曲率半径の異なる反射面32上に位置させて、反射光を照射面上で移動させることにより、このときのスキャンの範囲を任意に変えることができる。
【0067】
従って、このようにすれば、光学部材31を上下動させるのに圧電素子33のみを用いた簡単な構成により、反射光の照射面でのX方向のスキャンの範囲を所望するものに簡単に設定することができる。
【0068】
なお、上述した第2の実施の形態では、X方向のスキャンの範囲を設定するのみの構成になっているが、第1の実施の形態で述べたと同様にして、支持台15と共に光学部材11を傾ける構成を付加することによって、XY方向の2次元のスキャンを実現することができる。また、上述した実施の形態では、光学部材31を上下動するのに圧電素子33を用いたが、光学部材31の上下動を高速で行う必要がない場合は、モータなど他の駆動手段を用いて光学部材31を上下動させるようにしてもよい。さらに、光学部材11は、円錐状をしたものを用いることもできる。
【0069】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0070】
図12および図13は、本発明の第3の実施の形態が適用されるスキャナ装置の概略構成で、図12は、正面図、図13は、側面図を示している。
【0071】
図1において、41は光学部材で、この光学部材41は、球体を4分割した形状をなすものである。この光学部材41は、球面部分を反射面42に形成している。
【0072】
光学部材41は、矩形状をした載置台43に固定されている。この場合、図13に示すように載置台43は、垂直方向に設けられ、この載置台43に対して光学部材41の反射面42が下側を向くように取り付けられている。
【0073】
載置台43は、側縁部43a、43b、43c、43dのうち、相対向する側縁部43a、43cのうち、側縁部43aを、例えば板ばねのような弾性部材44aにより支持台45に支持され、また、側縁部43cを、例えば板ばねのような弾性部材44bと圧電素子46を介して支持台45に支持されている。
【0074】
同様にして、他の相対向する側縁部43b、43dのうち、側縁部43bを、例えば板ばねのような弾性部材47aにより支持台45に支持され、また、側縁部43dを、例えば板ばねのような弾性部材47bと圧電素子48を介して支持台45に支持されている。この場合、圧電素子46および48は、互いに直交するXY方向に配置されている。
【0075】
支持台45には、載置台43の側縁部43cとの間に僅かな間隔をおいてセンサ49が設けられ、同様に載置台43の側縁部43dとの間に僅かな間隔をおいてセンサ50が設けられている。この場合、センサ46は、載置台43の側縁部43cに接触する接触型センサであってもよく、同様に、センサ50も、載置台43の側縁部43dに接触する接触型センサであってもよい。
【0076】
これら圧電素子46、48およびセンサ49,50には、制御部51が接続されている。
【0077】
圧電素子46は、制御部51より印加される電圧により伸縮方向に変形するもので、載置台43をX方向に直進移動させ、また、圧電素子48も、制御部51より印加される電圧により伸縮方向に変形するもので、載置台43をX方向と直交するY方向に直進移動させるようにしたもので、光学部材41の反射面42に入射する後述する入射光52の位置を直交する方向(XY方向)に移動させるようにしている。この場合、これら圧電素子46、48の固有周波数は、移動ストローク、構成の質量および構成の剛性によって異なるが、通常のものでも数十KHzのものが用いられている。
【0078】
センサ49、50は、それぞれ載置台43のXY方向の移動量を検出するもので、この検出信号を制御部51に入力するようにしている。
【0079】
制御部51は、図示しない外部装置からの制御信号が与えられ、この制御信号により圧電素子46、48を駆動する電圧を出力するとともに、センサ49、50からの検出信号をチェックしながら載置台43のXY方向の移動量を制御するようにしている。
【0080】
次に、このように構成した実施の形態の動作を説明する。
【0081】
いま、図12に示すように、光学部材41の反射面42に図示しない光源から入射光52が与えられているとする。この場合、入射光52は、載置台43の弾性部材44a、44bによる支持方向に沿った方向、つまりX方向から反射面42に入射されている。
【0082】
この状態から、図示しない外部装置から制御部51に制御信号が与えられると、制御部51より圧電素子46、48に対して駆動電圧が出力される。
【0083】
ここで、まず、圧電素子46の駆動による光学部材41の動きについて説明する。この場合、制御部51より圧電素子46に駆動電圧が印加されると、圧電素子46は伸び方向に変形し、載置台43を押すようになる。
【0084】
載置台43は、弾性部材44a、44bにより支持台45に支持された状態で、圧電素子46の伸びと共に、X方向に直進移動し、載置台43に載置されている光学部材41も移動する。
【0085】
載置台43の移動量は、センサ49により検出され、この検出信号は制御部51に入力される。これにより、載置台43は、移動量を常に監視された状態で、制御部51に与えられた制御信号の通りにX方向に直進移動される。
【0086】
この後、制御部51より圧電素子46に対して上述と逆極性の駆動電圧を印加すると、圧電素子46は、元の状態に戻され、載置台43とともに光学部材41も元の位置に戻される。
【0087】
以下、同様にして制御部51より圧電素子46に対し、上述した駆動電圧を繰り返し出力することにより、光学部材41をX方向の所定の移動量の範囲で直進往復移動させることができる。
【0088】
同様にして、制御部51より圧電素子48に駆動電圧が印加されると、圧電素子48は伸び方向に変形し、載置台43を押すようになる。
【0089】
載置台43は、弾性部材47a、47bにより支持台45に支持された状態で、圧電素子48の伸びと共に、今度は、Y方向に直進移動し、載置台43に載置されている光学部材41も移動する。
【0090】
載置台43の移動量は、センサ50により検出され、この検出信号は制御部51に入力される。これにより、載置台43は、移動量を常に監視された状態で、制御部51に与えられた制御信号の通りにY方向に直進移動される。
【0091】
この後、制御部51より圧電素子48に対して上述と逆極性の駆動電圧を印加すると、圧電素子48は、元の状態に戻され、載置台43とともに光学部材41も元の位置に戻される。
【0092】
以下、同様にして制御部51より圧電素子48に対し、上述した駆動電圧を繰り返し出力することにより、光学部材41をY方向の所定の移動量の範囲で直進往復移動させることができる。
【0093】
この場合、図14に示すように、光学部材41をY方向に、図示破線で示す光学部材41’の位置まで直進移動すると、反射面42も図示破線で示す反射面42’の位置に移動することから、反射面42に入射する入射光52の位置は、反射面42上の図示a点から反射面42’上の図示b点に移動する。すると、第1の実施の形態で述べたと同様にして、反射面42の点aから反射する反射光54と反射面42’の点bから反射する反射光54’は、それぞれ異なる方向に偏向され、照射面53上に照射される。つまり、反射面42、42’で反射された反射光54、54’は、照射面53上の異なる点a’、b’に照射されるようになる。
【0094】
これにより、光学部材41を直進移動させて入射光52を反射面42、42’の範囲で反射させることで、反射光54(54’)を照射面53上の点a’、b’の間でスキャンさせることができる。
【0095】
一方、光学部材41がX方向に直進移動すると、上述したY方向の場合と同様にして、光学部材41の反射面42上の入射光52の位置が変わり、反射光は偏向され、照射面53上で移動するようになる。
【0096】
この場合、光学部材41がX方向に直進移動したときの、反射光の移動方向は光学部材41がY方向に直進移動したときの反射光の移動方向と直交する方向となる。正確には、図15に示すように光学部材41をY方向に直進移動したときの反射光の照射面53上での移動軌跡54は、直線になるのに対し、光学部材41をX方向に直進移動したときの反射光の照射面53上での移動軌跡55は、曲線となる。しかし、光学部材41のX方向の直進移動量が小さい場合、つまり、反射光の照射面53上の移動距離が小さい場合、反射光の移動軌跡55は、ほぼ直線とみなすことができる。
【0097】
これにより、載置台43と共に光学部材41をY方向に直進移動させて、反射光54を照射面53上でスキャンさせ、同時に、光学部材41をX方向に直進移動させて、光学部材41がY方向に直進移動したときの反射光の移動方向と直交する方向に、反射光を照射面53上で移動させることにより、照射面53上においてXY方向の2次元のスキャンを実現することができる。
【0098】
従って、このようにすれば、球面からなる反射面42を有する光学部材41を2次元方向に直進移動させることによって、反射面42からの反射光を2次元に偏向させることができるので、第1の実施の形態で述べたと同様に、高速スキャンを実現することができる。また、このような2次元のスキャンを実現するのに、1個の光学部材41を用いるだけなので、装置の構成を簡単化でき、価格的にも安価にできる。
【0099】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
【0100】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0101】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、簡単な構成で、高速のスキャンを実現できるスキャナ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す正面図。
【図2】第1の実施の形態の概略構成を示す側面図。
【図3】第1の実施の形態に用いられる光学部材を示す斜視図。
【図4】第1の実施の形態の光学部材を直線移動させた場合の入射光と反射光の関係を説明するための図。
【図5】第1の実施の形態の光学部材の直進移動距離と反射光の照射面上での移動距離の関係を示す図。
【図6】第1の実施の形態の光学部材の直進移動距離と反射光の照射面上での移動距離の関係を一部拡大して示す図。
【図7】第1の実施の形態の光学部材の反射面を傾けた場合の入射光と反射光の関係を説明するための図。
【図8】本発明の第2の実施の形態の概略構成を示す正面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態の概略構成を示す側面図。
【図10】第2の実施の形態に用いられる光学部材を示す斜視図。
【図11】第2の実施の形態の光学部材の反射面の曲率半径と反射光の照射面上における移動距離の関係を説明するための図。
【図12】本発明の第3の実施の形態の概略構成を示す正面図。
【図13】本発明の第3の実施の形態の概略構成を示す側面図。
【図14】第3の実施の形態の光学部材を直線移動させた場合の入射光と反射光の関係を説明するための図。
【図15】第3の実施の形態の光学部材をX方向に直進移動したときの反射光の移動軌跡と光学部材をY方向に直進移動したときの反射光の移動軌跡を示す図。
【符号の説明】
11…光学部材
12…反射面
13…載置台
13a〜13d…側縁部
14a.14b…弾性部材
15…支持台
16、21,22…圧電素子
141…入射光
151…反射光
161…照射面
17…センサ
18…制御部
19a.19b…弾性部材
20…ベース部
23…センサ
31…光学部材
32…反射面
33…圧電素子
41…光学部材
42…反射面
43…載置台
43a〜43d…側縁部
44a.44b、47a.47b…弾性部材
45…支持台
46.48…圧電素子
49.50…センサ
51…制御部
52…入射光
53…照射面
54、55…移動軌跡
Claims (5)
- 曲面により形成される反射面を有する光学部材と、
前記光学部材の反射面への入射光の位置が前記曲面の曲率半径方向に移動するように前記光学部材を直線移動させる駆動手段と、
前記駆動手段による前記光学部材の移動量を制御する制御手段と
を具備し、前記前記光学部材の直線移動により前記光学部材の反射面より反射される光を照射面上でスキャンさせることを特徴とするスキャナ装置。 - 前記光学部材は、反射面の曲面の曲率半径が一定に形成された柱状体からなり、
前記駆動手段は、さらに前記直線移動方向と直交する方向に前記光学部材を傾け可能にしたことを特徴とする請求項1記載のスキャナ装置。 - 前記光学部材は、反射面の曲面の曲率半径が徐々に変化するような形状をなし、
前記駆動手段は、さらに前記直線移動と直交する方向で前記反射面の曲率半径が変化する方向に前記光学部材を移動可能にしたことを特徴とする請求項1記載のスキャナ装置。 - 球面により形成される反射面を有する光学部材と、
前記光学部材の反射面への入射光の位置が前記球面上の直交方向にそれぞれ移動するように前記光学部材を直線移動させる駆動手段と、
前記駆動手段による前記光学部材の移動量を制御する制御手段と
を具備し、前記前記光学部材の直線移動により前記光学部材の反射面より反射される光を照射面上でスキャンさせることを特徴とするスキャナ装置。 - 前記駆動手段は、圧電素子を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスキャナ装置。
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