JP3333111B2 - 走査型プローブ顕微鏡及び走査型プローブ顕微鏡に用いられるユニット - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡及び走査型プローブ顕微鏡に用いられるユニット

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、探触針と試料表面間
に生じる物理量(例えば、トンネル電流や、原子間力、
光子量等)の変化を検出・測定して、画像化する走査型
プローブ顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記走査型プローブ顕微鏡は、探触針を
試料表面に限りなく接近させて、探触針と試料表面間に
生じる物理量の変化を検出することにより、試料の表面
形状をナノメータレベルで観測することができる装置と
して、注目されている。
【0003】この走査型プローブ顕微鏡の中で、探触針
と試料表面の間に流れるトンネル電流を検出・測定し
て、試料表面を観察する装置は、走査型トンネル顕微鏡
(STM)と呼ばれ、このSTMは、従来の顕微鏡と異
なり、試料内に束縛されている電子を検出することが可
能であり、原子配列を実空間で観測できるきわめて特徴
的な表面観察装置である。
【0004】このようなSTMの動作原理を以下に説明
する。z方向アクチュエ―タにより、先端の鋭い探触針
を試料表面に、これらからしみ出している電子雲が僅か
に重なり合う程度に接近させ、さらに探触針と試料との
間に電圧(トンネル電圧)を印加して、探触針から試料
へとトンネル電流を流す。そして、このトンネル電流を
一定に保つように前記z方向アクチュエ―タをサ―ボ動
作しながら、xy方向アクチュエ―タにより、探触針と
試料とを相対的に面方向に移動して二次元的走査をす
る。このとき、探触針をサ―ボ動作するz方向アクチュ
エ―タへのサ―ボ電圧を読取り、画像表示することによ
り試料の表面観察をおこなう。即ち、探触針が試料表面
上を走査し、この表面の段差に到達するとトンネル電流
が増加するので、トンネル電流が一定値(もとの値)に
なるまで、z方向アクチュエ―タにより探触針を試料よ
り離す。この探触針の移動が表面の段差に対応するの
で、この走査を繰り返しながら、サ―ボ電圧を読取るこ
とにより、試料の表面像が得られる。
【0005】上記トンネル電流JTは次式で表わされ
る。 JT ∞ exp(−A・Φ1/2 ・S) ここで、A:定数、 Φ:探触針と試料の仕事関数の平均 S:探触針と試料との間の距離 従って、トンネル電流JT は距離Sに対して極めて敏感
に変化し、原子スケ―ルの分解能が得られる。
【0006】上記のように、STMは極めて高分解能で
物質の表面像が得られる。また、これまでの電子線回
析、イオン散乱などの方法により得られた逆格子空間像
とは異なり、原子の配列を実空間で観測できるという特
徴を有している。さらに、探触針と試料との間に印加す
る電圧は、試料の仕事関数以下の値であり、検出される
トンネル電流はnAオ―ダ―であるため使用電力が低
く、試料を損傷する事も少ないという特徴もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のSTMは、実空
間で極めて高分解能の表面像が得られるのにもかかわら
ず、試料表面上の観察部位を目視で観察してから上記観
察操作をおこなっているために、観察部位があいまいに
なり、狭い範囲の特定の部位のみの観察には不向きであ
った。また、STM像と、他の顕微鏡(光学顕微鏡、電
子顕微鏡等)で得られる従来像との比較ができずSTM
観察領域(STM視野)と従来観察視野が必ずしも一致
しないという欠点があった。つまり、STM像と、光学
像のそれぞれの像を一台の装置で観察しようとする試み
は行われてなかった。
【0008】したがって、この発明は上記従来技術の問
題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光学顕
微鏡による試料観察と、この光学顕微鏡により特定され
る試料の測定部位の探触針による測定を行うことのでき
る走査型プローブ顕微鏡を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に関わる走査型
プローブ顕微鏡は、試料を光学的に観察し、探触針によ
る測定位置を特定する観察光学系を備える走査型プロー
ブ顕微鏡において、前記探触針と対物レンズとを備え、
前記探触針が前記試料に対向する位置にある状態と、前
記対物レンズが前記試料に対向する位置にある状態とを
選択するユニットが着脱可能に設けられていることを特
徴とする。また、この発明に関わるユニットは、試料を
光学的に観察し、探触針による測定位置を特定する観察
光学系を備える走査型プローブ顕微鏡に着脱可能に設け
られたユニットであって、前記探触針と対物レンズとを
備え、前記探触針が前記試料に対向する位置にある状態
と、前記対物レンズが前記試料に対向する位置にある状
態とを選択することを特徴とする。また、この発明に関
わるユニットは、試料を光学的に観察する光学顕微鏡
に、着脱可能に設けられたユニットであって、探触針と
対物レンズとを備え、前記探触針が前記試料に対向する
位置にある状態と、前記対物レンズが前記試料に対向す
る位置にある状態とを選択することを特徴とする。
【0010】
【作用】走査型プローブ顕微鏡の観察光学系、または、
光学顕微鏡を用いて、試料を光学的に観察すると共に、
着脱可能なユニットの構成要素の一つである探触針で測
定する測定位置を特定し、この測定位置を探触針で測定
する。
【0011】
【実施例】以下に、この発明実施例に係わる走査型プロ
ーブ顕微鏡を走査型トンネル顕微鏡の場合について、添
付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する各実施
例において、実質的に同じ機能を有する部材は同じ参照
番号を付して説明を省略する。
【0012】第1の実施例を示す図1並びに図2にて、
符号1は基板を示し、この基板1上にはz方向に移動可
能に移動ステ―ジ2が設けられている。この移動ステ―
ジ2上にはSTM視野観察光学系(光学顕微鏡)3が、
支柱2aによって、固定されている。この系3は、互い
に並ぶように配置された筒状の光源側ハウジング4と観
察側ハウジング5とを有する。光源側ハウジング4内に
は、光源6が一端に、第1のプリズム7が他端近くに、
そして集光レンズ8が途中に、夫々設けられている。一
方、観察側ハウジング5内には、結像レンズ9が一端に
そして第2のプリズム10が他端近くに、夫々設けられ
ている。また、両ハウジング4,5の他端には、共通に
1個の収束レンズ11(対物レンズ)が取着されてい
る。この収束レンズ11の中心には透孔11aが形成さ
れている。
【0013】上記のような構成のSTM視野観察光学系
においては、光源6から射出された光は、集光レンズ8
で集光され、平行光束となって第1のプリズム7に入射
する。入射光束は、ここで直角に2度反射されて収束レ
ンズ11の一部を通過する。この結果、光束は、収束レ
ンズ11の前面に配置された試料12の観察面に収束す
る。試料12からの反射光束は、前記収束レンズ11の
他部を通って観察側ハウジング5内に入り、第2のプリ
ズム10で光路が変更され、結像レンズ9で結像され
る。
【0014】従って、観察者は、この結像レンズ9を介
して、試料の観察面を見ることができる。この系でピン
トを合せる場合には、移動ステ―ジ2をz方向に移動さ
せて、試料に対して、収束レンズ11を接離する。もち
ろん、試料12を収束レンズ11に対してz方向に移動
させても良い。この試料12の移動装置は、後述する。
【0015】図1中、符号20はSTM系を示す。この
系20は、前記移動ステ―ジ2に固定されたアクチュエ
―タ取付台21を有する。この取付台21には、x,
y,z方向に微動可能な3次元アクチュエ―タ22が固
定されている。このアクチュエ―タの中心部には、探触
針ホルダ―23が突設されており、このホルダ―には探
触針24が取外し可能に、その基端部で保持されてい
る。この探触針24の先端は、前記収束レンズ11の中
央に形成された透孔11aを貫通して試料12側に、そ
の先端が延出している。この探触針24は、前記透孔1
1a内を軸方向(z方向)に移動可能なように、その外
径が設定されている。前記探触針ホルダ―23には、図
3に示すように、前端面にワリ23aが形成されてお
り、このワリ23aに探触針24の基端部を圧入するこ
とにより、探触針24を取外し可能に保持する。前記試
料12は、粗動装置30の先端に設けられた試料台31
に、前記収束レンズ11と対面するようにして保持され
ている。この粗動装置30は前記基板1に、ブロック1
aによって、固定され、試料台31をx方向に粗動可能
な、例えば、差動マイクロメ―タにより構成されてい
る。
【0016】次に、前記3次元アクチュエ―タ22を図
4並びに図5を参照して説明する。図中、符号40は、
基板1に固定されたアクチュエ―タ取付台21に、一面
が取着された、電気絶縁性の板からなる台座を示し、こ
の他面には正方形の4隅に対応する位置にそれぞれ配設
された4個の共通電極41が固定されている。これら共
通電極41間には、それぞれx電極42並びにy電極4
3が、これら電極と共通電極との間に圧電素子44を介
在させて、接続されている。また、中央には、x電極4
2並びにy電極43に、これらとの間に別の圧電素子4
4を介在させるようにして、接続された中央電極45が
設けられている。この中央電極45にはz方向に伸縮可
能な圧電素子46が固定されており、この先端面には、
絶縁板47を介して、前記探触針ホルダ―23が固定さ
れている。これら電極並びに圧電素子は、共に立方体を
なし、図示のように前者の方が少し大きなデイメンショ
ンを有する。また、圧電素子44は、中央電極45を境
として右側のものと左側のものとでは分極方向が逆にな
るように配設されている。例えば、一定の電圧を電極に
印加した場合には、中央電極45の右側に位置する圧電
素子44は縮み、一方左側に位置する圧電素子は伸びる
ように設定されている。かくして、中央電極45を接地
し、x電極42にVx>0の電圧を印加すると、中央電
極45は右側に移動し、逆にVx<0の電圧を印加する
と左側に移動する。この結果、交流電圧をx電極に印加
することにより、中央電極45に取着された探触針をx
方向に振動させることができる。同様にして、y電極に
Vy交流電圧を印加することにより、探触針をy方向に
振動させることができる。なお、この場合、x方向とy
方向とに同時に振動させるためには、4隅に位置する電
極にVx+Vyの交流電圧を印加する必要がある。上記
のような交流電圧の使用により、探触針はxy方向に移
動されて、試料12の観察面を走査することができる。
また、トンネル電流を一定に保つサ―ボ動作は、z方向
に伸縮可能な圧電素子46に、コントロ―ルユニットか
らのサ―ボ信号を入力して、試料の観察面と探触針との
間の距離を一定にすることによりおこなえる。
【0017】上記のような構成のSTM系20において
は、まず、移動ステ―ジ2をz方向に粗動させて、探触
針24を試料12に、前記光学系3のピント位置よりも
さらに、接近させる。次に、前記粗動装置30を、トン
ネル電流が検出できるまで、即ち、探触針24と試料1
2とがトンネル領域に入るように、微動調節する。そし
て、この状態で3次元アクチュエ―タ22に上述した信
号を与て、探触針22をxy方向(面方向)並びにz方
向(軸方向)にトンネル電流を一定に保ちながら、微動
させることにより、試料12の観察面を走査する。
【0018】次に、図6並びに第7図を参照して第2の
実施例に係わる走査型トンネル顕微鏡を説明する。この
実施例で、試料12を保持するための機構並びにSTM
視野観察光学系3及び探触針24の粗動駆動機構は、前
記実施例と同じなので、その説明を省略する。
【0019】光学系3は光源50並びにこの光源からの
光を収束するための集光レンズ51を有する。このレン
ズの前方には、入射光束を透過光束と90度反射光束と
に2分するための分岐プリズム52が配設されている。
このプリズム52の透過光束側には、入射光束を拡散し
て反射する凸面鏡53並びに凸面鏡からの反射光束を試
料12の観測面上に集光する凹面鏡54が設けられてい
る。この凸面鏡53は透明の支持板55の後面の中央部
に固定されている。尚、前記凹面鏡54からの反射光束
は、前記支持板55の周囲部を透過して試料12に入射
する。この支持板55の前面には3次元アクチュエ―タ
22が固定されており、このアクチュエ―タの先端には
探触針24が絶縁板47並びに探触針ホルダ―23を介
して支持されている。前記分岐プリズム52の反射側に
は、結像レンズ56が設けられ、この結像レンズ56か
ら、観察者は、試料12からの凹面鏡54、凸面鏡53
並びにプリズム52を介する反射光による試料12の観
察面からの顕微鏡像を観察することができる。
【0020】第2の実施例の装置に使用する3次元アク
チュエ―タ22は第1の実施例と同構造のものでも良い
が、ここでは、別の構造のものを使用している。これを
図7を参照して説明する。
【0021】このアクチュエ―タ22は、3個の圧電素
子60,61,62を有する。第1の圧電素子60は電
圧の印加方向と分極方向とが一致したものであり、両端
に設けられた電極63,64により、矢印方向(z方
向)に伸縮する。第2並びに第3の圧電素子61,62
は分極方向に対して直交する方向に電圧を印加すると、
せん断力が働き、分極方向に滑りが発生する。このよう
な第2並びに第3の圧電素子61,62を互いに分極方
向が直交するように配設し、第2の圧電素子61と第3
の圧電素子62との間並びに第3の圧電素子62と絶縁
板47との間に、夫々電極65,66が設けられてい
る。かくして、第2の圧電素子61は電極64、65間
に電圧を印加することにより、y方向に伸縮可能であ
り、また第3の圧電素子62は電極65,66間に電圧
を印加することにより、x方向に伸縮可能である。
【0022】上記第2の実施例の装置においても、第1
の実施例のものと同様の走査をすることにより、試料1
2をSTM観察ができると共にこのSTM視野を光学顕
微鏡観察することができる。尚、この実施例のように、
光学的視野観察光学系を反射対物レンズ系で構成した場
合には、屈折型対物レンズ系で構成した場合と比較し
て、W.Dを大きくとれ、探触針と試料とが接触して、
これらを損傷することがなく、光学的視野観察ができ
る。またこのような光学系は、色収差がなく、焦点位置
に波長依存性がないという特徴があるので、不可視光に
対する焦点調整が容易に行なえるという効果もある。
【0023】次に、第2の実施例の装置の光学系に、光
学的に試料の観察面の表面形状を測定する機能を付加し
た例を図8を参照して説明する。図8中、符号70は、
透明の支持板55と前面が対面するようにして固定され
た別の透明の支持板を示す。この支持板70の後面には
第1の分岐プリズム71が固定されている。このプリズ
ム71の側方には、集光レンズ72を介して、光源73
が設けられている。この光源73から射出された光は、
集光レンズ72により、集光されて第1の分岐プリノズ
ム71に入射し、これにより90度反射されて、凸面鏡
53,凹面鏡54を順次介して試料12を照射する。こ
の試料12からの反射光束は凹面鏡54、凸面鏡53を
介して、第1の分岐プリズム71に入射する。この分岐
プリズム71の透過側には第2の分岐プリズム74が、
また、このプリズム74の反射側には接眼レンズ75が
夫々設けられてい。かくして、第1の分岐プリズム71
に入射した前記反射光束は第2の分岐プリズムにより、
一部反射されて接眼レンズ75に導かれる。この結果、
前記第2の実施例と同様に観察者は、接眼レンズ75を
通して、試料12の観察面を顕微鏡観察することができ
る。
【0024】次に、第2の分岐プリズム74の透過側に
設けられた、表面形状測定装置を説明する。この装置
は、第2の分岐プリズム74の透過側に、λ/4板76
を介して、設けられた第3の分岐プリズム77を有す
る。この第3の分岐プリズム77の側方には、集光レン
ズ78を介して、レ―ザダイオ―ド79が設けられてい
る。また、この第3の分岐プリズム77の透過側には、
偏光ビ―ムスプリッタを構成する第4の分岐プリズム8
0が設けられている。この第4の分岐プリズム80の反
射側には、第1の臨界角プリズム81を介して、第1の
フォトダイオ―ド82が、また透過側には第2の臨界角
プリズム83を介して、第2のフォトダイオ―ド84
が、夫々設けられている。
【0025】上記構成の表面形状計測装置の作用を以下
に説明する。まず、レ―ザダイオ―ド79から射出され
た光束は、集光レンズ78により平行光束にされて第3
の分岐プリズム77に入射し、ここで90度反射され
る。この反射光束はλ/4板76を透過し、第2の分岐
プリズム74,第1の分岐プリズム71、凸面鏡53,
凹面鏡54を介して試料12に入射し、この観察面上に
微小なスポツトを形成する。この観察面からの反射光束
は、入射光束と逆の光路を通ってλ/4板76に入射
し、さらに第3の分岐プリズム77を透過する。この光
束は第3の分岐プリズム77によりp偏光され、第4の
分岐プリズム80に入射し、ここで2分される。一方の
光束は第1の臨界角プリズム81を介して、第1のフォ
トダイオ―ド82に、また他方の光束は第2の臨界角プ
リズム83を介して、第2のフォトダイオ―ド84に、
夫々入射する。このような装置においては、第1並びに
第2の臨界角プリズム81,83に夫々入射する光束が
試料12の観察面の凹凸により、入射角が異なり、臨界
角を越えて入射する光束はプリズム81,83外に出る
ので、フォトダイオ―ド82,84での検出光量に変化
が生じ、かくして試料12の観察面上の凹凸情報を光学
的に得ることができる。
【0026】上記光学的形状測定装置の原理を、図9を
参照して簡単に説明する。試料の観察面(測定面)aが
対物レンズb(凸面鏡と凹面鏡に対応する)の焦点位置
にあるとき、対物レンズbを通過した反射光は平行光束
となって臨界角プリズムcに入射する。この時、プリズ
ムcの反射面と入射光とのなす角が臨界角となるように
光学系を設定しておく。一方、観察面aが対物レンズb
側(点線Aで示す位置)に位置する場合には、観察面a
からの反射光は、対物レンズbにより発散光束となり、
また逆に、焦点位置より遠い位置(点線Cで示す位置)
にある場合には収束光束となる。これらの場合、中心光
線のみが臨界角でプリズムcに入射し、中心から一方に
ずれている光束は、入射角が臨界角よりも小さくなって
光の一部が屈折し、プリズムc外に射出し、残りの光が
反射する。さらに他方にある光束は、入射角が臨界角よ
りも大きくなり、全反射する。以上のような動作を行わ
せることにより、2分割フォトダイオ―ドdに入射する
光束の光量が左右のフォトダイオ―ドの検出面で異な
り、この結果これらに入力側が接続された作動アンプe
を介して、出力端子fから誤差信号が得られる。従っ
て、光学的に対物レンズbの焦点位置を検出することに
より、観察面の凹凸情報を得ることができる。さらに、
観察面をxy方向に所定の範囲走査することにより、観
察面の3次元像が得られる。
【0027】図8並びに図9に示した実施例では、試料
表面の微小変位の測定、即ち、変位測定光学系の一例と
して臨界角法を説明したが、変位測定光学系は、特に、
臨界角法にかぎることなく焦点検出方式を応用した公知
の光学系が使用可能である(米国特許第4,726,6
85号公報、第4,732,485号公報参照)。例え
ば、非点収差法を利用した光学系を使用することができ
る。
【0028】図10に示す走査型トンネル顕微鏡は、図
2に示すものに、凹面鏡からなる監視装置100を設
け、探触針24と試料12との接近の程度を容易に観察
できるようにしたものである。この凹面鏡は、3次元ア
クチュエ―タ22と粗動装置30との中間に位置するよ
うにして基板1に固定され、凹面鏡の焦点内に探触針2
4と試料12とが位置するように凹面を上に向けて配設
され、拡大正立虚像を凹面鏡を介して観察することによ
り、上記接近の程度を知ることを可能にしている。
【0029】上記各実施例の装置において、光学顕微鏡
観察の場合、観察倍率の偏光は接眼レンズによっておこ
なえるが、対物レンズ側をレボルバ―方式にしてもよ
い。図6並びに図8に示す、実施例のように、光学系視
野観察光学系を反射対物レンズ系で構成した場合には、
探触針24が試料12と接触すると、探触針24と一緒
に移動する凸面鏡53と、固定されている凹面鏡54と
の間隔が狂って光学顕微鏡像が劣化する恐れがある。こ
のような場合は、凸面鏡53と凹面鏡54とを一体的に
形成すれば良く、その例を以下に説明する。
【0030】図11に示すものは、図6に示す装置で、
レンズ系だけを上記思想に沿って変形したものである。
図11において、符号55は前面並びに後面が共に所定
の曲率を有する透明の石英板を示し、この後面に高反射
率の蒸着膜を中央部を除いて蒸着することにより、凹面
鏡54が形成されている。この石英板55の前面中央部
には円形凹所が形成されており、この凹所内に、後面に
凸面鏡53が、凹面鏡54と同方法により形成された透
明の石英支持体57が挿入、固定されている。この支持
体の前面には、探触針24を駆動する3次元アクチュエ
―タ22が固定されている。この結果、凸面鏡53並び
に凹面鏡54は石英板55と一体的に形成されているの
で、これらの間隔は、探触針24が試料12に接触して
も狂うことがない。このような構成においては、凸面鏡
53の曲率半径は凹面鏡54の曲率半径よりも小さくな
るように、また石英板55の前面の内、支持体57が設
けられていない面の曲率は凸面鏡53の曲率と同じにな
るように設定されている。
【0031】上記例においては、STM観察時に、照明
光を遮光する目的の遮光板を集光レンズ51と分岐プリ
ズム52との間に設けても良い。又、アクチュエ―タ2
2を探触針24をz軸方向にのみ駆動する1次元アクチ
ュエ―タで構成し、試料台31をx方向並びにy方向に
移動可能な2次元アクチュエ―タで構成しても良い。
【0032】上記各実施例ではSTM視野観察光学系と
STM観察系とを一体的に組合わせて構成しているの
で、本発明の技術を汎用型の光学顕微鏡にそのまま適用
するのには適していない。このため、以下に、汎用の光
学顕微鏡を、ほとんどそのままで利用することができる
走査型トンネル顕微鏡の例を説明する。
【0033】第3の実施例の走査型トンネル顕微鏡を示
す図12において、符号110は、汎用型の顕微鏡の対
物レンズa1に円筒状の3次元アクチュエ―タ22を支
承するための環状の支持部材を示す。この支持部材11
0は対物レンズa1の外周面に着脱可能に、これと同心
的に設けられている。この支持部材110と対物レンズ
a1との取着は、例えば螺合やボルト留めのような手段
によっておこなわれる。3次元アクチュエ―タ22は、
この上端が支持部材110に固定もしくは着脱可能に装
着されている。このアクチュエ―タ22の下端には、透
明の板、例えばカバ―ガラスからなる探触針ホルダ―2
3が同心的に取着されている。このホルダ―23の中心
には透孔が穿設され、この透孔内には探触針24の基端
が挿入され、接着剤等により、ここで探触針24はホル
ダ―23に固定されている。この探触針24とアクチュ
エ―タ22とは高精度で同心的に接続されており、また
これらの中心軸と前記対物レンズa1の光軸とは一致す
るように設定されている。以上のようにして、支持部材
110と、アクチュエ―タ22と、探触針ホルダ―23
と、探触針24とによりトンネル走査ユニット120が
構成されている。このような構成の走査型トンネル顕微
鏡においては、トンネル走査ユニット120を、これの
探触針24の中心軸と対物レンズa1の光軸とが一致す
るようにして、対物レンズa1に装着した状態で、透明
のホルダ―23を介して試料12の観察面のSTM走査
領域を顕微鏡観察する。そして、前記実施例と同様に、
アクチュエ―タ22により探触針24を3次元的に移動
させて前記STM領域をSTM観察をする。このよう
に、この実施例の装置においても、前記実施例の装置と
同様に、STM像と従来像とを重ねて観察、測定するこ
とができる。
【0034】図13に示す第4の実施例においては、3
次元アクチュエ―タ22は対物レンズa1に取着されて
いるのではなく、試料台31を中に支持しているフレ―
ム状の支持部材130に支持されている。この支持部材
130は上壁中央部に円形開口を有し、この開口の周面
に円形リング状のアクチュエ―タ22が、対物レンズa
1の光軸と同心的に固定されている。このアクチュエ―
タ22の内周面には、この孔を閉塞するようにして、透
明ガラス板よりなる探触針ホルダ―23が取着されてい
る。このホルダ―23の中心には、対物レンズa1の光
軸上で試料12方向に突出するようにして、探触針24
が取着されている。
【0035】図14に示す第5の実施例においては、支
持部材130は、対物レンズa1の光軸と平行に伸びた
支持軸131に、これを中心として水平面内で回動可能
に支承されている。この結果、支持部材130の自由端
側に設けられた3次元アクチュエ―タ22と、透明の探
触針ホルダ―(図示せず)と、探触針24とからなるト
ンネル走査ユニット120は対物レンズa1と試料12
との間からはずすことが可能になっている。このような
構成にすることにより、従来像の観察時に、対物レンズ
a1を試料12に接近させることができる。図14に示
す例では透明の探触針ホルダ―を用いたが、透明のホル
ダ―以外でも光学視野をさまたげない範囲であり、探触
針の位置を特定できるものであれば、すべて使用可能で
ある。例えば、ワイヤ―で探触針を支持した構造でも良
い。
【0036】図15に示す第6の実施例において、符号
140は、公知の光学顕微鏡、例えば金属顕微鏡のレボ
ルバ―a2に着脱可能に取付けられる対物レンズユニッ
トを示す。このユニット140は、レボルバ―a2の対
物レンズ螺着用の雌ねじに螺合可能な雄ねじが周面に形
成された突出部を上面に有し、また下端が開口した円筒
状の外枠141を具備する。この外枠141の上壁内面
中央にはねじ穴が形成されており、このねじ穴に対物レ
ンズa1が上端で螺合されている。この対物レンズa1
の外周面と外枠141の内周面との間には円筒状の内枠
142が設けられている。この内枠142は上下に互い
に所定間隔を有して位置する1対の支持部142aと、
この支持部間に支持され、上下方向に伸縮可能な圧電素
子からなる筒状の探触針移動用粗微動装置142bとか
ら構成されている。これら支持部142aは、外枠14
1の周壁に上下方向に離間して設けられた1対の上方内
枠固定用粗微動装置141a並びに1対の下方内枠固定
用素微動装置141bによって、夫々選択的に固定され
得る。これら各対の2個の粗微動装置141a(141
b)は互いに180度離間して設けられ、内枠142方
向に伸縮可能な圧電素子により構成されている。上方の
支持部142aには、内枠142と対物レンズa1との
間に対物レンズa1と同心的に位置する円筒状の3次元
アクチュエ―タ22の上端が固定されている。このアク
チュエ―タ22は、前記上方内枠固定用粗微動装置14
1aと下方内枠固定用粗微動装置141bとを交互に働
かせることにより、上方並びに下方の支持部142aの
固定を交互に解除し、この解除に応じて探触針移動用粗
微動装置142bを断続的に伸縮させる、いわゆるイン
チワ―ム方式により、z方向に移動される。このアクチ
ュエ―タ22の下端には、中央に円形開口を有する円形
の金属枠143が周縁で固定されている。この時の固定
は、金属枠143がアクチュエ―タ22から取外して、
交換可能なように、例えば、ねじのような手段によりお
こなうのが好ましい。この金属枠143には、これの円
形開口を閉塞するようにしてカバ―ガラスからなる探触
針ホルダ―23が取着され、またこのホルダ―の中心部
には、探触針24が対物レンズa1の光軸に沿って試料
12方向に突設されている。試料12はx並びにy方向
に移動可能なステ―ジよりなる試料台31上に固定され
ている。
【0037】上記図15に示す走査型トンネル顕微鏡の
操作を以下に説明する。光学顕微鏡のレボルバ―a2に
対物レンズユニット140を装着して試料表面の顕微鏡
観察をおこなう。この時の光学顕微鏡像(従来像)のピ
ント合せは、試料台を粗動させておこなう。この場合、
従来像上に存在する探触針24による影の部分がSTM
の走査範囲に対応するので、これによってSTM走査範
囲を光学顕微鏡で確認することができる。一方、STM
表面像を観察するのには、対物レンズユニット140を
光学顕微鏡のピント位置に設定した後、このユニット1
40の素微動装置141aにより探触針24を微動調整
してトンネル電流を検出し、この後は前記実施例と同様
に3次元アクチュエ―タ22を働かせて試料12を探触
針24により走査する。
【0038】前記試料を移動できるように保持する試料
台31は、x方向に移動させるアクチュエ―タとy方向
に移動させるアクチュエ―タとを組合わせて構成しても
良いし、又、前記円筒状の3次元アクチュエ―タ22と
同様のアクチュエ―タを試料の下に設けるようにして構
成しても良い。
【0039】次に、上記実施例で使用されている円筒状
の3次元アクチュエ―タ22を図16(a,b,c)を
参照して説明する。図中、符号150は、圧電材料で形
成され、両端が開口した円筒状の本体を示す。この本体
150の外周面下部には、周方向に所定間隔を有してX
電極151a、−Y電極151b、−X電極151c並
びにY電極151dが夫々1個ずつ、計4個配設されて
いる。これら電極の内、X電極(Y電極)と−X電極
(−Y電極)とは互いに180度離間するように位置さ
れている。また、この本体150の外周面上部には、全
周に渡って延出するようにして、1個のZ電極152が
設けられている。本体150の内周面には前記電極15
1a,151b,151c,151d,152と対向す
るようにして、グランド電極である裏側電極153が設
けられている。このような構成の3次元アクチュエ―タ
22の夫々の電極に、図16(d)に示すような極性の
電圧を印加することにより、選択的にx方向、y方向、
z方向に、探触針24を走査してSTM観察をおこなう
ことができる。
【0040】図17に示す第7の実施例においては、3
次元アクチュエ―タ22の代わりに、z方向にのみ伸縮
可能なz方向アクチュエ―タ22zを使用している。こ
のアクチュエ―タ22zは中央に円形開口を有する円板
状のバイモルフ圧電体によりに構成され、内枠142の
下方の支持部142aに周縁で固定されている。このア
クチュエ―タ22zの中央開口には、図15に示す実施
例と同様に、探触針24を対物レンズa1の光軸と中心
軸が一致するように固定し、カバ―ガラスからなる探触
針ホルダ―23が設けられている。試料12が上面に固
定された支持台31を収容した枠状の支持部材130内
には、支持台を31をx方向並びにy方向に夫々微動さ
せるx方向アクチュエ―タ22x並びにy方向アクチュ
エ―タ22yが設けられている。これらx方向アクチュ
エ―タ22x並びにy方向アクチュエ―タ22yは、支
持台31と支持部材130との間に設けられた圧電素子
により構成されている。これらx方向並びにy方向アク
チュエ―タ22x,22yにより、試料は面方向(x−
y方向)に移動され、前記z方向のアクチュエ―タ22
zにより探触針24はz方向に移動されて、STM観察
がおこなわれる。尚、この実施例においては、内枠固定
用粗微動装置141a,141bは前記15図に示す実
施例とは異なり上下に夫々1個しか設けていないが、動
作は前記実施例と同じである。
【0041】図18に示す第8の実施例においては、対
物レンズa1側にはSTM走査機構を設けず、試料12
を保持する試料支持機構側にSTM走査機構を設けてい
る。この例において、枠状の支持部材130の上面中央
には、中央に開口を有するxy方向アクチュエ―タ22
xyが取着されている。このアクチュエ―タ22xyに
は探触針24が試料側に突設されたカバ―ガラスからな
る探触針ホルダ―23が取着されている。この探触針ホ
ルダ―23の下側には、試料12を上面に保持したz方
向アクチュエ―タ22z並びにこのアクチュエ―タ22
zを保持する試料台31が設けられている。z方向アク
チュエ―タ22zは、試料12を、これと探触針24と
の間隔を所定の範囲にするようにz方向に移動させる。
尚、このz方向アクチュエ―タ22zに代えて、前述し
たような3次元アクチュエ―タを使用しても良い。
【0042】図19ないし図21を参照して第9の実施
例を説明する。図19(a,b)において、符号160
は台座を示し、これには試料台を兼ねた棒状圧電素子3
1並びにこの圧電素子31をx方向並びにy方向に粗動
させるための粗動装置30を支持した支持ア―ム161
が前面に突設されている。また、この台座160には、
支持ア―ム161を、台座160に対してz方向に移動
させるための移動装置165が設けられている。そし
て、台座160の前面角部には、垂直方向に伸びた回転
軸162が、上端並びに下端で回転可能に軸支されてい
る。この回転軸162にはトンネル走査ユニット120
が、これと共に回転可能に設けられている。このトンネ
ル走査ユニット120は、回転軸に突設された支持体1
63を具備し、この支持体163に3次元アクチュエ―
タ22が固定されている。このアクチュエ―タ22は3
本の棒状の圧電素子が互いに直角をなして、延出し、そ
の基端で互いに接続されたトライポットアクチュエ―タ
により構成されている。これら圧電素子の基端部には、
探触針24が下方に突設されている。また前記支持体1
63には、図19(a)に示すSTM非測定位置から、
図19(b)に示すSTM測定位置に、トンネル走査ユ
ニット120が回動された時に、この位置でトンネル走
査ユニット120を台座160にロックするロック手段
164が設けられている。このロック手段164は、支
持体163に螺合されたロックねじよりなり、この先端
が台座160の側面に圧接されることにより、上記ロッ
クが果たされる。前記粗動装置30は試料台31を上に
支持するxテ―ブル並びにyテ―ブルと、これらの作動
つまみ30a,30bとを有する。
【0043】図20は、上記台座160を公知の金属顕
微鏡に組み入れた状態を示す。この時には、前述したよ
うに顕微鏡の対物レンズa1の光軸と探触針24の軸と
が一致するように、設定され、光学的観察並びにSTM
観察がなされる。
【0044】最初にトンネル走査ユニット120を試料
12からはずれた位置(図19(a)に示す位置)に
し、金属顕微鏡で試料12を見ながら作動つまみ30
a,30bを回転させて、水平面内でのSTM観察位置
を決定する。作動つまみ165を回転させることによ
り、高さを調整しピントを合せる(ピントの合った位置
は、ほぼ探触針24の走査位置である)。対物レンズa
1上には、トンネル走査ユニット120を走査状態にセ
ットしたときの探触針24と同じ位置にマ―カ―(例え
ば、+ など)がほどこされ、さらにSTM走査範囲も
確認できるようになっているため、オペレ―タは金属顕
微鏡をのぞいて走査したい試料位置のセット及び走査範
囲の試料を正確に確認することができる。
【0045】走査する位置を決めた後に、トンネル走査
ユニット120を台座160に固定し、STM像の測定
操作を行う。図21は、STM測定システムの構成を示
すブロック図である。
【0046】図中、符号85はコントロ―ラ―を示す。
このコントロ―ラ―85は入力インタ―フェイス91お
よび出力インタ―フェイスを内臓している。またコント
ロ―ラ―85には、CPUグラフィックデイスプレイ、
フレ―ムメモリ―、記憶装置としてのプロッタ―、プリ
ンタ―などが接続されている。またコントロ―ラ―85
の入力端には、計測領域選択ボタン、制御ボックスとし
てのマウス等の入力機器が接続されており、出力端に
は、X,Y,Z位置コントロ―ラ―86、およびxy方
向試料位置決め用粗動装置87、オ―トアクセス装置8
8が接続されている。
【0047】光学顕微鏡一体化トンネルユニットにおい
て、探触針24から得られたトンネル電流は、プリアン
プ89,アンプ90によって増幅され、前記入力用イン
タ―フェイス91を介して、コントロ―ラ―85に供給
される。また、トンネル電流信号は、プリアンプ89,
アンプ90により増幅された後、波形モニタ―92を介
してコントロ―ラ―85に入力される。
【0048】STMトンネルユニットと光学的に結合
し、一体化されている光学顕微鏡(対物レンズ部分にト
ンネルユニットを組込んだところの光学顕微鏡)で得ら
れた観測像は、ビデオカメラ93で撮像され、その撮像
信号はビデオモニタ―96に供給される。また、入力用
インタ―フェイス91を介してコントロ―ラ―85に供
給される。
【0049】次に、上記制御系の動作を中心とした本実
施例装置全体の操作法および動作について説明する。ま
ず、装置の使用に際しては電源を投入した後、以下の操
作を順次おこなう。
【0050】I.試料12を試料台に固定し、トンネル
バイアス電圧印加用電極をつける。 II.STM像観察部位の位置決めのために、試料を光学
顕微鏡94で観察する。この時、光学顕微鏡のピントを
自動フォ―カス機構により合せる。ピント合せの方法と
しては、ナイフエッチ法を用い、ピントのずれによる光
学像の変化を接眼レンズ部に取り付けられたビデオカメ
ラ93で撮像し、コントロ―ラ―85に入力し、コント
ロ―ラ―85からの自動フォ―カス機構制御信号を自動
フォ―カス装置に入力することにより、試料と対物レン
ズ部との相対的位置が制御でき、光学顕微鏡像のピント
を合せることができる。
【0051】また、自動フォ―カス機構を用いて対物レ
ンズと試料との相対位置をフォ―カス位置に合せること
によって、対物レンズと試料との間に位置するSTM探
触針と試料との距離を一定の値(50μm程度)まで、
近付けることができる。このように、光学的なピント合
わせが終了したところで、STM観察部位の位置決めを
行う。
【0052】このように、光学的なピント合せが終了し
たところで、STM観察部位の位置決めを行う。光学顕
微鏡像の中心に存在するマ―カ―(この位置にSTM探
触針が存在している)に、STMによって観察を行ない
たい試料表面の部位を合せる。この時、試料位置の調整
は、コントロ―ラ―上のスイッチを操作して行う。この
時、コントロ―ラ―から出力される、X,Y方向位置決
め信号は、試料位置決め用粗動装置87に入力され、試
料のxy位置およびθ(xy平面内),ψ((xz平面
内),γ(yz平面内)方向の角度を決めることができ
る。
【0053】III .前記のような、STM観察位置決め
を行った後、STM探触針をオ―トアクセス装置88を
用いてトンネル電流が観測される距離まで近付ける。光
学的ピント合せによって、STM探触針と試料との相対
位置を一定の値の位置まで近付けた後、試料にバイアス
電圧を印加し、試料―探触針間に流れるトンネル電流を
プリアンプ、アンプ等で増幅した後、コントロ―ラ―に
入力し、コントロ―ラ―からのオ―トアクセス装置制御
信号をオ―トアクセス装置に入力し、トンネル電流が所
定の値になるように、試料―探触針間距離を調整する。
【0054】トンネル電流が非常に大きくなった場合に
も、このオ―トアクセス機構を用いて、探触針を試料か
ら離すことができ、探触針を試料に接触させる危険性が
なくなる。
【0055】光学的なオ―トアクセスと、トンネル電流
をセンサ―とするオ―トアクセスの2段階オ―トアクセ
ス機構を用いることで、探触針をアプロ―チするのに要
する時間を短縮することができる。
【0056】IV.次に、試料表面(試料表面全体とし
て)が対物レンズのレンズ面に対して平行になるよう
に、試料の傾きを試料位置決め用粗動装置上の、例え
ば、ゴニオメ―タ―等で調整する(探触針が試料表面に
対して垂直になるように調整する)。
【0057】試料の傾きの調整は次の2段階でおこな
う。 a.ビデオカメラによって撮像された光学顕微鏡像が視
野全体に渡ってピントがあうように、コントロ―ラ―か
ら制御信号を試料位置決め用粗動装置87へ供給し、試
料の傾きを補正する。
【0058】b.3次元スキャナ―95を広範囲(10
μm程度)で走査させた時のトンネル電流信号を、増幅
した後、波形モニタ―92に入力する。波形モニタ―9
2からの出力が一定値になるように(x軸、y軸走査信
号と同一周波数成分が0になるように)、コントロ―ラ
―85から、試料位置決め用粗動装置87に、制御信号
を入力し、試料の傾き補正を行う光学方法と、トンネル
電流をセンサ―とする2つの手法を用いて、試料傾きを
補正することによって、トンネル電流だけをセンサ―と
する場合と比較して、短時間で試料傾きを補正すること
ができる。
【0059】V.3次元スキャナ―95をx,y方向に
走査し、トンネル電流が一定になるようにz方向の位置
制御をとおこないながら、STM像の測定を行う。な
お、広範囲のSTM像(光学顕微鏡像と同程度の広さ)
を得るためには、試料位置決め用粗動装置87を用いて
STM像のつなぎ合せ(狭い範囲のSTM像を、試料表
面の走査位置を変えながら順次測定し、これをソフトウ
ェア―的につなぎ合せる)を行う。
【0060】次に、図6に示す実施例の装置と類似した
装置を図22を参照して説明する。この実施例にて、図
6に示す部材と実質的に同じ機能を示す部材は、同符号
を付して詳しい説明は省略する。
【0061】この例では、試料12の測定面と探触針2
4の先端との間の微小間隔を観測するための観察手段
が、以下に説明するように設けられている。図中、符号
200は、試料支持機構と、対物レンズユニット120
とをユニット枠201内に組み込んで構成された計測ユ
ニットを示す。このユニット枠201の一側には、光を
試料12に導くための光フアイバ―(コ―ルドフアィバ
―)202の一端側が設けられている。また、ユニット
枠201の他側には、光フアイバ―202による試料1
2からの反射光を受光するようにして、補助対物レンズ
203が設けられている。前記光フアイバ―202の一
端並びに補助対物レンズ203は、ユニット枠201
に、試料12の表面中心を中心として、試料12の観測
面よりほぼ20度の角度の範囲(α)で、垂直面内を傾
動可能となっている。前記光フアイバ―202の他端2
02aは、光学顕微鏡の光源50近くに延出されてい
る。この結果、光源50からの光は光学顕微鏡の照明系
を介して、試料12に導かれると共に、光フアイバ―2
02を介しても試料12にも導かれる。前記補助対物レ
ンズの203の後段光軸上には、回動可能な反射鏡20
4を介して、補助接眼レンズ205が設けられており、
補助対物レンズ203からの反射光を反射鏡204を介
して、受光することにより、この補助接眼レンズ205
を介して、試料12の観測面と探触針24の先端との間
隔を目視することができる。この結果、この測定を行な
いながら、探触針24と試料12とを接近させることが
可能となり、試料12に探触針24が接触することによ
る、両者の損傷を防ぐことができる。
【0062】尚、図中、符号206は計測ユニット20
0が載置される防振台を示す。前記計測ユニット200
の構成を図23(a,b)並びに図24(a,b)を参
照して説明する。
【0063】ユニット枠201は、上枠201aと、下
枠201bと、1対の対向した側枠201cとを有す
る。上枠201a中央には、光源50からの光をユニッ
ト枠201内に通すと共にユニット枠201内の光を接
眼レンズ51方向に通す円形開口201dが形成されて
いる。また、この上枠201aの内面には、円板形の対
物レボルバ―211が回転軸211aによって、回転可
能に装着されている。この対物レボルバ―211には、
夫々倍率の異なる2個の対物レンズa1と1個の対物レ
ンズユニット140とが前記回転軸211aから等距離
の所に配設されている。この離間距離は、対物レンズa
1並びにユニット140が選択的に前記開口201dの
所に移動された時に、この中心軸線がこの開口201d
の中心軸線と一致するように設定されている。このユニ
ット枠201の下枠201bの中心には、一端がユニッ
ト枠201内に突設するようにして粗動ねじ213が外
側より螺着されている。この粗動ねじの突出端には、粗
動ボ―ル214を介して、粗動テ―ブル215が粗動ね
じ213の回転によって、両端角部に設けられた2対の
ガイドレ―ル215aに案内されて、上下方向(z方
向)に移動するように、支持されている。この粗動テ―
ブル215の上面には、外から走査されるx方向調整つ
まみ216a並びにy方向調整つまみ216b(図24
(b)を参照)を備えたxy方向テ―ブル216が、粗
動テ―ブルに対して、面方向(x並びにy方向)移動可
能に載置されている。この粗動テ―ブル215とxy方
向テ―ブル216とは、面方向に遊びのある凹凸係合し
ており、またこれら係合側面間には、一方向に、粗動テ
―ブル215に対してxy方向テ―ブル216を付勢す
る1個のばね216cが設けられていることにより、x
y方向テ―ブル216の移動量が規定されている。ま
た、このxy方向テ―ブル216の幅方向中央部の上面
には両端が開口した矩形溝216dが形成され、この矩
形溝216d内には中微動板217が挿入されている。
XYテ―ブル216の長手方向の一端にはz方向に伸縮
可能な第1のアクチュエ―タ218が固定されている。
【0064】このアクチュエ―タ218の上端には、前
記中微動板217の長手方向の一端の下面に形成された
凹所と係合した第1の微動ピン219が当接されてい
る。また、前記xy方向テ―ブル216と中微動板21
7の他端間には第1の固定ピン220が介在されてい
る。かくして、第1のアクチュエ―タ218を伸縮させ
ることにより、中微動板217は第1の固定ピン220
を支点としてxy方向テ―ブル216に対して垂直面内
を回動可能になっている。前記中微動板217上には高
微動板221が設けられている。この中微動板217の
長手方向の他端にはz方向に伸縮可能な第2のアクチュ
エ―タ222が突設されている。このアクチュエ―タ2
22の上端には、前記高微動板221の長手方向の他端
の下面に形成された凹所と係合した第2の微動ピン22
3が当接されている。また、前記中微動板217の中心
の一端寄りの箇所と、高微動板221の一端との間に
は、矩形溝216dの内壁により支承された第2の固定
ピン224が介在されている。かくして、第2のアクチ
ュエ―タ222を伸縮させることにより、高微動板22
1は第2の固定ピン224を支点として中微動板217
に対して垂直面内で回動可能になっている。この高微動
板221の一端近くの上面には、xy方向アクチュエ―
タ22xyが支持され、このアクチュエ―タ22xyの
上には試料12が載置されている。このxy方向アクチ
ュエ―タ22xyは、試料12をx方向並びにy方向に
微動させ、後述するz方向アクチュエ―タ22zと共同
してSTM観測を果たす。この実施例では、試料12と
第2の微動ピン223との間の距離は、第2の固定ピン
224と試料12との間の距離の10倍になっている。
即ち、高微動板221のレバ―比は10:1に設定され
ている。また第1の微動ピン219と第1の固定ピン2
20との間の距離は、試料12と第2の微動ピン223
との間の距離の2倍に設定されている。このため、第2
のアクチュエ―タ222を1μm上方に移動させると、
試料12の表面は1μm×1/10=0.1μmだけ探
触針24に接近する。また、第2のアクチュエ―タ22
2を作動させず、第1のアクチュエ―タ218のみを1
μm上方に作動させると、試料12の表面は1μm×1
/20×1/10=0.0005μmだけ探触針24に
接近する。即ち、第2のアクチュエ―タ222により中
微動、第1のアクチュエ―タ218により小微動を試料
12に与えることができる。前記ユニット枠201の1
対の側枠201cの両端間には、夫々ばね受け230、
231が固定されている。
【0065】一方のばね受け230と中微動板217の
一端上面間には、常時この一端を下方に付勢する圧縮ば
ね232が介在されている。同様に、他方のばね受け2
31と高微動板221の他端上面間には、常時この他端
を下方に付勢する圧縮ばね233が介在されている。上
記構成の計測ユニット200はユニット枠201により
各部品が強固に組付けられ、この結果、耐震性に優れて
いる。また、これらユニット枠201等の部材は熱膨脹
係数の小さいアンバ―等によりコンパクトに形成され、
熱による影響が少なくなるように設定されている。
【0066】次に、対物レンズユニット140を、図2
5を参照して説明する。図中、符号300は、上下端が
開口し、外周に着脱用のロ―レット部300aが形成さ
れた筒状の上部ハウジングを示す。この上部ハウジング
300の下部外周には、雄ねじが形成されており、この
雄ねじには、ロ―レット部301aを外周面に有し、上
端が開口した筒状の下部ハウジング301の上部内周面
に形成された雌ねじが螺合している。かくして、上部ハ
ウジング300と下部ハウジング301とはねじ結合に
より、着脱可能に取着されている。また、上部ハウジン
グ300の内周面には雌ねじが形成されており、この雌
ねじには、互いに上下方向に所定間隔を有して、上部支
持筒体302並びに下部支持筒体303が、これらの外
周に形成された雄ねじにより螺合している。そして、こ
の上部ハウジング300の上端筒状突出部に形成された
雌ねじには、留めねじ304が、その外周に形成された
雄ねじにより螺合している。この留めねじ304は、上
下端が開口し、また上端に内方フランジ部と外方フラン
ジ部とを有し、円筒状をなし、内周面には雌ねじが形成
されている。
【0067】この留めねじ304の雌ねじには、上下端
が開口した円筒状の光案内部材305の上部外周に形成
された雄ねじが螺合している。留めねじ304の内方フ
ランジ部と光案内部材305の上端との間には、第1の
レンズ306が締付け固定されている。前記上部支持筒
体302の下面と下部支持筒体303の内周面に形成さ
れた段部との間には、中央部に透孔を有する、第2のレ
ンズ307が締付け固定されている。
【0068】この下部支持筒体303の下部には、レン
ズ装着筒308の上部が挿入され、締付けリング309
により、固定されている。このレンズ装着筒308の小
径となった下端部には第3のレンズ310が取着されて
いる。尚、前記第2のレンズの下面には凹面鏡54が、
また第3のレンズの上面中央部には凸面鏡53が、夫々
形成されている。前記下部ハウジング301の下端中央
部には開口が形成され、この開口には、透明な部材、例
えば石英ガラス、で形成された支持板311が取着され
ている。この支持板311の中央部にはz方向アクチュ
エ―タ22zが下方に突出するようにして装着されてお
り、また、このアクチュエ―タ22zの先端には、探触
針24が下方に突設されている。
【0069】尚、前記第1ないし第3のレンズ306,
307,310と、凹面鏡54と、凸面鏡53と、探触
針24と、z方向アクチュエ―タ22zとは同軸的に配
置されている。このような構成のユニット140を組み
込んだ計測ユニット200を図22に示す光学顕微鏡に
装着しておこなう、従来像の観察並びにSTM像の観察
は他の実施例とほぼ同様なので、ここでは省略する。
【0070】前記、光フアイバ―202並びに補助対物
レンズ203からなる探触針―試料間隔観測装置を図2
6を参照して説明する。図中、符号401はユニット枠
201(図23(a)参照)に、垂直面に沿うように固
定された案内板を示す。この案内板401には、これの
周面に沿って、左右対象に円弧状に延びた第1並びに第
2の案内溝401a,401bが形成されている。この
案内板401の前方には第1並びに第2の回動ア―ム4
02a,402bの一端が位置している。第1のア―ム
部402aの他端には、このア―ム部402aと平行に
なるようにして、光フアイバ―202の一端部が、この
ア―ム部402aの回動と共に回動するように固定され
ている。第2のア―ム部402bの他端には、このア―
ム部402bと平行になるようにして、補助対物レンズ
203が、このア―ム部402bの回動と共に回動する
ように装着されている。この補助対物レンズ203は、
ピニオンにより、光軸に沿って直線状に移動可能に、ア
―ム部402bに対してラック―ピニオン結合されてい
る。第1並びに第2のア―ム部402a,402bの一
端部には、互いに歯合した歯車403a,403bが、
夫々固定されている。この第2の歯車403bには第3
の歯車403cに歯合されている。これら第1ないし第
3の歯車403a,403b,403cは、夫々ユニッ
ト枠201(図23(a)参照)に回転可能に支承され
ている。この結果第1並びに第2のア―ム部402a,
402bは、歯車403a,403bの回動によって垂
直面内をこれら歯車の中心軸を中心として回動される。
前記第3の歯車403cには第1のプ―リ404aが、
この歯車403cと共に回動するように、同軸的に固定
されている。一方、補助対物レンズ203の光射出側に
設けられた反射鏡204には、これと同軸的に第2のプ
―リ404bが反射鏡204と共に回転可能に設けられ
ている。そして、第1のプ―リ404aと第2のプ―リ
404bとの間にはエンドレスベルト405が掛渡され
ている。また、前記第1並びに第2のア―ム部402
a,402bには、先端が前記案内溝401a,401
b内に位置し、この案内溝に沿って案内される係合ピン
406a,406bが突設されている。
【0071】上記のような構成の間隔測定装置において
は、補助対物レンズ203を回動させることにより、歯
車403a,403b並びにア―ム部402a,402
bを介して、光フアイバ―202も同じ回動量だけ回動
し、この結果、光フアイバ―202から試料に入射した
光の反射光は常時、効率良く補助対物レンズ203に導
かれる。また、補助対物レンズ203の回動に応じて、
歯車403b,403c、プ―リ404a,404b並
びにエンドレスベルト405を介して、反射鏡204も
回動し、この結果、補助対物レンズ203のどの回動位
置においても、この補助対物レンズ203からの射出光
は、反射鏡204によって補助接眼レンズ205(図2
2)に導かれる。従って、補助対物レンズ203を回動
して、探触針と試料との間隔を測定し易い位置にもたら
して、測定することができる。
【0072】図27並びに図28は、図23に示す計測
ユニット200並びに図26に示す間隔測定装置の変形
例を示し、この例では、ユニット140は顕微鏡(図示
せず)に固定された支持ア―ム501により、支持され
ており、またユニット140には、アクチュエ―タ並び
に探触針24は装着されていない点が前記実施例とは異
なる。図中、符号502は固定部材を示し、これにはピ
ボット軸503を介して回動板504が、ユニット14
0の下側に来る位置と、ここからはずれる位置との間
で、水平面内を回動可能に一端で、支承されている。こ
の回動板504の中央部には透孔が形成されており、こ
の透孔の上面には、透明の板、例えばカバ―ガラスから
なる探触針ホルダ―23が透孔をおおうようにして、設
けられている。そして、この探触針ホルダ―23には下
方に、即ち、試料12方向に突出するようにしてz方向
アクチュエ―タ22zを介して、探触針24が固定され
ている。また試料は、この探触針24の下方に、xy方
向アクチュエ―タ22xyによって支持されている。
【0073】尚、この図にて、符号505は、回動板5
04を図示のSTM観察位置に保持するためのクリック
機構を示す。また、この例では、光フアイバ―202並
びに補助対物レンズ203を同期して回動させるための
第1並びに第2の歯車403a,403b、および反射
鏡204を回動させるための第3の歯車403cは、夫
々支持ア―ム501に回動可能に支承されている。
【0074】なお、光学顕微鏡としては、実施例で説明
した金属顕微鏡以外の光学顕微鏡を使用しても良く、例
えば、偏光顕微鏡、ノマルスキ―微分干渉顕微鏡、蛍光
顕微鏡、赤外線顕微鏡、実体顕微鏡、表面形状測定装
置、顕微測光システムなどが使用可能である。
【0075】
【発明の効果】この発明により、走査型プローブ顕微鏡
の観察光学系、または、光学顕微鏡による試料の光学観
察と、この光学観察により特定される測定位置を探触針
で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係わる走査型トンネル顕
微鏡の全体を示す平面図である。
【図2】同走査型トンネル顕微鏡の側面図である。
【図3】同走査型トンネル顕微鏡の探触針と、そのホル
ダ―を示す斜視図である。
【図4】同走査型トンネル顕微鏡の3次元アクチュエ―
タの斜視図である。
【図5】同3次元アクチュエ―タの平面図である。
【図6】第2の実施例の走査型トンネル顕微鏡を概略的
に示す図である。
【図7】第2の実施例に使用されている3次元アクチュ
エ―タを示す側面図である。
【図8】第2の実施例の装置に表面形状測定機能を付加
させた変形例を概略的に示す図である。
【図9】表面形状測定の原理を説明するための図であ
る。
【図10】第1の実施例の装置に監視装置を付加した変
形例を示す側面図である。
【図11】図6に示す実施例の変形例を示す図である。
【図12】第3の実施例を示す対物レンズユニットの断
面図である。
【図13】第4の実施例を示すトンネル走査ユニットの
断面図である。
【図14】第5の実施例を示す断面図である。
【図15】第6の実施例を示す対物レンズユニットの断
面図である。
【図16】実施例で使用されている3次元アクチュエ―
タを説明するための図であり(a)はアクチュエータの
平面図、(b)はアクチュエータの側面図、(c)はア
クチュエータの断面図、そして(d)は3次元アクチュ
エ―タを駆動するための印加電圧とアクチュエ―タの駆
動方向との関係を示す図である。
【図17】第7の実施例に係わる走査型トンネル顕微鏡
を示す断面図である。
【図18】第8の実施例の走査型トンネル顕微鏡を示す
図である。
【図19】第9の実施例の走査型トンネル顕微鏡を示す
図で、(a)はトンネル走査ユニットが被STM走査位
置にない状態を示し、そして(b)はトンネル走査ユニ
ットが被STM走査位置にある状態を示す。
【図20】トンネル走査ユニットと光学顕微鏡とを組み
合せた状態を示す図であ。
【図21】STM測定システムの構成を示すブロック図
である。
【図22】第10の実施例の走査型トンネル顕微鏡の光
学系を示す図である。
【図23】第10の実施例にて示されている計測ユニッ
トを示し、(a)は横断面図、そして(b)は縦断面で
ある。
【図24】(a)は、第10の実施例にて示されている
計測ユニットでの対物レボルバ―と、対物レンズと、対
物レンズユニットとの位置関係を示す図、そして(b)
は水平に切断して示す断面図である。
【図25】計測ユニットに使用されている対物レンズユ
ニットを示す一部切欠側面図である。
【図26】第10の実施例に使用されている間隔測定装
置を示す一部切欠側面図である。
【図27】計測ユニットの変形例を示し、(a)は一部
切欠上面図、そして(b)は断面図である。
【図28】図27に示す計測ユニットの間隔測定装置の
部分を示す側面図である。
【符号の説明】
a1 顕微鏡の対物レンズ 12 試料 22 3次元アクチュエ―タ 23 探触針ホルダー 24 探触針 110、130 支持部材 120 トンネル走査ユニット 140 対物レンズユニット 200 計測ユニット 211 対物レボルバ―
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 門田 宏 (56)参考文献 特開 昭63−168853(JP,A) 特開 昭61−168853(JP,A) 実開 昭59−103360(JP,U) 実開 昭58−134855(JP,U) 米国特許4343993(US,A) 第34回応用物理学関係連合講演会講演 予稿集:第2分冊,日本,社団法人応用 物理学会,1987年3月28日,334 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 13/10 - 13/24 H01J 37/28 G02B 21/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料を光学的に観察し、探触針による測定
    位置を特定する観察光学系を備える走査型プローブ顕微
    鏡において、前記探触針と対物レンズとを備え、前記探
    触針が前記試料に対向する位置にある状態と、前記対物
    レンズが前記試料に対向する位置にある状態とを選択す
    るユニットを備えていることを特徴とする走査型プロー
    ブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】前記ユニットは着脱可能であることを特徴
    とする請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】前記探触針は、前記試料と対向する位置
    で、その中心軸が、前記対物レンズが前記試料に対向し
    ているときの光軸とほぼ一致するように支持されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載された走査型
    プローブ顕微鏡。
  4. 【請求項4】前記探触針は前記観察光学系の光学視野内
    にあることを特徴とする請求項1または2に記載された
    走査型プローブ顕微鏡。
  5. 【請求項5】前記探触針は、前記光学視野内において、
    前記対物レンズの光軸が通る位置とほぼ一致する位置に
    配置されることを特徴とする請求項4記載の走査型プロ
    ーブ顕微鏡。
  6. 【請求項6】前記観察光学系は、光学顕微鏡を構成し、
    金属顕微鏡、偏光顕微鏡、ノマルスキー微分干渉顕微
    鏡、蛍光顕微鏡、赤外線顕微鏡、実体顕微鏡、表面形状
    測定装置または顕微測光システムの内の一つを含むこと
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載さ
    れた走査型プローブ顕微鏡。
  7. 【請求項7】探触針と対物レンズとを備え、前記探触針
    が試料に対向する位置にある状態と、前記対物レンズが
    前記試料に対向する位置にある状態とを選択し、走査型
    プローブ顕微鏡に着脱可能であることを特徴とするユニ
    ット。
  8. 【請求項8】前記探触針は、前記試料と対向する位置
    で、その中心軸が、前記対物レンズが前記試料に対向し
    ているときの光軸とほぼ一致するように支持されている
    ことを特徴とする請求項7に記載されたユニット。
  9. 【請求項9】前記探触針は前記走査型プローブ顕微鏡の
    観察光学系の光学視野内にあることを特徴とする請求項
    7に記載されたユニット。
  10. 【請求項10】前記探触針は、前記光学視野内におい
    て、前記対物レンズの光軸が通る位置とほぼ一致する位
    置に配置されることを特徴とする請求項9に記載された
    ユニット。
  11. 【請求項11】試料を光学的に観察する光学顕微鏡に着
    脱可能に設けられたユニットであって、探触針と対物レ
    ンズとを備え、前記探触針が前記試料に対向する位置に
    ある状態と、前記対物レンズが前記試料に対向する位置
    にある状態とを選択することを特徴とするユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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第34回応用物理学関係連合講演会講演予稿集:第2分冊,日本,社団法人応用物理学会,1987年3月28日,334

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