JP6105906B2 - 露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明に係る基板を露光する露光装置の構成を示す図である。レチクル(原版、マスクともいう)1には、半導体回路パターンが描かれている。レチクルステージ(ステージ)2はレチクル1を保持する。レチクルステージ2の位置は、レーザー干渉計(検出器)4によって、レチクルステージ2上に設けられたバーミラーにレーザーを当ててレーザー干渉計4自身が持っている基準光と反射光の干渉光を用いて検出される。このレーザー干渉計4を異なる位置に複数配置することにより、レチクルステージ2のX、Y、Z方向及びωx、ωy、ωz方向の位置が計測され、この計測値に基づいてレチクルステージ2は6軸方向に駆動、位置決め制御される。レチクルステージ2は、粗動ステージ、微動ステージなど部分ごとに個別の駆動部によって駆動されてよい。レチクルステージ2はレチクルステージ定盤5によって支持されている。レチクルステージ定盤5には、レチクルステージ2に加えて、レチクル1を照明する照明光学系6が搭載されている。
照明光学系の床設置分のユニットを照明光学系床置き部21とする。この照明光学系床置き部21には、光源から発振されたレーザーの形を整え、均一に照射する光学系が設けられている。該光学系は、照明光学系6とは振動分離の観点から分割されており、別の支持構造体により支持されている。符号22、23は、レーザー干渉計4,19それぞれから照射されたレーザービームを示す。レーザー干渉計4及びレーザー干渉計19は、それぞれ、鏡筒定盤3に支持された構造体24、25により支持されている。
本発明は、投影光学系12の相対振動を低減するために、電力などのエネルギーの入力を一切必要とせず、電気信号を用いないパッシブ制振機構26を使用する。パッシブ制振機構26は、例えば、オイルダンパーを含みうる。オイルダンパーは、レーザー干渉計4を支持する構造体24と投影光学系12との間の相対速度に応じてその相対変位を小さくする向きに力を発生するので、相対振動の周波数に関係なく制振効果を得ることができる。パッシブ制振機構26のその他の例としては、櫛歯状の2部材が入れ子に配置され2部材が相対運動して接触したときに発生する摩擦力によって振動エネルギーを吸収する機構を使用することができる。
パッシブ制振機構26の実施例1として、図2に示されるオイルダンパー27を挙げる。オイルダンパー27は、図2に示すように、シリンダ28とピストン29からなり、第1部位及び第2部位のうちの一方にシリンダ28が取り付けられ、他方にピストン29が取り付けられる。シリンダ28内には、粘性媒体(オイル)31とピストン29の一部が挿入されている。図2のようにシリンダ28の軸が水平方向の場合は、Oリング30により粘性媒体31の封止を行う。シリンダ28とピストン29との間に相対的な運動が発生すると、シリンダ28内の粘性媒体31の粘性により、運動を妨げる向きに力が発生する。
振動エネルギーの減衰係数を向上させた実施例2のオイルダンパー27を図3に示す。実施例1に記載のオイルダンパー27は、シリンダ28とピストン29との半径寸法の差分で表される隙間寸法εを小さくしていくと減衰係数Cが大きくなる。減衰係数Cと隙間寸法εの関係は、以下の式で表される。ここで、μは粘性係数、Lはピストン29の軸方向寸法、Rはピストン29の半径である。
C=(6πμLR3)/ε3
一方、隙間寸法εを小さくしていくと、組立の誤差や、シリンダ28の軸方向以外の方向に対しての相対変形、相対振動により、シリンダ28とピストン29とが接触してしまう懸念がある。シリンダ28とピストン29との接触が発生すると、投影光学系12が鏡筒定盤3以外の点でも拘束されていることになり、投影光学系12の弾性変形を引き起こすことで、光学性能の低下につながってしまう。
次に、オイルダンパー27の具体的な配置例について、図5を用いて以下説明する。露光装置の投影光学系12は、支持点付近を中心とした倒れの振動モードが出やすい。オイルダンパー27は、その振動を低減したい方向に対して取り付ける。図5の(a)の例は、1つのオイルダンパー27をそのシリンダ28の軸の方向が投影光学系12の光軸に垂直であるように配置する。図5の(a)の配置では、投影光学系のy方向への倒れ振動について低減することができる。しかしこの場合、図中に矢印で示すx方向への倒れ振動や、z軸周りの回転振動は残留してしまう。
次に、デバイス(半導体デバイス、液晶表示デバイス等)の製造方法について説明する。半導体デバイスは、基板に集積回路を作る前工程と、前工程で作られた基板上の集積回路チップを製品として完成させる後工程を経ることにより製造される。前工程は、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布された基板を露光する工程と、基板を現像する工程を含む。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)と、パッケージング工程(封入)を含む。液晶表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることにより製造される。透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラス基板に感光剤を塗布する工程と、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布されたガラス基板を露光する工程と、ガラス基板を現像する工程を含む。本実施形態のデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
Claims (12)
- 基板を露光する露光装置であって、
レチクルを保持するレチクルステージと、
基板を保持する基板ステージと、
前記レチクルのパターンを前記基板に投影する投影光学系と、
前記レチクルステージ及び前記基板ステージのうちの一方のステージの位置を検出する検出器を保持している構造体と、
前記投影光学系と前記構造体とを支持している定盤と、
前記構造体の前記検出器を保持している部位と前記構造体の前記定盤によって支持されている部位との間に位置する前記構造体の第1部位と、前記検出器によって位置が検出される前記ステージと前記投影光学系の前記定盤によって支持されている部位との間に位置する前記投影光学系の第2部位とを接続するように配置され、前記構造体に対する前記投影光学系の相対振動を低減するパッシブ制振機構と、
を備え、
前記パッシブ制振機構は、オイルダンパーを含み、
前記オイルダンパーは、前記第1部位及び前記第2部位のうちの一方の部位に取り付けられたシリンダと、前記第1部位及び前記第2部位のうちの他方の部位に取り付けられたピストンとを含み、
前記パッシブ制振機構は、前記ピストンの一端に接続された屈曲可能な連結部材を含み、前記ピストンは、前記連結部材を介して前記他方の部位に取り付けられていることを特徴とする露光装置。 - 前記連結部材は、該連結部材をその中心軸を含む平面で切断したときの断面に前記中心軸を挟んで互いに逆側に位置する2つの凹部の組を有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記組は、前記連結部材をその中心軸を含む第1平面で切断したときの断面に前記中心軸を挟んで互いに逆側に位置する2つの凹部の第1の組と、前記連結部材をその中心軸を含む第2平面で切断したときの断面に前記中心軸を挟んで互いに逆側に位置する2つの凹部の第2の組と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
- 前記パッシブ制振機構は、前記ピストンの中心軸が前記シリンダの軸に対して傾斜することを規制する規制部材を含むことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の露光装置。
- 前記規制部材は、前記ピストンが貫通した孔をそれぞれ有する複数の板ばねを含むことを特徴とする請求項4に記載の露光装置。
- 基板を露光する露光装置であって、
レチクルを保持するレチクルステージと、
基板を保持する基板ステージと、
前記レチクルのパターンを前記基板に投影する投影光学系と、
前記レチクルステージ及び前記基板ステージのうちの一方のステージの位置を検出する検出器を保持している構造体と、
前記投影光学系と前記構造体とを支持している定盤と、
前記構造体の前記検出器を保持している部位と前記構造体の前記定盤によって支持されている部位との間に位置する前記構造体の第1部位と、前記検出器によって位置が検出される前記ステージと前記投影光学系の前記定盤によって支持されている部位との間に位置する前記投影光学系の第2部位とを接続するように配置され、前記構造体に対する前記投影光学系の相対振動を低減するパッシブ制振機構と、
を備え、
前記パッシブ制振機構は、オイルダンパーを含み、
前記オイルダンパーは、前記第1部位及び前記第2部位のうちの一方の部位に取り付けられたシリンダと、前記第1部位及び前記第2部位のうちの他方の部位に取り付けられたピストンとを含み、
前記パッシブ制振機構は、前記ピストンの中心軸が前記シリンダの軸に対して傾斜することを規制する規制部材を含む
ことを特徴とする露光装置。 - 前記規制部材は、前記ピストンが貫通した孔をそれぞれ有する複数の板ばねを含むことを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
- 前記パッシブ制振機構は、1つのオイルダンパーを含み、前記1つのオイルダンパーは、そのシリンダの軸の方向が前記投影光学系の光軸に垂直であるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の露光装置。
- 前記パッシブ制振機構は、2つのオイルダンパーを含み、前記2つのオイルダンパーは、それらのシリンダの軸の方向が前記投影光学系の光軸に垂直な平面内で互いに平行であるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の露光装置。
- 前記パッシブ制振機構は、2つのオイルダンパーを含み、前記2つのオイルダンパーは、それらのシリンダの軸の方向が前記投影光学系の光軸に垂直な平面内で交わるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の露光装置。
- 前記パッシブ制振機構は、3つのオイルダンパーを含み、前記3つのオイルダンパーは、それらのシリンダの軸の方向が前記投影光学系の光軸に垂直な平面内に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の露光装置。
- 請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
前記工程で露光された基板を現像する工程と、
を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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