JP2008166614A - 移動体装置、露光装置、計測方法及び露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

移動体装置、露光装置、計測方法及び露光方法、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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宏充 吉元
Yuichi Shibazaki
祐一 柴崎
Yosuke Tatsuzaki
陽介 立崎
Tomoki Miyagawa
智樹 宮川
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Abstract

【課題】レチクルステージの位置を高精度に計測する。
【解決手段】レチクルステージRSTの位置を計測する干渉計のうちの、少なくとも参照ビームと計測ビームとを分岐する光学系23Y1,23Y2を、防振ユニット14により振動が抑制されたレチクルステージ定盤RBSに固定する。これにより、参照ビームと計測ビームとが振動の影響を受けることがないため、レチクルステージの位置計測を高精度に行うことができ、ひいては、レチクルステージを高精度に移動することが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、移動体装置、露光装置、計測方法及び露光方法、並びにデバイス製造方法
に係り、更に詳しくは、物体を保持して移動する移動体を有する移動体装置、パターンを感応物体上に形成する露光装置、物体を保持して移動する移動体の位置を干渉計を用いて計測する計測方法及び該計測方法を用いる露光方法、並びに前記露光方法を用いるデバイス製造方法に関する。
近年、半導体素子、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程においては、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)とウエハ又はガラスプレート等の感応物体(以下、「ウエハ」と総称する)とを所定の走査方向(スキャン方向)に沿って同期移動しつつ、レチクルのパターンを投影光学系を介してウエハ上に転写する、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)などが比較的多く用いられるようになってきた。
この走査型露光装置では、ウエハ側に加え、レチクル側にも、レチクルを駆動する駆動装置が必要である。最近の走査型露光装置では、レチクル側の駆動装置として、レチクル定盤上にエアベアリング等により浮上支持されたレチクルステージを、例えば一対のリニアモータによって走査方向に所定ストローク範囲で駆動するとともに、走査方向及び非走査方向に微小駆動するレチクルステージ装置が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
この種のレチクルステージ装置では、レチクルステージの位置を計測するために、例えば、レーザ干渉計が用いられるが、レーザ干渉計自体に振動が伝達すると、レチクルステージの位置計測精度が低下する。
しかるに、最近においては、レチクルステージ装置は、除振されていないボディ上に防振ユニットを介して搭載されているが、そのボディには投影光学系なども搭載されている。このため、レチクルステージ装置の除振が不十分となり高精度な移動を行えなくなるおそれがある。また、レーザ干渉計も除振された定盤上に配置されているが、レーザ干渉計は大きくかつ重いので、その定盤の制御に支障をきたすおそれがある。
国際公開第2004/073053号パンフレット
本発明は、上述した事情の下になされたものであり、第1の観点からすると、物体を保持して移動する移動体を有する移動体装置であって、所定面に設けられ、前記移動体が移動可能に配置される定盤と;前記所定面に設けられた前記定盤の振動を抑制する除振装置と;前記移動体の位置を計測する干渉計と;を備え、前記干渉計のうちの、少なくとも参照ビームと計測ビームとを分岐する分岐光学系が前記定盤に固定されている第1の移動体装置である。
これによれば、移動体の位置を計測する干渉計のうちの、少なくとも参照ビームと計測ビームとを分岐する分岐光学系が、除振装置により振動が抑制された定盤に固定されているので、参照ビームと計測ビームとが振動の影響を受けることがない。これにより、移動体の位置計測を高精度に行うことができ、移動体を高精度に移動することが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、物体を保持して移動する移動体を有する移動体装置であって、所定面に設けられ、前記移動体が移動可能に配置される定盤と;前記所定面に設けられた前記定盤の振動を抑制する除振装置と;前記移動体の位置を計測する干渉計と;を備え、前記干渉計のビームが前記移動体に設けられた光学部材を経由して入射する反射部材が、前記定盤に固定されている第2の移動体装置である。
これによれば、干渉計のビームが移動体に設けられた光学部材を経由して入射する反射部材が、除振装置により振動が抑制された定盤に固定されているので、振動の影響を受けることなく移動体の位置計測を高精度に行うことができる。これにより、移動体を高精度に移動することが可能となる。
本発明は、第3の観点からすると、物体を保持して移動する移動体を有する移動体装置であって、所定面に設けられ、前記移動体が移動可能に配置された定盤と;前記所定面に設けられた、前記定盤の振動を抑制する第1の除振装置と;前記所定面側から、前記定盤側に用力を供給する配管と;前記所定面に設けられた、前記配管の振動を抑制する第2の除振装置と;を備える第3の移動体装置である。
これによれば、所定面に設けられ、移動体が移動可能に配置された定盤の振動が第1の除振装置により抑制され、所定面側から定盤側に用力を供給する配管の振動が第2の除振装置により抑制されている。これにより、配管を介して定盤に振動が伝達するのが抑制されるので、高精度な移動体の移動が可能となる。
本発明は、第4の観点からすると、物体を保持して移動する移動体を有する移動体装置であって、所定面に設けられ、前記移動体が移動可能に配置される定盤と;前記所定面に設けられ、前記定盤を少なくとも鉛直方向に移動させる定盤移動装置と;前記所定面に設けられ、前記定盤を移動する際に発生する定盤の変形を抑制する変形抑制装置と;を備える第4の移動体装置である。
これによれば、移動体が移動可能に配置される定盤が定盤移動装置により少なくとも鉛直方向に移動される際に、変形抑制装置が、定盤の移動により発生する定盤の変形を抑制するので、定盤の変形の影響を受けることなく高精度な移動体の移動を実現することが可能となる。
本発明は、第5の観点からすると、マスクに形成されたパターンを感応物体上に形成する露光装置であって、前記移動体が前記マスク又は前記感応物体を保持して移動する本発明の第1〜第4の移動体装置を備える第1の露光装置である。
これによれば、高精度な移動が可能な移動体が、マスク又は感応物体を保持して移動するので、感応物体上へのパターン形成を高精度に行うことが可能となる。
本発明は、第6の観点からすると、パターンを感応物体上に形成する、複数の部品から成る露光装置であって、前記複数の部品のうちの特定部品の自重を、所定面に対して非接触支持する複数の第1の非接触軸受と;前記第1の非接触軸受とは異なる位置に設けられ、前記所定面と前記特定部品との間を所定間隔に維持する第2の非接触軸受と;を備える第2の露光装置である。
これによれば、複数の第1の非接触軸受により、複数の部品のうちの特定部品の自重を、所定面に対して非接触支持するとともに、第1の非接触軸受とは異なる位置に設けられた第2の非接触軸受により、所定面と特定部品との間を所定間隔に維持するので、特定部品の第1の非接触軸受による支持点間の変形(撓み)が抑制される。これにより、特定部品の剛性を高く維持することが可能となる。
本発明は、第7の観点からすると、物体を保持して移動する移動体の位置を、干渉計を用いて計測する計測方法であって、振動が抑制された状態で所定面に設けられた定盤に固定された、少なくとも参照ビームと計測ビームとを分岐する分岐光学系を介して、前記定盤上を移動する移動体の位置を計測する工程を含む第1の計測方法である。
これによれば、移動体の位置を計測する干渉計のうちの、少なくとも参照ビームと計測ビームとを分岐する分岐光学系が、除振装置により振動が抑制された定盤に固定されているので、参照ビームと計測ビームとが振動の影響を受けるのを極力抑制することができる。これにより、移動体の位置計測を高精度に行うことが可能となる。
本発明は、第8の観点からすると、物体を保持して移動する移動体の位置を、干渉計を用いて計測する計測方法であって、振動が抑制された状態で所定面に設けられた定盤に固定された反射部材、及び前記定盤上を移動する移動体に設けられた光学部材を介して、前記移動体の位置を計測する工程を含む第2の計測方法である。
これによれば、干渉計のビームが移動体に設けられた光学部材を経由して入射する反射部材が、除振装置により振動が抑制された定盤に固定されているので、振動の影響を受けることなく移動体の位置計測を高精度に行うことが可能となる。
本発明は、第9の観点からすると、マスクに形成されたパターンを感応物体上に形成する露光方法であって、本発明の第1、第2の計測方法を用いて、前記マスクを保持する移動体の位置を計測する工程と;前記移動体の位置計測結果に基づいて、前記移動体を移動し、前記マスクに形成されたパターンを前記感応物体上に形成する工程と;を含む露光方法である。
これによれば、マスクを保持する移動体の位置計測を高精度に行うことができるので、この位置計測結果に基づいて、移動体を移動し、マスクに形成されたパターンを感応物体上に形成することにより、高精度なパターン形成を実現することが可能となる。
また、リソグラフィ工程において、本発明の露光方法を用いて露光を行うことにより、高集積度のマイクロデバイスの生産性を向上することが可能である。従って、本発明は、更に別の観点からすると、本発明の露光方法を用いるデバイス製造方法であるとも言える。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。
図1には、一実施形態に係る露光装置10の概略的な構成が示されている。この露光装置10は、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置、すなわちいわゆるスキャニング・ステッパである。
この露光装置10は、照明ユニットIOP、レチクルRを保持するレチクルステージRSTを含むレチクルステージ装置20、投影光学系PL、ウエハWを保持してXY平面内でXY2次元方向に移動するウエハステージWST、及びこれらの制御系、並びにレチクルステージ装置20及び投影光学系PLを保持するコラム34等を備えている。
前記照明ユニットIOPは、光源及び照明光学系を含み、その内部に配置された視野絞り(マスクキングブレード又はレチクルブラインドとも呼ばれる)で規定される矩形又は円弧状の照明領域にエネルギビームとしての照明光ILを照射し、回路パターンが形成されたレチクルRを均一な照度で照明する。ここでは、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、又はArFエキシマレーザ光(波長193nm)あるいはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光が用いられるものとする。ただし、それらに代えて、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(波長436nmのg線、波長365nmのi線等)を用いることとしても良い。
前記レチクルステージ装置20は、照明ユニットIOPの下方に配置され、レチクルRを保持することが可能な前記レチクルステージRSTを含んでいる。このレチクルステージRSTは、図1に示されるように、コラム34の天板部32a上方に設けられた、レチクルステージ定盤RBSの上方に配置されている。なお、レチクルステージ装置20の具体的な構成等については後に更に詳述する。
前記投影光学系PLとしては、例えば、Z軸方向の共通の光軸を有する複数のレンズ(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。この投影光学系PLは、例えば、両側テレセントリックで所定の投影倍率(例えば1/4あるいは1/5)を有する。このため、照明ユニットIOPからの照明光ILによって照明領域が照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のレチクルの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の投影像)が、その第2面(像面)側に配置され、表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上の前記照明領域に共役な領域(露光領域)に形成される。
そして、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してレチクルを走査方向(Y軸方向)に相対移動するとともに、露光領域(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動することで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では、照明ユニットIOP、レチクル及び投影光学系PLによって、ウエハW上にパターンが生成され、照明光ILによるウエハW上の感応層(レジスト層)の露光によってウエハW上にそのパターンが形成される。
投影光学系PLの鏡筒の高さ方向のほぼ中央部には、フランジFLGが設けられている。
前記コラム34は、床面Fにその下端部が固定された複数(ここでは、例えば3本)の脚部32b(紙面奥側の脚部は不図示)と、該脚部32bにより床面F上方で支持された天板部32aとを含んでいる。天板部32aの中央部には、上下方向(Z軸方向)に貫通した状態で平面視(上方から見て)矩形の開口34aが形成されている。
投影光学系PLは、前記天板部32aの下面側に一端が固定された3つの吊り下げ支持機構137(ただし紙面奥側の吊り下げ支持機構は不図示)を介して、そのフランジFLG部分にて吊り下げ支持されている。これら吊り下げ支持機構137のそれぞれは、柔構造の連結部材であるコイルばね136とワイヤ135とを含む。前記コイルばね136は、投影光学系PLの光軸(Z軸)に垂直な方向には振り子のように振動するため、投影光学系PLの光軸に垂直な方向の除振性能(床の振動が投影光学系PLに伝達するのを防止する性能)を有している。また、光軸に平行な方向に関しても、高い除振性能を有している。
また、コラム34の脚部32bそれぞれのZ軸方向に関する中央部近傍には凸部134aが形成され、凸部134aそれぞれと投影光学系PLのフランジの外周部との間には、駆動機構440が設けられている。この駆動機構440は、投影光学系PLを鏡筒の半径方向に駆動するボイスコイルモータと、投影光学系PLを光軸方向(Z軸方向)に駆動するボイスコイルモータとを含んでいる。これら駆動機構により、投影光学系PLを6自由度方向に移動できる構成となっている。
投影光学系PLのフランジFLGには、投影光学系PLの6自由度方向の加速度を検出するための加速度センサ234(図1では不図示、図13参照)が設けられており、該加速度センサ234で検出される加速度情報に基づいて、主制御装置50(図1では不図示、図13参照)が、投影光学系PLがコラム34及び床面Fに対して静止した状態となるように駆動機構440のボイスコイルモータの駆動を制御する。
投影光学系PLのフランジFLGの下面からは、リング状の計測マウント51が複数(ここでは例えば3本)の支持部材53(ただし、紙面奥側の支持部材は不図示)を介して吊り下げ支持されている。3本の支持部材53は、実際には、その両端部に支持部材53の長手方向以外の5自由度の変位が可能なフレクシャー部を有するリンク部材を含んで構成され、計測マウント51とフランジFLGとの間に応力がほとんど生じることなく計測マウント51を支持することができるようになっている。
計測マウント51には、ウエハ干渉計58や、アライメント系ALG(図1では不図示、図13参照)、不図示の多点焦点位置検出系などが保持されている。アライメント系としては、画像処理方式のセンサを用いることができ、この、画像処理方式のセンサは、例えば特開平4−65603号公報に開示されている。また、多点焦点位置検出系としては、例えば特開平6−283403号公報(対応米国特許第5,448,332号明細書)等に開示される多点焦点位置検出系を用いることができる。
前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの下方に水平に配置されたステージ定盤BSの上面に、その底面に設けられたエアベアリングなどを介して浮上支持されている。
ここで、ステージ定盤BSは、直接的に床面F上に据え付けられており、その+Z側の面(上面)は、その平坦度が非常に高くなるように加工されており、ウエハステージWSTの移動基準面(ガイド面)とされている。
ウエハステージWSTは、ウエハホルダ25を介してウエハWを真空吸着等により保持し、主制御装置50により、ウエハステージ駆動系122(図1では不図示、図13参照)を介して、ステージ定盤BSの上面に沿ってXY2次元方向に自在に駆動されるようになっている。
次に、レチクルステージ装置20について図2〜図12等に基づいて説明する。
図2にはレチクルステージ装置20が斜視図にて示されている。この図2から分かるように、レチクルステージ装置20は、コラム34の天板部32a上に複数(ここでは、例えば3つ)の防振ユニット14(ただし、図2では、紙面奥側に位置する2つの防振ユニットは不図示)を介して支持されたレチクルステージ定盤RBSと、レチクルステージ定盤RBS上方に配置されたレチクルステージRSTと、レチクルステージRSTを取り囲む状態で設けられた矩形枠状のカウンタマス18と、レチクルステージRSTを駆動するレチクルステージ駆動系340(図13参照)と、を含んでいる。
レチクルステージ定盤RBSは、図2の分解斜視図である図3に示されるように、平面視(上方から見て)略長方形の板状部材から成り、その中央部には、矩形の開口RBSaが形成されている。この矩形の開口RBSaは、前述した天板部32aの開口34aとZ軸方向に連通した状態となっている。また、レチクルステージ定盤RBSの上面の、中心から−X方向及び+X方向に等距離離れた位置には、凸状部分RBSb、RBScがY軸方向に沿って延設されている。この凸状部分RBSb,RBScの上面(+Z側の面)は、平坦度が非常に高くなるように加工されている。また、レチクルステージ定盤RBSの上面の外周部近傍には、所定間隔で12個のエアパッドが設けられている。このうち、レチクルステージ定盤RBS上面の四隅部に設けられているエアパッド(図3においてハッチングを付して示すエアパッド)を「第1エアパッド101と」呼び、それ以外のエアパッドを「第2エアパッド191」と呼ぶものとする。なお、これらエアパッド101、191については、後に詳述する。
レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間に設けられた図1に示される複数(ここでは例えば3つ)の防振ユニット14は、それぞれがエアダンパ又は油圧式のダンパ等の機械式のダンパを含んでいる。この防振ユニット14により、エアダンパ又は油圧式のダンパによって比較的高周波の振動がレチクルステージRSTへ伝達するのを回避することができる。また、レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間には、レチクルステージ定盤RBSにX軸方向の駆動力を作用させるXボイスコイルモータ66X、Y軸方向の駆動力を作用させるYボイスコイルモータ66Y、及びZ軸方向の駆動力を作用させるZボイスコイルモータ66Z(いずれも、図2では不図示、図13参照)が設けられている。
これらボイスコイルモータとしては、例えば、Xボイスコイルモータ66XとYボイスコイルモータ66Yの少なくとも一方を2つ、Zボイスコイルモータ66Zを3つ設けることとすることができる。すなわち、Xボイスコイルモータ66XとYボイスコイルモータ66Yの少なくとも一方を2つ設けることで、レチクルステージ定盤RBSをX軸方向及びY軸方向のみならず、Z軸回りの回転方向(θz方向)にも微小駆動することが可能であり、また、Zボイスコイルモータ66Zを3つ設けることで、レチクルステージ定盤RBSをZ軸方向のみならず、X軸回りの回転方向(θx方向)及びY軸回りの回転方向(θy方向)にも微小移動することが可能である。従って、ボイスコイルモータ66X,66Y,66Zにより、レチクルステージ定盤RBSを6自由度方向に微小駆動することが可能である。なお、レチクルステージ定盤RBSの位置は、後述する定盤干渉計240やZエンコーダ81(いずれも図13参照)により投影光学系PLを基準として計測される。
ここで、例えば3つのZボイスコイルモータ66Zは、図4に仮想線にて示されるように、レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間の一直線上に無い3箇所に設けられるが、本実施形態では、この3つのZボイスコイルモータ66Zに加えて、レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間には、レチクルステージ定盤RBSの変形を抑制するための変形抑制機構67が5つ設けられている。この変形抑制機構67としては、ボイスコイルモータなどの駆動機構を用いることができる。
これにより、例えば、Zボイスコイルモータ66Zのみを用いてレチクルステージ定盤RBSをZ軸方向、θx方向、θy方向に移動させた場合に、Zボイスコイルモータ66Zの推力の作用点同士が離れていることに起因して撓みやねじれが発生するような場合でも、主制御装置50が、3つのZボイスコイルモータ66Zの発生推力に応じて、5つの変形抑制機構67の発生する推力を制御(推力分配)することで、レチクルステージ定盤RBSを、その変形が極力抑制された状態でZ、θx、θy方向に移動させることが可能である。
前記レチクルステージRSTは、図5に拡大して示されるように、特殊な形状のレチクルステージ本体22及び該レチクルステージ本体22に固定された各種磁極ユニット等を含んでいる。
レチクルステージ本体22は、平面視(上方から見て)概略矩形の板状部24Aと、板状部24AのY軸方向の一側及び他側の端部からそれぞれY軸方向に突設された略U字状の延設部24B,24Cとを含んでいる。
前記板状部24Aのほぼ中央部には、照明光ILの通路となる貫通孔22b(図6参照)がその中央に形成された段付き開口22aが形成され、該段付き開口22aの段部(1段掘り下げられた部分)には、レチクルRを下側から複数点(例えば3点)で吸着保持する複数(例えば3つ)のレチクル保持部材94が設けられている。
本実施形態では、図2のA−A線断面図である図6から分かるように、レチクルRは、そのパターン面(下面)が、レチクルステージ本体22(レチクルステージRST)の中立面(レチクルステージ本体22の重心を通るXY面に平行な面)に略一致する状態で支持されている。
レチクルステージ本体22の板状部24Aの−X側端部には、図5及び図6に示されるように、X軸方向計測用のブロック239A、239Bを含む光学系23Xが設けられており、延設部24Cには、図5に示されるように、一対のレトロリフレクタ132a,132bが設けられている。これら光学系23X及びレトロリフレクタ132a、132bについては、後に更に詳述する。
レチクルステージ本体22の底面には、不図示ではあるが、延設部24Bの−X側の突出部から延設部24Cの−X側の突出部に至るY軸方向の全域に渡り、第1の気体静圧軸受(実際には、気体静圧軸受を構成する表面絞り溝)が形成され、延設部24Bの+X側の突出部から延設部24Cの+X側の突出部に至るY軸方向の全域に渡り、第2の気体静圧軸受(実際には、気体静圧軸受を構成する表面絞り溝)が形成されている。これらの軸受として、例えば、特開2002−15985号に開示される定盤給気タイプの差動排気型気体静圧軸受が用いられている。本実施形態では、図3に示されるレチクルステージ定盤RBSに形成された開口19a,19bから、第1、第2の気体静圧軸受に対して用力が供給されている。そして、第1、第2の気体静圧軸受の表面絞り溝からレチクルステージ定盤RBSの上面(凸状部分RBSa、RBSbの上面)に噴き付けられる加圧気体の静圧と、レチクルステージRST全体の自重とのバランスにより、レチクルステージ定盤RBSの上面の上方に数ミクロン程度のクリアランスを介して、レチクルステージRSTが非接触で浮上支持されるようになっている。
前記レチクルステージ駆動系340は、図13に示されるように、第1駆動機構340aと、第2駆動機構340bとを含んでいる。これらのうち、第1駆動機構340aは、図3に示されるY軸方向を長手方向とする一対のY固定子36,37、及び一対のY固定子38,39と、これらY固定子36〜39に係合するY可動子26〜29とを含んでいる。
Y固定子36、37は、図2等に示されるように、その長手方向(Y軸方向)両端部が、カウンタマス18の+Y側の内面及び−Y側の内面にて固定支持されるとともに、その短手方向(X軸方向)の一端部(−X端部)がカウンタマス18のX軸方向の一側の内面(+X側の内面)において固定支持されている。また、Y固定子38、39も同様に、その長手方向(Y軸方向)両端部が、カウンタマス18の+Y側の内面及び−Y側の内面にて固定支持されるとともに、その短手方向(X軸方向)の一端部(+X端部)がカウンタマス18のX軸方向の一側の内面(−X側の内面)において固定支持されている。これらY固定子36〜39の内部には、Y軸方向に沿って配列された複数の電機子コイルが設けられている。
一方、Y固定子36〜39のそれぞれに係合した状態のY可動子26〜29は、レチクルステージ本体22に設けられた複数の永久磁石を有する磁極ユニットである。このうち、一対のY可動子26,27は、図6に示されるように、レチクルステージ本体22の中立面(重心を通り、XY面に平行な面)を基準として対称に配置されており、また、一対のY可動子28,29も同様に、レチクルステージ本体22の中立面を基準として対称に配置されている。
本実施形態では、Y可動子26〜29とY固定子36〜39とにより、Y可動子26〜29の発生する磁界とY固定子36〜39を流れる電流との間の電磁相互作用によりY軸方向の駆動力を発生する、4つのYリニアモータが構成されている。すなわち、本実施形態では、これら4つのYリニアモータにより、第1駆動機構340aが構成されている。
したがって、本実施形態の第1駆動機構340aでは、Y固定子36〜39の電機子コイルそれぞれに同一の電流を供給することにより、Y可動子26〜29のそれぞれに同一の駆動力が与えられるため、レチクルステージRSTをY軸方向に並進駆動することができる。この場合、Y可動子26〜29がレチクルステージRSTの中立面を基準として対称に配置されていることから、レチクルステージRSTにはピッチングモーメントが極力作用しないようになっている。また、+X側の2つのYリニアモータと、−X側の2つのリニアモータとの間の駆動力を異ならせることにより、レチクルステージRSTをZ軸回りの回転方向(θz方向)に微小駆動することも可能である。
前記第2駆動機構340bは、図6に示されるX固定子40と、X固定子40に係合した状態のX可動子30とを含んでいる。前記X固定子40は、実際には、Y軸方向に関してY固定子36〜39と同一長さを有しており、その内部には、Y軸方向を長手方向とする単一の電機子コイルが設けられている。このX固定子40も、Y固定子36〜39と同様、その長手方向(Y軸方向)両端部が、カウンタマス18の+Y側の内面及び−Y側の内面にて固定支持されるとともに、その短手方向(X軸方向)一端部(−X端部)がカウンタマス18のX軸方向の一側の内面(+X側の内面)において固定支持されている。
前記X可動子30は、レチクルステージ本体22の+X側の端部に固定された複数の永久磁石を有する磁極ユニットである。このX可動子30は、レチクルステージ本体22の中立面上に配置されている。
本実施形態では、X可動子30とX固定子40とにより、X可動子(磁極ユニット)30の発生する磁界とX固定子(電機子ユニット)40を流れる電流との間の電磁相互作用によりX軸方向の駆動力を発生する、Xボイスコイルモータが構成されている。すなわち、本実施形態では、Xボイスコイルモータにより、第2駆動機構340bが構成されている。なお、前述のように、X可動子30はレチクルステージRSTの中立面上に配置されているので、XボイスコイルモータによるレチクルステージRSTのX軸方向への駆動の際には、レチクルステージRSTにローリングモーメントが極力作用しないようになっている。
以下においては、上記Yリニアモータ及びXボイスコイルモータを各モータを構成する固定子と同一の符号を用いて、「Yリニアモータ36,37,38,39」、「Xボイスコイルモータ40」とも記述するものとする。
図3に戻り、前記カウンタマス18は、レチクルステージ定盤RBSの上方に配置されており、その下面が図3に示される第1のエアパッド101、第2のエアパッド191に対向した状態となっている。これらのうち第1のエアパッド101は、カウンタマス18の自重をレチクルステージ定盤RBSの上面(+Z側の面)上で非接触支持するためのエアパッドであり、第2のエアパッド191は、カウンタマス18の下面とレチクルステージ定盤RBSの上面との間を所定間隔に維持するためのエアパッドである。第2のエアパッド191としては、例えば、真空吸引するバキューム部とエアを噴出す噴出し部とを有し、バキューム部による真空吸引力及び重力の合力と噴出し部によるエアの噴出し力とが釣り合うように設定されたエアパッドを用いることができる。
次に、レチクルステージRSTの位置を計測するレチクル干渉計21(図1等では不図示、図13参照)について説明する。
レチクル干渉計21は、図13に示されるように、レチクルステージRSTのX軸方向の位置を計測するためのX干渉計140Xと、Y軸方向の位置を計測するための一対のY干渉計140Y1,140Y2とを含んでいる。
前記X干渉計140Xは、図7に示されるセンサヘッド222Xと、レチクルステージRST(レチクルステージ本体22)の−X側の端部に設けられたX軸方向計測用のブロック239A、239Bを含む光学系23Xとを含んでいる。
前記センサヘッド222Xとしては、その内部に光源(例えば、He−Neレーザ)、光学系、並びに複数の検光子(偏光子)及び複数の光電変換素子、折り曲げミラー等を内蔵するヘッドが採用されている。このセンサヘッド222Xからは、1本の計測ビームが射出される。
前記光学系23Xは、図9(A)に拡大して示されるように、センサヘッド222Xから射出される計測ビームを分岐するハーフミラー241と、ハーフミラー241を透過した計測ビームが入射するブロック239Aと、ハーフミラー241で反射した計測ビームを90°折り曲げるミラー243と、ミラー243で折り曲げられた計測ビームが入射するブロック239Bと、ブロック239Bから出射したビームをセンサヘッド222Xに導くためのミラー245,247とを含んでいる。これらハーフミラー241、ブロック239A、ミラー243、ブロック239B及びミラー245,247のそれぞれは、図9(A)の位置関係が維持された状態で、レチクルステージ本体22に固定されている。
前記ブロック239A、239Bのうちの一方のブロック239Aは、ビームスプリッタ237aと、ビームスプリッタ237aの+X側の面に設けられたプリズム(コーナーキューブ)237eと、−Y側及び−X側の面に設けられたλ/4板237b,237cと、λ/4板237bの−Y側に設けられたミラー237dとを含んでいる。
このブロック239Aには、ハーフミラー241を透過した計測ビームが入射し、ビームスプリッタ237aで反射する測定ビームとビームスプリッタ237aを透過する参照ビームに分割される。測定ビームは、λ/4板237cを介して固定鏡226X(この固定鏡226Xは、図6に示されるように、取付部材227を介して、レチクルステージ定盤RBSに固定されている)の反射面(+X側の面)に入射する。そして、固定鏡226Xの反射面で反射された測定ビームは、λ/4板237c、ビームスプリッタ237a、プリズム237e、ビームスプリッタ237a、λ/4板237cを順に経由して、再度固定鏡226Xの反射面に入射し、反射面で反射された後、λ/4板237c、ビームスプリッタ237aを経て、ブロック239Aから出力される。
一方、参照ビームは、λ/4板237bを介してミラー237dの反射面に入射し、該反射面にて反射されると、λ/4板237b、ビームスプリッタ237a、プリズム237e、ビームスプリッタ237a、λ/4板237bを順に経由して、再度ミラー237dの反射面に入射する。そして、反射面で反射した参照ビームは、λ/4板237b、ビームスプリッタ237aを経由して、ブロック239Aから出力される。このとき、ブロック239Aから出射される測定ビームと参照ビームとは、同軸上に合成された状態で出力される。このようにして出力されたビームは、センサヘッド222Xに戻る。
主制御装置50には、センサヘッド222X内の検光子から出力される干渉光が光電変換素子で受光され、干渉光に応じた干渉信号が送られる。そして、主制御装置50では、光電変換素子からの干渉信号に基づいて、固定鏡226Xとブロック239Aとの位置関係を計測することが可能である。
前記ブロック239Bは、上述したブロック239Aと同様に構成されている。このブロック239Bによると、ハーフミラー241で反射された計測ビームが入力され、上記ブロック239Aの場合と同様に、ブロック239Bから測定ビームと参照ビームとが、同軸上に合成された状態で出力される。このようにして出力されたビームは、ミラー245,247を介してセンサヘッド222Xに戻る。
主制御装置50には、センサヘッド222X内の検光子から出力される干渉光が光電変換素子で受光され、干渉光に応じた干渉信号が送られ、主制御装置50は、光電変換素子からの干渉信号に基づいて、固定鏡226Xとブロック239Bとの位置関係を計測することが可能である。
前記Y干渉計140Y1は、図7に示されるように、センサヘッド222Y1と、光学系23Y1とを含んでいる。また、前記Y干渉計140Y2は、センサヘッド222Y2と、光学系23Y2とを含んでいる。センサヘッド222Y1、222Y2は、前述したセンサヘッド222Xとほぼ同様の構成となっている。
前記光学系23Y1は、図9(B)に拡大して示されるように、偏光ビームスプリッタ251、252と、コーナーキューブ239Cとを含んでいる。センサヘッド222Y1から出力される計測ビームは、偏光ビームスプリッタ251で測長ビームと参照ビームとのに分岐され、測長ビームは、レトロリフレクタ132aを経由して、偏光ビームスプリッタ252を透過し、センサヘッド222Y1に戻る。一方、参照ビームは、コーナーキューブ239Cに入射して、反射を繰り返した後、偏光ビームスプリッタ252で反射されて、センサヘッド222Y2に戻る。このとき、測定ビームと参照ビームとは、同軸上に合成された状態でセンサヘッド222Y2に戻る。
主制御装置50には、センサヘッド222Y1内の検光子から出力される干渉光が光電変換素子で受光され、干渉光に応じた干渉信号が送られる。そして、主制御装置50では、光電変換素子からの干渉信号に基づいて、レトロリフレクタ132aと光学系23Y1との位置関係を計測することが可能である。
前記光学系23Y2は、図7に示されるように、偏光ビームスプリッタ253、254と、コーナーキューブ239Dとを含んでおり、上記光学系23Y1と左右対称な構成であるが、同一の構成を有している。したがって、主制御装置50には、センサヘッド222Y2内の検光子から出力される干渉光が光電変換素子で受光され、干渉光に応じた干渉信号が送られる。そして、主制御装置50では、光電変換素子からの干渉信号に基づいて、レトロリフレクタ132bと光学系23Y2との位置関係を計測することが可能である。
本実施形態によると、レチクル干渉計140を用いて、レチクルステージRSTのX軸方向の位置を2箇所で計測し、Y軸方向の位置も2箇所で計測していることから、レチクルステージRSTのX軸方向の位置及びY軸方向の位置のみならず、Z軸回りの回転方向の姿勢をも計測することが可能である。
ここで、上述したセンサヘッド222X,222Y1,222Y2は、実際には、図8に示されるように、コラム34の天板部32a上面に設けられた干渉計デリバリモジュール200に内装されている。また、光学系23Y1、23Y2は、取付部材201を介して、レチクルステージ定盤RBSに固定されている。
次に、前述した投影光学系PLを基準としたレチクルステージ定盤RBSの位置を計測する定盤干渉計240(図13参照)について、説明する。この干渉計としては、図10に概略的に示されるように、Y軸方向計測用のセンサヘッド261Y1、261Y2と、X軸方向計測用のセンサヘッド261X1,261X2,261X3と、各センサヘッドに対応して設けられた光学系262Y1,262Y2,262X1,262X2,262X3とを含んでいる。各光学系262Y1,262Y2,262X1,262X2,262X3は、前述した光学系23Y1,23Y2と同様の構成を有している。
これらのうち、センサヘッド261Y1,261Y2は、図8に示されるように、コラム34の天板部32a上面の+Y側端部近傍に設けられた干渉計デリバリモジュール200内に内装されており、センサヘッド261X1,261X2,261X3は、図6に示されるように、コラム34の天板部32a上面の−X側端部近傍に設けられた干渉計デリバリモジュール300内に内装されている。また、光学系262Y1,262Y2は、図8に示されるように、前述したレチクル干渉計21を構成する光学系23Y1、23Y2が取り付けられた取付部材201を介して、レチクルステージ定盤RBSに固定されており、光学系262X1,262X2,262X3は、図7に示されるように、固定鏡226Xが取り付けられた取付部材227を介してレチクルステージ定盤RBSに固定されている。
上記のように構成される干渉計240によると、図10に示されるように、投影光学系PLの+Y側端部にZ軸方向に所定間隔をあけて設けられたコーナーキューブ71Y1,71Y2,及び投影光学系PLの−X側端部近傍に、Y軸方向に関して等間隔に設けられた3つのコーナーキューブ71X1,71X2,71X3(ただし、コーナーキューブ71X3は、他のコーナーキューブ71X1,71X2のZ位置よりも所定距離だけ−Z側に位置している)を用いて、光学系262Y1,262Y2,262X1,262X2,262X3と、各光学系に対応するコーナーキューブ71Y1,71Y2,71X1,71X2,71X3との位置関係を計測することが可能である。
本実施形態では、投影光学系を基準としたレチクルステージ定盤RBSのY軸方向の位置を2箇所で計測し、X軸方向の位置を3箇所で計測しているので、投影光学系を基準としたレチクルステージ定盤RBSのY軸方向及びX軸方向の位置のみならず、レチクルステージ定盤RBSのX軸回りの回転方向(θx)、Y軸回りの回転方向(θy)、Z軸回りの回転方向(θz)の位置を計測することもできる。これらの計測結果は、主制御装置50に送られ、このうちのX、Y、θzに関する情報が、レチクルステージ定盤RBSの駆動制御に用いられる。そして、残りのθx、θyに関する情報は、以下に説明するレチクル干渉計21の計測値の補正に用いられる。
以下、上記レチクル干渉計21の計測値の補正方法について、レチクル干渉計21を構成するY干渉計140Y1,140Y2を例に採り、図11(A)、図11(B)に基づいて具体的に説明する。
本実施形態の露光装置では、レチクルステージRSTがレチクルステージ定盤RBS上を移動することにより、レチクルステージ定盤RBSが変形するおそれがある。このように、レチクルステージ定盤RBSに変形が生じた場合、Y干渉計140Y1,140Y2によるレチクルステージRSTの計測値に誤差が生じるおそれがある。具体的には、図11(A)に示されるようにレチクルステージ定盤RBSに変形が生じていない状態から、図11(B)に示されるようにレチクルステージ定盤RBSの+Y側端部が撓んだ状態になると、光学系23Y1,23Y2が距離tだけずれた状態となり、この距離tがY干渉計140Y1,140Y2の計測誤差となる。
したがって、本実施形態では、定盤干渉計240の光学系262Y1、262Y2を用いて計測された投影光学系PL基準のレチクルステージ定盤RBSの傾き情報(この場合は、角度α、すなわちθx情報)を用いて、レチクル干渉計21のY干渉計140Y1、140Y2の計測値の補正を行う。
また、X干渉計140Xについても、図6から分かるように、レチクルステージ定盤RBSが上記と同様に変形した場合には、固定鏡226の位置ずれが生じるので、この位置ずれ量を定盤干渉計240の光学系262X1〜262X3を用いて計測された投影光学系PL基準のレチクルステージ定盤RBSの傾き情報(この場合は、θy情報)を用いて、レチクル干渉計21のY干渉計140Xの計測値の補正を行う。
以上のように補正を行うことで、レチクルステージ定盤RBSの傾きを考慮した高精度なレチクルステージRSTの位置計測を行うことが可能である。
図10に戻り、投影光学系PLの上端部の3箇所には、前述したZエンコーダ81がそれぞれ設けられている。このZエンコーダ81は、図8に示されるように、レチクルステージ定盤RBSの下面に対向した状態で設けられていることから、このZエンコーダ81を用いることにより、投影光学系PLを基準としたレチクルステージ定盤RBSのZ軸方向の位置、θx、θy方向の回転を計測することができる。この計測結果は、主制御装置50に送られ、レチクルステージ定盤RBSの駆動制御に用いられる。
次に、本実施形態において、レチクルステージ装置20に用力(Yリニアモータ36〜39やXボイスコイルモータ40の駆動電流や、各モータを冷却するための液体、レチクルを吸着保持するために必要な真空吸引力など)を供給するための配管や配線(以下、これらを纏めて「ケーブル」と呼ぶ)について、図12に基づいて、説明する。
図12には、天板部32a、防振ユニット14、レチクルステージ定盤RBS、及びカウンタマス18が概略的に示されている。この図12に示されるように、レチクルステージ装置20に用力を供給するためのケーブルとしては、外部に設けられた不図示の用力供給系にその一端が接続された第1接続ケーブル401a,401bと、該第1接続ケーブル401a,401bの他端が接続されたコネクタ405と、コネクタ405に一端が接続された第2接続ケーブル402a,402bと、第2接続ケーブル402a,402bの他端にその一端が接続された第3接続ケーブル403a,403bと、第3接続ケーブル403a,403bの他端にその一端が接続され、他端がカウンタマス18に接続された第4接続ケーブル404a,404bとを含んでいる。このうち第3接続ケーブル403a,403bは、レチクルステージ定盤RBSの側面の下端部近傍に固定された状態となっている。また、第2接続ケーブル402a,402bと第4接続ケーブル404a,404bとは、弛みをもった状態とされており、カウンタマス18がレチクルステージ定盤RBSの上面上でXY方向に移動した場合であっても、カウンタマス18が第2、第4接続ケーブルを引きずることがなく、カウンタマス18の移動の妨げにならないようになっている。なお、上記では、第2〜第4接続ケーブルが別々のケーブルであるかのように説明しているが、一本のケーブルから構成されていても勿論良い。
前記コネクタ405は、天板部32a上でケーブル用防振ユニット406により支持されている。このケーブル用防振ユニット406は、前述した防振ユニット14と同様、エアダンパ又は油圧式のダンパ等の機械式のダンパを含んでいる。
また、コネクタ405と天板部32aとの間には、ピエゾ素子等からなるZ駆動機構407が例えば3つ設けられている(ただし、図12では1つのみ図示されている)。この3つのZ駆動機構407により、コネクタ405がZ軸方向、及びθx方向、θy方向に微小駆動される。
本実施形態では、コネクタ405が、ケーブル用防振ユニット406によって支持されているので、エアダンパ又は油圧式のダンパによって比較的高周波の振動が各ケーブルを経由してレチクルステージRSTへ伝達するのを回避することができる。また、Z駆動機構407により、コネクタ405が3自由度方向に微小駆動されるので、本実施形態のように、レチクルステージ定盤RBSがボイスコイルモータ66X、66Y,66Zに駆動される場合であっても、コネクタ405及びケーブルをその移動に追従させることができる。これにより、レチクルステージ定盤RBSの駆動の際に、ケーブルを引きずることがなく、レチクルステージ定盤RBSの高精度な駆動を行うことが可能である。
なお、図12では、ケーブル用防振ユニット406を設ける場合について説明したが、これに限らず、ケーブル用防振ユニット406を設けないこととしても良い。この場合、Z駆動機構407によりコネクタ405をレチクルステージ定盤RBSに追従させることにより、ケーブル402a、402bを変形させることなく除振することができる。また、これとは逆に、Z駆動機構407を設けずに、ケーブル用防振ユニット406のみを設けることとしても良い。
図13には、本実施形態の露光装置10の制御系がブロック図にて示されている。この図13の制御系は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含み、装置全体を統括して制御する主制御装置50を中心として構成されている。
次に、上述のようにして構成された露光装置10による露光動作の流れについて簡単に説明する。
まず、主制御装置50の管理の下、不図示のレチクルローダによって、レチクルステージRST上へのレチクルRのロード、及び不図示のウエハローダによって、ウエハステージWST上へのウエハWのロードが行なわれ、また、アライメント系ALG(図13参照)やウエハステージ上に設けられた空間像計測器(不図示)等を用いて、レチクルアライメント、ベースライン計測(アライメント系ALGの検出中心から投影光学系PLの光軸までの距離の計測)等の準備作業が所定の手順で行なわれる。
その後、主制御装置50により、アライメント検出系ALGを用いて例えば特開昭61−44429号公報に開示されているEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等のアライメント計測が実行され、アライメント計測の終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式と同様であるのでその説明は省略するものとする。
この露光動作にあたって、主制御装置50の管理の下、ウエハステージWSTとレチクルステージRSTとがY軸方向に相対駆動されるが、その際には、主制御装置50は、レチクル干渉計21による計測結果(更に詳しくはレチクル干渉計140の計測結果を定盤干渉計240の計測結果(θx、θy)により補正した計測結果)に基づいて、上述したYリニアモータ36〜38と、Xボイスコイルモータ40とを制御し、レチクルステージRSTを駆動する。また、主制御装置50は、レチクルステージ定盤RBSが所定の状態を維持するように、定盤干渉計240の計測結果に基づいて上述したXボイスコイルモータ66X,Yボイスコイルモータ66Yを制御するとともに、Zエンコーダ81の計測結果に基づいてZボイスコイルモータ66Zを制御してレチクルステージ定盤RBSのZ方向及びθx、θy方向に関する位置を調整することにより、間接的にレチクルRのZ方向及びθx、θy方向に関する位置を調整する。
以上説明したように、本実施形態のレチクルステージ装置20によると、レチクルステージRSTの位置を計測する干渉計のうちの光学系23Y1、23Y2が、防振ユニット14により振動が抑制されたレチクルステージ定盤RBSに固定されているので、参照ビームと計測ビームとが振動の影響を受けることがない。このため、干渉計全体を振動が抑制されたレチクルステージ定盤RBS上に配置しなくとも、レチクルステージRSTの位置計測(Y軸方向及びθz方向の位置計測)を高精度に行うことができ、ひいては、レチクルステージRSTを高精度に移動することが可能である。また、レチクルステージ定盤RBS上に干渉計全体を配置しなくても良いため、レチクルステージ定盤RBSの重量化を抑制することができる。これにより、レチクルステージ定盤RBSの位置制御を精度良く行うことが可能である。
また、本実施形態によると、干渉計のビームがレチクルステージRSTに設けられた光学系23Xを経由して入射する固定鏡226Xが、防振ユニット14により振動が抑制されたレチクルステージ定盤RBSに固定されているので、干渉計全体を振動が抑制されたレチクルステージ定盤RBS上に配置しなくとも、振動の影響を受けることなく、レチクルステージRSTの位置計測(Y軸方向及びθz方向の位置計測)を高精度に行うことができ、レチクルステージRSTを高精度に移動することが可能である。
また、本実施形態によると、レチクルステージRSTが移動可能に配置されたレチクルステージ定盤RBSの振動が防振ユニット14により抑制され、レチクルステージ定盤RBS側に用力を供給するケーブルの振動がケーブル用防振ユニット406により抑制されていることから、ケーブルを介してレチクルステージ定盤RBSに振動が伝達するのが抑制されるので、高精度なレチクルステージRSTの移動を行うことができる。
また、本実施形態によると、レチクルステージ定盤RBSがZボイスコイルモータ66ZによりZ軸方向やθx方向、θy方向に移動される際に、変形抑制機構67が、レチクルステージ定盤RBSの移動により発生するレチクルステージ定盤RBS自体の変形を抑制するので、レチクルステージRSTは、レチクルステージ定盤RBSの変形の影響を受けることなく高精度な移動を実現することが可能である。
また、本実施形態の露光装置によると、高精度な移動が可能なレチクルステージRSTが、レチクルRを保持して移動するので、ウエハW上へのパターン形成を高精度に行うことが可能である。
また、本実施形態によると、カウンタマス18の自重を、4つの第1のエアパッド101により四隅部で非接触支持するとともに、4つのエアパッドとは異なる位置に設けられた第2のエアパッド191により、レチクルステージ定盤RBSの上面とカウンタマス18の下面との間を所定間隔に維持するので、自重支持用のエアパッド101のみを設けた場合と比較して、カウンタマス18の四隅部のエアパッドによる支持点同士の間の部分の変形(撓み)を抑制することができる。これにより、カウンタマスの剛性を高く維持することが可能であり、例えば、レチクルステージRSTをXY面内で駆動する際に、何らかの原因によりレチクルステージRST自体がZ軸方向に振動した場合であっても、カウンタマス18がその振動を受けて共振するのを極力抑制することができる。
また、本実施形態によると、レチクルステージRSTを駆動するリニアモータ及びボイスコイルモータの固定子36〜40が、カウンタマス18により、その長手方向(Y軸方向)両端で固定支持されるとともに、X軸方向の一側の端部でも固定支持される。これにより、固定子36〜40の剛性を高くすることができるので、上記と同様、レチクルステージRSTをXY面内で駆動する際に、何らかの原因によりレチクルステージRST自体がZ軸方向に振動した場合であっても、カウンタマス18がその振動を受けて共振するのを極力抑制することができる。
また、本実施形態によると、レチクルステージ定盤RBSの傾きを定盤干渉計240を用いて計測し、該計測結果に基づいて、レチクルステージRSTの位置を計測するレチクル干渉計21の計測結果を補正するので、レチクルステージ定盤RBSの傾きの影響を受けることなく、精度良くレチクルステージRSTの位置を計測することが可能である。
なお、上記実施形態では、カウンタマス18の自重を4つの第1のエアパッド101により四隅部で非接触支持するとともに、第2のエアパッドにより、レチクルステージ定盤RBSの上面とカウンタマス18の下面との間を所定間隔に維持して、剛性を高める場合について説明した。しかしながら、これに限らず、露光装置を構成する部品のうち非接触支持される部品に適用することにより当該部品の剛性を高めることが可能である。また、カウンタマス(特定部品)の自重を支持する第1の非接触軸受、及びカウンタマス(特定部品)と所定面との間を所定間隔に維持する第2の非接触軸受として、上記実施形態ではエアパッドを用いる場合について説明したが、これに限らず、磁気軸受等、その他の非接触軸受を用いることも可能である。
また、上記実施形態では、レチクル干渉計の光学系23Y1,23Y2のみを、レチクルステージ定盤RBSに固定する場合について説明したが、これに限らず、光学系23Y1,23Y2に加え、干渉計ヘッドをレチクルステージ定盤RBSに固定することとしても良い。
また、上記実施形態では、ボイスコイルモータ66X,66Y,66Zにより、レチクルステージ定盤RBSが微小駆動される場合について説明したが、これに限らず、レチクルステージ定盤RBSは、少なくともXY面に傾斜する方向にのみ微小駆動されることとしても良い。また、レチクルステージ定盤RBSを微小駆動する駆動機構としては、ボイスコイルモータに限らず、種々の駆動機構を採用することができる。
また、上記実施形態では、変形抑制機構67として、ボイスコイルモータを用いることとしたが、これに限らず、Z軸方向の力をレチクルステージ定盤RBSに対して作用させることができるものであれば、種々の機構を採用することができる。
また、上記実施形態では、レチクルステージRSTがX,Y,θz方向の3自由度方向に移動可能な構成を採用したが、これに限らず、レチクルステージRSTが6自由度方向に移動可能な構成を採用しても良い。また、レチクルステージRSTとしては、粗動ステージと、該粗動ステージに対して微小駆動する微動ステージとを含む粗微動構造のステージを採用することとしても良い。
なお、上記実施形態の干渉計の構成は一例であって、その他種々の構成を採用することができる。この場合にも、参照ビームと計測ビームとに分岐する分岐光学系が、レチクルステージ定盤RBSに固定されていれば良い。
なお、上記実施形態では、本発明の移動体装置をレチクルステージ装置に適用した場合について説明したが、これに限られるものではなく、ウエハステージ装置にも適用することが可能である。
なお、上記実施形態では、ウエハステージWSTを1つのみ備える場合について説明したが、これに限らず、ウエハステージを2つ備えるツインステージタイプのステージ装置を採用することも可能であるし、例えば国際公開第2005/074014号パンフレットなどに開示されているようなウエハステージと計測ステージとを備えるステージ装置を採用することも可能である。
なお、国際公開第2004/53955号パンフレットに開示される液浸露光装置に本発明を適用することも可能である。
また、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないことは勿論である。すなわちステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置にも本発明は好適に適用できる。
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良いし、投影光学系は屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
また、照明光ILは、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に限らず、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。例えば国際公開第1999/46835号パンフレット(対応米国特許7,023,610号)に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外域に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上記実施形態では、露光装置の照明光ILとしては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことは言うまでもない。例えば、近年、70nm以下のパターンを露光するために、SOR又はプラズマレーザを光源として、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を発生させるとともに、その露光波長(例えば13.5nm)の下で設計されたオール反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光装置の開発が行われている。この装置においては、円弧照明を用いてマスクとウエハを同期走査してスキャン露光する構成が考えられるので、かかる装置にも本発明を好適に適用することができる。このほか、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、本発明は適用できる。
また、国際公開2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞をウエハ上に形成することによって、ウエハ上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
さらに、例えば特表2004−519850号公報(対応米国特許第6,611,316号)に開示されているように、2つのレチクルパターンを投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも本発明を適用することができる。
なお、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものではなく、ガラスプレート、セラミック基板、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。
また、上記実施形態の露光装置は、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
なお、半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、上記実施形態の露光方法で、レチクルに形成されたパターンをウエハ等の物体上に転写するリソグラフィステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用い、物体上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスの生産性を向上することが可能である。
以上説明したように、本発明の移動体装置は、物体を保持して移動するのに適している。また、本発明の露光装置及び露光方法は、パターンを感応物体上に形成するのに適している。また、本発明の計測方法は、物体を保持して移動する移動体の位置を計測するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの製造に適している。
一実施形態に係る露光装置を示す概略図である。 レチクルステージ装置を示す斜視図である。 図2の分解斜視図である。 レチクルステージ定盤を駆動するZボイスコイルモータ及び変形抑制機構の配置を示す平面図である。 レチクルステージを拡大して示す斜視図である。 図2のA−A線断面図である。 レチクル干渉計の構成を説明するための図(その1)である。 レチクル干渉計の構成を説明するための図(その2)である。 図9(A)は、X干渉計の構成を示す図であり、図9(B)は、Y干渉計の構成を示す図である。 定盤干渉計の構成を説明するための斜視図である。 レチクル干渉計による計測結果の補正方法を説明するための図である。 ケーブル用防振ユニット及びケーブルの構成を示す図である。 一実施形態の制御系を示すブロック図である。
符号の説明
10…露光装置、14…防振ユニット(除振装置、第1の防振装置)、18…カウンタマス(特定部品)、20…レチクルステージ装置(移動体装置)、23Y1,23Y2…光学系(分岐光学系)、36〜39…Y固定子(固定子)、40…X固定子(固定子)、50…主制御装置(補正装置の一部)、66X,66Y,66Z…ボイスコイルモータ(定盤移動装置)、67…変形抑制機構(変形抑制装置)、101…第1のエアパッド(第1の非接触軸受)、140X…X干渉計(別の干渉計)、140Y1,140Y2…Y干渉計(干渉計)、191…愛2のエアパッド(第2の非接触軸受)、226X…固定鏡(反射部材)、240…定盤干渉計(計測装置)、340…駆動機構(移動装置)、401a〜404a、401b〜404b…ケーブル(配管)、406…ケーブル用防振ユニット(配管用除振装置、第2の防振装置)、407…Z駆動機構(微動装置)、R…レチクル(物体、マスク)、RBS…レチクルステージ定盤(定盤)、RST…レチクルステージ(移動体)、W…ウエハ(感応物体)。

Claims (31)

  1. 物体を保持して移動する移動体を有する移動体装置であって、
    所定面に設けられ、前記移動体が移動可能に配置される定盤と;
    前記所定面に設けられた前記定盤の振動を抑制する除振装置と;
    前記移動体の位置を計測する干渉計と;を備え、
    前記干渉計のうちの、少なくとも参照ビームと計測ビームとを分岐する分岐光学系が前記定盤に固定されている移動体装置。
  2. 前記干渉計は、前記移動体の一軸方向に関する位置を計測し、
    前記一軸方向とは異なる他軸方向に関する位置を、前記定盤に固定された反射部材を介して計測する別の干渉計を更に備える請求項1に記載の移動体装置。
  3. 前記定盤を、少なくとも前記所定面に傾斜する方向に移動させる定盤移動装置を更に備える請求項1に記載の移動体装置。
  4. 前記定盤移動装置は、前記定盤を6自由度方向に移動させる請求項3に記載の移動体装置。
  5. 前記定盤移動装置が前記定盤を移動させる際に発生する定盤の変形を抑制する変形抑制装置を更に備える請求項3又は4に記載の移動体装置。
  6. 前記移動体は、水平面内の3自由度方向に移動可能である請求項1〜5のいずれか一項に記載の移動体装置。
  7. 前記移動体の移動の際に生じる駆動力の反力を受けて移動するカウンタマスを更に備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の移動体装置。
  8. 前記定盤上で、前記カウンタマスの自重を非接触で支持する複数の第1の非接触軸受と;
    前記第1の非接触軸受とは異なる位置に設けられ、前記定盤と前記カウンタマスとの間を所定間隔に維持する第2の非接触軸受と;を更に備える請求項7に記載の移動体装置。
  9. 前記移動体を移動させる移動装置を更に備え、
    前記移動装置の固定子は、前記カウンタマスにより、その長手方向両端で固定支持されるとともに、前記両端以外の点でも前記カウンタマスに固定支持される請求項7又は8に記載の移動体装置。
  10. 前記所定面側から、前記定盤側に用力を供給する配管と;
    前記所定面に設けられた、前記配管の振動を抑制する配管用除振装置と;を更に備える請求項1〜9のいずれか一項に記載の移動体装置。
  11. 前記配管を微小駆動する微動装置を更に備える請求項10に記載の移動体装置。
  12. 物体を保持して移動する移動体を有する移動体装置であって、
    所定面に設けられ、前記移動体が移動可能に配置される定盤と;
    前記所定面に設けられた前記定盤の振動を抑制する除振装置と;
    前記移動体の位置を計測する干渉計と;を備え、
    前記干渉計のビームが前記移動体に設けられた光学部材を経由して入射する反射部材が、前記定盤に固定されている移動体装置。
  13. 前記定盤の移動に伴って前記干渉計の位置計測結果に生じる誤差を補正する補正装置を更に備える請求項1〜12のいずれか一項に記載の移動体装置。
  14. 前記補正装置は、前記定盤の移動を計測する計測装置を含み、
    前記計測装置の計測結果を用いて、前記誤差を補正する請求項13に記載の移動体装置。
  15. 前記計測装置は、前記定盤の傾斜方向に関する移動を計測し、
    前記補正装置は、前記傾斜方向に関する計測結果を用いて、前記誤差を補正する請求項14に記載の移動体装置。
  16. 前記計測装置は、干渉計であり、
    前記干渉計のうちの少なくとも一部の光学部材が、前記定盤に固定されている請求項14又は15に記載の移動体装置。
  17. 物体を保持して移動する移動体を有する移動体装置であって、
    所定面に設けられ、前記移動体が移動可能に配置された定盤と;
    前記所定面に設けられた、前記定盤の振動を抑制する第1の除振装置と;
    前記所定面側から、前記定盤側に用力を供給する配管と;
    前記所定面に設けられた、前記配管の振動を抑制する第2の除振装置と;を備える移動体装置。
  18. 前記配管を微小駆動する微動装置を更に備える請求項17に記載の移動体装置。
  19. 物体を保持して移動する移動体を有する移動体装置であって、
    所定面に設けられ、前記移動体が移動可能に配置される定盤と;
    前記所定面に設けられ、前記定盤を少なくとも鉛直方向に移動させる定盤移動装置と;
    前記所定面に設けられ、前記定盤を移動する際に発生する定盤の変形を抑制する変形抑制装置と;を備える移動体装置。
  20. 前記変形抑制装置は、ボイスコイルモータである請求項19に記載の移動体装置。
  21. マスクに形成されたパターンを感応物体上に形成する露光装置であって、
    前記移動体が前記マスク又は前記感応物体を保持して移動する請求項1〜20のいずれか一項に記載の移動体装置を備える露光装置。
  22. パターンを感応物体上に形成する、複数の部品から成る露光装置であって、
    前記複数の部品のうちの特定部品の自重を、所定面に対して非接触支持する複数の第1の非接触軸受と;
    前記第1の非接触軸受とは異なる位置に設けられ、前記所定面と前記特定部品との間を所定間隔に維持する第2の非接触軸受と;を備える露光装置。
  23. 前記複数の部品のうちの1つが所定面内の少なくとも一軸方向に移動可能な移動体であり、
    前記特定部品は、前記移動体が移動する際に発生する駆動力の反力を受けて移動するカウンタマスである請求項22に記載の露光装置。
  24. 前記移動体を移動させるステージ移動装置の固定子は、その長手方向両端で前記カウンタマスに固定支持されるとともに、前記両端以外の点でも前記カウンタマスに固定支持される請求項23に記載の露光装置。
  25. 物体を保持して移動する移動体の位置を、干渉計を用いて計測する計測方法であって、
    振動が抑制された状態で所定面に設けられた定盤に固定された、少なくとも参照ビームと計測ビームとを分岐する分岐光学系を介して、前記定盤上を移動する移動体の位置を計測する工程を含む計測方法。
  26. 物体を保持して移動する移動体の位置を、干渉計を用いて計測する計測方法であって、
    振動が抑制された状態で所定面に設けられた定盤に固定された反射部材、及び前記定盤上を移動する移動体に設けられた光学部材を介して、前記移動体の位置を計測する工程を含む計測方法。
  27. 前記定盤の移動に伴って前記干渉計による前記移動体の位置計測結果に生じる誤差を補正する工程を更に含む請求項25又は26に記載の計測方法。
  28. 前記補正する工程では、前記定盤の移動を計測し、該計測結果に基づいて、前記誤差を補正する請求項27に記載の計測方法。
  29. 前記補正する工程では、前記定盤の傾斜方向に関する移動を計測し、前記傾斜方向に関する計測結果を用いて、前記誤差を補正する請求項28に記載の計測方法。
  30. マスクに形成されたパターンを感応物体上に形成する露光方法であって、
    請求項25〜29のいずれか一項に記載の計測方法を用いて、前記マスクを保持する移動体の位置を計測する工程と;
    前記移動体の位置計測結果に基づいて、前記移動体を移動し、前記マスクに形成されたパターンを前記感応物体上に形成する工程と;を含む露光方法。
  31. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程では、請求項30に記載の露光方法を用いて露光を行うデバイス製造方法。
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