JP2010010593A - 防振装置、ステージ装置及び露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造体の位置や姿勢の制御を高精度に行うことが可能な防振装置、ステージ装置及び露光装置を提供すること。
【解決手段】構造体を支持して防振する防振装置であって、前記構造体の位置及び姿勢のうち少なくとも一方を補正する第1アクチュエータと、前記構造体の弾性変形を補正する第2アクチュエータとを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、防振装置、ステージ装置及び露光装置に関する。
半導体素子や液晶表示素子等のマイクロデバイスはマスク上に形成されたパターンを感光性の基板上に転写する、いわゆるフォトリソグラフィの手法により製造される。フォトリソグラフィ工程で使用される露光装置としては、マスク定盤上でマスクを支持して2次元移動するマスクステージと基板を支持して2次元移動する基板ステージとを有するものが知られている。
このような露光装置は、マスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながら、マスク上に形成されたパターンを基板に投影して転写する構成になっている。パターンの転写の際には、マスクと基板との間の相対位置を高精度に一致させることが要求される。特に半導体素子の製造においては、形成されるパターンが微細になっており、露光装置を構成する構造体の位置や姿勢を高精度に制御することが求められている。
特開平8−166043号公報
構造体の位置や姿勢の制御を行う際、共振による振動が問題となる。例えばマスク定盤など構造体が板状に形成されている場合、共振によって曲げやねじれなどの弾性変形が生じてしまい、高精度の制御が困難になる。板状部材に限られず、他の形状の構造体であっても同様の問題がある。加えて、近年では、より高精度の制御を行うため、当該制御に用いられる周波数帯域をより高周波帯域に拡大する動きがある。高周波帯域での制御においては共振が発生しやすく、当該共振の発生は高精度の制御を維持しつつ制御帯域を拡大する上で問題となりうる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、構造体の位置や姿勢の制御を高精度に行うことが可能な防振装置、ステージ装置及び露光装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る防振装置(8、29)は、構造体(3、2)を支持して防振する防振装置であって、前記構造体の位置及び姿勢のうち少なくとも一方を補正する第1アクチュエータ(8a、31)と、前記構造体の弾性変形を補正する第2アクチュエータ(8c、32)とを備える。
本発明によれば、構造体の位置及び姿勢のうち少なくとも一方を補正する第1アクチュエータに加えて、構造体の弾性変形を補正する第2アクチュエータを備えるので、当該第2アクチュエータによって機械的な力を構造体に加えることで弾性変形を補正することができる。これにより、構造体の位置や姿勢の制御を高精度に行うことができる。
本発明に係るステージ装置(MST、PST)は、上記の防振装置を備えている。
本発明は、位相のズレを生じさせることなく構造体の共振の発生を抑えることが可能な防振装置を備えているので、位置や姿勢の制御を高精度に行うことができるステージ装置を得ることができる。
本発明に係る露光装置(EX)は、上記のステージ装置(MST、PST)を備えている。
本発明によれば、位置や姿勢の制御を高精度に行うことができるステージ装置を備えるので、微細なパターンを高精度に転写することができ、高精度の露光処理が可能な露光装置を得ることができる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために、一実施例を示す図面の符号に対応付けて説明したが、本発明が実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明によれば、構造体の位置や姿勢の制御を高精度に行うことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、露光光ELによってマスクM上の照明領域を照明する照明光学系ILと、マスクMを保持して移動させるマスクステージ装置MSTと、露光光ELによって照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、基板Pを保持して移動させる基板ステージ装置PSTと、これら各部を支持するボディ4と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置CONTとを備えている。ボディ4は、床面に水平に載置されたベースプレート5と、当該ベースプレート5上に設置されたリアクションフレーム6と、当該リアクションフレーム6上に固定された支持コラム7とを有している。リアクションフレーム6の上部側及び下部側には、内側に向けて突出する突出部6a及び6bが設けられている。制御装置CONTは、例えばコンピュータシステムを含む。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMを介した露光光ELで基板Pを露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。
本実施形態において、マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板にクロム等の遮光膜を用いて所定のパターンが形成された透過型マスクである。この透過型マスクは、遮光膜でパターンが形成されるバイナリーマスクに限られず、例えばハーフトーン型、あるいは空間周波数変調型などの位相シフトマスクも含む。また、本実施形態においては、マスクMとして透過型マスクを用いるが、反射型マスクでもよい。
本実施形態において、基板Pは、デバイスを製造するための基板であって、例えばシリコンウエハのような半導体ウエハ等の基材に感光膜が形成されたものを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pにおいて、感光膜上に保護膜(トップコート膜)のような各種の膜が形成されていてもよい。
照明光学系ILは露光光ELを射出する光源であり、支持コラム7によって支持されている。照明光学系ILは、所定の位置関係で配置されたミラー、可変減光器、ビーム成形光学系、オプティカルインテグレータ、集光光学系、振動ミラー、照明系開口絞り板、ビームスプリッタ、リレーレンズ系、及びブラインド機構(設定装置)等を備えている。照明光学系ILより射出される露光光ELとしては、例えばArFエキシマレーザ光(波長193nm)などが用いられている。
マスクステージ装置MSTは、マスク定盤3、ステージ部220、当該ステージ部220を取り囲むように配置された枠状部材230を備える。
マスク定盤3は平面視矩形の板状部材であり、防振ユニット8を介してリアクションフレーム6にほぼ水平に支持されている。マスク定盤3には、当該マスク定盤3のZ方向上の位置を検出するセンサ(不図示)が複数箇所に設けられている。
防振ユニット8は、マスク定盤3の底面3cに設けられたボイスコイルモータ8a及び8cと、ボイスコイルモータ8aをZ軸方向に支持するエアマウント8bとを有している。ボイスコイルモータ8a及び8cは、電磁力によってマスク定盤3をZ軸方向に駆動する駆動機構である。
ボイスコイルモータ8aは、マスク定盤3を駆動することによりマスク定盤3のZ軸方向上の位置や姿勢を補正するアクチュエータである。ボイスコイルモータ8aは、エアマウント8bを介してリアクションフレーム6の突出部6aに支持されている。
ボイスコイルモータ8cは、マスク定盤3を駆動することによりマスク定盤3の弾性変形を補正するアクチュエータである。ボイスコイルモータ8cについては、エアマウント8bが設けられていない。当該ボイスコイルモータ8cは、例えば不図示の支持部材等を介してリアクションフレーム6に支持された構成になっている。
エアマウント8bは、リアクションフレーム6の突出部6a上に設けられている。エアマウント8bは、所定圧力のエアが充填されたエア室(不図示)を有しており、当該エア室内のエアの圧力によってボイスコイルモータ8aをZ軸方向に支持する構成になっている。
図2は本実施形態に係るマスクステージ装置MSTを示す斜視図、図3はマスクステージ装置MSTの分解斜視図、図4はステージ部220を示す斜視図及び断面図である。
マスク定盤3は、概略板状の部材からなり、その略中央に突出部216aが形成されている。この突出部216aの平面視中央部には、露光用照明光ELを通過させるために、X軸方向を長手方向とする矩形開口3aがZ方向に連通状態で形成され、矩形開口3aのX軸方向の一側と他側には、Y軸方向を長手方向とするXZ断面逆L字状のガイド部216c,216dがそれぞれ設けられている。これらのガイド部216c,216dは、外側に上端部が張り出す状態で設けられ、上端面が突出部216aの上面に平行になっている。
ステージ部220は、図4(a)に示すように、略矩形形状のステージ本体16、当該ステージ本体16からY方向に延設された4つの延設部224等から構成される。
延設部224の底面(下面、−Z側の面)には、延設部224の+Y端部から−Y端部にわたり、図4(b)に示される断面L字状でY軸方向を長手方向とするアングルプレート状の部材(以下、「アングル部材」と呼ぶ)227a,227bが固定されている。このアングル部材227は、実際には、ネジ部材によって複数箇所でステージ本体16に固定されている。
上記のアングル部材227a,227bは、マスク定盤3のガイド部216c,216d(図3参照)のそれぞれの上部突出部に側方及び下方から所定のクリアランスをそれぞれ介して係合するものである。すなわち、アングル部材227a,227bは、ガイド部216c,216dのそれぞれの上部突出部を、アングル部材227a,227bとステージ本体16とでX軸方向の両側から抱え込むように配置される。
また、延設部224の底面(−Z側の面)には、それぞれ気体静圧軸受が形成される。
気体静圧軸受により、ステージ部220は、マスク定盤3上に数ミクロン程度のクリアランスを介して、非接触に浮上支持される。
このステージ部220は、軽量且つ高剛性の素材、例えばMMC(金属基複合材;Metal Matrix Composite:金属とセラミックスの複合体(アルミ合金又は金属シリコンをマトリックス材として、その中に各種セラミックス強化材を複合化させた素材))により一体化されている。但し、以下の説明では、説明を分かりやすくするために、必要に応じて各部が別部材であるかのような表現を用いる場合がある。上記各部のいずれか1つを他と別部材で構成してもよいし、全てを別部材で構成してもよい。
ステージ部220の−Y方向の端部には、コーナーキューブからなる一対のY移動鏡233a,233bが固定され、外部に設けた干渉計(不図示)によって、Y移動鏡233a,233bのY方向の位置を測定することで、ステージ部220のY方向の位置(マスクMのY方向の位置)が高精度に計測される。
また、ステージ本体16の略中央には、露光用照明光ELの通路となる段付き開口223が形成され、この段付き開口223の段部(1段掘り下げられた部分)には、マスクMを下側から吸着保持するホルダ225が設けられる。更に、段付き開口223のX方向の両辺に沿って、4つ(各辺にそれぞれ2つ)のレチクルクランプ270が配置される。
ステージ部220において、段付き開口223のX方向の両側には、リニアモータ20の可動子ユニット244が配置される。可動子ユニット244は、図4(b)に示すように、ステージ本体16の上面及び下面に一対の磁極ユニット244a,244bが埋め込まれる。更に、X方向の端部には、ボイスコイルモータ250の可動子ユニット254が配置される。可動子ユニット254としては、板状の永久磁石254aが用いられる。
レチクルステージ駆動系は、ステージ部220をY方向に駆動するとともにθz方向に微小駆動する一対のリニアモータ20と、ステージ部220をX方向に微小駆動するボイスコイルモータ250からなる。一対のリニアモータ20は、枠状部材230の内部のX方向両側に、それぞれY方向に架設された固定子ユニット242及び上述した可動子ユニット244から構成される。また、ボイスコイルモータ250は、枠状部材230の内部の−X側に、Y軸方向に架設された固定子ユニット252及び上述した可動子ユニット254から構成される。
固定子ユニット242は、Y軸方向を長手方向とする一対のY軸リニアガイド242a,242bからなり、Z方向に所定間隔を空けて相互に対向して且つXY面にそれぞれ平行に保持されて、枠状部材230の内壁面に固定される。そして、Y軸リニアガイド242a,242bの内部には、Y軸方向に所定間隔で複数の電機子が配置される。そして、各Y軸リニアガイド242a,242bの間には、所定のクリアランスを介して、ステージ部220の磁極ユニット244a,244bが配置される。
固定子ユニット252は、Y軸方向を長手方向とする一対の電機子ユニット252a,252bからなり、Z方向に所定間隔を空けて相互に対向して且つXY面にそれぞれ平行に保持されて、枠状部材230の内壁面に固定される。そして、電機子ユニット252a,252bの間には、所定のクリアランスを介して、ステージ部220の永久磁石254aが配置される。
このように、Y軸リニアガイド242a,242b及び磁極ユニット244a,244bによりステージ部220をY方向に移動可能なムービングマグネット型のリニアモータ20が構成される。また、電機子ユニット252a,252bと永久磁石254aとにより、ステージ部220をX方向に微小移動可能なムービングマグネット型のボイスコイルモータ250が構成される。
そして、Y軸リニアガイド242a,242b内の電機子コイルに電流が供給されると、ステージ部220をY方向に駆動する駆動力が発生する。また、電機子ユニット252a,252bを構成する電機子コイルにY軸方向の電流が流れると、ステージ部220をX方向に駆動する駆動力が発生する。
枠状部材230は、その下面に気体静圧軸受が形成される。これにより、枠状部材230は、マスク定盤3上に数ミクロン程度のクリアランスを介して非接触に浮上支持される。また、枠状部材230の+X側面及び+Y側面には、磁気ユニットからなる可動子261,263,265,267が設けられる。これら可動子261,263,265,267に対応して、マスク定盤3には、支持台212を介して、電機子ユニットからなる固定子262,264,266,268が設けられる。可動子261,263,265,267は、その内部に永久磁石を備えており、Z方向の磁界を形成する。固定子262,264は、その内部に電機子コイルを備えており、Y方向に電流が流れるように形成される。固定子266,268は、その内部に電機子コイルを備えており、X方向に電流が流れるように形成される。
したがって、可動子261,263と固定子262,264により、ムービングマグネット型ボイスコイルモータからなるX軸方向駆動用のトリムモータ260Xが構成される。同様に、可動子265,267と固定子266,268により、ムービングマグネット型ボイスコイルモータからなるY軸方向駆動用のトリムモータ260Yが構成される。このように、4つのトリムモータ260X,260Yにより、枠状部材230をX軸方向、Y軸方向、及びθz方向の3自由度方向に駆動することが可能である。また、枠状部材230の−X方向及び−Y方向の側壁には、それぞれ窓ガラス232,234がはめ込まれており、ステージ部220の位置を計測するレーザ干渉計(不図示)からの測長ビームが透過可能となっている。
ステージ部220のY方向の位置は、レーザ干渉計から発した測長ビームを、窓ガラス234を介してY移動鏡233a,233bに照射し、その反射光を検出することで行われる。ステージ部220のX方向、θz方向の位置は、マスク定盤3に固定されたX固定鏡(図示せず)に複数の測長ビームを照射し、その反射光を検出することがで行われる。このX固定鏡は、ステージ部220の移動範囲をカバーするようにY方向に沿って長尺に形成されており、枠状部材230の外部に設置される。窓ガラス234を通過した測長ビームは、ステージ部220に固定された光学素子によって光路を略90度曲げられ、その後、窓ガラス232を通過してX固定鏡に達するようになっている。なお、枠状部材230に窓ガラス232,234を設けず、枠状部材230の内側(枠内)に前記測長ビームの射出部とX固定鏡とを配置するようにしてもよい。
このように構成されたマスクステージ装置MSTでは、ステージ部220の移動に伴う反力が枠状部材230の移動によりキャンセルされる。例えば、ステージ部220がX軸方向に駆動されると、ボイスコイルモータ250の可動子がステージ部220と一体でX軸方向に駆動され、この駆動力の反力がボイスコイルモータ250の固定子(電機子ユニット252a,252b)及び固定子が固定された枠状部材230に作用する。枠状部材230は、マスク定盤3に対して所定のクリアランスを介して非接触に支持されているので、上述した反力の作用により、枠状部材230は、運動量保存の法則に従った距離だけその反力に応じた方向に移動する。同様に、Y軸方向に駆動された場合にも、運動量保存の法則に従って、枠状部材230が移動する。特に、枠状部材230がステージ部220を取り囲むように形成されているので、必然的に大型化し、その重量が大きくなる。したがって、ステージ部220との重量比を大きくすることができる。このため、枠状部材230の移動距離は、比較的短くて足りる。
図1に戻って、投影光学系PLは、マスクMを透過した露光光ELを基板P上に投影する光学系であり、1/4(または1/5)縮小倍率の屈折光学系が用いられている。投影光学系PLは、鏡筒10及びフランジ11を有している。鏡筒10は、内部に複数の光学素子を保持している。光学素子としては、例えば物体面(マスクM)側と像面(基板P)側の両方がテレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や蛍石を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)が用いられている。フランジ11は、鏡筒10の外周に当該鏡筒10と一体的に設けられた突出部であり、鏡筒定盤12に係合されている。鏡筒定盤12は、投影光学系PLを保持するための板状部材であり、防振ユニット13を介してリアクションフレーム6の突出部6bにほぼ水平に支持されている。鏡筒定盤12の平面視中央部には、投影光学系PLを貫通させるための貫通孔12aが設けられている。
基板ステージ装置PSTは、基板定盤2と、当該基板定盤2に沿ってXY方向に移動可能に支持されたステージ本体27とを有している。基板定盤2は平面視矩形の板状部材であり、三角形の頂点に配置された防振ユニット29(なお、紙面奥側の防振ユニットについては図示せず)を介してベースプレート5にほぼ水平に支持されている。防振ユニット29は、内圧が調整可能なエアマウント30と、基板定盤2に対して推力を付与するボイスコイルモータ31とがベースプレート5上に並列に配置された構成になっている。これら防振ユニット29によって、ベースプレート5を介して基板定盤2に伝わる微振動がマイクロGレベル(Gは重力加速度)で絶縁されるようになっている。
ステージ本体27の上面には、基板ホルダ41が設けられている。当該基板ホルダ41を介して基板Pが真空吸着等によって固定されるようになっている。投影光学系PLの鏡筒10下端には参照鏡42が固定されている。ステージ本体27の一部には移動鏡43が固定されている。鏡筒定盤12の底面にはレーザ干渉計44が固定されている。ステージ本体27のX方向の位置は、参照鏡42を基準とする移動鏡43の位置変化がレーザ干渉計44によって計測されるようになっており、当該レーザ干渉計44によって所定の分解能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリアルタイムに計測されるようになっている。これら参照鏡42、移動鏡43、レーザ干渉計44とほぼ直交するように不図示の参照鏡、レーザ干渉計および移動鏡が設けられており、ステージ本体27のY方向の位置についても計測されるようになっている。これらレーザ干渉計のうち、少なくとも一方は、測長軸を2軸以上有する多軸干渉計である。これらレーザ干渉計の計測値に基づいてステージ本体27(ひいてはウエハW)のXY位置のみならず、θ回転量あるいはこれらに加え、レベリング量をも求めることができるようになっている。
投影光学系PLのフランジ11には、異なる3カ所に3つのレーザ干渉計45が、基板定盤2とのZ方向の相対位置を検出するための検出装置として固定されている(図1においてはこれらのレーザ干渉計のうち1つが代表的に示されている)。各レーザ干渉計45に対向する鏡筒定盤12の部分には、開口12bがそれぞれ形成されており、これらの開口12bを介して各レーザ干渉計45からZ方向のレーザビーム(測長ビーム)が基板定盤2に向けて照射されるようになっている。基板定盤2の上面の各測長ビームの対向位置には、反射面がそれぞれ形成されている。上記3つのレーザ干渉計45によって基板定盤2の異なる3点のZ位置がフランジ11を基準としてそれぞれ計測されるようになっている。
ステージ本体27の底面には、非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エアパッド)28が固定されている。ステージ本体27は、これらのエアベアリング28によって、基板定盤2上に、例えば数ミクロン程度のクリアランスを介して浮上支持されている。ステージ本体27の底部にはガイドバーXGが設けられている。ガイドバーXGは、ステージ本体27を相対移動自在に支持している。ガイドバーXGの両端部は、それぞれリニアモータ33に接続されている。
図5は、基板ステージ装置PSTの構成を示す斜視図である。
図1及び図5に示すように、基板定盤2上には、エアパッド54を介してリニアモータ33が設けられている。リニアモータ33は、基板定盤2上のうちX軸方向の両端部に一対配置されている。リニアモータ33は、電機子ユニットからなる可動子36と、当該可動子36に対応する磁石ユニットを有する固定子37とを有するムービングコイル型のリニアモータである。
ガイドバーXGは、X方向に沿った長尺形状を呈しており、その長さ方向両端にはリニアモータ33の可動子36(図5では1つのみ図示)がそれぞれ接続されている。固定子37は、基板定盤2上にエアパッド54を介して設けられている。可動子36が固定子37との間の電磁気的相互作用により駆動されることで、ガイドバーXGはY方向に移動するようになっており、当該リニアモータ33の駆動を調整することでθZ方向に回転移動するようにもなっている。したがって、リニアモータ33によってガイドバーXGとほぼ一体的にステージ本体27がY方向およびθZ方向に駆動されるようになっている。ステージ本体27は、Y方向の移動に対応するガイド部材を有さないガイドレスステージとなっているが、X方向に関しても適宜ガイドレスステージとすることができる。
固定子37は、エアパッド54を介してそれぞれY方向に移動自在にそれぞれ浮揚支持されている。このため、運動量保存の法則により、ステージ本体27の例えば+Y方向の移動に応じて、固定子37は−Y方向に移動する。換言すると、固定子37は、カウンタマスとして機能しており、その移動によりステージ本体27の移動に伴う反力を相殺するとともに、重心位置の変化を防ぐことができる。
+X側(図5中、左側)に配置される固定子37には、ガイドバーXGや可動子36に接続されるエア用配管、冷媒用配管、電力配線および信号供給用のシステム配線等の各種用力供給ケーブル等に応力集中を発生させずに(緩和して)導くための傾斜面が形成されている(但し、図1では便宜上同形状に図示)。
なお、固定子37には、ステージ本体27の移動時の運動量に基づいて当該固定子37の運動量を補正するトリムモータ(不図示)が備えられている。このトリムモータは、例えば固定子37のY側端部にY方向に沿って延設された円柱状の移動子と、移動子をY方向に駆動する固定子とからなるシャフトモータで構成される。ステージ本体27がX方向及びY方向の双方に移動する場合や、ガイドバーXGの中央部から偏心した位置から移動する場合に左右の固定子37がその推力配分によってそれぞれ異なる変位が生じたり、可動子36と固定子37とのカップリングによりこれらが相対移動した際に元の位置に止まろうとする力が作用したりする場合には、固定子37が移動すべき位置とは異なる位置に移動する。ステージ本体27の移動時の運動量に基づいてトリムモータを駆動することで、固定子37が所定の位置に到達するようにその移動量(運動量)を補正することができる構成になっている。
ステージ本体27とガイドバーXGとの間には磁気ガイドが設けられている。磁気ガイドは、Z方向に所定量のギャップを維持するための磁石およびアクチュエータを有している。ステージ本体27は、当該磁気ガイドを介して、X方向に自在に相対移動するようガイドバーXGに非接触で支持されている。ガイドバーXGには、固定子35aを有するリニアモータ35を有している。ステージ本体27は、リニアモータ35による電磁気的相互作用によりX方向に駆動されるようになっている。リニアモータ35の可動子は図示していないが、例えばステージ本体27に取り付けられている。
次に、上記のように構成された露光装置EXにおいて、マスク定盤3に設けられた防振ユニット8の構成を詳細に説明する。図6は、ボイスコイルモータ8a及びボイスコイルモータ8cの位置関係を示す図である。図6では、マスク定盤3の底面3c側から見たときの構成を示している。
図6に示すように、マスク定盤3は平面視矩形上に形成されており、Y方向が長手になっている。マスク定盤3の底面3cには、ボイスコイルモータ8aと、ボイスコイルモータ8cとが設けられている。ボイスコイルモータ8a及びボイスコイルモータ8cは、マスク定盤3の開口3aの周囲にそれぞれ複数設けられている。本実施形態では、ボイスコイルモータ8a及びボイスコイルモータ8cが平面視でマスク定盤3の底面3cの外周に沿って配置されている。
具体的には、ボイスコイルモータ8a及びボイスコイルモータ8cは、マスク定盤3の底面3cの4つの角部及び4つの辺に沿った位置にそれぞれ設けられている。底面3cの4つの角部について、−Y側の2つの角部にはボイスコイルモータ8aがそれぞれ設けられており、+Y側の2つの角部にはボイスコイルモータ8cがそれぞれ設けられている。底面3cの4つの辺について、+Y側の辺の中央部にはボイスコイルモータ8aが設けられている。−Y側の辺、−X側の辺及び+X側の辺の中央部にはボイスコイルモータ8cがそれぞれ設けられている。このように、底面3cには、平面視で三角形の頂点の位置にボイスコイルモータ8aが3つ配置されており、平面視で五角形の頂点の位置にボイスコイルモータ8cが5つ配置されている。
ボイスコイルモータ8a及びボイスコイルモータ8cを駆動した際には熱が生じるため、マスク定盤3には当該ボイスコイルモータ8a及びボイスコイルモータ8cを冷却するための冷却装置80が設けられている。冷却装置80は管状部材81及び循環機構82を有している。管状部材81は、マスク定盤3の側面を囲うように設けられている。管状部材81は循環機構82に接続されており、管状部材81の管内を水や空気などの冷媒が循環するようになっている。他の冷却媒体としては、HFE(ハイドロ・フルオロ・エーテル)やフロリナートを用いることが可能である。特にHFEは、地球温暖化係数が低く、オゾン破壊係数がゼロであるため、地球環境保護の観点から好ましい。本実施形態では、ボイスコイルモータ8a及びボイスコイルモータ8cがマスク定盤3の外周に沿って配置されており、冷却効率に優れた構成になっている。
図7は、ボイスコイルモータ8a及びボイスコイルモータ8cの制御回路70を示すブロック図である。当該制御回路は、例えば制御装置CONT内に設けられている。
同図に示すように、制御回路70は、フィードバック制御によって補正量を制御するようになっている。当該制御回路70においては、指令信号71が演算部72でフィードバック信号77により補正された後、補正信号73がノッチフィルタなどのディジタルフィルタを介することなく推力分配部74に伝達されるようになっている。推力分配部74は、補正信号73をボイスコイルモータ8a用の駆動信号75aとボイスコイルモータ8c用の駆動信号75bとに分配する。推力分配部74には、ローパスフィルタ74a及びハイパスフィルタ74bが並列に設けられている。ローパスフィルタ74aは各ボイスコイルモータ8aに接続されており、ハイパスフィルタ74bは各ボイスコイルモータ8cに接続されている。補正信号73のうちローパスフィルタ74aによって高周波がカットされた信号はボイスコイルモータ8a用の駆動信号75aとして用いられるようになっており、ハイパスフィルタ74bによって低周波がカットされた信号はボイスコイルモータ8c用の駆動信号75bとして用いられるようになっている。
制御回路内の指令信号71としては、ボイスコイルモータ8aに対してマスク定盤3の位置及び姿勢を補正させる信号を主として含んでいる。フィードバック信号77としては、マスク定盤3の位置及び姿勢を補正する信号と、マスク定盤3の弾性変形を補正する信号とを含んでいる。このうち、マスク定盤3の弾性変形を補正する信号は、例えばモードシェープベクトル法によって生成されるようになっている。
モードシェープベクトル法による補正信号の生成について説明する。制御装置CONTではマスク定盤3に設けられた複数のセンサの検出値を用いてマスク定盤3のモードシェープが生成されるようになっている。モードシェープの生成は、マスク定盤3のうちセンサが配置された位置においてどのように振動しているのかを測定することで行われる。
例えばマスク定盤3の位置及び姿勢の補正が行われ、マスク定盤3の振動によってモードシェープに変化が生じる場合、制御装置CONTでは当該モードシェープの変化前と変化後の差分がモードシェープベクトルとして算出されるようになっている。このように、モードシェープベクトルは、振動によって生じたマスク定盤3の位置の変化を示すベクトルである。理論上、モードシェープベクトルは、当該モードシェープベクトルとは逆向きで大きさが等しいベクトルを加算されることによって打ち消される。そこで、制御装置CONTでは、このモードシェープベクトルとは逆向きで大きさの等しいベクトルに基づいた移動方向及び移動量が設定され、当該移動方向及び移動量に基づいてフィードバック信号77が生成されるようになっている。
モードシェープベクトル法によって生成されるフィードバック信号77としては、具体的には振動による弾性変形を補正するボイスコイルモータ8cの駆動信号が含まれる。ボイスコイルモータ8aによって弾性変形を補正する場合には、当該ボイスコイルモータ8aの駆動信号も含まれる。
次に、上記の構成の露光装置EXにおける露光動作について以下に説明する。
いずれも不図示のレチクル顕微鏡およびオフアクシス・アライメントセンサ等を用いたレチクルアライメント、ベースライン計測等の準備作業が行われ、その後アライメントセンサを用いた基板Pのファインアライメント(EGA;エンハンスト・グローバル・アライメント等)が終了し、基板P上の複数のショット領域の配列座標が求められる。そして、アライメント結果に基づいてレーザ干渉計44の計測値をモニタしつつ、リニアモータ33を制御して基板Pの第1ショットの露光のための走査開始位置にステージ本体27を移動する。リニアモータ20、33を介してステージ本体16とステージ本体27とのY方向の走査を開始し、両ステージがそれぞれの目標走査速度に達すると、露光用照明光によってマスクMのパターン領域が照明され、走査露光が開始される。
この走査露光時には、ステージ本体16のY方向の移動速度と、ステージ本体27のY方向の移動速度とが投影光学系PLの投影倍率(1/5倍あるいは1/4倍)に応じた速度比に維持されるように、リニアモータ20、33を介してステージ本体16及びステージ本体27を同期制御する。マスクMのパターン領域の異なる領域が照明光で逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、基板P上の第1ショットの走査露光が完了する。これにより、マスクMのパターンが投影光学系PLを介して基板P上の第1ショット領域に縮小転写される。
このようにして、第1ショットの走査露光が終了すると、リニアモータ33を介してステージ本体27がX、Y方向にステップ移動され、第2ショットの露光のため走査開始位置に移動される。このステップ移動の際に、ステージ本体27の位置(基板Pの位置)を検出するレーザ干渉計44の計測値に基づいて、ステージ本体27のX、Y、θZ方向の位置をリアルタイムで計測する。この計測結果に基づいてリニアモータ33を制御し、ステージ本体27のXY位置変位が所定の状態になるようにステージ本体27の位置を制御する。ステージ本体27のθZ方向の変位に関しては、この変位の情報に基づいて基板P側の回転変位の誤差を補正するように、ステージ本体16を回転制御する。この後、上記第1ショット領域と同様に、第2ショット領域に対して走査露光を行う。そして、基板P上のショット領域の走査露光と次ショット露光のためのステップ移動とが繰り返し行われ、基板P上の露光対象ショット領域の全てにマスクMのパターンが順次転写される。
本実施形態においては、マスク定盤3のZ方向の位置及び姿勢を補正しながら、上記露光動作が行われる。当該マスク定盤3のZ方向の位置及び姿勢は、マスク定盤3の底面3cに設けられた3つのボイスコイルモータ8aによって補正される。この位置及び姿勢の補正の際、マスク定盤3には共振による振動が発生する場合がある。特に、300Hz〜400Hz程度の周波数帯域(所定帯域)内の周波数を有する信号によって制御を行う場合、共振による振動が発生しやすい。振動の発生により、マスク定盤3の形状が弾性的に変形する。マスク定盤3の弾性変形は、制御回路CONTにおいてモードシェープとして測定され、モードシェープベクトル法を用いて底面3cに設けられた5つのボイスコイルモータ8cにより補正される。
例えば、矩形の板状部材であるマスク定盤3に1次振動が発生すると、マスク定盤3がZ方向に湾曲する。1次振動の場合、図8に示すように長手方向(Y方向)の中央部が振動の腹となる。本実施形態では、この第1次振動の腹に対応する部分、すなわち、平面視−X側の辺及び+X側の辺の各中央部に、ボイスコイルモータ8cが1つずつ設けられている。ボイスコイルモータ8cが振幅の最も大きい部分を補正する構成になっているため、マスク定盤3の曲がりを効率的に補正することが可能である。本実施形態では、ボイスコイルモータ8cが5つ設けられているため、理論上は5次振動まで対応することが可能となる。
マスク定盤3にねじれが発生する場合もある。矩形の板状部材であるマスク定盤3にねじれが発生する場合、マスク定盤3の平面視中央部から最も離れた位置である角部において最も大きく変形することが多い。本実施形態では、底面3cの+Y側の2つの角部にボイスコイルモータ8cが配置されている。ボイスコイルモータ8cが変形の大きさの大きい部分を補正する構成になっているため、マスク定盤3のねじれを効率的に補正することが可能である。底面3cの−Y側の2つの角部に設けられるボイスコイルモータ8aは、上述したようにマスク定盤3の位置及び変形を補正するものであるが、当該ボイスコイルモータ8aをねじれ補正のために用いても構わない。
このように、本実施形態によれば、マスク定盤3の位置及び姿勢を補正するボイスコイルモータ8aに加えて、マスク定盤3の弾性変形を補正するボイスコイルモータ8cを備えるので、当該ボイスコイルモータ8cにより機械的な力をマスク定盤3に加えて弾性変形を補正することができる。これにより、マスク定盤3の位置や姿勢を高精度に制御することが可能となる。
また、本実施形態では、所定帯域として300Hz〜400Hz程度の周波数を有する信号によってマスク定盤3の位置及び姿勢を補正する場合においても共振による振動を抑えることができるので、制御帯域を高周波帯域側へ拡張させて制御を行う場合であっても高精度な制御が可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施の形態では、本発明の防振装置をマスクステージ装置MSTに適用する構成としたが、これに限られず、基板ステージ装置PSTに適用することも可能である。
図9は、基板定盤2の構成を示す図である。同図では、基板定盤2を底面側から見たときの構成を示している。同図に示すように、基板定盤2を支持する防振ユニット29が平面視で基板定盤2の三角形の頂点の位置に配置されている。加えて、第1実施形態におけるボイスコイルモータ8cと同一の構成のボイスコイルモータ32が第1実施形態と同一の位置、すなわち、平面視で基板定盤2の五角形の頂点の位置に配置されている。また、上記実施形態のようにモードシェープベクトル法を用いる場合には、基板定盤2のZ軸方向の位置を検出する不図示のセンサを複数配置させておく。
さらに、図9に示す構成において、基板定盤2には開口部が設けられていないため、本発明の防振装置を基板ステージ装置PSTに適用する場合、平面視で基板定盤2の中央部にボイスコイルモータ32を配置することができる。これらのボイスコイルモータ32は、不図示の支持部材等によってベースプレート5に支持されるようにする。基板定盤2の平面視中央部は基板定盤2の振動の腹になりやすいため、当該位置にボイスコイルモータ32を配置することで効率的に弾性変形を補正することができる。
また、上記実施形態では、マスク定盤3の4辺の中央部及び4つの角部に配置する構成であったが、これに限られることは無い。例えばマスク定盤3に2次振動が発生した場合には、図10に示すように、マスク定盤3の長手方向(図10左右方向)に振動の腹が2箇所形成されることになる。これに対して、図9に示すように、当該2つの振動の腹となる位置にもボイスコイルモータ8cを配置する構成とすることができる。図11は、マスク定盤3を底面側から見たときの構成を示している。同図に示す構成においては、ボイスコイルモータ8cが、二次振動の腹に位置するようにマスク定盤3を長手方向に4分割する位置に配置されている。このように、開口3aの周囲の所望の位置にボイスコイルモータ8cを配置することにより、高次の振動にも対応することができるため、更に高精度の補正が可能となる。
本発明においては、弾性変形を補正する第2アクチュエータ(ボイスコイルモータ8c)をマスク定盤3や基板定盤2などの構造体に取り付ける構成としたので、当該第2アクチュエータを複数配置することも可能であり、複数配置するアクチュエータを所望の位置に配置することも可能である。したがって、構造体に発生する振動に応じて第2アクチュエータの位置及び個数を柔軟に設定することが可能である。
例えば、第2アクチュエータを構造体の振動の腹に配置する上記の各構成は本発明の好ましい形態の一つであるが、これに限られることは無く、第2アクチュエータを構造体の振動の腹以外の位置、例えば構造体が平面視矩形である場合には平面視で角部のみ又は平面視で辺に沿った部分のみに第2アクチュエータを配置する構成であっても勿論構わない。また、第2アクチュエータを複数配置する上記の各構成は本発明の好ましい形態の一つであるが、これに限られることは無く、例えば第2アクチュエータを構造体に1つだけ配置する構成であっても勿論構わない。また、第1アクチュエータについても同様に、複数配置しても良いし、単数のみ配置しても良い。第1アクチュエータを設ける位置についても、平面視角部のみ又は平面視で辺に沿った部分のみであっても構わない。
また、上記記載においては、本発明に係る防振装置を構造体としてマスク定盤3及び基板定盤2に適用した例に挙げて説明したが、これに限られることはなく、例えば構造体として鏡筒定盤12などの板状部材や、当該板状部材に限られずボディ4を構成する部材などの他の部材に対しても、本発明の防振装置を適用することが可能である。
また、上記実施形態では、防振ユニット8のうちボイスコイルモータ8aのみがエアマウント8bによって支持された構成としたが、これに限られることは無く、例えばボイスコイルモータ8cについてもエアマウント8bによって支持される構成としても勿論構わない。また、上記各記載においては、第2アクチュエータとしてボイスコイルモータ8cを例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、他のアクチュエータを用いても構わない。
また、上記実施形態においては、モードシェープベクトル法を用いて構造体の弾性変形の補正を行う構成であったが、これに限られることは無く、他の手法によって構造体の弾性変形の補正を行うようにしても構わない。
また、基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ等についても適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、露光装置EXとして、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6400441号明細書、米国特許第6549269号明細書、米国特許第6590634号明細書、米国特許第6208407号明細書、及び米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。この場合、複数の基板ステージのそれぞれについて、本発明に係る防振装置を適用することができる。
更に、米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置を採用することができる。この場合、複数の基板ステージ及び計測ステージについても、本発明に係る防振装置を適用することができる。
また、例えば国際公開第99/49504号パンフレット等に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置に適用することもできる。
露光装置EXの種類としては、ウエハに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行う工程、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作する工程、シリコン材料からウエハを製造する工程、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理工程、デバイス組み立て工程(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査工程等を経て製造される。
本発明の実施の形態に係る露光装置の概略構成図。 露光装置のマスクステージ装置の構成を示す斜視図。 マスクステージ装置の構成を示す分解斜視図。 ステージ本体の構成を示す図。 露光装置の基板ステージ装置の構成を示す斜視図。 露光装置のマスク定盤の構成を示す平面図。 マスク定盤の駆動系の構成を示すブロック図。 マスク定盤の振動の様子を示す側面図。 基板定盤の構成を示す平面図。 マスク定盤の他の振動の様子を示す側面図。 マスク定盤の他の構成を示す平面図。
符号の説明
EX…露光装置 M…マスク MST…マスクステージ装置 P…基板 PST…基板ステージ装置 CONT…制御装置 2…基板定盤 3…マスク定盤 3a…開口 6a…突出部 8…防振ユニット 8a、8c、31、32…ボイスコイルモータ 8b、30…エアマウント 16、27…ステージ本体 29…防振ユニット 32…ボイスコイルモータ 20、33…リニアモータ 70…制御回路 74…推力分配部

Claims (18)

  1. 構造体を支持して防振する防振装置であって、
    前記構造体の位置及び姿勢のうち少なくとも一方を補正する第1アクチュエータと、
    前記構造体の弾性変形を補正する第2アクチュエータと
    を備える防振装置。
  2. 前記構造体は、板状部材である請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記構造体は、平面視で中央部に開口部を有する請求項2に記載の防振装置。
  4. 前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータのうち少なくとも一方は、複数設けられている請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の防振装置。
  5. 前記構造体は、平面視矩形状になっており、
    前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータのうち少なくとも一方は、前記構造体の平面視における角部に配置されている請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の防振装置。
  6. 前記構造体は、平面視矩形状になっており、
    前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータのうち少なくとも一方は、前記構造体の平面視における辺に沿った位置に配置されている請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の防振装置。
  7. 前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータは、前記開口部の周囲に配置されている請求項3に記載の防振装置。
  8. 前記弾性変形は、前記構造体の形状の変形である請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の防振装置。
  9. 前記弾性変形は、所定帯域の振動数の振動による前記構造体の形状の変形である請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載の防振装置。
  10. 前記第2アクチュエータは、前記構造体の前記振動の腹に対応する位置に配置されている請求項9に記載の防振装置。
  11. 前記弾性変形は、前記構造体の湾曲及びねじれのうち少なくとも一方を含む請求項1から請求項10のうちいずれか一項に記載の防振装置。
  12. 前記第2アクチュエータは、モードシェープベクトル法を用いて前記構造体の弾性変形を制御する請求項1から請求項11のうちいずれか一項に記載の防振装置。
  13. 前記第1アクチュエータは、気体バネによって支持されている請求項1から請求項12のうちいずれか一項に記載の防振装置。
  14. 請求項1から請求項13のうちいずれか一項に記載の防振装置を備えるステージ装置。
  15. 請求項14に記載のステージ装置を備え、基板を用いて露光処理を行う露光装置。
  16. 前記基板は前記露光処理に用いるマスクであり、
    前記マスクを保持して移動させるマスクステージを備え、
    前記マスクステージは、請求項14に記載のステージ装置である請求項15に記載の露光装置。
  17. 前記基板の表面には感光剤が塗布されており、
    前記基板を保持して移動させる基板ステージを備え、
    前記基板ステージは、請求項14に記載のステージ装置である請求項15に記載の露光装置。
  18. 前記第2アクチュエータは、前記構造体の平面視における中央部に配置されている請求項17に記載の露光装置。
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