JPH0579814A - 走査プローブ型顕微鏡装置 - Google Patents

走査プローブ型顕微鏡装置

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JPH0579814A
JPH0579814A JP4069401A JP6940192A JPH0579814A JP H0579814 A JPH0579814 A JP H0579814A JP 4069401 A JP4069401 A JP 4069401A JP 6940192 A JP6940192 A JP 6940192A JP H0579814 A JPH0579814 A JP H0579814A
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scanning
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optical microscope
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JP4069401A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Konuki
哲治 小貫
Masatoshi Suzuki
正敏 鈴木
Toru Fujii
藤井  透
Hiroyuki Matsushiro
弘之 松代
Hideaki Okubo
英昭 大久保
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料表面と走査プローブ先端の光学像を同時
観察することができ、かつ、振動の影響を受けることな
く高い分解能を達成することが可能な走査プローブ型顕
微鏡を提供する。 【構成】 試料1は、防振台12上に、xyステージ,
zステージを備えて配置された試料ホルダ9上に載置さ
れる。光学顕微鏡は、防振台12に設置された防音・電
磁シールドカバー14によって支持され、試料1の上方
に配置される。走査トンネル顕微鏡のプローブ2は、防
振台12に設置されたコラム16によって両持ち梁の構
造で支持され、光学顕微鏡の対物レンズ3aに設けられ
た孔内に配置される。即ち、プローブ2は、光学顕微鏡
とは分離された状態で、光学顕微鏡の視野内に配置され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査プローブ先端と試
料表面の光学顕微鏡像を同時観察できる走査プローブ型
顕微鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、試料表面にプローブを近接させて
走査し、プローブと試料との間に作用するトンネル電流
や原子間力あるいは磁力等を検出することにより試料表
面の微細構造を観察する走査プローブ型顕微鏡の開発・
改良が盛んに行なわれている。
【0003】図5は、走査プローブ型顕微鏡の一つであ
る走査トンネル顕微鏡の原理を説明するための概念図で
ある。図に示されるように、導電性試料101もしく
は、走査プローブ102aのいずれかにバイアス電圧を
与え、双方を1〜2nm程度まで近付けると双方の電子
雲120が重なり、電子が走査プローブ102a探針先
端と試料101の隙間を抜けるトンネル現象を起し、ト
ンネル電流が流れる。従って、z軸方向の圧電素子10
2Zによって走査プローブ102aを上下動することに
より、走査プローブ102aと試料101の間に流れる
電流値が変化することになる。この電流値をフィードバ
ック回路で一定に保持しながら(走査プローブ102a
と試料101の隙間が一定になるように走査プローブ1
02aを上下動させながら)、x軸及びy軸の圧電素子
102X,102Yによって試料表面を二次元走査(ラ
スタースキャン)することにより、試料表面の原子分解
能レベルの3次元像が得られる。
【0004】図5では、説明をわかりやすくするために
トライポッド型と呼ばれている走査プローブ102aを
示しているが、現在、一般的に使用されているプローブ
は図6に示されるようなチューブ型である。図6のプロ
ーブは、円筒形状の圧電セラミックスの内周面に電極1
02Gが貼着されるともに、外周面に、X方向電極10
2X1 ,102X2 、Y方向電極102Y1 ,102Y
2 、Z方向電極102Zがそれぞれ貼着されたものであ
り、各電極に選択的に電圧を印加することにより、探針
(図示せず)の3次元方向の移動が可能となっている。
【0005】図7は、チューブ型プローブを用いた従来
の走査トンネル顕微鏡の一例を示す斜視図である。図に
おいて、探針を備えたプローブ102は、試料101が
載置された試料ホルダ109と対向するように配置され
ている。ステッピングモータ110により試料ホルダ1
09を移動させて、トンネル電流が検出される距離ま
で、走査プローブ102に試料ホルダ109を接近させ
ると、走査プローブ102から検出される電流により、
最適なトンネル電流値が決定される。そして、電流値が
設定された値に保たれるようにプローブ102を上下動
させながら、試料101表面を走査することにより、試
料101表面の3次元像が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の走査プローブ型顕微鏡においては、試料表面の凹
凸が光学顕微鏡レベルの分解能で観察できないため、次
のようなことが問題となっている。つまり、上述した走
査トンネル顕微鏡は、分解能が高い反面、最大観察領域
が10μm角程度と非常に狭いため、観察箇所を特定す
ることが困難であり、表面の急激な凹凸に走査プローブ
先端を衝突させて先端を破損したり、試料表面が汚染さ
れているか否かを確認できずに測定している場合もあっ
た。
【0007】また、例えば半導体基板表面に形成された
パターンを観察するような場合、観察箇所を特定の位置
に合わせる必要があるが、観察領域の狭い走査トンネル
顕微鏡だけでは高精度の位置決めを行なうことができな
かった。
【0008】このような問題を解決するために、これま
で、次のような提案がなされている。その1つは、光学
顕微鏡のレボルバに対物レンズとチユーブ型の走査プロ
ーブを取り付け、レボルバを回転させて、光学顕微鏡で
の観察と走査トンネル顕微鏡での観察をそれぞれ行なう
ものである。
【0009】また、特開平2−163601号公報及び
特開平2−163602号公報では、上記の同一のレボ
ルバに対物レンズとプローブを取り付ける際の不都合
(プローブからの配線の処理が困難等)を解決するため
に、対物レンズと走査トンネル顕微鏡のプローブを一軸
テーブルに支持させ、一軸テーブルを移動させることに
より、対物レンズとプローブの何れかを試料に対向させ
る例や、光学顕微鏡のフレームに走査プローブを支持さ
せ、光学顕微鏡で位置合わせした後に試料ステージを所
定の補正量だけ移動させてプローブと試料を位置合わせ
する例が示されている。
【0010】この他、例えば、特開平2−16403号
公報には、光学顕微鏡の対物レンズに走査トンネル顕微
鏡のプローブを一体的に設けたり、光学顕微鏡の対物レ
ンズ下端に透明部材を設け、この透明部材に走査トンネ
ル顕微鏡のプローブを取り付けることによって走査トン
ネル顕微鏡と光学顕微鏡を組み合わせる例が示されてい
る。
【0011】しかし、特開平2−163601号公報及
び特開平2−163602号公報に提案されている構成
では、プローブが光学顕微鏡の光軸から離れた位置に配
置されているため、試料表面とプローブとを同時に観察
することができないという問題がある。
【0012】また、従来の提案では、何れも光学顕微鏡
の構成要素であるアームや対物レンズに走査プローブを
支持させる構成となっているが、重量の大きい光学顕微
鏡のアームや対物レンズの上下動ガイド部は振動に対し
て弱い(探針を走査する周波数に近いところに共振周波
数がある)構造となっているため、走査プローブに振動
が伝達されてしまい、走査プローブ型顕微鏡として原子
レベルの分解能を達成することが困難であった。
【0013】この発明は、かかる点に鑑みてなされたも
のであり、試料表面と走査プローブの光学像を同時観察
することができ、かつ、振動の影響を受けることなく、
試料表面を高い分解能で走査することが可能な走査プロ
ーブ型顕微鏡装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の走査プローブ型
顕微鏡装置は、試料表面を走査するプローブと、該プロ
ーブ及び前記試料表面を観察するための光学顕微鏡とを
備えてなり、上記の課題を達成するために、前記プロー
ブと光学顕微鏡とが、別々の支持部材に支持されるとと
もに、前記プローブが前記光学顕微鏡の視野内に配置さ
れたものである。
【0015】前記プローブを前記光学顕微鏡の視野内に
配置するためには、例えば、前記光学顕微鏡の対物レン
ズに貫通孔を設け、該貫通孔内に前記プローブを配置す
れば良い。
【0016】また、前記プローブの振動や外部環境の影
響をより効果的に低減するためには、前記プローブの支
持部材を両持ち梁の構造とし、前記プローブおよび走査
プローブ型顕微鏡を動作させるのに必要な電気系を防音
・電磁シールド部材で覆うことが好ましい。
【0017】
【作用】従来の光学顕微鏡は、支柱から対物レンズを保
持しているレボルバまでが片持ち梁の構造となってお
り、また、対物レンズを上下動させる機構が振動に弱い
ため、低周波の振動モードを持っている。このため、光
学顕微鏡と走査プローブ型顕微鏡を組み合わせるにあた
って、単に光学顕微鏡のアームや光学系に走査プローブ
型顕微鏡のプローブを取り付けた構成では、光学顕微鏡
の振動の影響が大きく原子レベルの分解能が得られな
い。走査プローブ型顕微鏡で原子レベルの分解能を達成
するには、1〜数10kHz程度の周波数帯域におい
て、振動によるノイズ特性が平坦になり、振幅が約0.
1Åに抑えられなければならない。
【0018】そこで、本発明においては、振動の影響を
回避するために、光学顕微鏡と走査プローブ型顕微鏡と
を分離して、別々の支持部材に支持させることとした。
【0019】更に、走査プローブ型顕微鏡の各構成要素
の低周波帯域での共振を避けるためには、光学顕微鏡と
走査プローブ型顕微鏡の支持部材を固有振動数の高い防
振台上に配置するとともに、支持部材を両持ち梁の構造
として共振周波数を引き上げることが好ましい。
【0020】ここで、片持ち梁の共振周波数は、kをば
ね定数、mを質量とすると、 ω∝{(k/m)}1/2 で表される。Jを断面2次モーメント、Eをヤング率、
Lをアームの長さとすると、 k=3EJ/L3 である。
【0021】しかし、後述する実施例(図1)のように
支持部材を両持ち梁の構造とし、走査プローブが支柱間
距離の中点にあるとすると、 k=192EJ/L3 となり、片持ち梁の支持構造に比べて共振周波数が大幅
に上昇し、走査プローブの低周波帯域での共振が回避さ
れる。
【0022】また、本発明では、プローブと光学顕微鏡
の支持部材が別個に設けられており、プローブ用の支持
部材はプローブのみを支持すれば良いので、プローブの
支持方向の自由度が高くなるという利点もある。
【0023】
【実施例】次に図面を用いて走査トンネル顕微鏡と光学
顕微鏡を組合せた実施例について具体的に説明する。図
1は本実施例による装置の支持構造を説明するための模
式的な断面図であり、図2は本実施例による装置の全体
的な構成を示す斜視図である。
【0024】まず、図1において、試料1は、粗動用の
xyステージ11及びZステージ10を備えて防振台1
2上に配置された試料ホルダ9に載置されており、走査
トンネル顕微鏡のプローブ2は、機械的強度に優れ共振
周波数の高いコラム16によって試料1と対向するよう
に支持されている。コラム16は、図に示されるよう
に、断面が左右対称な中空形状に形成されて試料ホルダ
9を上から覆うように防振台12上に配置されており、
両持ち梁の中間でプローブ2を支持している。プローブ
2を支持する部分は中空のチャック部材24(図2参
照)で構成されている。
【0025】プローブ2及び試料ホルダ9には、圧電素
子駆動及び信号検出回路13が接続されており、この回
路13から試料ホルダ9に加えられるバイアス電圧によ
って試料1と走査プローブ2との間にトンネル電流が流
れる構成となっている。
【0026】本実施例におけるプローブ2は、図3に示
されるようなチューブスキャナ型となっており、円筒状
の圧電セラミックスの外周面にx方向走査用圧電素子に
対する電極2X1 ,2X2 及びy方向走査用圧電素子に
対する電極2Y1 ,2Y2 が、X方向同志、Y方向同志
対向するように貼着された構造となっている。x,y方
向にラスタースキャンする場合には、それぞれの方向の
電極に電圧を印加すれば良く、z方向の上下動は、X,
Y両方向の圧電素子を用い、互いに向い合う電極に正か
負のどちらかの電圧をX,Y双方に加えることによって
作動するようになっている。
【0027】また、走査プローブ2を支持するコラム1
6の外側には、防音・電磁シールドの効果のあるカバー
14が配置されている。光学顕微鏡の第1対物レンズ3
aはカバー14上面略中央部(コラム16による走査プ
ローブ2の支持位置と対応する箇所)に設けられた開口
に挿嵌され、光学顕微鏡(光源7,集光レンズ5,第1
対物レンズ3a,第2対物レンズ3b)は、カバー14
によって支持されている。第1対物レンズ3aとカバー
14の隙間には、第1対物レンズ3aがモータ8により
上下動する際、極力摩擦力のかからない柔軟な部材15
が介在されている。また、この部材15は防音の役目も
兼ねるようにしてある。図1に示されるように、光学顕
微鏡を支持するカバー14は、防振台12上に設置され
ており、光学顕微鏡の振動が走査トンネル顕微鏡に伝わ
りにくい構造となっている。また、外部の音響や電磁ノ
イズの影響もカバー14で遮断されることとなる。
【0028】カバー14内に挿入された第1対物レンズ
3aには、孔が設けられており、孔内の空間に走査プロ
ーブ2が配置されている。このような構成をとること
で、光学顕微鏡とは分離された状態で、プローブ2を光
学顕微鏡の視野内(本実施例では光軸上)に配置するこ
とが可能となる。
【0029】もちろん、プローブ2の全長が、第1対物
レンズ3aを最も下方に位置させた時の対物レンズ3a
と試料1間の距離より短い場合は、第1対物レンズ3a
に孔を開けずとも対物レンズ3a下端と試料ホルダ9と
の間にプローブ2を配置できることは言うまでもない。
この場合も光学顕微鏡とは分離された支持部材によって
プローブ2を支持させるものとする。
【0030】光学顕微鏡の光源7からの照明光は集光レ
ンズ6で集光され、ハーフミラー5で反射されて第1対
物レンズ3aを介して試料1表面及びプローブ2先端を
照明する。試料1及びプローブ2からの反射回折光は、
再び第1対物レンズ3aを通り、ハーフミラー5を透過
し、第2対物レンズ3bによって像面4に結像される。
これにより、試料1表面とプローブ2先端の光学像が同
時に観察される。
【0031】次に、図2を参照して、本実施例による走
査プローブ型顕微鏡装置の動作を説明する。まず、試料
ホルダ9に試料1を載置し、プローブ2先端と試料1を
接近させた状態で両者の光学像を観察する。この際、プ
ローブ2の交換を行なう場合には、プローブ2の長さに
誤差があるため、粗動zステージ10が最下位まで下が
るようになっている。
【0032】プローブ2交換後に、第1対物レンズ3a
をモータ8により上下動させて、走査プローブ2先端に
焦点合わせを行なう。本実施例の装置では、試料1表
面,走査プローブ2先端及び対物レンズ3aのフォーカ
ス位置が、光軸上の任意の点で決るように、対物レンズ
を含む光学顕微鏡3の結像系は、無限結像系を採用して
いる。
【0033】焦点合わせを行なった後、粗動xyステー
ジ11によって試料1表面の観察領域を適宜移動させ
て、試料1表面の汚染や傷等の有無を確認し、プローブ
2の位置合わせを行なう。
【0034】図2において、光源7からの照明光は集光
レンズ6で集光され、ハーフミラー5で反射されて第1
対物レンズ3aを介して試料1表面及びプローブ2先端
を照明する。試料1及びプローブ2からの反射回折光
は、再び第1対物レンズ3aを通った後平行光束とな
り、ハーフミラー5を透過し、第2対物レンズ3bによ
ってカメラ4aの像面に結像される。この光学像は、C
CU(Camera control unit)17
を持つTVモニタ18で観察でき、このモニタ18を観
察しながら、適宜粗動xyステージ11を動作させて試
料1の位置決め等を行なえば良い。
【0035】図2に示された光学顕微鏡3は、集光レン
ズ6の後段に偏光子20及び4分の1波長板21を、第
1対物レンズ3aとハーフミラー5の間にノマルスキー
プリズム22を、ハーフミラー5と第2対物レンズ3b
の間に検光子23を、それぞれ挿入することにより微分
干渉型とすることができ、微小な凹凸が強調された光学
像を得ることができる。
【0036】走査トンネル顕微鏡においては、試料1表
面をプローブ2で走査する際に、走査プローブ2先端が
試料1面に対して10〜20Å程度まで近付くため、走
査中に探針の損傷が起こらないような平坦な位置を探す
必要がある。この際、明視野での観察に加えて、微分干
渉法によって試料1表面の凹凸を垂直分解能約10Å程
度の分解能で観察することにより、容易に走査箇所を選
定することが可能となる。なお、光学顕微鏡3での観察
時においては、走査プローブ2先端は、対物レンズ3a
焦点深度内で試料1表面よりも十分離れた位置にあるた
め、粗動xyステージ11の移動によって探針の損傷が
生ずることはない。
【0037】また、試料1表面及びプローブ2の光学像
を観察するにあたっては、上述したように対物レンズ3
aや粗動xyステージ11,zステージ10を移動させ
る必要があるが、光学顕微鏡3は走査トンネル顕微鏡と
は分離された防音・電磁シールドカバー14に支持さ
れ、かつカバー14と各粗動ステージ11,10は共振
周波数の高い防振台12に載っているため、重量の大き
い可動部の振動が走査トンネル顕微鏡へ伝播されにく
く、耐震性に優れた構造となっている。
【0038】さて、次に光学顕微鏡3での観察によって
プローブ2の位置合わせを行なった後、圧電素子駆動及
び信号検出回路13によって試料ホルダ9にバイアス電
圧を印加し、zステージ10によってプローブ2先端に
試料1表面を接近させる。このz軸方向の接近はプロー
ブ2と試料1との間にトンネル電流が流れた段階で停
止、位置調整が可能となっており、圧電素子駆動及び信
号検出回路13において最適なトンネル電流値が定めら
れる。
【0039】次いで、トンネル電流が設定された一定の
値となるように走査プローブ2を上下動させながら、
X,Y方向のラスタースキャンを行なう。プローブ2の
動作は、圧電素子駆動及び信号検出回路13によってト
ンネル電流を検出してフィードバック制御しながら、図
3で説明した各電極2X1 ,2X2 ,2Y1 ,2Y2
選択的に電圧を印加することによって行なわれ、これに
より、試料1表面の3次元像が得られる。
【0040】図8は、本発明の他の支持構造を示す模式
的な断面図であり、光学顕微鏡の外周部にプローブ2を
配置した場合を示している。なお、図において、図1と
同一の機能を有する構成部品については同一符号を付し
てその説明を省略する。光学顕微鏡の一部である対物レ
ンズ3aを支持する鏡筒51はカバー14上面に設けら
れた開口に挿嵌され、これにより鏡筒51はカバー14
によって支持されている。プローブ2は、円筒状のチュ
ーブスキャナ52、その試料側の端面に設けられた探針
支持機構53、およびこの探針支持機構53に支持され
た探針54とで構成され、コラム16によって支持され
ている。チューブスキャナ52は鏡筒51の外周を囲む
ように配置されており、探針支持機構53は対物レンズ
3aと試料1との間に位置している。そして、探針支持
機構53は対物レンズ3aからの光束を透過するように
ガラス板またはリブ構造を有する部材からなっている。
また、カバー14とコラム16とは各々防振台12に設
置されており、光学顕微鏡の振動がプローブ2に影響す
るのを防止している。この図8の例では、対物レンズに
孔を設けることなく、プローブ2の先端の探針54と試
料1の表面の光学顕微鏡像を同時観察できる。
【0041】上記のように本実施例の装置では、光学顕
微鏡はカバー14に支持され、また、プローブ2はコラ
ム16に両持ち梁の構造で支持されている。さらに、カ
バー14及びコラム16は防振台12に設置されている
ので、振動の影響を回避してプローブ2の振幅を非常に
小さく保つことができ、原子レベルの分解能で試料1表
面を観察することが可能である。
【0042】次に、図4は、別の実施例による走査プロ
ーブ型顕微鏡装置の要部構成図である。この実施例で
は、原子間力顕微鏡に光学顕微鏡を組み合わせた例を示
す。図において、試料31は、粗動ステージ30を備え
たチャーブスキャナ(xy走査系)32上に載置されて
おり、試料31の上方に光学顕微鏡(図では対物レンズ
33だけを示す)が配置されている。図には示されてい
ないが、光学顕微鏡は防振台上に設置された支持部材に
支持されている。
【0043】また、光学顕微鏡の視野内(図4の例では
ほぼ光軸上)には原子間力顕微鏡の薄膜状のレバー32
a(図1の走査プローブ2に相当)が、光学顕微鏡とは
分離された支持部材(図示せず)によって支持され、試
料1に近接配置されている。このレバー32aの先端に
は試料1表面と対向するようにチップ32bが突設され
ており、チップ32bと試料1とを接近させると両者の
間にPauliの排他律による斥力が働き、レバー32
aがたわむことになる。原子間力顕微鏡ではこのレバー
32aのたわみ量を光学的手段等で検出することによっ
て試料1表面の微細構造が観察される。
【0044】具体的には、レーザ光源(HeNeレー
ザ)35からのレーザ光をコリメートレンズ36を介し
て光ファイバで37に入射させて光学顕微鏡の光軸付近
まで導き、更にレーザ光をミラー38で下方に折り曲
げ、コレクタレンズ39で集光してレバー32aに照射
する。そして、レバー32aで反射されたレーザ光を斜
め上方に配置されたディテクタ40で検出する。検出さ
れるレーザ光の強度は、レバー32aのたわみ量によっ
て変化するので、検出強度が一定となるように試料31
を上下動させながら、チップ32bで試料31表面をx
y走査することにより試料31表面の原子レベルの構造
が観察される。
【0045】本実施例では、光学顕微鏡の視野内にある
レバー32aにレーザ光を照射するために、光学顕微鏡
の対物レンズ33の中央部に孔を開け、原子間力顕微鏡
のコレクタレンズ39を孔内に配置する構成を取ってお
り、光学顕微鏡と原子間力顕微鏡とか完全に分離された
状態となっている。また、光学顕微鏡と原子間力顕微鏡
は防振台上に設置された別々の部材に支持されているの
で、光学顕微鏡の振動が原子間力顕微鏡における走査に
影響することがなく、高い分解能が確保される。
【0046】なお、上記においては、走査トンネル顕微
鏡及び原子間力顕微鏡と光学顕微鏡を組み合わせた例に
ついて説明したが、本発明はこれらの組み合わせに限定
されるものではなく、例えば走査磁気顕微鏡,ニアフィ
ールド顕微鏡等と光学顕微鏡を組み合わせても良い。
【0047】また、図1,図4の例では、走査プローブ
が光学顕微鏡の光軸上に配置されているが、本発明にお
いてはプローブの先端が光学顕微鏡の視野内にあれば良
く、照明光量を増すためにプローブを視野内の光軸から
離れた位置に配置しても良い。プローブは、防振の点か
らはチューブ型とすることが好ましいが、他の形式のも
のでも良い。
【0048】光学顕微鏡についても、特に限定されるも
のではなく、微分干渉型以外の光学顕微鏡を設けても良
いことは言うまでもない。更に、上記の例では、プロー
ブ及び光学顕微鏡の支持部材は防振台上に設置されてい
るが、必ずしも防振台を用いる必要はなく、一般的な基
台であっても良い。また、上記の例では、プローブは両
持ち梁の構造で支持されているが、場合によっては、片
持ち梁の構造としても良い。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明においては、光学顕
微鏡の視野内に走査プローブを配置し、かつ、両者を別
々の支持部材に支持させる構造をとっているので、試料
表面とプローブの同時観察が可能であるとともに、光学
顕微鏡の振動の影響を回避することができ、走査プロー
ブ型顕微鏡としての高い分解能が達成される。本発明に
よる走査プローブ型顕微鏡装置を用いれば、試料表面と
プローブの光学像の観察によって、試料表面の特定の箇
所にプローブを容易に位置合わせすることができるとと
もに、試料表面の急激な凹凸によってプローブを損傷し
たりすることなく、試料表面の原子レベルの構造を観察
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例による走査プローブ型顕微鏡装置
の模式的な断面図である。
【図2】本発明実施例による走査プローブ型顕微鏡装置
の構成を示す斜視図である。
【図3】図1の装置に使用したプローブの斜視図であ
る。
【図4】本発明の別の実施例による走査プローブ型顕微
鏡装置の要部構成図である。
【図5】走査トンネル顕微鏡の原理を説明するための概
念図である。
【図6】チューブ型のプローブの模式的な斜視図であ
る。
【図7】従来の走査トンネル顕微鏡の一例を示す斜視図
である。
【図8】本発明の走査プローブ型顕微鏡装置の他の支持
構造を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 試料 2 プローブ 3a 第1対物レンズ 3b 第2対物レンズ 4 像面 4a カメラ 5 ハーフミラー 6 集光レンズ 7 光源 9 試料ホルダ 10 zステージ 11 xyステージ 12 防振台 13 圧電素子駆動及び信号検出回路 14 防音・電磁シールドカバー 16 コラム 18 TVモニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松代 弘之 神奈川県横浜市栄区長尾台町471番地 株 式会社ニコン横浜製作所内 (72)発明者 大久保 英昭 神奈川県横浜市栄区長尾台町471番地 株 式会社ニコン横浜製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面を走査するプローブと、該プロ
    ーブ及び前記試料表面を観察するための光学顕微鏡とを
    備えた走査プローブ型顕微鏡装置において、前記プロー
    ブと前記光学顕微鏡とが、別々の支持部材に支持される
    とともに、前記プローブが前記光学顕微鏡の視野内に配
    置されたことを特徴とする走査プローブ型顕微鏡装置。
  2. 【請求項2】 前記光学顕微鏡の対物レンズに貫通孔が
    設けられ、該貫通孔内に前記プローブが配置されたこと
    を特徴とする請求項1記載の走査プローブ型顕微鏡装
    置。
  3. 【請求項3】 前記プローブの支持部材が両持ち梁また
    は片持ち梁の構造をなすことを特徴とする請求項1記載
    の走査プローブ型顕微鏡装置。
  4. 【請求項4】 前記プローブおよび前記走査プローブ型
    顕微鏡を動作させるのに必要な電気系が、防音・電磁シ
    ールド部材で覆われたことを特徴とする請求項1記載の
    走査プローブ型顕微鏡装置。
JP4069401A 1991-03-15 1992-02-20 走査プローブ型顕微鏡装置 Pending JPH0579814A (ja)

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