JP2010510952A - 透明、無色の、チタニアを含まない、ベータ・石英・ガラス・セラミック材料 - Google Patents

透明、無色の、チタニアを含まない、ベータ・石英・ガラス・セラミック材料 Download PDF

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Abstract

本発明は、TiO2、As23、Sb23およびリン酸塩を含まない、透明かつ実質的に無色のβ−石英・ガラス・セラミック材料;前記ガラス・セラミック材料から形成される物品;前記ガラス・セラミック材料の前駆体である、リチウムアルミノケイ酸塩ガラス;ならびに、前記ガラス・セラミック材料および前記ガラス・セラミック材料から形成される物品の製造方法に関する。

Description

本発明は、ガラス・セラミック材料全般、その前駆体ガラス、ガラス・セラミック材料を含む物品、およびガラス・セラミック材料の製造方法に関する。詳細には、本発明は、可視スペクトルにおいて実質的に透明および無色である、主結晶相としてβ−石英を含むガラス・セラミック材料、並びにそれらの前駆体ガラス材料、それらを含む物品、およびそれらの製造方法に関する。
主結晶相としてβ−石英の固溶体を含む、熱膨張率(CTE)の低い、透明なガラス・セラミック材料は、多くの刊行物、特に、W.HoelandおよびG.Beallの非特許文献1に記載されている。このガラス・セラミック材料は、前駆体ガラス(さらに一般には、前記ガラスの構成物質の混合物:このようなガラスの前駆体である、ミネラルチャージ)を加熱処理することによって、一般的に得られ、その組成はLiO2−Al23−SiO2(LAS)系である。前記加熱処理には、核形成段階およびその後の結晶成長段階が含まれる。
β−石英のガラス・セラミックで作られる物品の製造は、通常、3つの連続した主工程を有してなる:
一般的には1550℃〜1750℃で行なわれる、出発原料および/またはガラスカレットなどのバッチ材料を溶融する第1の工程、
得られた溶融ガラスを冷却し、所望の形状へと成形する第2の工程、および
適切な加熱処理を行うことにより、前記成形および冷却されたガラスを結晶化またはセラミック化する第3の工程(上記の核生成および結晶成長の段階を含む)。
さまざまな透明度を有し、実質的に無色の、主結晶相としてβ−石英固溶体を含む、ガラス・セラミック材料が知られている。 例えば、特許文献1〜8は、すべてガラス・セラミック材料に関するものである。特に、現在特許請求の範囲に記載される発明は、特許文献7に記載される発明に対する改良とみなされて差し支えない。前記文献に記載される範囲は広く、言い換えればSiO2についてのものであり、MgO+ZnOの含量に関する特別な教示はされていない。例示された組成のすべてにAs23が含まれ、それらの一部はP25を含む。特許文献7の教示とは対照的に、本発明の発明者らは、明白に、清澄用のAs23を必要とせず、他の基準に加えて、特に、特定の量のMgOおよびZnOを用いることで溶融工程を容易にし、光学的性能を向上させる、組成範囲を見出した。
米国特許第3,252,811号明細書 米国特許第3,977,886号明細書 米国特許第4,093,468号明細書 米国特許第5,017,519号明細書 米国特許第6,750,167号明細書 独国特許出願公開第1,496,497号明細書 特開平6−96460号公報 特開2001−348250号公報
W.Hoeland and G.Beall, "Glass-ceramic technology", Am. Ceram. Soc., Westerville (2002), p. 88-96
実質的に透明で、実質的に無色のガラス・セラミックの現行商品は、可視スペクトルにおいて、望ましくない着色を有する傾向にある。主結晶相としてβ−石英固溶体を含む、透明で、無色のガラス・セラミックが依然として必要とされている。
本発明の第1の態様に従って、主結晶相としてβ−石英の固溶体を含む、実質的に無色、透明のガラス・セラミック材料であって:
Figure 2010510952
から実質的になる、全組成の酸化物基準の重量%で表示された組成を有し、
前記組成が、不可避的な微量を除いて、二酸化チタン、酸化ヒ素、酸化アンチモンおよびリン酸塩を実質的に含まないことを特徴とする、
ガラス・セラミック材料を提供する。
本発明のガラス・セラミック材料の特定の実施の形態にしたがって、前記材料は:
Figure 2010510952
から実質的になる、酸化物に基づいた全組成の重量%で表された組成を有する。
先に具体的に述べた実施の形態であるか否かに関わらず、本発明のガラス・セラミック材料の特定の実施の形態によれば、組成中のMgO、ZnO、SrOおよびBaOの重量%は、(i)MgO+ZnO:2.7〜4.4、および/または(ii)ZnO+BaO+SrO:1〜4、有利には、1〜3.5のようになる。
先に具体的に述べた実施の形態であるか否かに関わらず、本発明のガラス・セラミック材料の特定の実施の形態によれば、その組成は、さらに、不可避的な微量を除いて、ハロゲン化物を含まない。
先に具体的に述べた実施の形態であるか否かに関わらず、本発明のガラス・セラミック材料の特定の実施の形態によれば、その組成は、さらに、不可避的な微量を除いて、ホウ酸塩を含まない。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様のガラス・セラミック材料(上述のガラス・セラミック材料の具体的な実施の形態のものを含むが、それらに限定されない)で作られた物品であり、例えば、料理板、調理器具、電子レンジのプレート、暖炉の窓、防火扉または窓、乾留炉または触媒炉用の覗き窓、レンズ物品、食卓用の食器類または建築要素などが挙げられる。
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様のガラス・セラミック材料(上述の本発明の第1の態様の具体的な実施の形態に従ったガラス・セラミック材料など)の前駆体ガラス材料である。ガラス材料は、上述のガラス・セラミックのものに対応する化学組成を有する。
本発明の第4の態様は、上述の本発明の第1の態様に従ったガラス・セラミック材料(上述の具体的な実施の形態のものを含むが、それらに限定されない)の製造方法であって、
前記ガラス・セラミック材料の前駆体である、リチウムアルミノケイ酸塩ガラス、または、それ自体がリチウムアルミノケイ酸塩ガラスの前駆体である、ミネラルチャージを、セラミック化を確実にする条件下で、加熱処理する工程を有してなり、
前記ガラスまたは前記ミネラルチャージの組成が、上述の本発明の第1の態様のガラス・セラミック材料のものに対応することを特徴とする、
方法である。
本発明の第4の態様の方法の特定の実施の形態では、方法は、次の工程:
(a)リチウムアルミノケイ酸塩ガラスまたはこれらガラスの前駆体であるミネラルチャージを溶融し、その後得られた溶融ガラスを清澄させる工程であって、前記ガラスまたは前記チャージが少なくとも1種類の清澄剤を有効であって過剰ではない量で含むものである工程と、
(b)得られた、前記清澄させた溶融ガラスを冷却すると同時に、それを、目的とする物品の所望の形状に成形する工程と、
(c)前記成形されたガラスをセラミック化する工程と、
を順に有してなり、
前記ガラスまたは前記ミネラルチャージが、溶融の際に、上述の本発明の第1の態様のガラス・セラミック材料のもの(上述のガラス・セラミック材料の具体的な実施の形態のものを含むが、それらに限定されない)に対応する組成を有することを特徴とする。
本発明の第4の態様の方法の特定の実施の形態では、セラミック化は、1000℃未満の温度、有利には950℃未満の温度で、300分以下の時間、行なわれる。
本発明のさまざまな態様の1つ以上の実施の形態は、次の利点を1つ以上有する:主結晶相としてβ−石英固溶体を有する、非常に透明で、きわめて無色のガラス・セラミック材料を製造することができる。
本発明のさらなる実施の形態は、ある程度、詳細な説明および添付の特許請求の範囲に記載され、またある程度は詳細な説明から導かれ、あるいは本発明の実施によって習得できる。前述の概要および後述の詳細な説明は、単に例示および説明の目的であって、開示される通りに本発明を限定するものではないものと理解されたい。
本明細書に取り込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の特定の実施の形態を例証し、また、その記述と共に、限定はしないが、本発明の原理を説明する役割をするものである。
(i)本発明の1つの実施の形態に従ったガラス・セラミック材料(下記実施例4)、(ii)比較実施例(Keralite(登録商標)、すなわち下記TiO2を含むガラス・セラミック材料)の透過曲線。
後述の本発明は、現在知られている最良の実施の形態における本発明の実施可能な教示として提供される。この目的で、当業者は、本発明の有益な結果を得つつ、本明細書に記載される本発明のさまざまな実施の形態に多くの変更をなしうることを認識および理解するであろう。本発明の所望の利益の一部は、本発明の一部の特徴を選択することにより、他の特徴を使用せずに得られうることも明白であろう。したがって、当技術分野に従事する者は、本発明には多くの変更および適合が可能であり、特定の環境ではそれが望ましくさえあり、それらが本発明の一部であることを認識するであろう。よって下記説明は、本発明の原理の例証として提供されるものであって、それらを限定するものではない。
他に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される、成分の重量%、寸法、および、熱膨張率(CTE)などの特定の物理的性質についての値は、すべての場合において、「約」という用語によって修正されるものと解されるべきである。本明細書および特許請求の範囲で使用される正確な数値は、本発明の追加の実施の形態を形成することもまた理解されるべきである。実施例に開示した数値の正確性が確保されるように努めている。しかしながら、任意の測定された数値は、個別の測定技術に見られる標準偏差に起因する誤差を、本質的に含みうる。
本明細書で用いられるように、単数形の「a」、「an」および「the」は、その文脈が明らかに別記しない限り、複数形の指示対象も含む。よって、例えば、単数形の「ガラス・セラミック材料」についての記載は、その文脈が明らかに別記しない限り、このようなガラス・セラミック材料を2種類以上有する実施の形態を含む。
範囲は、本明細書では、「約」1つの特定の値から、及び/または「約」別の特定の値までとして表されうる。このように範囲が表される場合、別の実施の形態には、1つの特定の値から、及び/または、別の特定の値までが含まれる。同様に、前述の「約」を用いて、値が近似値として表される場合、その特定の値が別の実施の形態を形成するものと理解されよう。さらには、各範囲の終点は、もう1つの終点と関係する場合、及び、もう一方の終点とは独立している場合の両方において、重要であるということも理解されよう。
本明細書では、成分の「重量%」または「重量パーセント」もしくは「重量による%」は、特に異なる記載がない限り、その成分が含まれる組成物または物品の総重量に基づいている。
本発明は、透明で実質的に無色のβ−石英のガラス・セラミック材料の分野に関する。さらに詳細には、本発明は、TiO2、As23、Sb23およびリン酸を含まない、新規の透明で実質的に無色のβ−石英のガラス・セラミック材料;新規ガラス・セラミック材料で作られた物品;新規ガラス・セラミック材料の前駆体である、リチウムアルミノケイ酸塩ガラス;および新規ガラス・セラミック材料および新規ガラス・セラミック材料から作られた物品の製造方法を提供する。
所望の微細構造(ガラス質のマトリクスにおけるβ−石英およびβ−ユークリプタイトの固溶体(以下本文中では単に「β−石英」と記載))を得ることを目的として、前記微細構造の最適化(熱膨張率(CTE)の低い、半透明または透明のガラス・セラミック材料を得るための晶子のサイズおよび分布に関する最適化)と共に、通常は、有効な核生成剤が用いられる。一般に、TiO2および/またはZrO2 が核生成剤として用いられる。ZrO2単独では溶解限度の量で使用しなければならないことから(結果的に、前駆体ガラスの溶融のための高温、均一ではない核生成、加工の間の失透の危険性、および/またはガラス・セラミック中の残留ZrO2濃度の高い領域につながる)、TiO2が、断然、最も幅広く用いられる核生成剤である。いずれにしても、ZrO2はTiO2と比較して非常に効率の劣る核生成剤である。それは、セラミック化に非常に長い時間を要する。
さらには、「実質的に無色」の透明なガラス・セラミック材料を得るためには、ガラス・セラミック材料における着色部位の存在、すなわち、可視光線に晒された場合に電子遷移を受けるであろうイオンまたはイオン対の存在を避けなくてはならない。しかしながら、「実質的に無色」という用語は、「本質的に実質的に無色」(上述のように、イオンまたはイオン対が存在しないことによる)および材料内に補色を顕色させることによって「着色を相殺することに起因する実質的に無色」の両方に解されるべきであるということに留意されたい(例えば米国特許第4,093,468号明細書の教示を参照のこと)。
ガラス・セラミックにおける着色を与える化合物の存在は、原料への化合物またはそれらの前駆体の取り込みを妨げるか最小限に抑えることによって回避できるように思われるが、特定の必要成分がガラス・セラミック材料中の着色種と相互に作用しうる場合には、状況はさらに複雑になる。たとえば、ガラス・セラミック中にFe23が単独で、最大で300ppmの量で存在する(TiO2不存在)ことは、一般に、着色に関しては懸念事項ではないことが知られている。しかしながら、Fe23とTiO2の並存は、特徴的な黄色がかった色合いを生じる。特に、商用名「KERALITE」として本出願人から市販されるもの(欧州特許出願公開第0437228号明細書に記載)、商用名ROBAX(登録商標)としてSchott AG社から市販されるもの、および商用名NEOCERAM(登録商標)N-0として日本電気硝子株式会社から市販されるもののように、そうでなければ非常に透明であることが知られている多くの商品が、それらの組成中におけるFe23とTiO2の並存に起因して、この黄色がかった着色を保持している。Fe23含量を、特に150ppm未満に低減させるのに用いられる原料の処理は、費用のかかる工程であり(特開2001−348250号公報に記載される選択肢)、TiO2が最良の性能を発揮する核生成剤であり、適当な時間スケールでセラミック化を生じさせることは、上記の通りである。上記技術的問題を克服する、すなわち、黄色がかった着色のない、透明なβ−石英のガラス・セラミック材料を得るため、可能性のあるアプローチの1つは、製造に際し、TiO2なしで済ませることであると思われる。
上述のようなβ−石英のガラス・セラミックでできた物品の製造方法の第1の溶融工程の終わりにおいて、気体状の介在物をガラスの溶融塊から可能な限り効率的に除去することが適切であることにも留意されたい。この目的で、少なくとも1種類の清澄剤を使用する。現在、最も幅広く用いられている清澄剤はAs23および/またはSb23である(上記参照)。CeO2、SnO2およびハロゲン化物などの他の化合物の使用についても述べてきた。As23、ハロゲン化物およびSb23は、その毒性を考慮して、避けることが有利であり、ハロゲン化物およびSb23は非常に揮発性でもあり、当業者は、大抵の場合、SnO2の使用に頼るであろう。さらには、CeO2は、TiO2の存在下で強い黄色の着色を生じさせることが知られており、発明者らは、TiO2と、SnO2(およびNb25)との相互作用の結果として、この同一の問題も観察した。
結果として、単にTiO2とFe23との相互作用に起因するのみならず、TiO2と、SnO2、CeO2およびNb25などの非毒性の清澄剤との相互作用にも起因して、実質的に無色透明のガラス・セラミックの組成において、TiO2の存在を回避することが有利であることが発明者にとって明らかとなった。
したがって、本発明者らが取り組む技術的問題は、透明かつ実質的に無色のβ−石英のガラス・セラミック材料およびガラス・セラミック物品(低熱膨張率を有する)を、TiO2および望ましくない清澄剤(As23およびSb23)を含まない前駆体ガラスから、溶融および/または成形の間に生じる失透の問題なしに、適切なセラミック化時間内に得ることである(驚くべきことに、これを6時間未満で達成可能であることが判明した)。
この技術的問題に関して、本発明者らは、その組成にZrO2およびSnO2の両方、および随意的に、CeO2および/またはWO3および/またはMoO3および/またはNb25が含まれる、特に対象とするガラス・セラミック材料の群を特定した。
よって、第1の態様では、本発明は、主結晶相としてβ−石英の固溶体を含む、実質的に無色透明のガラス・セラミック材料であって、その組成が、下記:
Figure 2010510952
から実質的になる、酸化物基準の重量%で表示され、
前記組成が、不可避的な微量を除いて、二酸化チタン、酸化ヒ素、酸化アンチモンおよびリン酸塩を実質的に含まない、
ガラス・セラミック材料を提供する。
「透明」および「実質的に無色」の概念は、当業者には良く知られている。それらは、下記のように定量化される。しかしながら、示される値には依然として振幅があり、厳密に解釈すべきではない。
3mmの厚さの、本発明のガラス・セラミック材料のサンプルは、一般に、標準光Cを用いて測定した「CIE 1976 Lab」色空間(国際照明委員会、1976年)におけるL*(明度)、a*およびb* (色座標)のパラメータについて下記の値を有している:
Figure 2010510952
当業者は、一般に、高い透明度には90を超えるL*値が必要であり、わずかに黄色がかった着色には2未満のa*値が必要であることを認識している。12を超えるb*値は、一般に、乳白色の外観と関係することが観察されている。
さらには、本発明のガラス・セラミック材料の熱膨張率(CTE)(25℃〜700℃で測定)は、一般に、−10×10-7-1 〜+15×10-7-1の範囲である。
主結晶相はβ−石英固溶体であることが望ましい。本発明のガラス・セラミック材料では、残留するガラス質の相は一般に35重量%未満に相当し、β−石英固溶体は結晶化画分の少なくとも65%に相当する。本発明のガラス・セラミック材料の結晶相(TiO2が存在しないにもかかわらず、透明なβ−石英のガラス・セラミック材料)に関しては、非限定的な方式で、次のことがいえる。この結晶相は、一般に、主に、(a)少なくとも80重量%の、β−石英またはβ−ユークリプタイトの固溶体、(b)2重量%〜14重量%の立方体のZrO2、および(c)最大で2重量%のβ−スポジュメンによって構成される。
結晶の大きさは、一般に、70nm未満である。
組成は、上記リストに掲げた化合物(酸化物)「から実質的になる」ことが望ましい。これは、本発明のガラス・セラミック材料において、リストに挙げられた化合物(酸化物)の合計が少なくとも95重量%、一般には少なくとも98重量%に相当することを意味する。しかしながら、前記ガラス・セラミック材料中の他の化合物の少量の存在を、完全に排除することはできない。
本発明のガラス・セラミック材料の重量組成に関しては、非限定的な次の点について言及することができる:
(1)課題となるガラス・セラミック材料は、LAS系である。それらは、β−石英固溶体の本質的構成物質として、Li2O、Al23およびSiO2を含み、それらに透明性と低い熱膨張率を与える。必須構成物質に望ましい範囲は狭い。それは、次のように決定される:
(A)最終製品の特性(高い透明度と低い熱膨張率)、およびその最終製品を得る方法の実施手段(溶融工程およびセラミック化時間)に関する利点を得るため、SiO2含量は66重量%〜72重量%に制限される。SiO2含量は、67.7重量%〜70.7重量%が有利である;
(B)Al23含量は、18.3%〜24%に制限され、18.7%〜21%が有利である。前記Al23含量が低すぎる場合(<18.3%)、最終製品の透明度は低下しすぎ、セラミック化は遅くなりすぎる。前記Al23含量が高すぎる場合(>24%)、溶融およびセラミック化を行うことは困難であり、前記ガラスの形成の間に失透現象が見られる;
(C)Li2O含量は、2.2%〜5%に制限され、2.5%〜3.6%が有利である。最小限の2.2%のLi2Oは、低い熱膨張率を有する透明なガラス・セラミックを得るため、および、セラミック化時間を最小限に抑えるために必要である。Li2O含量が高すぎる場合には、失透現象が見られうる。
(2)本発明のガラス・セラミック材料は、核生成剤としてZrO2を含む。それらがTiO2を含まないことが想起されよう。そのZrO2含量は、2重量%〜5重量%の範囲であり、2.4重量%〜3.8重量%の範囲が有利である。
(3)SnO2は、本発明のガラス・セラミック材料の本質的な構成物質である。それは2つの主要な機能を発揮する:核生成剤の機能(この機能に関して、ZrO2およびSnO2の顕著な複合作用が強調される)、および清澄剤(本発明のガラス・セラミック材料が酸化ヒ素および酸化アンチモンを含まないことが想起されよう)。SnO2含量が低すぎる場合(≦0.4%)、核生成および再清澄に関する問題に直面する;SnO2含量が高すぎる場合(>3%)、溶融を行うことは困難であり、失透の問題に直面しうる。前記SnO2含量は、0.6%〜1.8%の範囲が有利である。1.8%を超えるSnO2含量では、灰色〜黄色がかった着色が顕色し始める。それは、前記含量が増加するに連れて強くなる(レドックス状態へと変化した結果として)。
(4)CeO2、WO3、MoO3、およびNb25は、単独でまたは組み合わせて、清澄剤として使用して差し支えない。CeO2+WO3+MoO3の量は、1%未満に制限される。その量を超えると、黄色い色合いの外観が観察されうる。CeO2および/またはWO3および/またはMoO3の量は、0.6%未満に制限することが有利である。Nb25は、3%までの量で使用して差し支えなく、わずか1%までが有利である。CeO2+WO3+MoO3+Nb25の量は、これも黄色い色合いの外観に起因して3%までに制限される。
(5)ZnO、並びに、MgO、SrOおよびBaOの群に由来するアルカリ土類金属酸化物は、ガラスの溶融性質を最適化するのに用いられる(可能性のある)、バッチ構成物質である。一般に、それらはガラス・セラミック、特に、その微細構造、晶子の大きさ、および残留するガラス相にも影響を与える。それらは、同様に、着色および透明度にも影響を与えうる。
比較的大きいイオンからなるBaO(0〜2.5重量%)およびSrO(0〜2.5重量%)は、通常、結晶化の間に晶子相には入らない。それらは、完全に、残留するガラス相に残り、したがってその量は増大し、その結果として、ガラス・セラミックの熱膨張率(CTE)が増大する。したがって、それらの量は、それぞれ2.5重量%を超えることはできない。BaOおよびSrOがそれぞれ1重量%未満でガラス・セラミックに存在することが好ましい。しかしながら、それらは、有利な状態で、ガラス相の屈折率に影響を与え、より高い光学的透明度をもたらす。
一方、MgO(0〜3重量%)およびZnO(0〜4重量%)は、少なくともある程度は晶子の相に入る。残留するガラス相におけるそれらの影響は、それらの総量が制限される場合には、あまりはっきりしない。本発明者らは、ZnOの添加が熱膨張率を低くしうる一方で、MgOの添加が熱膨張率(CTE)を増大させることを観察した。彼らはまた、MgOの添加が一般に結晶の大きさを増大させ、最終的には光学的透明度を低下させることも観察した。それらの理由から、MgOおよびZnOの総量は4.6重量%の限度を超えてはならない。一方、MgOおよびZnOの総量の2.2重量%の最小値は幾つかの理由から必要とされている。MgOおよびZnOは、ガラスを溶融しやすくする。特に、それらは比較的大量のZrO2(≧2重量%)の溶解を補助する。これなしでは、溶融ガラスの液体の温度は、上記結果を伴って、非常に上昇する。さらには、MgOおよびZnOは、結晶相におけるそれらの効果(上述した)のためには、少なくともこの量が必要とされる。したがって、それらは、熱膨張率(CTE)に影響を及ぼす;すなわち、それらが存在しないか、非常に少量しか存在しない場合には、このことが、結果的に、熱膨張の大きすぎるマイナスの値につながりうる。最終的に、本発明者らは、十分な量のMgO+ZnOを含まないサンプルをセラミック化すると、ひび割れを生じうることも観察した。したがって、本発明のガラス・セラミック材料は、MgOおよびZnOを次の重量%で含む:
MgO 0〜3
ZnO 0〜4、かつ、MgO+ZnO:2.2〜4.6
かつ、有利には、MgO+ZnO:2.7〜4.4
一方、ZnOは、通常、完全にではなく、一部のみが結晶相に入り込むことが知られている。結晶相に入らない、一部のZnOは、SrOおよび/またはBaOによって生じうるのと同様の影響を伴って、残留ガラス相中に残る。したがって、それらの連成衝撃(coupled impact)に起因して、ZnO、SrOおよびBaOの合計量もまた制限されることが好ましい。本発明者らは、最適な透明度および熱膨張率(CTE)を有するガラス・セラミック材料を得るためには、ZnO+SrO+BaOの合計量が4重量%を超えないことが好ましいことを見出した。本発明者らはまた、融解性、均質な微細構造、および表面のひび割れ防止に関して、少なくとも1重量%のZnO+SrO+BaOが存在することが好ましいことも見出した。よって、本発明のガラス・セラミック材料は、ZnO、SrOおよびBaOを次の重量%で含む:
ZnO:0〜4(かつ、MgO+ZnO:2.2〜4.6)
SrO:0〜2.5
BaO:0〜2.5、かつ、好ましくはZnO+SrO+BaO:1〜4
かつ、非常に好ましくはZnO+SrO+BaO:1〜3.5
その量は、次の2つの条件:(i)MgO+ZnO:2.7%〜4.4%、および(ii) ZnO+BaO+SrO:1.0%〜3.5%のうち、少なくとも1つ、望ましくは2つを満たすことが、特に好ましい。
利点および特に好ましい条件は、熱膨張率(CTE)、結晶相、およびセラミック化時間の最適化を可能にする。
(6)本発明のガラス・セラミック材料に、Li2O以外のアルカリ酸化物、すなわち、Na2OおよびK2Oを、0または1重量%未満で含めてもよい。Na2Oは、存在しないことが好ましい。K2Oは、単独で、0〜0.8重量%の範囲の量で存在することが好ましい。セラミック化後、アルカリイオンはガラス質の相に残る。それらは、熱膨張を増大させ、したがって、低すぎる熱膨張率を相殺するのに使用して差し支えない。それらはまた、溶融温度を低下させ、ZrO2を溶解し易くする、すなわち、本方法の遂行を簡単にする。多すぎる量で使用した場合は、熱膨張が大きすぎ、核生成は調節が難しくなるであろう。
(7)本発明のガラス・セラミック材料は、Gd23, La23, Ta25およびY23など(このリストは包括的ではない)の酸化物基準の重量%で、4%まで含んで差し支えない。これらの酸化物は、残留するガラス質相の屈折率を増大させることによって、前記ガラス・セラミックに着色することなく、ガラス・セラミック材料の透明度および光学的外観を向上させうる。多すぎる量で用いた場合には、熱膨張は増大し、屈折率は非常に高くなり、溶融を行うことは困難である。本発明のガラス・セラミックは、前記酸化物をわずか2重量%までの量で含むことが有利である。バリエーションでは、本発明のガラス・セラミックは、Ta25を含まない。
(8)本発明のガラス・セラミック材料内における黄色に対する補色的な着色剤の存在は、除外されない。これは、所望の目的:黄色がかった色合いの抑制(補色による)を達成することを意図している。特に、Nd23および/またはEr23を使用して差し支えない。Nd23およびEr23は、0〜0.1%に、量を制限して使用しなければならず、0〜0.08%が有利であり、0〜0.06%が非常に有利である。したがって、例えば、多すぎるNd23を使用した場合は、青みがかった色合いが観察され、多すぎるEr23を使用した場合は、ピンクがかった色合いが観察される。
(9)最後に、本発明のガラス・セラミック材料中のFe23の量は、400ppm未満であることが判明した。明らかに、Fe23は、ガラスの構成成分として意図的に加えられない。というのも、存在する場合には、それは使用する原料中の一般的な不純物であるという理由による。本発明の文脈では、Fe23はTiO2を干渉し得ない。しかしながら、さらに一般的には、鉄の存在を最小限に抑えることが好ましいが、この理由から、用いる原料を精製しなければならない場合には、それには、多くの場合、費用がかかりすぎることが判明するであろう。さらには、Fe23の存在は、一部の事例では、溶融および清澄に関して有利であることが判明するであろう。本発明のガラス・セラミック材料は、300ppm未満のFe23しか含まないことが有利であり、200ppm未満のFe23しか含まないことがさらに有利である。
その組成について述べてきた、本発明のガラス・セラミック材料は、特徴として、不可避的な微量を除いて、次のものを含まない:(i)TiO2 (それによってFe23、SnO2、CeO2およびNb25との相互作用、および黄色がかった着色の発現を回避する);(ii)酸化ヒ素および酸化アンチモン(それによって、最終製品中のそれらの毒性を回避する);および(iii)リン酸塩(それによって均質性および透明性を確保する)。
したがって、本発明のガラス・セラミック材料の製造においては、これらの化合物のいずれも、原料として意図的に加えられない。
非常に驚いたことに、前記化合物の作用なしに本明細書の冒頭に記載した仕様(実質的に無色透明のβ−石英のガラス・セラミック材料、最終的に6時間を越えないセラミック化処理)を満たすガラス・セラミック材料の製造を可能にした。
上記有利な範囲は、互いに独立しているとみなされるべきであり、また、互いに組み合わせるものともみなされるべきである。
本発明のガラス・セラミック材料は、次の重量組成(すなわち、酸化物基準の重量%として表された、それらの組成)を有することが有利であり、(上記定義したとおり)次から実質的になる:
Figure 2010510952
上記一般組成および上記有利な組成については、さらに、(a)MgO+ZnO:2.7〜4.4;および/または(b)ZnO+BaO+SrO:1〜4(実際には、さらに好ましくは:1〜3.5)を有することが好ましい。
本発明のガラス・セラミック組成には、不可避的微量を除いてハロゲン化物を含まないことも有利である。ハロゲン化物の使用に関連する問題(腐食、汚染)については、先に述べてきた。したがって、本発明のガラス・セラミック材料の製造では、原料としてのハロゲン化物は加えないことが有利である。
本発明のガラス・セラミック組成には、不可避的微量を除いてホウ酸塩を含まないこともまた有利である。ホウ酸塩の存在は、乳白色化を促進する。したがって、本発明のガラス・セラミック材料の製造では、原料としてホウ酸塩を加えないことが有利である。
本発明のガラス・セラミック材料の組成は、不可避的微量を除いて、ハロゲン化物およびホウ酸塩の両方を含まないことも、非常に有利である。
第2の態様では、本発明は、上述のガラス・セラミック材料でできた物品を提供する。その物品は、例えば、料理板、調理器具、電子レンジのプレート、暖炉の窓、防火扉または窓、乾留炉または触媒炉用の覗き窓、レンズ物品、食卓用の食器類または建築要素などであって差し支えない。
第3の態様では、上述のように、本発明のガラス・セラミック材料の前駆体である、リチウムアルミノケイ酸塩ガラスを提供する。本発明のガラス・セラミック材料用の上記組成を有するリチウムアルミノケイ酸塩ガラスは、新規である。
第4の態様では、本発明は、上述のように、本発明のガラス・セラミック材料の製造方法を提供する。通常、本方法は、前記ガラス・セラミックの前駆体である、リチウムアルミノケイ酸塩ガラス、または、それ自体がこのようなリチウムアルミノケイ酸塩ガラスの前駆体であるミネラルチャージを、セラミック化を確実にする条件下で加熱処理する工程を有してなる。このようなセラミック化処理はそれ自体既知である。
本発明にしたがって、本明細書において上記定義される本発明のガラス・セラミックのものに対応する重量組成を有するガラスまたはミネラルチャージについて、それを行う。
第5の態様では、本発明は、本発明に従ったガラス・セラミックでできた物品の製造方法を提供する。その方法は、一般に、次の3つの連続した工程:
(i)リチウムアルミノケイ酸塩ガラス、またはこのようなガラスの前駆体であるミネラルチャージを溶融し、その後、得られた溶融ガラスを清澄させる工程であって、前記ガラスまたは前記チャージが少なくとも1種類の清澄剤を有効量であって過剰ではない量で含むものである工程と、
(ii) 得られた、前記清澄させた溶融ガラスを冷却すると同時に、それを、想定される物品の所望の形状に成形する工程と、
(iii)前記成形されたガラスをセラミック化する工程と、
を有してなる。
特徴として、本発明によれば、課題とする前記ガラスまたは前記ミネラルチャージは、本明細書に上記定義される本発明のガラス・セラミックのものに対応する重量組成を有する。
上記形成(成形)は、ローラーの間で圧延して、シートを得る工程からなることが有利である。
本課題のガラスは、6時間未満、一般には5時間以下の時間、セラミック化されうる。
成形された、前記ガラスのセラミック化は、300分以下の時間、1000℃未満の温度で行われ、950℃未満が有利である。驚くべきことに、このように短い時間のセラミック化で、本発明のガラス・セラミック材料を得ることが可能であることが判明した。
上記セラミック化時間は、650℃から最高セラミック化温度(1000℃未満)に達するまでの時間に相当し、650℃〜950℃であることが有利であり、そのセラミック化時間は核生成および結晶の成長の段階に相当する。
このセラミック化時間は、650℃の温度に達するまでの時間、および最高温度からの冷却時間を除外している。
セラミック化時間は300分以下でありうることが判明した。それは、240分以下、または200分以下でありうる。驚くべきことに、これらの短いセラミック化時間で本発明のガラス・セラミック材料を得ることができることが示された。
本発明の方法の有利なバリエーションに照らして、650℃が1時間未満で達成され(成形された製品の温度から)、30分未満であることが非常に有利であり、および/または得られたガラス・セラミックが、10分未満で最高セラミック化温度から少なくとも40℃冷却される。
当業者は、本発明の利点を完全に認識するであろう。本発明を、以下の実施例および添付の図面によって例証する。
前駆体ガラスの1kgバッチを調製するため、原料を、下記表1の第1部分に記載される割合(酸化物で表示)で、注意深く混合した。
混合物を溶融用の白金るつぼに入れた。充填したるつぼを、1400℃まで予熱した加熱炉に入れた。それらを以下の溶融スケジュールに供した:温度傾斜 2℃/分の加熱速度で1650℃まで;次に、その1650℃の温度を12時間維持した。
るつぼを加熱炉から取り出し、溶融ガラスを予熱した鋼板に注いだ。それを4mmの厚さになるまで圧延した。約20cm×30cmの板ガラスが得られた。それらを650℃で1時間アニーリングした後、徐々に冷却した。
得られた板ガラスは、概ね、きわめて透明であった。
次に、下記表1の第2の部分に示すように、それらをセラミック化処理に供した(結晶化=核生成+結晶成長)。さらに正確には、板ガラスを急速に650℃まで加熱し、650℃から780℃まで20℃/分の速度で加熱し、その780℃の温度で2時間放置し、次いで780℃から880℃(または900℃)まで10℃/分の速度で加熱し、最後に、880℃(または900℃)の温度で1時間放置した。
得られたガラス・セラミック材料は、表1の第3の部分に示す特性を有していた。
色および透過性を定性的および定量的に決定した。「無色」という用語は、次のCIE Lab色空間のことをいう:
Figure 2010510952
(3mmの厚さのサンプルに、標準光Cの下で透過させることにより測定)。「透明」という用語は、550nm〜800nmの波長で、3mmの厚さのサンプルの少なくとも80%の透過に相当する。「非常に透明」という用語は、380nm〜800nmの波長で同様のものに相当する。すべての「無色の」サンプルについての色点を表1に示す。
熱膨張率(CTE)は、水平増加率(horizontal dilatometry)で測定した(25℃〜700℃)。
結晶サイズ(セラミック化によって生じた)は、研磨したガラス・セラミックのサンプルを用いて、従来のX線回折を使用して決定した(φ=32mm;e=3mm)。そのサイズを、当業者によく知られるリートベルト解析(Rietveld analysis)による回折図形(X線)から算出した。表示値を10未満で四捨五入した(例えば、34は30に、57は60に対応する)。
本発明の利点は、表1に含まれるデータによって確認された。
実施例C1およびC2(比較用に与えられた)はそれぞれ、米国特許第6,750,167号明細書の実施例3および6に対応している。その実施例の組成は、特に、リン酸塩(P25)を含むことから、本発明の組成には対応していない。得られたガラス・セラミック材料は乳白色をしており、また、望ましくない、非常に低い熱膨張率を有する。乳白色化は、主として、大きいβ−石英結晶の存在の結果であるが、加熱処理後の望ましくないβ−スポジュメン結晶の存在にも起因する。
実施例C3もまた、比較の目的で与えられる。SiO2含量を制限したため、乳白色化の開始が観察された。
実施例4、6、および7のガラス・セラミック材料が好ましい。
実施例3は1重量%のCeO2の添加を例証している。得られたガラス・セラミックは比較的高い熱膨張率(CTE)を有するが、顕著な着色なく、依然として透明を維持していた。
実施例2は、2.9%のNb25の添加を例証している。したがって、琥珀色の着色の開始が観察された。
実施例1は、比較的大量のSnO2の使用を例証している。着色および熱膨張率(CTE)に影響を与える。これは、本発明のガラス・セラミック材料が、せいぜい1.8重量%までのSnO2を含むことが有利であることを裏付けている。
実施例5は、比較的大量のSiO2を用いて、良好な結果が得られることを示している。よって、比較的大きい結晶が観察される(60nm:それらは、それでもなお、依然として小さい)。
添付の図面は、3mmの厚さのガラス・セラミックのサンプル2枚の透過曲線(ナノメートルで表される波長の関数として、%で表示される)を示している。ガラス・セラミックの板から直径32mmのディスクを切断することにより、サンプルを調製した。次に、ディスク(4mmの厚さ)を3mmの厚さまで、両面を研磨した。1つのサンプルは、実施例4(図中の“4”)の材料であり、もう一方は比較用のガラス・セラミック材料(図中の“C”:欧州特許出願公開第0437228号明細書に開示される、TiO2含有ガラス・セラミック材料「Keralite」)であった。
本発明はまた、特定の説明および具体的な実施の形態に関して詳細に述べてきたが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の幅広い範囲から逸脱することなく、多くの変更が可能であることから、そのように制限されるとみなされるべきではないものと解されるべきである。
Figure 2010510952

Claims (5)

  1. 主結晶相としてβ−石英の固溶体を含む、実質的に無色、透明のガラス・セラミック材料であって、下記:
    Figure 2010510952
    から実質的に成る、酸化物基準の重量%で表示される組成を有し、
    不可避的な微量を除いて、二酸化チタン、酸化ヒ素、酸化アンチモンおよびリン酸塩を実質的に含まない、
    ガラス・セラミック材料。
  2. 下記:
    Figure 2010510952
    から実質的に成る、酸化物基準の重量%で表示される組成を有することを特徴とする、請求項1記載のガラス・セラミック材料。
  3. 前記組成中のMgO、ZnO、SrOおよびBaOの重量%が、(i)MgO+ZnO:2.2〜4.6、および/または(ii)ZnO+BaO+SrO:1〜4になることを特徴とする請求項1または2記載のガラス・セラミック材料。
  4. 前記組成が、さらに、不可避的な微量を除いて、ホウ酸塩を含まないことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のガラス・セラミック材料。
  5. 料理板、調理器具、電子レンジのプレート、暖炉の窓、防火扉または窓、乾留炉または触媒炉用の覗き窓、レンズ物品、食卓用の食器類または建築要素からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜4いずれか1項記載のガラス・セラミック材料で作られる物品。
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