JP2010502548A - 単分散単一壁カーボンナノチューブの集団およびこの集団を提供するための関連の方法 - Google Patents

単分散単一壁カーボンナノチューブの集団およびこの集団を提供するための関連の方法 Download PDF

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Abstract

本教示は、直径、電子型、および/またはキラリティーの点で、実質的に単分散である単一壁カーボンナノチューブの集団を供給する方法を提供する。同様に、これによって供給された単一壁カーボンナノチューブ集団、およびこのような集団を含んでいる製品も提供される。本教示はまた、構造的におよび/または特徴的に不均質なカーボンナノチューブを分離するために用いることができる1またはそれ以上の方法および/または系にも関する。

Description

米国政府は、the National Science Foundationからの補助金番号EEC−0118025およびDMR0134706、ならびにthe Department of Energyからの補助金番号DE−FG02−003R54810による本発明に対する一定の権利を有し、これらの補助金のすべてはNorthwestern Universityに対するものである。
(序論)
カーボンナノチューブは最近、ナノスケール寸法および顕著な材料特性、例えば弾道性電子伝導、高い電流密度におけるエレクトロマイグレーション効果からの免疫性、および透明導電によって、幅広い注目を集めている。しかしながら、合成されたままのカーボンナノチューブは、その直径およびキラル角度において様々に変わり、これらの物理的バリエーションは、これらの電子的および光学的挙動における驚くべき変化を結果として生じる。例えばすべての可能性のある単一壁カーボンナノチューブ(SWNT)の約1/3は金属の特性を示すが、一方、残りの2/3は半導体として作用する。さらには、半導体性SWNTのバンドギャップは、管直径とは逆の規模である。例えばレーザーアブレーション法によって製造された半導体性SWNTは、直径が約11Å〜約16Åの範囲にあり、約0.65eV〜約0.95eVで変わる光学的バンドギャップを有する。現在入手可能な合成されたままのSWNTの不可避の構造的な不均質性は、高性能電界効果トランジスター、光電子近赤外エミッター/デテクター、化学センサー、集積回路における相互接続用材料、および複合材料中の導電性添加剤としてのこれらの幅広い適用を妨げる。したがってSWNTの使用は、多量の単分散SWNTを生産するか、あるいはまた得ることができるようになるまで制限されるであろう。
いくつかのSWNT精製方法が最近示されているが、広い範囲の直径およびバンドギャップにわたる直径およびバンドギャップ選択性、電子型(金属対半導体)選択性、およびスケーラビリティーを同時に達成する先行技術は報告されていない。さらには大部分の技術は、有効性において限定されており、多くは直径約11Å未満のSWNTに感受性があるだけである。このことは重要な制限であるが、その理由は、電子デバイスにとって最も重要なSWNTは一般に、直径がより大きいものであり、これらは抵抗性のより小さい接触(すなわち減少したショットキー障壁)を形成するからである。誘電泳動および制御された電気破壊の方法は、どちらもスケーラビリティーにおいて制限されており、電子型に感受性があるだけである(直径にもバンドギャップにも感受性がない)。さらには、ジアゾニウム塩と金属性SWNTとの選択的化学反応は、7〜12Å直径範囲におけるSWNTについて証明されているだけであり、この方法は、直径およびバンドギャップ選択性を与えない。より問題が多いことに、この化学はまた、ナノチューブ側壁の共有結合性劣化を結果として生じる。これに加えて、有機溶媒中のアミン末端基界面活性剤の使用は、92%のみ半導体性であるサンプルの製造に限定されており、この技術は、約10Åまたはそれ以下の直径を有するSWNTへ適用された場合のみ成功であった。同様に、直径および電子型選択性は、アニオン交換クロマトグラフィーを用いて観察されているが、このような研究方法は、直径7〜11Åの範囲のDNAの特異的オリゴマーによってラップされたSWNTについてのみ証明されている。
(要旨)
前記のことから考えて、具体的に直径、バンドギャップ、キラリティー、および/または電子型(金属性対半導体性)に関して、これらの構造および/または特性において実質的に単分散であるカーボンナノチューブを含む組成物を提供することが、本教示の1つの目的である。このような実質的に単分散のカーボンナノチューブを提供するために、本教示はまた、構造的におよび/または特徴的に不均質なカーボンナノチューブを分離するために用いることができる1またはそれ以上の方法および/または系にも関しており、これによって、上に概略が示されたものを含む先行技術の様々な欠陥および短所に取り組んでいる。
本教示の1またはそれ以上の実施形態は、あるいくつかの目標に合致しうるが、一方、1またはそれ以上のほかの実施形態は、あるいくつかのほかの目標に合致しうることが、当業者によって理解されるであろう。各目標は、そのすべての点において、本教示のすべての実施形態に等しく適用されるわけではない。こういう次第であるから、次の目的は、本教示のいずれか1つの実施形態に関して、別の方法で考察することができる。
直径または長さ寸法とは無関係に、様々なナノチューブ生産技術と適合性があり、かつ実際的なサイズ−規模での分離を結果として生じる、カーボンナノチューブ分離のための方法および関連系を提供することが、本教示のもう1つの目的になりうる。
直径および/またはキラリティーとは無関係に、電子型の関数としてのカーボンナノチューブ分離のための方法および関連系を提供することが、本教示のもう1つの目的になりうる。
キラリティーおよび/または電子型とは無関係に、直径の関数としてのカーボンナノチューブ分離のための方法および関連系を提供することが、本教示のもう1つの目的になりうる。
比直径および/または電子型と関連しうる、キラリティーの関数としてのカーボンナノチューブ分離のための方法および関連系を提供することが、本教示のもう1つの目的になりうる。
ある範囲の表面活性成分を提供すること、およびこれらのナノチューブが構造、および/または非限定的にキラリティー、直径、バンドギャップ、および/または電子型を包含する特性の関数として分離されうるように、この1つまたは複数の表面活性成分およびカーボンナノチューブの不均質サンプルによって形成されたこれらの複合体の浮遊密度における差異を作り変えるためのこれらの使用を提供することが、本教示のもう1つの目的になりうる。
現存の自動操作と共に用いることができ、かつ商業的に有用な量の生産のために一定の割合に調整することができるこのような分離方法および系を提供することが、本教示のもう1つの目的になりうる。
本教示のほかの目的、特徴、および利点は、概要、およびあるいくつかの実施形態の次の記載から明白であろう。これらは、カーボンナノチューブの生産および特性、および関連分離技術の知識がある当業者には容易に明らかになるであろう。このような目的、特徴、利点、および長所は、単独で、または本明細書に組み込まれた引例を考慮して、添付実施例、データ、図面、およびそこから引き出されるすべての正当な推論とともに考察された場合、上記のことから明らかになるであろう。
部分的には本教示は、単一壁カーボンナノチューブを分離するために密度勾配を用いる方法であって、この密度勾配が、流体媒質によって与えられる方法を目的とする。このような方法は、密度勾配を含む流体媒質、および第一表面活性成分、第二表面活性成分、および単一壁カーボンナノチューブの混合物を含む組成物を遠心分離して、この混合物を密度勾配に沿って分離する工程、および分離された単一壁カーボンナノチューブを含む分離フラクションを流体媒質から単離する工程を含んでいてもよい。より具体的には、単一壁カーボンナノチューブの混合物は、ある範囲のナノチューブ直径寸法、キラリティー、および/または電子型を含んでいてもよく、第一表面活性成分対第二表面活性成分の比は、4:1以外であってもよい。
本明細書において記載されているように、分離フラクションの単離は典型的には、1つまたは複数の表面活性成分、および単一壁カーボンナノチューブの混合物によって形成された1つまたは複数の複合体を供給し、この場合、単離後処理、例えば1つまたは複数の表面活性成分をSWNTから、例えば洗浄、透析、および/または濾過によって除去すると、実質的に純粋または裸の単一壁カーボンナノチューブを供給しうることを理解すべきである。しかしながら、簡略にするために、本明細書において用いられているように、これらの複合体ではなく単一壁カーボンナノチューブの混合物への言及がなされてもよく、このような言及は、非複合体化単一壁カーボンナノチューブ、例えば裸のSWNTが意図されているとほかに記載されているのでなければ、この明細書の文脈から理解されるような複合体を含むと解釈されるべきである。
いくつかの実施形態において、第一表面活性成分は胆汁酸塩であってもよく、第二表面活性成分はアニオン性アルキル両親媒性物質であってもよい。流体媒質および組成物は、この混合物を密度勾配に沿って少なくとも一部分離するのに十分な時間および/または回転速度で遠心分離されてもよい。このような方法は、ナノチューブ直径寸法、キラリティー、および/または電子型による分離については制限がない。いくつかの実施形態において、この混合物中の単一壁カーボンナノチューブは独立して、約20Åまたはそれ以上までの直径寸法を有してもよい。あるいくつかの実施形態において、寸法は、約7Å〜約11Åの範囲にあってもよいが、一方、あるいくつかのほかの実施形態において、寸法は、約11Åよりも大きくてもよい(例えば約11Å〜約16Åの範囲にある)。非限定的に、分離された単一壁カーボンナノチューブの狭い分布が、分離フラクション中に与えられてもよく、その後単離されてもよい。例えばいくつかの実施形態において、分離された単一壁カーボンナノチューブの約70%超が、半導体性であってもよい。ほかの実施形態において、分離された単一壁カーボンナノチューブの約50%超が、金属性であってもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、裸の単一壁カーボンナノチューブを供給するために、分離された単一壁カーボンナノチューブの単離後処理を含んでいてもよい。あるいくつかの実施形態において、この方法はさらに、この分離フラクションを用いた遠心分離工程および単離工程の繰返しを含んでいてもよい。
部分的には、本教示はまた、電子型に基づいて単一壁カーボンナノチューブを分離するための密度勾配の使用方法であって、密度勾配が流体媒質によって供給される方法も目的とする。このような方法は、密度勾配を含む流体媒質、および単一壁カーボンナノチューブ(半導体性単一壁カーボンナノチューブおよび金属性単一壁カーボンナノチューブの両方を含む)と少なくとも2つの表面活性成分(例えば第一表面活性成分および第二表面活性成分)との混合物を含む組成物を遠心分離して、この混合物を密度勾配に沿って分離する工程、およびこの流体媒質から、実質的に半導体性の分離フラクションまたは実質的に金属性の分離フラクションを単離する工程を含んでいてもよい。本明細書において用いられているように、実質的に半導体性の分離フラクションとは、過半数または高い濃度または割合の半導体性単一壁カーボンナノチューブを含む分離フラクションのことを言う。例えば、実質的に半導体性の分離フラクションは、この混合物よりも高い濃度または割合の半導体性単一壁カーボンナノチューブを含んでいてもよい。同様に本明細書において用いられているように、実質的に金属性の分離フラクションとは、過半数または高い濃度または割合の金属性単一壁カーボンナノチューブを含む分離フラクションのことを言う。例えば実質的に金属性の分離フラクションは、この混合物よりも高い濃度または割合の金属性単一壁カーボンナノチューブを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、遠心分離後に単離された分離フラクションは、実質的に半導体性であってもよい。ほかの実施形態において、遠心分離後に単離された分離フラクションは、実質的に金属性であってもよい。例えばいくつかの実施形態において、この分離フラクション中の単一壁カーボンナノチューブの約70%超は、半導体性単一壁カーボンナノチューブであってもよい。ほかの実施形態において、この分離フラクション中の単一壁カーボンナノチューブの約50%超は、金属性単一壁カーボンナノチューブであってもよい。流体媒質およびこの混合物は、この混合物(すなわち複合体)を密度勾配に沿って少なくとも一部分離するのに十分な時間および/または回転速度で遠心分離されてもよい。いくつかの実施形態において、この混合物中の単一壁カーボンナノチューブは、独立して約20Åまたはそれ以上までの直径寸法を有してもよい。あるいくつかの実施形態において、寸法は、約7Å〜約11Åの範囲にあってもよいが、一方、あるいくつかのほかの実施形態において、寸法は、約11Åよりも大きくてもよい(例えば約11Å〜約20Å、または約11Å〜約16Åの範囲にある)。
いくつかの実施形態において、第一表面活性成分は胆汁酸塩であってもよく、第二表面活性成分はアニオン性アルキル両親媒性物質であってもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、裸の単一壁カーボンナノチューブを供給するための、分離された単一壁カーボンナノチューブの単離後処理を含んでいてもよい。あるいくつかの実施形態において、この方法は、分離フラクションを用いて、遠心分離工程および単離工程の繰り返しを含んでいてもよい。例えば第一分離フラクションの遠心分離は、電子型による第二分離につながることがある。第二分離は、第一分離フラクションと比較して、より高い濃度または割合の所望の電子型を有する第二分離フラクションを供給しうる。電子型に基づく分離に加えて、この方法は、例えば分離フラクションを用いた遠心分離工程および単離工程を繰り返すことによって、ナノチューブ直径寸法および/またはキラリティーによるさらなる分離を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、実質的に半導体性の分離フラクションを用いた遠心分離工程および単離工程を繰り返すと、その後の分離フラクションを供給することができ、これらは、予め決定された範囲の狭い直径寸法(例えば約7.6Åの直径寸法、約8.3Åの直径寸法、約9.8/10.3Å等の直径寸法など)の半導体性単一壁カーボンナノチューブを優勢に含む。
部分的には、本教示は、半導体性単一壁カーボンナノチューブで単一壁カーボンナノチューブの集団を強化する方法を目的とする。このような方法は、半導体性単一壁カーボンナノチューブを、半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物から、この金属性単一壁カーボンナノチューブを不可逆的に変性することなく単離する工程を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、半導体性単一壁カーボンナノチューブを、半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物から、この金属性単一壁カーボンナノチューブを不可逆的に変性することなく(すなわち、この混合物から半導体性単一壁カーボンナノチューブを単離する前に)分離する工程を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態において、この方法は、裸の単一壁カーボンナノチューブを供給するための強化された集団の処理を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物を遠心分離する工程を含んでいてもよい。あるいくつかの実施形態において、この方法は、少なくとも70%の半導体性単一壁カーボンナノチューブを含んでいる単一壁カーボンナノチューブの集団を供給しうる。半導体性単一壁カーボンナノチューブで強化された集団を供給することに加えて、この方法は、予め決定された範囲のナノチューブ直径寸法および/またはキラリティーで、実質的に半導体性の集団をさらに強化しうる。例えばこの方法は、約7.6Åの直径寸法、約8.3Åの直径寸法、約9.8/10.3Åの直径寸法などでさらに強化された実質的に半導体性の集団を供給しうる。いくつかの実施形態において、この混合物中の単一壁カーボンナノチューブ(すなわち分離前)は独立して、約20Åまたはそれ以上までの直径寸法を有しうる。あるいくつかの実施形態において、寸法は、約7Å〜約11Åの範囲にあってもよいが、一方、あるいくつかのほかの実施形態において、寸法は、約11Åよりも大きくてもよい(例えば約11Å〜約20Å、または約11Å〜約16Åの範囲にある)。
部分的には、本教示は、金属性単一壁カーボンナノチューブで単一壁カーボンナノチューブの集団を強化する方法を目的とする。このような方法は、金属性単一壁カーボンナノチューブを、半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物から単離する工程を含んでいてもよい。既に記載されているように、金属性単一壁カーボンナノチューブを電子的に不均質な混合物から分離するための現行方法は、ナノチューブ側壁の劣化を引起こすことが報告された。したがって本教示はさらに、部分的には、電子型に基づく単一壁カーボンナノチューブの分離方法であって、構造的に損なわれていない金属性単一壁カーボンナノチューブを優勢的に含んでいる、実質的に金属性の分離フラクションを提供しうる方法にも関する。いくつかの実施形態において、この方法は、金属性単一壁カーボンナノチューブを、半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物から(すなわちこの混合物から金属性単一壁カーボンナノチューブを単離する前に)分離する工程を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態において、この方法は、裸の単一壁カーボンナノチューブを供給するための強化された集団の処理工程を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物を遠心分離する工程を含んでいてもよい。あるいくつかの実施形態において、この方法は、少なくとも50%の金属性単一壁カーボンナノチューブを含む単一壁カーボンナノチューブの集団を供給しうる。金属性単一壁カーボンナノチューブで強化された集団を供給することに加えて、この方法は、予め決定された範囲のナノチューブ直径寸法および/またはキラリティーで、実質的に金属性の集団をさらに強化しうる。いくつかの実施形態において、この混合物中の単一壁カーボンナノチューブは独立して、約20Åまたはそれ以上までの直径寸法を有してもよい。あるいくつかの実施形態において、寸法は、約7Å〜約11Åの範囲にあってもよいが、一方、あるいくつかのほかの実施形態において、寸法は、約11Åよりも大きくてもよい(例えば約11Å〜約20Å、または約11Å〜約16Åの範囲にある)。
部分的には、本教示はまた、金属性単一壁カーボンナノチューブを、半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物から単離するための密度勾配の使用方法にも関する。この方法は、表面活性成分系の供給工程、密度勾配を含む流体媒質、および表面活性成分系および半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物を含む組成物を遠心分離して、この混合物を密度勾配に沿って分離する工程、およびこの流体媒質から実質的に金属性の分離フラクションを単離する工程を含んでいてもよい。より具体的には、この表面活性成分系は、第一表面活性成分および第二表面活性成分を含んでいてもよく、この場合、第一表面活性成分対第二表面活性成分の比は、この表面活性成分系が、単一壁カーボンナノチューブの混合物と接触し、遠心分離されるときに、実質的に金属性のSWNT−含有分離フラクションが、実質的に半導体性のSWNTを含有する別の分離フラクションと異なる(例えばより濃密でないか、より濃密な)密度を有するように調節される。流体媒質およびこの混合物は、この混合物を密度勾配に沿って少なくとも一部分離するのに十分な時間および/または回転速度で遠心分離されてもよい。
いくつかの実施形態において、第一表面活性成分は胆汁酸塩であってもよく、第二表面活性成分はアニオン性アルキル両親媒性物質であってもよい。いくつかの実施形態において、第一表面活性成分対第二表面活性成分の比は、約1未満であってもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、裸の金属性単一壁カーボンナノチューブを供給するための、実質的に金属性の分離フラクションの処理、例えば洗浄工程を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、実質的に金属性の分離フラクションを用いた遠心分離工程および単離工程を繰り返すことを含んでいてもよい。例えば、第一分離フラクションの遠心分離は、電子型による第二分離につながることがある。第二分離は、第一分離フラクションと比較して、より高い濃度または割合の金属性単一壁カーボンナノチューブを有する第二分離フラクションを供給しうる。実質的に金属性の分離フラクションの供給に加えて、この方法は、例えば実質的に金属性の分離フラクションを用いた遠心分離工程および単離工程を繰り返すことによって、ナノチューブ直径寸法および/またはキラリティーによるさらなる分離を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、この混合物中の単一壁カーボンナノチューブは独立して、約20Åまたはそれ以上までの直径寸法を有しうる。あるいくつかの実施形態において、寸法は、約7Å〜約11Åの範囲にあってもよいが、一方、あるいくつかのほかの実施形態において、寸法は、約11Åよりも大きくてもよい(例えば約11Å〜約16Åの範囲にある)。いくつかの実施形態において、分離フラクション中の単一壁カーボンナノチューブの約50%超が、金属性であってもよい。
部分的には、本教示は、半導体性単一壁カーボンナノチューブを、金属性単一壁カーボンナノチューブと半導体性単一壁カーボンナノチューブとの混合物から単離するための密度勾配の使用方法に関する。この方法は、表面活性成分系の供給工程、密度勾配を含む流体媒質、および表面活性成分系および半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物を含む組成物を遠心分離して、この混合物を密度勾配に沿って分離する工程、およびこの流体媒質から、実質的に半導体性の分離フラクションを単離する工程を含んでいてもよい。より具体的には、この表面活性成分系は、第一表面活性成分および第二表面活性成分を含んでいてもよく、この場合、第一表面活性成分対第二表面活性成分の比は、この表面活性成分系が、単一壁カーボンナノチューブの混合物と接触し、遠心分離されるときに、実質的に半導体性のSWNT−含有分離フラクションが、実質的に金属性のSWNTを含有する別の分離フラクションと異なる(例えばより濃密でないか、より濃密な)密度を有するように調節される。流体媒質およびこの混合物は、この混合物を密度勾配に沿って少なくとも一部分離するのに十分な時間および/または回転速度で遠心分離されてもよい。
いくつかの実施形態において、第一表面活性成分は胆汁酸塩であってもよく、第二表面活性成分はアニオン性アルキル両親媒性物質であってもよい。いくつかの実施形態において、第一表面活性成分対第二表面活性成分の比は、約1超であってもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、裸の半導体性単一壁カーボンナノチューブを供給するための、実質的に半導体性の分離フラクションの処理工程を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、実質的に半導体性の分離フラクションを用いた遠心分離工程および単離工程を繰り返すことを含んでいてもよい。例えば第一分離フラクションの遠心分離は、電子型による第二分離へつながることがある。第二分離は、第一分離フラクションと比較して、より高い濃度または割合の半導体性単一壁カーボンナノチューブを有する第二分離フラクションを供給しうる。実質的に半導体性の分離フラクションの供給に加えて、この方法は、その後の分離フラクションを供給するために、例えば、実質的に半導体性の分離フラクションを用いた遠心分離工程および単離工程を繰り返すことによって、ナノチューブ直径寸法および/またはキラリティーによるさらなる分離を含んでいてもよい。これらのその後の分離フラクションは、予め決定された範囲の直径寸法(例えば約7.6Åの直径寸法、約8.3Åの直径寸法、約9.8/10.3Åの直径寸法など)の半導体性単一壁カーボンナノチューブを優勢的に含有する。
本明細書のほかのところで示されているように、選択的に分離されたナノチューブは、分光測定法により、および/または蛍光分析により同定することができ、このような同定は、それぞれ吸光度および/または発光スペクトルと対応する対照スペクトルとの比較を含む。
部分的には、本教示はまた、カーボンナノチューブ浮遊密度を改変するための表面活性成分の使用の方法も目的とする。このような方法は、密度勾配を含む流体媒質を供給する工程;構造および/または電子型により異なる単一壁カーボンナノチューブの混合物を少なくとも1つの表面活性成分と接触させて、示差浮遊密度を供給する工程;この媒質とこの組成物混合物とを接触させる工程;勾配に沿う浮遊密度により混合物(すなわち複合体)を分離するのに少なくとも部分的に十分な時間および/または回転速度で、この媒質および組成物を遠心分離する工程;および、構造および/または電子型により、ナノチューブ混合物の1つの群または部分をこの媒質から選択的に分離する工程を含んでいてもよい。有用な流体媒質およびその中に組み込まれた物質は、表面活性成分とともに、本明細書のほかのところに記載されているものと同じであってもよい。後者に関して、示差浮遊密度は場合により、2またはそれ以上の表面活性成分の組み合わせによって改変または調節されてもよい。この場合、このような接触および/または相互作用は、構造および/または電子型の関数であってもよい。
これらのナノチューブは、勾配密度、およびこれに沿ったこれらの位置とともに増加する直径寸法を有するものであってもよい。選択的に分離されたこれらのナノチューブは、少なくとも1つのキラリティーおよび/または少なくとも1つの電子型を含んでいてもよい。このようなナノチューブが少なくとも2つのキラリティーを含む場合、この選択は、本明細書のほかのところで証明されているように、キラリティーを勾配に沿ってさらに区分化するために、反復分離を含んでいてもよい。このようなナノチューブが電子型の混合体を含む場合、本発明は、本明細書のほかのところで証明されているように、電子型を勾配に沿ってさらに区分化するために、反復分離を含んでいてもよい。そうする場合、少なくとも1つのこのような分離は、表面活性成分、媒質組成または種類、媒質密度勾配、および/または媒質pHにおける変更によって、先行分離の1またはそれ以上と異なってもよい。
部分的には、本教示はまた、カーボンナノチューブの分離用の系も目的としうる。このような系は、流体密度勾配媒質、および少なくとも1つの表面活性成分およびある範囲のキラリティー、直径寸法、および/または電子型を含むカーボンナノチューブを含んでいる組成物を含んでいてもよく、1または複数の表面活性成分とナノチューブとの複合体は、この媒質の勾配に沿って配置されている。直径寸法は、ナノチューブ生産に用いられている合成技術によってのみ制限される。非限定的に、直径寸法は、約4Åまたはそれ以下から、約7Åまで、約16Åまで、または約20Åまで、またはそれ以上の範囲にあってもよい。同様に、このような系中のナノチューブは、キラリティーまたは電子型によって制限されない。非限定的に、このようなキラリティーは、本明細書において考察されているいずれか1つまたはいずれかの組み合わせから選択されてもよい。キラリティー、直径、またはいずれかのほかの構造的または物理的特徴から独立して、このような系中のナノチューブは、半導体性および/または金属性であってもよい。いずれにしても、流体密度勾配媒質および1またはそれ以上の表面活性成分は、共界面活性剤をともなって、またはともなわずに、本明細書のほかのところで考察された考慮事項に鑑みて選択することができる。
あるいくつかの実施形態において、このような系のナノチューブは、直径および/または電子型、本明細書に記載されている技術を用いた比較によって、それぞれの製造方法および/または商品源に対応しうるような特徴によって、選択的に分離することができる。したがって、本教示にしたがって分離されたカーボンナノチューブ(例えば非限定的に単一壁カーボンナノチューブ)は、実質的にまたは優勢的に半導体性または金属性のものであってもよく、そのように同定されてもよく、または約7Å〜約16Åの範囲の直径によって同定されてもよい。非限定的に、本教示の方法の使用を通して使用可能な選択性は、約0.6Å未満の直径によって異なるカーボンナノチューブの分離によって表示されうる。さらなる指標として、このような電子型の、またはこのような直径範囲内のナノチューブは、実質的に1つの(n,m)キラリティー、または(n,m)キラリティーの混合体(ここで、nおよびmは、キラル中心を示している)を有するものであってもよい。
本教示はさらに、これらの構造および/または特性の点で実質的に単分散である単一壁カーボンナノチューブの集団にも関する。換言すれば、このような集団は一般に、1またはそれ以上の予め決定された構造的または機能的特徴の狭い分布を有する。例えばいくつかの実施形態において、この集団は、これらの直径寸法の点で実質的に単分散であってもよい(例えば単一壁カーボンナノチューブの集団中の単一壁カーボンナノチューブの約75%超(約90%超および約97%超を包含する)は、この集団の平均直径の約0.5Å未満内の直径を有してもよく、単一壁カーボンナノチューブの集団中の単一壁カーボンナノチューブの約75%超(約90%超および約97%超を包含する)は、この集団の平均直径の約0.2Å未満内の直径を有してもよく、単一壁カーボンナノチューブの集団中の単一壁カーボンナノチューブの約75%超(約90%超および約97%超を包含する)は、この集団の平均直径の約0.1Å未満内の直径を有してもよい)。いくつかの実施形態において、この集団は、これらの電子型の点で実質的に単分散であってもよい(例えば単一壁カーボンナノチューブの集団中の単一壁カーボンナノチューブの約70%超(約75%超、約80%超、約85%超、約90%超、約92%超、約93%超、約97%超、および約99%超を包含する)は、半導体性であってもよく、または単一壁カーボンナノチューブの集団中の単一壁カーボンナノチューブの約50%超(約75%超、約90%超、約97%超、および約99%超を包含する)は、金属性であってもよい)。いくつかの実施形態において、この集団は、これらのキラリティーの点で実質的に単分散であってもよい(例えば単一壁カーボンナノチューブの集団中の単一壁カーボンナノチューブの約30%超(約50%超、約75%超、および約90%超を包含する)は、同じキラリティー(n,m)型を含んでいてもよい)。
本教示のカーボンナノチューブの集団は、ルースまたはバルクカーボンナノチューブであり、これらは、それらに関する特別な最終用途のために基体上で成長させられ、これらに接着されたカーボンナノチューブとは異なることを理解すべきである。
同様に本発明の範囲内に包含されるのは、本教示による単一壁カーボンナノチューブの集団を含む製品、および本教示の方法により提供された、単離または裸の単一壁カーボンナノチューブを含む製品である。このような製品の例は、様々な電子デバイス、光学デバイス、および光電子デバイスを包含するが、これらに限定されるわけではない。このようなデバイスの例は、薄膜トランジスター(例えば電界効果トランジスター)、化学センサー、近赤外エミッター、および近赤外デテクターを包含するが、これらに限定されるわけではない。本教示による製品のほかの例は、透明導電性フィルム、集積回路における相互接続用材料、および複合材料における導電性添加剤を包含する。
この特許または出願書類は、カラーで作成された少なくとも1枚の図面を含んでいる。1またはそれ以上のカラー図面とともにこの特許または特許出願公報の写しは、請求に応じ、必要な費用を支払って、特許庁により提供されるであろう。
あるいくつかの図面は必ずしも一定の割合に調整されているわけではなく、一般に本教示の原理の図解が強調されている。これらの図面は、まったく本教示の範囲を限定することが意図されているわけではない。
図1は、カーボンナノチューブの様々な物理的構造を図解する。 図2は、密度勾配遠心分離の概略図である。 図3(a)〜(c)は、界面活性剤のカプセル化および密度による選別を図解する概略ダイヤグラムである。 図4は、密度勾配の層化および超遠心分離の間のその再分配を図解する。図4(a)は、典型的な初期密度勾配を示す概略図である。図4(b)は、密度プロフィールの再分配のグラフである。 図5は、どのようにしてSWNTを、大きい階段密度勾配を用いた密度勾配超遠心分離によって濃縮することができるかを図解する写真図面である。 図6は、相対的SWNT濃度の決定のための吸光度スペクトルのフィッティングである。
図7は、密度勾配超遠心分離によるSC−カプセル化CoMoCAT−合成SWNT(7〜11Åの直径範囲を有する)の分離を図解する。図7(a)は、一工程分離後の遠心分離管の写真である。図7(b)は、密度勾配超遠心分離を用いた分離後の光学吸光度スペクトル(1cm経路長)である。 密度勾配超遠心分離によるSDBS−カプセル化CoMoCAT−合成SWNTの分離を図解する。図8(a)は、一工程分離後の遠心分離管の写真である。図8(b)は、密度勾配超遠心分離を用いた分離後の光学吸光度スペクトル(1cm経路長)である。 図9は、(a)デオキシコレートカプセル化SWNT、(b)タウロデオキシコレートカプセル化SWNT、および(c)単一界面活性剤密度勾配において分離されたSDS−カプセル化SWNTの光学スペクトルを示す。 図10は、密度勾配超遠心分離によるSC−カプセル化レーザーアブレーション−合成SWNTの分離を図解する。図10(a)は、一工程分離後の遠心分離管の写真である。図10(b)は、密度勾配超遠心分離を用いた分離後の光学吸光度スペクトル(1cm経路長)である。
図11は、相対的SWNT濃度の決定のための光ルミネセンススペクトルのフィッティング。図11(a)は、励起および発光波長(それぞれ垂直軸および水平軸)の関数としての光ルミネセンス強度のプロットである。図11(b)は、740nmにおける光ルミネセンス強度対励起波長のプロットである。図11(c)および(d)はそれぞれ、励起および発光波長(それぞれ垂直軸および水平軸)の関数としての、および740nmにおける励起波長に対する光ルミネセンス強度の部分導のプロットである。 図12は、生成の増加のための励起および発光波長の関数としての光ルミネセンス強度のプロットである。 図13は、図12の光ルミネセンススペクトルに対応する光学スペクトルである。 図14は、密度に対するCoMoCAT−成長SWNTの(6,5)、(7,5)、および(9,5)/(8,7)キラリティーの濃度のプロット(それぞれ白い三角形、白い円、および白い星記号で表示されている);(a)SC、緩衝液なし、pH=7.4;(b)SC、20mMトリス緩衝液、pH=8.5;(c)共界面活性剤としてSDSの添加をともなうSC(1:4重量比、SDS:SC)である。
図15は、励起および発光波長の関数としての光ルミネセンス強度のプロットである。図15(a)は、分離前にHiPCO−成長SWNTの不均質集団で得られた図である。図15(b)および(c)は、共界面活性剤系(1:4重量比、SDS:SC)を用いた分離後にHiPCO−成長SWNTの不均質集団で得られた図である。 図16は、共界面活性剤の競合混合物を用いることによる電子型による分離の最適化を示す。図16(a)は、共界面活性剤系(1:4SDS:SC)を用いた優勢的に半導体性のレーザーアブレーション合成SWNTの単離を示す写真である。図16(b)は、密度勾配超遠心分離を用いた分離後の光学吸光度スペクトル(1cm経路長)である。 図17は、優勢的に金属性のSWNT(3:2SDS:SC)、および優勢的に半導体性のSWNT(3:7SDS:SC)を分離するために最適化された共界面活性剤で分離されたレーザーアブレーション合成SWNTの光学吸光度スペクトルを示す。 図18は、3:2SDS:SC共界面活性剤系(最適化されている、白い円として、図16)対1:4SDS:SC共界面活性剤系(最適化されていない、白い星型記号として、図15(b))を用いた、単離された優勢的に金属性のSWNTフラクションの光学吸光度スペクトルを比較する。
図19は、非選別レーザーアブレーション合成SWNTの光学吸光度スペクトルと、選別半導体性レーザーアブレーション合成SWNTとを比較する。この場合、これらのレーザーアブレーション合成SWNTは、次の3つの異なる源から得られた:(a)Carbon Nanotechnologies,Inc.から得られた未精製粗レーザーアブレーション合成SWNT(バッチA);(b)IBMから得られた硝酸精製レーザーアブレーション合成SWNT(バッチB);および(c)IBMから得られた硝酸精製レーザーアブレーション合成SWNT(バッチC)。 図20は、改良されたシグナル対ノイズ比で得られた、非選別(白い星型記号として)、選別金属性(白い三角形として)、および選別半導体性(白い菱形記号として)レーザーアブレーション合成SWNTの光学吸光度スペクトルを示す。約900nmのところのアステリスク記号は、擬似半導体性SWNTからの光吸収を識別する。約600nmのところのアステリスク記号は、擬似金属性SWNTからの光吸収を識別する。 図21は、選別金属性SWNTについての吸収の幅を測定するためのベースラインサブトラクションを示す。図21(a)は、金属性SWNTからの吸収の測定を示す。図21(b)は、擬似半導体性SWNTからの吸収の測定を示す。
図22は、選別半導体性SWNTについての吸収の幅を測定するためのベースラインサブトラクションを示す。図22(a)は、金属性SWNTからの吸収の測定を示す。図22(b)は、擬似半導体性SWNTからの吸収の測定を示す。 図23は、非選別SWNTについての吸収の幅を測定するためのベースラインサブトラクションを示す。図23(a)は、金属性SWNTからの吸収の測定を示す。図23(b)は、擬似半導体性SWNTからの吸収の測定を示す。 図24は、フラクション番号に対する出発SWNTの割合をプロットすることによる選別実験の典型的な収率を示す。図24(a)におけるデータポイントは、半導体性レーザーアブレーション合成SWNTについての1:4SDS:SC選別実験における942nm(S22)での出発原料−標準化吸光度に対応する(図16(a)−(b))。最も左側の矢印は、半導体性SWNTのオレンジバンドを指し(図16(a))、最も右側の矢印は、黒い凝集体バンドを指す(図16(a)において遠心機の底部の方へ向かう)。図24(b)におけるデータポイントは、直径に基づくCoMoCAT−成長SWNT(図7(a)−(b))についてのSC選別実験における982nmでの出発原料−標準化吸光度に対応する((6,5)キラリティーについての一次転移)。矢印はマゼンタバンドを指す(図7(b))。
図25は、半導体性および金属性SWNTの電気デバイスを示す。図25(a)は、ソース電極およびドレン電極の周期アレー(単一デバイスが強調表示されている)。図25(b)は、薄膜浸出SWNTネットワークの代表的原子間力顕微鏡法(AFM)画像を示す。図25(c)は、電界効果トランジスター(FET)形状(s=ソース;g=ゲート;d=ドレン)を示す。SWNTネットワークは、ゲート誘電体として機能する100nm熱成長SiO2層上に形成された。図25(d)は、共界面活性剤密度勾配において精製された半導体性(白い三角)および金属性(白い円)SWNTについてのゲートバイアスの関数としてのシート抵抗の逆写像を示す。半導体性SWNTネットワークの電子移動度は、直線に対して、FETの「オン」領域における固定ソース−ドレンバイアスについてのソース−ドレン電流対ゲートバイアスをフィットさせることによって評価された(挿入図)。 図26(a)は、AFMによって得られた半導体性ネットワークの画像(目盛り棒0.5μm)である。図26(b)は、黒でトレースされたSWNTによる導電性経路を有する同じ画像である。
(一定の実施形態の詳細な説明)
本明細書全体において、組成物が特定の成分を有するか、包含するか、または含んでいると記載されている場合、または方法が特定の工程段階を有するか、包含するか、または含んでいると記載されている場合、本教示の組成物はまた、列挙された成分から本質的になるか、またはこれらからなること、および本教示の方法はまた、列挙された工程段階から本質的になるか、またはこれらからなると考察されている。工程の順序、またはあるいくつかの活動の実施順序は、この方法が依然として操作可能であるかぎり、重要でないと理解すべきである。さらには、2またはそれ以上の工程または活動は、同時に実施されてもよい。
本出願において、要素または成分が、列挙された要素または成分のリスト中に含まれているか、および/またはこのリストから選択されると言われる場合、この要素または成分は、列挙された要素または成分のいずれか1つであってもよく、これらの列挙された要素または成分の2またはそれ以上からなる群から選択することができると理解すべきである。さらには、本明細書に記載されている組成物、装置、または方法の要素および/または特徴は、本明細書において明白であっても、または暗黙のものであっても、本教示の精神および範囲から逸脱することなく、多様な方法で組み合わせることができると理解すべきである。
「包含する(include)(includes)(including)」、「有する(have)(has)(having)」という用語の使用は一般に、具体的にほかの記載がなければ、制限がなくかつ非限定的であると理解すべきである。
本明細書における単数形の使用は、特別にほかの記載がなければ、複数形も包含する(逆も同じである)。これに加えて、「約(about)」という用語の使用が、量的値の前にある場合、本教示はまた、具体的にほかの記載がなければ、特定の量的値も包含する。
本明細書における「カーボンナノチューブ」への言及は、ほかの記載がなければ、または記載から推察されるのでなければ、単一壁カーボンナノチューブ(SWNT)のことを言うと理解すべきである。本明細書において用いられているように、「カーボンナノチューブ」、「単一壁カーボンナノチューブ」、または「SWNT」という用語は、ほかの記載がなければ、または記載から推察されるのでなければ、いずれかの現行または将来の技術によって合成され、かつこのような現行または将来の技術によって得られたいずれかの物理的性質(例えば電子型またはキラリティー)、または寸法(例えば個別直径または長さ)を有する単一壁カーボンナノチューブを包含すると理解すべきである。例えば、SWNTを調製するために用いられる合成方法に応じて、SWNTは、約1〜107nm(約10Å〜約1cm)の範囲の個別長さ、および約0.5〜10nm(約5〜約100Å)の範囲の個別直径を有してもよい。現在まで、単一壁カーボンナノチューブは、高圧一酸化炭素分解(「HiPCO」)、Co−Mo触媒作用(「CoMoCAT」)、レーザーアブレーション、アーク放電、および化学蒸着を包含する方法によって合成されており、これらの技術の1またはそれ以上によって合成されたSWNTの個別直径は、約10Åまで(例えば約5Å〜約10Å)、約20Åまで(例えば約5Å〜約20Å、約5Å〜約16Å、約5Å〜約11Å、約7Å〜約20Å、約7Å〜約16Å、約7Å〜約11Å、約11Å〜約20Å、または約11Å〜約16Å)、および約50Åまで(例えば約5Å〜約50Å、約7Å〜約50Å、約11Å〜約50Å、約16Å〜約50Å、または約20Å〜約50Å)までであってもよい。本教示の概念および原理は、分離されるSWNTの個別の物理的寸法に依存しないので、本方法および系は、個別直径にかかわらず、現在使用可能な合成方法によって得られるものよりも大きい個別直径を有するSWNTを包含するSWNTを分離するために適用することができる。
1つの態様において、本教示は、構造的および/または特徴的に不均質なSWNTを分離するための方法に関する。本教示の方法は、これらのナノチューブを化学的または構造的に変性することなく、構造および/または1またはそれ以上のほかの特性の関数として、SWNTの分離を可能にしうる。本教示の方法は、直径およびキラリティー、直径および電子型、電子型およびキラリティー、または直径、電子型、およびキラリティーの同時選択を達成させ、広い範囲の直径のSWNTを分離するために適用することができる。さらには本教示の方法は、広く一般的であり、一定の割合に調整可能であり、現存自動操作とともに用いることができる。
より具体的には、本教示は、少なくとも1つの選択された特性によって、カーボンナノチューブを分離するための方法を提供する。この少なくとも1つの選択された特性は、キラリティー、直径、バンドギャップ、および電子型(金属性対半導体性)の1またはそれ以上であってもよい。これらの特性のいくつかは、ほかの特性から独立していてもよいが、一方、ほかの特性は相互に関連があることがある。例えば、特定のカーボンナノチューブの直径および電子型は、図1に示されているようにそのキラル指数が公知であるならば決定することができる。カーボンナノチューブの物理的構造(キラリティー)は、2つの整数(n,m)、キラル指数、例えばC=na1+ma2(ここで、Cはナノチューブの円周を規定する巻上げベクターであり、a1およびa2は、グラフェンシートを規定する一次ラチスベクターである)によって特定される。図1において、金属性SWNTは、緑色で標識され、mod(n,m)=1およびmod(n,m)=2半導体性SWNTは、それぞれ赤色および青色で標識されている。これらの方法は、カーボンナノチューブと、少なくとも1つの選択された特性によって様々なカーボンナノチューブと示差的に相互作用する作用物質とを接触させる工程を含んでもよい。いくつかの実施形態において、この作用物質は、少なくとも1つの選択された特性の関数としてカーボンナノチューブの密度に示差的に影響を与えうる。
したがって本教示の方法は、例えば密度勾配遠心分離により、カーボンナノチューブを分離するための密度勾配の使用を目的としうる。本教示の方法は、様々な構造および/または特性(例えばキラリティー、直径、バンドギャップ、および/または電子型)のカーボンナノチューブ、例えばSWNT間に密度(1容積あたりの質量)差を作り出すかまたは強化する工程を含んでもよい。密度差は、浮遊密度差であってもよい。流体媒質中のSWNTの浮遊密度は、カーボンナノチューブそれ自体の質量および容積、その表面官能基化、および静電的に結合された水和層を含む多重ファクターに依存することがある。例えばこれらのカーボンナノチューブの表面官能基化は、非共有的であってもよく、1またはそれ以上の表面活性成分(例えば界面活性剤)でカーボンナノチューブをカプセル化することによって達成することができる。したがっていくつかの実施形態において、本教示の方法は、様々な構造および/または特性の単一壁カーボンナノチューブと少なくとも1つの表面活性成分(例えば界面活性剤)とを接触させ、1または複数の表面活性成分および単一壁カーボンナノチューブが密度勾配を含む流体媒質中に入れられた時に、単一壁カーボンナノチューブの中に示差浮遊密度をもたらす工程を含んでもよい。示差浮遊密度は、ナノチューブ直径、バンドギャップ、電子型、および/またはキラリティーの関数であってもよく、これによって、直径、バンドギャップ、電子型、および/またはキラリティーによる単一壁カーボンナノチューブの分離が可能になる。
一般に密度勾配遠心分離は、遠心分離管または区画内の位置の関数としてのその密度における予め規定されたバリエーション(すなわち密度勾配)を有する流体媒質を用いる。密度勾配遠心分離プロセスの概略図が、図2に示されている。異なる密度の種は、これらのそれぞれの等密度点、すなわちこれらの種の浮遊密度と流体媒質の浮遊密度とのマッチングによって沈降が停止する勾配中の点に到達するまで、密度勾配を通して沈降する。
本教示の場合に有用な流体媒質は、少なくとも部分的な分離を不可能にする程度までのその中のカーボンナノチューブ凝集によってのみ制限される。したがって非限定的に、水性および非水性流体は、本明細書に記載されている分離技術における使用のための密度勾配をこの媒質に与えるように、ある範囲の濃度にわたって、その中に溶解性または分散性であるいずれかの物質とともに用いることができる。このような物質は、イオン性または非イオン性であってもよく、これらの非限定例は、それぞれ無機塩およびアルコールを包含する。あるいくつかの実施形態において、下により十分に例証されているように、このような媒質は、ある範囲の水性イオジキサノール濃度および濃度密度の対応勾配を含んでいてもよい。同様に、下に例証されているように、本教示の方法は、遠心分離管または区画の長さ、および/または遠心分離角度によって影響が与えられているように、勾配傾斜によって影響されうる。
当業者によって理解されているように、水性イオジキサノールは、一般的な広く用いられている非イオン性密度勾配媒質である。しかしながらほかの媒質も、当業者によって理解されるであろうように、良好な効果をもって使用することができる。より一般的には、最適な流体または溶媒中に安定であるか、溶解性、または分散性であるいずれかの材料または化合物は、密度勾配媒質として用いることができる。ある範囲の密度は、このような材料または化合物を、異なる濃度で流体中に溶解することによって形成することができ、密度勾配を、例えば遠心分離管または区画中に形成することができる。より実際的には、媒質の選択に関して、カーボンナノチューブはまた、官能基化されていてもいなくても、流体/溶媒、またはその結果生じる密度勾配中に溶解性であるか、安定であるか、または分散性であるべきである。同様に、実際的な観点から、最適な溶媒または流体中のこのような材料または化合物の溶解性によって決定されているような勾配媒質の最大密度は、ある特定の媒質について、特定のカーボンナノチューブの(および/または1またはそれ以上の表面活性成分、例えば界面活性剤を有する組成物中の)浮遊密度と少なくとも同程度に大きい方がよい。
したがって本教示に関して、単一壁カーボンナノチューブが安定である場合、すなわち有用な分離を不可能にする程度まで凝集しない場合、いずれの水性または非水性密度勾配媒質も用いることができる。イオジキサノールの代替物は、無機塩(例えばCsCl、Cs2SO4、KBrなど)、多価アルコール(例えばスクロース、グリセロール、ソルビトールなど)、多糖類(例えばポリスクロース、デキストランなど)、イオジキサノールに加えたほかのヨウ化化合物(例えばジアトリゾエート、ニコデンズなど)、およびコロイド材料(例えば非限定的にペルコール)を包含するが、これらに限定されるわけではない。本教示とともに有用なほかの媒質は、本開示を承知している当業者によって、および/または2006年3月6日に出願された同時係属中の米国特許出願第11/368,581号(これの全体は、参照して本明細書に組み込まれる)によって理解されるであろう。
適切な密度勾配媒質を選択する時に考察することができるほかのパラメーターは、非限定的に、拡散係数および沈降係数を含むが、これらのどちらも、遠心分離の間に勾配がどれほど早く再分配するかを決定することができる。一般に、より浅い勾配については、より大きい分配係数およびより小さい沈降係数が望まれる。例えばPercoll(登録商標)は、ほかの媒質と比べて比較的小さい親水性を有する非イオン性密度勾配媒質である。しかしながらこれは、大きい沈降速度および小さい拡散係数を有し、その結果として、迅速な再分配および急勾配を生じる。コストはもう1つの考察事項であるが、本教示の方法は、この媒質が反復して再循環され、再使用されうるという点において、このような心配を緩和する傾向がある。例えば、水性イオジキサノールは、ほかの密度勾配媒質と比べて比較的高価であるが、これは再循環することができ、イオジキサノールは、分離系において次々に再使用するために、高収率で効率的に回収される。
媒質の種類または密度勾配にかかわらず、カーボンナノチューブの不均質サンプル(例えば様々な構造および/または特性のカーボンナノチューブの混合物)は、遠心分離前の勾配中のいずれの時点またはいずれの地点で流体媒質中に導入されてもよい。あるいくつかの実施形態において、カーボンナノチューブの不均質サンプル(またはカーボンナノチューブの不均質サンプルおよび少なくとも1つの表面活性成分を含んでいる組成物)は、密度勾配が遠心分離の経過の間により急勾配になる時でさえ、経時的に大雑把に一定に留まる場合、勾配に沿った1空間地点に導入されてもよい。このような不変地点は、そこに導入された1または複数のナノチューブ組成物のおよその浮遊密度に対応する密度を有するように有利に決定することができる。
密度勾配媒質中への導入前に、カーボンナノチューブの不均質サンプルは、1またはそれ以上の表面活性成分を有する組成物として供給することができる。一般にこのような成分は、流体媒質とともに、ナノチューブ凝集を減少させるために機能しうる。いくつかの実施形態において、1またはそれ以上の表面活性成分は、広い範囲の非イオン性またはイオン性(カチオン性、アニオン性、または双性)両親媒性物質から選択された1またはそれ以上の界面活性剤を含んでいてもよい。あるいくつかの実施形態において、表面活性成分は、アニオン性界面活性剤を含んでいてもよい。あるいくつかの実施形態において、表面活性成分は、1またはそれ以上のスルフェート、スルホネート、カルボキシレート、およびこれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、表面活性成分は、1またはそれ以上の胆汁酸塩(コレート、デオキシコレート、タウロデオキシコレート、およびこれらの組み合わせを包含するが、これらに限定されるわけではない)、またはアニオン性頭基および柔軟性アルキル尾を有するほかの両親媒性物質(本明細書において以下ではアニオン性アルキル両親媒性物質として互換的に言及される;例えば非限定的にドデシル硫酸塩およびドデシルベンゼンスルホン酸塩)を包含しうる。このような胆汁酸塩の例は、コール酸ナトリウム(SC)、デオキシコール酸ナトリウム、およびタウロデオキシコール酸ナトリウムを包含するが、これらに限定されるわけではない。アニオン性頭基および柔軟性アルキル尾を有する両親媒性物質の例は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)を包含しうるが、これらに限定されるわけではない。より一般的には、このような胆汁酸塩は、疎水性面と向かい合った帯電面を有する分子的に剛性かつ平面の両親媒性物質の1グループとしてより幅広く記載されうる。したがって、これらの胆汁酸塩(またはこれらの胆汁酸塩と同様な特徴を有するほかの表面活性成分)は、カーボンナノチューブの周りにおよびカーボンナノチューブとの相互作用の時に、平面および/または剛性構造コンフィギュレーションを供給しうる。これらは、示差ナノチューブ浮遊密度を誘発しうる。ほかの実施形態において、この表面活性成分は、カチオン性界面活性剤を含んでいてもよい。例えばこのような成分は、カチオン性頭基(例えば第四アンモニウム塩)および柔軟性または剛性尾を有する両親媒性物質から選択することができる。
いずれかの特別な理論に結びつけたいわけではないが、SWNTへ最も近い類似体であるグラフェンに関する研究は、アニオン性−アルキル界面活性剤が、液体様疎水性コアを有する半円筒形ミセル中に組織化されるが(EM.F.Islam,E.Rojas,D.M.Bergey,A.T.Johnson,A.G.Yodh,Nano Lett.3,269(2003);E.J.Wanless,W.A.Ducker,J.Phys.Chem.100,3207(1996))、胆汁酸塩は、疎水性表面に向いているその低い方の極性側とともに十分に構造化された単層を形成することを報告している(Y.Sasakiら,Colloids Surf.,B5.241(1995))。胆汁酸塩は、小さい疎水性分子の周りに十分に画定されたゲスト−ホスト構造を形成するよう指令することも報告されている(S.MukhopadhyayおよびU.Maitra,Curr.Sci.87,1666(2004);J.Tamminen,E.Kolehmainen,Molecules 6、21(2001))。したがって、胆汁酸塩の剛性および平面性は、アニオン性−アルキル界面活性剤と対照的に、下にあるSWNT中のわずかな変化に対して敏感なカプセル化層を結果として生じると予想することができる。ほかの効果、例えば金属性SWNTと界面活性剤との間の電荷移動もまた重要になりうるであろう。
密度勾配遠心分離は、広い範囲の界面活性剤−カプセル化SWNTの分離のために用いることができ、それに見合った効果をともなう。いずれか1つの操作理論または操作方法への限定をともなうことなく、密度勾配遠心分離による界面活性剤ベースの分離は、どのようにして界面活性剤が異なる構造および電子型のSWNTの周りに組織化されるかによって、大幅に推進されると考えられる。図3(a)−(c)は例えば、いかにして単一型の界面活性剤が、異なる構造(この場合、直径)のカーボンナノチューブを示差的にカプセル化するかを図解している。このようなカプセル化は、カーボンナノチューブの直径に比例した密度差に寄与するので、このような界面活性剤カプセル化SWNTの分離は、密度勾配超遠心分離によって可能である。ナノチューブ−、水−、および界面活性剤−界面活性剤相互作用間のエネルギーバランス、ならびにこれらの充填密度、配向、イオン化、およびこれらの界面活性剤の結果として生じる水和はすべて、浮遊密度、および分離および精製の品質に影響を与える決定的なパラメーターになりうる。
密度勾配遠心分離が、直径およびバンドギャップによって、DNA−ラップされたSWNTを分離するために用いられてきたが、DNA官能基化は、すべての実施形態のために最適化されてきたわけではない。例えば、水性密度勾配における限定された安定性によって、DNA−ラップされたSWNTは、密度勾配における反復遠心分離から得られる精製における改良の影響を受けないことがある。これに加えて、強化後のDNA−ラッッピングの完全な除去が問題になることがある。さらには、一本鎖DNAの特異的特注オリゴマーの入手性およびコストは、法外になることがある。電子型(金属性対半導体性)への感受性もまた、依然として十分に調査されなければならない。
したがって本教示の方法は、DNAまたはDNA断片を含まない表面活性成分の使用を目的としうる。例えば、表面活性成分が単一界面活性剤を含む実施形態において、アニオン性両親媒性物質、例えばアニオン性−アルキル界面活性剤または上記の胆汁酸塩のいずれを用いてもよい。特に本教示の場合の使用のために考察されている多くの界面活性剤は、一本鎖DNAよりも大幅にコストが低い。この差は、例えば$0.62/gの値段が付いている、100g規模でのSigma−Aldrich(St.Louis,MO)からのコール酸ナトリウム(98%純度)と、$2242.80/gでAlpha−DNA(Montreal,Canada)によって提供されている、大規模生産(150mg規模、98%よりもはるかに低い純度)で生産されている配列d(GT)20の一本鎖DNAとを比較した時に有意である。さらには、本明細書において開示された表面活性成分のSWNTへの吸着は、可逆性であり、広い範囲の管直径(例えば約7Å〜約16Åの範囲の直径を有するSWNT)と適合性がある。より重要なことは、このような表面活性成分を用いることによって、SWNTについての構造−密度の関係は、表面活性成分中に含まれている1または複数の界面活性剤を様々に変えることによって容易に制御することができる。
本明細書において証明されているように、1または複数の本方法による首尾良い分離は、界面活性剤、例えば胆汁酸塩、例えばコール酸(これは、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、およびタウロデオキシコール酸ナトリウムを包含する。)を用いて達成された。密度勾配における分離はまた、本明細書において考察された原理および概念、および当業者の知識と一貫性のあるほかの表面活性成分、例えば界面活性剤を用いて達成しうる。単一界面活性剤分離の場合には、明確な構造−密度の関係が、下の本明細書における実施例に記載されているようなアニオン性−アルキル界面活性剤および胆汁酸塩について観察された。単一界面活性剤の使用は、直径による分離に特に有用になりうる。特別な理論によって縛られたいわけではないが、単一表面活性成分の使用は、混合物中の異なる寸法のSWNTの周りの表面活性成分の実質的に均一な厚さ、したがって特定の直径のSWNTについての実質的に均一な密度を結果として生じる。
いくつかの実施形態において、カーボンナノチューブの不均質サンプルは、少なくとも2つの表面活性成分を有する組成物として供給することができ、この場合、これらの少なくとも2つの表面活性成分は、同じ型のものであってもよく、または異なる型のものであってもよい。いくつかの実施形態において、これらの少なくとも2つの表面活性成分は、SWNT表面へ競合的に吸着しうる。例えばこれらの少なくとも2つの表面活性成分は、2つの異なる界面活性剤であってもよい。このような競合的共界面活性剤系は、金属性単一壁カーボンナノチューブと半導体性単一壁カーボンナノチューブとの間の最適分離を達成するために用いることができる。例えばこれらの少なくとも2つの表面活性成分は、2つの胆汁酸塩、あるいはまた胆汁酸塩を界面活性剤とともに含んでいてもよい。あるいくつかの実施形態において、コール酸ナトリウムとドデシル硫酸ナトリウムとを約4:1〜約1:4、特に7:3の重量比で用いると、電子型によるSWNTの良好な選択的分離を得ることが観察された。本方法を用いて観察された金属−半導体選択性は、1または複数の界面活性剤および/またはこれらの水和と、下にあるSWNTの電子性とのある程度のカップリングを示している。これに加えて、界面活性剤の充填密度およびこれらの水和は、下にあるSWNTによる静電スクリーニングに感受性がある可能性がある。
十分な遠心分離の時(すなわち媒質勾配に沿ってカーボンナノチューブを分離するのに少なくとも一部十分な選択された時間および/または選択された回転速度で)、分離された単一壁カーボンナノチューブを含む少なくとも1つの分離フラクションは、この媒質から分離することができる。1または複数のこのようなフラクションは、勾配に沿った位置において等密度であってもよい。単離されたフラクションは、例えばナノチューブ直径寸法、キラリティー、および電子型から選択された少なくとも1つの特徴の点で、実質的に単分散の単一壁カーボンナノチューブを含みうる。様々な分別技術が用いられてもよく、これは、上方移動、吸引(まずメニスカスまたは濃密末端から)、管穿刺、管スライス、勾配の架橋およびその後の抜き出し、ピストン分別、および当業界において公知のあらゆるほかの分別技術を包含するが、これらに限定されるわけではない。
1回の分離後に収集された媒質フラクションおよび/またはナノチューブフラクションは、少なくとも1つの選択された特性(例えば直径)によるカーボンナノチューブの分離の点で十分に選択的になりうる。しかしながらいくつかの実施形態において、その選択性を改良するために、このフラクションをさらに精製することが望ましいことがある。したがっていくつかの実施形態において、本教示の方法は、反復分離を含んでいてもよい。具体的には、単離されたフラクションは、同じ表面活性成分系または異なる表面活性成分系を有する組成物として供給されてもよく、この組成物は、同じ流体媒質または異なる流体媒質と接触させることができ、この場合、この流体媒質は、この単離されたフラクションが得られる流体媒質と同一または異なる密度勾配を有してもよい。あるいくつかの実施形態において、流体媒質条件またはパラメーターは、分離毎に維持されてもよい。あるいくつかのほかの実施形態において、少なくとも1つの反復分離は、1またはそれ以上のパラメーター、例えば非限定的に、1または複数の表面活性成分の種類、媒質の種類、媒質密度勾配、および/または先行分離の1またはそれ以上に対する媒質pHの変更を含んでいてもよい。したがって本明細書に開示されている方法のいくつかの実施形態において、表面活性成分の選択は、反復分離を可能にするその能力と組み合わされてもよく、これは例えば、DNAラップされたSWNTにとって(部分的にはSWNTからのDNAの除去における難しさにより)不可能であると考えられている。
あるいくつかの実施形態、例えばキラリティーまたは電子型による分離において、本方法は、密度勾配遠心分離の多重反復を含んでいてもよく、これによって、物理的および電子的構造による分離の程度は、各反復毎に改良されうる。例えば、望まれないキラリティーの除去は、連続的反復密度勾配遠心分離によって実施することができる。これに加えて、SWNTをカプセル化する1または複数の界面活性剤は、反復と反復の間に変性または変更することができ、分離のさらなる改良さえ可能にするが、その理由は、密度と物理的および電子的構造との関係が、結果として生じるいずれかの界面活性剤/カプセル化層の関数として様々に変わるであろうからである。各分離後に単離された分離フラクションは、さらなる複合化および遠心分離工程が実施される前に洗浄されてもよい。
収集された1または複数のフラクションの選択性は、様々な分析方法によって確認することができる。例えば、非限定的に分光分析技術、例えば分光測定分析および蛍光測定分析を含む光学技術を用いることができる。このような技術は一般に、1またはそれ以上の吸光度および/または発光スペクトルと、対応対照スペクトルとを比較する工程を含む。単離されたナノチューブフラクションは一般に、少なくとも1つの選択された特性の分散においてより狭い分布を有する。
上に記載されているように、非限定的に高圧一酸化炭素(「HiPCO」)方法、Co−Mo触媒作用(「CoMoCAT」)方法、およびレーザーアブレーション方法を包含する現在の公知技術によって合成されたカーボンナノチューブは典型的には、不均質構造および特性を有する。例えばCoMoCATおよびHiPCO方法のどちらも典型的には、約7Å〜約11Åの範囲内の直径を有するSWNTを生じるが、一方、レーザーアブレーション成長方法は典型的には、約11Å〜約16Åの範囲内の直径を有するSWNTを生じる。したがって本明細書に開示されている方法による分離前に、カーボンナノチューブの不均質サンプルは、様々なキラリティー、直径、および/または電子型を有しうる。いくつかの実施形態において、カーボンナノチューブの直径寸法は、約7Å〜約20Å、約7Å〜約16Å、約7Å〜約15Å、約7Å〜約12Å、約7Å〜約11Å、約7Å〜約10Å、約11Å〜約20Å、約11Å〜約16Å、約11Å〜約15Å、約12Å〜約20Å、約12Å〜約16Å、または約12Å〜約15Åの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、カーボンナノチューブの不均質サンプルは、金属性カーボンナノチューブおよび半導体性カーボンナノチューブを包含しうる。
下にある本明細書の実施例によって証明されているように、本教示によって可能にされた選択性は、約0.6Å未満の直径だけ異なるカーボンナノチューブの分離によって示すことができる。例えばいくつかの実施形態において、本教示は、次のようなカーボンナノチューブ(例えばSWNT)の集団を提供しうる。すなわち、これらのカーボンナノチューブの>99.9%、>99%、>97%、>95%、>90%、>85%、>80%、>75%、または>50%が、約0.6Å未満だけ異なる直径を有してもよく、またはこれらのカーボンナノチューブの>99.9%、>99%、>97%、>95%、>90%、>85%、>80%、>75%、または>50%が、この集団の平均直径の約0.6Å内の直径を有してもよい。いくつかの実施形態において、本教示は、これらのカーボンナノチューブの>99.9%、>99%、>97%、>95%、>90%、>85%、>80%、>75%、または>50%が、約0.5Åだけ異なる直径を有してもよく、またはこれらのカーボンナノチューブの>99.9%、>99%、>97%、>95%、>90%、>85%、>80%、>75%、または>50%が、この集団の平均直径の約0.5Å内の直径を有してもよいカーボンナノチューブの集団を提供しうる。いくつかの実施形態において、本教示は、これらのカーボンナノチューブの>99.9%、>99%、>97%、>95%、>90%、>85%、>80%、>75%、または>50%が、約0.2Åだけ異なる直径を有してもよく、またはこれらのカーボンナノチューブの>99.9%、>99%、>97%、>95%、>90%、>85%、>80%、>75%、または>50%が、この集団の平均直径の約0.2Å内の直径を有してもよいカーボンナノチューブの集団を提供しうる。いくつかの実施形態において、本教示は、これらのカーボンナノチューブの>99.9%、>99%、>97%、>95%、>90%、>85%、>80%、>75%、または>50%が、約0.1Åだけ異なる直径を有してもよく、またはこれらのカーボンナノチューブの>99.9%、>99%、>97%、>95%、>90%、>85%、>80%、>75%、または>50%が、この集団の平均直径の約0.1Å内の直径を有してもよいカーボンナノチューブの集団を提供しうる。あるいくつかの実施形態において、本教示は、これらのカーボンナノチューブの>75%が、この集団の平均直径の約0.5Å内の直径を有してもよいカーボンナノチューブの集団を提供しうる。
本教示によって可能にされた選択性はまた、このような分離されたカーボンナノチューブの>33%が金属性であるか、またはこのような分離されたカーボンナノチューブの>67%が半導体性であるカーボンナノチューブの分離によって示すこともできる。例えばいくつかの実施形態において、本教示は、これらのカーボンナノチューブの>99.9%、>99%、>97%、>95%、>92%、>90%、>85%、>80%、>75%、>50%、または>33%が金属性であってもよいカーボンナノチューブ(例えばSWNT)の集団を提供しうる。ほかの実施形態において、本教示は、これらのカーボンナノチューブの>99.9%、>99%、>97%、>95%、>92%、>90%、>85%、>80%、>75%、または>67%が半導体性であってもよいカーボンナノチューブの集団を提供しうる。あるいくつかの実施形態において、本教示は、これらのカーボンナノチューブの>50%が金属性であってもよいカーボンナノチューブの集団を提供しうる。あるいくつかの実施形態において、本教示は、これらのカーボンナノチューブの>70%が半導体性であってもよいカーボンナノチューブの集団を提供しうる。
同様に、本教示によって可能にされた選択性は、カーボンナノチューブの分離であって、分離されたこのようなカーボンナノチューブの>15%が、同じキラリティー(n,m)型を有するものによって示すことができる。例えばいくつかの実施形態において、本教示は、これらのカーボンナノチューブの>99.9%、>99%、>97%、>95%、>90%、>85%、>80%、>75%、>50%、>30%、または>15%が同じキラリティー(n,m)型を有するカーボンナノチューブ(例えばSWNT)の集団を提供しうる。あるいくつかの実施形態において、本教示は、これらのカーボンナノチューブの>30%が同じキラリティー(n,m)型を含んでいてもよいカーボンナノチューブの集団を提供しうる。
本明細書に記載されているように、密度勾配超遠心分離は、直径、バンドキャップ、および電子型によるカーボンナノチューブのバルク精製のための測定可能な方法を提供しうる。下の実施例において証明されているように、本教示は、SWNTの不均質混合物を精製することができ、半導体性SWNTの97%超が、平均直径の0.2Å内にあるはっきりした直径分布を提供する。さらには、SWNTについての構造−密度関係は、例えば競合的共界面活性剤の混合物を使用することによって、例外的な金属−半導体分離を達成するために作り変えることができ、このようにして、優勢的に単一電子型である多量のSWNTの単離を可能にする。
本教示の方法によって精製されたSWNTは、その後の加工処理技術と非常に適合性があり、かつデバイス中に統合することができるので、本教示はまた、単分散構造および特性を有するSWNTを必要とする製品(電子デバイス、光学デバイス、およびこれらの組み合わせ)、およびほかの技術的用途も提供する。
次の非限定的実施例およびデータは、本教示の方法および/または系に関する様々な態様および特徴を例証する。これは、カーボンナノチューブ分離のための密度勾配媒質の調製および使用を包含し、これらの確認は、本明細書に記載され、かつ当業者に公知である種類の分光技術を用いて入手しうる。先行技術と比較して、本方法および系は、驚くべきであり、意外であり、かつ先行技術と反対の結果およびデータを提供する。このような教示の有用性は、いくつかの方法、およびこれとともに用いることができる密度勾配媒質および表面活性成分の使用を通して例証されているが、匹敵しうる結果が、本教示の範囲と整合しているような、様々なほかの媒質および表面活性成分を用いて入手しうることが当業者によって理解されるであろう。ほかの非限定例は、前記の組み込まれた出願における実施例、図面、および対応する考察を考慮した時に提供される。
実施例1:異なる単一界面活性剤系を用いたSWNTの分離
粗SWNT材料
様々な直径のSWNTを、CoMoCAT方法(直径約7〜11Åの管を生じる)、およびレーザーアブレーション成長方法(直径約11〜16Åの管を生じる)によって生産されたSWNTを使用することによって探究した。CoMoCAT材料を、シリカを除去するためにのみ精製された原料として、Southwest Nanotechnologies,Inc.(Norman,OK)から購入した。レーザーアブレーション成長されたSWNTは、Carbon Nanotechnologies Inc.(Houston,TX)によって製造され、これらの粗形態で受け取られた。
界面活性剤カプセル化
胆汁酸塩またはほかの界面活性剤の溶液中にSWNTを分散するために、1mg/mLのSWNTを、超音波処理によって2%w/v界面活性剤の溶液中に分散した。ドデシル硫酸ナトリウム(電気泳動グレード、最低99%)を、Fisher Scientificから購入した。ドデシルベンゼンスルホン酸、ナトリウム塩、同種の(homologous)アルキルベンゼンスルホネートの80%(CH)混合物;コール酸ナトリウム水和物、最低99%;デオキシコール酸、最低99%;およびタウロデオキシコール酸ナトリウム水和物、最低97%TLCを、Sigma−Aldrich,Inc.から購入した。デオキシコール酸のナトリウム塩を実験で用い、等モル濃度のNaOHの添加によって形成した。超音波処理(Sonic Dismembrator500、Fisher Scientific)を、超音波プローブ(マイクロチップエクステンション、Fisher Scientific)を3〜15mLのSWNT溶液中に浸漬することによって実施した。このプローブを、この機器の最大振幅の40%で、60分間20kHzで駆動した。音波処理中に、この溶液を、加熱を防ぐために氷水浴中に浸漬した。いくつかの例では、超音波処理後、不溶物質の大きい凝集を、54krpmで14分間、TLA100.3ローター(Beckman−Coulter)での超遠心分離によって除去した。
密度勾配を作る方法
密度勾配を、OptiPrep(登録商標)60%w/vイオジキサノール、1.32g cm-3(Sigma−Aldrich,Inc.)として購入した非イオン性密度勾配媒質のイオジキサノールの水溶液から形成した。勾配を、2つの方法のうちの1つによって、層化およびその後の拡散によって、または線形勾配作製機を用いて、遠心分離管において直接作り出した。J.M.Graham,Biological centrifugation、(BIOS Scientific Publishers,Limited,ebrary,Inc.,2001)参照。層化およびその後の拡散方法において、各々が別個の漸減イオジキサノール濃度からなる3〜6層を、遠心分離管において層化した。初期、この結果として、遠心分離管の頂部から底部まで、密度において段階的に増加する密度勾配を生じた。遠心分離管はついで蓋をされ、勾配は、遠心分離管の長さおよび拡散段階中のその傾斜角度に応じて、これがほぼ線形になるまで、1〜18時間拡散するままにされた。密度勾配を作り出すための代替方法において、拡散のために待つ必要もなく、遠心分離管において線形勾配を直接作り出すために、線形勾配作製機を使用した(SG15線形勾配作製機、Hoefer Inc.)。
いくつかの場合、1容積のイオジキサノールあたり60重量%の下部層を、遠心分離管における勾配の線形部分を上昇させるために、勾配の底部に挿入した。同様に、いくつかの場合、遠心分離管を、界面活性剤のみからなる(0%w/vイオジキサノール)上部層で満たした。これらの層のすべては初期、典型的には2%w/vである同じ濃度の界面活性剤からなっていた。
線形勾配中にSWNTを含めるために、いくつかの方法を使用した:(i)界面活性剤の水溶液(典型的には2%w/v)中に分散されたSWNTを、遠心分離前にこの勾配の頂部で層化した;(ii)密度を調節するために、イオジキサノールを、分散されたSWNTの水溶液へ添加し、この溶液はついで、予め形成された勾配の密度が、溶液の密度とマッチする地点でシリンジによって線形勾配中へ挿入された;および(iii)イオジキサノールを、分散されたSWNTの水溶液へ添加し、この溶液を、階段勾配の1つの層として用いた。イオジキサノールの拡散速度と比較して遅い方のSWNTの拡散速度によって、これらのSWNTは、拡散工程の間、これらの初期位置に留まることが観察された。
遠心分離
遠心分離を、2つの異なるローター、固定角TLA100.3ローター、およびスイングバケットSW41ローター(Beckman−Coulter)において、空間範囲および勾配の初期傾斜に応じて、それぞれ22℃、64krpm、および41krpmで、9〜24時間実施した。
初期勾配の典型的な傾斜および密度(遠心分離前)
図4(a)−(b)は、密度勾配の層化および超遠心分離の間のその再分配を例証している。図4(a)は、典型的な初期密度勾配を示す概略図である。濃密下部層と浮遊上部層との間において、イオジキサノールの線形勾配を作り出し、SWNTを、遠心分離前にその層中に挿入する。図4(b)は、密度プロフィールの再分配をグラフによって示している。超遠心分離の間、密度勾配媒質(例えばイオジキサノール)は拡散を受け、一方、Lamm方程式によって規定されるように、求心力に応じて遠心分離管の底部の方へ同時に沈降する。
TLA100.3遠心分離管(内径1.1cm、容量3mL)において、典型的な勾配は、頂部における5%w/vイオジキサノールから、底部における40%w/vイオジキサノールまで変動した(1.03〜1.21g cm-3)。界面活性剤カプセル化SWNTを、当初、勾配の頂部2/3のどこかに播種した。典型的な遠心分離条件は、64krpmで9時間であった。
SW41遠心分離管(内径1.3cm、容量約12mL)において、典型的な勾配を、遠心分離管の総高さ未満に抑制した(図4)。まず、1.5mLの60%w/vイオジキサノール(1.32g cm-3)を、遠心分離管の底部へ添加した。この層を、遠心分離管中の勾配の高さを上昇させるために用いた。この下部層の頂部に、5mLの線形勾配を加えた。ついで、0.88mLのSWNT溶液(イオジキサノールの添加によって既に調節された密度)を、この勾配中に挿入した。この勾配の頂部に、大きい求心力におけるその崩壊を防ぐために、界面活性剤溶液(イオジキサノールなし)を添加して、遠心分離管を完全に満たした(図4)。コール酸ナトリウム分離のために、遠心分離管の勾配部分は、頂部における7.5%w/v(1.04g cm-3)から、底部における22.5%w/v(1.12g cm-3)まで、または頂部における10%w/v(1.05g cm-3)から、底部における25%w/v(1.13g cm-3)まで線形的に変動した。典型的な遠心分離条件は、41krpmで12時間であった。
選択された密度および勾配の傾斜は、密度勾配超遠心分離の有効性を最適化するために様々に変えることができるパラメーターである。SWNTがその等密度点に達する前に沈降しなければならない距離を最小限にするために、密度勾配が構成されることが好ましい。さらには、超遠心分離の間、密度プロフィール(遠心分離管中の高さの関数としての密度)は、密度勾配媒質が求心力に応答するので再分配されるであろうことを理解すべきである。典型的にはこのことは、密度勾配が時間とともに急勾配になるであろうことを意味する。
最適な密度勾配の形成を補助するために、超遠心分離の間のイオジキサノールの再分配およびSWNTの分離は、SWNTの浮遊密度およびこれらの沈降係数が公知であるならば、Lamm方程式への数値解によって大雑把に予測することができる。J.M.Graham Biological centrifugation,(BIOS Scientific Publishers,Limited,ebrary,Inc.,2001)参照。
階段勾配におけるSWNTの濃度
いくつかの場合、SWNTの分散および単離後であるが、密度勾配における分離前、SWNT溶液を、階段密度勾配における超遠心分離によって濃縮した。図5は、大きい階段密度勾配を用いた密度勾配超遠心分離によるSWNTの濃縮を示す写真図面である。左側の写真は、コール酸ナトリウム、カプセル化剤を含むがイオジキサノールを含まないSWNT溶液(a)、および濃縮前に層(a)と同じ濃度で添加されたカプセル化剤とともに60%w/vのイオジキサノールを含む停止層(b)の分配を示している。左側の写真は、約200,000gでの超遠心分離後の濃縮SWNT溶液を示している。ρaとρbとの間の浮遊密度を有する、コール酸ナトリウム−カプセル化SWNTは、層(a)と層(b)との間の界面まで沈降している。
階段勾配を形成するため、およびその後SWNT溶液を濃縮するために、SWNT溶液(ρ約1g/mL)を、OptiPrep(登録商標)溶液(60%w/vイオジキサノール溶液、1.32g/mL)の上に直接層化した。界面活性剤を、SWNT溶液(通常2%w/v界面活性剤)中と同じ1容積あたりの重量で、OptiPrep(登録商標)溶液へ添加した。超遠心分離の間、1.00〜1.32g/mLの浮遊密度を有する単離SWNTは、両方の層間の界面へ沈降した。界面におけるSWNTを、ついで遠心分離管から分別によって抜き出した。このことは、光学的分光測光法から決定された場合、3〜5のファクターだけSWNTの濃縮を可能にした。濃縮されたSWNTは、分別によって除去することができる。
分別
遠心分離後、分離されたSWNTを、これらの密度勾配から、層毎に分別によって除去した。TLA100.3管を分別するために、濃密追跡媒質(dense chase media)としてFluorinert(登録商標)FC−40(Sigma−Aldrich,Inc.)を用いて上方置換モードで、改変Beckman Fractionation System(Beckman−Coulter Inc.)を使用した。25μLのフラクションを収集した。SW41遠心分離管を分別するために、Piston Gradient Fractionator系を使用した(Biocomp Instruments,Inc.,Canada)。0.5〜3.0mmフラクションを収集した(容積70〜420μL)。両方の場合、フラクションを、光学的特徴決定のために、2%w/v界面活性剤溶液中の1mLまで希釈した。
密度プロフィールの測定
遠心分離後再分配勾配の密度プロフィールを測定するために、100〜300μLフラクションを収集し、これらの密度を、較正したマイクロピペットおよび電子秤を用いて、これらのフラクションの公知容積の質量を測定することによって決定した。遠心分離時間の増加とともに、イオジキサノールは遠心分離管の底部に向かって再分配され、その結果、Lamm方程式によって規定されているように、さらに急な勾配を生じた(図4(b))。
光学吸光度スペクトルの測定
分離されたSWNTの収集フラクションの光学吸光度スペクトルを、0.066〜0.266秒の積分時間、1nmの解像度において400〜1340nmのCary500分光光度計(Varian,Inc.)を用いて測定した。同様な光屈折率のサンプル(同様なイオジキサノールおよび界面活性剤濃度)を、Cary500の2ビームモードを用いて、バックグラウンド吸光度(水、界面活性剤、イオジキサノールなどによる)を差し引くための対照サンプルとして用いた(ランプ照明は該サンプルと対照サンプルとの間で分割され、対照吸収がサンプルのものから差し引かれている)。波長とともに様々に変わる機器感受性について補正するために、ベースライン補正を使用した。
測定された光吸収スペクトルから、ゆっくりと変わるバックグラウンド吸収の効果を差し引くために、波長に関して測定された光吸収の導関数を用いた。図6は、相対的SWNT濃度の決定のための吸光度スペクトルのフィッティングを示している。吸光度スペクトルは、白い三角形としてプロットされている(左軸)。波長に関する吸光度の導関数は、白い円としてプロットされている(右軸)。バックグラウンド吸光度の効果は、絶対吸光度ではなく導関数(矢印で示されている)の幅を用いることによって最小にされる。
絶対吸光度に対立するものとして波長に関して測定された光吸収の導関数を用いることに加えて、バックグラウンド吸収(残留炭質不純物から、π−プラズモン共鳴の尾(tail)、およびオフ共鳴(off−resonance)、近隣の吸光度ピーク)は、一次光遷移に近い変動と比較して、波長に関してゆっくりと変わっていたと想定される。このことは、単離された半導体性SWNTの一次光遷移の線幅が比較的狭い、すなわち約25meVであると測定されているので、合理的な想定である。さらには、ここで調査された6つの転移間の間隔は、25meVよりも有意に大きい(表1)。ゆっくりと変わっているバックグラウンドは、このバックグラウンド吸収の導関数が十分に小さく、無視することができることを意味している。同様に、これらの転移の線形状は、ベールの法則から予想されるように、濃度および浮遊密度とともに一定のままに留まることも想定される。不変の線形状は、この導関数が吸収の幅に正比例するであろうことを意味する。この場合、吸収の相対幅は、この導関数を用いて測定することができる。波長に関するバックグラウンド吸光度の小さい線形変動をさらに排除するために、光吸収における各ピークの右および左の方への導関数の最大絶対値が平均され、この平均値は、吸光度の幅として報告された。これは濃度に比例する(ベールの法則)。表1を参照すると、6つの光遷移のうちの3つは、ナノチューブの2つの異なるキラリティーに由来することが分かる。
表1.近赤外吸収ピークの帰属
Figure 2010502548
光学スペクトルの分析
A.CoMoCAT−成長、SC−カプセル化SWNTの分離
初期SWNT分散:6.2mgの粗CoMoCAT SWNTを、既に記載されているように、1時間ホーン超音波処理によって、6.2mLの2%w/vコール酸ナトリウム(SC)中に分散した。目の粗い凝集体および不溶性物質をついで、短い超遠心分離工程によって除去した。このことを、2つのポリカーボネート遠心分離管(Beckman−Coulter)を3.0mLの超音波処理溶液で満たし、54krpmで14分間分離して実施した(TLA100.3、22℃)。短い超遠心分離後、各遠心分離管の頂部の2.5mLを、デカントし、密度勾配におけるその後の分離のために取り置いた。
密度勾配遠心分離:Beckman SW41ローターを、この選別実験のために使用した。勾配を、線形勾配作製機を用いて次の手順によって、SW41−サイズのポリクリア(polyclear)遠心分離管(Beckman−Coulter)において直接形成した。最初に、遠心分離管の底部を、既に記載されているように60%w/vイオジキサノール、2%w/vSCからなる1.5mLの下部層で満たした。ついで3mLの7.5%w/vイオジキサノール、2%w/vSC、および3mLの22.5%w/vイオジキサノール、2%w/vSCを調製し、各々の2.5mLを、それぞれ線形勾配作製機の混合およびリザーバチャンバへ添加した。線形勾配を、勾配作製機の出力から、遠心分離管中の下部層のわずかに上へ(<2mm)、1個のガラス管(内径約1mm、長さ約10cm)を用いてもたらした。ガラスセグメントおよび線形勾配作製機の出力を、フレキシブルチューブを介して連結した。この手順を用いて、勾配作製機は、全体を通して2%w/vの等しい濃度で、頂部から底部まで7.5%w/vイオジキサノールから22.5%w/vイオジキサノールまで変わるほぼ線形の密度勾配を作り出すであろうと予想された。この予想は、形成直後の勾配の密度プロフィールを分別および測定することによって確認された。
勾配の形成後、既に分散されたSWNT(上記)、2%w/vSC、および20%w/vイオジキサノールからなる1.1mL溶液を作製した。この溶液を作るために、367μLの60%w/vイオジキサノール、2%w/vSC、および2%w/vSC中に分散された733μLのCoMoCAT SWNTを混合した。ついで0.88mLのこのSWNT溶液を、この勾配の下りの途中の5/6に挿入されたシリンジ針によって、既に作られた密度勾配中に(シリンジポンプ、PhD2000、Harvard Apparatus,Inc.を用いて、0.1mL分-1の速度で)ゆっくりと挿入した。シリンジ針の高さを、その密度が既に形成された勾配の密度とマッチするところへSWNT溶液を挿入するように調節した。SWNT溶液の挿入後、遠心分離管の残りを、2%w/vSCからなる(イオジキサノールはない)上部層で満たした。遠心分離管を、その頂部から約4mmまで満たした。選別を、41krpmで12.0時間22℃において超遠心分離によって行なった。
分別:密度勾配超遠心分離による選別後、勾配を、0.5mmセグメント(70μL)に分別した。各フラクションを、1mLに希釈し、既に記載されているように光学的に特徴決定した。
図7は、密度勾配超遠心分離による、SC−カプセル化CoMoCAT−合成SWNT(これは7〜11Åの直径範囲を有する)の分離を図解している。図7(a)は、一工程分離後の遠心分離管の写真である。図7(a)を参照すると、分離されたSWNTの複数の領域が、密度勾配全体にわたって目に見える。分離は、直径およびバンドギャップによって選別された単離SWNTの着色バンドの形成によって証明され、少なくとも3つの異なる着色バンドが、明らかに目に見える(上から下へ、マゼンタ、緑色、および褐色)。異なるカラーバンドは、半導体性管の異なるバンドギャップに対応する。束、凝集体、および不溶性物質が、勾配の下部に沈降する(黒色バンドとして)。
図7(b)は、密度勾配超遠心分離を用いた分離後の光学吸光度スペクトル(1cm経路長)を示している。精製前のSWNTは、灰色の破線として記載されている。図7(b)における光学吸光度スペクトルによって示されているように、900〜1340nm範囲における異なる転移(一次半導体性転移(first order semiconducting transition))についての光学吸光度の幅もまた、直径およびバンドギャップによる分離を示している。より具体的には、これらのスペクトルは、漸増的に大きくなる直径のSWNTが、漸増的に大きくなる密度において強化されることを例証している。
CoMoCAT方法によって生産されたSWNTについての半導体性一次転移は、文献に記載されているように、スペクトル的に900〜1340nmの間に位置している。具体的には、半導体性SWNTの3つの直径範囲が、強調表示されている(赤色、緑色、および青色;(6,5)、(7,5)、および(9,5)/(8,7)キラリティー;直径7.6、8.3、および9.8/10.3Å;それぞれ第3、第6、および第7フラクションにおいて最大限にされている)。上に記載されているように、吸光度スペクトルを、異なる半導体性(n,m)キラリティーの濃度を決定するために、このスペクトル範囲においてフィットした。同じ例において、いくつかの(n,m)キラリティーは重なり合うが、その理由は、これらが同様な波長において一次転移を有するからである(表1)。一般に、より長い波長における光遷移を有するSWNTは、直径がより大きい。このようにして、密度の関数として異なる波長におけるこれらの転移の強さを分析することによって、異なる直径のSWNTの密度を決定することが可能である(図6)。しかしながらE11光遷移は、上に記載されているように差し引かれた、ゆっくりと変わるバックグラウンド吸光度の頂部にある。頂部フラクションから底部フラクションまでの密度差は、0.022g cm-3であると測定され、頂部フラクションについての密度は、1.08±0.02g cm-3であると測定された。
B.CoMoCAT−成長、SDBS−カプセル化SWNTの分離
初期SWNT分散:3.8mgの粗CoMoCAT SWNTを、1時間ホーン超音波処理によって、3.8mLの2%w/vナトリウムドデシルベンゼンスルホネート(SDBS)中に分散した。目の粗い凝集体および不溶性物質をついで、短い超遠心分離工程によって除去した。このことを、1つのポリカーボネート遠心分離管(Beckman−Coulter)を3.0mLの超音波処理溶液で満たし、27krpmで45分間分離して実施した(TLA100.3、22℃)。短い超遠心分離後、各遠心分離管の頂部の2.5mLをデカントし、密度勾配におけるその後の分離のために取り置いた。
密度勾配遠心分離:Beckman TLA100.3ローターを、この選別実験のために使用した。勾配を、層化によってTLA100.3−サイズのポリカーボネート遠心分離管(Beckman−Coulter)において直接形成した。1.0mLの3つの別個の溶液を、遠心分離管においてパスツールピペットを用いて、手で互いの上に層化した。底部層は、40%w/vイオジキサノール、2%w/vSDBSからなっていた。中部層は、20%w/vイオジキサノール、2%w/vSDBSからなっていた。頂部層は、10%w/vイオジキサノールおよび2%w/vSDBSからなっていた。具体的にはこの層を、166μLの60%w/vイオジキサノールと、2%w/vSDBS中に分散された843μLのSWNTとを混合することによって作製した。
層化後、勾配を、ほぼ直線のプロフィール中へのイオジキサノールの拡散を可能にするため、1時間垂直線から約80度傾斜させた。拡散工程後、選別を、64krpmで9時間22℃での超遠心分離によって誘発した。
分別:密度勾配超遠心分離による選別後、勾配を、25μLセグメントに分別した。各フラクションを1mLへ希釈し、上記のように光学的に特徴決定した。
図8は、密度勾配超遠心分離によって、SDBS−カプセル化CoMoCAT−合成SWNTの分離を図解している。図8(a)は、一工程分離後の遠心分離管の写真である。図8(a)を参照すると、SC−カプセル化SWNTとは対照的に、SDBS−カプセル化SWNTのすべてが狭い黒色バンドに圧縮されることがわかる。対応光学スペクトルにおいて(図8(b))、同様に、直径分離もバンドギャップ分離も示されていないことも分かる。頂部フラクションから底部フラクションまでの密度差は、0.096g cm-3であると測定され、頂部フラクションについての密度は、1.11±0.02g cm-3であると測定された。
C.ほかの単一界面活性剤系を用いたCoMoCAT−成長SWNTの分離
上に記載されているものと同様な手順にしたがうが、3つのほかの単一界面活性剤系を用いて、直径と密度との間の同様な相関関係が、デオキシコール酸ナトリウム(図9(a))およびタウロデオキシコール酸ナトリウム(図9(b))の事例で観察された。しかしながらドデシルスルホン酸ナトリウム(sodium dodecyl sulfonate)(SDS)(図9(c))の事例について、直径の関数としての分離は存在しなかった。
D.レーザーアブレーション−合成SWNTの分離
レーザーアブレーション成長方法によって合成された、11〜16Å直径範囲内のSWNTを、SC−カプセル化を用いて精製した。次の変更以外、上のセクションAに記載されているものと同一な手順が用いた:(1)レーザーアブレーション方法によって成長させたSWNTを、CoMoCAT方法によって成長させたSWNTの代わりに用いた;(2)10.0%および25.0%w/vイオジキサノール溶液を、線形密度勾配形成の間、それぞれ7.5%および22.5%w/vイオジキサノール溶液の代わりに用いた;(3)SWNTを含有する溶液を、勾配中への挿入前に、20.0%w/vイオジキサノール溶液ではなく、24.1%w/vイオジキサノール溶液として調製した。
図10は、密度勾配超遠心分離による、SC−カプセル化レーザーアブレーション−合成SWNTの分離を図解している。図10(a)は、一工程分離後の遠心分離管の写真である。図10(a)を参照すると、SWNTの着色バンドが明らかであり、電子構造による分離を示唆している。具体的には、5またはそれ以上の着色バンドが目に見える(頂部から底部へ:第一緑色バンド、オレンジ色バンド、黄色バンド、第二緑色バンド、および褐色バンド)。同様に、漸増直径とともに増加する密度の傾向も観察された。頂部フラクションから底部フラクションまでの密度差は、0.026g cm-3であると測定され、底部フラクションについての密度は、1.08±0.02g cm-3であると測定された。
図10(b)は、密度勾配超遠心分離を用いた分離後の光学吸光度スペクトル(1cm経路長)を示している。精製前のSWNTは、灰色の破線として記載されている。図10(b)の光学吸光度スペクトルにおいて、二次および三次半導体性および一次金属性光遷移は、それぞれS22、S33、およびM11と標識されている。直径分離は、漸増密度とともにS22光遷移における強調された赤色シフトとして観察された(半導体性SWNTについての二次光学吸光度転移、800〜1075nm)。さらには、電子型によるこれらのSWNTの強化もまた検出された。大部分の浮遊フラクションにおいて、半導体性SWNTの濃度における強化が、金属性SWNTに関して観察された。これは、525〜750nmの範囲の一次光学吸光度を有する(金属性SWNT(M11)は、大部分の浮遊フラクション中で枯渇された)。
実施例2:密度勾配超遠心分離の多重サイクル
この技術の単一工程後に達成された単離の程度は、超遠心分離の間のSWNTの拡散、分別の間の混合、界面活性剤カプセル化における統計変動によって制限されている。これらの制限を克服するため、および選別プロセスを改良するために、遠心分離プロセスを、多重サイクルについて繰り返すことができる。例えば、密度勾配超遠心分離、その後の分別、および収集されたフラクションの光学吸光度スペクトルの分析の第一反復後、該標的キラリティーまたは電子型の最大濃度を含有するフラクションを組み合わせることができる。組み合わされたフラクションの密度および容積はついで、どちらも、界面活性剤/カプセル化剤(通常、2%w/v界面活性剤)を含有するイオジキサノールおよび水の添加によって調節することができる。この選別されたサンプルはついで、第二密度勾配中に挿入し、遠心分離することができ、このプロトコル全体を繰り返すことができる。このプロセスは、要望に応じた反復回数だけ繰り返すことができる。このことは、SWNTの標的電子型または特異的キラリティーの最適単離を可能にする。
この研究方法を証明するために、半導体性SWNTの(6,5)および(7,5)キラリティーの強化が標的され(それぞれ直径7.6および8.3Å)、光ルミネセンススペクトルが得られ、反復遠心分離による分離の改良を定量的に証明した。
初期SWNT分散:各々6.2mg粗CoMoCAT SWNTおよび6.2mLの2%w/vコール酸ナトリウムからなる4つの溶液を作製した。各溶液中のSWNTを、既に記載されているように、1時間ホーン超音波処理によって分散した。目の粗い凝集体および不溶性物質をついで、短い超遠心分離工程によって除去した。このことは、8つのポリカーボネート遠心分離管(Beckman−Coulter)を3.0mLの超音波処理溶液で満たし、54krpmで14分間分離して実施した(TLA100.3、22℃)。短い超遠心分離後、8つの遠心分離管の各々の頂部の2.5mLをデカントし、濃縮のために取り置いた。
初期分散後、これらのSWNTをついで、密度勾配超遠心分離の第一反復の間調製物中に濃縮した。6つのSW41ポリクリア遠心分離管(Beckman−Coulter)を各々、8.62mLの60%w/vイオジキサノール、2%w/vSCで満たし、これは、停止層として機能した。ついで、これらの濃密停止層の各々の頂部に、3.0mLの初期分散されたSWNTを添加し、これらの遠心分離管をその頂部から約4mmまで満たした。SWNTをついで、図5に記載されているように、41krpmで22℃において7.5時間超遠心分離によって濃縮した。その後、各遠心分離管を分別し、濃縮SWNTを、0.7cm(0.98mL)フラクション中に抽出した。最終結果は、3つのファクターによる濃縮であった。これらの濃縮フラクションのすべてを組み合わし、濃縮SWNTを含有する組み合わされたフラクションの浮遊密度は、1.12g cm-3と測定された。この組み合わされた溶液の密度はついで、2%w/vSCを添加することによって、1.105g cm-3に減少された。
密度勾配遠心分離:Beckman SW41ローターが使用された。勾配は、線形勾配作製機を用いて、SW41−サイズのポリクリア遠心分離管(Beckman−Coulter)において直接形成された。下部層または上部層は用いられなかった。約100mLの8.9%w/vイオジキサノール、2%w/vSC、および25.9%w/vイオジキサノール、2%w/vSCの保存溶液が調製された。各々の5.5mLが、それぞれ線形勾配作製機の混合およびリザーバチャンバへ添加された。線形勾配は、勾配作製機の出力から遠心分離管中の底部へ、1個のガラス管を用いてもたらされた。
勾配の形成後、0.88mLのSWNT溶液(1.105g cm-3)が、シリンジ針によってゆっくりと挿入され(0.1mL分-1)、シリンジ針の高さは、その密度が局部的密度勾配の密度とマッチするところへSWNT溶液が挿入されるように調節された。選別は、40krpmで24時間22℃において超遠心分離によって行なわれた。
分別:密度勾配超遠心分離による選別後、各勾配は0.66mmセグメント(93μL)に分別された。いくつかのフラクションは、1mLに希釈され、光学的に特徴決定された。ほかのフラクションは希釈されず、その後の密度勾配におけるさらなる選別のために取り置かれた。
反復:1回目の反復:濃縮管が、6つの勾配に分離された。6つすべてが同一に調製され、分別された。これらの6組のフラクションのうちの1つが、(6,5)または(7,5)キラリティーにおいて最も強化されたフラクションを決定するための光学的特徴決定のために希釈された。この決定がひとたびなされたら、残りの5組のフラクションの各々からの(6,5)または(7,5)キラリティーのどちらかにおいて強化された最良の6つのフラクションが組み合わされた。(6,5)および(7,5)の組み合わせの密度は、1.105g cm-3に調節された。
2回目の反復:1回目の反復の結果生じた最良の(6,5)および(7,5)フラクションは、ついで新鮮な密度勾配に分離された。(6,5)キラリティーにおいて強化されたSWNTが、3つの勾配に分離され、(7,5)キラリティーにおいて強化されたSWNTが、3つの勾配に分離された。1回目および2回目の反復について、同一の超遠心分離パラメーターが用いた。ここでもまた、密度勾配超遠心分離後に、1組のフラクションが、所望の該標的キラリティーにおいて最適に強化されたフラクションを決定するための光学吸光度スペクトルの測定のために希釈された。最良の(6,5)フラクションおよび最良の(7,5)フラクションの各々を組み合し、これらの密度を1.105g cm-3に調節した。
3回目の反復:2回目の反復の結果生じた最良の(6,5)および(7,5)フラクションはついで、1回目の反復において用いたものと同一の新鮮な密度勾配に分離された。ただし、20mMトリスを、SWNTの(7,5)キラリティーの単離を最適化するため、pHを8.5へ上昇させるために、各勾配全体を通して添加した(図7.14b)。1つの勾配が(6,5)SWNTについて、別の勾配が(7,5)SWNTについて実施された。各勾配は、0.066mmフラクションに分別され、すべてのフラクションは希釈され、下記のような光ルミネセンス技術を用いて分析された。
光ルミネセンススペクトルの測定
光ルミネセンススペクトルは、二重励起側および単一発光側モノクロメーターを有するHoriba Jobin−Yvon(Edison,NJ)Nanolog−3蛍光分析計を用いて測定された。これらのどちらも、10〜14.7nmの範囲のバンドパススリット幅に設定されている。光ルミネセンスは、液体窒素冷却されたInGaAs光ダイオードを用いて検出された。3−mm厚さのRG−850Schottガラスフィルター(Melles Griot,Carlsbad,CA)が、発光モノクロメーターにおける二次レイリー散乱を遮断するために用いた。495−nmカットオフロング−パスフィルター(FGL495S、Thorlabs,Newton,NJ)が、励起モノクロメーターにおいて二次レイリー散乱を遮断するために用いた。励起波長が6nmインクリメントで525〜825nmで変えられ、発光波長が900〜1310nmで変えられたマトリックススキャンが、0.5〜2.5秒の範囲の積算時間で収集された。発光−励起マトリックスからの濃度を決定するために、励起走査が、E11波長に対応する発光波長において、E22転移を通って励起軸に沿って補間された。図11は、相対的SWNT濃度の決定のための光ルミネセンススペクトルのフィッティングを図解している。図11(a)は、励起波長および発光波長の関数として光ルミネセンス強度をプロットしている(それぞれ垂直軸および水平軸)。図11(b)は、740nmにおける光ルミネセンス強度対励起波長をプロットしている。オフ共鳴SWNTからの幅広く変わるバックグラウンド光ルミネセンス、および(7,5)半導体性SWNTからの発光の両方が観察された(黒い矢印)。ゆっくりと変わっているバックグラウンドの効果を最小限にするために、吸光度スペクトルを分析するために適用された方法と同様な偏導関数方法がついで、特異的(n,m)キラリティーの相対濃度を引き出すために適用された。具体的には、光ルミネセンス強度対励起波長の偏導関数を計算した(図11(c)および図11(d))。(7,5)キラリティーの(濃度に比例する)強さを、図11(d)において黒い線として記載された偏導関数の幅から決定した。発光された光ルミネセンスの再吸収の効果および励起ビーム強度の減衰も補正した。
光ルミネセンススペクトルの分析
この実施例において得られたデータは、どのようにしてSC−カプセル化SWNTの連続的分離が、特異的な標的されたキラリティーの大幅に改良された単離につながり、SWNTの対応して漸増的に狭くなる直径分布を生成するかを例証している。
図12は、密度勾配遠心分離の3回の反復の各々の前後に、励起波長および発光波長の関数としての半導体性SWNTの光ルミネセンス強度を記載している。各反復後、半導体性SWNTの(6,5)および(7,5)キラリティーの相対濃度が増加しているのが観察された。(6,5)キラリティー(7,6Å)を3回強化した後、これらのSWNTの>97%が、(6,5)、(9,1)、および(8,3)キラリティー(それぞれ直径が7.6Å、7.6Å、および7.8Å)を有するSWNTのバルク溶液が得られた(表2)。換言すれば、3回目の反復から単離されたSWNTの>97%が、平均直径の0.2Å内にあった(初期集団からの62.3%、1回目の反復後の86%、および2回目の反復後の88.6%と比較して)。(7,5)最適化は、繰り返された分離後、(7,5)キラリティーを優勢にした。純度におけるさらなる改良が、追加サイクルを用いた場合に予想することができる。下の表2は、上に記載された偏導関数方法を用いた光ルミネセンススペクトルの分析を通して決定された、SWNTの個別キラリティーの定量的濃度を示している。
表2.図12に記載された光ルミネセンススペクトルから決定された、SWNTの(n,m)キラリティーの濃度
Figure 2010502548
図13は、図12における光ルミネセンススペクトルに対応する光スペクトルを示している。図13(a)は、(6,5)最適化からの吸光度スペクトルを示している。非選別材料から出発して(灰色破線、非選別)、471nmおよび982nmにおける(6,5)キラリティー光遷移の相対強度(強調表示されている)は、各反復とともに漸増的に強められている。図13(b)は、(7,5)最適化からの吸光度スペクトルを示している。選別の3回の反復にわたって、1031nmにおける(7,5)光遷移(強調表示されている)は、非分離材料(灰色破線、非選別)と比較して非常に強化されている。
実施例3:pHの調節および共界面活性剤の添加
SWNTの精製は、上の実施例2において証明されているように、超遠心分離の多重サイクルによって有意に強化されうるが、さらなる改良は、SWNTについての構造−密度関係の調整を通して単一サイクルの有効性を最適化することによって実施することができる。例えばpHを調節することによって、または競合的共界面活性剤を勾配に加えることによって、比直径範囲または電子型の精製を標的することができる。この実施例において、標的された比直径および電子型のSWNTの単離における改良は、pH7.4対pH8.5におけるSC−カプセル化CoMoCAT−成長SWNTを分離し、共界面活性剤系(1:4SDS:SC(重量)および3:2SDS:SC(重量))を用いて、CoMoCAT−成長およびレーザーアブレーション−合成SWNTを分離することによって証明された。ほかの比を有する共界面活性剤系も用いることができる。例えばアニオン性アルキル両親媒性物質(例えばSDS、SDBS、またはこれらの組み合わせ)対胆汁酸塩(例えばSC、デオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、またはこれらの組み合わせ)の比(重量)は、約1:10〜約2:1、例えば約1:8、約1:6、約1:4、約1:3、約1:2、約3:4、約1:1、約5:4、約6:5、約3:2、約7:4、約2:1であってもよい。あるいくつかの実施形態において、この比は、約1:10〜約1:2、例えば約1:8〜約1:3であってもよい。ほかの実施形態において、この比は、約5:4〜約2:1、例えば約6:5〜約7:4であってもよい。
A.pHの効果
手順
pH7.4におけるSC−カプセル化CoMoCAT−成長SWNTの分離:実施例1、セクションAに記載されているのと同じ手順が用いた。
pH8.5におけるSC−カプセル化CoMoCAT−成長SWNTの分離:実施例1、セクションAに記載されているのと同じ手順が用いたが、ただし20mMのトリスが、pHを8.5に上昇させるために、勾配全体に添加された(しかしながら、初期SWNT分散段階の間ではない)。
分析
SWNTのいくつかの異なる直径(白い三角形としての7.6Å−(6,5)、白い円としての8.3Å−(7,5)、および白い星記号としての9.8/10.3Å−(9,5)/(8,7))の相対濃度が、図14(a)におけるpH7.4でのSC−カプセル化SWNT、および図14(b)におけるpH8.5でのSC−カプセル化SWNTの事例について密度に対してプロットされている。濃度は、上記偏導関数方法によって、吸光度スペクトルから決定された(図6および図7(b))。最高の(6,5)キラリティー相対濃度を有するフラクションについての密度は、1.08±0.02g cm-3であると測定された。
図14(b)と図14(a)とを比較すると、pHを8.5に上昇させることによって、直径8.3Å近くのSWNTは、より大きい浮遊密度へシフトし、9.8/10.3Å範囲((9,5)/(8,7)キラリティー)におけるSWNTの最適分離を可能にすることが分かる。
B.共界面活性剤系の使用
手順
1:4SDS:SC(重量)を含む共界面活性剤系を用いた、ナノチューブ直径寸法に基づくCoMoCAT−成長SWNTの分離:次の変更以外は、実施例1、セクションAに記載されているのと同じ手順が用いた:(1)線形密度勾配形成の間、それぞれ7.5%および22.5%w/vイオジキサノール溶液の代わりに、15.0%および30.0%w/vイオジキサノール溶液が用いた;(2)SWNTを含有する溶液が、この勾配中への挿入前に、20.0%w/vイオジキサノール溶液ではなく27.5%w/vイオジキサノール溶液として調製された;および(3)SDS:SCの1:4重量比、全体で2%w/vが、2%w/vSCのみの単一界面活性剤溶液の代わりに、密度勾配超遠心分離の間に使用された。このようにして、この勾配の各部分は、0.4%w/vSDSおよび1.6%w/vSCを含有していた。しかしながら、これらのSWNTは依然として初期、SCの単一界面活性剤溶液中に超遠心分離によって分散され、その共界面活性剤、すべての場合SDSが、密度勾配超遠心分離段階に導入されただけであった。
1:4SDS:SC(重量)を含む共界面活性剤系を用いた、ナノチューブ直径寸法に基づくHiPCO−成長SWNTの分離:CoMoCAT−成長SWNTの分離についてすぐ上に記載されたのと同じ手順にしたがったが、ただしCoMoCAT−成長SWNTではなく、Carbon Nanotechnologies,Inc.からのHiPCO−成長SWNT(精製されていない粗原料)が用いた。
1:4SDS:SC(重量)を含む共界面活性剤系を用いた、電子型に基づくレーザーアブレーション−合成SWNT(半導体性)の分離:次の変更以外は、実施例1、セクションAに記載されているのと同じ手順が用いた:(1)CoMoCAT方法によって成長させたSWNTの代わりに、レーザーアブレーション方法によって成長させたSWNTが用いた;(2)線形密度勾配形成の間、それぞれ7.5%および22.5%w/vイオジキサノール溶液の代わりに、15.0%および30.0%w/vイオジキサノール溶液が用いた;(3)SWNTを含有する溶液が、この勾配中への挿入前に、20.0%w/vイオジキサノール溶液ではなく、27.5%w/vイオジキサノール溶液として調製された;および(4)SDS:SCの1:4重量比、全体で2%w/vが、2%w/vSCのみの単一界面活性剤溶液の代わりに、密度勾配超遠心分離の間に使用された。このようにして、この勾配の各部分は、0.4%w/vSDSおよび1.6%w/vSCを含有していた。
3:7SDS:SC(重量)を含む共界面活性剤系を用いた、電子型に基づくレーザーアブレーション−合成SWNT(半導体性)の分離:すぐ上に記載されたのと同じ手順にしたがったが、ただしSDS:SCの3:7重量比、全体で2%w/vが、1:4重量比、全体で2%w/vの共界面活性剤系の代わりに、密度勾配超遠心分離の間に使用された。このようにして、この勾配の各部分は、0.6%w/vSDSおよび1.4%w/vSCを含有していた。
3:2SDS:SC(重量)を含む共界面活性剤系を用いた、電子型に基づくレーザーアブレーション−合成SWNT(金属性)の分離:次の変更以外は、実施例1、セクションAに記載されているのと同じ手順が用いた:(1)CoMoCAT方法によって成長させたSWNTの代わりに、レーザーアブレーション方法によって成長させたSWNTが用いた;(2)線形密度勾配形成の間、それぞれ7.5%および22.5%w/vイオジキサノール溶液の代わりに、20.0%および35.0%w/vイオジキサノール溶液が用いた;(3)SWNTを含有する溶液が、この勾配中への挿入前に、20.0%w/vイオジキサノール溶液ではなく32.5%w/vイオジキサノール溶液として調製された;および(4)SDS:SCの3:2重量比、全体で2%w/vが、2%w/vSCのみの単一界面活性剤溶液の代わりに、密度勾配超遠心分離の間に使用された。このようにして、この勾配の各部分は、1.2%w/vSDSおよび0.8%w/vSCを含有していた。
1:4SDS:SC(重量)を含む共界面活性剤系を用いた、電子型に基づく3つの異なる起源のレーザーアブレーション−合成SWNT(半導体性)の分離:1:4SDS:SC(重量)を含む共界面活性剤系を用いた、電子型に基づくレーザーアブレーション−合成SWNT(半導体性)の分離に関連して上に記載されたのと同じ手順にしたがった:ただし3つの異なる起源のSWNTがテストされた:(1)Carbon Nanotechonologies,Inc.から得られた非精製粗レーザーアブレーション−合成SWNT;(2)IBMから得られた硝酸精製レーザーアブレーション−合成SWNT(バッチA);および(3)IBMから得られた硝酸精製レーザーアブレーション−合成SWNT(バッチB)。
電子型による共界面活性剤ベースの分離について、勾配部分は、頂部の15%w/v(1.08g cm-3)〜底部の30%w/v(1.16g cm-3)、または頂部の20%w/v(1.11g cm-3)〜底部の35%w/v(1.19g cm-3)で線形的に様々に変わった。
分析
1.共界面活性剤系を用いた、ナノチューブ直径寸法に基づくCoMoCAT−成長SWNTの分離
図14(a)および図14(b)と同様に、SWNTのいくつかの異なる直径(7.6、8.3、および9.8/10.3Å)の相対濃度は、図14(c)における1:4SDS:SC(重量)の混合物について、密度に対してプロットされている。図14(c)を図14(a)と比較すると、SDSを添加して、ナノチューブ表面への非共有結合のためにSCと競合することによって、8.3、および9.8/10.3Å直径領域におけるSWNTは、有意により大きい浮遊密度へシフトし、これは直径7.6Å((6,5)キラリティー)近くのSWNTの最適分離を可能にすることが分かる。
2.共界面活性剤系を用いた、ナノチューブ直径寸法に基づくHiPCO−成長SWNTの分離
図15(a)は、密度勾配遠心分離前、励起波長および発光波長の関数としてのHiPCO−成長SWNTの不均質集団の光ルミネセンス強度を記載している。図15(a)に示されているように、最強シグナルの1つが、約980nmの発光波長(および約570nmの励起波長)において観察された、これは、約7.5Åのナノチューブ直径寸法に対応する。約1190nmの発光波長(および約800nmの励起波長)において、および約1210nmの発光波長(および約790nmの励起波長)において、ほとんど注目に値しないシグナルが観察され、これらのどちらも、約10.5Åのナノチューブ直径寸法に対応する。
1:4SDS:SC(重量)を含む共界面活性剤系を用いた密度勾配遠心分離後、2つの分離フラクションが得られた。これら2つの分離フラクションの光ルミネセンススペクトルが、それぞれ図15(b)および図15(c)に示されている。図15(b)に示されているように、これら2つの分離フラクションの1つは、約960nm〜約980nmの範囲の発光波長で発光するナノチューブを優勢的に含有していた。より具体的には、最強シグナルは、約980nmの発光波長(および約570nmの励起波長)で観察された。このスペクトルは、この分離フラクションが、約7.5Åの直径寸法を有する単一壁カーボンナノチューブを優勢的に含有していたことを示す。比較により、図15(c)に示されているスペクトルにおいて、いくつかのシグナルが、異なる発光波長および励起波長において観察された。しかしながら、約960nm〜約980nmの発光波長範囲内のシグナルは、非常に抑制され、一方、約1190/800nmおよび1210/790nmの発光/励起波長におけるシグナル(これらは図15(a)においてほとんど注目に値しなかった)は、最強になっており、このことは、この分離フラクションにおいて、約10.5Åの直径寸法を有する単一壁カーボンナノチューブの濃度が、予め選別されたサンプルと比較してかなり増加していたことを示す。したがって図15のスペクトルは一緒になって、ナノチューブ直径寸法による分離が、HiPCO−成長SWNTの場合可能であったし、例えば上記の共界面活性剤系を用いて、良好な結果をともなって達成しうることを示している。
3.共界面活性剤系を用いた、電子型に基づくレーザーアブレーション−合成SWNTの分離
共界面活性剤集団は、11〜16Å直径領域におけるSWNTについての金属−半導体分離の最適化に対してさらに一層大きい効果を有することが観察された。図16(a)は、共界面活性剤系(1:4SDS:SC)中で分離されたレーザーアブレーション−合成SWNTの写真である。図16(a)に示されているように、3つのバンドのみが観察された。これら2つのバンド間の密度差は、0.006g cm-3であると測定され、頂部バンドの密度は、1.12±0.02g cm-3であると測定された。測定された光学吸収度スペクトルから(図16(b))、頂部バンド(オレンジ色)は、優勢的に半導体性SWNT(図16(b)において青色でプロットされている)からなっているように見え、頂部バンドの真下のバンド(緑色)は、いくつかの半導体性SWNTが残っているが(図16(b)において赤色でプロットされている)、金属性SWNTにおいて高度に強化されているように見える。選別前の不均質混合物の吸光度スペクトルは、図16(b)において灰色の破線としてプロットされている。
3:2SDS:SC比への共界面活性剤混合物のさらなる調整は、金属性レーザーアブレーション−合成SWNTの有意に改良された単離を可能にすることが観察された。半導体性レーザーアブレーション−合成SWNTの単離での改良もまた、1:4SDS:SC共界面活性剤混合物が3:7SDS:SC共界面活性剤混合物で置換された時に観察された。図17において、主として金属性の(3:2SDS:SC、白い円としてプロットされている)SWNT、および主として半導体性の(3:7SDS:SC、白い三角形としてプロットされている)SWNTに対応するスペクトルが示されている。M11範囲における吸収シグナルの改良は、図18(S6)においてより明白に見ることができ、これは、1:4SDS:SC(白い星記号として)の共界面活性剤混合物を用いた、図16(b)からの非最適化スペクトル、および3:2SDS:SC(白い円として)の共界面活性剤混合物を用いた、図17からの最適化スペクトルを含む。矢印は、M11範囲におけるシグナルの増強、およびS33およびS22範囲におけるシグナルの抑制を強調表示している。
4.異なる源のレーザーアブレーション−合成SWNTによって証明された電子型に基づく分離
図19は、非選別レーザーアブレーション−合成SWNTと選別半導体性レーザーアブレーション−合成SWNTとを比較しており、この場合、これらのレーザーアブレーション−合成SWNTはさらに、3つの異なる源、すなわち:Carbon Nanotechnologies,Inc.から得られた非精製粗レーザーアブレーション−合成SWNT(バッチA);IBMから得られた硝酸精製レーザーアブレーション−合成SWNT(バッチB);およびIBMから得られた硝酸精製レーザーアブレーション−合成SWNT(バッチC)から得られた。これらの3つの選別スペクトルは、これらの一般的なプロフィールにおいて、図16において示されているサンプルと匹敵しうる。半導体性SWNTの強力な単離は、これらのサンプルの源とは無関係に、選別スペクトルの各々において観察された。しかしながら、すべての結果は同様であるが、金属性SWNTの抑制における微妙な差は明白である。これに加えて、半導体性SWNTの強化および金属性SWNTの除去は、硝酸精製レーザーアブレーション−合成SWNTが用いられる時(バッチBおよびC)、より良好であるように見え、非精製粗レーザーアブレーション−合成SWNTが用いられる時(バッチA)、悪くなるように見える。
実施例4:電子型による分離の定量分析
この実施例において、主として半導体性の、および金属性のレーザーアブレーション−合成SWNTの新しいスペクトルが、改良されたシグナル対ノイズ比で得られた。選別された溶液は、実施例3、セクションBに記載された手順と類似の手順を用いるが、より高い濃度で調製され、このことは、固定バックグラウンドノイズレベルとすれば、シグナル対ノイズ比における改良につながった。
図20は、非選別(白い星記号として)、選別金属性(白い三角形として)、および選別半導体性(白い菱形記号)SWNTの光吸収スペクトルを示している。約900nmにおけるアステリスク記号は、擬似半導体性SWNTからの光吸収を識別する。約600nmにおけるアステリスク記号は、擬似金属性SWNTからの光吸収を識別した。
M11転移(475−700nm)およびS22転移(800−1150nm)からの吸収幅は、各サンプルにおいて、それぞれ半導体性および金属性SWNTの相対濃度を決定するために用いた(図20)。測定された吸収幅は、バックグラウンド吸収を差し引くことによって決定された。バックグラウンド吸収は、吸収ピークの下のバックグラウンドを線形的に補間することによって決定された。図21〜23は、吸収幅が、測定された幅を得るために差し引かれるバックグラウンドベースラインを示している。金属性および半導体性SWNTの等しい質量または濃度は、光学吸光度の異なる強さを有するであるため、金属性SWNTの吸収幅はまず、半導体性SWNTの吸収幅との相対的な比較のために一定の割合に調整されなければならなかった。一定の割合に調整する係数は、非選別サンプルから決定された。これは、66.7%半導体性SWNTおよび33.3%金属性SWNTから構成されることが知られていた。
これに加えて、各サンプル中の半導体性および金属性SWNTの相対濃度の決定において、3つの推測がなされた:(i)SWNTの質量は、光吸収幅に線形的に比例する;(ii)バックグラウンド吸収は、線形的に補間することができる;(iii)SWNTの同様な直径範囲が、選別の前後に存在する(異なる直径範囲は、M11およびS22範囲の吸収幅に影響を与えるであろう。このことは、推測(i)を無効にする)。
下の表3は、金属性SWNTの分離のために最適化されたサンプルにおいて(図20)、これらのSWNTの99.3%が金属性であり、これらのSWNTの0.7%が半導体性であったことを示している。半導体性SWNTの分離のために最適化されたサンプルにおいて(図20)、これらのSWNTの97.4%が半導体性であり、これらのSWNTの2.6%が金属性であった。
表3.図20に記載されている光吸収スペクトルから決定された、選別金属性および半導体性SWNTの相対濃度
Figure 2010502548
*金属性繰り込み係数(2:1の半導体性対金属性比を生成するために非選別サンプルから計算された)=1.77;λ=波長;A=吸光度;Bkgd=バックグラウンド。
実施例5:典型的な収率および尺度の決定
選別実験の典型的な収率は、分離プロセスの各工程の前後に取られた光学吸光度スペクトルを通して評価することができる。SC中のSWNTの初期分散の間、生産されたままのSWNT材料のおよそ1/4が、個別SWNT、またはSWNTの小さい束のどちらかとして、首尾よくカプセル化される。残りの炭素質不純物、大きいSWNT凝集体、および不溶種は、短い遠心分離工程後に除去される。溶液処理されたSWNTはついで、選別のために密度勾配中に組み込むことができる。
平均400μLのSWNT溶液(約250μgmL-1のSWNT負荷)が、各遠心分離管中に注入され、その結果として1実験あたり約100μgのSWNT出発原料を生じた。しかしながら、この出発原料は、直径および電子型によって選別することができる個別にカプセル化されたSWNTと、このような分離の可能性がないSWNTの小さい束との混合物からなることに注目することが重要である。その結果、分離実験の収率は、界面活性剤による個別SWNTの効率的なカプセル化に非常に依存する。
選別後、密度中の地点へのこの出発SWNT原料の配分は、分別された材料の光学吸光度スペクトルによって評価することができる。およその収率は、該波長における各フラクションの吸光度を収集し、同じ波長における出発溶液の吸光度によって標準化することによって計算される。例えば、レーザーアブレーション−成長SWNTについては、942nmにおける出発原料標準化吸光度を追跡することによって、1:4SDS:SC選別実験(図16(a)−(b))における半導体性ナノチューブの収率を評価することができ、これは、二次半導体性転移のピークに対応する(図24(a))。ピーク半導体性フラクションは、出発原料の>9%(約9μg)を含有し、これは、約2.3%の全体収率に対応する。982nmにおける光学吸光度(図24(b))、すなわち(6,5)キラリティーについての一次転移を走査するコール酸ナトリウムにおけるCoMoCAT直径分離(図7(a)〜(b))についての類似の分析は、出発原料の>6%(約6μg)が、このフラクション中に含有され、約1.5%の最高全体収率をともなうことを明らかにしている。
上に報告された小幅の収率にもかかわらず、選別されることが不可能な束は除外し、個別にカプセル化されたSWNTのみを考慮に入れた実験結果のより合理的な方策は、2〜5のファクターだけ記載された収率を増加させることができるであろう。これに加えて、SWNTの非常に孤立した分布を有するフラクションは一般に、ピーク収率をともなうフラクションの上下に位置し、このようにして、この選別材料を組み合わせると、選別効率をさらに改良することができる。さらには、生成された選別材料の質量は、実施例1の階段勾配中のSWNTの濃度のセクションに記載されているように分離の前にSWNT溶液を濃縮することによって、3〜5倍増加させることができる。
本明細書に記載された方法は、マイクログラム量の選別されたSWNT材料の生成においてのみ成功するが、本教示の方法は、工業的規模へも拡大しうるであろう確かな方法が存在する。例えば、用いられる遠心分離機に匹敵しうるg力が可能な大容量工業用遠心分離機を利用することによって、1g以上のSWNTを一度に選別することが可能になるであろう。このような遠心分離機は、8Lの溶液を収容することができ、1LのSWNT溶液が7L密度勾配において選別されうる。個別SWNTカプセル化の効率が増加され、および/またはこの溶液が選別前に強力に濃縮されるならば、この1Lの溶液に、4gの単離SWNTを負荷することができるであろう。このようにして、単一の12時間遠心分離において、グラム量のSWNTは、直径および/または電子型にしたがって選別されうるであろう。多重遠心分離は、平行しておよび/または連続的に運転することができ、これらの結果として生じる収率を合算することができ、キログラム量またはそれ以上の選別SWNTを達成する。
実施例6:選別された金属性および半導体性SWNTを用いたFETの製造
密度勾配において分離されたSWNTの適用性を証明するため、および電子型によるこれらの精製を確認するために、数千の金属性および半導体性SWNTの浸出性ネットワークからなる電界効果トランジスター(FET)が製造された。図25(a)は、ソース電極およびドレン電極の周期アレーを示している(目盛り棒40μm、ギャップ20μm)。図25(b)は、浸出性SWNTネットワークの代表的な原子間力顕微鏡法(AFM)画像である(目盛り棒=1μm)。1単位面積あたりのSWNTの密度は、浸出限度の>10倍である。図25(c)は、製造された電界効果トランジスター(FET)のジオメトリーを示している(s=ソース;g=ゲート;d=ドレン)。
電気デバイスの製造
電気デバイスが、半導体性および金属性SWNTの浸出性ネットワークから製造された。これらの浸出性ネットワークは、Wuら(Z.C.Wuら、Science 305、1273(2004))の方法にしたがい、多孔質混合セルロースエステル(MCE)膜(0.02μm、Millipore Corporation)を通して界面活性剤溶液中に分散された精製SWNTの真空濾過によって形成された。このSWNT溶液の濾過後、このネットワークは、30分間乾燥するままにされて硬化し、ついで10〜20mLの脱イオン水によってリンスされ、残留界面活性剤およびイオジキサノールをネットワークから除去し、裸SWNTのネットワークを後に残した。
MCE膜の頂部のネットワークはついで、100nm熱−成長SiO2(Silicon Quest International)でキャップ化されたSi(100)基体へ移送された。MCE膜は脱イオン水で濡らされ、2つのガラススライド間で2分間SiO2表面(SiO2と接触したSWNT)中に押し入れられた。これらのスライドが除去され、MCE膜は、SiO2基体上で数分間乾燥するままにされた。これらの基体はついで、MCE膜を溶解するために各々15分間3つの連続アセトン浴中でリンスされ、ついでメタノール中でのリンスが行なわれた。ついで、これらの基体上のSWNTのネットワークは、N2ガスのストリーム中でブロー乾燥された。
これらのネットワークの密度(1単位面積あたりのSWNT)は、濾過されたSWNTのフラクションの容積を調節することによって制御された。ネットワーク密度の定量的測定は、濾過前に溶液中のSWNTの光学密度を測定することによって、および濾過後の原子間力顕微鏡法(AFM)、および基体へのその後の移送によって決定された。
電極のアレー(Au、30nm)が、e−ビーム蒸発器においてシャドーマスクとしてTEMグリッド(300メッシュ、Cu、SPI Supplies,West Chester,PA;ピッチ83μm、バー幅25μm)を用いて、浸出性ネットワークの頂部でリトグラフ的に画定された。蒸発後、これらの基体はついで、アセトン、2−プロパノール、ついで水中でリンスされ、ついで225℃で空気中で20分間アニールされた。
金属性および半導体性SWNTの浸出性ネットワークは、2ソース−メーターユニット(KE2400、Keithley,Inc.)を用いて、電界効果トランジスター(FET)ジオメトリーにおいて電気的に特徴決定された。ゲートバイアスが、ゲート電極として機能する、下にあるSi基体へ適用され、SWNTネットワーク中のキャリヤー濃度を調節した。5Vまでのバイアスが、近隣電極の2つの間に適用され、ソースおよびドレンとして機能するTEMグリッドシャドーマスクから作り出された。ゲート漏れ電流およびソース−ドレン電流のどちらも測定された。すべての場合に、このソース−ドレン電流は、ゲート漏れ電流を有意に上回っていた。負から正バイアスへのゲートバイアスの掃引が、行なわれた。移動電荷、すなわち100nm厚さのSiO2ゲート誘電体上で製造されたSWNT FETデバイスにおいて日常的に観察される効果の存在により、掃引方向に応じて、ヒステリシスが観察された。
SWNTネットワークの浸出密度の測定
各浸出性ネットワークについて、いくつかのデバイスが、一定モードAFM(512×512解像度、3〜20μm画像サイズ、接触力<10nN)によって特徴決定された。画像化の間、接触力は、ネットワークの機械的摂動を制限するために最小に保持された。これらのネットワークの画像は、浸出密度を決定するために分析された(1単位面積あたりのSWNT)。各浸出経路は、ネットワークの1単位面積あたりの総経路長を決定するために追跡された(図26)。図26(a)〜(b)において、薄膜半導体性ネットワークのそれぞれ画像およびトレース(図25(d)において電気的に特徴決定されている)が示されている。このトレースは、基体1平方μmあたりの導電経路22.1μmに相当する。0.45μmの平均SWNT長(密度勾配において分離され、ついで基体上で単離されたレーザー−アブレーション成長SWNTの追加的AFM調査から決定された平均長さ)について、これは、浸出閾値である約5SWNTs/μm2よりも約10倍大きい約50SWNTs/μm2の浸出密度に相当する。約50SWNTs/μm2の測定された浸出密度は、過小評価値であるが、その理由は、これが、重なり合ったSWNTまたは小さい束の可能性による、1経路あたりの多重SWNTを計上していないからである。このような効果は、これらのカプセル化界面活性剤がフィルム形成の間に洗い流されているならば、SWNT中に予想される大きいファンデルワールス引力の結果として見込まれる。半導体性ネットワークがまず最初に作り出され、ついで電気的におよびAFMによって特徴決定された。ついで、金属性ネットワークと半導体性ネットワークとの間の比較を公正にするめに、金属性ネットワークは、これらの浸出密度が半導体性ネットワークに等しいかまたはそれ以下になるように作り出された。
これらの平均特徴が(図25(d))にプロットされている。誤差棒が、2つの標準偏差を記載している。(半導体性デバイスについてn=4;金属性デバイスについてn=3)。
半導体性SWNTネットワークの電子移動度が、ソース−ドレン電流対FETの「オン」領域(Vg<VT)における固定ソース−ドレンバイアスについてのゲートバイアスを、直線へフィットさせることによって評価された(図25(d)嵌め込み図)。次の関係式が用いた:Ids=μCox*(W/L)*(Vg−Vt)*Vds(ここで、Idsは、ソース−ドレン電流であり、μは移動度であり、Coxは、酸化物キャパシタンスであり、Wは、チャネル幅であり、Lはチャネル厚さであり、Vgは、ゲートバイアスであり、Vtは、ゲート閾値バイアスであり、Vdsは、ソース−ドレンバイアスである)。
SWNTネットワークとSi基体との間のキャパシタンスに関する上限は、パラレルプレートキャパシタージオメトリー(20、63μmのL、W)を仮定することによって決定された。線形フィットは、>20cm2-1-1の移動度μについての下限(これは、その浸出閾値に近い、金属性および半導体性SWNTの合成されたままの混合物の薄膜について以前に報告された移動度に匹敵しうる)、および−20Vのゲート閾値電圧を生じる。移動度に関するフィットは下限であるが、その理由は、パラレルプレートキャパシタンスの仮定は、SWNTネットワークが、チャネル面積の1フラクションのみを占めているだけなので、キャパシタンスを大幅に過大評価しているからである。さらには、接触時の抵抗損失は、考慮に入れなかった。
半導体性および金属性フィルムの独特の挙動
負のゲートバイアスにおいて、両方のネットワークは、約500kΩ平方-1の同様なシート抵抗を示すことが観察された。しかしながら、ゲート誘電性キャパシター(100nmSiO2)にわたって加えられた電圧を変えることによって、半導体性ネットワークの抵抗性は、4次数以上の規模だけ増加した(オン/オフ比>20,000)。これに対して、金属性ネットワークは、2未満のオン/オフ比を特徴とする、加えられたゲートバイアスに対してかなり感受性が低い(1超の切替え比は、管の終点または管−管接触におけるか、または管曲げまたは化学的欠陥の結果生じた金属性SWNTの電子バンド−構造への摂動を示すことがある)。半導体性および金属性フィルムのこれら2つの独特の挙動は、光吸収分光法によって初期に観察された電子型による分離を独立して確認する(図17)。これに加えて、これら2つのフィルムは、使用可能な量の精製された機能性材料の生産において、本教示の方法の適用性を確立する。例えば、精製された半導体性SWNTの単一フラクション(150μL)は、図25において証明されているものと同様な薄膜ネットワーク20cm2に対して十分なSWNTを含有する。これは、>1011SWNTに相当する。本教示によれば、SWNTの集団は、約10またはそれ以上のSWNT、例えば>10SWNT、>50SWNT、>100SWNT、>250SWNT、>500SWNT、>103SWNT、>104SWNT、>105SWNT、>106SWNT、>107SWNT、>108SWNT、>109SWNT、>1010SWNT、または>1011SWNTを含みうる。さらには重量で、SWNTの集団は、約0.01μg、例えば>0.01μg、>0.1μg、>1μg、>0.01mg、>0.1mg、>1g、>10g、または>100gの質量を有しうる。このような薄膜ネットワークは、柔軟かつ透明な半導体および導体としての用途を有する。当業者によって理解されるように、このような特徴決定は、本明細書に記載された種類の条件下に、本発明によるSWNT量を反映しうる。このような量は、本教示を通して利用可能なバルクSWNTを代表するものであり、先行技術の方法および材料に勝るさらなる違いになりうる。
本教示は、本教示の趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、上記実施例において描写されていないほかの特定の形態で具体化することができる。本教示は、本教示の趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、ほかの特定の形態で具体化することができる。前記実施形態はしたがって、すべての点において、本明細書に記載された本教示に関して制限的なものではなく、例証的であると考えられるべきである。本発明の範囲はこのようにして、前記記載によってではなく、添付の請求項によって示され、これらの請求項の意味および同等性の範囲内に入るすべての変更は、この中に包含されるものとする。

Claims (50)

  1. 単一壁カーボンナノチューブの集団であって、該単一壁カーボンナノチューブの約75%超が、この集団の平均直径の約0.5Å未満内にある直径を有する集団。
  2. 前記単一壁カーボンナノチューブの約90%超が、この集団の平均直径の約0.5Å未満内にある直径を有する、請求項1に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団。
  3. 前記単一壁カーボンナノチューブの約75%超が、この集団の平均直径の約0.2Å未満内にある直径を有する、請求項1に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団。
  4. 前記単一壁カーボンナノチューブの約90%超が、この集団の平均直径の約0.2Å未満内にある直径を有する、請求項1に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団。
  5. 約10Å超の直径を有する単一壁カーボンナノチューブの集団であって、該単一壁カーボンナノチューブの約70%超が半導体性である集団。
  6. 前記単一壁カーボンナノチューブが、約11Å〜約20Åの範囲の直径寸法を有する、請求項5に記載の集団。
  7. 前記単一壁カーボンナノチューブが、約11Å〜約16Åの範囲の直径寸法を有する、請求項5に記載の集団。
  8. 前記単一壁カーボンナノチューブが、レーザーアブレーション方法によって合成される、請求項5に記載の集団。
  9. 前記単一壁カーボンナノチューブの約75%超が半導体性である、請求項5に記載の集団。
  10. 前記単一壁カーボンナノチューブの約80%超が半導体性である、請求項5に記載の集団。
  11. 前記単一壁カーボンナノチューブの約85%超が半導体性である、請求項5に記載の集団。
  12. 単一壁カーボンナノチューブの約93%超が半導体性である、該単一壁カーボンナノチューブの集団。
  13. 前記単一壁カーボンナノチューブの約97%超が半導体性である、請求項12に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団。
  14. 単一壁カーボンナノチューブの約50%超が金属性である、該単一壁カーボンナノチューブの集団。
  15. 前記単一壁カーボンナノチューブの約75%超が金属性である、請求項14に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団。
  16. 前記単一壁カーボンナノチューブの約90%超が金属性である、請求項14に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団。
  17. 前記単一壁カーボンナノチューブの約97%超が金属性である、請求項14に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団。
  18. 前記単一壁カーボンナノチューブの約99%超が金属性である、請求項14に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団。
  19. 単一壁カーボンナノチューブの約30%超が、同じキラリティー(n,m)型を含んでいる、該単一壁カーボンナノチューブの集団。
  20. 前記単一壁カーボンナノチューブの約50%超が、同じキラリティー(n,m)型を含んでいる、請求項19に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団。
  21. 前記単一壁カーボンナノチューブの約75%超が、同じキラリティー(n,m)型を含んでいる、請求項19に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団。
  22. 前記単一壁カーボンナノチューブの約90%超が、同じキラリティー(n,m)型を含んでいる、請求項19に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団。
  23. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団を含んでいる製品。
  24. 製品が、電子デバイス、光学デバイス、または光電子デバイスである、請求項23に記載の製品。
  25. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団を含んでいる、透明な導電性フィルム。
  26. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の単一壁カーボンナノチューブの集団を含んでいる、薄膜トランジスター。
  27. 単一壁カーボンナノチューブを分離するための密度勾配の使用方法であって、
    流体媒質、および第一表面活性成分、第二表面活性成分、および単一壁カーボンナノチューブの混合物を含んでいる組成物を遠心分離して、この混合物を密度勾配に沿って分離する工程であって、
    この流体媒質が、密度勾配を含み、この混合物が、ナノチューブ直径寸法、キラリティー、および電子型のある範囲の少なくとも1つを含んでいる単一壁カーボンナノチューブを含み、第一表面活性成分対第二表面活性成分の比は、4:1以外である工程;および
    分離フラクションをこの流体媒質から単離する工程であって、この分離フラクションが、分離された単一壁カーボンナノチューブを含んでいる工程
    を含む方法。
  28. 電子型に基づいて単一壁カーボンナノチューブを分離するための密度勾配の使用方法であって、
    流体媒質、および単一壁カーボンナノチューブと少なくとも2つの表面活性成分との混合物を含んでいる組成物を遠心分離して、この混合物を密度勾配に沿って分離する工程であって、
    この流体媒質が、密度勾配を含み、この混合物が、半導体性単一壁カーボンナノチューブおよび金属性単一壁カーボンナノチューブを含んでいる工程;および
    分離フラクションをこの流体媒質から単離する工程であって、この分離フラクションが、分離された単一壁カーボンナノチューブを含み、実質的に半導体性であるか、または実質的に金属性である工程
    を含む方法。
  29. 単一壁カーボンナノチューブの集団を、半導体性単一壁カーボンナノチューブで強化する方法であって、半導体性単一壁カーボンナノチューブを、半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物から、この金属性単一壁カーボンナノチューブを不可逆的に変性することなく単離する工程を含む方法。
  30. 半導体性単一壁カーボンナノチューブを、半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物から、この金属性単一壁カーボンナノチューブを不可逆的に変性することなく分離する工程を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物を遠心分離する工程を含む、請求項29または30に記載の方法。
  32. 単離工程が、少なくとも70%の半導体性単一壁カーボンナノチューブを含んでいる単一壁カーボンナノチューブの集団を供給する、請求項29〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 単一壁カーボンナノチューブの集団を、金属性単一壁カーボンナノチューブで強化する方法であって、金属性単一壁カーボンナノチューブを、半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物から単離する工程を含む方法。
  34. 金属性単一壁カーボンナノチューブを、半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物から分離する工程を含む、請求項33に記載の方法。
  35. 半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物を遠心分離する工程を含む、請求項33または34に記載の方法。
  36. 単離工程が、少なくとも50%の金属性単一壁カーボンナノチューブを含んでいる単一壁カーボンナノチューブの集団を供給する、請求項33〜35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 金属性単一壁カーボンナノチューブを、金属性単一壁カーボンナノチューブと半導体性単一壁カーボンナノチューブとの混合物から単離するための密度勾配の使用方法であって、
    第一表面活性成分および第二表面活性成分を含んでいる表面活性成分系を供給する工程であって、第一表面活性成分対第二表面活性成分の比は、この表面活性成分系が、単一壁カーボンナノチューブの混合物と接触し、遠心分離されるときに、より高い割合の金属性単一壁カーボンナノチューブを含んでいる分離フラクションが、より低い割合の金属性単一壁カーボンナノチューブを含んでいる別の分離フラクションと異なる密度を有するように調節される工程;
    流体媒質、および表面活性成分系および金属性単一壁カーボンナノチューブと半導体性単一壁カーボンナノチューブとの混合物を含んでいる組成物を遠心分離して、この混合物を密度勾配に沿って分離する工程;および
    分離フラクションをこの流体媒質から単離する工程であって、この分離フラクションが、この混合物よりも高い割合の金属性単一壁カーボンナノチューブを含んでいる工程
    を含む方法。
  38. 第一表面活性成分対第二表面活性成分の比が、約1未満である、請求項37に記載の方法。
  39. 半導体性単一壁カーボンナノチューブを、金属性単一壁カーボンナノチューブと半導体性単一壁カーボンナノチューブとの混合物から単離するための密度勾配の使用方法であって、
    第一表面活性成分および第二表面活性成分を含んでいる表面活性成分系を供給する工程であって、第一表面活性成分対第二表面活性成分の比は、この表面活性成分系が、単一壁カーボンナノチューブの混合物と接触し、遠心分離されるときに、より高い割合の半導体性単一壁カーボンナノチューブを含んでいる分離フラクションが、より低い割合の半導体性単一壁カーボンナノチューブを含んでいる分離フラクションと異なる密度を有するように調節される工程;
    流体媒質、および表面活性成分系および半導体性単一壁カーボンナノチューブと金属性単一壁カーボンナノチューブとの混合物を含んでいる組成物を遠心分離して、この混合物を密度勾配に沿って分離する工程;および
    分離フラクションをこの流体媒質から単離する工程であって、この分離フラクションが、この混合物よりも高い割合の半導体性単一壁カーボンナノチューブを含んでいる工程
    を含む方法。
  40. 第一表面活性成分が胆汁酸塩であり、第二表面活性成分がアニオン性アルキル両親媒性物質である、請求項27、28、および37〜39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 第一表面活性成分対第二表面活性成分の比が、約1超である、請求項39または40に記載の方法。
  42. 単一壁カーボンナノチューブの混合物が、約11Å〜約20Åの直径寸法を有する単一壁カーボンナノチューブを含んでいる、請求項27〜41のいずれか1項記載の方法。
  43. 分離フラクションを用いて、遠心分離工程および単離工程を繰り返すことを含む、請求項27、28、および37〜42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 分離された単一壁カーボンナノチューブ、分離フラクション、または単一壁カーボンナノチューブの強化された集団の約70%超が半導体性である、請求項27〜32、および39〜43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 分離された単一壁カーボンナノチューブ、分離フラクション、または単一壁カーボンナノチューブの強化された集団の約50%超が金属性である、請求項27、28、および33〜38のいずれか1項に記載の方法。
  46. 分離された単一壁カーボンナノチューブ、単一壁カーボンナノチューブの強化された集団、または金属性単一壁カーボンナノチューブ、または半導体性単一壁カーボンナノチューブを処理して、裸単一壁カーボンナノチューブを供給する工程を含む、請求項27〜45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 請求項46に記載の方法によって供給された、単離単一壁カーボンナノチューブを含んでいる製品。
  48. 製品が、電子デバイス、光学デバイス、または光電子デバイスである、請求項47に記載の製品。
  49. 請求項46に記載の方法によって供給された、単離単一壁カーボンナノチューブを含んでいる透明な導電性フィルム。
  50. 請求項46に記載の方法によって供給された、単離単一壁カーボンナノチューブを含んでいる薄膜トランジスター。
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