JP2010248603A - Fe−Co−Ni系合金スパッタリングターゲット材の製造方法 - Google Patents
Fe−Co−Ni系合金スパッタリングターゲット材の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010248603A JP2010248603A JP2009102335A JP2009102335A JP2010248603A JP 2010248603 A JP2010248603 A JP 2010248603A JP 2009102335 A JP2009102335 A JP 2009102335A JP 2009102335 A JP2009102335 A JP 2009102335A JP 2010248603 A JP2010248603 A JP 2010248603A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- alloy
- target material
- atomic
- magnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
Abstract
【解決手段】 原子比における組成式が((Fe100−X−NiX)100−Y−CoY)100−Z−MZ、25≦X≦35、10≦Y≦90、5≦Z≦20で表され、前記組成式のM元素が(Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、B、Al、Si)から選ばれる1種もしくは2種以上の元素であるFe−Co−Ni系合金スパッタリングターゲット材の製造方法であって、少なくとも平均粒径が35μmを超えるFe−25〜35原子%Ni合金を原料粉末に用いて前記組成式を満たすように他の粉末と混合した混合粉末を加圧焼結して焼結体を得るFe−Co−Ni系合金スパッタリングターゲット材の製造方法である。
【選択図】 なし
Description
このような磁気記録媒体の軟磁性膜としては、優れた軟磁気特性が要求されることから、アモルファス軟磁性合金が採用されている。代表的な軟磁性膜用アモルファス合金として、Fe、CoあるいはFe−Co合金に添加元素を含む合金膜、Co−Zr−Nb合金膜、Co−Zr−Ta合金膜などが既に実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
このような要求に対して、スパッタリング後の軟磁性膜としては飽和磁束密度が大きいが、ターゲット材としては十分な漏洩磁束が得られ、飽和磁束密度が低くなる材料が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明の目的は、さらに大きな漏洩磁束が得られ透磁率が低く、マグネトロンスパッタリングにおける使用効率が高いFe−Co−Ni系合金ターゲット材の製造方法を提供することである。
一方、従来より、粉末焼結組織の磁性体ターゲットにおいては、焼結組織を微細化して、金属間化合物相を微細に分散させることによって透磁率が低減される技術が存在する。
そこで、本発明者等は、透磁率低減のため、まずFe−Ni合金粉末を微細な粉末として使用してみた。しかし、透磁率を十分に低減することが出来ず、また強い漏洩磁束を得ることが出来なかった。
本発明においては、磁性を大幅に低減したFe−25〜35原子%Ni合金粉末を使用して加圧焼結するため、焼結時に他の強磁性体元素粉末との拡散による磁気モーメントの上昇を抑制することが重要となる。そこで、Fe−Ni合金粉末を平均粒径が35μmを超える粒径に制御することで、粉末の比表面積を小さくすることが可能となり、焼結時に他の粉末との拡散が抑制できると考えられる。そのため、平均粒径が35μmを超えるFe−25〜35原子%Ni合金粉末を原料粉末に用いて加圧焼結することで、Fe−Co−Ni系合金ターゲットの透磁率を大幅に低減可能となる。
また、Fe−Ni合金粉末の平均粒径は、より透磁率を低減するため、50μm以上とすることが望ましい。また、Fe−Ni合金粉末の平均粒径が大きすぎると粉末の充填密度が低下し焼結性が悪化するため、平均粒径の上限としては300μm以下であることが望ましい。
なお、本発明における平均粒径とは、粉末の粒度分布において体積累積50%の粒子径(D50)をいう。粉末の粒径制御には、例えば篩で分級する方法が適用できる。
それは、軟磁性膜の成膜に一般的に用いられるマグネトロンスパッタリング法においては、マグネトロンスパッタリング法が、ターゲット材の背後に磁石を配置し、ターゲット材の表面に磁束を漏洩させて、その漏洩磁束領域にプラズマが収束されることにより高速成膜を可能とする方法であり、ターゲット材の表面に磁束を漏洩させることに特徴があるため、ターゲット材自身の透磁率が高い場合にはターゲット材のスパッタ表面にプラズマを収束させるのに必要な漏洩磁束を得ることが難しくなる。そこで、ターゲット材自身の透磁率を極力低減することが望まれているためである。
Fe−Co−Ni系合金ターゲット材の最大透磁率は、可能な限り低いことが好ましい。本発明のFe−Co−Ni系合金組成においては、マグネトロンスパッタリング法で安定してスパッタリング放電するための漏洩磁束を得るために、最大透磁率は30以下が好ましい。
なお、加圧焼結時の最高温度は800℃以上、1200℃の以下の温度に設定することが好ましい。この理由は焼結温度が800℃を下回ると、緻密な焼結体が得られ難く、1200℃を超えると焼結中に合金粉末が溶解する場合があるためである。さらに、最高温度が高過ぎると混合された粉末同士の拡散が進み過ぎて、透磁率が増大するため、さらに好ましくは900℃から950℃の範囲に設定すると良い。
また、加圧焼結時の最高圧力は20MPa以上に設定することが好ましい。その理由は最高圧力が20MPaを下回ると緻密な焼結体が得られないためである。
まず網目250μmの篩で篩い分けし、篩を通過したものを粉末Aとした。さらに、粉末Aの一部を、網目74μmの篩で篩い分けし、篩を通過しなかったものを粉末B、篩を通過したものを粉末Cとした。
上記で分級した粉末の平均粒径を表1に示す。平均粒径は、MICROTRAC社製MT3200を用い、レーザー回折・散乱法で測定したD50(体積累積の50%)の値とした。
また、作製したターゲット材の端材から試験片を採取し、実施例1と同一の方法で、試験片の磁化曲線を測定し、得られた磁化曲線から最大透磁率を求め、表4に示した。
Claims (1)
- 原子比における組成式が((Fe100−X−NiX)100−Y−CoY)100−Z−MZ、25≦X≦35、10≦Y≦90、5≦Z≦20で表され、前記組成式のM元素が(Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、B、Al、Si)から選ばれる1種もしくは2種以上の元素であるFe−Co−Ni系合金スパッタリングターゲット材の製造方法であって、少なくとも平均粒径が35μmを超えるFe−25〜35原子%Ni合金粉末を原料粉末に用いて前記組成式を満たすように他の粉末と混合した混合粉末を加圧焼結して焼結体を得ることを特徴とするFe−Co−Ni系合金スパッタリングターゲット材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009102335A JP5370917B2 (ja) | 2009-04-20 | 2009-04-20 | Fe−Co−Ni系合金スパッタリングターゲット材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009102335A JP5370917B2 (ja) | 2009-04-20 | 2009-04-20 | Fe−Co−Ni系合金スパッタリングターゲット材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010248603A true JP2010248603A (ja) | 2010-11-04 |
JP5370917B2 JP5370917B2 (ja) | 2013-12-18 |
Family
ID=43311253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009102335A Active JP5370917B2 (ja) | 2009-04-20 | 2009-04-20 | Fe−Co−Ni系合金スパッタリングターゲット材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5370917B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016145394A (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-12 | 山陽特殊製鋼株式会社 | スパッタ性に優れたNi系ターゲット材 |
WO2017184771A1 (en) * | 2016-04-20 | 2017-10-26 | Arconic Inc. | Fcc materials of aluminum, cobalt, iron and nickel, and products made therefrom |
CN111719125A (zh) * | 2019-03-20 | 2020-09-29 | 日立金属株式会社 | Mo合金靶材及其制造方法 |
CN109074824B (zh) * | 2016-04-13 | 2020-10-09 | 山阳特殊制钢株式会社 | 磁记录介质的晶种层用合金、溅射靶材和磁记录介质 |
CN112746253A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-05-04 | 中南大学 | 一种钢基表面复合改性层及其制备方法 |
CN113825856A (zh) * | 2019-05-07 | 2021-12-21 | 山阳特殊制钢株式会社 | Ni系溅射靶以及磁记录介质 |
CN115110044A (zh) * | 2022-07-25 | 2022-09-27 | 宁波江丰电子材料股份有限公司 | 一种铬硅合金溅射靶材的制备方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0726369A (ja) * | 1993-07-12 | 1995-01-27 | Hitachi Metals Ltd | パーマロイ膜形成用ターゲットおよびその製造方法 |
JP2001226764A (ja) * | 2000-02-10 | 2001-08-21 | Shin Etsu Chem Co Ltd | スパッタリングのターゲット材用焼結体、その製造方法、及びスパッタリング用ターゲット |
JP2005530925A (ja) * | 2002-06-07 | 2005-10-13 | ヘラエウス インコーポレーテッド | 高ptfスパッタリングターゲット及びその製造方法 |
JP2007059424A (ja) * | 2005-08-22 | 2007-03-08 | Showa Denko Kk | 磁性薄膜作成用ターゲット、磁気記録媒体およびその製造方法、磁気記録再生装置 |
-
2009
- 2009-04-20 JP JP2009102335A patent/JP5370917B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0726369A (ja) * | 1993-07-12 | 1995-01-27 | Hitachi Metals Ltd | パーマロイ膜形成用ターゲットおよびその製造方法 |
JP2001226764A (ja) * | 2000-02-10 | 2001-08-21 | Shin Etsu Chem Co Ltd | スパッタリングのターゲット材用焼結体、その製造方法、及びスパッタリング用ターゲット |
JP2005530925A (ja) * | 2002-06-07 | 2005-10-13 | ヘラエウス インコーポレーテッド | 高ptfスパッタリングターゲット及びその製造方法 |
JP2007059424A (ja) * | 2005-08-22 | 2007-03-08 | Showa Denko Kk | 磁性薄膜作成用ターゲット、磁気記録媒体およびその製造方法、磁気記録再生装置 |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016129492A1 (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-18 | 山陽特殊製鋼株式会社 | スパッタ性に優れたNi系ターゲット材 |
CN107250424A (zh) * | 2015-02-09 | 2017-10-13 | 山阳特殊制钢株式会社 | 溅射性优异的Ni系靶材 |
JP2016145394A (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-12 | 山陽特殊製鋼株式会社 | スパッタ性に優れたNi系ターゲット材 |
CN109074824B (zh) * | 2016-04-13 | 2020-10-09 | 山阳特殊制钢株式会社 | 磁记录介质的晶种层用合金、溅射靶材和磁记录介质 |
WO2017184771A1 (en) * | 2016-04-20 | 2017-10-26 | Arconic Inc. | Fcc materials of aluminum, cobalt, iron and nickel, and products made therefrom |
CN109072347A (zh) * | 2016-04-20 | 2018-12-21 | 奥科宁克有限公司 | 铝、钴、铁和镍的fcc材料及由其制成的产物 |
US10202673B2 (en) | 2016-04-20 | 2019-02-12 | Arconic Inc. | Fcc materials of aluminum, cobalt, iron and nickel, and products made therefrom |
CN111719125A (zh) * | 2019-03-20 | 2020-09-29 | 日立金属株式会社 | Mo合金靶材及其制造方法 |
CN113825856A (zh) * | 2019-05-07 | 2021-12-21 | 山阳特殊制钢株式会社 | Ni系溅射靶以及磁记录介质 |
CN113825856B (zh) * | 2019-05-07 | 2024-04-02 | 山阳特殊制钢株式会社 | Ni系溅射靶以及磁记录介质 |
CN112746253A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-05-04 | 中南大学 | 一种钢基表面复合改性层及其制备方法 |
CN115110044A (zh) * | 2022-07-25 | 2022-09-27 | 宁波江丰电子材料股份有限公司 | 一种铬硅合金溅射靶材的制备方法 |
CN115110044B (zh) * | 2022-07-25 | 2023-09-12 | 宁波江丰电子材料股份有限公司 | 一种铬硅合金溅射靶材的制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5370917B2 (ja) | 2013-12-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4016399B2 (ja) | Fe−Co−B合金ターゲット材の製造方法 | |
JP5370917B2 (ja) | Fe−Co−Ni系合金スパッタリングターゲット材の製造方法 | |
US8066825B2 (en) | (CoFe)Zr/Nb/Ta/Hf based target material | |
US20080083616A1 (en) | Co-Fe-Zr BASED ALLOY SPUTTERING TARGET MATERIAL AND PROCESS FOR PRODUCTION THEREOF | |
JP5359890B2 (ja) | 軟磁性膜形成用Fe−Co系合金スパッタリングターゲット材 | |
JP2005320627A (ja) | Co合金ターゲット材の製造方法、Co合金ターゲット材および垂直磁気記録用軟磁性膜ならびに垂直磁気記録媒体 | |
JP2008189996A (ja) | Co−Fe系合金スパッタリングターゲット材およびその製造方法 | |
JP5472688B2 (ja) | Fe−Co系合金スパッタリングターゲット材およびその製造方法 | |
JP4907259B2 (ja) | Crを添加したFeCoB系ターゲット材 | |
JP2008115461A (ja) | Co−Fe−Zr系合金スパッタリングターゲット材およびその製造方法 | |
TW201631170A (zh) | 鉻-鈦合金濺鍍靶材及其製造方法 | |
JP5397755B2 (ja) | 軟磁性膜形成用Fe−Co系合金スパッタリングターゲット材 | |
JP5403418B2 (ja) | Co−Fe−Ni系合金スパッタリングターゲット材の製造方法 | |
JP6094848B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体用Fe−Co系合金軟磁性膜の製造方法 | |
JP2533922B2 (ja) | 焼結タ―ゲット部材およびその製造方法 | |
JP2008260970A (ja) | Co−Zr系合金焼結スパッタリングターゲット材およびその製造方法 | |
JP6581780B2 (ja) | スパッタ性に優れたNi系ターゲット材 | |
JP5656104B2 (ja) | Fe−Co−Ni系合金スパッタリングターゲット材 | |
JP2016149170A (ja) | Fe−Co−Nb系合金スパッタリングターゲット材および軟磁性膜 | |
JP2009203537A (ja) | Co−Fe系合金スパッタリングターゲット材およびその製造方法 | |
JP2013032573A (ja) | Fe−Co−Ta系スパッタリングターゲット材の製造方法およびFe−Co−Ta系スパッタリングターゲット材 | |
JP2011068985A (ja) | 軟磁性膜用Co−Fe系合金および軟磁性膜形成用Co−Fe系合金スパッタリングターゲット材 | |
JP6575775B2 (ja) | 軟磁性膜 | |
JP5418897B2 (ja) | Co−Fe系合金スパッタリングターゲット材の製造方法 | |
JPWO2014196377A1 (ja) | 磁性記録媒体用スパッタリングターゲット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120313 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130513 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130614 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130703 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130826 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5370917 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130908 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |