JPH0726369A - パーマロイ膜形成用ターゲットおよびその製造方法 - Google Patents
パーマロイ膜形成用ターゲットおよびその製造方法Info
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- JPH0726369A JPH0726369A JP17128193A JP17128193A JPH0726369A JP H0726369 A JPH0726369 A JP H0726369A JP 17128193 A JP17128193 A JP 17128193A JP 17128193 A JP17128193 A JP 17128193A JP H0726369 A JPH0726369 A JP H0726369A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 極めて正確な組成範囲に納めることができる
とともに、低酸素含有量のパーマロイ膜形成用ターゲッ
トの製造方法およびターゲットを提供する。 【構成】 本発明の製造方法は、重量%でニッケルが7
8から85%、残部実質的に鉄である組成範囲を満たす
目標のパーマロイ組成に配合した金属または合金の粉末
を、還元性雰囲気で加熱処理することにより酸素を低減
し、次いで焼結することを特徴とする方法であって、好
ましくは加熱処理は可鍛性容器に充填してから行ない、
密閉封入後加圧焼結する方法である。また、本発明のタ
ーゲットは、重量%でニッケルが78から85%、残部
実質的に鉄からなり、不純物である酸素濃度が25pp
m以下の焼結体からなることを特徴とするものである。
とともに、低酸素含有量のパーマロイ膜形成用ターゲッ
トの製造方法およびターゲットを提供する。 【構成】 本発明の製造方法は、重量%でニッケルが7
8から85%、残部実質的に鉄である組成範囲を満たす
目標のパーマロイ組成に配合した金属または合金の粉末
を、還元性雰囲気で加熱処理することにより酸素を低減
し、次いで焼結することを特徴とする方法であって、好
ましくは加熱処理は可鍛性容器に充填してから行ない、
密閉封入後加圧焼結する方法である。また、本発明のタ
ーゲットは、重量%でニッケルが78から85%、残部
実質的に鉄からなり、不純物である酸素濃度が25pp
m以下の焼結体からなることを特徴とするものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜インダクテッブヘ
ッドのコアやヨ−ク等の軟磁性膜、磁気抵抗効果(MR
効果)を利用した素子である磁気記録用再生ヘッド(M
Rヘッド)、磁気センサー用感磁膜、または垂直磁気記
録用媒体用高透磁率下地膜等、パーマロイ薄膜をスパッ
タリング、イオンプレーティング等の物理蒸着法(PV
D)で形成する際に用いる蒸着母材であるターゲットお
よびその製造方法に関するものである。
ッドのコアやヨ−ク等の軟磁性膜、磁気抵抗効果(MR
効果)を利用した素子である磁気記録用再生ヘッド(M
Rヘッド)、磁気センサー用感磁膜、または垂直磁気記
録用媒体用高透磁率下地膜等、パーマロイ薄膜をスパッ
タリング、イオンプレーティング等の物理蒸着法(PV
D)で形成する際に用いる蒸着母材であるターゲットお
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録用磁性薄膜には優れた軟
磁気特性と磁気抵抗効果を有するパーマロイ膜が広く用
いられている。パーマロイ膜の形成方法には、スパッタ
リング等の物理蒸着法(PVD)が広く用いらている。
物理蒸着法の母材であるターゲットは特開昭60−91
83号公報に記載されるようにニッケルと鉄を真空中で
誘導加熱等により溶解することにより磁気特性を劣化す
る酸素等の不純物を極力低減して製造されている。また
特開昭58−219724号に記載されるようにパーマ
ロイ膜を磁気ヘッド用の軟磁性材料として使用する場
合、ヘッド特性が内部応力に作用されないように磁性膜
の組成をできるだけ磁歪が0となる組成に制御する必要
があることが知られている。
磁気特性と磁気抵抗効果を有するパーマロイ膜が広く用
いられている。パーマロイ膜の形成方法には、スパッタ
リング等の物理蒸着法(PVD)が広く用いらている。
物理蒸着法の母材であるターゲットは特開昭60−91
83号公報に記載されるようにニッケルと鉄を真空中で
誘導加熱等により溶解することにより磁気特性を劣化す
る酸素等の不純物を極力低減して製造されている。また
特開昭58−219724号に記載されるようにパーマ
ロイ膜を磁気ヘッド用の軟磁性材料として使用する場
合、ヘッド特性が内部応力に作用されないように磁性膜
の組成をできるだけ磁歪が0となる組成に制御する必要
があることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のパーマロイ膜の
組成を決定する要因としては、上述したターゲットの組
成に依存するところがもっとも大きいが、ターゲット組
成と得られるパーマロイ膜は必ずしも一致せず、成膜条
件で数%の範囲内でばらつきが生ずる。そのためターゲ
ットの組成は、成膜条件での組成変動を考慮して極めて
正確に決定されなければならない。また成膜後の応力の
かかりかたによっては、パーマロイ組成を磁歪の正側あ
るいは負側に設定する場合もある。したがって、いかに
組成ばらつきが少ないターゲットを製造するかが大きな
課題である。また上述したように磁性膜としてパーマロ
イ膜の特性は、酸素等の不純物により劣化する。具体的
には酸素含有量が増加すると透磁率が下がるとともに、
電気抵抗が高くなる。そのため酸素は磁気抵抗効果素子
用の磁性膜としては最も低減すべき不純物の一つであ
る。
組成を決定する要因としては、上述したターゲットの組
成に依存するところがもっとも大きいが、ターゲット組
成と得られるパーマロイ膜は必ずしも一致せず、成膜条
件で数%の範囲内でばらつきが生ずる。そのためターゲ
ットの組成は、成膜条件での組成変動を考慮して極めて
正確に決定されなければならない。また成膜後の応力の
かかりかたによっては、パーマロイ組成を磁歪の正側あ
るいは負側に設定する場合もある。したがって、いかに
組成ばらつきが少ないターゲットを製造するかが大きな
課題である。また上述したように磁性膜としてパーマロ
イ膜の特性は、酸素等の不純物により劣化する。具体的
には酸素含有量が増加すると透磁率が下がるとともに、
電気抵抗が高くなる。そのため酸素は磁気抵抗効果素子
用の磁性膜としては最も低減すべき不純物の一つであ
る。
【0004】従来は上述したような真空溶解法により製
造されているが、真空溶解法により溶製ターゲットを製
造する場合、凝固に際して、界面での固液両相での溶質
濃度が異なる組成偏析のために、ターゲットとして必要
な組成に対して±0.4重量%以下に制御するのは困難
であった。そのため極めて正確な組成範囲に納める必要
があるパーマロイ膜用のターゲットの製造方法として
は、最適なものとは言えなかった。本発明の目的は、上
記問題点に鑑み極めて正確な組成範囲に納めることがで
きるとともに、低酸素含有量となるパーマロイ膜形成用
ターゲットの製造方法および新規なターゲットを提供す
ることにある。
造されているが、真空溶解法により溶製ターゲットを製
造する場合、凝固に際して、界面での固液両相での溶質
濃度が異なる組成偏析のために、ターゲットとして必要
な組成に対して±0.4重量%以下に制御するのは困難
であった。そのため極めて正確な組成範囲に納める必要
があるパーマロイ膜用のターゲットの製造方法として
は、最適なものとは言えなかった。本発明の目的は、上
記問題点に鑑み極めて正確な組成範囲に納めることがで
きるとともに、低酸素含有量となるパーマロイ膜形成用
ターゲットの製造方法および新規なターゲットを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、溶解法に
換えて焼結法を用いてターゲットを製造すれば、極めて
正確な組成範囲に納めることができること、および還元
性雰囲気で加熱処理する工程を設けることにより、酸素
量を著しく低減できることを見いだし本発明に到達し
た。
換えて焼結法を用いてターゲットを製造すれば、極めて
正確な組成範囲に納めることができること、および還元
性雰囲気で加熱処理する工程を設けることにより、酸素
量を著しく低減できることを見いだし本発明に到達し
た。
【0006】すなわち本発明の製造方法は、重量%でニ
ッケルが78から85%、残部実質的に鉄である組成範
囲を満たす目標のパーマロイ組成に配合した金属または
合金の粉末を、還元性雰囲気で加熱処理することにより
酸素を低減し、次いで焼結することを特徴とするパーマ
ロイ膜形成用ターゲットの製造方法である。また好まし
くは上記のパーマロイ組成に配合した金属または合金の
粉末を混合した後、可鍛性容器に充填してから、還元性
雰囲気にさらすとともに、加熱処理することにより酸素
を低減し、次いで前記可鍛性容器を密閉封入し、加圧焼
結を行うものである。また焼結した後に熱間塑性加工を
行なうことは、ターゲットを量産する上で好ましい方法
となる。
ッケルが78から85%、残部実質的に鉄である組成範
囲を満たす目標のパーマロイ組成に配合した金属または
合金の粉末を、還元性雰囲気で加熱処理することにより
酸素を低減し、次いで焼結することを特徴とするパーマ
ロイ膜形成用ターゲットの製造方法である。また好まし
くは上記のパーマロイ組成に配合した金属または合金の
粉末を混合した後、可鍛性容器に充填してから、還元性
雰囲気にさらすとともに、加熱処理することにより酸素
を低減し、次いで前記可鍛性容器を密閉封入し、加圧焼
結を行うものである。また焼結した後に熱間塑性加工を
行なうことは、ターゲットを量産する上で好ましい方法
となる。
【0007】上述した本発明の製造方法により、重量比
でニッケルが78から85%、残部実質的に鉄からな
り、不純物である酸素濃度が25ppm以下の焼結体か
らなることを特徴とする本発明のパーマロイ膜形成用タ
ーゲットを得ることができる。
でニッケルが78から85%、残部実質的に鉄からな
り、不純物である酸素濃度が25ppm以下の焼結体か
らなることを特徴とする本発明のパーマロイ膜形成用タ
ーゲットを得ることができる。
【0008】
【作用】上述したように、本発明の最大の特徴の一つ
は、焼結法を使用してターゲットを製造したことにあ
る。焼結法では真空溶解法で問題となっていた製造工程
における鉄とニッケルの蒸気圧差あるいは最終凝固部で
ある押湯部に起因する組成ずれ、および凝固組成の不均
質性が基本的に存在せず、正確な組成制御が可能とな
る。また本発明の製造方法において、粉末原料を用いる
ことによって増加する酸素量は、還元性雰囲気中で加熱
処理することにより低減することができるものである。
以下本発明の規定理由について詳しく説明する。
は、焼結法を使用してターゲットを製造したことにあ
る。焼結法では真空溶解法で問題となっていた製造工程
における鉄とニッケルの蒸気圧差あるいは最終凝固部で
ある押湯部に起因する組成ずれ、および凝固組成の不均
質性が基本的に存在せず、正確な組成制御が可能とな
る。また本発明の製造方法において、粉末原料を用いる
ことによって増加する酸素量は、還元性雰囲気中で加熱
処理することにより低減することができるものである。
以下本発明の規定理由について詳しく説明する。
【0009】本発明の製造方法において、ニッケルが7
8から85%、残部実質的に鉄である組成範囲を満たす
目標のパーマロイ組成に配合するとしたのは、磁歪が0
となるパーマロイ膜組成はニッケル81%、残部鉄の組
成近傍にあり、本発明で規定する範囲を超えるターゲッ
トにより得られる膜は、成膜条件あるいは成膜後の応力
の影響を考慮しても磁歪が大きすぎるためである。この
組成範囲内で成膜条件あるいは成膜後の応力の影響を考
慮した組成の正確な決定が必要である。
8から85%、残部実質的に鉄である組成範囲を満たす
目標のパーマロイ組成に配合するとしたのは、磁歪が0
となるパーマロイ膜組成はニッケル81%、残部鉄の組
成近傍にあり、本発明で規定する範囲を超えるターゲッ
トにより得られる膜は、成膜条件あるいは成膜後の応力
の影響を考慮しても磁歪が大きすぎるためである。この
組成範囲内で成膜条件あるいは成膜後の応力の影響を考
慮した組成の正確な決定が必要である。
【0010】また本発明において金属または合金の粉末
を還元性雰囲気で加熱処理するとしたのは、粉末原料を
使用する時に問題となる酸素量を低減するためである。
使用できる還元性雰囲気は、水素含有雰囲気や減圧雰囲
気が使用できるが、水素による還元反応を利用する水素
含有雰囲気が酸素を除去する効果が高く好ましいもので
ある。加熱温度は粉末の溶融温度よりも低い温度である
必要がある。
を還元性雰囲気で加熱処理するとしたのは、粉末原料を
使用する時に問題となる酸素量を低減するためである。
使用できる還元性雰囲気は、水素含有雰囲気や減圧雰囲
気が使用できるが、水素による還元反応を利用する水素
含有雰囲気が酸素を除去する効果が高く好ましいもので
ある。加熱温度は粉末の溶融温度よりも低い温度である
必要がある。
【0011】原料として使用する粉末としては、純鉄
粉、純ニッケル粉、鉄−ニッケル合金粉が使用できる。
純鉄粉およびニッケル粉末を使用すれば、原料粉末自体
の組成変動要因がないためより正確な組成調整が可能と
なるという利点もある。
粉、純ニッケル粉、鉄−ニッケル合金粉が使用できる。
純鉄粉およびニッケル粉末を使用すれば、原料粉末自体
の組成変動要因がないためより正確な組成調整が可能と
なるという利点もある。
【0012】より好ましい方法として、可鍛性容器に充
填してから、還元性雰囲気にさらすとともに、加熱処理
することにより酸素を低減し、次いで前記可鍛性容器を
密閉封入し、加圧焼結を行うものとした。これにより、
焼結中において酸素濃度の上昇を効果的に防ぐことがで
きる。なお、本発明における焼結は、冷間静水圧プレス
してから加熱する方法、純鉄缶あるいはステンレス缶等
の可鍛性容器に混合粉末を充填し、熱間静水圧プレスあ
るいはホットロール法等で焼結する方法が使用できる。
填してから、還元性雰囲気にさらすとともに、加熱処理
することにより酸素を低減し、次いで前記可鍛性容器を
密閉封入し、加圧焼結を行うものとした。これにより、
焼結中において酸素濃度の上昇を効果的に防ぐことがで
きる。なお、本発明における焼結は、冷間静水圧プレス
してから加熱する方法、純鉄缶あるいはステンレス缶等
の可鍛性容器に混合粉末を充填し、熱間静水圧プレスあ
るいはホットロール法等で焼結する方法が使用できる。
【0013】上述した方法によって得られたターゲット
は、重量比でニッケルが78から85%、残部実質的に
鉄からなり、不純物である酸素濃度が25ppm以下の
焼結体からなることを特徴とする本発明のパーマロイ膜
形成用ターゲットとなる。このターゲットは、酸素濃度
が25ppm以下であり、磁気特性に及ぼす酸素の悪影
響を真空溶解法によって製造したターゲットと同等以下
に抑えることができる。また上述したように、焼結体で
あるため、目標組成からの組成ばらつきが少ないという
効果も有するものである。
は、重量比でニッケルが78から85%、残部実質的に
鉄からなり、不純物である酸素濃度が25ppm以下の
焼結体からなることを特徴とする本発明のパーマロイ膜
形成用ターゲットとなる。このターゲットは、酸素濃度
が25ppm以下であり、磁気特性に及ぼす酸素の悪影
響を真空溶解法によって製造したターゲットと同等以下
に抑えることができる。また上述したように、焼結体で
あるため、目標組成からの組成ばらつきが少ないという
効果も有するものである。
【0014】
(実施例1)純度99.9%(ガス成分を除く)の10
0メッシュ(150μm)以下のニッケルおよび鉄の粉
末を重量比率でニッケル82.2%、鉄17.8%で混
合し、アルゴン雰囲気としたV型混合機を用いて均一と
なるまで混合した。この粉末を内径152mm高さ24
mmの鉄缶に充填し、水素雰囲気炉中で1250℃、4
時間の熱処理を行った。その後鉄缶を真空脱気してから
封止し、1180気圧1200℃で熱間静水圧プレスを
行い焼結体を得た。その後鉄缶を除去し機械加工により
外径100mm厚さ4mmのターゲットを4枚作製し
た。
0メッシュ(150μm)以下のニッケルおよび鉄の粉
末を重量比率でニッケル82.2%、鉄17.8%で混
合し、アルゴン雰囲気としたV型混合機を用いて均一と
なるまで混合した。この粉末を内径152mm高さ24
mmの鉄缶に充填し、水素雰囲気炉中で1250℃、4
時間の熱処理を行った。その後鉄缶を真空脱気してから
封止し、1180気圧1200℃で熱間静水圧プレスを
行い焼結体を得た。その後鉄缶を除去し機械加工により
外径100mm厚さ4mmのターゲットを4枚作製し
た。
【0015】同様にして9ロット分のターゲットを製造
した。これらのターゲットを蛍光X線分析法を用いてN
i量の分析を行った。また酸素含有量を燃焼赤外線吸収
法にて分析した。結果を表1に示す。本発明の方法によ
り製造したターゲットは、1ロット中の組成のばらつき
が±0.1%以内に抑えられであり、ロット毎の組成の
ばらつき±0.1%以内であることがわかる。また酸素
含有量も25ppm以下に抑えられていることがわか
る。
した。これらのターゲットを蛍光X線分析法を用いてN
i量の分析を行った。また酸素含有量を燃焼赤外線吸収
法にて分析した。結果を表1に示す。本発明の方法によ
り製造したターゲットは、1ロット中の組成のばらつき
が±0.1%以内に抑えられであり、ロット毎の組成の
ばらつき±0.1%以内であることがわかる。また酸素
含有量も25ppm以下に抑えられていることがわか
る。
【0016】
【表1】
【0017】(実施例2)純度99.9%(ガス成分を除
く)の100メッシュ(150μm)以下のニッケルお
よび鉄の粉末を重量比率でニッケル82.2%、鉄1
7.8%で混合し、アルゴン雰囲気としたV型混合機を
用いて均一となるまで混合した。この粉末を40×15
0×200(mm)の軟鋼製缶に充填し、水素雰囲気炉中
で1250℃、4時間の熱処理を行った。その後軟鋼製
の缶を真空脱気してから封止し、1180気圧1200
℃で熱間静水圧プレスを行い焼結体を得た。その後熱間
加工により厚さ8mmに加工してから軟鋼製の缶を除去
し、機械加工により外径110mm、厚さ5mmのター
ゲットを作製した。
く)の100メッシュ(150μm)以下のニッケルお
よび鉄の粉末を重量比率でニッケル82.2%、鉄1
7.8%で混合し、アルゴン雰囲気としたV型混合機を
用いて均一となるまで混合した。この粉末を40×15
0×200(mm)の軟鋼製缶に充填し、水素雰囲気炉中
で1250℃、4時間の熱処理を行った。その後軟鋼製
の缶を真空脱気してから封止し、1180気圧1200
℃で熱間静水圧プレスを行い焼結体を得た。その後熱間
加工により厚さ8mmに加工してから軟鋼製の缶を除去
し、機械加工により外径110mm、厚さ5mmのター
ゲットを作製した。
【0018】同様にして5ロット分のターゲットを製造
した。これらのターゲットを実施例1と同様にNi量の
分析および酸素含有量の分析を行った。結果を表2に示
す。本発明の方法により製造したターゲットは、実施例
1と同様にロット毎の組成のばらつき±0.1以内であ
ることがわかる。また酸素含有量も25ppm以下に抑
えられていることがわかる。
した。これらのターゲットを実施例1と同様にNi量の
分析および酸素含有量の分析を行った。結果を表2に示
す。本発明の方法により製造したターゲットは、実施例
1と同様にロット毎の組成のばらつき±0.1以内であ
ることがわかる。また酸素含有量も25ppm以下に抑
えられていることがわかる。
【0019】
【表2】
【0020】(比較例1)比較例として、ニッケルと鉄
を原料として、同様に82.2%、鉄17.8%となる
ように調整した20kgの原料を高周波誘導加熱炉中に
入れ、その後の約1650℃に加熱溶解した後にアルミ
ナ製の厚み80mm、高さ300mm、幅150mmの
インゴットケ−スに入れてインゴットを作成する真空溶
解法を用い、インゴットを熱間圧延をして実施例1と同
サイズのターゲットを4枚得た。上述した真空溶解法に
てそれぞれ5ロット分製造した。
を原料として、同様に82.2%、鉄17.8%となる
ように調整した20kgの原料を高周波誘導加熱炉中に
入れ、その後の約1650℃に加熱溶解した後にアルミ
ナ製の厚み80mm、高さ300mm、幅150mmの
インゴットケ−スに入れてインゴットを作成する真空溶
解法を用い、インゴットを熱間圧延をして実施例1と同
サイズのターゲットを4枚得た。上述した真空溶解法に
てそれぞれ5ロット分製造した。
【0021】これらのターゲットを実施例1と同様にN
i量および酸素含有量の分析を行った。結果を表3に示
す。真空溶解法で製造した比較例の4枚のターゲット
は、±0.2を越える組成のばらつきがあり、ロット毎
の組成のばらつきも±0.2を越え標準偏差も実施例1
に記載の本発明のターゲットに比べて大きく、好ましく
ないことがわかる。また酸素含有量は実施例1のターゲ
ットとほぼ同レベルであり、本発明の方法は溶製法によ
るターゲットと同程度以下まで酸素量を低減できること
がわかる。
i量および酸素含有量の分析を行った。結果を表3に示
す。真空溶解法で製造した比較例の4枚のターゲット
は、±0.2を越える組成のばらつきがあり、ロット毎
の組成のばらつきも±0.2を越え標準偏差も実施例1
に記載の本発明のターゲットに比べて大きく、好ましく
ないことがわかる。また酸素含有量は実施例1のターゲ
ットとほぼ同レベルであり、本発明の方法は溶製法によ
るターゲットと同程度以下まで酸素量を低減できること
がわかる。
【0022】
【表3】
【0023】(比較例2)実施例1の製造工程のうち、
水素雰囲気炉中で1250℃、4時間の加熱処理を行な
う工程を実施しないで4ロット分のターゲットを製造し
た。得られたターゲットの酸素含有量を分析した。結果
を表3に示す。表3に示したように、酸素量を低減する
加熱処理を行わないターゲットは、実施例1中に示した
表1のターゲットと比較すると明らかに酸素量が高く、
本発明の製造方法における還元性雰囲気での加熱処理が
ターゲットの酸素量低減に対して有効であることを裏付
けた結果となった。
水素雰囲気炉中で1250℃、4時間の加熱処理を行な
う工程を実施しないで4ロット分のターゲットを製造し
た。得られたターゲットの酸素含有量を分析した。結果
を表3に示す。表3に示したように、酸素量を低減する
加熱処理を行わないターゲットは、実施例1中に示した
表1のターゲットと比較すると明らかに酸素量が高く、
本発明の製造方法における還元性雰囲気での加熱処理が
ターゲットの酸素量低減に対して有効であることを裏付
けた結果となった。
【0024】
【表4】
【0025】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、組成ばらつ
きの極めて少なく、酸素含有量も低いパーマロイ膜形成
用ターゲットを得ることができる。したがって、本発明
の製造方法によって得られる本発明のターゲットは極め
て正確な組成管理が要求される磁気抵抗効果素子等に用
いられるパーマロイ膜の製造にとって極めて有効なター
ゲットとなる。
きの極めて少なく、酸素含有量も低いパーマロイ膜形成
用ターゲットを得ることができる。したがって、本発明
の製造方法によって得られる本発明のターゲットは極め
て正確な組成管理が要求される磁気抵抗効果素子等に用
いられるパーマロイ膜の製造にとって極めて有効なター
ゲットとなる。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%でニッケルが78から85%、残
部実質的に鉄からなり、不純物である酸素濃度が25p
pm以下の焼結体からなることを特徴とするパーマロイ
膜形成用ターゲット。 - 【請求項2】 重量%でニッケルが78から85%、残
部実質的に鉄である組成範囲を満たす目標のパーマロイ
組成に配合した金属または合金の粉末を、還元性雰囲気
で加熱処理することにより酸素を低減し、次いで焼結す
ることを特徴とするパーマロイ膜形成用ターゲットの製
造方法。 - 【請求項3】 重量%でニッケルが78から85%、残
部実質的に鉄である組成範囲を満たす目標のパーマロイ
組成に配合した金属または合金の粉末を混合した後、可
鍛性容器に充填してから、還元性雰囲気にさらして加熱
処理することにより酸素を低減し、次いで前記可鍛性容
器を密閉封入し、加圧焼結を行うことを特徴とするパー
マロイ膜形成用ターゲットの製造方法。 - 【請求項4】 焼結後に熱間塑性加工を施すことを特徴
とする請求項2または3に記載のパーマロイ膜形成用タ
ーゲットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17128193A JPH0726369A (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | パーマロイ膜形成用ターゲットおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17128193A JPH0726369A (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | パーマロイ膜形成用ターゲットおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0726369A true JPH0726369A (ja) | 1995-01-27 |
Family
ID=15920420
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17128193A Pending JPH0726369A (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | パーマロイ膜形成用ターゲットおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0726369A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6267827B1 (en) | 1998-05-20 | 2001-07-31 | Japan Energy Corporation | Ni-Fe alloy sputtering target for forming magnetic thin films, magnetic thin film, and method of manufacturing the Ni-Fe alloy sputtering target |
CN100352076C (zh) * | 2004-11-16 | 2007-11-28 | 北京科技大学 | 一种各向异性磁电阻坡莫合金薄膜的制备方法 |
JP2010248603A (ja) * | 2009-04-20 | 2010-11-04 | Hitachi Metals Ltd | Fe−Co−Ni系合金スパッタリングターゲット材の製造方法 |
US10090012B2 (en) | 2012-08-31 | 2018-10-02 | Jx Nippon Mining & Metals Corporation | Fe-bases magnetic material sintered compact |
-
1993
- 1993-07-12 JP JP17128193A patent/JPH0726369A/ja active Pending
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