JPWO2014196377A1 - 磁性記録媒体用スパッタリングターゲット - Google Patents

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Abstract

Fe−Pt合金と非磁性材料を主成分とする焼結体スパッタリングターゲットであって、非磁性材料として少なくともC(炭素)を含有し、さらに前記主成分以外に微量添加元素を50質量ppm〜5000質量ppmの範囲で含有し、該微量添加元素の炭化物の炭素1mol当たりの標準生成自由エネルギーΔG°が、−5000[cal/mol]以下であることを特徴とする焼結体スパッタリングターゲット。本発明は、スパッタ時に発生するパーティクル量を大幅に低減させたFe−Pt合金と非磁性材料を主成分とするスパッタリングターゲットを提供することを課題とする。【選択図】なし

Description

本発明は、磁気記録媒体における磁性薄膜の形成に使用されるスパッタリングターゲットに関する。
ハードディスクドライブに代表される磁気記録の分野では、磁気記録媒体の磁性薄膜の材料として、強磁性金属であるCo、Fe、あるいはNiをベースとした材料が用いられている。例えば、面内磁気記録方式を採用するハードディスクの磁性薄膜にはCoを主成分とするCo−Cr系やCo−Cr−Pt系の強磁性合金が用いられてきた。
また、近年実用化された垂直磁気記録方式を採用するハードディスクの磁性薄膜には、Coを主成分とするCo−Cr−Pt系の強磁性合金と酸化物からなる複合材料が多く用いられている。そして上記の磁性薄膜は、生産性の高さから、上記材料を成分とするスパッタリングターゲットをマグネトロンスパッタ装置でスパッタして作製されることが多い。
一方、ハードディスクの記録密度は年々急速に増大しており、1Tbit/inを超えつつある。1Tbit/inに記録密度が達すると記録bitのサイズが10nmを下回るようになり、その場合、熱揺らぎによる超常磁性化が問題となってくると予想される。現在、使用されている磁気記録媒体の材料、例えばCo基合金にPtを添加して結晶磁気異方性を高めた材料では十分ではないことが予想される。
10nm以下のサイズで安定的に強磁性として振る舞う磁性粒子は、より高い結晶磁気異方性を持っている必要があるからである。
上記のような理由から、L1構造を有するFe−Pt合金が超高密度記録媒体用材料として注目されている。L1構造を有するFe−Pt合金は高い結晶磁気異方性とともに、耐食性、耐酸化性に優れているため、磁気記録媒体としての応用に適した材料として期待されているものである。
そしてL1構造を有するFe−Pt合金を超高密度記録媒体用材料として使用する場合には、L1構造へ規則化したFe−Pt磁性粒子を磁気的に孤立させた状態で出来るだけ高密度に方位をそろえて分散させるという技術の開発が求められている。
このようなことから、L1構造を有するFe−Pt磁性粒子をC(炭素)や酸化物といった非磁性材料で孤立させたグラニュラー構造磁性薄膜が、熱アシスト磁気記録方式を採用した次世代ハードディスクの磁気記録媒体用として提案されている。このグラニュラー構造磁性薄膜は、非磁性材料が磁性粒子を取り囲むことにより磁性粒子間の磁気的相互作用を遮断する構造を有している。
グラニュラー構造の磁性薄膜を有する磁気記録媒体及びこれに関連する公知文献としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5を挙げることができる。
上記L1構造を有するFe−Pt磁性粒子を有するグラニュラー構造磁性薄膜としては、非磁性材料としてCを含有する磁性薄膜が、特にその磁気特性の高さから注目されている。ところが、Fe−Pt合金とCからなるスパッタリングターゲットをスパッタしようとすると、スパッタ時にCの不用意な脱離が生じパーティクル(基板上に付着したゴミ)が大量に発生するという問題がある。
この問題を解決するには、Fe−Pt合金とCの密着性を高めたスパッタリングターゲットを提供する必要がある。また、Cのかわりに炭化物や窒化物を含有するターゲットを用いても、優れた磁性薄膜を得ることができるが、この場合もスパッタ時にパーティクルが多く発生するという問題があった。
下記に示す特許文献6には、Fe、PtおよびCを含有し、さらにFe、Pt以外の金属元素を含有するスパッタリングターゲットであって、Fe、Pt以外の金属元素としてCu、Ag、Mn、Ni、Co、Pd、Cr、V、Bを0at%よりも多く20at%以下含有することが記載されている。しかし、特許文献6には、Cuを10at%含有する一例しかなく、後述する本発明とは添加元素の種類及び含有量が大きく異なる。
また、下記特許文献7には、FePt合金相中にC相が分散した焼結体を作製する目的で、FePt合金粉とPt粉とカーボンブラック粉を混合してホットプレスする技術が開示されている。しかし、この場合は、スパッタ時にCの脱離が生じパーティクル(基板上に付着したゴミ)が大量に発生するという問題を解決する方策の検討がなされていない。
また、下記特許文献8には、FePt(Au及び/又はCu)C系の磁気記録媒体薄膜形成用スパッタリングターゲットが記載されている。前記Au及び/又はCuの一部をAgに置き換えても良いという技術が開示され、これによってパーティクルの発生を抑制するという技術が開示されている。
また、下記特許文献9にはFePtAgC系の磁気記録媒体薄膜形成用スパッタリングターゲットが記載されている。前記Agの一部をAu及び/又はCuに置き換えても良いという技術が開示され、これによってパーティクルの発生を抑制するという技術が開示されている。
上記特許文献8と特許文献9は、類似する技術であるが、パーティクルの発生を抑制するために添加するAg、Au、Cuの融点が低いために、ホットプレス時に先に溶け出してしまう問題があり、焼結温度を下げる必要があると説明されている。
そして、これを防止するために、予め原料となるAg、Au、Cuの粉を、AgPt粉、AuPt粉、CuPt粉を作製し、これらを他の原料粉と混合して焼結するということが必要であると記載されている。これは製造工程の煩雑さを招くという問題があり、これらの元素の添加量も多くする必要がある問題もある。
特開2000−306228号公報 特開2000−311329号公報 特開2008−59733号公報 特開2008−169464号公報 特開2004−152471号公報 特開2012−214874号公報 特開2012−102387号公報 特開2012−178210号公報(特許第5041261号公報) 特開2012−178211号公報(特許第5041262号公報)
上記Fe−Pt合金は1:1組成付近でL1型規則格子を形成するが、一般に結晶構造が規則格子の材料は延性に乏しく、このような材料は加圧焼結装置を用いて焼結しても、焼結体の密度が上がり難いという問題がある。特に、難焼結材料であるC(炭素)を含有するFe−Pt−C系では、緻密な焼結体を得ることが極めて難しい。そのためこのような密度の低い焼結体スパッタリングターゲットをスパッタすると、非磁性材料の不用意な脱離が生じて、パーティクル(基板上に付着したゴミ)が大量に発生するという問題がある。
また、Fe−Pt合金のL1規則格子では、1300℃以上まで加熱すると、規則状態から不規則状態へ転移し延性が増すが、そこに含有させる非磁性材料の種類によっては、1300℃以上の温度で分解してしまうものもある。さらに、1300℃以上の高温域では、結晶粒の成長による焼結体組織の粗大化が生じることがあり、このような粗大な結晶粒はスパッタ時の異常放電(アーキング)の起点となって、パーティクルが発生するという問題がある。
このようなことから、本発明は、スパッタ時に発生するパーティクル量を大幅に低減し、かつ効率よく製造できるFe−Pt系合金と非磁性材料からなる焼結体スパッタリングターゲットを提供することを課題とする。
本発明者は、Fe−Pt合金と少なくともC(炭素)を含む非磁性材料を主成分とする焼結体スパッタリングターゲットの作製に際して、微量添加元素を50質量ppm〜5000質量ppmを含有させるのであるが、この微量添加元素として炭化物の炭素1mol当たりの標準生成自由エネルギーΔG°が、−5000[cal/mol]以下である微量の元素を添加すること、すなわち炭化物になり易い元素を添加することにより、C単体に比べて濡れ性が良好となる炭化物を形成し、この炭化物を介してFe−Pt系合金とCと密着性を向上させるものである。
これを、本願発明の基礎とするものであり、この結果、焼結体スパッタリングターゲットは、スパッタ時に発生するパーティクル量を大幅に低減できるとの知見を得た。なお、以下で説明する焼結原料は、全て粉末原料を用いるものである。
このような知見に基づき、本発明は、
1)Fe−Pt合金と非磁性材料を主成分とする焼結体スパッタリングターゲットであって、非磁性材料として少なくともC(炭素)を含有し、さらに前記主成分以外に微量添加元素を50質量ppm〜5000質量ppmの範囲で含有し、該微量添加元素の炭化物の炭素1mol当たりの標準生成自由エネルギーΔG°が、−5000[cal/mol]以下であることを特徴とする焼結体スパッタリングターゲット
2)前記微量添加元素が、W、Crのいずれか一種以上であることを特徴とする上記1)に記載の焼結体スパッタリングターゲット
3)非磁性材料として、前記C(炭素)に加えて、さらに酸化物、窒化物、炭化物のいずれか一種以上を含有することを特徴とする上記1)又は2)のいずれか一項に記載の焼結体スパッタリングターゲット
4)前記主成分及び微量添加元素に加えて、さらにAg、Au、Co、Cu、Ga、Ge、Ir、Ni、Pd、Re、Rh、Ru、Sn、Znから選択した一種以上の元素を、金属成分として含有することを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一項に記載の焼結体スパッタリングターゲット、を提供する。
また、本発明は、
5)原料粉として、Fe粉、Pt粉、C粉(グラファイト粉)、及び炭化物を形成した場合の炭素1mol当たりの標準生成自由エネルギーΔG°が、−5000[cal/mol]以下である微量添加元素粉を準備し、これらの粉末をAr雰囲気中で混合・粉砕し、混合・粉砕後の粉末をカーボン製の型に充填し、ホットプレス装置を用いて、真空雰囲気、昇温速度200〜600°C/時間、保持温度800〜1400°C、保持時間0〜4時間とし、昇温開始時から保持終了まで20〜50MPaで加圧して焼結体を製造することを特徴とするFe−Pt合金と非磁性材料を主成分とする焼結体スパッタリングターゲットの製造方法
6)前記微量添加元素が、W、Crのいずれか一種以上であることを特徴とする上記4)に記載の焼結体スパッタリングターゲットの製造方法
7)非磁性材料の原料粉として、前記C(炭素)に加えて、さらに酸化物、窒化物、炭化物のいずれか一種以上を含有させて焼結することを特徴とする上記5)又は6)のいずれか一項に記載の焼結体スパッタリングターゲットの製造方法
8)さらに、Ag、Au、Co、Cu、Ga、Ge、Ir、Ni、Pd、Re、Rh、Ru、Sn、Znから選択した一種以上の元素を、金属成分の原料として含有させ、焼結することを特徴とする上記5)〜7)のいずれか一項に記載の焼結体スパッタリングターゲットの製造方法、を提供する。
本発明によれば、スパッタリングの際に、発生するパーティクル量を大幅に低減したスパッタリングターゲットを提供することができる。これにより、成膜時における歩留まりを著しく向上することができ、また生産性を向上させることができるという、優れた効果を有する。
本発明のFe−Pt合金と非磁性材料を主成分とする焼結体スパッタリングターゲットは、非磁性材料として少なくともC(炭素)を含有し、さらに前記主成分以外に微量添加元素を50質量ppm〜5000質量ppmの範囲で含有し、該微量添加元素の炭化物の炭素1mol当たりの標準生成自由エネルギーΔG°が、−5000[cal/mol]以下であることを特徴とする焼結体スパッタリングターゲットである。
前記微量添加元素の代表的な材料は、W、Crであり、これらのいずれか一種以上を添加するのが有効である。しかし、焼結の温度域において、該微量添加元素の炭化物の炭素1mol当たりの標準生成自由エネルギーΔG°が、−5000[cal/mol]以下という条件を満たすものであれば、他の元素を使用することは特に問題はない。
Fe−Pt合金の組成として一般には、原子数比率においてPtが35%以上55%以下、残部がFeの割合で配合したものを用いることができるが、有効な磁気記録媒体としての特性を維持できる範囲内であれば、特に制限はない。スパッタリングターゲット中のFe−Pt合金は、通常L1型規則格子からなるが、これにも制限はない。
本願発明において特に重要なことは、スパッタリングターゲットの微量添加元素として、この添加元素が炭化物を形成した場合の、炭素1mol当たりの標準生成自由エネルギーΔG°が、−5000[cal/mol]以下である微量の元素を用いること(添加すること)である。またCの含有量は、有効な磁気記録媒体としての特性を維持できる範囲内であれば、特に制限はないが、スパッタリングターゲット中の体積比率で20〜45%の範囲内に設定することが望ましい。
すなわち、炭化物になり易い元素を添加することにより、C単体に比べて濡れ性が良好となる炭化物を形成し、この炭化物を介してFe−Pt系合金とCと密着性を向上させることができるようにするものである。
この結果、焼結体スパッタリングターゲットは、スパッタ時にCの脱落を抑制することができ、発生するパーティクル量を大幅に低減できる。
上記の通り、微量添加元素として、W、Crが有効であり、これらのいずれか一種以上を添加するのが良い。以下については、主として代表的な微量添加元素であるW、Crを用いた場合について説明する。
前記のWやCrの含有量は、50質量ppm〜5000質量ppmとする。含有量が50質量ppm未満であると、濡れ性が良好となる炭化物の形成が不十分となり、Fe−Pt合金とCの密着性向上が期待できず、一方、含有量が5000質量ppmを超えると、磁性薄膜として十分な磁気特性が得られなくなる可能性がある。
WやCrは、いずれか一方又は両方を含有させても同様の効果が得られる。両方を含有させる場合には、その合計含有量をスパッタリングターゲット全体における含有比率として、50質量ppm〜5000質量ppmとするのが良い。
また、本発明のスパッタリングターゲットは、非磁性材料として、前記C(炭素)に加えて、酸化物、窒化物、炭化物のいずれか一種以上を含有させることができる。その場合、好ましい酸化物としてはAl、B、Ba、Be、Ca、Ce、Cr、Dy、Er、Eu、Ga、Gd、Ho、Li、Mg、Mn、Nb、Nd、Pr、Sc、Sm、Sr、Ta、Tb、Ti、V、Y、Zn、Zrから選択した一種以上の元素の酸化物が挙げられる。また好ましい窒化物としてはAl、B、Ca、Nb、Si、Ta、Ti、Zrから選択した一種以上の元素の窒化物が挙げられる。また好ましい炭化物としては、B、Ca、Nb、Si、Ta、Ti、W、Zrから選択した一種以上の元素の炭化物が挙げられる。このようなスパッタリングターゲットから作製された磁性膜は、炭素、炭化物、窒化物、酸化物が磁性粒子同士の磁気的な相互作用を絶縁する構造をとるため、良好な磁気特性が期待できる。
また、本発明のスパッタリングターゲットは、前記主成分及び微量添加元素に加えて、さらにAg、Au、Co、Cu、Ga、Ge、Ir、Ni、Pd、Re、Rh、Ru、Sn、Znから選択した一種以上の元素を、金属成分として含有させることができる。
これらの金属元素は、スパッタされた薄膜において、主にL1構造を発現するための熱処理の温度を下げるために添加するものである。その配合割合は、有効な磁気記録媒体としての特性を維持できる範囲内であれば、特に制限はない。
本発明のスパッタリングターゲットは、粉末焼結法を用いて、例えば、以下の方法によって作製することができる。
まず、金属粉としてFe粉、Pt粉、Cr粉、Cu粉、W粉などを用意する。金属粉としては、単元素の金属粉だけでなく、合金粉を用いることもできる。これらの金属粉は粒径が1〜10μmの範囲のものを用いることが望ましい。粒径が1〜10μmであるとより均一な混合が可能であり、偏析と粗大結晶化を防止できる。
金属粉末の粒径が10μmより大きい場合には、非磁性材料が均一に分散しないことがあり、また、1μmより小さい場合には、金属粉の酸化の影響でターゲットの組成が所望の組成から外れてくるという問題が生じることがある。なお、この粒径範囲はあくまで好ましい範囲であり、これを逸脱することが本願発明を否定する条件でないことは当然理解されるべきである。
また、非磁性材料の粉末として、前記C(炭素)に加えて、酸化物粉、窒化物粉、炭化物粉などを用意する。これらの非磁性材料粉末は、粒径が1〜30μmの範囲のものを用いることが望ましい。粒径が1〜30μmであると前述の金属粉と混合した際に、非磁性材料粉同士が凝集し難くなり、均一に分散させることが可能になる。
非磁性材料のうちC粉に関しては、グラファイト(黒鉛)やナノチューブのように結晶構造を有するものと、カーボンブラックに代表される非晶質のものがあるが、いずれのC粉も使用することができる。
焼結体スパッタリングターゲットの製造に際しては、原料粉として、Fe粉、Pt粉、C粉(グラファイト粉)、及び炭化物を形成した場合の炭素1mol当たりの標準生成自由エネルギーΔG°が、−5000[cal/mol]以下である微量添加元素粉を所定の組成になるように秤量し、これらの粉末をAr雰囲気中でボールミル等の公知の手法を用いて粉砕を兼ねて混合する。
この混合・粉砕後の粉末をカーボン製の型に充填し、ホットプレス装置を用いて、真空雰囲気又は不活性雰囲気中、昇温速度200〜600°C/時間、保持温度800〜1400°C、保持時間0〜4時間とし、昇温開始時から保持終了まで20〜50MPaで加圧して焼結体を製造する。
前記ホットプレス以外にも、プラズマ放電焼結法など様々な加圧焼結方法を使用することができる。特に、熱間静水圧焼結法は焼結体の密度向上に有効である。焼結時の保持温度は、ターゲットの構成成分にもよるが、多くの場合、800〜1400°Cの温度範囲とする。そして、得られた焼結体を旋盤で所望の形状に加工することにより、本発明のスパッタリングターゲットを作製することができる。
以上により本発明のスパッタリングターゲットを製造することができる。このようにして製造したスパッタリングターゲットは、スパッタ時に発生するパーティクル量を低減することができ、成膜時における歩留まりを向上することができるという優れた効果を有する。
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
(実施例1)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径3μmのW粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):30Fe−30Pt−40Cとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2600gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Wを5.2g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1400°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、WはICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Wの含有量は、スパッタリングターゲット中1990質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):30.09Fe−30.04Pt−39.87Cであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットをマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、投入電力1kW、Arガス圧1.7Paとし、2kWhrのプレスパッタリングを実施した後、4インチ径のシリコン基板上に20秒間成膜した。基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は185個であった。
(比較例1)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径3μmのW粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):30Fe−30Pt−40Cとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2600gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Wを0.13g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1400°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に作製した焼結体をから採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、WはICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Wの含有量は、スパッタリングターゲット中40質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率)は30.20Fe−30.08Pt−39.72Cであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いて実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は498個と、実施例1より増加した。
(比較例2)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径3μmのW粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):30Fe−30Pt−40Cとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2600gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Wを52.0g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1400°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、WはICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Wの含有量は、スパッタリングターゲット中20100質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):30.07Fe−30.01Pt−39.92Cであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いて実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は354個と、実施例1より増加した。
一方で、実施例1と比較すると十分な磁気特性が得られなかった。これは、Wの含有量が多過ぎ、飽和磁化や結晶磁気異方性エネルギーが低下したためと考えられる。
(実施例2)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径3μmのCr粉を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):30Fe−30Pt−40Cとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2600gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Crを2.6g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1300°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、CrをICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Crの含有量は、スパッタリングターゲット中990質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):29.85Fe−30.10Pt−40.05Cであった。
さらに、旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いて実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は255個であった。
(比較例3)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径3μmのCr粉を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):30Fe−30Pt−40Cとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2600gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Crを0.13g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1300°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、CrをICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Crの含有量は、スパッタリングターゲット中30質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):30.23Fe−29.85Pt−39.92Cであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いてマグネトロンスパッタ装置に取り付け、実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は658個と、実施例2より増加した。
(比較例4)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径3μmのCr粉を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):30Fe−30Pt−40Cとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2600gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Crを26g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1300°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、CrをICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Crの含有量は、スパッタリングターゲット中10200質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):30.05Fe−30.10Pt−39.85Cであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いて実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は325個と、実施例2とほぼ同等であった。一方で、実施例2と比較すると十分な磁気特性が得られなかった。これは、Crの含有量が多く、飽和磁化や結晶磁気異方性エネルギーが低下したためと考えられる。
(実施例3)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径3μmのW粉、平均粒径3μmのCr粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径10μmのBN粉を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):35Fe−35Pt−20C−10BNとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2600gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Wを5.2g、Crを5.2g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1200°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、B、W、CrをICP−AES装置を用いて測定した。BNの含有量はBの測定値から化学量論比率を用いて計算した。また、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Wの含有量はスパッタリングターゲット中2000質量ppm、Crの含有量はスパッタリングターゲット中2050質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):34.91Fe−35.35Pt−20.04C−9.70BNであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いてマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は211個であった。
(比較例5)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径3μmのW粉、平均粒径3μmのCr粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径10μmのBN粉を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):35Fe−35Pt−20C−10BNとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2600gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Wを0.06g、Crを0.06g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1200°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、B、W、CrをICP−AES装置を用いて測定した。BNの含有量はBの測定値から化学量論比率を用いて計算した。また、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Wの含有量はスパッタリングターゲット中20質量ppm、Crの含有量はスパッタリングターゲット中20質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):35.09Fe−35.11Pt−19.87C−9.93BNであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いてマグネトロンスパッタ装置に取り付け、実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は375個と、実施例3より増加した。
(比較例6)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径3μmのW粉、平均粒径3μmのCr粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径10μmのBN粉を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):35Fe−35Pt−20C−10BNとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2600gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Wを5.2g、Crを13.0g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1200°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、B、W、CrをICP−AES装置を用いて測定した。BNの含有量はBの測定値から化学量論比率を用いて計算した。また、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Wの含有量はスパッタリングターゲット中1980質量ppm、Crの含有量はスパッタリングターゲット中5030質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):34.94Fe−35.26Pt−19.97C−9.83BNであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いてマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は208個で、実施例3とほぼ同等であった。一方で、実施例3と比較すると十分な磁気特性が得られなかった。これは、WとCrの含有量が多く、飽和磁化や結晶磁気異方性エネルギーが低下したためと考えられる。
(実施例4)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径10μmのB粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径5μmのSiO粉を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):35Fe−35Pt−25C−5SiOとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2500gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Bを0.25g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1150°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、Si、BはICP−AES装置を用いて、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。SiOの含有量はSiの測定値から化学量論比率を用いて計算した。その結果、Bの含有量は、スパッタリングターゲット中110質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):34.95Fe−35.02Pt−24.90C−5.13SiOであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いて実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は108個であった。
(比較例7)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径10μmのB粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径5μmのSiO粉を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):35Fe−35Pt−25C−5SiOとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2500gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Bを0.07g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1150°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、B、SiはICP−AES装置を用いて、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。SiOの含有量はSiの測定値から化学量論比率を用いて計算した。その結果、Bの含有量は、スパッタリングターゲット中20質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):34.77Fe−35.02Pt−25.07C−5.14SiOであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いてマグネトロンスパッタ装置に取り付け、実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は245個で、実施例4より増加した。
(比較例8)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径10μmのB粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径5μmのSiO粉を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):35Fe−35Pt−25C−5SiOとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2500gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Bを17.5g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1150°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、Si、BはICP−AES装置を用いて、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。SiOの含有量はSiの測定値から化学量論比率を用いて計算した。その結果、Bの含有量は、スパッタリングターゲット中6950質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):35.03Fe−34.87Pt−25.05C−5.05SiOであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いて実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は117個と、実施例4と同等であった。一方で、実施例4と比較すると十分な磁気特性が得られなかった。これは、Bの含有量が多く、飽和磁化や結晶磁気異方性エネルギーが低下したためと考えられる。
(実施例5)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径3μmのCu粉、平均粒径3μmのW粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径1μmのTaC粉を用意した。基本成分を、秤量組成(モル比率):30Fe−30Pt−5Cu−20C−15TaCとし、前記秤量組成比で、合計の重量が3000gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Wを12.0g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、窒素雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1100°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、Cu、Ta、WはICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。TaCの含有量はTaの測定値から化学量論比率を用いて計算した。その結果、Wの含有量は、スパッタリングターゲット中4000質量ppmであった。また基本成分について分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):29.92Fe−30.09Pt−5.04Cu−19.92C−15.03TaCであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いて実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は278個であった。
(比較例9)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径3μmのCu粉、平均粒径3μmのW粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径1μmのTaC粉を用意した。基本成分を、秤量組成(モル比率):30Fe−30Pt−5Cu−20C−15TaCとし、前記秤量組成比で、合計の重量が3000gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Wを0.1g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、窒素雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1100°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、Cu、Ta、WはICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。TaCの含有量はTaの測定値から化学量論比率を用いて計算した。その結果、Wの含有量は、スパッタリングターゲット中30質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):29.92Fe−30.38Pt−5.18Cu−19.72C−14.80TaCであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いて実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は590個と、実施例5より増加した。
(比較例10)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径3μmのCu粉、平均粒径3μmのW粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径1μmのTaC粉を用意した。基本成分を、秤量組成(モル比率):30Fe−30Pt−5Cu−20C−15TaCとし、前記秤量組成比で、合計の重量が3000gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Wを24.0g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、窒素雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1100°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、Cu、Ta、WはICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。TaCの含有量はTaの測定値から化学量論比率を用いて計算した。その結果、Wの含有量は、スパッタリングターゲット中7980質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):30.03Fe−30.00Pt−5.06Cu−19.98C−14.93TaCであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いて実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は290個と、実施例5とほぼ同等であった。一方で、実施例5と比較すると十分な磁気特性が得られなかった。これは、Wの含有量が多く、飽和磁化や結晶磁気異方性エネルギーが低下したためと考えられる。
(実施例6)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径3μmのW粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):45.5Fe−24.5Pt−30Cとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2470gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Wを5.0g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1300°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、WはICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Wの含有量は、スパッタリングターゲット中2010質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):45.53Fe−24.50Pt−29.97Cであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットをマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、投入電力1kW、Arガス圧1.7Paとし、2kWhrのプレスパッタリングを実施した後、4インチ径のシリコン基板上に20秒間成膜した。基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は124個であった。
(比較例11)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径3μmのW粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):45.5Fe−24.5Pt−30Cとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2470gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Wを0.25g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1300°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に作製した焼結体をから採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、WはICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Wの含有量は、スパッタリングターゲット中80質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率)は45.40Fe−24.52Pt−30.08Cであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いて実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は354個と、実施例6より増加した。
(比較例12)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径3μmのW粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):45.5Fe−24.5Pt−30Cとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2470gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Wを50.0g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1300°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、WはICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Wの含有量は、スパッタリングターゲット中20100質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):45.47Fe−24.58Pt−29.95Cであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いて実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は163個と、実施例6より増加した。
一方で、実施例6と比較すると十分な磁気特性が得られなかった。これは、Wの含有量が多過ぎ、飽和磁化や結晶磁気異方性エネルギーが低下したためと考えられる。
(実施例7)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径3μmのCr粉を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):20.25Fe−24.75Pt−55Cとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2200gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Crを2.2g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1400°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、CrをICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Crの含有量は、スパッタリングターゲット中990質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):20.35Fe−24.78Pt−54.87Cであった。
さらに、旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いて実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は356個であった。
(比較例13)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径3μmのCr粉を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):20.25Fe−24.75Pt−55Cとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2200gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Crを0.1g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1400°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、CrをICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Crの含有量は、スパッタリングターゲット中30質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):20.23Fe−24.80Pt−54.97Cであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いてマグネトロンスパッタ装置に取り付け、実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は486個と、実施例7より増加した。
(比較例14)
原料粉として平均粒径3μmのFe粉、平均粒径3μmのPt粉、平均粒径10μmのC粉(グラファイト粉)、平均粒径3μmのCr粉を用意した。
基本成分を、秤量組成(モル比率):20.25Fe−24.75Pt−55Cとし、前記秤量組成比で、合計の重量が2200gとなるように秤量した。
さらに微量添加成分として、Crを20g秤量した。
次に秤量した全ての粉末を、粉砕媒体のSUSボールと共に容量10リットルのボールミルポットに投入し、Ar雰囲気中で16時間回転させて混合・粉砕した。そしてポットから取り出した粉末をカーボン製の型に充填しホットプレス装置を用いて成型・焼結させた。ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300°C/時間、保持温度1400°C、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、作製した焼結体から採取した小片を用いて組成分析を実施した。Fe、Pt、CrをICP−AES装置を用いて測定し、Cは高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法を採用した炭素分析装置で測定した。その結果、Crの含有量は、スパッタリングターゲット中10600質量ppmであった。また基本成分について、分析で得た重量比率からモル比率を計算した結果、このスパッタリングターゲットの組成は、分析組成(モル比率):20.24Fe−24.78Pt−54.98Cであった。
さらに旋盤を用いて、焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ切削加工し、円盤状のターゲットを得た。このターゲットを用いて実施例1と同一条件でスパッタリングを行い、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は345個と、実施例7とほぼ同等であった。一方で、実施例7と比較すると十分な磁気特性が得られなかった。これは、Crの含有量が多く、飽和磁化や結晶磁気異方性エネルギーが低下したためと考えられる。
以上の通り、いずれの実施例においても、WやCrを所定の量添加することにより、スパッタリング時に発生するパーティクル量を低減することができ、成膜時の歩留まりを向上することができた。このように、WやCrを含有させることが、パーティクル発生の抑制に非常に重要な役割を有することが分かった。
以上の実施例及び比較例の結果の一覧を、表1に示す。
上記実施例と比較例では、非磁性材料として、前記C(炭素)に加えて、酸化物、窒化物、炭化物のいずれか一種以上を添加する例として、BN、SiO、TaCの例を示したが、他の酸化物、窒化物、炭化物でも同様の効果を示すことを確認している。
さらに、Ag、Au、Co、Cu、Ga、Ge、Ir、Ni、Pd、Re、Rh、Ru、Sn、Znから選択した一種以上の元素を、金属成分として含有する例として、Cuを添加する例を示したが、これも同様に、Ag、Au、Co、Cu、Ga、Ge、Ir、Ni、Pd、Re、Rh、Ru、Sn、Znから選択した一種以上の元素であれば、同様の効果を得ることを確認している。
本発明のスパッタリングターゲットは、スパッタ時に発生するパーティクル量を低減することができ、成膜時における歩留まりを向上することができるという優れた効果を有する。したがって、グラニュラー構造型の磁性薄膜を形成するためのスパッタリングターゲットとして有用である。

Claims (8)

  1. Fe−Pt合金と非磁性材料を主成分とする焼結体スパッタリングターゲットであって、非磁性材料として少なくともC(炭素)を含有し、さらに前記主成分以外に微量添加元素を50質量ppm〜5000質量ppmの範囲で含有し、該微量添加元素の炭化物の炭素1mol当たりの標準生成自由エネルギーΔG°が、−5000[cal/mol]以下であることを特徴とする焼結体スパッタリングターゲット。
  2. 前記微量添加元素が、W、Crのいずれか一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の焼結体スパッタリングターゲット。
  3. 非磁性材料として、前記C(炭素)に加えて、さらに酸化物、窒化物、炭化物のいずれか一種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の焼結体スパッタリングターゲット。
  4. 前記主成分及び微量添加元素に加えて、さらにAg、Au、Co、Cu、Ga、Ge、Ir、Ni、Pd、Re、Rh、Ru、Sn、Znから選択した一種以上の元素を、金属成分として含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の焼結体スパッタリングターゲット。
  5. 原料粉として、Fe粉、Pt粉、C粉(グラファイト粉)、及び炭化物を形成した場合の炭素1mol当たりの標準生成自由エネルギーΔG°が、−5000[cal/mol]以下である微量添加元素粉を準備し、これらの粉末をAr雰囲気中で混合・粉砕し、混合・粉砕後の粉末をカーボン製の型に充填し、ホットプレス装置を用いて、真空雰囲気、昇温速度200〜600°C/時間、保持温度800〜1400°C、保持時間0〜4時間とし、昇温開始時から保持終了まで20〜50MPaで加圧して焼結体を製造することを特徴とするFe−Pt合金と非磁性材料を主成分とする焼結体スパッタリングターゲットの製造方法。
  6. 前記微量添加元素が、W、Crのいずれか一種以上であることを特徴とする請求項4に記載の焼結体スパッタリングターゲットの製造方法。
  7. 非磁性材料の原料粉として、前記C(炭素)に加えて、さらに酸化物、窒化物、炭化物のいずれか一種以上を含有させて焼結することを特徴とする請求項5又は6のいずれか一項に記載の焼結体スパッタリングターゲットの製造方法。
  8. さらに、Ag、Au、Co、Cu、Ga、Ge、Ir、Ni、Pd、Re、Rh、Ru、Sn、Znから選択した一種以上の元素を、金属成分の原料として含有させ、焼結することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の焼結体スパッタリングターゲットの製造方法。
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