JP2005530925A - 高ptfスパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

蒸着装置用ターゲットが、少なくとも2つの異なるタイプの粉末を混合し、その粉末を粉末冶金処理で圧密してビレットを形成することによって製造される。それから、ターゲットをビレットから製造する。ターゲットは、第1のPTFを有する第1物質相と、第1のPTFより高い第2のPTFを有する第2物質相を含む。また、第2のPTFは、ターゲットと同じ化学成分を有する物質のPTFより高い。

Description

本発明は、ハードディスクドライブ用磁気ディスクの製造に関し、より具体的には、磁気ディスク製造用の高PTFを有するスパッタターゲットに関する。
ハードディスクドライブ(以下、HDD)は、そのHDD内の磁気ディスクに対してデータの書込みと検索を行う。各磁気ディスクの表面は、Al(アルミニウム)基板或いはガラス複合基板上に塗布した磁性体と非磁性体のいくつかの異なる層からなるラミネート構造になっている。得られた媒体層は、読出し/書込み/消去サイクル用磁気媒体となる。1ないし複数のディスクは、回転軸に固定され、ディスク表面に空気のクッションを生成するのに十分な速度で回転できる。空気のクッションは、空気力学的に設計されたヘッドに対する軸受面(bearing surface)を提供してディスクの媒体表面に極めて接近させて浮上させ、異なる場所にアクセスできるようにする。
HDDは、ディスクに対して書込み、消去及び読出し動作を実行するために各媒体表面に対してヘッドを用いる。ヘッドは、2つの基本的な能動部品を有し、これらの部品は、書込み素子とリードセンサである。書込み素子は、基本的には極構造体周囲に巻き付けたコイルを備えた電磁石ということができる。コイルに電流を流すと、その電流は極構造体内に磁界を発生する。極構造体は、ディスクの媒体表面に物理的に現れるギャップを備える。磁界が極構造体内に生じると、磁束エネルギが極構造体内のギャップを飛び越えると共に、ヘッド装置から媒体表面上に投射する磁界を生成する。この書込み磁界は、トランジション(transition)と呼ばれる媒体表面に磁区の特定配列を引き起こす。念入りな符号化スキームを通じて、HDDは、ディスクの媒体表面上にデータパターンを書き込む。
リードセンサは、データの検索又は読出しを行う。リードセンサは、強磁性体と反強磁性体の複数の層を備えた磁気抵抗(MR)装置である。リードセンサが媒体のトランジション領域の真上に位置されると、センサのMR効果が、媒体表面の前記トランジション領域の感知された磁界強度に比例した抵抗値変化を形成する。この抵抗値変化は、電気的にデータビットとして解釈され、念入りな復号化スキームを通じてデータに変換される。
硬及び軟磁性体は、HDDの媒体部品及びヘッド部品の両方の構成(アーキテクチャー)に広範囲にわたって用いられている。磁性体は、ヒステリックな挙動を示し、強磁性体の磁化は、飽和するまで与えられた磁界の増加と共に増加する。飽和後は、強磁性体の磁化は、与えられた磁界が更に増加しても相対的に一定のままである。しかしながら、飽和後、与えられた磁界が零になっても、磁性体の磁化は零にはならない。それどころか、磁化された磁性体は、飽和磁化の値より小さい残留磁化を保持する。このため、強磁性体を永久磁石にすることができる。これらの理由のために、強磁性体は、長期のデータ記憶装置(即ち、HDD)用として選択される。
強磁性体は、磁気的に軟又は硬として説明される。一般的に、データ記憶用途に関して、残留磁化値の高低が、軟磁性体と硬磁性体とにそれぞれ関係がある。また、強磁性体は、軟磁性体或いは硬磁性体といわれる。
一般的に、データ記憶装置について、保磁力の高低は、軟磁性体と硬磁性体に関係がある。軟磁性体が、数エルステッド〜数百エルステッドの間の保磁力を有する傾向にあるのに対して硬磁性体は、数千エルステッドから数万エルステッドの間の保持力を有する。例えば、軟磁性体は、5〜2000の範囲の保持力を有し、硬磁性体は2000〜100000の範囲の保持力を有する。
媒体部品とヘッド部品の大部分は、物理蒸着法(PVD)或いはスパッタリング法、特に、マグネトロンスパッタ蒸着法を用いて製造される。PVDは、基板上に物質の薄膜を蒸着する方法である。基板を、真空容器の物質源(ターゲット)に極めて近接して配置し、物質源を負電圧(陰極)にバイアスする一方、基板を正電圧にバイアスする(陽極)。中性(荷電されていない)のAr(アルゴン)ガスをスパッタ容器内に導入する。すると、Arイオンと電子とがそれぞれ陰極と陽極の方向に加速され、Arガス群との衝突を生じさせ、Arのイオン化現象を増進する。加速したArイオンは、ターゲット表面に衝突し、その十分なエネルギでターゲット表面から原子を飛び出させる。飛び出したターゲット原子は、ターゲットと基板の間の空間を移動し、基板上に付着する。この方法は、基板上に、原子に原子が堆積した薄膜を生成する。
データ記憶媒体業界で用いられる優れた方法であるマグネトロンスパッタリング法において、Arガスのイオン化は、ターゲットの後方に磁気アレーを配置することによって更に高められる。磁界は、ターゲットを貫いて伝達するだけの十分な強さでなければならないが、その磁界が広い電界と協働してターゲット表面近傍領域に電子を集中させる。これはAr原子の多量かつ効率的なイオン化をもたらし、基板上のターゲット原子の蒸着率を改善することになる。
しかしながら、磁性を帯びたターゲット合金の本来の磁気的性質から、ターゲット魂内には磁界の短絡が相当にある。このことから、短絡の結果として形成される浸食溝中への磁界の集中によりターゲットの活用が低減され、かつスパッタリング処理を開始するためにはターゲット魂を貫通して十分な磁束が通貨要求のために処理可能な磁気ターゲットの厚さが制限される。これらの結果は、磁束貫通(Pass-Through-Flux:以下、PTFと記す)性能の低下によって増幅、悪化される。深刻なターゲット浸食プロフィールの存在もまた、ポイント源スパッタリング現象を促して蒸着膜厚さの最適な均一度よりも劣化させるようになる。
磁気ターゲットのPTFは、与えられた磁界に対する伝達された磁界の比として定義される。PTF値100%は、非磁性体を示し、該非磁性体では与えられた磁界は何らターゲット魂を通して短絡されることがない。磁気ターゲット材のPTFは、一般的には0〜100%の範囲内に定められているが、商業的に生産された材料の最大値は1〜80%の間の表示値である。
製品のPTFを測定するためのいくつかの異なる技術がある。1つは、ターゲット材の一側に接触させて4.4(±0.4)キロガウスの棒磁石を配置し、ターゲット材の他側に接触させて軸ホールプローブを用いて伝達された磁界を監視する。ターゲット魂を貫いて伝達された磁界の最大値を、磁石とプローブの間にターゲットが存在しない状態の場合の与えられた磁界強さで割った値を、そのPTFとして定義する(磁石とプローブの間はターゲットが存在する場合と同じ距離に保持する)。PTFは比或いはパーセントのいずれかで表すことができる。PTFの別の測定技術は、馬蹄形磁石と横軸ホールプローブを用いる。この技術は、特に指定のない限り、本願に記載されたPTF値を得るために用いられる。測定技術のより詳細な説明は、米国材料試験協会(ASTM)のスタンダードF1761でみることができる。
PTF測定技術は、実際のマグネトロンスパッタリング装置で生じる磁束に現実的に近似するよう構成される。従って、PTFの測定は、マグネトロンスパッタリング中のターゲット材の挙動と相互に関連がある。磁性体のPTFと透磁率は、相互に排他的でない。むしろ、逆相関関係が、PTFと磁性体の最大透磁率との間に存在する。磁性体の透磁率の値は、米国材料試験協会(ASTM)のスタンダードA894−89によるバイブレーティング・サンプル・マグネットメータ(vibrating-sample-magnetometer:VSM)技術を用いることによって非常に精密に測定できる。透磁率測定用の試料の幾何学形状の種類と適切な反磁場係数の計算も、Bozarth(Ferromagnetism p.846)によって述べられているように、この分野では公知である
従来技術において、真空誘導溶融(VIM)法が、ターゲットに使用するための硬及び軟強磁性体の両方を製造するのに利用されている。前記従来技術は、一般的にデータ記憶産業で用いられている硬磁性体のPTFを高めるための技術を記載しているが、軟磁性体用の高PTF処理技術の従来技術、特にマグネトロンスパッタリング薄膜電子用途に適用された場合には顕著な欠点がある。データ記憶産業及び電子産業においてマグネトロンスパッタリング用途に用いられる軟磁性体が、Co(コバルト)系、Ni(ニッケル)系及びFe(鉄)系の3つの合金群からなると大雑把に記載することができる。
CoA−(Fe、Ta、Nb、Zr、B)B
NiA−(Fe、Nb、Cu、V、Cr、Mo)B
FeA−(Al、Si、Ta、B、C、Co、Cr、Ni、Ir、Rh、V)B
これらの群のそれぞれについて、1つ又はそれ以上の合金添加物(カッコ内に示された)の合計濃度が60原子%まで添加することができる。従って、添え字Bは0〜60原子%の範囲であり、添え字Aは、AとBの合計が100原子%となるような残りを示す。
従来のVIM技術の使用を通じて、軟磁性体は、同一の微視的及び巨視的化学成分(又は組成)を有するよう製造される。VIM処理は、真空容器内で材料を鋳造する処理を包含する。所望の合金組成になるよう決定された初期原料を、耐火材からなる坩堝内に配置する。その初期原料は、一般的には、薄片、粉末及び種々の構成成分を再溶融した合金を用いる。コイルで坩堝を取り囲み、制御された周波数の交流電流をコイルに流し電圧を発生させる。坩堝内の材料はこの電位で電気的にショートし、電流による抵抗熱の影響を受ける。液体になったら、その材料を、金属或いはセラミックモールドに成形し、凝固させ、冷却する。固形鋳造物が、インゴットである。そして、更に、必要ならば、材料の緻密化或いは特定の微細構造の性質を達成するために熱機械処理を行う。熱機械処理としては、一般的に熱間圧延、温間圧延、鍛造及び焼鈍の種々の組合せがある。
前述したように、軟磁性体のVIM処理に関する問題は、非常に低いPTFの材料が生産されることである。PTF値は一般的に、1%〜10%の範囲である。10%以上のPTFは、3〜7mmの厚さのターゲット材では達成できない。このことは、特にNi系及びFe系軟磁性体で現実である。しかしながら、選ばれた一握りのCo系軟磁性合金(一般的にはFe或いはNi合金添加物を含まない)に関しては、上述のVIM技術を用いた特定範囲の厚さに対して、10%を越える(通常20%〜50%)PTF値を達成することが可能である。従って、高PTF軟磁性体とその製造方法の必要性がある。
上述及びその他の必要性は、発明の1つの観点に従えば、蒸着装置に使用するターゲットを提供するという本発明によって満たされる。そのターゲットは、第1のPTFを有する第1物質相と、第1のPTFより高い第2のPTFを有する第2物質相とを含む。また、第2のPTFは、ターゲットと同じ化学成分を持つ材料のPTFより高い。ターゲットの化学成分は、第1物質相と第2物質相の各化学成分と異なる。また、ターゲットの化学成分が軟磁性体の成分である。ターゲットを粉末冶金で製造する。
本発明のある観点において、ターゲットは、3mm以上の厚さ、50mm以上の直径、且つ、5%以上のPTFを有する。また、ターゲットの化学成分が、少なくとも40原子%のFe(鉄)又はNi(ニッケル)を含有しCo(コバルト)を含有しない場合に、ターゲットのPTFが20%を超える値とすることもできる。また、ターゲットの化学成分が、少なくとも40原子%のCo(コバルト)を含有しFe(鉄)とNi(ニッケル)を含有しない場合に、ターゲットのPTFが50%を超える値とすることもできる。
本発明の別の観点において、ターゲットの平均粒径が、500ミクロン未満又は200ミクロン未満である。また、第1及び第2物質相が、成分相又は合金相である。また、これに代えるものでは、第1及び第2物質相の一方が、成分相であり、他方が合金相である。また、ターゲットが論理上80%を超えるか95%を超える密度を有することもできる。
本発明の別の実施例において、蒸着装置用ターゲットは、少なくとも2つの異なるタイプの粉末を混合し、粉末冶金処理で圧密してビレットを形成する。粉末の圧密は、静水圧圧縮成形或いは一軸圧縮成形を用いることができる。その後、ターゲットをビレットから形成する。ターゲットは、第1のPTFを有する第1物質相と、第1のPTFより高い第2のPTFを有する第2物質相を含む。また、第2のPTFは、ターゲットと同じ化学成分を持つ材料のPTFより高い。ターゲットの化学成分が軟磁性体の成分である。
本発明の別の観点においては、粉末が成分粉末からなるか又は合金粉末からなる。また、代わりに、粉末の一つが成分粉末であり、他が合金粉末である。それぞれの粉末の直径の総計は500ミクロン未満又は200ミクロン未満である。
本発明の更に別の実施例においては、磁気ディスクの形成方法を提供する。前記方法は、磁気ディスク基板上にターゲットの物質を蒸着することを含む。前記ターゲットは、第1のPTFを有する第1物質相と、第1のPTFより高い第2のPTFを有する第2物質相を含む。前記ターゲットの化学成分は、第1及び第2物質相の両方の化学成分と異なる。また、前記ターゲットの化学成分が、軟磁性体の化学成分である。前記ターゲットを粉末冶金で製造する。
本発明の更に別の実施例においては、ディスクドライブを提供する。ディスクドライブは、磁気ディスク基板にターゲットの物質を蒸着して形成された磁気ディスクを包含してなる。前記ターゲットは、第1のPTFを有する第1物質相と、その第1のPTFより高い第2のPTFを有する第2物質相を含む。前記ターゲットの化学成分は、第1及び第2両物質相の化学成分と異なっている。また、前記ターゲットの化学成分が、軟磁性体の化学成分である。前記ターゲットは粉末冶金で形成される。
本発明の種々付加的な利点は、本発明の最良の実施の形態を示す単なる実施例における下記の詳細な説明を介して当業者には容易に明らかとなろう。当然のことではあるが、本発明は他の実施形態とすることも可能であり、また、そのいくつかの詳細部は、本発明を逸脱しない範囲で自明な観点において種々の変更が可能であることは言うまでもない。よって、その図面及び記載は、本質を例示したものであり、これに限定されるものではないものと解するべきである。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
本発明によれば、高PTFを有する軟磁性体の製造方法を提供する。また、本発明は、高PTFを有する硬磁性体の製造方法に適用することが可能である。特に、本発明は、標準的な鍛造処理を用いてPTFを増強(増大)することが難しいか或いは不可能な、非常に脆い硬磁性体の製造に適用することが可能である。加えて、高PTF材料によって製造された新規なスパッタリングターゲットを提供する。そのようなスパッタリングターゲットは、磁気ディスクのPVD製造処理過程で使用することができる。更には、そのスパッタリングターゲットは、HDD内のディスクを形成するためにも使用できる。
本発明の観点による高PTF材料は、少なくとも2つの異なる物質相(或いは粒子タイプ)を含む。その物質相の少なくとも一方は、第1PTF特性を有し、他の物質相の少なくとも一つは、その第1PTF特性より低いPTFを有する。特定タイプの合金用の高PTF物質は、巨視的に合金化されているか、或いは微視的に合金化されていない(或いは一部分が微視的に合金化されていない)として定義することができる。定義されているように、高PTF物質の個々の粒子の化学的成分(又は組成)は、高PTF物質の集合体組成の化学的成分とは実質的に異なる。個々の粒子は、異なる化学的成分を有することに加えて、実質的にPTF特性もまた異なる。更に加えて、少なくとも一つの物質相(又は粒子タイプ)のPTF特性は、スパッタリングターゲット体に用いる従来通りに製造された物質の集合体のPTF特性より高くすることができる。
少なくとも1つの物質相がより高いPTF特性を有する少なくとも2つの物質相を提供することにより、高PTF物質相が、ターゲット体を貫通する磁界に対してより高いPTF磁束路を提供する。この効果は、ターゲット体内の高PTF相の割合が増加するにつれて増加する。また、この効果は、ターゲット体内の高PTF相の配分が、ターゲット体内を貫通する連続したPTF磁束路を提供するような場合にも増大する。また、低PTF化合物或いはターゲット体のミクロ構造内の固溶体相の低減或いは除去によって物質の高PTF特性を説明することもできる。
従って、高PTF物質は、巨視的には所望の軟磁性相の化学成分を有するが、微視的には、集合体組成の低PTF特性を持たない、相異なる成分及び/又は合金の組合せで構成される。高PTF物質を用いることができるPVD(或いはマグネトロンスパッタリング)法が、原子毎に蒸着を行う処理方法であるため、蒸着される薄膜相は、巨視的にはターゲット物質で代表される平衡的な軟磁性相の化学成分を回復する。従って、高PTF物質は、得られた薄膜デバイスに所要の軟磁性相の化学成分の形成を維持しながら、ターゲットのPTF最大化を通してマグネトロンスパッタ製造処理の最適化が可能になる。
本発明は、高PTF物質の少なくとも2つの物質相がここで記載したように提供される方法に限定されない。例えば、この構造は、異なる相の機械的な結合(即ち、1つの相を製造し、機械的に母体内の他の相のチップを埋め込む)によっても提供できる。高PTF物質を提供する別の方法は、よく知られている粉末冶金法である。粉末冶金法及びその派生法は、材料処理加工の分野ではよく知られており、本発明は特別な変形に関して限定されない。粉末冶金処理中、ターゲット体は、得られる製品の緻密化を促進する条件下で処理される成分粉末及び/又は合金粉末を用いて製造される。この処理方法は、少なくとも1つの高PTF相が得られ、かつ低PTF相の量が減少されるようにして、成分粉末及び/又は合金粉末の完全な内部拡散やそれらからの反作用無しに達成される。
粉末冶金を用いる1つの典型的な方法を図1に示す。
ステップ10において、原料の粉末条件(パラメータ)は、成分粉末及び/又は合金粉末の均質な混合を促進し、最終製品の特性を最適にするよう選択される。粉末条件は、例えば、大きさ、配分、形態及び純度等を含む。この方法に限定されないが、本発明のある観点においては、粉末の総計直径は200ミクロン未満であり、別の観点においては、粉末の総計直径は500ミクロン未満である。
ステップ20で粉末を入手した後、ステップ30において、その粉末を混合する。成分粉末を十分に混合し均質化するために利用できる多数の技術が存在する。ある場合には、機械的に予め合金することも利用できる。例えば、混合と均質化の技術としては、ボールミル法、V−ブレンディング(V-blending)法、チューブラーブレンディング(tubular blending)法、及び、磨砕機ミル法(attritor milling)等が含まれる。
混合処理に続いてステップ40のキャニング工程では、粉末を圧密のために容器に詰める。例えば、容器を粉末で満たし、加熱下で排気処理することで確実に水分や捕捉した既存ガスを除去し、その後、容器を密封する。容器の幾何学的形状はどのようなものでも制限されないが、容器は、最終の物質形状に関して略正味形状(near-net shape)を具有することが良い。密封された材料を一軸又は静水圧圧縮成形によって圧密する。この方法に制限されないが、温度は室温から約1500℃の範囲とすることができる。
ステップ50において、混合した粉末を例えば熱間静水圧圧縮成形(以下、HIPとする)によって圧密する。HIP装置は、一般的に1つ以上の容器を収納するのに十分な大きさの円筒圧力容器である。容器の内壁は、耐熱要素で内張りされており、そして、その圧力は、容器内への不活性ガスの導入によって制御することができる。混合した粉末の圧密には、熱間/温間の一軸又は静水圧圧縮成形を用いることもできる。異なる温度(室温を含む)と異なる圧力(温度と圧力の両方に対する傾斜比率(ramp-rate)制御で)での多段階一軸/静水圧圧縮成形は、懸案とする合金の系と粉末条件とに応じて利用することができる。
サイクルの複雑さに依存して、一軸/静水圧圧縮成形の総保持時間は、一般的には約1〜12時間の間である。データ記憶用軟磁性体に関しては、約500℃〜約1500℃(好ましくは600℃〜900℃)の範囲の温度で、約5〜約40ksi(好ましくは10〜20ksi)の圧力が、理論上約98%以上の高い密度を保証するために一般的に用いられる。本発明の別の観点ではあるが理論上80%以上の高い密度を得ることができる。密度が高いと、材料の微視的なアーチ及び欠陥生成がPVD製造処理中にデータ記憶媒体の歩留まりに影響しないという利点がある。本発明の少なくとも1つの観点において、保持時間は、約400℃〜約1000℃の範囲の温度及び約10〜約20ksiの範囲の圧力で約2〜約6時間の範囲である。
圧密は、前述した容器或いは缶の回転圧縮(roll compaction)や、圧力を与えない合金及び/又は成分粉末の焼結によっても容易にできる。圧密後、そのビレットをPTFのような特性を最適化するために熱機械処理する。例えば、2%を越える、好ましくは5%〜20%の間の縮小率のために800℃未満の温度で長方形のビレット或いは円筒形のターゲット切片を温間圧延すると、ターゲットのPTFを顕著に改善できる。
圧密後、ステップ60において、固形物形態(ビレット)を密封容器から取り出し、次いでビレットの薄片をテストに付してビレットの種々の特性に関して試験する。真空誘導溶解(VIM)処理において、ターゲットのミクロ構造及び巨視的磁気特性を操作するためにビレットに選択的な熱機械処理を施す。また、ステップ70、80、90において、例えば、研削、ウォータジェット、ミル、旋盤等のような加工処理によってスパッタターゲットの最終の形状及び大きさに加工する。ステップ100において、ターゲットは清浄化され且つ最終検査を受ける。
いくつかの軟磁性体は、混合された成分粉末を用いて最適に製造され、更に、別に合金粉末を使用する。この方法には限定しないが、合金粉末は、一般的にはガス噴霧法を用いて製造される。ガス噴霧法において、ノズルから注がれ不活性ガスの流れによって噴霧される溶融金属の生成に、VIM処理は用いられる。噴霧された物質は、球状化し急速に冷却して合金粉末の集合体を形成する。合金粉末を製造する別の方法は、従来と同様にターゲット材のインゴットを鋳造し、それを粉砕し、それを篩にかけて所望の大きさ及び形態の粉末を生産する。
前述したように、良好な高密度化はPVD処理中の欠陥生成を最小限にするために望ましい。また、混合相の大きさと結晶構造もPVD処理中に原子放出角度で衝撃を与えることにより媒体特性に影響を与える。材料設計のパラダイム(paradigms)は、特定の応用について個々の基準で開発される。例えば、GMRリードセンサ(データ記憶ヘッドデバイスないし装置のリード部品)におけるNi−Fe軟磁性合金に関しては、不純物の酸素含量を最小限にして、GMR効果の不利な影響を軽減することができる。対照的に、データ記憶媒体デバイスないし装置の部品として用いられる同じNi−Fe合金においては、数千ppmの範囲内の酸素含量が有益である。媒体用途においては、酸素不純物の含量は、軟磁性膜とシード層(即ち、Ti(チタン)、Ru(ルテニウム)、Pt(白金)等)との間のぬれ特性に好影響を与え、粒径の改良に関連する有益な媒体性能有効性を促進するのに役立つであろう。
下記に述べる特性に限定されないが、本発明の独創的な方法論で製造されたターゲットは次のような磁気的及びミクロ構造的な特性を有する。記載されたデータは、3〜7mmの範囲の厚さと50〜200mmの範囲の直径を有する円筒形ターゲットに関するものである。しかし、データの一般的適用は、これらのターゲット寸法範囲には制約されない。ASTM技術を用いて測定した場合、PTFは5%を越え、そして、PTFの好ましい範囲は、20%〜70%の範囲である。Fe又はNi合金分を含まないCo系合金について、好ましいPTF範囲は、50%〜90%の範囲にあるように更に増大する。平均粒子サイズと粒径は一般的には500ミクロン未満であり、好ましくは200ミクロン未満である。ターゲットのミクロ構造は、成分相の集合体、合金相の集合体、或いは成分相と合金相のいくつかの組合せを構成する。一般的に、異なる相間の内部拡散は、平衡状態の低PTF軟磁性相の形成を避けるために最小限に保持される。しかしながら、ある状況において、限られた内部拡散は、相結合を改善するよう(処理し易いという理由等で)、或いはPTF最大化以外の理由でターゲットの巨視的磁気特性に影響を与えるよう上手く処理することができる。ターゲットは一般的には理論上80%、好ましくは理論上95%以上の密度を有する。
ターゲットのPTFの増大によって、ターゲットのスパッタリング中に深刻な浸食プロフィールが少ししか起こらない。この点は、ターゲット材の活用性を増大し材料コストを低減する。また、PTFが高い程、厚さの厚いターゲットの使用を可能にし、それは、薄膜デバイスの製造中のターゲットの交換頻度を低減し、頻繁なターゲットの交換によって生じる装置の稼動停止時間を低減させ、延いては部品製造コストを低減させる。また、ターゲット材のPTFの増大は、局所的スパッタリング現象ないしスポット源スパッタリング現象を低減させることにより蒸着膜厚さの均一性を増大するという効果も得られる。
実施例1
比較のために、Ni−15.6Fe−3.2Nb合金を用いたターゲットを従来方法と上述した本発明方法の両方を用いて製造した。
従来方法で形成したターゲット
従来方法で形成したターゲットは、特定された合金化学成分のインゴットの真空誘導溶解(VIM)を用いて製造した。それから、900℃〜1200℃の範囲の温度でインゴットを圧延処理して板材を形成した。この圧延処理は、動的に細かい再結晶化された粒子形態及び十分な材料の緻密化を保証するために行った。正味圧延比は60%を越えた。ここで圧延比=((インゴット厚さ−板材厚さ)/インゴット厚さ)である。厚さ5mmで直径180mmの円筒形状のターゲットを、圧延した板材から機械加工により形成した。
従来方法で形成したターゲットのPTFを、4つの同間隔位置(象限当り1測定)とターゲット中心と外径との間のラジアル方向中間位置で、前述したASTM測定技術を用いて測定した。結晶粒径で特徴付けられる従来方法で形成したターゲットのミクロ構造を、この技術分野で周知の標準的光学金属写真技術を用いて測定した。Ni−15.6Fe−3.2Nb合金を用いて従来方法で形成したターゲットのミクロ構造を、図2(a)に示す。PTFと粒径の測定結果を下記に示す。
平均PTF=1%
平均粒径=45ミクロン
従来方法では、蒸着膜厚さの均一性の最適条件としては極めて望ましい、適度に微細粒子化されたミクロ組織を持つターゲットを形成できるが、その巨視的磁気PTFが非常に低い。マグネトロンスパッタリング用のスパッタリングチャンバー内で達成可能な陰極電圧とガス圧状態下で、PVD処理は、通常ターゲットのPTF値は20%〜30%を越える場合にのみ行われる。従って、従来方法で形成されたターゲットは、5mmの厚さで安定した方法でスパッタできる見込みはない。薄いターゲット程安定した方法でスパッタできる見込みはあるが、ターゲットの厚さが減少することは、HDD部品の製造中に製造品の処理量とコストに関して有害な影響をたらす。これは、スパッタリングに利用可能な材料量が少ないことを勘案すると、製造中のターゲットの交換頻度をより高めることになる。
本発明の方法で形成したターゲット
本発明方法によるNi−15.6Fe−3.2Nbターゲットの製造は、それぞれが平均粒径150ミクロン未満であるNi、Fe、Nb成分粉末を用いた。前記粉末は、均質な混合状態となるように混合し、容器に密封し、真空にし、約600℃〜約900℃の範囲の温度、約10〜約20ksiの範囲の圧力で約2時間〜約6時間の保持時間で熱間静水圧圧縮成形した。熱間静水圧圧縮成形後、十分に圧密或いは緻密にした材料を機械加工して、厚さ5mm、直径180mmの円筒形状のターゲットを製造した。
そのターゲットのPTFを、4つの等間隔位置(象限当り1測定)とターゲット中心と外径との間のラジアル方向の中間位置で、従来方法で形成したターゲットのPTF測定に用いた方法と同一の前述したASTM測定技術を用いて測定した。結晶粒径で特徴付けられる形成したターゲットのミクロ構造を、走査電子顕微鏡(SEM)技術を用いて測定した。Ni−15.6Fe−3.2Nb合金を用いて形成したターゲットのミクロ構造を、図2(b)に示す。図中、Niが灰色部分、Feが暗い部分、Nbが明るい部分である。上記SEMは、ターゲットの多段成分相を示すための対比能力の改善に有効である。PTFと粒径の測定結果を、下記に示す。
平均PTF=32%
平均粒径=13ミクロン
本発明方法で形成したターゲットは、蒸着膜厚さの良好な均一性を得るのに重要な非常に微細な粒径を有し、本発明方法で形成したターゲットの粒径は、従来方法で形成したターゲットより相当に微細度が高い。更に、従来方法で形成したPTF1%のターゲットと比較して、本発明方法で形成したターゲットのPTFは、十分に高い32%である。それゆえ、本発明方法で形成したターゲットは、5mmの厚さで安定した方法でスパッタすることができる。従って、本発明方法で形成したターゲットは、HDD部品の製造中に用いられ、スパッタによる浸食溝が顕著に少なく、蒸着膜厚さの均一性がより向上し、材料の全般的な活用性が向上する。
本発明の製造技術は、混合された成分/合金相が一般的に化合物/合金相より高いPTF値を有するので、従来技術より高いPTF値を有するターゲットを生産する。従って、与えられた磁界は、一様に低PTFを有する従来の単一相を介してよりも混合された成分/合金相を介して、より多くの利用可能な高PTF磁束路を見出すことになる。NiとFeはそれぞれ結合されたNi−Fe軟磁性相より高いPTF値を示す。従って、Nbは操作可能なPVD温度で磁性を帯びていない(常磁性体)ので、Nbは、優れた高PTF特性(PTF=100%)を示す。従って、通常のNi−15.6Fe−3.2Nb組成を有する混合されたターゲットを製造するためのNi、Fe及びNbの成分の組合せ及び圧密は、単一のNi−15.6Fe−3.2Nb軟磁性相を有する従来方法で形成したターゲットより高いPTF値を有する。
実施例2
比較のために、Fe−30.5Co−11B合金、Fe−9.7Al−16.5Si合金及びNi−19Fe合金(原子%で)を用いた各ターゲットを従来方法と上述した本発明方法の両方を用いて製造した。
従来方法で形成したターゲット
Fe−30.5Co−11B合金とNi−19Fe合金について、ターゲットは、特定された合金化学成分のインゴットを、真空誘導溶解(VIM)を用いて製造した。それから、900℃〜1200℃の範囲の温度でインゴットを圧延処理して板材を形成した。動的に細かい再結晶化された粒子形態及び十分な材料の緻密化を保証するために圧延処理を行った。正味圧延比は60%を越えた。ここで圧延比=((インゴット厚さ−板材厚さ)/インゴット厚さ)である。厚さ5mmで直径180mmの円筒形状のターゲットを板材から機械加工により形成した。
Fe−9.7Al−16.5Si材料は極端に脆いために、真空誘導溶解後に圧延処理できなかった。従って、この材料については、鋳放しのインゴットから機械加工によりターゲットを製造した。これは、この特殊な材料からターゲットを製造するための通常の方法である。Fe−9.7Al−16.5Si製品を鋳造した後の冷却速度は、鋳放しのインゴットが確実に破砕しないように制御した。
従来方法で形成したターゲットのPTFを、4つの等間隔位置(象限当り1測定)とターゲット中心と外径との間のラジアル方向の中間位置で、前述したASTM測定技術を用いて測定した。
本発明の方法で形成したターゲット
本発明方法によるFe−30.5Co−11Bターゲットの製造は、それぞれが平均粒径150ミクロン未満であるFe、Co及びB成分粉末を用いることを含むものであった。前記粉末は、均質に混合し、容器に密封し、真空にし、約700℃〜約1200℃の範囲の温度、約12〜約25ksiの範囲の圧力で約2時間〜約6時間の保持時間で熱間静水圧圧縮成形した。熱間静水圧圧縮成形した後、十分に圧密或いは緻密にした材料を機械加工して、厚さ5mm、直径180mmの円筒形状のターゲットを製造した。
本発明方法によるNi−19Feターゲットの製造は、それぞれが平均粒径150ミクロン未満であるNiとFe成分粉末を用いることを含むものであった。前記粉末は、均質に混合し、容器に密封し、真空にし、約700℃〜約1200℃の範囲の温度、約12〜約25ksiの範囲の圧力で約2時間〜約6時間の保持時間で熱間静水圧圧縮成形した。熱間静水圧圧縮成形した後、十分に圧密或いは緻密にした材料を機械加工して、厚さ5mm、直径180mmの円筒形状のターゲットを製造した。
本発明方法によるFe−9.7Al−16.5Siターゲットの製造は、それぞれが平均粒径150ミクロン未満であるFe、Al、及びSi成分粉末を用いることを含むものであった。前記粉末は、均質に混合し、容器に密封し、真空にし、約300℃〜約600℃の範囲の温度、約15〜約30ksiの範囲の圧力で約4時間〜約8時間の保持時間で熱間静水圧圧縮成形する。熱間静水圧圧縮成形した後、十分に圧密或いは緻密にした材料を機械加工して、厚さ5mm、直径180mmの円筒形状のターゲットを製造した。
そのターゲットのPTFを、等間隔の4地点(象限当り1測定)とターゲット中心と外径との間のラジアル方向の中間位置で、来方法で形成したターゲットのPTF測定に用いた方法と同一の前述したASTM測定技術を用いて測定した。
下記の表1は、従来方法で形成したターゲットに対して本発明方法で形成したターゲットのPTFが著しく増大していること示している。
Figure 2005530925
前述した実施例1で述べたように、本発明方法により製造され高いPTF値を有するターゲットは、ターゲットの材料を最大限に活用することで薄膜の製造コストを低減する。高いPTF値に関係がある深刻な浸食溝の減少は、利用可能な材料の活用性を大きく促進し、また、ターゲットの厚さをできるだけ厚くすることは、より長いターゲットの活用を促進する。従って、スパッタ装置におけるターゲットの交換を少なくする。更に、高PTFターゲットに関係がある浸食溝形状の減少は、蒸着膜の厚さの均一性を高める。
Fe−9.7Al16.5Si合金は、本発明方法で形成したターゲットが高いPTF値を生じる理由の一例である。AlとSiは、操作可能なPVD温度で非磁性成分相である。従って、ターゲットのミクロ構造の大部分が非磁性成分相を保有し、このことが磁界に対してより多く得られる限りの高PTF磁束路がターゲット体を貫通させ得るようにする。対照的に、従来方法で形成したターゲットのミクロ構造は全て、低PTFのFe−9.7Al−16.5Si軟磁性化合物相からなっている。
同じ理論的根拠が表1に示した他の2つの合金にも当てはまる。Ni−19Feに関しては、NiとFeの両方が軟磁性成分相である。しかしながら、NiとFeの個々のPTF値は、Ni−19Fe化合物相のPTF値より高い。従って、本発明方法で形成した多段相を持つターゲットは、従来方法で形成した単一相のターゲットより高いPTF合計値を有する。
実施例3
前述した実施例の本発明方法で形成したターゲットは、全て成分粉末相を用いて製造したものであった。しかしながら、これらターゲットもまた成分/合金相或いは合金/合金相を混合して形成することができる。例えば、実施例2のFe−30.5Co−11B合金は個々のFe、Co及びBの成分相を用いて製造することができるし、別の方法として、Co−B合金相と共にFe成分相を用いて製造することができる。例えば、Co−B合金相は、ガス噴霧法、溶融法或いは粉砕法によって形成できる。同様に、本発明方法で形成したFe−9.7Al−16.5Siターゲットは、個々のFe、Al及びSiの成分相により、或いはAl成分相とFe−Si合金相の組合せにより形成できる。
以下に記載した理由に限定されないが、本発明方法を用いるときに、成分/合金相の混合に複雑に関連する多くの理由がある。異なる成分相と合金相は異なる不純物特性を有する。従って、成分相と合金相とを一体に組合せて名目組成物を形成する柔軟性によって、薄膜性能特性を高める特定ターゲットの不純物プロフィールをミクロ構造的に設計する能力が改善される。
例えば、前述したように、酸素は、データ記憶媒体への適用に対しては場合によっては軟磁性体の有効な不純物となる。一方、酸素は、データ記憶GMRセンサへの適用に対しては最小限にする必要がある。しかしながら、成分/合金相混合を用いる特注設計の不純物プロフィールによって、ターゲットは、本発明方法を用いることにより提供でき、その方法に関係する諸利益の全てを包含することになる。
成分/合金相の複雑な混合法を採る別の理由は、軟磁性合金に添加する成分相のいくつかの添加物(即ち、B、C、Si)が、電気的に絶縁性であると言うことである。これらの絶縁成分相は、導電性金属母材に埋め込まれた場合、ミクロアーチングや製造する薄膜デバイスへの素材のスピッティング(spitting)等の現象を促進するかもしれない。スピッティングは、薄膜デバイスのPVD製造では好ましくない欠陥生成現象である。しかしながら、絶縁相の合金化は、PVD処理中にスッピティング現象を軽減できる。
例えば、本発明方法を用いたFe−9.7Al−16.5Siターゲットの形成は、Fe−Si相と組み合わせてAl成分相を用いることができる。この組合せは、PVD製造処理中薄膜の生成を改善させる。この特有な化学成分の場合、Siはもっと洗練された方式で(つまり、置換的に、間質的に、又は沈殿的に)、Fe母材内に配分される。従って、マグネトロンPVD処理中にミクロ微小アーチング現象及びスピッティング現象を呈する可能性が少ない。
Fe、Al及びSiの成分相を用いた本発明方法により製造したFe−9.7Al−16.5SiターゲットのSEM顕微鏡写真を図3(a)に示す。図中、Feが白い部分、Alが大きい灰色部分、Siが細かい灰色部分である。図3(b)は、ガス噴霧したFe−Al及びFe−Siの各合金相と混合したFe成分相を用いた本発明方法により製造したFe−9.7Al−16.5SiターゲットのSEM顕微鏡写真である。図中、Feが白い部分、FeAlが暗い灰色部分、FeSiが明るい灰色部分である。両方法について、前記粉末は、均質に混合し、容器に密封し、真空にし、約300℃〜約600℃の範囲の温度、約15〜約30ksiの範囲の圧力で約4時間〜約8時間の保持時間で熱間静水圧圧縮成形する。熱間静水圧圧縮成形した後、十分に圧密或いは緻密にした材料を機械加工して、厚さ5mm、直径180mmの円筒形状のターゲットを製造する。そのターゲットのPTFを、等間隔の4地点(象限当り1測定)とターゲット中心と外径との間のラジアル方向の中間点とで、従来方法で形成したターゲットのPTF測定に用いた方法と同一の前述したASTM測定技術を用いて測定した。成分/合金を混合したもののPTFは35%であり、純粋な成分を混合したものの49%より僅かに低い。
実施例4
比較のために、Co−4Nb−5Zr合金(原子%で)を用いたターゲットを従来方法と上述した本発明方法の両方を用いて製造した。Fe或いはNiを含有しないCo系軟磁性合金は、従来方法と本発明方法のいずれか一方を用いることで最も高いPTF能力を示すことは知られている。
従来方法で形成したターゲット
Fe−30.5Co−11B合金とNi−19Fe合金について、ターゲットは、特定された合金化学成分のインゴットを、真空誘導溶解(VIM)を用いて製造した。それから、950℃〜1200℃の範囲の温度でインゴットを圧延処理して板材を形成した。動的に細かい再結晶化された粒子形態及び十分な材料の緻密化を保証するために圧延処理を行う。正味圧延比は60%を越えた。ここで圧延比=((インゴット厚さ−板材厚さ)/インゴット厚さ)である。次の工程において、熱間圧延した板材を、参考のためにここに記載したBartholomeuze等による米国特許第6,123,783号に記載されているのと同様に熱機械処理した。熱機械処理した板材を機械加工して、厚さ5mmで直径180mmの円筒形状のターゲットを形成した。
従来方法で形成したターゲットのPTFを、等間隔の4地点(象限当り1測定)とターゲット中心と外径との間のラジアル方向の中間点とで、前述したASTM測定技術を用いて測定した。
本発明方法で形成したターゲット
本発明方法によるCo−4Nb−5Zrターゲットの製造は、それぞれが平均粒径150ミクロン未満であるCo、Nb及びZr成分粉末を用いることを含む。前記粉末は、均質に混合し、容器に密封し、真空にし、約800℃〜約1400℃の範囲の温度、約5〜約15ksiの範囲の圧力で約1時間〜約4時間の保持時間で熱間静水圧圧縮成形する。熱間静水圧圧縮成形した後、十分に圧密或いは緻密にした材料を、Bartholomeuze等による米国特許第6,123,783号に記載されているのと同様に熱機械処理した。その後、熱機械処理した板材を機械加工して、厚さ5mm、直径180mmの円筒形状のターゲットを製造した。
そのターゲットのPTFを、等間隔の4地点(象限当り1測定)とターゲット中心と外径との間のラジアル方向の中間地点とで、従来方法で形成したターゲットのPTF測定に用いた方法と同一の前述したASTM測定技術を用いて測定した。
従来方法で形成したターゲットのPTF値と本発明方法で形成したターゲットのPTF値は、それぞれ39%と56%である。39%のPTF値は、従来方法で形成したCo系軟磁性体(合金添加物としてのFe又はNiを含有しない)でさえかなり高いPTF値を示すことができることを示している。しかしながら、前述したように、本発明方法によるターゲットの製造は合金のPTF値を著しく高めると考えられる。更に、この実施例は、Co系及びNi系材料に適用されたPTF向上技術が、本発明方法により形成したターゲットに含有したCo及びNi成分組成相のPTFを向上させるのにも有効であることを示している。
上述した実施例において、軟磁性体の絶対的なPTF値が、ターゲットと磁石との間の相対的な幾何学的形状及び利用された磁石の名目上の磁力に依存することを示すので、ターゲットのPTFテスト及び幾何学的形状を、できる限り継続して持続する。従って、従来方法及び本発明方法で形成したターゲットに対する絶対的なPTF値は、PTFの測定に用いられる方法の機能によって変化するが、本発明方法によって形成したターゲットは、従来方法によってではあるが、同一の合金を用いて形成したターゲットより高いPTF値を持っている。
一例として、同一の方法で2つのターゲットを製造した。第1のターゲットは、厚さが6mm、直径が76mmであり、第2のターゲットも厚さが6mmであるが、直径は152mmである。両ターゲットに対して、断面積が6.5mm×26mmの4.4キロガウスの磁石を、それぞれのターゲットの1つの面の中央に接触して配置した。それから軸ホールプローブを反対側の面中央に配置した。直径76mmのターゲットと直径152mmのターゲットのPTF測定値は、それぞれ30%と15%であった。従って、このテストは、軟磁性ターゲット材料の量が相対的に少ないターゲット(76mm)が、高い正味のPTFを生成するために与えられた磁界によって飽和されることを示している。
152mmのターゲットを用いた別のテストにおいて、前記ターゲットを実際のPVDマグネトロンの陰極上に配置した。ターゲットと陰極間の距離が10mmと15mmで、152mmターゲットの反対側の面のPTFの最大値は、それぞれ60%と20%であった。従って、このテストは、軟磁性体の正味のPTF値が、与えられた磁界の強さに影響されることを示している。
本発明は、従来からの材料、方法及び装置を使用して実施できる。従って、そのような材料、装置及び方法の詳細は、ここでは詳述しない。先の記述において、多くの具体的な記載、例えば具体的な材料、構造、化学成分、処理方法等について、本発明を十分に理解するために説明されている。しかしながら、本発明が具体的に説明された記載に頼らずに実施できることを認めるべきである。その他の場合において、本発明を不必要にあいまいにしないために、公知の処理構造は詳述していない。
ここでは、いくつかの有用例を記載したが、本発明の例示的な態様を示し記載しただけである。本発明が、ここで説明した発明概念の範囲内において、種々の他の組合せや実施例を用いることが可能であり、かつ変更や変形が可能であるということが理解されるであろう。
本発明の一実施形態による高PTFターゲットを製造するための処理フローチャートを示す。 (a)は従来方法で製造されてNiFeNb合金のミクロ構造を示し、(b)は本発明の一実施形態により製造された高PTFのNiFeNb合金のミクロ構造を示す。 (a)は、成分相を用いた本発明の一実施形態により製造された高PTFのFeAlSi合金のミクロ構造を示し、(b)は合金相を用いた本発明の一実施形態により製造された高PTFのFeAlSi合金のミクロ構造を示す。
符号の説明
10 異なるタイプの原料粉末
20 粉末の入手
30 混合(ブレンディング)
40 キャニング
50 HIP
60 実験用試料の切出し
70 最終厚さへの研削
80 ウォータジェット処理
90 最終形状へのミル又は旋盤処理
100 最終品質検査

Claims (46)

  1. 蒸着装置用のターゲットであって、
    第1のPTFを有する第1物質相と、
    前記第1のPTFより高い第2のPTFを有する第2物質相と、
    を含むことを特徴とするターゲット。
  2. 前記ターゲットは、前記第1物質相と前記第2物質相の両者の各化学成分と異なる化学成分を有することを特徴とする請求項1に記載のターゲット。
  3. 前記第2のPTFが、前記ターゲットと同じ化学成分を持つ物質のPTFより高いことを特徴とする請求項2に記載のターゲット。
  4. 前記ターゲットの化学成分が軟磁性体の成分であることを特徴とする請求項1に記載のターゲット。
  5. 前記ターゲットが、3mmより大きい厚さ、50mmより大きい直径、且つ、5%より大きい値のPTFを有することを特徴とする請求項4に記載のターゲット。
  6. 前記ターゲットのPTFが20%より大きい値であることを特徴とする請求項5に記載のターゲット。
  7. 前記ターゲットの化学成分が、少なくとも40原子%の鉄又はニッケルを含有することを特徴とする請求項6に記載のターゲット。
  8. 前記ターゲットの化学成分が、コバルトを含有しないことを特徴とする請求項7に記載のターゲット。
  9. 前記ターゲットのPTFが、50%より大きい値であることを特徴とする請求項5に記載のターゲット。
  10. 前記ターゲットの化学成分が、少なくとも40原子%のコバルトを含有し、鉄及びニッケルを含有しないことを特徴とする請求項9に記載のターゲット。
  11. 前記ターゲットの平均粒径が、500ミクロン未満であることを特徴とする請求項1に記載のターゲット。
  12. 前記ターゲットの平均粒径が、200ミクロン未満であることを特徴とする請求項11に記載のターゲット。
  13. 前記第1及び第2物質相が、実質的に成分相からなることを特徴とする請求項1に記載のターゲット。
  14. 前記第1及び第2物質相が、実質的に合金相からなることを特徴とする請求項1に記載のターゲット。
  15. 前記第1及び第2物質相の一方が、成分相であり、他方が合金相であることを特徴とする請求項1に記載のターゲット。
  16. 前記ターゲットが、理論上80%より大きい値の密度を有することを特徴とする請求項1に記載のターゲット。
  17. 前記ターゲットが、理論上95%より大きい値の密度を有することを特徴とする請求項16に記載のターゲット。
  18. 前記ターゲットを、粉末冶金で形成することを特徴とする請求項1に記載のターゲット。
  19. 蒸着装置用のターゲットの製造方法であって、
    少なくとも2つの異なるタイプの成分粉末と合金粉末を混合し、
    粉末冶金処理で圧密してビレットを形成し、
    前記ビレットからターゲットを形成する、
    諸工程を具備したことを特徴とするターゲットの製造方法。
  20. 前記少なくとも2つの粉末が、実質的に成分粉末からなることを特徴とする請求項19に記載のターゲットの製造方法。
  21. 前記少なくとも2つの粉末が、実質的に合金粉末からなることを特徴とする請求項19に記載のターゲットの製造方法。
  22. 前記少なくとも2つの粉末の一方が、成分粉末であり、他方が合金粉末であることを特徴とする請求項19に記載のターゲット。
  23. 前記粉末の圧密が、静水圧圧縮成形によって行われることを特徴とする請求項19に記載のターゲットの製造方法。
  24. 前記粉末の圧密が、一軸圧縮成形によって行われることを特徴とする請求項19に記載のターゲットの製造方法。
  25. 前記各粉末の集合体の直径が500ミクロン未満であることを特徴とする請求項19に記載のターゲットの製造方法。
  26. 前記各粉末の集合体の直径が200ミクロン未満であることを特徴とする請求項25に記載のターゲットの製造方法。
  27. 前記ターゲットは、第1のPTFを有する第1物質相と、第2のPTFを有する第2物質相とを有し、前記第2のPTFが前記第1のPTFより高いことを特徴とする請求項19に記載のターゲットの製造方法。
  28. 前記ターゲットは、前記第1物質相と前記第2物質相の両者の各化学成分と異なる化学成分を有することを特徴とする請求項27に記載のターゲットの製造方法。
  29. 前記第2のPTFが、前記ターゲットと同じ化学成分を持つ物質のPTFより高いことを特徴とする請求項28に記載のターゲットの製造方法。
  30. 前記ターゲットの化学成分が軟磁性体の成分であることを特徴とする請求項19に記載のターゲットの製造方法。
  31. 前記ターゲットが、3mmより大きい厚さ、50mmより大きい直径、且つ、5%より大きい値のPTFを有することを特徴とする請求項30に記載のターゲットの製造方法。
  32. 前記ターゲットのPTFが20%より大きい値であることを特徴とする請求項31に記載のターゲットの製造方法。
  33. 前記ターゲットの化学成分が、少なくとも40原子%の鉄又はニッケルを含有することを特徴とする請求項32に記載のターゲットの製造方法。
  34. 前記ターゲットの化学成分が、コバルトを含有しないことを特徴とする請求項33に記載のターゲットの製造方法。
  35. 前記ターゲットのPTFが、50%より大きい値であることを特徴とする請求項31に記載のターゲットの製造方法。
  36. 前記ターゲットの化学成分が、少なくとも40原子%のコバルトを含有し、鉄及びニッケルを含有しないことを特徴とする請求項35に記載のターゲットの製造方法。
  37. 前記ターゲットが、理論上80%より大きい値の密度を有することを特徴とする請求項19に記載のターゲットの製造方法。
  38. 前記ターゲットが、理論上95%より大きい値の密度を有することを特徴とする請求項37に記載のターゲットの製造方法。
  39. 磁気ディスクの基板を提供する工程と、前記基板上にターゲット物質を蒸着する工程とを備える磁気ディスクの製造方法であって、
    前記ターゲットが、第1のPTFを有する第1物質相と、第2のPTFを有する第2物質相とを有し、前記第2のPTFが前記第1のPTFより高いことを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
  40. 前記ターゲットは、前記第1物質相と前記第2物質相の両者の各化学成分と異なる化学成分を有することを特徴とする請求項39に記載の磁気ディスクの製造方法。
  41. 前記ターゲットの化学成分が軟磁性体の成分であることを特徴とする請求項39に記載の磁気ディスクの製造方法。
  42. 前記ターゲットを、粉末冶金で形成することを特徴とする請求項39に記載の磁気ディスクの製造方法。
  43. 磁気ディスクを備えるディスクドライブであって、
    前記磁気ディスクを、当該磁気ディスクの基板上にターゲット物質を蒸着して形成し、前記ターゲットが、第1のPTFを有する第1物質相と、第2のPTFを有する第2物質相とを有し、前記第2のPTFが前記第1のPTFより高いことを特徴とするディスクドライブ。
  44. 前記ターゲットは、前記第1物質相と前記第2物質相の両者の各化学成分と異なる化学成分を有することを特徴とする請求項43に記載のディスクドライブ。
  45. 前記ターゲットの化学成分が軟磁性体の成分であることを特徴とする請求項43に記載のディスクドライブ。
  46. 前記ターゲットを、粉末冶金で形成することを特徴とする請求項43に記載のディスクドライブ。
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