JP2010235739A - 感光性黒色組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い遮光性と高い抵抗値とを有し、現像性、解像性(感度)、及びパターン形状(直線性等)に優れる感光性黒色組成物、並びにそれを用いたブラックマトリックスを備えたカラーフィルタの提供。
【解決手段】カーボンブラック(a)、光重合開始剤(b)、エチレン性不飽和化合物(c)、分散樹脂(d)、及びD500/D365≧1、D550/D365≧1、及びD600/D365≧1の三つの条件式を満たす遮蔽用有機顔料(e)を含むことを特徴とする感光性黒色組成物により解決。(D365、D500、D550、及びD600は、それぞれ、ある条件で測定した遮蔽有機顔料(e)を含む塗膜の、365nm、500nm、550nm、及び600nmにおける光学濃度である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置及び固体撮像素子に用いられるカラーフィルタを構成するカラーセグメントの間のブラックマトリックスを形成するのに有用な感光性黒色組成物、及びそれを用いてなるカラーフィルタに関する。
カラーフィルタにおいては、赤(R)、緑(G)、及び青(B)のフィルタセグメントの間にブラックマトリックス(以下、「BM」と略すことがある。)と呼ばれる格子状の黒色パターンを形成するのが一般的である。このBMの機能は、バックライトからの光を遮断しコントラストを向上させること、隣接するRGB画素の混色を防止することである。
BM形成法としては、透明基板上にクロム等の金属化合物を用いて、蒸着法、又はスパッタ法等で金属薄膜を形成したのち、フォトリソグラフィー法とエッチング工程を経て微細パターンを形成する方法(金属BM法)、あるいは、カーボンブラック等の黒色成分を感光性材料に分散した感光性黒色組成物を用い、フォトリソグラフィー法で形成する方法(樹脂BM法)が開発されている。
しかしながら、金属BM法は、製造工程が複雑ゆえ製造コストが非常に高くつくばかりか、蒸着法やスパッタ法を採用するため、装置コストの観点から、又は、技術的観点から、金属BMの大型基板への形成が難しい。加えて、一般的に使用されるクロムは、廃棄処理の過程で環境問題を生じる可能性がある。
上記の低コスト化の観点、技術的観点、更には環境問題の観点から、近年では、金属BMに代わり樹脂BMが着目されている。しかしながら、樹脂BMにおいては、金属BMに比べて遮光性(光学濃度=OD[Optical Density])が低いという問題点がある。すなわち、金属BMでは一般的に膜厚0.1〜0.2μmで所望の遮光性を得ることができるのに対し、樹脂BMで同等の遮光性を発現するためには、膜厚をより厚く設定しなければならない。カラーフィルタを作成する際には、光漏れをなくすためにBMと隣接するRGB層とを重ねあわせて形成するが、遮光性の低い樹脂BMでは、BMとRGB層とが重なる部分の段差が大きくなり、この段差部分が液晶配向を乱して表示品質を低下させるという問題が生じる。このような背景より、樹脂BMには、高い遮光性、つまり単位膜厚において高い光学濃度(以下、ODと略記することがある。)が求められている。
一方、近年カラーフィルター(液晶表示装置)の低コスト化や更なる薄膜化を目的に透明保護膜や透明絶縁膜を除去し、カラーフィルターやブラックマトリックス自体で使用可能な平滑性と絶縁性を持たせるニーズがある。しかしながら、特に絶縁性に関しては、ブラックマトリックスの主成分としてクロムや酸化クロム等の金属膜並びにカーボンブラックやグラファイト等の炭素粉等いずれも導電性素材を用いているため絶縁性を持たせる事は極めて困難である。
そこで、ブラックマトリックスの遮光性と絶縁性を両立する目的で、カーボンブラックを樹脂で被覆処理したり、樹脂処理したカーボンブラックを更に酸化処理する等、カーボンブラックを表面処理する事で絶縁性を持たせる多くの試みがなされている(例えば、特許文献1及び2)。しかしながら、樹脂処理をする事により黒色成分の割合が減少し遮光性が低下したり、ブラックマトリクス材料の大幅なコストアップに繋がってしまう。
特許第3543501号 特許第3893666号
本発明の目的は、高い遮光性と高い抵抗値とを有し、現像性、解像性(感度)、及びパターン形状(直線性等)に優れる感光性黒色組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高い遮光性と高い抵抗値とを有し、解像性、及びターン形状(直線性等)に優れるブラックマトリックスを備えたカラーフィルタを提供することにある。
前記課題は、カーボンブラック(a)、光重合開始剤(b)、エチレン性不飽和化合物(c)、分散樹脂(d)、及び下記三つの条件式を満たす遮蔽用有機顔料(e)を含むことを特徴とする感光性黒色組成物により解決される。
500/D365≧1
550/D365≧1
600/D365≧1
(D500は、遮蔽用有機顔料(e)と400〜700nmにおける透過率が95%以上の透明樹脂との重量比が60/40の有機溶剤分散液を、乾燥後膜厚が1.7μmになるように塗工・乾燥した塗膜の波長500nmにおける光学濃度であり、
550は、遮蔽用有機顔料(e)と400〜700nmにおける透過率が95%以上の透明樹脂との重量比が60/40の有機溶剤分散液を、乾燥後膜厚が1.7μmになるように塗工・乾燥した塗膜の波長550nmにおける光学濃度であり、
600は、遮蔽用有機顔料(e)と400〜700nmにおける透過率が95%以上の透明樹脂との重量比が60/40の有機溶剤分散液を、乾燥後膜厚が1.7μmになるように塗工・乾燥した塗膜の波長600nmにおける光学濃度であり、
365は、遮蔽用有機顔料(e)と400〜700nmにおける透過率が95%以上の透明樹脂との重量比が60/40の有機溶剤分散液を、乾燥後膜厚が1.7μmになるように塗工・乾燥した塗膜の波長365nmにおける光学濃度である。)
また、本発明は、遮蔽用有機顔料(e)が、紫色顔料(e−1)であることを特徴とする前記感光性黒色組成物に関する。
また、本発明は、紫色顔料(e−1)が、C.I.ピグメントバイオレット23であることを特徴とする前記感光性黒色組成物に関する。
また、本発明は、カーボンブラック(a)と遮蔽用有機顔料(e)との重量比が、90/10〜50/50であることを特徴とする前記感光性黒色組成物に関する。
また、本発明は、分散樹脂(d)が、下記一般式(1)で示される分散樹脂(d−1)、及び一般式(2)で示される分散樹脂(d−2)からなる群から選ばれる1種類以上の分散樹脂であることを特徴とする前記感光性黒色組成物に関する。
一般式(1):
Figure 2010235739
〔一般式(1)中、
11〜A14のうちの2つが、−COOHであり、他の2つが、ビニル結合、エステル結合、エーテル結合、及びウレタン結合から選ばれる結合を有する重合体残基である組合せであるか、又は、A11〜A14のうちの2つが、−COOHであり、他の1つが、水素原子若しくは−COOR1(但し、R1は、炭素原子数1〜18のアルキル基である。)であり、他の1つがビニル結合、エステル結合、エーテル結合、及びウレタン結合から群から選ばれる結合を有する重合体残基である組合せであり、
1は、1又は2の整数である。〕
一般式(2):
Figure 2010235739
〔一般式(2)中、
21〜A24のうちの2つが、−COOHであり、他の2つが、ビニル結合、エステル結合、エーテル結合、及びウレタン結合から選ばれる結合を有する重合体残基である組合せであるか、又は、A21〜A24のうちの2つが、−COOHであり、他の1つが、水素原子若しくは−COOR22(但し、R52は、炭素原子数1〜18のアルキル基である。)であり、他の1つがビニル結合、エステル結合、エーテル結合、及びウレタン結合からなる群から選ばれる結合を有する重合体残基である組合せであり、
21は、直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF32−、一般式(3)で表される基、又は一般式(4)で表される基である。]
一般式(3):
Figure 2010235739
一般式(4):
Figure 2010235739
また、本発明は、カーボンブラック(a)が、平均一次粒子径15〜40nm、比表面積70〜180m2/ g、および吸油量100cm3 /100g以下のカーボンブラックであることを特徴とする前記感光性黒色組成物に関する。
また、本発明は、光重合開始剤(b)が、アセトフェノン系光重合開始剤、オキシム系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤、及びボレート系光重合開始剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の光重合開始剤であることを特徴とする前記感光性黒色組成物に関する。
本発明は、更に、色素誘導体(f)を含むことを特徴とする前記感光性黒色組成物に関する。
また、本発明は、色素誘導体(f)が、下記一般式(5)で示される化合物である前記感光性黒色組成物に関する。
一般式(5):
Figure 2010235739
〔一般式(5)中、
5は、有機色素残基であり、
5は、直接結合、−CO−NH−Y52−、−SO2−NH−Y52−、又は−CH2−NH−CO−CH2−NH−Y52−であり、
52 は、置換基を有してもよいアルキレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
51は、−NH−、又は−O−であり、
5は、n5が1である場合には、水酸基、アルコキシ基、下記一般式(6)で示される置換基、又は−NH−X−Qであり、Q、及びXは、前記のとおりであり、nが2〜4の整数である場合には、水酸基、アルコキシ基、又は下記一般式(6)で示される置換基であり、
51、及びR52は、それぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基であり、R51とR52 とが互いに結合して少なくとも窒素原子を含むヘテロ環を形成してもよく、
5は、1〜6の整数であり、
5は、1〜4の整数である。
一般式(6):
Figure 2010235739
(一般式(6)中、
6は、−NH−、又は−O−であり、
61 、R62、及びm6は、それぞれR51、R52、m5と同様である。)〕
本発明は、更に、多官能チオール(g)を含むことを特徴とする前記感光性黒色組成物に関する。
一方、本発明は、透明基板上に、前記載感光性黒色組成物を用いて形成されたブラックマトリックスを備えることを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明の感光性黒色組成物は、遮光性及び抵抗値が高く、安定性及びガラス基板に対する密着性に優れる。そのため、本発明の感光性黒色組成物を用いることにより、遮光性が高く、ガラス基板に対する密着性に優れるブラックマトリックスを形成することができる。
本発明の感光性黒色組成物は、カーボンブラック(a)、光重合開始剤(b)、エチレン性不飽和化合物(c)、分散樹脂(d)及び遮蔽用有機顔料(e)を含んでいる。
≪カーボンブラック(a)≫
本発明の感光性黒色組成物は、遮光成分として、カーボンブラック(a)を使用する。
カーボンブラック(a)としては、平均一次粒子径20〜40nm、比表面積70〜180m2/g、吸油量100cm3 /100g以下のカーボンブラックを好ましく使用することができる。なお,本発明の吸油量とはフタル酸ジブチルの吸油量をいう。
平均一次粒子径が20nm未満であるカーボンブラックを単独で使用した感光性黒色組成物では、単位体積当たりのカーボンブラック粒子数が多数となり遮光性の観点で有利であるが、高遮光性のため光硬化性が劣る場合がある。更に、カーボンブラックの安定分散が困難であり、現像後のガラス基板に黒色組成物の一部が残る、残渣(あるいは地汚れとも呼ばれる)という現象を引き起こす場合がある。
一方、平均一次粒子径が40nmを超えるカーボンブラックを含む感光性黒色組成物では、単位体積当たりのカーボンブラック粒子数が少数となり光硬化性は有利となるが、遮光性およびブラックマトリックスのパターン形状、特に直線性が不十分である場合がある。
比表面積が70m2/g未満のカーボンブラックを用いる場合には、ブラックマトリックスのパターン形状の劣化や密着性の低下を引き起こし易く、180m2/gより大きいカーボンブラックを用いる場合は、カーボンブラックの安定分散が難しくなる場合がある。
カーボンブラックの吸油量は、光硬化性の観点から100cm3/100g以下であることが好ましく、0〜80cm3/100gであることがより好ましく、0〜50cm3/100gであることが特に好ましい。
平均一次粒子径20〜40nm、比表面積70〜180m2/g、吸油量100cm3/100g以下であるカーボンブラックとしては、例えば、
CABOT製のMOGUL L、BLACK PEARLS(L、520、450、若しくは430)、又はREGAL(660R、660、500R、330R、330,若しくは300R)等、
三菱化学製のMA(77、7、8、11、100、100R、100S、200RB、若しくは14)、又は#(52、50、47、45、45L、44、
33,32,若しくは260)等、
DEGUSSA製のSpecial Black550、Printex(55、45、300、若しくはES23)等、
旭カーボン製の旭#70L N−326等、あるいは、
コロンビアン・カーボン製のRAVEN(1255、1250、1200、170、1040、1035、1030、1020、1000、890POWDE R、890H POEDER、若しくは850)等を挙げることができ、特に好ましくは、三菱化学製の#47、#45、又は#45L等を用いることができる。
一方、ブラックマトリックスの遮光性を向上させる目的で、2種類の遮光性材料を併用して遮光性(OD)を高める手法、すなわち平均粒径の小さいカーボンブラックと平均粒径の大きいカーボンブラックを併用して、ブラックマトリックス内で最密充填構造を形成することによりODを向上させる手法を採用することが可能である。
本発明の感光性黒色組成物において、ODを高めるために2種類以上のカーボンブラックを併用する場合は、平均一次粒子径の差が5nm以上である、(a1)平均一次粒子径が8〜20nmであるカーボンブラックと、(a2)平均一次粒子径が21〜40nmであるカーボンブラックとを含有することが好ましく、さらには40nmを超えるカーボンブラックを含まないことが好ましい。
平均一次粒子径が8〜20nmであるカーボンブラック(a1)を単独で使用した感光性黒色組成物では、単位体積当たりのカーボンブラック粒子数が多数となり遮光性の観点で有利であるが、高遮光性のため光硬化性が劣る。更に、カーボンブラックの安定分散が困難であり、現像後のガラス基板に黒色組成物の一部が残る、残渣(あるいは地汚れとも呼ばれる)という現象を引き起こすという場合がある。
一方、平均一次粒子径が21〜40nmであるカーボンブラック(a2)を単独で使用した感光性黒色組成物では、単位体積当たりのカーボンブラック粒子数が少数となり光硬化性は有利となるが遮光性が不十分である。
また、平均一次粒子径が40nmを超えるカーボンブラックを含む感光性黒色組成物では、単位体積当たりのカーボンブラック粒子数が少数となり光硬化性は有利となるが、遮光性およびブラックマトリックスのパターン形状、特に直線性が不十分である。
カーボンブラック(a1)としては、平均一次粒子径が10〜18nmのものが好ましく、さらに比表面積が200〜600m2/gであるカーボンブラックを好適に使用することができる。比表面積が200m2/g未満のカーボンブラックを用いる場合には、ブラックマトリックスのパターン形状の劣化や密着性の低下を引き起こし易く、600m2/gより大きいカーボンブラックを用いる場合は、カーボンブラックの安定分散が難しくなる場合がある。なお、平均一次粒子径が8nm未満のカーボンブラックは製造が困難であるため、カーボンブラック(a1)として適当ではない。
また、カーボンブラック(a2)としては、平均一次粒子径が22〜37nmのものが好ましく、さらに比表面積が40〜600m2/gであるカーボンブラックを好適に使用することができる。比表面積が40m2/g未満のカーボンブラックを用いる場合には、ブラックマトリックスのパターン形状の劣化や密着性の低下を引き起こし易く、600m2/gより大きいカーボンブラックを用いる場合は、カーボンブラックの安定分散が難しくなる場合がある。
さらに、カーボンブラック(a1)とカーボンブラック(a2)の平均一次粒子径の差が5nm未満の場合は、カーボンブラック(a1)とカーボンブラック(a2)を併用する場合に発現する高い遮光性の効果が期待できない。
(a1)平均一次粒子径が8〜20nmであるカーボンブラックとしては、例えば、
CABOT製のMONARCH、BLACK PERLS(1400、1300、1100、1000、900、880、800、若しくは700)、又はVULCAN(P、若しくは9A32)等、
三菱化学製の#(2700B、2650、2600、2450B、2400B、2350、2300、1000、990、980、970、960、950、900、若しくは850)、MCF88、又はMA600等、
DEGUSSA製のColor Black(FW2000、FW2、FW2V、FW1、FW18、S170、若しくはS160)、Special Black(6、若しくは5)、又はPrintex(95、90、85、80、75、40、若しくは60)等、
東海カーボン製のシースト(9H SAF−HS、若しくは9 SAF)等、
旭カーボン製の旭#80等、あるいは、
コロンビアン・カーボン製のROYAL SPECTRA、NEO SPECTRA MARK(I、若しくはII)、NEO SPECTRA AG、SUPERBA(NEO MK III)、NEO SPECTRA MARK IV、RAVEN(5000、7000、5750、5250、3500、3200、2000、若しくは1500)、CONDUCTEX(40−220、SC)、又はRAVEN C BEADS等を挙げることができる。
好ましくは、CABOT製のMONARCH(1100、若しくは800)、BLACK PERLS(1100、若しくは800)、三菱化学製の#850、又はDEGUSSA製のPrintex95、
特に好ましくは、CABOT製のMONARCH1100、又はDEGUSSA製のPrintex95を用いることができる。
(a2)平均一次粒子径が21〜40nmであるカーボンブラックとしては、例えば、
CABOT製のVULCAN(XC72R、若しくはXC72)、MOGUL L、BLACK PERLS(L、570、520、490、480、470、460、450、430、420、若しくは410)、REGAL(660R、660、500R、330R、330、300R、250R、250、99R、若しくは99I)、ELFTEX(5、8、12、若しくはPELLETS115)等、
三菱化学製のMA(77、7、8、11、100、100R、100S、230、200RB、若しくは14)、#(750B、650B、52、50、47、45、45L、44、40、33、32、30、95、85、260、3230B、若しくは3350B)、又はCF9等、
DEGUSSA製のSpecial Black(4、4A、550、若しくは350)、Printex(150T、U、V、140U、140V、55、45、P、L6、L、300、30、ES23、3、ES22、35、若しくはXE2)、又はNIPex35等、
東海カーボン製のシースト[6ISAF、600ISAF-LS、5H−IISAF-HS、KH(N339)、3H HAF-HS、NH(N351)、3 HAF、3M、N LI-HAF 、300 HAF-LS、若しくは116 MAF] 等、
旭カーボン製の旭#75、旭#70(−IH、−IN、若しくは−L)、旭HS−500、又は旭F−200等、あるいは、
コロンビアン・カーボン製のRAVEN(1255、1250、1200、1170、1040、1035、1030 BEADS、1020、1000、890POWDWE、890HPOWDER、850、若しくは825BEADS)、又はCONDUCTEX(975BEADS、若しくは900BEADS)等を挙げることができる。
好ましくは、CABOT製のREGAL(300R、250R、250、99R、若しくは99I)、三菱化学製のMA(7、11、若しくは100R)、又は#(47、45、45L)、あるいは、DEGUSSA製のPrintex55、又はNIPex35、
特に好ましくは、三菱化学製の#(47、45、若しくは45L)、DEGUSSA製のNIPex35、あるいはCABOT製のREGAL250Rを用いることができる。
カーボンブラック(a1)とカーボンブラック(a2)との重量比は、(a1)1重量部に対して、(a2)が3〜30重量部、好ましくは3〜10重量部である。
(a1)1重量部に対して、(a2)が3重量部未満の場合、つまり(a1)が多い場合は、カーボンブラックの安定分散が困難になる場合がある。一方、(a1)1重量部に対して、(a2)が30重量部を超える場合、つまり(a1)が少なくなる場合は、カーボンブラック(a1)と(a2))を併用する場合に発現する高遮光性の効果が期待できない傾向がある。
上記カーボンブラック(a)は、平均一次粒子径の異なるカーボンブラックを併用する場合も含めて、感光性黒色組成物の全固形分重量を基準(100重量%)として、好ましくは合計して40〜65重量%、より好ましくは合計して45〜60重量%の量で用いることが出来る。
≪光重合開始剤(b)≫
本発明の感光性黒色組成物にて用いられる光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤、オキシム系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、ホスフィン系光重合開始剤、キノン系光重合開始剤、又はチタノセン系光重合開始剤等を用いることができる。
中でも、光硬化性の観点より、アセトフェノン系光重合開始剤、オキシム系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤、及びボレート系光重合開始剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の光重合開始剤が好ましく、オキシム系光重合開始剤が特に好ましい。
オキシム系光重合開始剤としては、下記一般式(7)で示されるエタノン, 1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)や、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4'−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等が挙げられる。
一般式(7):
Figure 2010235739
イミダゾール系光重合開始剤としては、2,2'ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4',5'− テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾールが挙げられる。
ボレート系光重合開始剤としては、下記一般式(8)〜(11)で示される化合物が挙げられる。
一般式(8):
Figure 2010235739
一般式(9):
Figure 2010235739
一般式(10):
Figure 2010235739
一般式(11):
Figure 2010235739
アセトフェノン系光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、又は2 −ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4 − フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、又は4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド等が挙げられる。
チオキサンソン系光重合開始剤としては、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2 −メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、又は2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等が挙げられる。
トリアジン系光重合開始剤としては、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル− 4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリルs−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等が挙げられる。
ホスフィン系光重合開始剤としては、ビス( 2 , 4 , 6 − トリメチルベンゾイル) フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
キノン系光重合開始剤としては、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等が挙げられる。
上記光重合開始剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いられる。光重合開始剤(b)は、感光性黒色組成物の全固形分重量を基準(100重量%)として、好ましくは0.5〜50重量%、より好ましくは2〜20重量%の量で用いることができる。
≪エチレン性不飽和化合物(c)≫
本発明の感光性黒色組成物に含有されるエチレン性不飽和化合物(c)は、エチレン性不飽和二重結合を1個または2個以上有する化合物であり、モノマー、オリゴマーを用いることができる。
例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、t−ペンチル(メタ)アクリレート、1-メチルブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、1−メチルヘプチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、又はイソステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、又はイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート類;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、又はテトラフルオロプロピル (メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリロキシ変性ポリジメチルシロキサン(シリコーンマクロマー)類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、又は3−メチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、又はノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル(メタ)アクリレート、又はポリエチレングリコールモノステアリルエーテル(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、又はω−カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル(メタ)フタレート、
ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート,ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、又は2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;
ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、テトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジアクリル酸亜鉛、エチレンオキサイド変性リン酸トリアクリレート、又はグリセロールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、又はジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基を有する(メタ)アクリレート類;
グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能(メタ)アクリレート;
グリセロールトリグリシジルエーテル−(メタ)アクリル酸付加物、グリセロールジグリシジルエーテル−(メタ)アクリル酸付加物、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル−(メタ)アクリル酸付加物、1,6−ブタンジオールジグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル−(メタ)アクリル酸付加物、アリルグリシジルエーテル−(メタ)アクリル酸付加物、フェニルグリシジルエーテル−(メタ)アクリル酸付加物、スチレンオキサイド−(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル−(メタ)アクリル酸付加物、プロピレンオキサド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル−(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールFジグリシジルエーテル−(メタ)アクリル酸付加物、エピクロルヒドリン変性フタル酸―(メタ)アクリル酸付加物、エピクロルヒドリン変性ヘキサヒドロフタル酸―(メタ)アクリル酸付加物、エチレングリコールジグリシジルエーテル−(メタ)アクリル酸付加物、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル−(メタ)アクリル酸付加物、プロピレングリコールジグリシジルエーテル―(メタ)アクリル酸付加物、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル―(メタ)アクリル酸付加物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂−(メタ)アクリル酸付加物、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂−(メタ)アクリル酸付加物、又はその他のエポキシ樹脂−(メタ)アクリル酸付加物等のエポキシ(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリロイル変性イソシアヌレート、(メタ)アクリロイル変性ポリウレタン、(メタ)アクリロイル変性ポリエステル、(メタ)アクリロイル変性メラミン、(メタ)アクリロイル変性シリコーン、(メタ)アクリロイル変性ポリブタジエン、又は(メタ)アクリロイル変性ロジン等の(メタ)アクリロイル変性樹脂オリゴマー類;
スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸ビニル、又は(メタ)アクリル酸アリル等のビニル類;
ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、又はペンタエリスリトールトリビニルエーテル等のビニルエーテル類;
(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、又はN−ビニルホルムアミド等のアミド類;あるいは、
アクリロニトリル等が挙げられる。
又、以上挙げた(メタ)アクリレートを、更に(ポリ)アルキレンオキシドや(ポリ)カプロラクトン等で変性したものも使用することができる。
又、他に、トリス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)]イソシアヌレート、又はジイソシアネート類のイソシアヌレートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応物等も挙げることができる。
更に、ポリウレタン、ポリエステル、メチロールメラミン樹脂、ポリジメチルシロキサン、又はロジン等のオリゴマーを(メタ)アクリロイル基で変性したものも使用できる。
以上挙げたエチレン性不飽和化合物(c)は、必ずしもこれらに限定されるものではない。単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
エチレン性不飽和化合物(c)は、感光性黒色組成物の全固形分重量を基準(100重量%)として、好ましくは5〜30重量%の量で用いることができる。エチレン性不飽和化合物(c)の含有量が30重量%より多い場合は、露光表面付近で硬化が進行し内部硬化が進行しない為に、十分な塗膜強度を持つパターン形成が出来ない傾向があり、5重量%より少ない場合は、低感度となって光硬化性が不充分となる傾向がある。
≪分散樹脂(d)≫
本発明の感光性黒色組成物では、分散樹脂(d)として公知の樹脂型分散剤を用いることが出来る。市販の樹脂型分散剤としては具体的に以下のものが挙げられる。
ビックケミー社製の酸性官能基を有する樹脂としては、 Anti−Terra−U、U100、203、204、205、Disperbyk−101、102、106、107、110、111、140、142、170、171、174、180、2001、BYK−P104、P104S、P105、9076、又は220S等が挙げられる。
日本ルーブリゾール社製の酸性官能基を有する樹脂としては、SOLSPERSE3000、21000、26000、36000、36600、41000、41090、43000、44000、又は53095等が挙げられる。
チバ・スペシャリティ・ケミカル社製の酸性官能基を有する樹脂としては、EFKA4510、4530、5010、5044、5244、5054、5055、5063、5064、5065、5066、5070、又は5071等が挙げられる。
味の素ファインテクノ社製の酸性官能基を有する樹脂としては、アジスパーPN411、又はアジスパーPA111等が挙げられる。
ELEMENTIS社製の酸性官能基を有する樹脂としては、NuosperseFX−504、600、605、FA620、2008、FA−196、又はFA−601等が挙げられる。
ライオン社製の酸性官能基を有する樹脂としては、ポリティA−550、又はポリティPS−1900等が挙げられる。
楠本化成社製の酸性官能基を有する樹脂としては、ディスパロン2150、KS−860、KS−873SN、1831、1860、PW−36、DA−1200、DA−703−50、DA−7301、DA−325、DA−375、又はDA−234等が挙げられる。
BASFジャパン製の酸性官能基を有する樹脂としては、JONCRYL67、678、586、611、680、682、683、690、52J、57J、60J、61J、62J、63J、70J、HPD−96J、501J、354J、6610、PDX−6102B、7100、390、711、511、7001、741、450、840、74J、HRC−1645J、734、852、7600、775、537J、1535、PDX−7630、352J、252D、538J7640、7641、631、790、780、又は7610等が挙げられる。
三菱レイヨン製の酸性官能基を有する樹脂としては、ダイヤナールBR−60、64、73、77、79、83、87、88、90、93、102、106、113、又は116等が挙げられる。
好ましくは、下記一般式(1)で示される分散樹脂(d−1)、及び一般式(2)で示される分散樹脂(d−2)からなる群から選ばれる1種類以上の分散樹脂を用いる事である。
一般式(1):
Figure 2010235739
〔一般式(1)中、
11〜A14のうちの2つが、−COOHであり、他の2つが、ビニル結合、エステル結合、エーテル結合、及びウレタン結合から選ばれる結合を有する重合体残基である組合せであるか、又は、A11〜A14のうちの2つが、−COOHであり、他の1つが、水素原子若しくは−COOR1(但し、R1は、炭素原子数1〜18のアルキル基である。)であり、他の1つがビニル結合、エステル結合、エーテル結合、及びウレタン結合からなる群から選ばれる結合を有する重合体残基である組合せであり、
1は、1又は2の整数である。〕
一般式(2):
Figure 2010235739
〔一般式(2)中、
21〜A24のうちの2つが、−COOHであり、他の2つが、ビニル結合、エステル結合、エーテル結合、及びウレタン結合から選ばれる結合を有する重合体残基である組合せであるか、又は、A21〜A24のうちの2つが、−COOHであり、他の1つが、水素原子若しくは−COOR22(但し、R22は、炭素原子数1〜18のアルキル基である。)であり、他の1つがビニル結合、エステル結合、エーテル結合、及びウレタン結合からなる群から選ばれる結合を有する重合体残基である組合せであり、
21は、直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF32−、一般式(3)で表される基、又は一般式(4)で表される基である。]
一般式(3):
Figure 2010235739
一般式(4):
Figure 2010235739
なお、本願では、一般式(1)〜(2)中、ビニル結合を有する重合体残基とは、ビニル結合(炭素−炭素二重結合)を有する単量体を重合して得られる炭素−炭素一重結合を有する重合体の残基のことであり、例えば、下記一般式(12)及び/又は(13)に示す構成単位を有する重合体である。
一般式(12):
Figure 2010235739
〔一般式(12)中、R121は、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐状、単環状、多環状、若しくは複素環状アルキル基、置換基を有していてもよい単環状、若しくは多環状アリール基、又は置換基を有していても良いポリアルキレンオキサイド基である。〕
一般式(13):
Figure 2010235739
〔一般式(13)中、R131は、水素原子、又はメチル基であり、X131は、−COO−、−CONH−、−O−、−OCO−、又は−CH2−であり、R132は、水素原子、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐状、単環状、多環状、若しくは複素環状アルキル基、置換基を有していてもよい単環状、若しくは多環状アリール基、又は置換基を有していても良いポリアルキレンオキサイド基であり、R133は、水素原子、カルボキシル基、又は前記−X131−R132である。〕
一般式(1)で示される分散樹脂(d−1)、及び一般式(2)で示される分散樹脂(d−2)からなる群から選ばれる1種類以上の分散樹脂を用いる事により、顔料分散安定化が著しく向上し、カーボンブラック(a)と遮蔽用有機顔料(e)が混在する系においても、低粘度化、経時粘度安定性を維持する事が出来る。
分散樹脂(d)の平均酸価は50〜200である事が好ましい。平均酸価が50未満だと現像液への塗膜の溶解性が十分に得られず、現像速度の低下や現像時の塗膜の剥離を引き起こすなど、アルカリ現像性が十分に得られない場合がある。平均酸価が200より大きいと、分散樹脂(d)の有する酸性官能基が多すぎて、感光性黒色組成物中の顔料分散安定化を阻害し、低粘度化、経時粘度安定性を維持できなくなる場合がある。また、現像速度が速すぎて精密なパターン描写が出来なくなる場合もある。
分散樹脂(d−1)、及び分散樹脂(d−2)について、更に詳細に説明するが、これらに限定されるものではなく、一般式(1)、及び一般式(2)からなる群から選ばれる構造を有するものであれば本発明の感光性黒色組成物に用いることができる。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、及び「(メタ)アクリロイルオキシ」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、及び「アクリロイルオキシ及び/又はメタクリロイルオキシ」を表すものとする。
分散樹脂(d−1)、及び分散樹脂(d−2)からなる群から選ばれる分散樹脂(d)は、合成法、又は構造の観点から、以下の(dA)、(dB)、又は(dc)の3つのタイプを挙げることができる。
《樹脂型分散剤(dA)》
本発明で用いることのできる樹脂型分散剤(dA)は、ビニル重合体主鎖(dA1)内に、下記一般式(14)で表されるカルボキシル基含有単位(G14)を、ビニル重合体主鎖(dA1)の1分子あたり平均0.3個以上3.0個以下の量で含む構造を有する限り、その化学構造及び製造方法は特に限定されるものではない。
一般式(14):
Figure 2010235739
〔一般式(14)中、
141は、水素原子又はメチル基であり、
141は、−COO−、−CONH−、−O−、−OCO−又は−CH2O−であり、
142は、下記一般式(14a)で表される基であり、
143は、下記一般式(14b)で表される基であり、
141は、一般式(14c)で表される基、又は一般式(14d)で表される基である。
一般式(14a):
−(−Ra141−O−)m 141
(一般式(14a)中、
a141は、炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素原子数3〜8のシクロアルキレン基であり、
141は、1〜50の整数である。)
一般式(14b):
−(−CO−Rb141−O−)m 142
(一般式(14b)中、
b141は、炭素原子数4〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素原子数4〜8のシクロアルキレン基であり、
142は、0〜20の整数である。)
一般式(14c):
Figure 2010235739
[一般式(14c)中、
(i)Ac141〜Ac143のうちの1つは、水素原子であって、他の2つは−COOHである組合せであるか、
(ii)Ac141〜Ac143のうちの1つは、−COORc141(ただしRc141は炭素原子数1〜18のアルキル基である)であって、他の2つは−COOHである組合せであるか、
(iii)Ac141〜Ac143のうちの1つは、一般式(14e):
Figure 2010235739
{一般式(14e)中、
e141は、−COO−、−CONH−、−O−、−OCO−、又は−CH2O−であり、
e142は、下記一般式(14f)で表される基であり、
e143は、下記一般式(14g)で表される基であり、
e141は、下記一般式(14h)で表される基を含むビニル系重合体主鎖(dA2)であって、前記ビニル系重合体主鎖(dA1)と前記ビニル系重合体主鎖(dA2)とは同一の主鎖であるか、あるいはそれぞれ別の主鎖であることができる。
一般式(14f):
−(−Rf141−O−)m 143
(一般式(14f)中、
f141は、炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素原子数3〜8のシクロアルキレン基であり、
143は、1〜50の整数である。)
一般式(14g):
−(−CO−Rg141−O−)m 144
(一般式(14g)中、
g141は、炭素原子数4〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素原子数4〜8のシクロアルキレン基であり、
144は、0〜20の整数である。)
一般式(14h):
Figure 2010235739
(一般式(14h)中、Rh141は水素原子又はメチル基である。)}
で表される基であって、他の2つは、−C(=O)OHである組合せであるか、あるいは、
(iv)Ac141〜Ac143の3つは、−COOHであり、
c141は、1又は2である。]
一般式(14d):
Figure 2010235739
[一般式(14d)中、
(i)Ad141〜Ad143のうち1つは、水素原子であって、他の2つは、−COOHである組合せであるか、
(ii)Ad141〜Ad143のうち1つは−COORd142(ただしRd142は炭素原子数1〜18のアルキル基である)であって、他の2つは−COOHである組合せであるか、
(iii)Ad141〜Ad143のうち1つは、一般式(14i):
Figure 2010235739
{一般式(14i)中、
i141は、−COO−、−CONH−、−O−、−OCO−、又は−CH2O−であり、
i142は、下記一般式(14j)で表される基であり、
i143は、下記一般式(14k)で表される基であり、
i141は、下記一般式(14p)で表される基を含むビニル系重合体主鎖(dA3)であって、前記ビニル系重合体主鎖(dA1)と前記ビニル系重合体主鎖(dA3)とは同一の主鎖であるか、あるいは、それぞれ別の主鎖であることができる。
一般式(14j):
−(−Rj141−O−)m 145
(一般式(14j)中、
j141は、炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素原子数3〜8のシクロアルキレン基であり、
145は、1〜50の整数である。)
一般式(14k):
−(−CO−Rk141−O−)m 146
(一般式(14k)中、
k141は、炭素原子数4〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素原子数4〜8のシクロアルキレン基であり、
146は、0〜20の整数である。)
一般式(14p):
Figure 2010235739
(一般式(14p)中、Rp141は水素原子又はメチル基である)}
で表される基であって、他の2つは−C(=O)OHである組合せであるか、あるいは、
(iv)Ad141〜Ad143の3つは、−COOHであり、
d141は、直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF32−、一般式(14r)、で表される基、又は一般式(14s)で表される基である。
一般式(14r):
Figure 2010235739
一般式(14s):
Figure 2010235739
] 〕
《樹脂型分散剤(dB)》
本発明で用いることのできる樹脂型分散剤(dB)は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物の存在下に、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体(dB1)中の水酸基と、下記一般式(15a)若しくは(15b)で示されるテトラカルボン酸無水物(dB2)中の酸無水物基とを反応させてなる樹脂型分散剤であり、それ以外の化学構造及び製造方法は特に限定されるものではない。
一般式(15a):
Figure 2010235739

〔一般式(15a)中、k151は、1又は2である。〕
一般式(15b):
Figure 2010235739
〔一般式(15b)中、Q15は、直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF32−、一般式(15c)で表される基、又は一般式(15d)で表される基である。〕
一般式(15c):
Figure 2010235739
一般式(15d):
Figure 2010235739
《樹脂型分散剤(dC)》
樹脂型分散剤(dC)は、一般式(16)で表される構造を有する限り、その化学構造及び製造方法は特に限定されるものではない。
一般式(16):
(HOOC―)e 16―R161―(―COO―[―R162―COO―]f 16―R163g 16
〔一般式(16)中、
161は、下記一般式(16a)若しくは(16b)で示される構造、
一般式(16a):
Figure 2010235739
(一般式(16a)中、ka16は1又は2である。)
一般式(16b):
Figure 2010235739
(一般式(16b)中、Rb161は、直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF32−、一般式(16c)で表される基、又は一般式(16d)で表される基を示す。
一般式(16c):
Figure 2010235739
一般式(16d):
Figure 2010235739
)、
162は、モノアルコール残基であり、
163は、ヒドロキシカルボン酸残基若しくはラクトン残基であり、
16は、2又は3であり、
16は、1〜50の整数であり、
そしてg16は、(4−[e16])である。〕
≪遮蔽用有機顔料(e)≫
本発明の感光性黒色組成物には、塗膜の導電性を下げ抵抗値を上げる目的で、カーボンブラック(a)と遮蔽用有機顔料(e)を併用することが必須である。
本発明の感光性黒色組成物で用いる事の出来る遮蔽用有機顔料(e)としては、下記三つ条件式を満たす遮蔽用有機顔料(e)である。
500/D365≧1
550/D365≧1
600/D365≧1
(D500は、遮蔽用有機顔料(e)と400〜700nmにおける透過率が95%以上の透明樹脂との重量比が60/40の有機溶剤分散液を、乾燥後膜厚が1.7μmになるように塗工・乾燥した塗膜の波長500nmにおける光学濃度であり、
550は、遮蔽用有機顔料(e)と400〜700nmにおける透過率が95%以上の透明樹脂との重量比が60/40の有機溶剤分散液を、乾燥後膜厚が1.7μmになるように塗工・乾燥した塗膜の波長550nmにおける光学濃度であり、
600は、遮蔽用有機顔料(e)と400〜700nmにおける透過率が95%以上の透明樹脂との重量比が60/40の有機溶剤分散液を、乾燥後膜厚が1.7μmになるように塗工・乾燥した塗膜の波長600nmにおける光学濃度であり、
365は、遮蔽用有機顔料(e)と400〜700nmにおける透過率が95%以上の透明樹脂との重量比が60/40の有機溶剤分散液を、乾燥後膜厚が1.7μmになるように塗工・乾燥した塗膜の波長365nmにおける光学濃度である。)
光学濃度は、不透明の程度を表し、OD(Optical Density)値とも言われ、ある特定波長における、入射光と透過光量から減衰の度合いを対数で標記したもであり、下記式で表すことができる。
D=log(I’/I)=log(1/T)
(Dは、光学濃度〔OD〕であり、Iは、入射光の強度であり、I’は、透過光の強度であり、Tは、透過率である。)
500/D365≧1、D550/D365≧1、及びD600/D365≧1の3つ条件がすべて成り立つ場合、カーボンブラック(a)と併用すると、優れた遮蔽効果が得られ、ODと抵抗値を両立しうる感光性黒色組成物が得られる。
本発明の感光性黒色組成物で用いる事の出来る遮蔽用有機顔料(e)としては、ODと抵抗値を両立する観点より、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、又は50等の紫色顔料を用いる事であり、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23を用いる事である。
カーボンブラック(a)と遮蔽用有機顔料(e)との重量比は、90/10〜50/50である事が好ましい。カーボンブラック(a)が90/10より多くなると、十分な抵抗値が得られず、逆に50/50より少ないと十分なODを得る事が出来ない場合がある。
≪色素誘導体(f)≫
本発明の感光性黒色組成物には更に色素誘導体(f)を含有することが出来る。色素誘導体(f)は、有機色素に置換基を導入した化合物であり、有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、下記一般式(5)で示されるものが好ましく用いることができる。
一般式(5):
Figure 2010235739
〔一般式(5)中、
5は、有機色素残基であり、
5は、直接結合、−CO−NH−Y52−、−SO2−NH−Y52−、又は−CH2−NH−CO−CH2−NH−Y52−であり、
52 は、置換基を有してもよいアルキレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
51は、−NH−、又は−O−であり、
5は、n5が1である場合には、水酸基、アルコキシ基、下記一般式(6)で示される置換基、又は−NH−X−Qであり、Q、及びXは、前記のとおりであり、nが2〜4の整数である場合には、水酸基、アルコキシ基、又は下記一般式(6)で示される置換基であり、
51、及びR52は、それぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基であり、R51とR52 とが互いに結合して少なくとも窒素原子を含むヘテロ環を形成してもよく、
5は、1〜6の整数であり、
5は、1〜4の整数である。
一般式(6):
Figure 2010235739
(一般式(6)中、
6は、−NH−、又は−O−であり、
61 、R62、及びm6は、それぞれR51、R52、m5と同様である。)〕
一般式(5)で示される色素誘導体を構成する有機色素としては、例えば、フタロシアニン系、キナクリドン系、キナクリドンキノン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、ジケトピロロピロール系、ペリレン系、ペリノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、アントラキノン系、ピランスロン系、アンスアンスロン系、フラバンスロン系、インダンスロン系、金属錯体系等の縮合多環系有機顔料、ベンズイミダゾロン系、不溶性アゾ系、縮合アゾ系、溶性アゾ系等の他の有機顔料または染料が挙げられる。
色素誘導体(f)は、1種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。色素誘導体(f)は、感光性黒色組成物の全固形分重量を基準(100重量%)として、好ましくは0.05〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%の量で用いることができる。色素誘導体(e)の含有量が0.05重量%より少ない場合は、カーボンブラックを分散する効果が充分に発揮されず、20重量%より多い場合は、カーボンブラックの分散が不安定になる傾向がある。
≪分散樹脂(d)以外の樹脂≫
さらに、本発明の感光性黒色組成物には、前記分散樹脂(d)以外の樹脂を含有させることができる。前記分散樹脂(d)以外の樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は感光性樹脂(d)以外の感光性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、又はポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、又はフェノール樹脂等が挙げられる。
分散樹脂(d)以外の樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、又はアミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基、又はカルボキシル基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸等を反応させて、(メタ)アクリロイル基やスチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
本発明の感光性黒色組成物を、アルカリ可溶型レジストの形態で用いる場合は、分散樹脂(d)以外の樹脂は、(メタ)アクリル酸等の酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂等、アルカリ可溶基として働くカルボキシル基等の酸性官能基を有する樹脂が好ましい。
本発明の感光性黒色組成物において、固形分中の樹脂の合計の重量(P)とエチレン性不飽和化合物の重量(M)との重量比(M/P)は、0.10〜0.70であることが好ましく、0.15〜0.65であることがより好ましく、0.20〜0.60であることが特に好ましい。M/Pが0.10未満であると低感度となり、M/Pが0.70を越えるとブラックマトリックスのパターン形状の直線性不良、断面形状不良あるいはタック等が生じる場合がある。固形分中の樹脂量の合計重量(P)とは、本発明の分散樹脂(d)と、任意に添加した分散樹脂(d)以外の樹脂、とを合計した重量である。
≪連鎖移動剤(g)≫
本発明の感光性黒色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン,又はトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。
これらの多官能チオールのうち、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)を好ましく用いることができる。
多官能チオールは、感光性黒色組成物の全固形分重量を基準(100重量%)として、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%の量で用いることができる。0.1重量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30重量%を越えると感度が高すぎて解像度が低下したり、感光性黒色組成物の安定性が低下したりする。
≪その他≫
本発明の感光性黒色組成物には、カーボンブラックを充分に分散させ、所望の膜厚のブラックマトリックスを形成するために溶剤を含有させることができる。
溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、酢酸シクロヘキシル、又は石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独もしくは混合して用いることができる。
溶剤は、感光性黒色組成物の全固形分100重量部に対して、好ましくは150〜3500重量部、より好ましくは250〜2000重量部の量で用いることができる。
また、本発明の感光性黒色組成物には、塗工性向上、感度の向上、密着性の向上などを目的として、レベリング剤、界面活性剤、シランカップリング剤、熱反応性化合物、又は他の添加剤などを添加しても良い。
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサン、又は主鎖にアラルキル構造を有するポリメチルアルキルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、又はビックケミー社製BYK−333等が挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、又はBYK−370等が挙げられる。主鎖にアラルキル構造を有するポリメチルアルキルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−323等が挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサン、又は主鎖にアラルキル構造を有するポリメチルアルキルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)に対して0.003〜0.5重量%である。
界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、又はポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;
ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、又はポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;
アルキル4級アンモニウム塩、又はそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン;あるいは、
アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤は、前記レベリング剤の補助剤として、添加することもできる。
シランカップリング剤としては、例えば、
ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、又はビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類;
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、又はγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類;
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、又はN−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類;あるいは、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、又はγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。
熱反応性化合物としては、例えば、
ヘキサメトキシメチロールメラミン、又はヘキサブトキシメチロールメラミン等のメラミン化合物;
テトラメトキシメチロールベンゾグアナミン、又はテトラブトキシメチロールベンゾグアナミン等のベンゾグアナミン化合物;
ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ジグリシジルテレフタレート、ジグリシジルo−フタレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、又はポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のポリオールのグリシジルエーテル、又はポリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ化合物;
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス[〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕メチル]ベンゼン、ビス〔1−エチル(3−オキセタニル)〕メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(シクロヘキシロキシ)メチルオキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン、オキセタニルシリケート、フェノールノボラックオキセタン、1,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、1,4−ビス[〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕メチル]ビフェニル、1−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート、又はベンゼン−1,4−ジカルボン酸ビス〔1−エチル(3−オキセタニル)メチル〕エステル等のオキセタン化合物;
オルトクレゾール、パラクレゾール、パラフェニルフェノール、パラノニルフェノール、2,3−キシレノール、フェノール、メタクレゾール、3,5−キシレノール、レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールE、ビスフェノールH、若しくはビスフェノールS等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、若しくはアセトアルデヒド等のアルデヒド類とを、酸性触媒下で反応させたノボラック型フェノール化合物、又は塩基性触媒下で反応させたレゾール型フェノール化合物;
四国化成工業社製ベンゾオキサジンP−d型、又はベンゾオキサジンF−a型等の市販品のベンゾオキサジン;
1,2−フタル酸、1,3−フタル酸、1,4−フタル酸、1,2,4−トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、C1−CIC酸、CIC酸、C3−CIC酸、若しくはBis−CIC酸等のカルボン酸化合物を、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、若しくは2−エチルヘキシルビニルエーテル等のブロック剤で、ブロックしたブロック化カルボン酸化合物;
ヘキサメチレジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルイジンイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、又はテトラメチルキシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート、これらジイソシアネートのイソシアヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト型、ビウレット型、若しくはイソシアネート残基を有するプレポリマー(ジイソシアネートとポリオールから得られる低重合体)及びイソシアネート残基を有するウレトジオン等のイソシアネート化合物のイソシアネート基を、フェノール(解離温度180℃以上)、ε−カプロラクタム(解離温度160〜180℃)、オキシム(解離温度130〜160℃)、若しくは活性メチレン(100〜120℃)等のブロック剤でブロックしたブロック化イソシアネート化合物;あるいは、
日清紡社製カルボジライトV−01、V−03、又はV−05等の市販品のカルボジイミド化合物等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、単独、又は2種類以上併用して使用することもできる。
これらの添加剤は、感光性黒色組成物100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
感光性黒色組成物は、カーボンブラック、色素誘導体、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、樹脂、溶剤、および必要に応じて、その他の添加剤を混合し、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター、又はマイクロス等の各種分散装置を用いて分散することにより製造することができる。
感光性黒色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、又はメンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
≪カラーフィルタ≫
本発明のカラーフィルタは、透明基板上に、本発明の感光性黒色組成物を用いて形成されたブラックマトリックスと、黒以外の少なくとも2色のフィルタセグメントとを備えるものである。フィルタセグメントの色は、青色、緑色、赤色、シアン、エロー、マゼンタ、橙色、及び紫色などから2〜6色程度選択される。同色系の色で、濃度の違うフィルタセグメントが形成されていてもよい。
ブラックマトリックスは、ガラス板等の透明基板上に、スピンコート、スリットコート、又はロールコート等の塗布方法により、本発明の感光性黒色組成物を塗布したのち、フォトマスクを介して組成物塗布面側から活性エネルギー線を照射し、溶剤またはアルカリ現像液に漬浸するかスプレーなどにより現像液を噴霧して未照射部、すなわち未硬化部を除去して現像を行うことにより、形成することができる。
感光性黒色組成物の塗布膜厚は、0.2〜5μm(乾燥時)の範囲であることが好ましく、塗工性と遮光性のバランス取りが容易な0.5〜2μmの範囲であることがより好ましい。
また、ブラックマトリックスの乾燥膜厚1μmあたりの光学濃度(OD)は、高遮光性の観点から、3.0以上であることが好ましく、特に好ましくは3.5以上、更に好ましくは3.8以上である。光学濃度は、高いほど好ましいが、活性エネルギー線が紫外線、可視光である場合に硬化塗膜が得られにくくなることから、概ね3.0以上4.7以下が望ましい。
アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム、又は水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、又はトリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、活性エネルギー線による露光感度を上げるために、感光性黒色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、組成物塗布面側から活性エネルギー線を照射することもできる。
活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、400〜500nmの可視光を使用することができる。組成物塗布面側から照射する電子線の線源には、熱電子放射銃、又は電界放射銃等を使用することができる。また、紫外線および400〜500nmの可視光の線源(光源)には、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、又はカーボンアーク灯等を使用することができる。具体的には、点光源であること、輝度が安定であることから、超高圧水銀ランプ、キセノン水銀ランプが用いられることが多い。組成物塗布面側から照射する活性エネルギー線量は、5〜1000mJの範囲で適時設定できるが、工程上管理しやすい20〜300mJの範囲であることが好ましい。
各色フィルタセグメントの形成法としては、グラビアオフセット印刷法、水無しオフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法、溶剤現像型又はアルカリ現像型着色レジストを用いるフォトリソグラフィー法、コロイド粒子の電気泳動により着色材を透明導電膜の上に電着形成する電着法、あるいは、転写ベースシートの表面に予め形成したフィルタセグメント層をブラックマトリックス基板上に転写させる転写法等が挙げられる。
印刷法は、印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷法によりカラーフィルタを製造する場合には、印刷機上でのインキの流動性の制御が重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
溶剤現像型又はアルカリ現像型着色レジストを用いるフォトリソグラフィー法は、ブラックマトリックスを形成した透明基板上に、スピンコート、スリットコート、又はロールコート等の塗布方法により着色レジストを塗布し、次いでフォトマスクを介して紫外線露光を行い、未露光部を溶剤またはアルカリ現像液で洗い流して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他の色について繰り返してカラーフィルタを製造する方法である。この製造法は、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
着色レジストは、本発明の感光性黒色組成物に含有されるカーボンブラックの代わりに、所望の色の着色剤を含有するレジストであるが、前記感光性樹脂(d)は必ずしも含有しなくてもよい。着色剤としては、各種の耐性に優れた着色剤が使用されるが、耐光性、耐熱性や耐溶媒性の観点から顔料を使用することが好ましく、光吸収能の大きさから有機顔料を使用することが特に好ましい。代表的な顔料の具体例をカラーインデックス(CI)ナンバーで示す。
イエローの着色剤としては、ピグメントイエロー12、13、14、20、24、83、86、93、94、109、110、117、125、137、138、139、147、148、153、154、166、又は173等が挙げられる。
橙色の着色剤としては、ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、又は65等が挙げられる。
赤色およびマゼンタの着色剤としては、ピグメントレッド9、97、122、123、144、149、166、168、177、190、192、215、216、224、254、又は255等が挙げられる。
紫色の着色剤としては、ピグメントバイオレット19、23、29、32、33、36、37、又は38等が挙げられる。
青色およびシアンの着色剤としては、ピグメントブルー15(15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6等)、21、22、60、又は64等が挙げられる。
緑色の着色剤としては、ピグメントグリーン7、10、36、47、又は58等が挙げられる。
これらの着色剤は、所望の色を得るために2種以上を組み合わせて用いてもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。以下の実施例及び比較例中、部及び%は、重量部及び重量%を表す。又、樹脂の数平均分子量は、GPCを用いて測定し、ポリスチレン換算で求めた。
[カーボンブラック(a)]
カーボンブラックA:三菱化学製#45(平均一次粒子径24nm,比表面積115m2/g,吸油量53cm3/100g)
カーボンブラックB:CABOT製REGAL250R(平均一次粒子径35nm,比表面積50m2/g,吸油量46cm3/100g)
カーボンブラックC:DEGUSSA製のPrintex95(平均一次粒子径15nm,比表面積250m2/g,吸油量52cm3/100g)
カーボンブラックD:CABOT製MONARCH120(平均一次粒子径75nm,比表面積25m2/g,吸油量72cm3/100g)
[遮蔽用有機顔料(e)]
有機顔料A:ピグメントバイオレット23
有機顔料B:ピグメントブルー15:3
有機顔料C:ピグメントブルー15:6
[顔料誘導体(f)]
顔料誘導体A:
一般式(17):
Figure 2010235739
顔料誘導体B:
一般式(18):
Figure 2010235739
顔料誘導体C:
一般式(21):
Figure 2010235739
[光重合開始剤(b)]
光重合開始剤A:オキシム系光重合開始剤:(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3H−イル]−,1−(0−アセチルオキシム))
光重合開始剤B:下記一般式(9)で示されるボレート系光重合開始剤:
一般式(9):
Figure 2010235739
光重合開始剤C:アセトフェノン系光重合開始剤:(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)
光重合開始剤D:ホスフィン系光重合開始剤:(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)
[分散樹脂(d)]
<製造例1(ポリエステル系分散剤A)>
ガス導入管、温度計、コンデンサ、及び攪拌機を備えた反応容器に、1−ドデカノール62.6部、ε−カプロラクトン287.4部、及び触媒としてモノブチルスズ(IV)オキシド0.1部を仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で4時間加熱、撹拌した。固形分測定により98%が反応したことを確認したのち、無水ピロメリット酸36.6部を加え、120℃で2時間反応させ最後にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)386.7部を加えポリエステル系分散剤A溶液を得た。得られたポリエステル系分散剤A溶液の不揮発分は50%、ポリエステル系分散剤Aの重量平均分子量(Mw)は5,000、酸価は46、常温で白色ワックス状固体であった。
<製造例2(アクリル系分散剤A)>
ガス導入管、温度計、コンデンサ、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブチルメタクリレート100部とベンジルメタクリレート100部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3‐メルカプト‐1,2‐プロパンジオール12部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)242部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了しアクリル系分散剤Aを得た。室温まで冷却後、固形分濃度を50%に調節し、アクリル系分散剤A溶液を得た。アクリル系分散剤Aの重量平均分子量(Mw)は8,500、酸価は40であった。
<製造例3(アクリル系分散剤B)>
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)60部を仕込み110℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下槽から、メタクリル酸30部、n−ブチルメタクリレート20部、メチルメタクリレート15部、ベンジルメタクリレート30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部、溶剤(PGMAc)40部、及びジメチル−2,2’−アゾビスジイソブチレート6部を予め均一に混合した混合液を2時間かけて滴下し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続け、反応を終了した。このようにして、数平均分子量が4,000であり、一分子中の水酸基の平均個数1.5個であるビニル系樹脂中間体(MB1)を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、ビニル系樹脂中間体(MB1)を固形分で100部、ピロメリット酸二無水物2.9部、及びジメチルベンジルアミン0.1部を仕込み、100℃で6時間反応させた。このようにして、一分子あたりのピロメリット酸の平均個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G11)の平均個数)が0.8個であるアクリル系分散剤Bを得た。室温まで冷却後、固形分濃度を50%に調節し、アクリル系分散剤B溶液を得た。アクリル系分散剤Bの重量平均分子量(Mw)は17,000、酸価は78であった。
<製造例4(アクリル系分散剤C)>
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、アクリル系分散剤Bを製造する際に用いたビニル系樹脂中間体(MB1)を固形分で100部、3,3‘,4,4’ビフェニルテトラカルボン酸無水物5.9部、及びジメチルベンジルアミン0.1部を仕込み、100℃で6時間反応させた。このようにして、一分子あたりのピロメリット酸の平均個数(すなわち、カルボキシル基含有単位(G11)の平均個数)が0.8個であるアクリル系分散剤Cを得た。室温まで冷却後、固形分濃度を50%に調節し、アクリル系分散剤C溶液を得た。アクリル系分散剤Cの重量平均分子量(Mw)は14,000、酸価は70であった。
<製造例5(アクリル樹脂A)>
反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記モノマー及び熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
メタクリル酸 20.0部
メチルメタクリレート 10.0部
n−ブチルメタクリレート 35.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15.0部
2、2'−アゾビスイソブチロニトリル 4.0部
パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート 20.0部
滴下終了後、更に80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、更に80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂Aの溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量(GPC測定)は、約40000であった。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が30%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して、アクリル樹脂A溶液を調製した。400〜700nmにおける、アクリル樹脂Aの乾燥膜厚1.7μmの塗膜の透過率は、98%だった。
[その他添加剤]
エチレン性不飽和化合物(c):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
多官能チオール(g):トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)
レベリング剤:アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン(ビックケミー社製BYK−323)1%シクロヘキサノン溶液
溶剤:PGMAc(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
シクロヘキサノン
[遮蔽用有機顔料(e)の吸光度OD測定]
遮蔽用有機顔料、顔料誘導体、アクリル樹脂溶液(不揮発分30%)を表1の組成になるように混合し、直径0.8mmのガラスビーズを用いペイントシェーカーにて2時間分散することにより、遮蔽用有機顔料分散体を得た後、スピンコート法により10cm×10cmのガラス基板に塗工した後、110℃で15分の乾燥により乾燥膜厚約1.7μmの塗膜を作成した。このようにして得られた感光性黒色組成物塗工基板を、日立製作所製分光光度計「U−4100」での吸収スペクトル測定により、波長365nm、500nm、550nm、及び600nmにおける光学濃度(OD) D365、D500、D550、及びD600を測定した。
Figure 2010235739
[実施例1]
カーボンブラックA90部、有機顔料A10部、顔料誘導体A4.5部、顔料誘導体B0.5部、ポリエステル系分散剤A溶液8部(固形分4部)、アクリル樹脂A溶液53.3部(固形分16部)、シクロヘキサノン146.2部をミキサーに入れて均一に撹拌し、更にサンドミルに入れて分散を行った後、更にシクロヘキサノン312.5部を混合し、カーボンブラック/有機顔料分散液を得た。得られた分散液625部にアクリル樹脂A溶液80部(固形分24部)、光重合開始剤A10部、エチレン性不飽和化合物18部、レベリング剤1%溶液5部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)22.7部、シクロヘキサノン109.35部を加え混合した。ゴミや粗大物をフィルタ濾過し、感光性黒色組成物を得た。
[実施例2〜18、比較例1〜4]
実施例1と同様にして、表2〜5の組成表内の実施例2〜18、比較例1〜4の組成になるように分散、調液を行い感光性黒色組成物を得た。なお、表2〜5の組成表は固形分組成を示している。
Figure 2010235739
Figure 2010235739
Figure 2010235739
Figure 2010235739
[感光性黒色組成物の評価]
実施例1〜18及び比較例1〜4で得られた感光性黒色組成物について、感度、現像速度、遮光性(単位膜厚当たりのOD)、表面抵抗値、ブラックマトリックスのパターン形状を下記の方法で評価した。得られた結果を表6〜9に示す。
[粘度]
動的粘弾性測定装置により、ずり速度100(1/s)の粘度(η:mPa・s)を測定した。
[感度]
感光性黒色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板に塗工した後、70℃で15分の乾燥により乾燥膜厚約1μmの塗膜を作成し、膜厚を測定した。その後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して各種露光量(mJ/cm2)の紫外線を露光した。炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像した後、イオン交換水で洗浄することで未露光部分を取り除いた。現像・水洗後の露光部分の膜厚を測定し、現像前の膜厚に対し95%以上の膜厚が得られる最小露光量(mJ/cm2)を感度とした。なお、フォトマスクには10μmのマスクパターンを使用し、ストライプ状のブラックマトリックスパターンを形成した。
[現像速度]
感光性黒色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板に塗工した後、70℃で15分の乾燥により乾燥膜厚約1μmの塗膜を作成し、膜厚を測定した。このものを、炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像し、感光性黒色組成物が消失する時間を測定した。測定時間を測定膜厚で除し、単位膜厚当たりの時間(秒/μm)を現像速度とした。
[遮光性(光学濃度(OD))]
感光性黒色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板に塗工した後、70℃で15分の乾燥により乾燥膜厚約1μmの塗膜を作成した。その後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに100mJ/cm2の紫外線を露光した。その後230℃で1時間加熱した後、膜厚を測定した。このようにして得られた感光性黒色組成物塗工基板の光学濃度(OD)を、マクベス濃度計(GRETAGD200−II)により測定し、測定光学濃度(OD)を測定膜厚で除し、単位膜厚当たりの光学濃度(OD/μm)を求めた。
[表面抵抗値]
感光性黒色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板に塗工した後、70℃で15分の乾燥により乾燥膜厚約1μmの塗膜を作成した。その後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに100mJ/cm2の紫外線を露光した。その後230℃で1時間加熱した。このようにして得られた感光性黒色組成物塗工基板の表面抵抗値を、デジタル超高抵抗/微少電流計R8340A(アドバンテスト製)にて行った。
[形状(直線性)]
ブラックマトリックスのパターン形状の評価は、[感度]評価と同様の方法において露光量80mJ/cm2でストライプ状のブラックマトリックスパターンを形成し、作成されたストライプ状のブラックマトリックスのパターン形状を、光学顕微鏡あるいは電子線走査顕微鏡で観察し、直線性を観察した。
直線部分に欠けやギザギザが見られない場合には直線性○、直線部分の一部にギザギザあるいは欠けが見られる場合は直線性△、直線部分の全体にわたってギザギザあるいは欠けが多数見られる場合は直線性×として評価した。
Figure 2010235739
Figure 2010235739
Figure 2010235739
Figure 2010235739
表6〜9より明らかなとおり、本発明の実施例1〜18で得られた感光性黒色組成物は、感度、現像速度、遮光性、表面抵抗値、形状のいずれも、比較例1〜4で得られた感光性黒色組成物よりも優れている。

Claims (11)

  1. カーボンブラック(a)、光重合開始剤(b)、エチレン性不飽和化合物(c)、分散樹脂(d)、及び下記三つの条件式を満たす遮蔽用有機顔料(e)を含むことを特徴とする感光性黒色組成物。
    500/D365≧1
    550/D365≧1
    600/D365≧1
    (D500は、遮蔽用有機顔料(e)と400〜700nmにおける透過率が95%以上の透明樹脂との重量比が60/40の有機溶剤分散液を、乾燥後膜厚が1.7μmになるように塗工・乾燥した塗膜の波長500nmにおける光学濃度であり、
    550は、遮蔽用有機顔料(e)と400〜700nmにおける透過率が95%以上の透明樹脂との重量比が60/40の有機溶剤分散液を、乾燥後膜厚が1.7μmになるように塗工・乾燥した塗膜の波長550nmにおける光学濃度であり、
    600は、遮蔽用有機顔料(e)と400〜700nmにおける透過率が95%以上の透明樹脂との重量比が60/40の有機溶剤分散液を、乾燥後膜厚が1.7μmになるように塗工・乾燥した塗膜の波長600nmにおける光学濃度であり、
    365は、遮蔽用有機顔料(e)と400〜700nmにおける透過率が95%以上の透明樹脂との重量比が60/40の有機溶剤分散液を、乾燥後膜厚が1.7μmになるように塗工・乾燥した塗膜の波長365nmにおける光学濃度である。)
  2. 遮蔽用有機顔料(e)が、紫色顔料(e−1)であることを特徴とする請求項1記載の感光性黒色組成物。
  3. 紫色顔料(e−1)が、C.I.ピグメントバイオレット23であることを特徴とする請求項2記載の感光性黒色組成物。
  4. カーボンブラック(a)と遮蔽用有機顔料(e)との重量比が、90/10〜50/50であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の感光性黒色組成物。
  5. 分散樹脂(d)が、一般式(1)で示される分散樹脂(d−1)、及び一般式(2)で示される分散樹脂(d−2)からなる群から選ばれる1種類以上の分散樹脂であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の感光性黒色組成物。
    一般式(1):
    Figure 2010235739
    〔一般式(1)中、
    11〜A14のうちの2つが、−COOHであり、他の2つが、ビニル結合、エステル結合、エーテル結合、及びウレタン結合から選ばれる結合を有する重合体残基である組合せであるか、又は、A11〜A14のうちの2つが、−COOHであり、他の1つが、水素原子若しくは−COOR1(但し、R1は、炭素原子数1〜18のアルキル基である。)であり、他の1つがビニル結合、エステル結合、エーテル結合、及びウレタン結合からなる群から選ばれる結合を有する重合体残基である組合せであり、
    1は、1又は2の整数である。〕
    一般式(2):
    Figure 2010235739
    〔一般式(2)中、
    21〜A24のうちの2つが、−COOHであり、他の2つが、ビニル結合、エステル結合、エーテル結合、及びウレタン結合から選ばれる結合を有する重合体残基である組合せであるか、又は、A21〜A24のうちの2つが、−COOHであり、他の1つが、水素原子若しくは−COOR22(但し、R52は、炭素原子数1〜18のアルキル基である。)であり、他の1つがビニル結合、エステル結合、エーテル結合、及びウレタン結合からなる群から選ばれる結合を有する重合体残基である組合せであり、
    21は、直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF32−、一般式(3)で表される基、又は一般式(4)で表される基である。]
    一般式(3):
    Figure 2010235739
    一般式(4):
    Figure 2010235739
  6. カーボンブラック(a)が、平均一次粒子径15〜40nm、比表面積70〜180m2 / g、および吸油量100cm3 /100g以下のカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の感光性黒色組成物。
  7. 光重合開始剤(b)が、アセトフェノン系光重合開始剤、オキシム系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤、及びボレート系光重合開始剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の光重合開始剤であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の感光性黒色組成物。
  8. 更に、色素誘導体(f)を含むことを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の感光性黒色組成物。
  9. 色素誘導体(f)が、下記一般式(5)で示される化合物である請求項8記載の感光性黒色組成物。
    一般式(5):
    Figure 2010235739
    〔一般式(5)中、
    5は、有機色素残基であり、
    5は、直接結合、−CO−NH−Y52−、−SO2−NH−Y52−、又は−CH2−NH−CO−CH2−NH−Y52−であり、
    52 は、置換基を有してもよいアルキレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
    51は、−NH−、又は−O−であり、
    5は、n5が1である場合には、水酸基、アルコキシ基、下記一般式(6)で示される置換基、又は−NH−X−Qであり、Q、及びXは、前記のとおりであり、nが2〜4の整数である場合には、水酸基、アルコキシ基、又は下記一般式(6)で示される置換基であり、
    51、及びR52は、それぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基であり、R51とR52 とが互いに結合して少なくとも窒素原子を含むヘテロ環を形成してもよく、
    5は、1〜6の整数であり、
    5は、1〜4の整数である。
    一般式(6):
    Figure 2010235739
    (一般式(6)中、
    6は、−NH−、又は−O−であり、
    61 、R62、及びm6は、それぞれR51、R52、m5と同様である。)〕
  10. 更に、多官能チオール(g)を含むことを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の感光性黒色組成物。
  11. 透明基板上に、請求項1〜10いずれか記載の感光性黒色組成物を用いて形成されたブラックマトリックスを備えることを特徴とするカラーフィルタ。
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