JP2015064564A - 感放射線性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法、ならびに、固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
Description
このようなカラーフィルタが有する白(透明)画素(以下、適宜「白色フィルタ画素」と称する。)に関しては、オキシム系光重合開始剤と、紫外線吸収剤と、芳香環を有するモノマーまたは水素結合を有するモノマーなどの特定のモノマーとを含有する感光性樹脂組成物を適用する技術が提案されている。
また、固体撮像素子に適用でき、二酸化チタン粒子、特定構造のグラフト共重合体、重合性化合物、重合開始剤、および溶媒を含む感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献1を参照)。
また、カラーフィルタ用感光性透明組成物として、光重合開始剤、重合性化合物、およびアルカリ可溶性樹脂を含有する、固体撮像素子のカラーフィルタ用感光性透明組成物であって、感光性透明組成物から得られる硬化膜の波長633nmの光に対する屈折率が1.60〜1.90である感光性透明組成物が提案されている(特許文献2を参照)。
また、感放射線性組成物として、二酸化チタン粒子、オリゴイミン系樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、および有機溶剤を含む感光性樹脂組成物が提案されているが提案されている(特許文献3を参照)。
本発明はかかる課題を解決するものであって、可視光域での透過率が高く、耐熱性および露光ラチチュードが良好な感放射線性組成物を提供することを目的とする。
具体的には、以下の手段<1>により、好ましくは、<2>〜<14>により、上記課題は解決された。
<1>屈折率が1.80〜2.80の粒子、重合性化合物、オキシム系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤および有機溶剤を含み、
オキシム系光重合開始剤とα−アミノケトン系光重合開始剤との質量比が1:1.5〜1:4である、感放射線性組成物。
<2>オキシム系光重合開始剤が下記一般式(I)で表される、<1>に記載の感放射線性組成物。
一般式(I)
<3>オキシム系光重合開始剤が下記一般式(I−1)で表される、<1>または<2>に記載の感放射線性組成物。
一般式(I−1)
<4>α−アミノケトン系光重合開始剤が下記一般式(II−1)で表される、<1>〜<3>のいずれかに記載の感放射線性組成物。
一般式(II−1)
<5>さらに、紫外線吸収剤を感放射線性組成物の全固形分に対して1〜8質量%含有する、<1>〜<4>のいずれかに記載の感放射線性組成物。
<6>紫外線吸収剤がアミノブタジエン骨格を有する、<5>に記載の感放射線性組成物。
<7>屈折率が1.80〜2.80の粒子が二酸化チタン粒子である、<1>〜<6>のいずれかに記載の感放射線性組成物。
<8>重合性化合物が、(メタ)アクリレートである、<1>〜<7>のいずれかに記載の感放射線性組成物。
<9>酸価が40〜70mgKOH/gの分散剤を含有する、<1>〜<8>のいずれかに記載の感放射線性組成物。
<10>カラーフィルタの画素形成に用いられる<1>〜<9>のいずれかに記載の感放射線性組成物。
<11><1>〜<9>のいずれかに記載の感放射線性組成物を用いて得られたカラーフィルタ。
<12><1>〜<9>のいずれかに記載の感放射線性組成物を用いて支持体上に感放射線性組成物層を形成する工程と、パターン状の硬化膜を得るために、上記感放射線性組成物層を露光し、現像することによりパターンを形成する工程と、を含む、カラーフィルタの製造方法
<13><12>に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタ。<14><11>に記載のカラーフィルタ、または、<13>に記載のカラーフィルタを有する固体撮像素子。
また、本明細書中における「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線または放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
また、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
また、本明細書において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本明細書における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書において、重合性化合物とは、重合性官能基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性官能基とは、重合反応に関与する基を言う。
重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
本明細書において、化学式中のMeはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、Phはフェニル基をそれぞれ示す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本発明の感放射線性組成物は、屈折率1.80〜2.80の物質から構成される高屈折率粒子、重合性化合物、光重合開始剤および有機溶剤を含み、オキシム系光重合開始剤とα−アミノケトン系光重合開始剤との質量比が1:1.5〜1:4であることを特徴とする。
本発明の感放射線性組成物は、可視光域での透過率が高く、耐熱性および露光ラチチュードが良好である。このメカニズムは推定であるが、感放射線性組成物中のオキシム系光重合開始剤とα−アミノケトン系光重合開始剤との質量比を1:1.5〜1:4の範囲にすることにより、オキシム系光重合開始剤の使用量を相対的に少なくしても、重合性化合物の重合を開始させることができる。この結果として、オキシム系光重合開始剤の分解物を減少させることができるため、着色の原因となる副生成物を減らすことにより可視光域での透過率が高くでき、耐熱性も向上すると考えられる。
を形成した時、硬化膜の厚み方向に対する光透過率が、400nm〜700nmの波長領域全域に渡って85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましく、89%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることが特に好ましい。光透過率が、400nm〜700nmの波長領域全域に渡って85%以上であることは、カラーフィルタに含まれる白色フィルタ画素が、白色フィルタ画素として充分な機能を果たす観点から好ましい。
屈折率が1.80〜2.80の粒子(以下、高屈折率粒子ともいう。)は、その構成材料(物質)の屈折率が1.80以上であり、1.90以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましい。上限としては、3.0以下であり、2.9以下であることが好ましく、2.8以下であることがより好ましい。高屈折率粒子の屈折率を2.8以下とすることにより、硬化膜の透過率を変動量で特定の範囲内に保ちつつ、屈折率増加することができ好ましい。一方、その下限値を1.80以上にすることで、本発明の感放射線性組成物を用いてカラーフィルタを形成した場合に、導波路効果による他の画素との干渉を抑制、防止することができる。なお、高屈折率粒子の屈折率の測定方法は、特に断らない限り、透過型電子顕微鏡を用いて二酸化チタン粒子の投影面積をそれぞれ求め、対応する円相当径の算術平均値を求めた値とする。
高屈折率粒子の1次粒子の重量平均径は、150nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがさらに好ましく、80nm以下であることが特に好ましい。下限値は特にないが、1nm以上であることが実際的である。層中での高屈折率粒子の重量平均径は、200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましく、80nm以下であることが特に好ましい。下限は特にないが、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上がさらに好ましい。なお、高屈折率粒子の重量平均径については、特に断らない限り、粒子を含む混合液または分散液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで80倍に希釈し、得られた希釈液について動的光散乱法を用いて測定することにより得られる。この測定は、日機装株式会社製マイクロトラック(商品名)UPA−EX150を用いて行って得られた重量平均粒径のこととする。
高屈折率粒子の比表面積は、10m2/gから400m2/gであることが好ましく、20m2/gから200m2/gであることがより好ましく、30m2/gから150m2/gであることがさらに好ましい。
高屈折率粒子は二種類以上の表面処理を組み合わせて処理されていても構わない。金属酸化物粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状或いは不定形状であることが好ましい。二種類以上の金属酸化物粒子を高屈折率層および中屈折率層に併用してもよい。
商品名、石原産業(株)製)、MTシリーズ(MT-01、MT−05など)(テイカ(株)製、商品名)などが挙げられる。
高屈折率粒子の組成物中の含有量は、全固形分中で、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。上限としては、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、55質量%以下が特に好ましい。
アルキル基が置換基を有する場合、上記置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3がより好ましい。)メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
好ましいアルキル基として、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基が挙げられる。
一般式(1)および(2)中、R1、R2、R4、およびR5としては、水素原子が好ましく、R3およびR6としては、水素原子またはメチル基が、顔料表面への吸着効率の点からも最も好ましい。
好ましいアルキレン基として、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
アルキレン基が置換基を有する場合、上記置換基としては、例えば、ヒドロキシ基等が挙げられる。
2価の有機連結基としては、上記のアルキレン基の末端に、−C(=O)−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−から選ばれるヘテロ原子またはヘテロ原子を含む部分構造を有し、上記ヘテロ原子またはヘテロ原子を含む部分構造を介して、隣接した酸素原子と連結したものが、顔料への吸着性の点から好ましい。ここで、隣接した酸素原子とは、一般式(1)におけるL1、および一般式(2)におけるL2に対し、側鎖末端側で結合する酸素原子を意味する。
好ましいアルキル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、これらはさらに置換基を有していてもよい。
顔料に吸着し得る官能基を有する単量体としては、具体的には、酸性基を有するモノマー、有機色素構造或いは複素環構造を有するモノマー、塩基性窒素原子を有するモノマー、イオン性基を有するモノマーなどを挙げることができる。中でも、顔料への吸着力の点で、酸性基を有するモノマー、有機色素構造或いは複素環構造を有するモノマー、が好ましい。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、未露光部の現像除去性の観点から2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物が好ましい。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、および安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、およびマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、およびフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、およびイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、およびα−メチルスチレンなどが挙げられる。
0が好ましく、5,000〜30,000がより好ましい。
分散剤の含有量は、高屈折率粒子100質量部に対して、5〜60質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることがより好ましい。
分散剤は、本発明の組成物中に1種のみ含まれていても良いし、2種以上含まれていても良い。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の感放射線性組成物は、光重合開始剤として、オキシム系光重合開始剤およびα−アミノケトン系光重合開始剤を含み、オキシム系光重合開始剤とα−アミノケトン系光重合開始剤との質量比が1:1.5〜1:4である。オキシム系光重合開始剤に対するα−アミノケトン系光重合開始剤との質量比が1.5未満となると、相対的にオキシム系光重合開始剤の量が多くなり、オキシム系光重合開始剤に起因する分解物が発生しやすくなり、可視光域での透過率が低下してしまう。また、耐熱性および露光ラチチュードも劣る。
また、オキシム系光重合開始剤に対するα−アミノケトン系光重合開始剤の質量比が4を超えると、光重合開始剤中のオキシム系光重合開始剤の量が相対的に少なくなり、感度低下という問題が起こる。
オキシム系光重合開始剤とα−アミノケトン系光重合開始剤との質量比は、1:1.8〜1:1.35であることが好ましく、1:2.0〜1:3.0であることがより好ましい。このような範囲にすることにより、本発明の効果をより効果的に達成することができる。
本発明の感放射線性組成物の全固形分に対する光重合開始剤の合計含有量は、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1.0〜5質量%であることがさらに好ましい。
本発明で用いられるオキシム系光重合開始剤は、1種で使用しても、2種以上を併用して使用してもよい。
オキシム系光重合開始剤は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものが好ましく、360nm〜480nmの波長領域に吸収波長を有するものであることがより好ましく、365nmの吸光度が高いものが特に好ましい。
オキシム系光重合開始剤は、365nmまたは405nmにおけるモル吸光係数が、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。
オキシム系光重合開始剤のモル吸光係数は、公知の方法を用いて測定することができるが、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spctroph
otometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
アシル基としては、脂肪族、芳香族、および複素環のいずれでもよい。総炭素数2〜30のものが好ましく、総炭素数2〜20のものがより好ましく、総炭素数2〜16のものが特に好ましい。 アシル基が有していてもよい置換基は、例えば、アセチル基、n−プロパノイル基、i−プロパノイル基、メチルプロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ベンジルカルボニル基、フェノキシアセチル基、2−エチルヘキサノイル基、クロロアセチル基、ベンゾイル基、トルエンカルボニル基、パラメトキシベンゾイル基、2,5−ジブトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、ピリジルカルボニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基等が挙げられる。
アルキルオキシカルボニル基は、総炭素数が2〜30のものが好ましく、総炭素数2〜20のものがより好ましく、総炭素数2〜16のものが特に好ましい。このようなアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルブトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基は、総炭素数7〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素数7〜20のものがより好ましく、総炭素数7〜16のものが特に好ましい。
このようなアリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフトキシカルボニル基、パラメトキシフェノキシカルボニル基、2,5−ジエトキシフェノキシカルボニル基、パラクロロフェノキシカルボニル基、パラニトロフェノキシカルボニル基、パラシアノフェノキシカルボニル基が挙げられる。
上記アシル基、アルキルオキシカルボニル基およびアリールオキシカルボニル基は、さらに置換基を有してもよいが、無置換であることが好ましい。置換基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、およびハロゲン原子のいずれかが好ましい。
を形成していることが好ましい。R2が環を形成している場合、4、5、6、および7員環のいずれかが好ましく、5または6員環が好ましい。また、R2が環を形成している場合、Ar1と縮合環を形成していてもよい。また、Ar1と結合して形成される縮合環は、2つまたは3つの環が縮合した縮合環であることが好ましい。また、R2が環を形成している場合、ヘテロ環であることが好ましく、環構造中に、酸素原子および硫黄原子のいずれかを1〜3つ有することがより好ましく、酸素原子を1つ有することがさらに好ましい。
アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、およびアミノ基のいずれかを表す。m1が2以上であり、互いに連結して環を形成する場合は、それぞれ独立したR3同士で環を形成していることが好ましく、
それぞれ独立したR3同士で炭素数6〜12のアリール基を形成することがより好ましい。
一般式(I)中、Ar1は、アリーレン基またはアリーレン基と−C(=O)−との組み合わせからなる基を表す。アリーレン基の炭素数は、6〜24が好ましく、6〜12がより好ましい。特に、フェニレン基またはフェニレン基と−C(=O)−との組み合わせからなる基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。
一般式(I−1)
一般式(I−1)中、R5は、上述した一般式(I)中のR3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(I−1)中、m2は、上述した一般式(I)中のm1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(I−1)中、Aは、1つの環または2つの環が縮合した縮合環が、隣接するベンゼン環と縮合した構造を表し、それぞれの環は、4、5、6および7員環のいずれかを表す。それぞれの環は、5または6員環が好ましい。Aは、ヘテロ環であることが好ましく、環構造中に、酸素原子および硫黄原子のいずれかを1〜3つ有することがより好ましく、酸素原子を1つ有することがさらに好ましい。
一般式(I−2)
一般式(I−2)、(I−3)中、R5は、上述した一般式(I)中のR3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(I−2)、(I−3)中、m2は、上述した一般式(I)中のm1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(I−2)、(I−3)中、Xは、−CH2−、酸素原子および硫黄原子のいずれかを表し、
酸素原子が好ましい。
一般式(I−2)、(I−3)中、lは、1〜3の整数を表し、1が好ましい。
オキシム化合物の市販品としては、IRGACURE−OXE01(商品名:BASF社製)、IRGACURE−OXE02(商品名:BASF社製)、TRONLY TR−PBG−304、TRONLY TR−PBG−309、TRONLY TR−PBG−305(常州強力電子新材料有限公司社(CHANGZHOU TRONLY NEW ELECTRONIC MATERIALS CO.,LTD)製)、アデカアークルズNCI-831、アデカアークルズNCI-930(ADEKA社製)も好適に用いられる。
本発明で用いられるα−アミノケトン系光重合開始剤は、
α−アミノケトン系光重合開始剤は、1種で使用しても、2種以上を併用して使用してもよい。
α−アミノケトン系光重合開始剤は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものが好ましく、360nm〜480nmの波長領域に吸収波長を有するものであることがより好ましく、365nmおよび455nmの吸光度が高いものが特に好ましい。
α−アミノケトン系光重合開始剤は、365nmまたは405nmにおけるモル吸光係数が、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。
一般式(II)
一般式(II)中、X3およびX4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基または炭素数7〜9のフェニルアルキル基を表し、X3とX4が互いに結合して環を形成していてもよい。アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよい。アルキル基、アルケニル基およびフェニルアルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、OH基、炭素数1〜4のアルコキシ基、−CNまたは−COOR(Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す)が挙げられる。特に、−NX3X4は、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基またはモルホリノ基を表すことが好ましく、ジメチルアミノ基またはモルホリノ基であることがより好ましく、ジメチルアミノ基がさらに好ましい。
一般式(II)中、X5は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、ジメチルアミノ基またはモルホリノ基を表し、モルホリノ基であることが好ましい。
一般式(II−1)
一般式(II−1)中、R12は、一般式(II)中のX5と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(II−1)中、Ar2は、アリーレン基を表す。アリーレン基の炭素数は、6〜12が好ましく、6が好ましい。
一般式(II−1)中、X3およびX4は、上述した一般式(II)中のX3およびX4と同義であり、好ましい範囲も同様である。
α−アミノケトン系光重合開始剤として、具体的には、以下の化合物が例示できる。例えば、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジエチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−エチルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ブチルフェニル)−2−ジメチルアミノ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(IRGACURE 369)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォルニル)フェニル]−1−ブタノン(IRGACURE 379)などが挙げられる。
本発明の感放射線性組成物は、重合性化合物を含有する。ここで、重合性化合物は、活性種により重合を引き起こす化合物である。活性種として、ラジカル、酸、塩基などが挙げられる。
ラジカルが活性種である場合には、重合性化合物としては、通常、重合性基として末端エチレン性不飽和結合を有する化合物が使用される。
一方、活性種が、スルホン酸、リン酸、スルフィン酸、カルボン酸、硫酸、硫酸モノエステルなどの酸である場合、重合性化合物としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、テトラヒドロフラニル基などの環状エーテル基、または、ビニルベンゼン基を有する化合物が使用される。
また、活性種がアミノ化合物などの塩基である場合には、重合性化合物としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、テトラヒドロフラニル基などの環状エーテル基、または、ビニルベンゼン基を有する化合物が使用される。
重合性化合物は、好ましくは末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、より好ましくは2個以上有する化合物から選ばれることが好ましい。このような化合物群は上記産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの多量体などの化学的形態のいずれであってもよい。本発明における重合性化合物は一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜段落番号0108に記載されている化合物を、本発明においても好適に用いることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性化合物として、特開2010−160418、特開2010−129825、特許4364216等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性重合性基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能である。
そのような重合性化合物の例としては、下記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーも好適に用いることができる。なお、式中、Tがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がRに結合する。
一般式(MO−1)〜(MO−5)で表されるラジカル重合性モノマーの各々において、複数のRの内の少なくとも1つは、−OC(=O)CH=CH2、または、−OC(=O)C(CH3)=CH2で表される基を表す。
一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーの具体例としては、特開2007−269779号公報の段落番号0248〜段落番号0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入しても良い。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣る傾向となる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが好ましい。
一般式(i)中、アクリロイル基およびメタクリロイル基の合計は3個または4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
一般式(ii)中、アクリロイル基およびメタクリロイル基の合計は5個または6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
一般式(ii)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、一般式(i)または一般式(ii)中の−((CH2)yCH2O)−または((CH2)yCH(CH3)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化 薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
本発明の感放射線性組成物中における重合性化合物の含有量は、感放射線性組成物中の全固形分に対して0.1〜90質量%が好ましく、1.0〜80質量%がさらに好ましく、10質量%〜40質量%が特に好ましい。
本発明の感放射線性組成物は、重合性化合物の反応を促進させることなどを目的として、分子内に2個以上のメルカプト基を有する多官能チオール化合物を含んでいてもよい。多官能チオール化合物は、2級のアルカンチオール類であることが好ましく、特に下記一般式(I)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
多官能チオール化合物は、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、多官能チオールは安定性、臭気、解像性、現像性、密着性等の改良を目的として添加してもよい。
本発明の感放射線性組成物は、有機溶剤を含有する。
有機溶剤は、各成分の溶解性や感放射線性組成物の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はない。特に、後述するアルカリ可溶性樹脂を含有する場合であれば、その溶解性、
塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
有機溶剤を2種以上混合してなる混合溶剤としては、感放射線性組成物の冷蔵経時での沈殿析出物の発生を防止できる観点から、エーテル類とケトン類との混合溶剤が好ましい。エーテル類とケトン類との混合溶液として特に好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとシクロヘキサノンとで構成される混合溶剤である。
また、有機溶剤を2種以上混合してなる混合溶剤が、シクロヘキサノンを含有する場合、感放射線性組成物に含有される混合溶剤中におけるシクロヘキサノンの含有比率が、5〜90質量%が好ましく、10〜85質量%より好ましく、15〜80質量%がさらに好ましい。
本発明の感放射線性組成物は、紫外線吸収剤を含有することが好ましく、これにより、形成するパターンの形状をより優れた(精細な)ものにすることができる。
紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、トリアジン系の紫外線吸収剤を使用することができる。本発明では、特に、アミノブタジエン骨格を有する紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
サリシレート系紫外線吸収剤の例としては、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレートなどが挙げられ、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例としては、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−アミル−5'−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−イソブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−イソブチル−5'−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(1,1,3,3−テトラメチル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
本発明の感放射線性組成物が紫外線吸収剤を含む場合、紫外線吸収剤の含有量は、感放射線性組成物の全固形分に対して、0.001〜15質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがより好ましく、2〜6質量%であることがさらに好ましい。紫外線吸収剤の量をこのような範囲とすることにより、可視光域での透過率および耐熱性をより良好にすることができる。
本発明の感放射線性組成物は、さらにバインダーポリマーを含有してもよい。
バインダーポリマーとしては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
酸基としては、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基、活性メチレン基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水基等などが挙げられるが、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものが好ましく、カルボキシル基が特に好ましいものとして挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等、ビニル化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N-ビニルピロリドン、
テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマーとして、N―フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を挙げることができる。なお、これらの(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
一般式(ED)中、R1およびR2で表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。
式(X)
重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂としては、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有したアルカリ可溶性樹脂等が有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、ダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有 polyurethane acrylic oligomer. Diamond Shamrock Co.Ltd.,製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業株式会社製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)などが挙げられる。これら重合性基を含有するアルカリ可溶性樹脂としては、予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基および重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂、OH基を含むアクリル樹脂とイソシアネートと重合性基を有する化合物を反応させた樹脂、特開2002-229207号公報および特開2003-335814号公報に記載されるα位またはβ位にハロゲン原子或いはスルホネート基などの脱離基を有するエステル基を側鎖に有する樹脂に塩基性処理を行うことで得られる樹脂などが好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂としては、特開2007−277514号公報の段落0317〜0348に記載の高分子化合物C−1〜C−57を用いることもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、これらの高分子化合物C−1〜C−57は、上述した分散剤として用いてもよい。
また、アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、2,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がさらに好ましく、7,000〜20,000が最も好ましい。
本発明で用いられる化合物の分子量の測定方法は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定でき、GPCの測定によるポリスチレン換算値として定義される。例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cmを、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いることによって求めることができる。
本発明の組成物の製造中或いは保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の重合禁止剤を添加することが望ましい。重合禁止剤としては、公知の熱重合防止剤を用いることができ、具体的には、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、組成物の全固形分に対し約0.001〜約5質量%が好ましい。
本発明の組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
一般式(II)中、R01は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示し、複数存在するR01は互いに同じでも異なっていてもよい。pは0〜20の整数、qは0〜20の整数、rは0〜20の整数を示し、p、q、rは同時に0となることはない。bはこの構造単位の重合比を表す質量百分率を示し、0〜100の整数を示す。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表す。
一般式(I)または一般式(II)で表される化合物の詳細については、特開2010−032698号公報の段落0016〜0037を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1等が挙げられる。
界面活性剤の添加量は、組成物の全固形分質量に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、0.01%〜1.0質量%がより好ましい。
フィルタろ過に用いるフィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているフィルタであれば特に限定されることなく用いることができる。
上記フィルタの材質の例としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む);等が挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)が好ましい。
フィルタの孔径には特に限定はないが、例えば0.01〜20.0μm程度であり、好ましくは0.01〜5μm程度であり、さらに好ましくは0.01〜2.0μm程度である。
フィルタの孔径を上記範囲とすることにより、微細な粒子をより効果的に取り除くことができ、濁度をより低減することができる。
ここで、フィルタの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)または株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
フィルタろ過では、2種以上のフィルタを組み合わせて用いてもよい。
例えば、まず第1のフィルタを用いてろ過を行い、次に、第1のフィルタとは孔径が異なる第2のフィルタを用いてろ過を行うことができる。
その際、第1のフィルタでのフィルタリングおよび第2のフィルタでのフィルタリングは、それぞれ、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。
本発明のパターン形成方法、カラーフィルタおよびその製造方法について説明する。
本発明のパターンの形成方法は、既述の本発明の感放射線性組成物を支持体上に付与して塗布層(感放射線性組成物層)を形成し(以下、「感放射線性組成物層形成工程」ともいう)、塗布層を露光し(以下、「露光工程」ともいう)、現像することによりパターンを形成して(以下、「現像工程」ともいう)、パターン状の硬化膜を得ることを含む。
本発明のパターン形成方法は、固体撮像素子が備えるカラーフィルタが有する画素形成に好適に適用することができる。
本発明の固体撮像素子のカラーフィルタ(以下、固体撮像素子用カラーフィルタともいう)の製造方法は、既述の本発明の感放射線性組成物を塗布して塗布層(感放射線性組成物層)を形成し(以下、「感放射線性組成物層形成工程」ともいう)、塗布層を露光し(以下、「露光工程」ともいう)、現像することによりパターンを形成して、固体撮像素子のカラーフィルタにおける白色フィルタ画素としての硬化膜を得ることを含む。
即ち、本発明のカラーフィルタの製造方法(以下、本発明の製造方法とも称する。)は(感放射線性組成物層形成工程)、本発明の感放射線性組成物を基板上に付与して塗布層(感放射線性組成物層)を形成し、塗布層を露光し(露光工程)、現像することによりパターンを形成して(現像工程)、パターン状の硬化膜を得ることを含む。
本発明のカラーフィルタは上記製造方法により得られたものである。
本発明のカラーフィルタの具体的形態としては、例えば、透明パターン(白色フィルタ画素)と他の着色パターンとを組み合わせた多色のカラーフィルタの形態(例えば、透明パターン、赤色パターン、青色パターン、および緑色パターンを少なくとも有する4色以上のカラーフィルタ)が好適である。
以下、本発明のカラーフィルタを単に「カラーフィルタ」ということがある。
感放射線性組成物層形成工程では、基板上に、本発明の感放射線性組成物を用いて感放射線性組成物層を形成することが好ましい。
本工程に用いうる基板としては、例えば、基板(例えば、シリコン基板)上にCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)等の撮像素子(受光素子)が設けられた固体撮像素子用基板を用いることができる。
本発明における透明パターンは、固体撮像素子用基板の撮像素子形成面側(おもて面)に形成されてもよいし、撮像素子非形成面側(裏面)に形成されてもよい。固体撮像素子用基板における各撮像素子間や、固体撮像素子用基板の裏面には、遮光膜が設けられていてもよい。
また、基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
露光工程では、感放射線性組成物層形成工程において形成された感放射線性組成物層を、例えば、ステッパー等の露光装置を用い、所定のマスクパターンを有するマスクを介してパターン露光する。
露光に際して用いることができる放射線(光)としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を含むものを意味し、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく(特に好ましくはi線)用いられる。照射量(露光量)は30〜1500mJ/cm2が好ましく50〜1000mJ/cm2がより好ましく、80〜500mJ/cm2が最も好ましい。
次いでアルカリ現像処理を行うことにより、露光工程における光未照射部分の感放射線性組成物層がアルカリ水溶液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の撮像素子や回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は従来は20秒〜90秒であった。より残渣を除去するため、近年では120秒〜180秒実施する場合もある。さらには、より残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、さらに新たに現像液を供給する工程を数回繰り返す場合もある。
なお、現像液には無機アルカリを用いてもよく、無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウムなどが好ましい。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
上記のうち、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートおよびアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。
これら溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20である。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その比率が60/40であることが特に好ましい。なお、汚染物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には前掲の本組成物に関する界面活性剤を添加してもよい。
本発明の固体撮像素子用カラーフィルタは、CCD、CMOS等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCDやCMOS等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDまたはCMOSを構成する各画素の受光部と、集光するためのマイクロレンズと、の間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
また、着色パターン(着色画素)のサイズ(パターン幅)としては、2.5μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.7μm以下が特に好ましい。
本発明の固体撮像素子は、既述の本発明のカラーフィルタを備える。
本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明のカラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
さらに、上記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
(1)高屈折率粒子分散液1−1の調製
下記組成Aの混合液に対し、循環型分散装置(ビーズミル)として、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(商品名)を用いて、以下の条件で分散処理を行い、分散組成物として高屈折率粒子分散液1−1を得た。
<組成A>
・高屈折率粒子(二酸化チタン、ルチル型、屈折率:2.71、石原産業(株)製、商品名:TTO−51(C)):212.5部
・下記特定分散樹脂(A)(20%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と略称する。)溶液):286.9部
・PGMEA:350.6部
・ビーズ径:φ0.05mm
・ビーズ充填率:75体積%
・周速:8m/sec
・ポンプ供給量:10Kg/hour
・冷却水:水道水
・ビーズミル環状通路内容積:0.15L
・分散処理する混合液量:0.44kg
上記で得られた高屈折率粒子分散液1−1(分散組成物)を用いて、以下の組成となるように各成分を混合して感放射線性組成物を得た。
<感放射線性組成物の組成>
・上記で調製した高屈折率粒子分散液(分散組成物):全固形分中68.6質量%
・下記構造の重合性化合物(A)(東亜合成社製、商品名:M305):全固形分中21.3質量%
・オキシム系光重合開始剤(A)(下記構造のオキシム化合物、特開2007−316451号公報の合成例7の方法により合成した。):全固形分中0.4質量%
・α−アミノケトン系光重合開始剤(A)(下記構造の化合物、商品名:IRGACURE 369、BASF社製):全固形分中1.0質量%
・下記構造の樹脂(A)(20%PGMEA溶液):全固形分中4.5質量%
・下記構造の紫外線吸収剤(A):全固形分中4.0質量%
・重合禁止剤 (パラメトキシフェノール):全固形分中0.01質量%
・界面活性剤 (フッ素系界面活性剤、1%PGMEA溶液、下記合成例に示す方法で合成した。):全固形分中0.2質量%
・有機溶剤 (プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)とシクロヘキサノン(XAN)との混合溶剤(質量比58:42):感放射線性組成物の全固形分に対して28質量%
下記構造中、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表す。pは0〜20の整数、qは0〜20の整数、rは0〜20の整数を示し、p、q、rは同時に0となることはない。
上記にて得られた実施例および比較例の各感放射線性組成物を用いて、以下に示す評価を行った。
<分光評価>
上記で得られた実施例および比較例の各感放射線性組成物を、塗布後の膜厚が0.6μmになるように、ガラスウェハ上にスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で、100℃で2分間加熱した。さらに、ホットプレート上で200℃で8分間加熱し、感放射線性組成物層を形成した。この感放射線性組成物層が形成された基板に対して、分光光度計MCPD−3000(大塚電子(株)製)を用いて、分光透過率を測定した。結果を下記表に示す。
上記分光評価において、200℃で8分間加熱して得た感放射線性組成物層の分光透過率と、この感放射線性組成物層をホットプレート上で260℃で5分間加熱した後の分光透過率の変化率[(260℃で5分間加後/260℃で5分間加熱前)×100]を測定した。結果を下記表に示す。
判定基準
3:透過率の変動が±1.5%以内
2:透過率の変動が±1.5%超3%以内
1:透過率の変動が±3%超
上記で得られた実施例および比較例の各感放射線性組成物を、塗布後の膜厚が0.6μmになるように、下塗り層付きシリコンウェハ上にスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で、100℃で2分間加熱して感放射線性組成物層を得た。
次いで、得られた感放射線性組成物層に対し、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、1.1μm四方のベイヤーパターンを、マスクを介して露光(露光量300mJ/cm2)した。
次いで、露光後の感放射線性組成物層に対し、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗し、パターンを得た。
また、上記とは別に得た感放射線性組成物層に対し、上記露光量よりも200mJ/cm2高い露光量で露光した。次いで、上記と同様にして現像を行い、パターンを得た。
露光量300mJ/cm2の場合と、これよりも高い露光量で得られたパターンそれぞれについて、1画素内での線幅を、ウェハ内で任意の10点を測定して平均値を求めた。パターンの線幅は、測長SEM(商品名:S−7800H、(株)日立製作所製)を用いて観察した。そして、各パターンの線幅の平均値の差を求めた。結果を下記表に示す。
3:各パターンの線幅の差が±0.1μm以内
2:各パターンの線幅の差が±0.1μm超、0.2μm以内
1:各パターンの線幅の差が±0.2μm超
上記で得られた実施例および比較例の各感放射線性組成物を、塗布後の膜厚が0.6μmになるように、下塗り層付きシリコンウェハ上にスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で、100℃で2分間加熱して感放射線性組成物層を得た。
次いで、得られた感放射線性組成物層に対し、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、1.1μm四方のベイヤーパターンを、マスクを介して露光(露光量300mJ/cm2)した。
次いで、露光後の感放射線性組成物層に対し、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗し、パターンを得た。
得られたパターンの下地上に残る残渣の量を画像の2値化処理により評価した。結果を下記表に示す。
3:残渣量が下地全面積の1%未満
2:残渣量が下地全面積の1〜3%
1:残渣量が下地全面積の3%超
上記で得られた実施例および比較例の各感放射線性組成物を、塗布後の膜厚が0.6μmになるように、下塗り層付きシリコンウェハ上にスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で、100℃で2分間加熱して感放射線性組成物層を得た。
次いで、得られた感放射線性組成物層を、一定時間放置した後、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、1.1μm四方のベイヤーパターンを、マスクを介して露光(露光量300mJ/cm2)した。感放射線性組成物を用いた感放射線性組成物層の形成後、露光するまでに感放射線性組成物層を放置する時間(PCD(post coating delay)は、24時間とした。
次いで、露光後の感放射線性組成物層に対し、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗し、パターンを得た。
得られたパターンの歪を光学顕微鏡観察により評価した。結果を下記表に示す。
3:異物なし
2:わずかにパターン歪あり
1:全面パターン歪あり
上記で得られた実施例および比較例の各感放射線性組成物をシリコンウェハ上に、塗布後の膜厚が0.6μmになるように塗布し、その後ホットプレート上で、100℃で2分間加熱した。さらに、ホットプレート上で200℃で8分間加熱し、感放射線性組成物層を形成した。この感放射線性組成物層が形成された基板に対して、エリプソメトリー V
UV−VASE(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製)を用いて、屈折率を測定した。結果を下記表に示す。
上記評価から明らかなように、オキシム系光重合開始剤とα−アミノケトン系光重合開始剤との質量比が1:1.5〜1:4である実施例では、可視光域での透過率が高く、耐熱性および露光ラチチュードが良好であることがわかった。
特に、上記一般式(I)で表されるオキシム系光重合開始剤を用いた場合、本発明の効果がより良好であることがわかった。また、上記一般式(I−1)で表されるオキシム系光重合開始剤を用いた場合、本発明の効果がさらに良好であることがわかった。
また、上記一般式(II−1)で表されるα−アミノケトン系光重合開始剤を用いた場合、本発明の効果がより良好であることがわかった。
また、アミノブタジエン骨格を有する紫外線吸収剤を組成物中に含有させた場合、本発明の効果がより良好であることがわかった。
また、酸価が40〜70mgKOH/gの分散剤を組成物中に含有させた場合、パターン残差やパターン歪がより少なくなることがわかった。
一方、オキシム系光重合開始剤およびα−アミノケトン系光重合開始剤の少なくとも一方を含まない比較例、および、オキシム系光重合開始剤とα−アミノケトン系光重合開始剤との質量比が1:1.5〜1:4を満たさない比較例では、可視光域での透過率、耐熱性および露光ラチチュードの少なくともいずれかが良好でないことがわかった。
Claims (14)
- 屈折率が1.80〜2.80の粒子、重合性化合物、オキシム系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤および有機溶剤を含み、
前記オキシム系光重合開始剤と前記α−アミノケトン系光重合開始剤との質量比が1:1.5〜1:4である、感放射線性組成物。 - 前記オキシム系光重合開始剤が下記一般式(I)で表される、請求項1に記載の感放射線性組成物。
一般式(I)
- 前記オキシム系光重合開始剤が下記一般式(I−1)で表される、請求項1または2に記載の感放射線性組成物。
一般式(I−1)
- さらに、紫外線吸収剤を感放射線性組成物の全固形分に対して1〜8質量%含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- 前記紫外線吸収剤がアミノブタジエン骨格を有する、請求項5に記載の感放射線性組成物。
- 前記屈折率が1.80〜2.80の粒子が二酸化チタン粒子である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- 前記重合性化合物が、(メタ)アクリレートである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- 酸価が40〜70mgKOH/gの分散剤を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- カラーフィルタの画素形成に用いられる請求項1〜9のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の感放射線性組成物を用いて得られたカラーフィルタ。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の感放射線性組成物を用いて支持体上に感放射線性組成物層を形成する工程と、パターン状の硬化膜を得るために、前記感放射線性組成物層を露光し、次いで現像することによりパターンを形成する工程と、を含む、カラーフィルタの製造方法。
- 請求項12に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたカラーフィルタ。
- 請求項11に記載のカラーフィルタ、または、請求項13に記載のカラーフィルタを有する固体撮像素子。
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