JP2010115164A - 軟質化方法および軟質化植物性食材 - Google Patents

軟質化方法および軟質化植物性食材 Download PDF

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Abstract

【課題】植物性素材を、その形状を維持しつつ、確実に軟質化することができ、かつ植物性素材(食材)からの離水が抑制された軟質化方法、および、かかる軟質化方法により形状を維持した状態で軟質化され、かつ離水が抑制された、優れた食感を有する軟質化植物性食材を提供すること。
【解決手段】本発明の軟質化方法は、植物性素材を軟質化する方法であり、前記植物性素材を飽和蒸気圧下で加熱処理した後、酵素を含有し、前記加熱処理前の植物性素材の重量に対して10〜50wt%重量の酵素処理液で酵素処理することを特徴とする。また、前記酵素処理液は、さらに、二糖類を含有するのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、軟質化方法および軟質化植物性食材に関するものである。
例えば、高齢者や、何らかの疾患のため、硬い食物を噛めない・飲み込めない患者が多数存在する。これらの人々は、通常、複数の食品を混合した混合物を、磨り潰してペースト状や、液状にしたものを摂取している。
しかしながら、かかる場合、如何なる食品を食べているのかがはっきりせず、食欲も十分に出ず、その結果、体力を落とす等の弊害が生じやすい。したがって、食欲を増大させる観点からは、食材の軟らかさのみならず、その食材が元来有する食材自体の形状を維持していることも重要である。
これらの双方を満足する食品素材の軟質化方法として、例えば、特許文献1では、ペクチン分解酵素や、セルロース分解酵素等の酵素を用いて、食品の形状を保持した状態で、食品を軟らかくする軟質化方法が開示されている。
しかしながら、この特許文献1に記載の軟質化方法では、食品素材が元来有する食品自体の形状が維持されているものの、軟質化された食品からの離水が多く認められる。そのため、この離水により食品素材の風味や含有成分が漏出してしまい、美味しさを損なったり、栄養価を著しく低下させてしまうという問題がある。また、嚥下困難者がこの食品を食した際に、食品素材から離水した水分を誤嚥することに起因して肺炎を発症してしまうという問題がある。
特開2003−284522号公報
本発明の目的は、植物性素材を、その形状を維持しつつ、確実に軟質化することができ、かつ植物性素材からの離水が抑制された軟質化方法、および、かかる軟質化方法により形状を維持した状態で軟質化され、かつ離水が抑制された、優れた食感を有する軟質化植物性食材を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
(1) 植物性素材を軟質化する軟質化方法であって、
前記植物性素材を飽和蒸気圧下で加熱処理した後、酵素を含有し、前記加熱処理前の植物性素材の重量に対して10〜50wt%の重量の酵素処理液で酵素処理することを特徴とする軟質化方法。
(2) 前記酵素処理液中の前記酵素の含有量は、0.5〜30wt%である上記(1)に記載の軟質化方法。
(3) 前記加熱処理する時間は、1〜30分である上記(1)または(2)に記載の軟質化方法。
(4) さらに、前記酵素処理液は、二糖類を含有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の軟質化方法。
(5) 前記二糖類は、トレハロースである上記(4)に記載の軟質化方法。
(6) 前記加熱処理において、前記植物性素材を加熱する雰囲気の温度は、60〜120℃の範囲に設定される上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の軟質化方法。
(7) 前記酵素処理は、前記植物性素材に前記酵素処理液を含浸させた後、前記酵素を前記植物性素材の構成成分と反応させることにより行われる上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の軟質化方法。
(8) 前記酵素処理液の前記植物性素材への含浸は、減圧下で行われる上記(7)に記載の軟質化方法。
(9) 前記植物性素材は、葉茎菜類、果菜類、根菜類、豆類、イモ類または果実類である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の軟質化方法。
(10) 前記植物性素材は、軟質化前後において、ほぼ等しい形状をなしている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の軟質化方法。
(11) 植物性素材を、上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の軟質化方法により軟質化してなることを特徴とする軟質化植物性食材。
(12) 前記軟質化植物性食材は、「高齢者用食品の表示許可の取り扱いについて(衛新第15号、厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知、平成6年2月23日)」に記載の「高齢者用食品の試験方法」に準拠して測定した圧縮応力が1×10N/m以下である上記(11)に記載の軟質化植物性食材。
本発明によれば、植物性素材を、その形状を維持し、かつ植物性素材からの離水が少なく、風味や成分の漏出および離水した水分に起因する誤嚥が防止された状態で、確実に軟質化することができ、滑らかな食感を有する軟質化植物性食材が得られる。
さらに、酵素処理液中に、二糖類を含む構成とすることにより、特に、型崩れがなく離水の少ない軟質化植物性食材をより確実に得ることができる。
よって、このような軟質化植物性食材は、咀嚼や嚥下が困難な人が食するのに適する。
以下、本発明の軟質化方法および軟質化植物性食材を好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の軟質化方法は、植物性素材を軟質化する軟質化方法であり、前記植物性素材を飽和蒸気圧下で加熱処理した後、この植物性素材の加熱処理前の重量に対して10〜50wt%の重量の酵素を含有する酵素処理液で酵素処理することを特徴とする。
ここで、本発明が適用される、植物性素材としては、特に限定されず、例えば、ブロッコリー、ほうれん草、キャベツ、小松菜、白菜、レタス、タマネギのような葉茎菜類、ピーマン、キュウリ、カボチャ、ナス、トマトのような果菜類、ニンジン、ダイコン、レンコンのような根菜類、エンドウ、大豆、エダマメのような豆類、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモのようなイモ類およびリンゴ、桃、イチゴ、メロン、ブドウ、マンゴーのような果実類等が挙げられる。
本発明の軟質化方法をこれらの植物性素材の軟化に適用すれば、後に詳述するように、植物性素材を、その形状を維持し、かつ植物性素材からの離水が少なく、風味や成分の漏出および離水した水分に起因する誤嚥が防止された状態で、確実に軟質化することができ、滑らかな食感を有するものとすることができる。
本実施形態の軟質化方法は、[1]植物性素材を加熱処理する加熱処理工程と、[2]酵素を含有する酵素処理液で加熱処理した植物性素材を酵素処理する酵素処理工程と、[3]酵素を失活させる酵素失活処理工程と、[4]植物性素材を凍結させる凍結処理工程を有する。
かかる工程を経ることにより、植物性素材の構成成分(例えば、炭水化物等)の分子鎖を、植物性素材からの離水の発生を抑制しつつ、その全体にわたって均等に切断することにより低分子化し、結果として、食物素材の形状を維持した状態で、軟質化を行うことができる。
以下、各工程について詳述する。
[1]加熱処理工程
まず、植物性素材を加熱処理するのに先立って、必要に応じて、軟質化すべき植物性素材を前処理する。
この前処理としては、特に限定されず、軟質化する植物性素材の種類に応じて適宜選択され、例えば、ダイコンのような根菜類やジャガイモのようなイモ類を軟質化する場合、皮むきやへた取り等が挙げられ、ピーマン、カボチャのような果菜類を軟質化する場合、種取り等が挙げられる。
また、植物性素材の大きさによっては、適度な大きさに切断するようにしても良い。切断された植物性素材の大きさは、植物性素材の種類によっても若干異なるが、例えば、1辺が1〜15cm程度の大きさであるのが好ましく、2〜5cm程度の大きさであるのがより好ましい。かかる大きさの植物性素材を本発明の軟質化方法を適用すれば、植物性素材の形状を維持し、かつ植物性素材からの離水が少ない状態で、植物性素材をより確実に軟質化させることができる。
次に、前処理が施された植物性素材を飽和蒸気圧下で加熱処理する。
これにより、植物性素材中に含まれる水分の少なくとも一部が除去されて、次工程[2]の酵素処理工程において、酵素を含有する酵素処理液で植物性素材を酵素処理した際に、酵素処理液を植物性素材中に含浸(滲入)させることができ、植物性素材の軟質化をその全体に亘って均一に行うことができる。
飽和蒸気圧下での加熱処理により除去する水分の量は、特に限定されないが、植物性素材の初期重量(加熱処理前の重量)の10〜30wt%程度であるのが好ましく、15〜20wt%程度であるのがより好ましい。かかる範囲内の水分量を植物性素材から除去する構成とすることにより、植物性素材の形状および風味等を損なうことなく、次工程[2]において、酵素処理液を植物性素材の全体に亘ってより確実に含浸させることができる。
ここで、水蒸気(気相)と水(液相)とが平衡状態となり、同時に存在していることを飽和状態と言い、このときの圧力および温度が、それぞれ、飽和蒸気圧および飽和温度であり、飽和蒸気圧と飽和温度とは一意的な関係にあり、飽和蒸気圧をE[hPa]とし、飽和温度をt[℃]としたとき、下記式(1)の関係で表わされる。
E=6.11×10^{7.5×t/(237.3+t)} ・・・ 式(1)
この飽和蒸気圧において、蒸気の凝縮熱伝達率は、空気の熱伝達率と比較して飛躍的(約1,000倍程度)に高い。そのため、飽和蒸気圧下においては、通常の加熱条件である飽和蒸気圧を下回る条件、例えば、空気が混在した条件より、植物性素材への熱伝達が著しく向上され、素材中心部まで短時間に熱が伝達し平衡化する。
このような飽和蒸気圧下で、植物性素材を加熱処理することにより、最終的に得られる軟質化植物性食材の外表面に、焦げ目等による変質(変性)をともなうことなく、素材の中心部の温度の制御を容易かつ正確に行えるため、素材の中心部まで均等に加熱することができ、植物性素材中における水分の除去率をその全体に亘って均一なものとすることができる。
さらに、飽和蒸気圧下で加熱処理することにより、むらなく植物性素材全体が加熱・膨張するため、植物性素材の構成成分は、例えば、分子同士の絡み合いが解けたり、分子鎖が切断されることにより若干低分子化したり、各分子間の距離が大きくなり植物性素材内に空隙が形成されたりする。これにより、次工程[2]において、酵素処理液を植物性素材の全体に亘って確実に含浸させることができるようになり、酵素により、分子鎖の切断をより確実に行うこと、すなわち、植物性素材の軟質化をより確実に行うことができる。
また、植物性素材の加熱は、植物性素材の中心部の温度が50〜120℃程度の範囲となるように行うのが好ましく、90〜110℃程度の範囲となるように行うのがより好ましい。植物性素材の中心部の温度を前記範囲内となるように加熱処理することにより、植物性素材の外表面付近の温度が必要以上に高くなるのを防止して、ほぼ均一に加熱することができる。このため、後述する酵素処理工程[2]において、酵素で植物性素材を処理した際に、植物性素材の外表面が選択的に溶解、膨潤、変形等するのを確実に防止することができる。その結果、植物性素材は、軟質化前後において、ほぼ等しい形状(植物性素材そのものの形状)をより確実に維持することができる。
さらに、植物性素材の中心部の温度を前記範囲内に設定するには、加熱処理する時間によっても若干異なるが、加熱する温度(飽和温度)は、好ましくは60〜120℃程度、より好ましくは90〜115℃程度とされる。かかる範囲内に設定することにより、植物性素材の中心部の温度を前記範囲内に設定することができるとともに、植物性素材全体にわたってほぼ均一な温度を保つことができる。
なお、加熱処理する際の雰囲気の圧力は、加熱処理を飽和蒸気圧下で行うため、上記ように加熱温度(飽和温度)によって一意的に決まるが、200〜2,000hPa程度であるのが好ましく、700〜1,700hPa程度であるのがより好ましい。
また、植物性素材を加熱する時間は、加熱する温度によっても若干異なるため、特に限定されないが、前記温度範囲とする場合、1〜30分程度であるのが好ましく、10〜20分程度であるのがより好ましい。かかる時間で植物性素材を加熱することにより、植物性素材の中心部まで全体をより確実かつ均一に加熱して、水分を除去することができるとともに、酵素で植物性素材を処理した際に、植物性素材の外表面が溶解、膨潤、変形等するのをより確実に防止することができる。
[2]酵素処理工程
次に、前記工程[1]を経て、加熱処理された植物性素材を、酵素を含有する酵素処理液で酵素処理する。
これにより、酵素処理液中に含まれる酵素の作用により、植物性素材の構成成分を切断して、その低分子化を行うことができ、その結果、植物性素材が軟質化される。
ここで、本発明では、飽和蒸気圧下で加熱処理された植物性素材を、その素材の初期重量(加熱処理する前の植物性素材の重量)に対して10〜50wt%の重量、好ましくは10〜30wt%の重量の酵素処理液で酵素処理することに特徴を有する。
このように、植物性素材の初期重量に対して比較的少量の酵素処理液で植物性素材を酵素処理する構成とすることにより、加熱処理された植物性素材中に、余分な水分が吸収されることなく、植物性素材を酵素処理液で酵素処理することができる。その結果、得られる軟質化植物性食材は離水が少ないものとなる。そのため、離水に起因する、食材の風味や含有成分の漏出を確実に防止ることができる。さらに、嚥下困難者が離水の生じた食材を食すると、食品から離水した水分を誤嚥することに起因して、肺炎を発症してしまうという問題があるが、かかる問題点も好適に解消される。
また、本発明では、前述した加熱処理工程[1]において、植物性素材を飽和蒸気圧下で加熱することにより、加熱処理された植物性食品は、適度な水分量が除去され、かつ、その構成材料が低分子化されていたり、その内部に空隙が形成されていたりする。そのため、本工程[2]において、比較的少量の酵素処理液を用いて植物性素材を酵素処理したとしても、酵素処理液を植物性素材の全体に亘って確実に含浸させることができ、酵素による植物性素材の軟質化を均一に行うことができる。
酵素処理液中の酵素の含有量は、酵素処理液中に含まれる酵素の種類によっても若干異なり、特に限定されないが、好ましくは0.5〜30wt%程度に設定され、より好ましくは2〜10wt%程度に設定される。このように酵素が比較的高濃度に含まれる酵素処理液を用いることにより、植物性素材の初期重量に対して10〜50wt%の重量の酵素処理液を用いて植物性素材を酵素処理したときに、目的とする量の酵素を植物性素材中に確実に含浸させることができる。
酵素処理液中に含まれる酵素は、軟質化すべき植物性素材を構成する、ヘミセルロース、ペクチン、セルロース、デンプンのような炭水化物(多糖類)の種類およびその配合比によって適宜選択されるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、β−グルコシダーゼおよびラクターゼ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、酵素処理液中には、さらに二糖類が含まれているのが好ましい。二糖類は、分子中に水分を保持する保水性を有することから、このような二糖類が酵素処理液中に含まれる構成とすることにより、酵素処理液が含浸された植物性素材中から水分が漏出すること、すなわち植物性素材からの離水をより的確に抑制または防止することができる。
二糖類としては、トレハロース、ショ糖、麦芽糖、ラクトースおよびセロビオース等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも、特に、トレハロースであるのが好ましい。トレハロースは、二糖類の中でも、前述した保水性に特に優れるものであるため、酵素処理液中に含まれる二糖類として好適に用いられる。さらに、トレハロースは、炭水化物に対して優れた品質保持効果を発揮し、素材の風味等が損なわれるのを確実に防止することができるため、かかる観点からも、酵素処理液中に含まれる二糖類として好適に用いられる。
さらに、酵素処理液中には、これらの他に、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸のようなpH調整剤、フェルラ酸のような抗酸化剤、アルギニン、グルタミンのようなアミノ酸や、ビタミン類およびミネラル類が含まれていても良い。
以上のような酵素処理液を調製するのに用いる液体としては、例えば、水、および、エタノール等のアルコール類が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本工程において、植物性素材内に酵素を含浸(浸透)させる方法、すなわち、植物性素材に酵素処理液を供給する方法としては、特に限定されず、加熱処理された植物性素材に、酵素処理液を噴霧する方法(噴霧法)、酵素処理液を塗布する方法(塗布法)等が挙げられる。これらの中でも、噴霧法を用いるのが好ましい。噴霧法によれば、簡単な操作で、目的とする量の酵素処理液を植物性素材に均一に供給することができることから好ましい。
植物性素材内への酵素の含浸は、常圧下で行うようにしてもよいが、減圧下で行うのが好ましい。これにより、植物性素材内に形成されている空隙内、すなわち、植物性素材の内部にまで酵素をより確実に浸透させることができる。
減圧の際の圧力は、特に限定されないが、500〜20,000Pa程度であるのが好ましく、1,000〜3,000Pa程度であるのがより好ましい。
また、植物性素材内に酵素を含浸させる際の、酵素処理液の温度は、10〜50℃程度であるのが好ましく、15〜25℃程度であるのがより好ましい。
また、植物性素材内への酵素の含浸は、周囲の雰囲気を減圧することに代えて、または減圧するとともに、植物性素材の形状が崩れない程度で、振動(超音波振動)を付与しながら行うようにしてもよい。これにより、植物性素材の内部への酵素の含浸率を増大させることができる。
植物性素材に供給した酵素処理液を含浸させる時間は、植物性素材の種類によっても若干異なり、特に限定されないが、1〜60分間程度であるのが好ましく、5〜45分間程度であるのがより好ましい。
また、酵素反応を行う際の植物性素材の温度は、4〜15℃程度であるのが好ましく、5〜10℃程度であるのがより好ましい。
酵素反応を行う時間は、前記温度範囲とする場合、1〜36時間程度であるのが好ましく、5〜18時間程度であるのが好ましい。
以上説明したように、本発明では、前記工程[1]において、植物性素材を飽和蒸気圧下で加熱処理することにより、植物性素材の構成成分は、例えば、分子同士の絡み合いが解けたり、分子鎖が切断されることにより若干低分子化したり、各分子間の距離が大きくなり植物性素材内に空隙が形成されたりしている。このように加熱処理された植物性素材に対して、本工程[2]において、酵素処理することにより、酵素処理液を植物性素材の全体に亘って確実に含浸させることができるようになり、植物性素材を、その形状を維持しつつ、確実に軟質化することができる。
また、本工程[2]において、加熱処理された植物性素材を、植物性素材の初期重量に対して10〜50wt%の重量の酵素処理液で酵素処理する構成とすること、すなわち、植物性素材の初期重量に対して比較的少量の酵素処理液で植物性素材を酵素処理する構成とすることにより、加熱処理された植物性素材中に、余分な水分が吸収されることなく、植物性素材を酵素処理液で酵素処理することができる。その結果、植物性素材からの離水が的確に少量に抑制され、離水に起因する、風味や成分の漏出および誤嚥を確実に防止することができる。
[3]酵素失活処理工程
次に、軟質化後の植物性素材内の酵素を失活させる酵素失活処理を行う。
これにより、軟質化後の植物性素材(軟質化植物性食材)が、保存時等において、さらに酵素反応が進行して、例えば、食材の型崩れを起こすことや、食材の風味が劣化すること等を防止することができる。
この酵素失活処理としては、例えば、酵素処理された植物性素材を加熱する加熱処理、酵素処理された植物性素材に酸溶液を接触させる処理(酸溶液に浸漬する処理等)等が挙げられる。
[4]冷凍処理工程
次に、酵素が失活された植物性素材を冷凍保存するための冷凍処理を行う。
これにより、軟質化植物性食材を長期保存に適したものとすることができるとともに、所望の時に、冷凍された軟質化植物性食材を解凍して、その食材を食することができる。
軟質化された植物性素材の冷凍は、如何なる方法を用いて行ってもよいが、液体窒素や冷却したアルコール等を用いた急速冷凍(急速凍結)法や、急速冷凍装置(福島工業社製「ブラストフリーザー」等)を用いて行うのが好ましい。かかる方法を用いることにより、素材中における氷結晶の発生を的確に抑制または防止することができるため、この冷凍された素材を解凍した際に、形状が変化してしまったり、離水が生じるのをより効果的に防止することができる。
軟質化された植物性素材を急速冷凍する際の温度は、−20℃以下であるのが好ましく、−25〜−40℃程度であるのがより好ましい。これにより、植物性素材を冷凍する際に、植物性素材中に氷結晶が生成してしまう0〜−5℃の温度領域を比較的短時間(具体的には、15分以内)で通過させることができ、氷結晶の生成がより的確に抑制される。
軟質化された植物性素材を急速冷凍する時間は、20〜120分程度であるのが好ましく、30〜80分程度であるのがより好ましい。これにより、素材の全体に亘って、氷結晶の生成が抑制された状態で、均一に冷凍することができる。
以上の工程を経て、本発明の軟質化植物性食材が得られる。
このようにして得られた軟質化植物性食材は、このものを解凍した際に、軟質化前の植物性素材とほぼ等しい形状をなしている。すなわち、かかる軟質化植物性食材は、十分に軟質化されているうえに食感もよく、見た目も軟質化前の植物性素材の形状をほぼ維持している。このため、咀嚼や嚥下が困難な高齢者や患者に対して、食欲の増進を促すことが期待できる。また、植物性食材からの離水も的確に抑制されているため、離水が生じることに起因する、植物性食材の風味や含有成分の漏出を確実に防止することができ、さらに、嚥下困難者がこの植物性食材を食したとしても、離水した水分を誤嚥することに起因する肺炎の発症を確実に防止ることができる。
かかる軟質化植物性食材は、解凍したときすなわち冷凍されていない状態で、厚生労働省で規定の「高齢者用食品の試験方法」にしたがって測定した圧縮応力が好ましくは1×10N/m以下に、より好ましくは5×10N/m以下になっている。このような数値を満たすことにより、前述の高齢者や患者でも、確実に軟質化植物性食材を咀嚼し、飲み込むことが可能となる。
なお、本発明では、前記加熱処理工程[1]において、飽和蒸気圧下で、植物性素材を加熱処理することにより、植物性素材中における水分の除去率をその全体に亘って均一なものとして、最終的に得られる軟質化植物性食材を、十分に軟質化されているうえに食感もよく、見た目も軟質化前の植物性素材の形状をほぼ維持し得るものとしたが、前記加熱処理工程[1]において、飽和蒸気圧下となる蒸気圧と温度との組み合わせから若干外れる条件で植物性素材を加熱処理した場合においても、最終的に得られる軟質化植物性食材は、その特性が若干劣るものの、十分に軟質化されているうえに食感もよく、見た目も軟質化前の植物性素材の形状をほぼ維持したものとなるのは当然のことである。
以上、本発明の軟質化方法および軟質化植物性素材を実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明では、前記実施形態における工程[3]および工程[4]の少なくとも一方を省略してもよい。また、任意の工程が付加されていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.加熱処理の条件の検討
1−1.軟質化食材の製造
以下の実施例1Aおよび比較例1A〜4Aにおいて、植物性素材中に酵素を含浸させるために行う植物性素材の加熱処理、すなわち前処理の条件がそれぞれ異なる軟質化植物性食材を製造した。
(実施例1A)
<1>加熱処理工程
まず、生ダイコンを1辺が約3cmの立方体に切断し、このもの5個(平均重量約200g)を飽和蒸気圧調理器(三浦工業社製、「スチームマイスター CK−120V」)を用いて飽和蒸気圧下で加熱処理した。なお、飽和蒸気圧下における加熱処理の条件は、庫内温度120℃、ダイコンの中心部の温度95℃、加熱時間10分であった。
また、加熱処理後のダイコンの平均重量は、約164gであり、加熱処理によりダイコン中に含まれる水分が、ダイコンの初期重量(加熱処理前のダイコンの重量)に対して平均で約18wt%除去された。
<2>酵素処理工程
次に、ヘミセルラーゼ(天野エンザイム社製、「ヘミセルラーゼアマノ90」)をその含有量が5.0wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH5.0)に溶解して酵素処理液を調製した。
次に、この酵素処理液40g(ダイコンの初期重量に対して、20wt%の重量)を、減圧下(2,000Pa)で、加熱処理したダイコンに、噴霧法で供給した後、2分間放置することにより含浸(浸透)させた。
次に、雰囲気の圧力を大気圧下に復帰させた後、再度、減圧下(2,000Pa)に2分間放置する操作を5回繰り返すことにより、ダイコン内に酵素処理液をさらに含浸させた。
次に、酵素を含浸させたダイコンを、5℃の冷蔵室内に収納し、17時間放置した。これにより、ダイコンと酵素とを反応させた。
<3>酵素失活処理工程
次に、酵素反応処理終了後のダイコンを、70℃×40分間加熱して、酵素を失活させた。
<4>冷凍処理工程
次に、酵素失活処理終了後のダイコン(軟質化されたダイコン)を、急速冷凍装置(福島工業社製、「ブラストフリーザー QXF−006SF5」)を用いて、−35℃×60分間で急速冷凍させた。
以上のようにして、冷凍状態のダイコンの軟質化植物性食材を得た。
(比較例1A)
ダイコン中に酵素を含浸させるために行う前処理として、ダイコンを加熱処理するのに代えて、以下にしめすような凍結・解凍処理とした以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のダイコン食材を製造した。
<1>凍結・解凍処理工程
まず、生ダイコンを1辺が約3cmの立方体)に切断し、このもの5個(平均重量約200g)を、−20℃の冷凍室内に収納し、一晩(10時間)冷凍した後、これら冷凍したダイコンを冷凍室から取り出し、20℃(室温)で60分間放置することにより、解凍しながら、減圧下で酵素含浸した。
(比較例2A)
ダイコン中に酵素を含浸させるために行う前処理を省略した以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のダイコン食材を製造した。
(比較例3A)
ダイコン中に酵素を含浸させるために行う前処理として、ダイコンを以下に示すような条件で加熱処理したこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のダイコン食材を製造した。
<1>加熱処理工程
まず、生ダイコンを1辺が約3cmの立方体に切断し、このもの5個(平均重量約200g)についてスチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61」)を用いて、相対湿度90%RH、庫内温度98℃、ダイコンの中心部の温度92℃の条件で、10分間加熱した。なお、加熱処理後のダイコンの平均重量は、約194gであり、加熱処理によりダイコン中に含まれる水分が、ダイコンの初期重量に対して平均で約3wt%除去された。
(比較例4A)
ダイコン中に酵素を含浸させるために行う前処理として、ダイコンを以下に示すような条件で誘電加熱により加熱処理したこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のダイコン食材を製造した。
<1>加熱処理工程
まず、生ダイコンを1辺が約3cmの立方体に切断し、このもの5個(平均重量約200g)について電子レンジを用いて、出力600Wで2分間加熱した。なお、加熱処理後のダイコンの平均重量は、約197gであり、加熱処理によりダイコン中に含まれる水分が、ダイコンの初期重量に対して平均で約1.5wt%除去された。
1−2.評価
実施例1Aおよび比較例1A〜4Aの冷凍状態のダイコンの食材を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度90%RH、庫内温度70℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍された食材を以下に示す1−2−1〜1−2−4の各種項目について評価した。
1−2−1.かたさ(圧縮応力)
かたさ(圧縮応力)は、「高齢者用食品の表示許可の取り扱いについて(衛新第15号、厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知、平成6年2月23日)」中の高齢者用食品の試験方法を準拠して測定した。すなわち、レオメーター(山電株式会社製、「RE2-33005S」)を用いて、直径3mmのプランジャーを圧縮速度10mm/秒で、解凍したダイコン(軟質化植物性食材;試料)の上端から、厚さの70%まで押し込み、下端側の部分が30%残存するようにクリアランスを設定して、圧縮応力(N/m)を測定した。なお、ここで、クリアランスとは、最大に試料を圧縮した時のプランジャーの先端からゼロ点(すなわち、試料の下端)までの距離をいう。
また、測定温度は20±2℃とした。
そして、実施例1Aおよび各比較例の食材でそれぞれ測定された、5個の食材の測定結果の平均値を、以下の4段階の基準にしたがって評価した。
◎:5×10N/m以下
○:5×10N/m超、1×10N/m以下
△:1×10N/m超、5×10N/m以下
×:5×10N/m
1−2−2.形状保持
形状保持性は、実施例1Aおよび各比較例の食材外観および形状崩壊度合いについて、軟質化前のダイコン(植物性素材)と比較観察して、それぞれ、以下の4段階の基準にしたがって評価した。
◎:外観に変化は認められない
○:外観に僅かな変化は認められるものの、自然な形状の範囲内とみなすことができる
△:外観にやや変化は認められ、形状が明らかに崩壊している
×:外観に顕著な変化が認められ、形状がひどく崩壊している
1−2−3.離水率
実施例1Aおよび各比較例の解凍したダイコン(食材)について、それぞれ、このものを篩(網目サイズ;50メッシュ)の上に載置した後、30分間放置したときに、篩から落下した水分を離水量として測定し、求められた離水量の植物性食品(軟質化前のダイコン)に対する割合を、離水率として求めた。
1−2−4.風味
実施例1Aおよび各比較例の解凍したダイコン(食材)を食し、その際に感じられた風味を、それぞれ、以下の4段階の基準にしたがって評価した。
◎:軟質化前の植物性素材の風味とほとんど変化なし
○:軟質化前の植物性素材の風味に対して僅かな風味の変化あり
△:軟質化前の植物性素材の風味に対して明らかな風味の変化あり
×:完全に味が抜けてしまっている、もしくは変質している
これらの結果を表1に示す。
Figure 2010115164
表1から明らかなように、酵素処理液含浸のための前処理として、ダイコンを飽和蒸気圧下で加熱する加熱処理を用いた実施例1Aのダイコン(軟質化植物性食材)は、機械的に測定されたかたさ(圧縮応力)において十分な軟らかさを示し、かつ外観に変化は認められず、形状も自然な状態に維持されていた。さらに、軟質化されたダイコン(軟質化植物性食材)からの離水もほとんど認められず、このものを食した際の風味も軟質化前のダイコン(植物性素材)と僅かな変化しか認められなかった。
これに対して、酵素処理液含浸のための前処理として、ダイコンを凍結後、解凍する凍結・解凍処理を用いた比較例1Aのダイコンは、軟らかさは十分なものの、離水が多く、これに起因して、離水流出後に形状が崩壊し、さらに風味にも劣るものであった。
また、酵素処理液含浸のための前処理を省略したものや、前処理として飽和蒸気圧下での加熱とは異なる方法で加熱処理した比較例2A〜4Aのダイコンは、軟化しなかったり、軟化したとしてもその軟らかさが不十分なものであった。
2.酵素処理における酵素処理液量の検討
2−1.軟質化植物性食材の製造
以下の実施例1B〜3Bおよび比較例2B〜4Bにおいて、植物性素材中に酵素処理液を含浸させて、植物性素材の構成材料と酵素を反応させる酵素処理工程で、前記酵素処理液量がそれぞれ異なる軟質化植物性食材を製造した。また、比較例1Bにおいては、酵素処理工程が省略された軟質化植物性食材も製造した。
(実施例1B)
<1>加熱処理工程
まず、缶詰のリンゴ(明治屋製)を8等分に切断し、このもの5個(平均重量約25g)を飽和蒸気圧調理器(三浦工業社製、「スチームマイスターCK−120V」)を用いて飽和蒸気圧下で加熱処理した。なお、飽和蒸気圧下における加熱処理の条件は、庫内温度100℃、リンゴの中心部の温度95℃、加熱時間15分であった。
また、加熱処理後のリンゴの平均重量は、約20gであり、加熱処理によりリンゴ中に含まれる水分が、リンゴの初期重量に対して平均で約20wt%除去された。
<2>酵素処理工程
次に、ヘミセルラーゼ(天野エンザイム社製、「ヘミセルラーゼアマノ90」)をその含有量が5.0wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH5.0)に溶解して酵素処理液を調製した。
次に、この酵素処理液2.5g(リンゴの初期重量に対して、10wt%の重量)を、減圧下(4,000Pa)で、加熱処理したリンゴに、噴霧法で供給した後、2分間放置することにより含浸(浸透)させた。
次に、雰囲気の圧力を大気圧下に復帰させた後、再度減圧下(4,000Pa)に2分間放置する操作を5回繰り返すことにより、リンゴ内に酵素処理液をさらに含浸させた。
次に、酵素を含浸させたリンゴを、5℃の冷蔵室内に収納し、17時間放置した。これにより、リンゴと酵素とを反応させた。
<3>酵素失活処理工程
次に、酵素反応処理終了後のリンゴを、70℃×40分間加熱して、酵素を失活させた。
<4>冷凍処理工程
次に、酵素失活処理終了後のリンゴ(軟質化されたリンゴ)を、急速冷凍装置(福島工業社製、「ブラストフリーザー QXF−006SF5」)を用いて、−35℃×45分間で急速冷凍させた。
以上のようにして、冷凍状態のリンゴの軟質化植物性食材を得た。
(実施例2B)
前記酵素処理工程<2>において、加熱処理したリンゴに供給する酵素処理液の量を、7.5g(リンゴの初期重量に対して、30wt%の重量)としたこと以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のリンゴの軟質化植物性食材を製造した。
(実施例3B)
前記酵素処理工程<2>において、加熱処理したリンゴに供給する酵素処理液の量を、12.5g(リンゴの初期重量に対して、50wt%の重量)としたこと以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のリンゴの軟質化植物性食材を製造した。
(比較例1B)
加熱処理したリンゴに対する酵素処理液の供給を省略したこと、すなわち、前記酵素処理工程<2>および前記酵素失活処理工程<3>を省略した以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のリンゴ食材を製造した。
(比較例2B)
前記酵素処理工程<2>において、加熱処理したリンゴに供給する酵素処理液の量を、1.25g(リンゴの初期重量に対して、5wt%の重量)としたこと以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のリンゴ食材を製造した。
(比較例3B)
前記酵素処理工程<2>において、加熱処理したリンゴに供給する酵素処理液の量を、15.0g(リンゴの初期重量に対して、60wt%の重量)としたこと以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のリンゴ食材を製造した。
(比較例4B)
前記酵素処理工程<2>において、加熱処理したリンゴに供給する酵素処理液の量を、20.0g(リンゴの初期重量に対して、80wt%の重量)としたこと以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のリンゴ食材を製造した。
2−2.評価
実施例1B〜3Bおよび比較例1B〜4Bの冷凍状態となっているリンゴ食材を、それぞれ、室温(約23℃)に2時間放置して解凍した後、解凍された食材を、前述した実施例1Aおよび比較例1A〜4Aと同様にして前記1−2−1〜1−2−4の各種項目について評価した。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2010115164
表2から明らかなように、酵素処理工程<2>において、加熱処理したリンゴに供給する酵素処理液の量を、リンゴの初期重量に対して、10〜50wt%の重量とした実施例1B〜3Bのリンゴ(軟質化植物性食材)は、機械的に測定されたかたさ(圧縮応力)において十分な軟らかさを示し、かつ外観に変化はほとんど認められず、形状も自然な状態に保持されていた。さらに、軟質化されたリンゴ(軟質化植物性食材)からの離水も顕著には認められず、このものを食した際の風味も軟質化前のリンゴ(植物性素材)と明らかな変化は認められなかった。
これに対して、酵素処理工程<2>を省略して、酵素を添加せずに飽和蒸気圧下における加熱処理工程<1>のみを行った比較例1Bは、飽和蒸気圧調理により調理前より軟らかくはなったものの、そのかたさは5×10N/m以上で軟化不足であった。さらに、酵素処理工程<2>において、加熱処理したリンゴに供給する酵素処理液の量を、リンゴ初期重量に対して、10wt%未満、すなわち5wt%の重量とした比較例2Bのリンゴは、軟化したものの、そのかたさは1×10〜5×10N/mとなり、その軟らかさは不十分なものであった。
また、酵素処理液の量を、リンゴ初期重量に対して、50wt%を超えて60wt%さらには80wt%の重量とした比較例3Bおよび比較例4Bのリンゴは、軟らかさは十分なものの、離水が多く、これに起因して、離水後に形状が崩壊し、さらに風味にも劣るものであった。
3.酵素処理に用いる酵素処理液中の酵素含有量の検討
3−1.軟質化植物性食材の製造
以下の実施例1C〜6Cにおいて、植物性素材中に酵素処理液を含浸させて、植物性素材の構成材料と酵素を反応させる酵素処理工程で用いる、前記酵素処理液中の酵素含有量がそれぞれ異なる軟質化植物性食材を製造した。
(実施例1C)
前記実施例1Bに記載の酵素処理工程<2>において、酵素処理液として、ヘミセルラーゼ(天野エンザイム社製、「ヘミセルラーゼアマノ90」)の含有量が0.3wt%のものを用い、加熱処理したリンゴに供給する酵素処理液の量を、7.5g(リンゴの初期重量に対して、30wt%の重量)としたこと以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のリンゴの軟質化植物性食材を製造した。
(実施例2C)
前記酵素処理工程<2>において、酵素処理液として、ヘミセルラーゼの含有量が0.5wt%のものを用いたこと以外は、前記実施例1Cと同様にして、冷凍状態のリンゴの軟質化植物性食材を製造した。
(実施例3C)
前記酵素処理工程<2>において、酵素処理液として、ヘミセルラーゼの含有量が2.0wt%のものを用いたこと以外は、前記実施例1Cと同様にして、冷凍状態のリンゴの軟質化植物性食材を製造した。
(実施例4C)
前記酵素処理工程<2>において、酵素処理液として、ヘミセルラーゼの含有量が10.0wt%のものを用いたこと以外は、前記実施例1Cと同様にして、冷凍状態のリンゴの軟質化植物性食材を製造した。
(実施例5C)
前記酵素処理工程<2>において、酵素処理液として、ヘミセルラーゼの含有量が30.0wt%のものを用いたこと以外は、前記実施例1Cと同様にして、冷凍状態のリンゴの軟質化植物性食材を製造した。
(実施例6C)
前記酵素処理工程<2>において、酵素処理液として、ヘミセルラーゼの含有量が40.0wt%のものを用いたこと以外は、前記実施例1Cと同様にして、冷凍状態のリンゴの軟質化植物性食材を製造した。
(実施例7C)
前記酵素処理工程<2>において、酵素処理液として、さらに、含有量が25wt%のトレハロースを含有するものを用いたこと以外は、前記実施例6Cと同様にして、冷凍状態のリンゴの軟質化植物性食材を製造した。
3−2.評価
実施例1C〜7Cの冷凍状態となっているリンゴの軟質化植物性食材を、それぞれ、室温(約23℃)に2時間放置して解凍した後、解凍された食材を、前述した実施例1Aおよび比較例1B〜4Bと同様にして前記1−2−1〜1−2−4の各種項目について評価した。
これらの結果を表3に示す。
Figure 2010115164
表3から明らかなように、実施例1C〜7Cのリンゴ(軟質化植物性食材)は、いずれも、機械的に測定されたかたさ(圧縮応力)において十分な軟らかさを示し、かつ外観に変化が認められず、形状も自然な状態に保持されていた。さらに、軟質化されたリンゴ(軟質化植物性食材)からの離水も適度に抑制され、このものを食した際の風味も軟質化前のリンゴ(植物性素材)と僅かな変化が認められる程度であった。
また、実施例2C〜5Cに示すように、酵素処理液中に含まれる酵素の含有量を、0.5〜30wt%、より好ましくは2〜10wt%とすることにより、各種評価項目が優れたものとなる結果を示した。
なお、実施例7Cのように酵素処理液中にトレハロースを含有するもので酵素処理する構成とすることにより、実施例6Cのようにトレハロースを含有しない酵素処理液で酵素処理する場合と比較して、風味がより向上する結果が得られた。
4.各種植物性素材での検討
4−1.軟質化食材の製造
以下の実施例1D〜23Dにおいて、軟質化する植物性素材の種類がそれぞれ異なる軟質化植物性食材を製造した。
(実施例1D)
<1>加熱処理工程
まず、約2cmの輪切りにした生ダイコンを皮むきおよびへた取りした後に水中に浸漬することによりあく抜きをした。
次に、このあく抜きをした輪切りの生ダイコン5個を飽和蒸気圧調理器(三浦工業社製、「スチームマイスターCK−120V」)を用いて飽和蒸気圧下で加熱処理した。なお、飽和蒸気圧下における加熱処理の条件は、庫内温度120℃、ダイコンの中心部の温度100℃、加熱時間10分であった。
<2>酵素処理工程
次に、ヘミセルラーゼ(天野エンザイム社製、「ヘミセルラーゼアマノ90」)およびトレハロースを、それぞれ、それらの含有量が5.0wt%および25wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH5.0)に溶解して酵素処理液を調製した。
次に、ダイコンの初期重量に対して20wt%の酵素処理液を、減圧下(1,000〜20,000Pa)で、加熱処理したダイコンに、噴霧法で供給した後、12分間放置することにより含浸(浸透)させた。
次に、酵素を含浸させたダイコンを、4℃の冷蔵室内に収納し、17時間放置した後、45℃の恒温室内に収納し、30分間放置することにより、ダイコンと酵素とを反応させた。
<3>酵素失活処理工程
次に、酵素反応処理終了後のダイコンを、70℃×40分間加熱して、酵素を失活させた。
<4>冷凍処理工程
次に、酵素失活処理終了後のダイコン(軟質化されたダイコン)を、急速冷凍装置(福島工業社製、「ブラストフリーザー QXF−006S5」)を用いて、−35℃×60分間で急速冷凍させた。
以上のようにして、冷凍状態のダイコンの軟質化植物性食材を得た。
(実施例2D〜23D)
軟質化すべき植物性素材の種類、植物性素材に施す加熱処理工程<1>〜冷凍処理工程<4>の各種条件を、それぞれ、表4−1〜表4−4に示すように変更した以外は、前記実施例1Dと同様にして、冷凍状態の軟質化植物性食材を製造した。
4−2.評価
実施例1D〜23Dの冷凍状態となっている各種軟質化植物性食材を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61」)を用いて、相対湿度90%RH、庫内温度70℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍された軟質化植物性食材を、前述した実施例1Aおよび比較例1B〜4Bと同様にして前記1−2−1〜1−2−4の各種項目について評価した。
これらの結果を表4−1〜表4−4に示す。
Figure 2010115164
Figure 2010115164
Figure 2010115164
Figure 2010115164
表4−1〜表4−4から明らかなように、葉茎菜類、果菜類、根菜類、豆類、イモ類または果実類等の植物性素材の種類に問わず、実施例1D〜23Dの各種軟質化植物性食材は、機械的に測定されたかたさ(圧縮応力)において十分な軟らかさを示し、かつ外観に変化が認められず、形状も自然な状態に保持されていた。さらに、軟質化された軟質化植物性食材からの離水もほとんど認められず、このものを食した際の風味も軟質化前の各植物性素材とほとんど変化が認められなかった。
なお、実施例1Dのように酵素処理液中にトレハロースを含有するもので酵素処理する構成とすることにより、実施例1Aのようにトレハロースを含有しない酵素処理液で酵素処理する場合と比較して、風味がより向上する結果が得られた。

Claims (12)

  1. 植物性素材を軟質化する軟質化方法であって、
    前記植物性素材を飽和蒸気圧下で加熱処理した後、酵素を含有し、前記加熱処理前の植物性素材の重量に対して10〜50wt%の重量の酵素処理液で酵素処理することを特徴とする軟質化方法。
  2. 前記酵素処理液中の前記酵素の含有量は、0.5〜30wt%である請求項1に記載の軟質化方法。
  3. 前記加熱処理する時間は、1〜30分である請求項1または2に記載の軟質化方法。
  4. さらに、前記酵素処理液は、二糖類を含有する請求項1ないし3のいずれかに記載の軟質化方法。
  5. 前記二糖類は、トレハロースである請求項4に記載の軟質化方法。
  6. 前記加熱処理において、前記植物性素材を加熱する雰囲気の温度は、60〜120℃の範囲に設定される請求項1ないし5のいずれかに記載の軟質化方法。
  7. 前記酵素処理は、前記植物性素材に前記酵素処理液を含浸させた後、前記酵素を前記植物性素材の構成成分と反応させることにより行われる請求項1ないし6のいずれかに記載の軟質化方法。
  8. 前記酵素処理液の前記植物性素材への含浸は、減圧下で行われる請求項7に記載の軟質化方法。
  9. 前記植物性素材は、葉茎菜類、果菜類、根菜類、豆類、イモ類または果実類である請求項1ないし8のいずれかに記載の軟質化方法。
  10. 前記植物性素材は、軟質化前後において、ほぼ等しい形状をなしている請求項1ないし9のいずれかに記載の軟質化方法。
  11. 植物性素材を、請求項1ないし10のいずれかに記載の軟質化方法により軟質化してなることを特徴とする軟質化植物性食材。
  12. 前記軟質化植物性食材は、「高齢者用食品の表示許可の取り扱いについて(衛新第15号、厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知、平成6年2月23日)」に記載の「高齢者用食品の試験方法」に準拠して測定した圧縮応力が1×10N/m以下である請求項11に記載の軟質化植物性食材。
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