JP2015149936A - 豆類の製造方法 - Google Patents

豆類の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015149936A
JP2015149936A JP2014026196A JP2014026196A JP2015149936A JP 2015149936 A JP2015149936 A JP 2015149936A JP 2014026196 A JP2014026196 A JP 2014026196A JP 2014026196 A JP2014026196 A JP 2014026196A JP 2015149936 A JP2015149936 A JP 2015149936A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
beans
enzyme
producing
acidic solution
softened
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014026196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6530889B2 (ja
Inventor
雅浩 林
Masahiro Hayashi
雅浩 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2014026196A priority Critical patent/JP6530889B2/ja
Publication of JP2015149936A publication Critical patent/JP2015149936A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6530889B2 publication Critical patent/JP6530889B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Beans For Foods Or Fodder (AREA)

Abstract

【課題】外皮の除去等の煩雑な工程を必要とせず、豆類本来の形状を維持しつつ、咀嚼・嚥下困難者が容易に摂取できる軟らかさを有する豆類を製造する方法を提供する。【解決手段】大豆、小豆、黒豆または金時豆から選ばれるいずれか一種以上である豆類をpH6以下の酸性溶液の存在下で加熱し、次いで酵素処理することで、豆類本来の形状を維持しつつ軟化する豆類の製造方法。酵素処理には、セルラーゼ活性、ヘミセルラーゼ活性、ペクチナーゼ活性のいずれか一種以上の活性を有する酵素を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、豆類の製造方法に関する。さらに詳しくは、豆類を酸性溶液の存在下で加熱し、次いで酵素処理する工程を含む豆類の製造方法に関する。
豆類は乾燥された状態で流通することが多く、その調理には、まず豆類を水等に浸漬して吸水させた後、さらに調味液で煮込む、蒸煮する等の処理が必要となる。しかし、このような処理のみでは、幼児、高齢者、術後患者等の咀嚼・嚥下困難者が容易に摂取できる軟らかさを有する豆類は提供できないという問題があった。
このような従来の方法に限らず、豆類の軟化を目的として様々な方法が開発されている。例えば、特許文献1では、納豆、味噌、醤油等の食品原料として、産地、種類、保存期間等が異なる大豆を使用する際に、いずれの大豆も十分に軟化されるように、尿素の0.05M以上の濃度の水溶液に大豆を浸漬した後、加圧蒸煮する方法が開示されている。
また、特許文献2では、グルコン酸のアルカリ金属塩を含有することを特徴とする豆類軟化剤が開示されており、煮豆や納豆、佃煮等の豆類の加工食品の製造において、この豆類軟化剤を添加した水中に豆類を一定時間浸漬して吸水させることが記載されている。
しかし、これらは軟化した豆類を一般的な加工食品に使用することを目的とするものであるため、これらの技術によって、咀嚼・嚥下困難者が容易に摂取できる軟らかさまで豆類を軟化させることは困難であった。
特許文献3では、咀嚼・嚥下能力の低下した人も摂食できる、介護食に相当する柔らかな大豆の提供を目的として、外皮(表皮)を剥皮し内皮(薄皮)を有する大豆としたものを、一定温度、一定圧力および一定時間で蒸煮する方法が開示されている。この製造方法では大豆の硬さを5,000〜500,000N/cmまで軟化することが可能であるが、外皮の剥皮を必須とするものであるため生産性が悪く、蒸煮後の大豆の形状等の外観が損なわれやすいという問題があった。
本発明者も特許文献4において、咀嚼・嚥下困難者が容易に摂食できる豆類として、圧縮応力が6.0×10N/cmまで軟化された豆類の製造方法を開示している。この方法は、1)豆類をセルラーゼ等の酵素を二種以上含む酵素含有溶液に浸漬した後、2)一定条件下で酵素反応させ、さらに3)加熱する、という1)〜3)の工程を経るものであるが、大豆等の豆類において、上記2)の工程の酵素反応後、外皮の除去をした後で上記3)の工程を行うことも挙げており、外皮を有する豆類をいずれもそのまま軟化できる簡便な方法とはいえなかった。
このように、従来開示されている技術では、外皮の除去等の煩雑な工程を必要とせず、豆類本来の形状を維持しつつ、咀嚼・嚥下困難者でも容易に摂取できる軟らかさを有する豆類を提供する方法が十分に得られているとはいえず、このような方法の提供が望まれている。
特開平7−177860号公報 国際公開第99/51113号パンフレット 特開2009−95305号公報 特許第5272072号
本発明は、外皮の除去等の煩雑な工程を必要とせず、豆類本来の形状を維持しつつ、咀嚼・嚥下困難者でも容易に摂取できる軟らかさを有する豆類を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、豆類を酸性溶液の存在下で加熱し、次いで酵素処理する工程を含み、かつ、豆類本来の形状を維持しつつ軟化することで、外皮の除去等の煩雑な工程を必要とせず、本発明の課題とする豆類が提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の豆類の製造方法では、豆類の内皮のみならず外皮までそのまま軟化することができるため、豆類本来の形状を維持しつつ、咀嚼・嚥下困難者でも容易に摂取できる豆類の提供が可能となる。
即ち、本発明は次の(1)〜(8)の豆類の製造方法、および該製造方法によって得られる軟化された豆類等に関する。
(1)豆類を酸性溶液の存在下で加熱し、次いで酵素処理する工程を含み、かつ、豆類本来の形状を維持しつつ軟化する豆類の製造方法。
(2)豆類が外皮を有するものである上記(1)に記載の豆類の製造方法。
(3)酸性溶液がpH6以下である上記(1)または(2)に記載の豆類の製造方法。
(4)100℃〜130℃で10分〜120分加熱する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の豆類の製造方法。
(5)セルラーゼ活性、ヘミセルラーゼ活性、ペクチナーゼ活性のいずれか一種以上の活性を有する酵素を用い、豆類に対して0.1%〜10%の濃度で酵素処理する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の豆類の製造方法。
(6)豆類が大豆、小豆、黒豆または金時豆から選ばれるいずれか一種以上である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の豆類の製造方法。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の豆類の製造方法によって得られる、かたさが6×10N/m以下の軟化された豆類。
(8)咀嚼・嚥下困難者用食品用である上記(7)に記載の軟化された豆類。
本発明の方法により、外皮の除去等の煩雑な工程を必要とせず、豆類本来の形状を維持しつつ、咀嚼・嚥下困難者でも容易に摂取できる軟らかさを有する豆類を提供することが容易となる。本発明によって得られる豆類は一般の加工食品に限らず、離乳食、介護食や病院食等の咀嚼・嚥下困難者用の食品等にも利用することができるため、これらの食品の製造を容易とできる。
本発明の「豆類の製造方法」は、「豆類を酸性溶液の存在下で加熱し、次いで酵素処理する工程を含み、かつ、豆類本来の形状を維持しつつ軟化する」工程を含むものである。
本発明の製造方法における「酸性溶液」とは、食品の加工に使用できる酸性の溶液であればいずれのものであっても良いが、pH7未満の酸性溶液であれば良く、pH0.1以上pH6以下の酸性溶液であることが好ましい。本発明の「豆類の製造方法」に使用できればpH3以下の酸性溶液であっても良く、pH2以下の酸性溶液であっても良い。このような酸性溶液として、例えば、クエン酸、リン酸、乳酸、酒石酸、塩酸、コハク酸、酢酸、グルコン酸またはリンゴ酸を一種以上含む水溶液等が挙げられる。
本発明の酸性溶液は、これらの酸性物質を5mM以上の濃度で含むことが好ましく、10mM以上の濃度で含むことがより好ましい。酸性溶液に含まれる酸性物質の濃度が濃ければ濃い程、豆類本来の形状を維持しつつ、咀嚼・嚥下困難者でも容易に摂取できる軟らかさを有する豆類の製造が容易となる。このような本発明の酸性溶液は、例えば酸性物質を10M以下の濃度で含んでいても良く、5M以下の濃度で含んでいても良い。
「豆類を酸性溶液の存在下で加熱」とは、上記のような酸性溶液を豆類に塗布、注入したり、豆類を酸性溶液に浸漬したり、浸漬後引き上げる等して、酸性溶液が存在する状態とした上で「加熱」することをいう。
「加熱」は本発明の「豆類の製造方法」において有効であれば、どのような機器を用いてもよく、どのような条件で行っても良い。例えば、飽和蒸気調理機により加熱する場合には、庫内温度100℃〜130℃で10分〜120分の条件で加熱することが好ましく、庫内温度120℃〜130℃で30分〜60分の条件で加熱することがさらに好ましい。
また「酵素処理する工程」とは、上記のように加熱した豆類に対し、酵素または酵素を含む溶液等を接触させて、酵素反応や酵素失活処理を行うことをいう。
この工程に使用する酵素は、食品の加工に使用できる酵素であればいずれのものであっても良いが、特にセルラーゼ活性、ヘミセルラーゼ活性、またはペクチナーゼ活性のいずれか一種以上の活性を有する酵素であることが好ましく、これらの活性を二種以上有する酵素であっても良い。このような酵素として、市販の酵素製剤を使用することもできる。また、酵素を含む溶液は、これらの活性を有する酵素を水等の溶媒に溶解したものを使用することができる。
酵素は加熱した豆類に対して0.1%〜10%の濃度で接触させ、酵素反応させることが好ましく、0.5%〜5%の濃度で接触させることが特に好ましい。
この接触は、加熱した豆類に酵素または酵素を含む溶液等を塗布、注入したり、加熱した豆類を酵素または酵素を含む溶液等に浸漬したり、浸漬後引き上げる等したりして行うことが好ましい。加熱した豆類は酸性溶液を塗布、注入等で加えている場合はそのまま、または水洗い等した上で酵素を接触させることができ、酸性溶液を浸漬または浸漬後引き上げる等により加えている場合は、酸性溶液を除いた上で、または酸性溶液を除いた後水洗い等した上で酵素を接触させることができる。
「酵素処理する工程」は本発明の「豆類の製造方法」において有効であれば、どのような機器を用いてもよく、どのような条件で行っても良い。例えば、スチームコンベクションにより酵素処理する場合は、30℃〜80℃で1分〜120分、湿度50%〜100%の条件で酵素反応行うことが好ましく、40℃〜60℃で20分〜60分、湿度75%〜100%の条件で行うことが特に好ましい。
酵素反応後、さらに70℃〜100℃で1分〜60分、湿度0%〜100%の条件でスチームコンベクションにより酵素失活処理を行っても良く、80℃〜100℃で10分〜30分、湿度50%〜100%の条件で行うことが特に好ましい。
「豆類本来の形状を維持しつつ軟化する」とは、上記の「加熱」および「酵素処理」を経ながらも、外皮を有した豆類がその乾燥状態、水等に浸漬して吸水させた状態、または煮豆等の豆類の形状を維持している一般の加工食品とした状態にある場合と同等の形状を維持していることをいう。
ここで「豆類本来」とは、豆類の種類に応じて、例えば大豆を軟化したものは大豆の形状として視認でき、小豆を軟化したものは小豆の形状として視認でき、また、黒豆を軟化したものは黒豆の形状として視認できること等をいう。
本発明の豆類の製造方法に使用する「豆類」は、食品としてヒト等の動物が摂取できる「豆類」であればいずれのものであっても良く、例えば、大豆、小豆、黒豆、金時豆、大福豆、ひよこ豆、ソラマメ又は枝豆等が挙げられ、これらの乾燥物や水煮であっても良い。
これらの豆類は、本発明の製造方法により、形状を維持しながら、口腔内に入れ、舌のみでつぶした場合に、なめらかなペースト状となるかたさ、食感を有することが好ましく、クリープメータを用いて測定した場合のかたさが6×10N/m以下であることが好ましく、5.5×10N/m以下であることがより好ましい。
このように本発明の「豆類の製造方法」により得られる「軟化された豆類」には、軟化された豆類そのものや、「軟化された豆類」を冷蔵・冷凍、乾燥等により保存状態としたのもの、保存後解凍や水戻ししたもの等も含まれる。
本発明の「軟化された豆類」は、そのまま一般の加工食品に利用することができるが、離乳食、介護食や病院食等の咀嚼・嚥下困難者用の食品等として利用することもできる。
以下、実施例、比較例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.本発明の実施例、比較例において、得られた豆類は次の評価方法により評価した。
官能評価
得られた豆類について視認される「形状」、得られた豆類を口腔内に含み、舌でつぶしたときの「軟らかさ」および「食感」について表1に示した5段階の基準に従い評価した。
この官能評価は10人で行い、評価結果の平均値が5に近いほど、本願発明の豆類として望ましいものとし、4以上であれば本願発明の豆類として適するものとした。
ここで「形状」の評価における“通常の豆類”とは次の1、2を経たもののことをいう。
1.乾燥大豆、乾燥小豆等の豆類を、外皮を除去せずそのまま容器に入れ、該豆類の重量の3倍量の水に浸して冷蔵(4℃)で16時間静置し、水戻しした。
2.上記1.の容器から水を捨て、水戻し後の豆類に対して該豆類の重量の2倍量の水に浸し、飽和蒸気調理機で庫内温度120℃、60分間加熱した。
Figure 2015149936
2.かたさの評価
豆類のかたさをクリープメータ(山電製 RE2−33005B)によって測定した。
即ち、豆類(1粒)に対し、直径3mmのプランジャーを圧縮速度10mm/秒で該豆類の上端から厚さ70%まで押し込んだときの最大圧縮応力(N/m)をかたさの値とした。温度は20±2℃で、この測定を6回行い、その平均値をかたさ(測定値)とした。かたさ(測定値)が6x10N/m以下であれば、咀嚼・嚥下困難者でも容易に摂取できる軟らかさを有し、本願発明の豆類として適するものとした。
〔実施例1〕
1.乾燥大豆を、外皮を除去せずそのまま容器に入れ、乾燥大豆重量の3倍量の水に浸して冷蔵(4℃)で16時間静置し、水戻しした。
2.上記1.の容器から水を捨て、水戻し後の大豆に対して該大豆重量の2倍量の酸性溶液に浸し、飽和蒸気調理機で庫内温度120℃、60分間加熱した。表2に実施例1(A〜E)ごとに使用した酸性溶液の種類を示した。
3.上記2.の容器から酸性溶液を捨て、酸性溶液浸漬後の大豆に対して該大豆重量の2倍量の1%ヘミセルラーゼ水溶液に浸し、スチームコンベクションにて湿度100%、50℃、30分間の条件でインキュベートし、酵素反応させた。その後、さらに湿度100%、90℃、5分間の条件で加熱して酵素を失活させた。
4.上記3.の容器から1%ヘミセルラーゼ溶液を捨て、得られた大豆について、形状、かたさ等を評価した。
〔比較例1〕
a.酸性溶液に48mMクエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝液(pH7)を使用した以外は実施例1と同様に乾燥大豆を処理し、得られた大豆について形状、かたさ等を評価した。
b.乾燥大豆100gを、外皮を除去せずそのまま容器に入れ、1%セルラーゼ、1%ヘミセルラーゼ含有の10mMクエン酸緩衝液(pH5)300gに浸し、冷蔵(4℃)で18時間静置した。
これをそのままスチームコンベクションにて湿度100%、50℃、60分間の条件でインキュベートし、酵素反応させた。
その後、容器から1%セルラーゼ、1%ヘミセルラーゼ含有の10mMクエン酸緩衝液(pH5)を捨て、大豆を水洗いしてその外皮を除去した。
外皮除去後の大豆に水を250g添加し、飽和蒸気調理機で庫内温度120℃、60分加熱した。
その後、容器から水を捨て、得られた大豆について形状、かたさ等を評価した。
実施例1(A〜E)および比較例1(a、b)について得られた大豆の評価結果も表2に示した。
形状:実施例1(A〜E)の豆類はいずれも評価結果が4.8以上と高く、通常の豆類と同様の形状を維持していた。また、比較例1、aの豆類も通常の豆類と同等の外観を維持していたが、比較例1、bの豆類は外皮を除去しているため割れが目立ち、形状の評価が低かった。
軟らかさ:実施例1(A〜E)の豆類はいずれも評価結果が4.0以上と高く、十分に軟らかいものであった。また、比較例1、bの豆類も十分に軟らかいものであったが、比較例1、aの豆類はやや硬いものであった。
食感:実施例1(A〜E)の豆類はいずれも評価結果が4.0以上と高く、滑らかで食感の良いものであった。また、比較例1、bの豆類も滑らかで食感の良いものであったが、比較例1、aの豆類は外皮が少し口に残る、食感がやや悪いものであった。
かたさ(測定値):実施例1(A〜E)の豆類はいずれもかたさ(測定値)が6.0×10N/m以下であり、十分に軟らかいものであることが確認できた。また、比較例1、bの豆類もかたさ(測定値)が6.0×10N/m以下であったが、比較例1、aの豆類は6.0×10N/mを超えており、本発明の豆類とするにはやや硬かった。
これらの評価結果より、実施例1(A〜E)の豆類は、外皮を除去していないにも関わらず、通常の豆類と同等の形状を維持しながら、官能評価およびかたさ(測定値)のいずれにおいても軟らかく、食感も良好な豆類であることが確認できた。
また、比較例1、aの豆類は、官能評価およびかたさ(測定値)のいずれにおいても十分な軟らかさが得られておらず、食感もやや悪いものであり、比較例1、bの豆類は形状の評価が低く、外皮の除去という煩雑な工程を必要とするものであった。
従って、これらの結果から、本発明の豆類本来の形状を維持しつつ軟化された豆類を製造するには、豆類を酸性溶液の存在下で加熱し、次いで酵素処理する工程を経る必要があることが確認できた。
Figure 2015149936
〔実施例2〕
酸性溶液の種類を表3に示したものに変えた以外は、実施例1、Aと同様に乾燥大豆を処理した。得られた大豆の評価結果も表3に示した。
表3に示されるように、酸性溶液として、リン酸水溶液、乳酸水溶液、リンゴ酸水溶液を使用した場合でも、クエン酸水溶液と同様に本発明の豆類本来の形状を維持しつつ軟化された豆類を製造できることが確認できた。
Figure 2015149936
〔実施例3〕
飽和蒸気による加熱条件を表4に示したものに変えた以外は、実施例1、Aと同様に乾燥大豆を処理した。得られた大豆の評価結果も表4に示した。
表4に示されるように、加熱条件を庫内温度100℃〜130℃、10分〜120分としても、本発明の豆類本来の形状を維持しつつ軟化された豆類を製造できることが確認できた。
Figure 2015149936
〔実施例4〕
1%ヘミセルラーゼ水溶液を表5に示したものに変えた以外は、実施例1、Aと同様に乾燥大豆を処理した。得られた大豆の評価結果も表5に示した。
表5に示されるように、0.1%以上の酵素濃度で、ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、またはペクチナーゼを使用することにより、本発明の豆類本来の形状を維持しつつ軟化された豆類を製造できることが確認できた。
Figure 2015149936
〔実施例5〕
乾燥大豆を表6に示した豆類に変えた以外は、実施例1、Aと同様に豆類を処理した。得られた豆類の評価結果も表6に示した。
表6に示されるように、小豆、黒豆、金時豆および大福豆等の豆類においても、本発明の豆類本来の形状を維持しつつ軟化された豆類を製造できることが確認できた。
Figure 2015149936
本発明の方法によって得られる豆類は、豆類本来の形状を維持しつつ、咀嚼・嚥下困難者でも容易に摂取できる軟らかさを有する豆類であるため、一般の加工食品に限らず、離乳食、介護食や病院食等の咀嚼・嚥下困難者用の食品等にも利用でき、これらの食品の製造も容易とすることができる。

Claims (8)

  1. 豆類を酸性溶液の存在下で加熱し、次いで酵素処理する工程を含み、かつ、豆類本来の形状を維持しつつ軟化する豆類の製造方法。
  2. 豆類が外皮を有するものである請求項1に記載の豆類の製造方法。
  3. 酸性溶液がpH6以下である請求項1または2に記載の豆類の製造方法。
  4. 100℃〜130℃で10分〜120分加熱する請求項1〜3のいずれかに記載の豆類の製造方法。
  5. セルラーゼ活性、ヘミセルラーゼ活性、ペクチナーゼ活性のいずれか一種以上の活性を有する酵素を用い、豆類に対して0.1%〜10%の濃度で酵素処理する請求項1〜4のいずれかに記載の豆類の製造方法。
  6. 豆類が大豆、小豆、黒豆または金時豆から選ばれるいずれか一種以上である請求項1〜5のいずれかに記載の豆類の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の豆類の製造方法によって得られる、かたさが6×10N/m以下の軟化された豆類。
  8. 咀嚼・嚥下困難者用食品用である請求項7に記載の軟化された豆類。
JP2014026196A 2014-02-14 2014-02-14 豆類の製造方法 Active JP6530889B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014026196A JP6530889B2 (ja) 2014-02-14 2014-02-14 豆類の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014026196A JP6530889B2 (ja) 2014-02-14 2014-02-14 豆類の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015149936A true JP2015149936A (ja) 2015-08-24
JP6530889B2 JP6530889B2 (ja) 2019-06-12

Family

ID=53892862

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014026196A Active JP6530889B2 (ja) 2014-02-14 2014-02-14 豆類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6530889B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS539339A (en) * 1976-07-09 1978-01-27 Kanebo Ltd Production of dry beans for instant cooking
JPS5611767A (en) * 1979-07-05 1981-02-05 Kanebo Shokuhin Kk Production of dried bean for fast food
JP2010115164A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 En Otsuka Pharmaceutical Co Ltd 軟質化方法および軟質化植物性食材
WO2011040122A1 (ja) * 2009-09-29 2011-04-07 イーエヌ大塚製薬株式会社 豆類の軟化方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS539339A (en) * 1976-07-09 1978-01-27 Kanebo Ltd Production of dry beans for instant cooking
JPS5611767A (en) * 1979-07-05 1981-02-05 Kanebo Shokuhin Kk Production of dried bean for fast food
JP2010115164A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 En Otsuka Pharmaceutical Co Ltd 軟質化方法および軟質化植物性食材
WO2011040122A1 (ja) * 2009-09-29 2011-04-07 イーエヌ大塚製薬株式会社 豆類の軟化方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
日本栄養・食糧学会誌 (1983) VOL.36, NO.4, P.219-224, JPN6017023498, ISSN: 0003788979 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP6530889B2 (ja) 2019-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5272072B2 (ja) 豆類の軟化方法
CN103431444B (zh) 一种速发海参及其制备方法
US20110159147A1 (en) Method for producing frozen vegetable food material having soft texture
CN102578474A (zh) 制脱水米饭的方法
KR101628796B1 (ko) 육류 연질 식품의 제조방법
CN105230922A (zh) 一种绿茶味无糖猕猴桃果脯及其制备方法
KR102023244B1 (ko) 대추 정과의 제조방법
JP2015228836A (ja) 真空凍結乾燥食品およびその製造方法
CN106942647A (zh) 一种鸡尾蟹脚制备工艺
KR101934492B1 (ko) 육류의 연화 방법 및 그 방법에 따라 제조된 연질 육류
JP4761584B2 (ja) 粘性物質の除去されたアロエ葉肉加工品の製造方法
JP6530889B2 (ja) 豆類の製造方法
CN102754726A (zh) 一种梅饼及其制造方法
JP7190800B2 (ja) 黒大豆の加工方法
JP6723487B1 (ja) 軟質化された麺類の製造方法
JP6051140B2 (ja) 軟質レトルト大豆の製造方法
KR20080077471A (ko) 시즈닝된 누에 번데기 및 시즈닝 방법
JP6649201B2 (ja) 軟化豆類の製造方法
JP2015181376A (ja) 軟化たけのこ煮の製造方法
JP2016036267A (ja) 軟質化キノコの製造方法
KR102346378B1 (ko) 콩 가공식품 제조방법 및 이 방법에 의해 제조된 콩 가공식품
JP6332935B2 (ja) 酵素剤及び該酵素剤を用いた軟化食品の製造方法
JP3053565B2 (ja) 食品,米及び豆類の処理方法並びに当該処理方法により処理された米及び豆類を使用した加工食品の製造方法
JP2017121206A (ja) 豆類用軟化剤及び豆類の軟化方法
JP2006304754A (ja) 加熱処理された蛸加工品およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170818

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180314

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180323

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20180502

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6530889

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250