JP5525775B2 - 軟質化方法および軟質化植物性食品 - Google Patents

軟質化方法および軟質化植物性食品 Download PDF

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Description

本発明は、軟質化方法および軟質化植物性食品に関するものである。
例えば、高齢者や、何らかの疾患のため、硬い食物を噛めない・飲み込めない患者が多数存在する。これらの人々は、通常、複数の食品を混合した混合物を、磨り潰してペースト状や、液状にしたものを摂取している。
しかしながら、かかる場合、如何なる食品を食べているのかがはっきりせず、食欲も十分に出ず、その結果、体力を落とす等の弊害が生じやすい。したがって、食欲を増大させる観点からは、食品の柔らかさのみならず、その食品が元来有する食品自体の形状や風味を維持していることも重要である。
これらの双方を満足する食品の軟質化方法として、例えば、特許文献1では、ペクチン分解酵素や、セルロース分解酵素等の酵素を用いて、食品の形状を保持した状態で、食品を軟らかくする軟質化方法が開示されている。
しかしながら、この特許文献1に記載の軟質化方法では、食品が元来有する食品自体の形状が維持されているものの、軟質化された食品からの離水が多く認められる。そのため、この離水により食品の風味や含有成分が漏出したり、嚥下困難者がこの食品を食した際に、食品から離水した水分を誤嚥することに起因して肺炎を発症してしまうという問題がある。
特開2003−284522号公報
本発明の目的は、植物性食材を、その形状を維持しつつ、確実に軟質化することができ、かつ植物性食材からの離水が抑制された軟質化方法、および、かかる軟質化方法により形状を維持した状態で軟質化され、かつ離水が抑制された、優れた食感を有する軟質化植物性食品を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(16)の本発明により達成される。
(1) 植物性食材を軟質化する軟質化方法であって、
前記植物性食材を、酵素と、高融点(90℃以上)の寒天と、前記寒天とは異なる少なくとも1種の多糖類とを含有する酵素処理液で酵素処理することを特徴とする軟質化方法。
(2) 前記酵素処理液は、前記多糖類として、カラギーナンおよびローカストビーンガムの双方を含有する上記(1)に記載の軟質化方法。
(3) 前記酵素処理液は、さらに、前記多糖類として、タマリンドシードガムを含有する上記(2)に記載の軟質化方法。
(4) 前記酵素処理液は、さらに、HLB値が13〜16の乳化剤を含有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の軟質化方法。
(5) 前記酵素処理液中の前記酵素の含有量は、0.3〜15wt%である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の軟質化方法。
(6) 前記酵素処理液中の前記高融点の寒天の含有量は、0.3wt%以上である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の軟質化方法。
(7) 前記酵素処理液中の前記多糖類の含有量は、0.7wt%以上である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の軟質化方法。
(8) 前記酵素処理は、前記植物性食材に前記酵素処理液を含浸させた後、前記酵素を前記植物性食材の構成成分と反応させることにより行われる上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の軟質化方法。
(9) 前記酵素処理液を前記植物性食材に含浸させる時間は、1〜60分である上記(8)に記載の軟質化方法。
(10) 前記酵素処理に先立って、前記植物性食材を加熱して、植物性食材中に含まれる水分の少なくとも一部を除去する加熱処理を行う上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の軟質化方法。
(11) 前記加熱処理する時間は、3〜30分である上記(10)に記載の軟質化方法。
(12) 前記加熱処理を飽和蒸気圧下で行う上記(10)または(11)に記載の軟質化方法。
(13) 前記植物性食材は、葉茎菜類、果菜類、根菜類、豆類、イモ類または果実類である上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の軟質化方法。
(14) 前記植物性食材は、軟質化前後において、ほぼ等しい形状をなしている上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の軟質化方法。
(15) 植物性食材を、上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の軟質化方法により軟質化してなることを特徴とする軟質化植物性食品。
(16) 前記軟質化植物性食品は、「高齢者用食品の表示許可の取り扱いについて(衛新第15号、厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知、平成6年2月23日)」に記載の「高齢者用食品の試験方法」に準拠して測定した圧縮応力が1×10N/m以下である上記(15)に記載の軟質化植物性食品。
本発明によれば、植物性食材を、その形状を維持し、かつ植物性食材からの離水が少なく、風味や成分の漏出および離水した水分に起因する誤嚥が防止された状態で、確実に軟質化することができ、滑らかな食感を有する軟質化植物性食品が得られる。
特に、酵素処理液中に、さらに二糖類を含む構成とすることにより、特に、型崩れがなく離水の少ない軟質化植物性食品をより確実に得ることができる。
よって、このような軟質化植物性食品は、咀嚼や嚥下が困難な人が食するのに適する。
寒天含有液の温度と粘度との関係を示す図である。 酵素処理液の温度と粘度との関係を示す図である。
以下、本発明の軟質化方法および軟質化植物性食品を好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の軟質化方法は、植物性食材を軟質化する軟質化方法であり、酵素と、高融点(90℃以上)の寒天と、この寒天とは異なる少なくとも1種の多糖類(増粘多糖類)とを含有する酵素処理液で酵素処理することを特徴とする。
ここで、本発明が適用される、植物性食材としては、特に限定されず、例えば、ブロッコリー、ほうれん草、キャベツ、小松菜、白菜、レタス、タマネギのような葉茎菜類、ピーマン、キュウリ、カボチャ、ナス、トマトのような果菜類、ニンジン、ダイコン、レンコンのような根菜類、エンドウ、大豆、エダマメのような豆類、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモのようなイモ類およびリンゴ、桃、イチゴ、メロン、ブドウ、マンゴーのような果実類等が挙げられる。
本発明の軟質化方法をこれらの植物性食材の軟化に適用すれば、後に詳述するように、植物性食材を、その形状を維持し、かつ植物性食品からの離水が少なく、風味や成分の漏出および離水した水分に起因する誤嚥が防止された状態で、確実に軟質化することができ、滑らかな食感を有するものとすることができる。
本実施形態の軟質化方法は、[1]植物性食材を加熱処理する加熱処理工程と、[2]酵素を含有する酵素処理液で加熱処理した植物性食材を酵素処理する酵素処理工程と、[3]酵素を失活させる酵素失活処理工程と、[4]植物性食材を凍結させる凍結処理工程を有する。
かかる工程を経ることにより、植物性食材の構成成分(例えば、炭水化物等)の分子鎖を、植物性食品からの離水の発生を抑制しつつ、その全体に亘って均等に切断することにより低分子化し、結果として、植物性食材の形状を維持した状態で、軟質化を行うことができる。
以下、各工程について詳述する。
[1]加熱処理工程
まず、植物性食材を加熱処理するのに先立って、必要に応じて、軟質化すべき植物性食材を前処理する。
この前処理としては、特に限定されず、軟質化する植物性食材の種類に応じて適宜選択され、例えば、ダイコンのような根菜類やジャガイモのようなイモ類を軟質化する場合、皮むきやへた取り等が挙げられ、リンゴ、桃、ピーマン、カボチャのような果菜類を軟質化する場合、皮むきに加え、種取り等が挙げられる。
また、植物性食材の大きさによっては、適度な大きさに切断するようにしても良い。切断された植物性食材の大きさは、植物性食材の種類によっても若干異なるが、例えば、1辺が1〜15cm程度の大きさであるのが好ましく、2〜5cm程度の大きさであるのがより好ましい。かかる大きさの植物性食材を本発明の軟質化方法を適用すれば、植物性食材の形状を維持し、かつ植物性食材からの離水が少ない状態で、植物性食材をより確実に軟質化させることができる。
なお、リンゴ、イチゴ、ブドウのような果実類を用いる場合には、この前処理を省略することもできる。
次に、前処理が施された植物性食材を加熱処理する。
これにより、植物性食材中に含まれる水分の少なくとも一部が除去されて、次工程[2]の酵素処理工程において、酵素を含有する酵素処理液で植物性食材を酵素処理した際に、酵素処理液を植物性食材中に含浸(滲入)させることができ、植物性食材の軟質化をその全体に亘って均一に行うことができる。
加熱処理により除去する水分の量は、特に限定されないが、植物性食材の初期重量(加熱処理前の重量)の10〜30wt%程度であるのが好ましく、15〜20wt%程度であるのがより好ましい。かかる範囲内の水分量を植物性食材から除去することにより、植物性食材の形状および風味等を損なうことなく、次工程[2]において、酵素処理液を植物性食材の全体に亘って確実に含浸させることができる。
加熱処理の方法としては、特に限定されず、例えば、植物性食材を加湿下で加熱する方法、植物性食材を火炎に接触させる方法、および、植物性食材を誘電加熱する方法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、加熱する方法としては、植物性食材を加湿下で加熱する方法を用いるのが好ましい。かかる方法によれば、加熱処理時において、植物性食材の中心部の温度の制御を容易かつ正確に行うことができ、植物性食材から目的とする量の水分を均一に除去することができる。
さらに、植物性食材の加湿下での加熱処理は、特に、飽和蒸気圧下で行うのが好ましい。
ここで、水蒸気(気相)と水(液相)とが平衡状態となり、同時に存在していることを飽和状態と言い、このときの圧力および温度が、それぞれ、飽和蒸気圧および飽和温度であり、飽和蒸気圧と飽和温度とは一意的な関係にあり、飽和蒸気圧をE[hPa]とし、飽和温度をt[℃]としたとき、下記式(1)の関係で表わされる。
E=6.11×10{7.5×t/(237.3+t)} ・・・ 式(1)
このような飽和蒸気圧下で、植物性食材を加熱処理することにより、最終的に得られる軟質化植物性食材の外表面に、焦げ目等による変質(変性)をともなうことなく、種子の中心部の温度の制御を容易かつ正確に行えるため、種子の中心部までより均等に加熱することができることから、植物性食材中における水分の除去率をその全体に亘ってより均一なものとすることができる。
さらに、飽和蒸気圧下で加熱処理することにより、植物性食材の構成成分は、例えば、分子同士の絡み合いが解けたり、分子鎖が切断されることにより若干低分子化したり、各分子間の距離が大きくなり植物性食材内に空隙が形成されたりする。これにより、次工程[2]において、酵素処理液を植物性食材の全体に亘って確実に含浸させることができるようになり、酵素により、分子鎖の切断をより確実に行うこと、すなわち、植物性食材の軟質化をより確実に行うことができる。
また、植物性食材の加熱は、植物性食材の中心部の温度が50〜120℃程度の範囲となるように行うのが好ましく、70〜80℃程度の範囲となるように行うのがより好ましい。植物性食材の中心部の温度を前記範囲内となるように加熱処理することにより、植物性食材の外表面付近の温度が必要以上に高くなるのを防止して、ほぼ均一に加熱することができる。このため、後述する酵素処理工程[2]において、酵素で植物性食材を処理した際に、植物性食材の外表面が選択的に溶解、膨潤、変形等するのを確実に防止することができる。その結果、植物性食材は、軟質化前後において、ほぼ等しい形状(植物性食材そのものの形状)をより確実に維持することができる。
さらに、植物性食材の中心部の温度を前記範囲内に設定するには、加熱処理する時間によっても若干異なるが、加熱する温度は、好ましくは60〜120℃程度、より好ましくは90〜115℃程度とされる。かかる範囲内に設定することにより、植物性食材の中心部の温度を前記範囲内に設定することができるとともに、植物性食材全体に亘ってほぼ均一な温度を保つことができる。
なお、加熱処理を飽和蒸気圧下で行う際、加熱処理する際の雰囲気の圧力は、上記ように加熱温度(飽和温度)によって一意的に決まるが、200〜2000hPa程度であるのが好ましく、700〜1700hPa程度であるのがより好ましい。
また、植物性食材を加熱する時間は、加熱する温度によっても若干異なるため、特に限定されないが、前記温度範囲とする場合、3〜30分程度であるのが好ましく、3〜20分程度であるのがより好ましい。かかる時間で植物性食材を加熱することにより、植物性食材の中心部まで(植物性食材全体を)より確実かつ均一に加熱して、水分を除去することができるとともに、酵素で植物性食材を処理した際に、植物性食材の外表面が溶解、膨潤、変形等するのをより確実に防止することができる。
なお、リンゴ、イチゴ、ブドウのような果実類等を用いる場合には、この加熱処理を省略することもできる。
[2]酵素処理工程
次に、前記工程[1]を経て、加熱処理された植物性食材を、酵素を含有する酵素処理液で酵素処理する。
これにより、酵素処理液中に含まれる酵素の作用により、植物性食材の構成成分を切断して、その低分子化を行うことができ、その結果、植物性食材が軟質化される。
酵素処理液中に含まれる酵素は、軟質化すべき植物性食材を構成する、ヘミセルロース、ペクチン、セルロース、デンプンのような炭水化物(多糖類)の種類およびその配合比によって適宜選択されるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、キシラナーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、β−グルコシダーゼ、プロテアーゼ、β−グルカナーゼ、ペクチンエステラーゼおよびラクターゼ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
酵素処理液中の酵素の含有量は、酵素処理液中に含まれる酵素の種類によっても若干異なり、特に限定されないが、好ましくは0.3〜15wt%程度に設定され、より好ましくは0.3〜10wt%程度に設定される。このように酵素が比較的高濃度に含まれる酵素処理液を用いれば、植物性食材に含浸させる酵素処理液の量を比較的少量に設定することができ、酵素処理液中に含まれる水分が植物性食材に大量に含浸することに起因する離水の発生を的確に抑制または防止することができる。
ここで、本発明では、植物性食材を軟質化する際に、植物性食材を、酵素と、高融点(90℃以上)の寒天と、この寒天とは異なる少なくとも1種の多糖類(増粘多糖類)とを含有する酵素処理液で酵素処理することに特徴を有する。
すなわち、本発明では、植物性食材を軟質化するために用いる酵素処理液中に、酵素の他に、高融点(90℃以上)の寒天と、この寒天とは異なる少なくとも1種の多糖類(以下、単に「多糖類」と言うこともある。)とが含まれていることに特徴を有する。
このように、酵素の作用により植物性食材の構成成分の低分子化を行う際に、酵素の他に、高融点の寒天と多糖類とが含まれていると、これら高融点の寒天と多糖類とが植物性食材の形状を安定化させるための増粘剤として機能して、植物性食材の構成成分の低分子化に伴う型崩れを的確に抑制または防止することができる。
また、寒天と多糖類の内、寒天は、酵素の作用を比較的受けにくい多糖類である。そのため、本発明のように、酵素処理液中で酵素と共存させる構成であっても、酵素の作用による分解(低分子化)が的確に抑制されることから、植物性食材中において、寒天に増粘剤としての機能を確実に発揮させることができる。また、寒天の中でも、高融点(90℃以上)の寒天は、特に、低融点のものと比較して粘度が高いため、植物性食材中に寒天を含浸させた後に、植物性食材中からこのものが漏出してしまう漏出率を確実に低下させることができる。そのため、酵素処理液中に高融点の寒天が含まれる構成とすることにより、植物性食材中からの酵素処理液の漏出率が低減されることに起因して離水の発生が低減されるとともに、寒天が安定化剤として機能を発揮して低分子化した植物性食材の構成材料を確実に安定化させることができる。
また、寒天と異なる少なくとも1種の多糖類を、酵素処理液中に含まれる構成とすることにより、植物性食材の構成成分を低分子化して軟質化植物性食品を得る際に、低分子化した構成成分をより滑らかな状態で安定化させることができる。その結果、得られる軟質化植物性食品が優れた食感を有するものとなる。
以上のことから、植物性食材を軟質化するために用いる酵素処理液中に、酵素の他に、高融点の寒天と多糖類とが含まれる構成とすれば、植物性食材の形状を維持し、かつ植物性食材を確実に軟質化させることができる。
さらに、この軟質化の際に、植物性食材からの離水を的確に抑制し得るため、離水に起因する、食品の風味や含有成分の漏出を確実に防止することができる。さらに、嚥下困難者が離水の生じた食品を食すると、食品から離水した水分を誤嚥することに起因して、肺炎を発症してしまうという問題があるが、かかる問題点も好適に解消される。
高融点の寒天は、上述のように、増粘剤としての機能を発揮して、植物性食材の構成成分が低分子化された際に、植物性食材の形状を安定化させるためのものであり、特に限定されるものではないが、食品素材としての寒天末、棒寒天、即溶性寒天等のうち融点が90℃以上であるものが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
酵素処理液中の高融点の寒天の含有量は、特に限定されないが、0.3wt%以上であるのが好ましく、0.3〜1.5wt%程度であるのがより好ましい。かかる範囲内の高融点の寒天を含有することにより、離水の発生がより確実に低減されるとともに、低分子化した植物性食材の構成材料をより確実に安定化させることができる。
また、寒天と異なる少なくとも1種の多糖類は、上述のように、軟質化された植物性食材をより滑らかな状態で安定化させるために酵素処理液中に添加されているものであり、特に限定されるものではないが、例えば、カラギーナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、アルギン酸塩、ペクチン、キサンタンガム、グァーガム、グルコマンナン、カードランおよびデンプン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、多糖類としては、カラギーナンおよびローカストビーンガムの双方を含有するのが好ましい。これらの双方を含む組み合わせとすることにより、それぞれを単独で用いた場合とは異なり、これらを含有するゲルは粘弾性に優れたものとなるため、特に、低分子化した構成成分を滑らかな状態で安定化させることができる。さらに、カラギーナンおよびローカストビーンガムの双方を含有するものは、酵素の作用(分解作用)を比較的受けにくい構造であるため、植物性食材の形状を安定化させるための増粘剤としての機能をより確実に発揮し得るものとなる。
酵素処理液中の多糖類の含有量は、酵素処理液中に含まれる多糖類の種類によっても若干異なり、特に限定されないが、その合計が、好ましくは0.7wt%以上に設定され、より好ましくは0.7〜3.5wt%程度に設定される。かかる範囲内の多糖類を含有することにより、軟質化された植物性食材をより滑らかな状態で確実に安定化させることができる。
なお、カラギーナンおよびローカストビーンガムの双方を含む組み合わせとする場合には、カラギーナンは、好ましくは0.5wt%以上に設定され、より好ましくは0.5〜2.5wt%程度に設定され、ローカストビーンガムは、好ましくは0.2wt%以上に設定され、より好ましくは0.2〜1.0wt%程度に設定される。双方の濃度をかかる範囲内に設定することにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
さらに、酵素処理液中には、多糖類として、タマリンドシードガムが含まれているのが好ましい。タマリンドシードガムは、寒天と同様に、酵素の作用を比較的受けにくい多糖類であるため、酵素が含まれる酵素処理液中においても、タマリンドシードガムに増粘剤としての機能を確実に発揮させることができる。そのため、酵素処理液中にタマリンドシードガムがさらに含まれる構成とすることにより、植物性食品の構成成分の低分子化に伴う型崩れがより的確に抑制または防止される。
酵素処理液中のタマリンドシードガムの含有量は、特に限定されないが、0.3wt%以上であるのが好ましく、0.3〜1.5wt%程度であるのがより好ましい。タマリンドシードガムの含有量をかかる範囲内に設定することにより、離水の発生がより確実に低減されるとともに、低分子化した植物性食品の構成材料をより確実に安定化させることができる。
また、酵素処理液中には、寒天と多糖類との他に、HLB値が13〜16の乳化剤が含まれているのが好ましい。HLB値が13〜16の乳化剤は、水と油との親和性に優れる乳化剤であることから、このような乳化剤が含まれていると、酵素処理液中における、酵素、高融点の寒天および多糖類の分散性をより向上させることができる。そのため、この酵素処理液を用いて得られた軟質化植物性食品を、より均一に軟質化されたものとすることができる。
HLB値が13〜16の乳化剤としては、特に限定されず、例えば、ショ糖脂肪酸エステルおよびソルビンタン脂肪酸エステル等が挙げられ、具体的には、リョートーシュガーエステルP−1670(三菱化学フーズ社製)およびエマゾールL−120V、O−120V(花王社製)等が挙げられる。
酵素処理液中のHLB値が13〜16の乳化剤の含有量は、特に限定されないが、0.25wt%以上であるのが好ましく、0.25〜1.5wt%程度であるのがより好ましい。これにより、得られる軟質化植物性食品を、さらに均一に軟質化されたものとすることができる。
さらに、酵素処理液中には、これらの他に、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸のようなpH調整剤、フェルラ酸のような抗酸化剤、アルギニン、グルタミンのようなアミノ酸や、ビタミン類およびミネラル類が含まれていても良い。
以上のような酵素処理液を調製するのに用いる液体としては、例えば、水、および、エタノール等のアルコール類が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本工程において、植物性食材内に酵素を含浸(浸透)させる方法、すなわち、植物性食材に酵素処理液を供給する方法としては、特に限定されず、加熱処理された植物性食材に、酵素処理液を噴霧する方法(噴霧法)、酵素処理液を塗布する方法(塗布法)等が挙げられる。これらの中でも、噴霧法を用いるのが好ましい。噴霧法によれば、簡単および比較的少量の水分量で、目的とする量の酵素処理液を植物性食材に均一に供給することができることから好ましい。
植物性食材に含浸させる酵素処理液の供給量は、軟質化する植物性食材の種類によっても若干異なるが、植物性食材の初期重量(加熱処理する前の植物性食材の重量)に対して好ましくは10〜50wt%の重量、より好ましくは10〜30wt%の重量の酵素処理液で酵素処理する。このように、植物性食材の初期重量に対して比較的少量の酵素処理液で植物性食材を酵素処理する構成とすることにより、加熱処理された植物性食材中に、余分な水分が吸収されることなく、植物性食材を酵素処理液で酵素処理することができる。その結果、得られる軟質化植物性食品はより離水が少ないものとなる。
なお、本実施形態では、前述した加熱処理工程[1]において、植物性食材を加熱することにより、加熱処理された植物性食材は、適度な水分量が除去され、かつ、その構成材料が低分子化されていたり、その内部に空隙が形成されていたりする。そのため、本工程[2]において、上記のような比較的少量の酵素処理液を用いて植物性食材を酵素処理した場合であっても、酵素処理液を植物性食材の全体に亘って確実に含浸させることができ、酵素による植物性食材の軟質化を均一に行うことができる。
植物性食材内への酵素の含浸は、常圧下で行うようにしてもよいが、減圧下で行うのが好ましい。これにより、植物性食材内に形成されている空隙内、すなわち、植物性食材の内部にまで酵素をより確実に浸透させることができる。
減圧の際の圧力は、特に限定されないが、500〜3000Pa程度であるのが好ましく、1000〜2000Pa程度であるのがより好ましい。
また、植物性食材内に酵素処理液を含浸させる際の酵素処理液の温度は、特に限定されないが、40〜65℃程度であるのが好ましく、50〜60℃程度であるのがより好ましい。このように、酵素処理液を比較的高温な状態とすることにより、酵素処理液には、高融点の寒天と多糖類とが含まれているが、その粘度は比較的低いものとなる。そのため、植物性食材内に酵素処理液を含浸させる際の酵素処理液の温度をかかる範囲内に設定することにより、植物性食材中への酵素処理液の含浸をより円滑に行うことができる。
また、植物性食材内への酵素の含浸は、周囲の雰囲気を減圧することに代えて、または減圧するとともに、植物性食材の形状が崩れない程度で、振動(超音波振動)を付与しながら行うようにしてもよい。これにより、植物性食材の内部への酵素の含浸率を増大させることができる。
植物性食材に供給した酵素処理液を含浸させる時間は、植物性食材の種類によっても若干異なり、特に限定されないが、1〜60分間程度であるのが好ましく、5〜45分間程度であるのがより好ましい。
以上のようにして植物性食材に含浸させた酵素処理液(酵素)による、植物性食材の構成成分に対する酵素反応は、できるだけ緩徐に行うのが好ましく、具体的には、低温下に比較的長時間かけて行うのが好ましい。これにより、植物性食材の構成成分の低分子化を、植物性食材全体において均一に行うことができる。その結果、軟質化後の植物性食品は、その全体に亘って非常に食感が良くなる。
酵素反応を行う際の植物性食材の温度は、4〜35℃程度であるのが好ましく、4〜15℃程度であるのがより好ましい。
酵素反応を行う時間は、前記温度範囲とする場合、1〜18時間程度であるのが好ましく、5〜15時間程度であるのが好ましい。
[3]酵素失活処理工程
次に、軟質化後の植物性食品内の酵素を失活させる酵素失活処理を行う。
これにより、軟質化後の植物性食品(軟質化植物性食品)が、保存時等において、さらに酵素反応が進行して、例えば、植物性食品の型崩れを起こすことや、植物性食品の風味が劣化すること等を防止することができる。
この酵素失活処理としては、例えば、酵素処理された植物性食材を加熱する加熱処理、酵素処理された植物性食材に酸溶液を接触させる処理(酸溶液に浸漬する処理等)等が挙げられる。
[4]冷凍処理工程
次に、酵素が失活された軟質化植物性食品を冷凍保存するための冷凍処理を行う。
これにより、軟質化植物性食品を長期保存に適したものとすることができるとともに、所望の時に、冷凍された軟質化植物性食品を解凍して、軟質化植物性食品を食することができる。
軟質化植物性食品の冷凍は、如何なる方法を用いて行ってもよいが、液体窒素や冷却したアルコール等を用いた急速冷凍(急速凍結)法を用いて行うのが好ましい。かかる方法を用いることにより、軟質化植物性食品中における氷結晶の発生を的確に抑制または防止することができるため、この冷凍された軟質化植物性食品を解凍した際に、形状が変化したり、離水が生じるのをより効果的に防止することができる。
軟質化植物性食品を急速冷凍する際の温度は、−20℃以下であるのが好ましく、−25〜−40℃程度であるのがより好ましい。これにより、軟質化植物性食品を冷凍する際に、軟質化植物性食品中に氷結晶が生成してしまう0〜−5℃の温度領域を比較的短時間(具体的には、15分以内)で通過させることができ、氷結晶の生成がより的確に抑制される。
軟質化植物性食品を急速冷凍する時間は、20〜120分程度であるのが好ましく、30〜80分程度であるのがより好ましい。これにより、軟質化植物性食品の全体に亘って、氷結晶の生成が抑制された状態で、均一に冷凍することができる。
以上の工程を経て、本発明の軟質化植物性食品が得られる。
このようにして得られた軟質化植物性食品は、このものを解凍した際に、軟質化前の植物性食材とほぼ等しい形状をなしている。すなわち、かかる軟質化植物性食品は、十分に軟質化されているうえに食感もよく、見た目も軟質化前の植物性食材の形状をほぼ維持している。このため、咀嚼や嚥下が困難な高齢者や患者に対して、食欲の増進を促すことが期待できる。また、植物性食品からの離水も的確に抑制されているため、離水が生じることに起因する、植物性食品の風味や含有成分の漏出を確実に防止することができる。さらに、嚥下困難者がこの植物性食品を食したとしても、離水した水分を誤嚥することに起因する肺炎の発症を確実に防止することができる。
かかる軟質化植物性食品は、解凍したときすなわち冷凍されていない状態で、厚生労働省で規定の「高齢者用食品の試験方法」にしたがって測定した圧縮応力が好ましくは1×10N/m以下に、より好ましくは5×10N/m以下になっている。このような数値を満たすことにより、前述の高齢者や患者でも、確実に軟質化植物性食品を咀嚼し、飲み込むことが可能となる。
以上、本発明の軟質化方法および軟質化植物性食品を前記実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明では、前記実施形態における工程[1]、工程[3]および工程[4]の少なくとも1工程を省略してもよい。また、任意の工程が付加されていてもよく、例えば、前記酵素処理工程[2]に先立って、加熱処理された植物性食材を、凍結した後に解凍する凍結・解凍処理工程を付加するようにしても良い。かかる工程を付加することにより、前記酵素処理工程[2]において、植物性食材内への酵素処理液の含浸(浸透)率が向上する。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.融点の異なる寒天の粘度の検討
融点が90℃(90℃以上)、80℃(90℃未満)および60℃(90℃未満)の寒天をそれぞれ用意し、これら融点が異なる寒天の濃度が0.5wt%となるように水中に溶解して各種寒天を含有する寒天含有液1〜3を調製した。
次に、音叉型振動式粘度計(エー・アンド・デイ社製、「SV−10」)を用いて、融点の異なる寒天を含有する寒天含有液1〜3について、それぞれ、35〜65℃における粘度を測定した。
その結果を、図1に示す。
図1から明らかなように、融点が90℃の寒天を含有する寒天含有液1は、融点が90℃未満の寒天を含有する寒天含有液2および寒天含有液3と比較して、すべて温度範囲において、その粘度が高粘度となっている結果が得られた。このことから、寒天含有液1を植物性食材中に含浸させた際には、植物性食材中からの水分の漏出、すなわち、離水が的確に抑制し得るものと推察された。
2.酵素処理液中に含まれる多糖類の種類の検討
2−1.酵素処理液の調整
(酵素処理液1A)
キシラナーゼ(天野エンザイム社製、「ヘミセルラーゼアマノ90」)、高融点(融点が90℃)の寒天、カラギーナンおよびローカストビーンガムの含有量が、それぞれ4.0wt%、0.5wt%、0.56wt%および0.27wt%となるように、5mMクエン酸緩衝液(pH5.0)に溶解して酵素処理液1Aを調製した。
(酵素処理液2A)
酵素処理液中へのローカストビーンガムの添加を省略した以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液2Aを調整した。
(酵素処理液3A)
酵素処理液中へのカラギーナンの添加を省略した以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液3Aを調整した。
(酵素処理液4A)
酵素処理液中に、さらに、タマリンドシードガムを、その含有量が0.45wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液4Aを調整した。
(酵素処理液5A)
酵素処理液中に、さらに、HLB値が13〜16の乳化剤としてリョートーシュガーエステル(三菱化学フーズ社製、「製品名S−1670」)を、その含有量が0.5wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液5Aを調整した。
(酵素処理液6A)
酵素処理液中への寒天の添加を省略した以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液6Aを調整した。
2−2.軟質化食品の製造
以下の各実施例および比較例において、植物性食材を軟質化するために用いる酵素処理液として、その液中に含まれる多糖類の種類が異なるものを用いて、それぞれの軟質化植物性食品を製造した。
(実施例1A)
<1>加熱処理工程
まず、生ダイコンを1辺が約3cmの立方体に切断し、このもの5個(平均重量約200g)を飽和蒸気圧調理器(三浦工業社製、「スチームマイスターCK−120V」)を用いて飽和蒸気圧下で加熱処理した。なお、飽和蒸気圧下における加熱処理の条件は、庫内温度120℃、ダイコンの中心部の温度95℃、加熱時間10分であった。
また、加熱処理後のダイコンの平均重量は、約164gであり、加熱処理によりダイコン中に含まれる水分が、ダイコンの初期重量(加熱処理前のダイコンの重量)に対して平均で約18wt%除去された。
<2>酵素処理工程
次に、40g(ダイコンの初期重量に対して、20wt%の重量)の酵素処理液1Aを、減圧下(900Pa)で、加熱処理したダイコンに、噴霧法で供給した後、3分間放置することにより含浸(浸透)させた。
次に、雰囲気の圧力を大気圧下に復帰させた後、再度、減圧下(900Pa)に3分間放置する操作を5回繰り返すことにより、ダイコン内に酵素処理液1Aをさらに含浸させた。
次に、酵素を含浸させたダイコンを、5℃の冷蔵室内に収納し、17時間放置した。これにより、ダイコンと酵素とを反応させた。
次に、ダイコンを45℃の温室内に収納し、30分間放置した。これにより、ダイコンと酵素との反応をさらに促進させた。
<3>酵素失活処理工程
次に、酵素反応処理終了後のダイコンを、70℃×40分間加熱して、酵素を失活させた。
<4>冷凍処理工程
次に、酵素失活処理終了後のダイコン(軟質化されたダイコン)を、急速冷凍装置(福島工業社製、「ブラストフリーザーQXF−006SF5」)を用いて、−35℃×80分間で急速冷凍させた。
以上のようにして、冷凍状態のダイコンの軟質化植物性食品を得た。
(実施例2A)
酵素処理工程<2>に用いる酵素処理液として、酵素処理液1Aに代えて酵素処理液2Aを用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のダイコンの軟質化植物性食品を製造した。
(実施例3A)
酵素処理工程<2>に用いる酵素処理液として、酵素処理液1Aに代えて酵素処理液3Aを用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のダイコンの軟質化植物性食品を製造した。
(実施例4A)
酵素処理工程<2>に用いる酵素処理液として、酵素処理液1Aに代えて酵素処理液4Aを用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のダイコンの軟質化植物性食品を製造した。
(実施例5A)
酵素処理工程<2>に用いる酵素処理液として、酵素処理液1Aに代えて酵素処理液5Aを用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のダイコンの軟質化植物性食品を製造した。
(比較例A)
酵素処理工程<2>に用いる酵素処理液として、酵素処理液1Aに代えて酵素処理液6Aを用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のダイコンの軟質化植物性食品を製造した。
2−3.評価
2−3−1.酵素処理液の粘度の測定
酵素処理液1A〜3A、6Aについて、それぞれ、音叉型振動式粘度計(エー・アンド・デイ社製、「SV−10」)を用いて、5〜65℃における粘度を測定した。
その結果を、図2に示す。
図2に示すように、高融点の寒天と、この寒天とは異なる少なくとも1種の多糖類とを含有する酵素処理液1A〜3Aでは、約40〜65℃の温度範囲(図2A)では粘度が低く、約5〜35℃の温度範囲(図2B)では、粘度が高くなる傾向が認められ、その後、温度が低くなるほど粘度が高くなる結果が得られた。
これに対して、寒天とは異なる少なくとも1種の多糖類を含有するものの、高融点の寒天を含有しない酵素処理液6Aでは、酵素処理液1A〜3Aと同様に、約40〜65℃の温度範囲(図2A)では粘度が低いものの、約5〜35℃の温度範囲(図2B)では、酵素処理液1A〜3Aほどの明確な、温度と粘度との相関関係が認められず、酵素処理液6Aがゲル化するには至らなかった。
以上のことから、植物性食材の軟質化を行うのに用いる酵素処理液には、酵素処理液1A〜3Aすなわち、高融点の寒天と、この寒天とは異なる少なくとも1種の多糖類とを含有する酵素処理液が用い得ると推察された。
さらに、これら酵素処理液1A〜3Aを植物性食材に含浸させる際には、植物性食材の温度を40〜65℃程度に設定し、酵素処理液1A〜3A中に含まれる酵素により植物性食材を低分子(軟質)化する際には、植物性食材の温度を5〜35℃程度に設定するのが好適であると推察された。
2−3−2.軟質化植物性食品の特性の評価
実施例1A〜5Aおよび比較例Aの冷凍状態のダイコンの軟質化植物性食品を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「SCC61」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度70℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍された軟質化植物性食品を以下に示す2−3−2−1〜2−3−2−4の各種項目について評価した。
2−3−2−1.軟らかさ(圧縮応力)
軟らかさ(圧縮応力)は、「高齢者用食品の表示許可の取り扱いについて(衛新第15号、厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知、平成6年2月23日)」中の高齢者用食品の試験方法を参考にして(準拠して)測定した。すなわち、レオメーター(山電株式会社製、「RE2−33005S」)を用いて、直径3mmのプランジャーを圧縮速度10mm/秒で、解凍したダイコン(軟質化植物性食品;試料)の上端から、厚さの70%まで押し込み、下端側の部分が30%残存するようにクリアランスを設定して、圧縮応力(N/m)を測定した。なお、ここで、クリアランスとは、最大に試料を圧縮した時のプランジャーの先端からゼロ点(すなわち、試料の下端)までの距離をいう。
また、測定温度は20±2℃とした。
そして、実施例1A〜5Aおよび比較例Aの軟質化植物性食品でそれぞれ測定された、5個の軟質化植物性食品の測定結果の平均値を、以下の4段階の基準にしたがって評価した。
◎:1×10N/m以下
○:1×10N/m超、5×10N/m以下
△:5×10N/m超、1×10N/m以下
×:1×10N/m超(軟化せず)
2−3−2−2.形状保持
形状保持性は、軟質化前のダイコン(植物性食材)と、軟質化されたダイコン(軟質化植物性食品)との外観、および、軟質化されたダイコンを指で押し潰そうとしたときの崩壊の有無を、実施例1A〜5Aおよび比較例Aの軟質化植物性食品でそれぞれ、以下の4段階の基準にしたがって評価した。
◎:外観に変化は認められず、さらに、指で押し潰しても形状が変化しない
○:外観に変化は認められないものの、指で押し潰した際に若干の形状変化を認める
△:外観に変化は認められないものの、指で押し潰した際に容易に崩壊する
×:軟質化植物性食品に膨潤や萎縮が認められる
2−3−2−3.離水
実施例1A〜5Aおよび比較例Aの解凍したダイコン(軟質化植物性食品;試料)について、それぞれ、このものを篩(網目(メッシュ)のサイズが0.51mm×0.51mm)の上に載置した後、30分間放置したときに、篩から落下した水分を離水量として測定し、求められた離水量の植物性食材(軟質化前のダイコン)に対する割合を、離水率として求めた。
そして、実施例1A〜5Aおよび比較例Aの軟質化植物性食品でそれぞれ求められた、5個の軟質化植物性食品の離水率の平均値を、以下の5段階の基準にしたがって評価した。
◎◎:2.0%以下
◎ :2.0%超、5.0%以下
○ :5.0%超、10.0%以下
△ :10.0%超、20.0%以下
× :20.0%超(軟化せず)
2−3−2−4.風味
実施例1A〜5Aおよび比較例Aの解凍したダイコン(軟質化植物性食品;試料)を食し、その際に感じられた風味を、それぞれ、以下の4段階の基準にしたがって評価した。
◎:軟質化前の植物性食材の風味とほとんど変化なし
○:軟質化前の植物性食材の風味に対して若干の風味の変化あり
△:軟質化前の植物性食材の風味に対して明らかな風味の変化あり
×:完全に味が抜けてしまっている
これらの結果を表1に示す。
Figure 0005525775
表1から明らかなように、高融点の寒天と、寒天とは異なる多糖類とを含有する酵素処理液を用いて酵素処理した実施例1A〜5Aのダイコン(軟質化植物性食品)は、機械的に測定された軟らかさ(圧縮応力)におい十分な軟らかさを示し、かつ外観に変化が認められず、押し潰しても形状の変化が認められなかった。さらに、軟質化されたダイコン(軟質化植物性食品)からの離水もほとんど認められず、このものを食した際の風味も軟質化前のダイコン(植物性食材)と若干の変化しか認められなかった。
これに対して、寒天とは異なる多糖類を含有するものの、寒天を含有しない酵素処理液を用いて酵素処理した比較例Aのダイコンは、軟らかさは十分なものの、離水が多く、これに起因して、指で押し潰すと容易に崩壊し、さらに風味にも劣るものであった。
3.酵素処理液中に含まれる高融点寒天の含有量の検討
3−1.軟質化植物性食品の製造
以下の実施例1B〜6Bにおいて、高融点の寒天の含有量がそれぞれ異なる酵素処理液を用いて軟質化植物性食品を製造した。
(実施例1B〜6B)
前記実施例1Aに記載の酵素処理工程<2>に用いる酵素処理液として、表2に示すように、高融点の寒天の含有量が、0.13〜2.0wt%のものを用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のダイコンの軟質化植物性食品を製造した。
3−2.評価
実施例1B〜6Bの冷凍状態となっているダイコンの軟質化植物性食品を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「SCC61」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度70℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍された軟質化植物性食品を、前述した実施例1A〜5Aおよび比較例Aと同様にして前記2−3−2−1〜2−3−2−4の各種項目について評価した。
これらの結果を表2に示す。
Figure 0005525775
表2から明らかなように、実施例1B〜6Bのダイコン(軟質化植物性食品)は、いずれも、機械的に測定された軟らかさ(圧縮応力)において十分な軟らかさを示し、かつ外観に変化が認められず、押し潰しても若干の変化が認められる程度であった。さらに、軟質化されたダイコン(軟質化植物性食品)からの離水も適度に抑制され、このものを食した際の風味も軟質化前のダイコン(植物性食材)と若干の変化が認められる程度であった。
また、実施例2B〜5Bに示すように、酵素処理液中に含まれる高融点寒天の含有量を、0.3wt%以上、より好ましくは0.3〜1.5wt%とすることにより、各種評価項目が優れたものとなる結果を示した。
4.酵素処理液中に含まれるカラギーナンの含有量の検討
4−1.軟質化植物性食品の製造
以下の実施例1C〜6Cにおいて、カラギーナンの含有量がそれぞれ異なる酵素処理液を用いて軟質化植物性食品を製造した。
(実施例1C〜6C)
前記実施例1Aに記載の酵素処理工程<2>に用いる酵素処理液として、表3に示すように、カラギーナンの含有量が、0.25〜3.0wt%のものを用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のダイコンの軟質化植物性食品を製造した。
4−2.評価
実施例1C〜6Cの冷凍状態となっているダイコンの軟質化植物性食品を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「SCC61」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度70℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍された軟質化植物性食品を、前述した実施例1A〜5Aおよび比較例Aと同様にして前記2−3−2−1〜2−3−2−4の各種項目について評価した。
これらの結果を表3に示す。
Figure 0005525775
表3から明らかなように、実施例1C〜6Cのダイコン(軟質化植物性食品)は、いずれも、機械的に測定された軟らかさ(圧縮応力)において十分な軟らかさを示し、かつ外観に変化が認められず、押し潰しても若干の変化が認められる程度であった。さらに、軟質化されたダイコン(軟質化植物性食品)からの離水も適度に抑制され、このものを食した際の風味も軟質化前のダイコン(植物性食材)と若干の変化が認められる程度であった。
また、実施例2C〜5Cに示すように、酵素処理液中に含まれるカラギーナンの含有量を、0.5wt%以上、より好ましくは0.5〜2.5wt%とすることにより、各種評価項目が優れたものとなる結果を示した。
5.酵素処理液中に含まれるローカストビーンガムの含有量の検討
5−1.軟質化植物性食品の製造
以下の実施例1D〜6Dにおいて、ローカストビーンガムの含有量がそれぞれ異なる酵素処理液を用いて軟質化植物性食品を製造した。
(実施例1D〜6D)
前記実施例1Aに記載の酵素処理工程<2>に用いる酵素処理液として、表4に示すように、ローカストビーンガムの含有量が、0.1〜2.0wt%のものを用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のダイコンの軟質化植物性食品を製造した。
5−2.評価
実施例1D〜6Dの冷凍状態となっているダイコンの軟質化植物性食品を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「SCC61」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度70℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍された軟質化植物性食品を、前述した実施例1A〜5Aおよび比較例Aと同様にして前記2−3−2−1〜2−3−2−4の各種項目について評価した。
これらの結果を表4に示す。
Figure 0005525775
表4から明らかなように、実施例1D〜6Dのダイコン(軟質化植物性食品)は、いずれも、機械的に測定された軟らかさ(圧縮応力)において十分な軟らかさを示し、かつ外観に変化が認められず、押し潰しても若干の変化が認められる程度であった。さらに、軟質化されたダイコン(軟質化植物性食品)からの離水も適度に抑制され、このものを食した際の風味も軟質化前のダイコン(植物性食材)と若干の変化が認められる程度であった。
また、実施例2D〜5Dに示すように、酵素処理液中に含まれるローカストビーンガムの含有量を、0.2wt%以上、より好ましくは0.2〜1.0wt%とすることにより、各種評価項目が優れたものとなる結果を示した。
6.ダイコン以外の植物性食材の検討
6−1.軟質化植物性食品の製造
以下の実施例1E〜6Eにおいて、酵素処理液を用いてダイコン以外の植物性食材により軟質化植物性食品を製造した。
(実施例1E〜6E)
前記実施例1Aに記載の加熱処理工程<1>で用意する植物性食材として、表5に示すようなダイコン以外のものを用意し、さらに、酵素処理工程<2>に用いる酵素処理液として、寒天、カラギーナン、ローカストビーンガムの含有量が、表5に示すようなものを用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のダイコン以外の軟質化植物性食品を製造した。
6−2.評価
実施例1E〜6Eの冷凍状態となっているダイコン以外の軟質化植物性食品をスチームコンベクション(ラショナル社製、「SCC61」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度70℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍し、またはスチームコンベクションを用いずに常温にて解凍した後、解凍された軟質化植物性食品を、前述した実施例1A〜5Aおよび比較例Aと同様にして前記2−3−2−1〜2−3−2−4の各種項目について評価した。
これらの結果を表5に示す。
Figure 0005525775
表5から明らかなように、実施例1E〜6Eの各種食材(軟質化植物性食品)、すなわち、ダイコン以外の各種軟質化植物性食品についても、いずれも、機械的に測定された軟らかさ(圧縮応力)において十分な軟らかさを示し、かつ外観に変化が認められず、押し潰しても若干の変化が認められる程度であった。さらに、軟質化された各種食材(軟質化植物性食品)からの離水も適度に抑制され、このものを食した際の風味も軟質化前の食材と若干の変化が認められる程度であった。

Claims (16)

  1. 植物性食材を軟質化する軟質化方法であって、
    前記植物性食材を、酵素と、高融点(90℃以上)の寒天と、前記寒天とは異なる少なくとも1種の多糖類とを含有する酵素処理液で酵素処理することを特徴とする軟質化方法。
  2. 前記酵素処理液は、前記多糖類として、カラギーナンおよびローカストビーンガムの双方を含有する請求項1に記載の軟質化方法。
  3. 前記酵素処理液は、さらに、前記多糖類として、タマリンドシードガムを含有する請求項2に記載の軟質化方法。
  4. 前記酵素処理液は、さらに、HLB値が13〜16の乳化剤を含有する請求項1ないし3のいずれかに記載の軟質化方法。
  5. 前記酵素処理液中の前記酵素の含有量は、0.3〜15wt%である請求項1ないし4のいずれかに記載の軟質化方法。
  6. 前記酵素処理液中の前記高融点の寒天の含有量は、0.3wt%以上である請求項1ないし5のいずれかに記載の軟質化方法。
  7. 前記酵素処理液中の前記多糖類の含有量は、0.7wt%以上である請求項1ないし5のいずれかに記載の軟質化方法。
  8. 前記酵素処理は、前記植物性食材に前記酵素処理液を含浸させた後、前記酵素を前記植物性食材の構成成分と反応させることにより行われる請求項1ないし7のいずれかに記載の軟質化方法。
  9. 前記酵素処理液を前記植物性食材に含浸させる時間は、1〜60分である請求項8に記載の軟質化方法。
  10. 前記酵素処理に先立って、前記植物性食材を加熱して、植物性食材中に含まれる水分の少なくとも一部を除去する加熱処理を行う請求項1ないし9のいずれかに記載の軟質化方法。
  11. 前記加熱処理する時間は、3〜30分である請求項10に記載の軟質化方法。
  12. 前記加熱処理を飽和蒸気圧下で行う請求項10または11に記載の軟質化方法。
  13. 前記植物性食材は、葉茎菜類、果菜類、根菜類、豆類、イモ類または果実類である請求項1ないし12のいずれかに記載の軟質化方法。
  14. 前記植物性食材は、軟質化前後において、ほぼ等しい形状をなしている請求項1ないし13のいずれかに記載の軟質化方法。
  15. 植物性食材を、請求項1ないし14のいずれかに記載の軟質化方法により軟質化してなることを特徴とする軟質化植物性食品。
  16. 前記軟質化植物性食品は、「高齢者用食品の表示許可の取り扱いについて(衛新第15号、厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知、平成6年2月23日)」に記載の「高齢者用食品の試験方法」に準拠して測定した圧縮応力が1×10N/m以下である請求項15に記載の軟質化植物性食品。
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