JP5044588B2 - 軟質化方法および軟質化穀類 - Google Patents

軟質化方法および軟質化穀類 Download PDF

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Description

本発明は、軟質化方法および軟質化穀類に関するものである。
消化管手術後の患者に対する栄養管理は、通常、輸液から経管栄養を経て、経口摂取する重湯(21kcal/100g)、五分粥(36kcal/100g)、全粥(71kcal/100g)食へと移行する粥食の後、最終的に常食(150kcal/100g)へと戻す。
ここで、術後早期における患者に対する栄養管理は、輸液または経管栄養が容易であるが、消化管機能の回復や免疫等の全身状態の維持には、経口摂取(粥食)を術後のより早い段階で取り入れる方が良いとの報告を受けて、近年、術後早期での粥食の導入が積極的に行われている。
しかしながら、米粒が大きい全粥では、米の硬さが硬すぎて、咀嚼時に米粒が残り、このものが残渣として嚥下されるため、術後直後における全粥の摂取には、誤嚥や消化管内滞留に起因する消化管閉塞の発症等の危険(リスク)が伴う。
かかるリスクを回避するため、術後直後では、重湯または五分粥の摂取が導入されるが、この場合、重湯および五分粥には大量の水が含まれ低カロリーであるため、目的量のカロリーを取得するには一食当たり300mL程度もの大量のお粥を摂取する必要があり、このことが患者への負担となっている。
これらの問題点を受けて、近年、高カロリーでかつ咀嚼時に米粒が残らないお粥として、例えば、特許文献1では、米を粉砕したものに、タンパク質、ビタミンおよびミネラル等の各種栄養素を添加したものが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のお粥(栄養粥)は、米粒が粉砕されていることから見た目が悪い上、食感も変わり、さらに各種栄養素の添加により風味も異なるものとなっている。また、お粥の味すなわちお米の味はシンプルで、かつ日本人は幼少の頃からほぼ毎日お米を食する食生活を送っている。そのため、これらのことが相乗的に関連して、特許文献1に記載のお粥では、このものを食する患者の意欲を十分に得ることはできない。
また、かかる問題点は、咀嚼・嚥下機能が低下した高齢者の栄養管理(食事)においても同様に生じており、このような高齢者の栄養管理は長期間に渡るため、高齢者の食欲を十分に得ることは、栄養状態を保つ上で特に重要な問題である。さらに、かかる問題点は、米に限らず全ての穀類の摂取においても同様に生じている。
特開2000−300194号公報
本発明の目的は、穀類をその形状を維持しつつ確実に軟質化することができ、かつ少量で高いカロリーを摂取可能な軟質化穀類を得ることができる軟質化方法、および、かかる軟質化方法により形状を維持した状態で軟質化でき、優れた見た目および食感を有する高カロリーな軟質化穀類を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
(1) 穀類を軟質化する軟質化方法であって、
少なくとも1種の酵素を含有する第1酵素処理液を前記穀類に含浸させる一次含浸工程と、
前記第1酵素処理液が含浸された前記穀類を加熱する一次加熱工程と、
さらに、少なくとも1種の酵素を含有する第2酵素処理液を、加熱された前記穀類に含浸させる二次含浸工程と、
前記第2酵素処理液が含浸された前記穀類を、少なくとも1種の酵素を含有する第3酵素処理液に浸漬させた状態で加熱することにより軟質化させる二次加熱工程を有し、
前記第1酵素処理液、前記第2酵素処理液および前記第3酵素処理液は、酵素として、アミラーゼと、プロテアーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼおよびヘミセルラーゼのうちの2種の前記アミラーゼとは異なる他の酵素とを含有することを特徴とする軟質化方法。
) 前記第1酵素処理液、前記第2酵素処理液および前記第3酵素処理液は、各酵素処理液中に含まれる酵素の種類が同一のものである上記()に記載の軟質化方法。
) 前記二次加熱工程の後に、さらに、軟質化された前記穀類に、アミラーゼを含有する第4酵素処理液を接触させることにより、前記穀類の表面に付着したべたつきを除去するべたつき除去工程を有する上記(1)または(2)に記載の軟質化方法。
) 前記べたつき除去工程の後に、さらに、軟質化された前記穀類から水分を除去する上記()に記載の軟質化方法。
) 前記穀類は、うるち米である上記(1)ないし()のいずれかに記載の軟質化方法。
) 穀類を、上記(1)ないし()のいずれかに記載の軟質化方法により軟質化してなることを特徴とする軟質化穀類。
) 前記軟質化穀類は、「高齢者用食品の表示許可の取り扱いについて(衛新第15号、厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知、平成6年2月23日)」に記載の「高齢者用食品の試験方法」に準拠して測定した圧縮応力が1.5×104N/m以下である上記()に記載の軟質化穀類。
) 前記軟質化穀類は、そのカロリーが0.7kcal/g以上である上記()または()に記載の軟質化穀類。
本発明によれば、穀類をその形状を維持しつつ確実に軟質化することができ、優れた見た目および食感を有する高カロリーな軟質化穀類が得られる。
さらに、穀類を軟質化するために用いられる酵素処理液中に含まれる酵素を、アミラーゼの他に、プロテアーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼのうちの少なくとも1種を含むものとすることにより、軟質化した穀類の風味をも向上させることができ、この物を食する患者の食欲をより向上させることができる。
以下、本発明の軟質化方法および軟質化穀類を好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の軟質化方法は、穀類を軟質化する軟質化方法であり、少なくとも1種の酵素を含有する第1酵素処理液を前記穀類に含浸させる一次含浸工程と、前記第1酵素処理液が含浸された前記穀類を加熱する一次加熱工程と、さらに、少なくとも1種の酵素を含有する第2酵素処理液を、加熱された前記穀類に含浸させる二次含浸工程と、前記第2酵素処理液が含浸された前記穀類を、少なくとも1種の酵素を含有する第3酵素処理液に浸漬させた状態で加熱することにより軟質化させる二次加熱工程とを有し、前記第1酵素処理液、前記第2酵素処理液および前記第3酵素処理液は、酵素として、アミラーゼを含有することを特徴とする。
ここで、本発明の軟質化方法が適用される、穀類としては、特に限定されず、例えば、うるち米、もち米、玄米、赤米、黒米のような米類、小麦、大麦、はと麦のような麦類、および、キビ、アワ、ヒエ、アマランサスのような雑穀類等が挙げられる。これらの中でも、本発明の軟質化方法は、特に、優れた見た目および食感を維持した状態で軟質化することができる、うるち米の軟質化(軟化)に好ましく用いられる。
以下、うるち米(以下、単に「米」と言うこともある。)を軟質化させて、お粥(高カロリー栄養粥)を得る場合を一例に説明する。
本発明の軟質化方法を、お粥の製造に適用すれば、後に詳述するように、高カロリーで、かつ、米の形状(外観)が維持された状態で適度に軟質化された米を含有するお粥を得ることができる。
本実施形態の軟質化方法は、[1]米に第1酵素処理液を含浸させる一次含浸工程と、[2]第1酵素処理液が含浸された米を加熱する一次加熱工程と、[3]加熱された米に第2酵素処理液をさらに含浸させる二次含浸工程と、[4]第2酵素処理液が含浸された米を第3酵素処理液中に浸漬した状態で加熱(炊飯)することにより軟質化させる二次加熱工程と、[5]軟質化された米をさらに第4酵素処理液で処理してべたつきを除去するべたつき除去工程と、[6]べたつきが除去された米に殺菌処理を施す殺菌処理工程と、[7]殺菌処理が施された米を保存するための保存処理工程を有する。
かかる工程を経ることにより、米の構成成分(例えば、アミロース等)の分子鎖を、その全体にわたって均等に切断することにより低分子化し、結果として、米の形状を維持した状態で、軟質化を行うことができる。
以下、各工程について詳述する。
[1]一次含浸工程
まず、軟質化(軟化)させるべき米(精米)を用意し、この米に少なくとも1種の酵素を含有する酵素処理液(第1酵素処理液)を含浸(一次含浸)させる。
これにより、米の内部に、酵素処理液に含まれる酵素を含浸させて、この酵素の作用により、本工程[1]および後述する工程[2]〜工程[5]において、米の構成成分の一部を切断する。
酵素処理液(第1酵素処理液)中に含まれる酵素としては、本発明では、軟質化すべき米の構成成分のうち、その主成分であるアミロースを分解するアミラーゼが必須の酵素として含有するものが用いられる。さらに、酵素処理液中には、酵素として、このアミラーゼを単独で含有していても良いが、アミロース以外の米の構成成分を分解する他の酵素をさらに少なくとも1種含有しているのが好ましい。これにより、アミラーゼと、アミラーゼ以外の酵素とが相乗的に作用して、米の中心部までほぼ均一に、米の構成成分を切断することができるようになる。その結果、米中に含まれるアミロース等の成分が選択的に切断されることに起因して、得られるお粥に、甘み等の雑味が生じ、お粥の風味が損なわれてしまうのを確実に防止することができる。
なお、酵素処理液を、アミラーゼ以外の他の酵素を含有する構成とする場合、酵素処理液は、この他の酵素を2種含有するものであるのが好ましい。これにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
このような、アミラーゼとは異なる他の酵素としては、特に限定されないが、例えば、タンパク質を分解するプロテアーゼ、ヘミセルロースを分解するヘミセルラーゼ、セルロースを分解するセルラーゼ、ペクチンを分解するペクチナーゼが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、アミラーゼとしては、例えば、Bacillus subtilis株由来のαアミラーゼ(至適温度;75℃)、耐熱性αアミラーゼ(至適温度;95℃)、Aspergillus oryzae株由来の中温性アミラーゼ(至適温度;50℃)、βアミラーゼ(至適温度;60℃)、およびグルコアミラーゼ(至適温度;60℃)等が挙げられる。
プロテアーゼとしては、例えば、パパイン(至適温度;80℃)、サーモライシン(至適温度;70℃)、トリプシン(至適温度:50℃)、酸性プロテアーゼ(至適温度:45℃)およびアルカリ性プロテアーゼ(至適温度:60℃)等が挙げられる。
ヘミセルラーゼとしては、例えば、Aspergillus niger株由来のもの(至適温度;50℃)およびTrichoderma viride株由来のもの(至適温度:60℃)等が挙げられる。
セルラーゼとしては、例えば、エンドグルカナーゼ(至適温度;55℃)およびエキソグルカナーゼ(至適温度;45℃)等が挙げられる。
ペクチナーゼとしては、例えば、ポリガラクツロナーゼ(至適温度;55℃)、ペクチンリア−ゼ(至適温度;40℃)、ペクチンエステラーゼ(至適温度:40℃)およびプロトペクチナーゼ(至適温度:50℃)等が挙げられる。
また、上記以外のその他の酵素としては、例えば、キシラナーゼ(至適温度;55℃)、リパーゼ(至適温度:40℃)およびポリフェノールオキシダーゼ(至適温度:60℃)等が挙げられる。
また、酵素処理液中の酵素の含有量(合計量)は、酵素処理液中に含まれる酵素の種類によっても若干異なり、特に限定されないが、好ましくは0.001〜5.0wt%程度に設定され、より好ましくは0.01〜2.0wt%程度に設定される。かかる含有量に設定された酵素処理液を用いることにより、目的とする量の酵素を米中に確実に含浸させることができる。
さらに、酵素処理液中には、これらの他に、クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸のようなpH調整剤、フェルラ酸のような抗酸化剤、アルギニン、グルタミンのようなアミノ酸や、ビタミン類およびミネラル類が含まれていても良い。
以上のような酵素処理液を調製するのに用いる液体としては、例えば、水、および、エタノール等のアルコール類が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本工程において、米内に酵素を含浸(浸透)させる方法としては、特に限定されないが、例えば、米を酵素処理液中に浸漬する方法(浸漬法)、米に酵素処理液を噴霧する方法(噴霧法)、米に酵素処理液を塗布する方法(塗布法)等が挙げられる。これらの中でも、浸漬法を用いるのが好ましい。浸漬法によれば、米を酵素処理液中に浸漬するという簡単な操作で、米中に酵素処理液すなわち酵素を均一に含浸させ得ることから好ましい。
米内に酵素を含浸させる際の、酵素処理液の温度は、1〜60℃程度であるのが好ましく、10〜45℃程度であるのがより好ましい。
さらに、米内への酵素の含浸は、振動(超音波振動)を付与しながら行うようにしてもよい。これにより、米の内部への酵素の含浸率を増大させることができる。
米に供給した酵素処理液を含浸させる時間は、米の種類によっても若干異なり、特に限定されないが、1〜120分間程度であるのが好ましく、30〜80分間程度であるのがより好ましい。
なお、本工程において、米は、酵素処理液の含浸により、その重量が、酵素処理液の含浸前の米と比較して、好ましくは1.1〜1.5倍程度、より好ましくは1.2〜1.4倍程度に増加させる。
[2]一次加熱工程
次に、酵素処理液が一次含浸された米を、加熱(一次加熱)する。
なお、この米の加熱は、前記工程[1]における米に対する酵素処理液の含浸を、酵素処理液中に米を浸漬することにより行われた場合、通常、酵素処理液中から取り出した状態で実施される。
このように、後述する二次加熱工程[4]に先立って、一次含浸された米を加熱(一次加熱)する構成とすることにより、米の構成成分は、例えば、その一部が切断されて若干低分子化されることにより、分子同士の絡み合いが解けたり、各分子間の距離が大きくなり米内に空隙が形成されたりする。このため、後述する二次含浸工程[3]において、酵素処理液中に含まれる酵素をより均一にかつ高濃度に米の内部にまで含浸させることができる。そのため、二次加熱工程[4]において、酵素による分子鎖の切断をより確実に行うこと、すなわち、米の軟質化をより確実に行うことができる。
加熱処理の方法としては、特に限定されず、例えば、米を加湿下で加熱する方法(蒸す方法)、米を熱湯(沸騰した水)中に浸漬する方法(茹でる方法)、米に熱湯を噴霧または塗布する方法(塗布法)、米を火炎に接触させる方法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、加熱処理の方法としては、特に、米を加湿下で加熱する方法(蒸す方法)が好適である。
かかる方法によれば、加熱処理時において、米中心部の温度の制御を容易かつ正確に行うことができる。
また、加熱とともに米のより内部に水分を含浸させることができ、この水分とともに米の内部にまで酵素を含浸させることができるため、前記分子鎖の切断をより円滑に行うことができる。
この場合、加湿の湿度は、相対湿度で60〜100%RH程度であるのが好ましく、85〜100%RH程度であるのがより好ましい。かかる範囲の湿度の加湿下において、米に加熱処理を行うことにより、米の外表面の変質(変性)等をともなうことなく、米の中心部まで均等に加熱することができる。
また、加熱温度は、好ましくは60〜100℃程度、より好ましくは80〜100℃程度とされる。かかる範囲内に設定することにより、米の中心部まで均一に加熱することができる。特に、本発明では、酵素処理液中にアミラーゼが必須の酵素として含まれており、この加熱処理(一次加熱)の際に、アミラーゼの失活が的確に抑制または防止されるように、アミラーゼとして、その至適温度が75〜95℃程度のものを選択するのが好ましい。これにより、加熱処理による酵素の失活を的確に抑制または防止でき、さらに、加熱温度が至適温度付近の温度で長時間維持されることになるので、本工程における前記分子鎖の切断をより促進させることができる。
また、加熱時間は、米の加熱温度によっても若干異なるため、特に限定されないが、前記温度範囲とする場合、5〜30分程度であるのが好ましく、10〜20分程度であるのがより好ましい。かかる時間で米を加熱することにより、米の中心部まで(米全体を)より確実かつ均一に加熱することができ、酵素による分子鎖の切断を米全体に亘って均一に行うことができる。
[3]二次含浸工程
次に、加熱された米に、さらに、少なくとも1種の酵素を含有する酵素処理液(第2酵素処理液)を含浸させる。
これにより、米の内部に、酵素処理液(第2酵素処理液)に含まれる酵素をさらに含浸させて、この酵素の作用により、米の構成成分の一部をより確実に切断する。
酵素処理液(第2酵素処理液)としては、前記一次含浸工程[1]で説明したのと同様のもの(第1酵素処理液)を用いることができる。なお、酵素処理液(第2酵素処理液)中に含まれる酵素の種類の組み合わせとしては、アミラーゼを含んでいればよく、その他の酵素の種類は、前記一次含浸工程[1]で用いたもの(第1酵素処理液)と同一であっても異なっていてもよい。
また、米内に酵素を含浸(浸透)させる方法としても、前記一次含浸工程[1]で説明したのと同様の方法を用いることができる。
米内に酵素を含浸させる際の、酵素処理液の温度は、1〜60℃程度であるのが好ましく、15〜45℃程度であるのがより好ましい。
米に供給した酵素処理液を含浸させる時間は、米の種類によっても若干異なり、特に限定されないが、5〜60分間程度であるのが好ましく、10〜30分間程度であるのがより好ましい。
なお、本工程において、米は、酵素処理液(第2酵素処理液)の含浸により、その重量が、酵素処理液(第1酵素処理液)の含浸前の米と比較して、好ましくは1.5〜2.0倍程度、より好ましくは1.7〜1.9倍程度に増加させる。
また、本工程[3]が施された米には、次工程である二次加熱工程[4]に先立って、水洗いを施しておくのが好ましい。これにより、米の表面に付着したべたつきが適度に除去されるため、二次加熱工程[4]において、米をより均一に軟質化させることができる。
[4]二次加熱工程
次に、酵素処理液(第2酵素処理液)が含浸された米を、少なくとも1種の酵素を含有する酵素処理液(第3酵素処理液)中に浸漬させた状態で炊飯(加熱)することにより軟質化させる。
これにより、米が炊飯されてお粥が得られるが、米が浸漬されている酵素処理液(第3酵素処理液)中には酵素が含まれ、さらに、前記工程[1]〜[3]を施すことにより、予め米の内部には酵素処理液(第1酵素処理液および第2酵素処理液)中に含まれる酵素が含浸されているため、これら酵素による触媒作用により、米が軟質化してお粥が得られる際の炊飯時間(加熱時間)の短縮を図ることができる。また、米の軟質化をその内部に亘って均質に行うことができる。その結果、お粥の中に含まれる米が実割れして、細分化されてしまうのを確実に防止しつつ、米を確実に軟質化することができる。
なお、本工程で米を浸漬させる酵素処理液は、前記工程[3]で用いたものをそのまま用いてもよいが、これとは別に調製した酵素処理液(第3酵素処理液)を用いるのが好ましい。これにより、炊飯(二次加熱)により酵素の一部が失活したとしても十分な量の酵素を酵素処理液中に含有させることができる。
また、別に調製した酵素処理液を用いる場合、用いる酵素処理液(第3酵素処理液)としては、前記一次含浸工程[1]で説明したのと同様のもの(第2酵素処理液)を用いることができる。なお、酵素処理液(第3酵素処理液)中に含まれる酵素の種類の組み合わせとしては、アミラーゼを含んでいればよく、その他の酵素の種類は、前記一次含浸工程[1]および前記二次含浸工程[3]で用いられたもの(第1酵素処理液および第2酵素処理液)と同一であっても異なっていてもよい。
炊飯の方法としては、特に限定されず、例えば、米が浸漬されている酵素処理液を加湿下で加熱する方法、米が浸漬されている酵素処理液を火炎に接触させる方法等が挙げられるが、これらの中でも、加熱処理の方法としては、特に、米が浸漬されている酵素処理液を加湿下で加熱する方法が好適である。
かかる方法によれば、酵素処理液中に含まれる水分が不本意に蒸発して、お粥が濃縮されて、このものの粘度が必要以上に向上してしまうのを確実に防止することができる。
この場合、加湿の湿度は、相対湿度で60〜100%RH程度であるのが好ましく、85〜100%RH程度であるのがより好ましい。かかる範囲の湿度の加湿下において、米が浸漬されている酵素処理液に加熱処理を行うことにより、酵素処理液中に含まれる水分が不本意に蒸発してしまうのを確実に防止することができる。
また、加熱温度は、好ましくは50〜120℃程度、より好ましくは60〜100℃程度とされる。かかる範囲内に設定することにより、酵素の失活を適度に防止または抑制しつつ、米の中心部まで均一に加熱することができる。
さらに、前記一次加熱工程[2]と同様に、本発明では、酵素処理液中にアミラーゼが必須の酵素として含まれており、この加熱処理(二次加熱)の際に、アミラーゼの失活が的確に抑制または防止されるように、アミラーゼとして、その至適温度が75〜95℃程度のものを選択するのが好ましい。これにより、加熱処理による酵素の失活を的確に抑制または防止でき、さらに、加熱温度が至適温度付近の温度で長時間維持されることになるので、本工程における前記分子鎖の切断をより促進させることができる。
また、加熱時間は、酵素処理液の加熱温度によっても若干異なるため、特に限定されないが、前記温度範囲とする場合、30〜140分程度であるのが好ましく、45〜100分程度であるのがより好ましい。かかる時間で酵素処理液を加熱すること、すなわち米を炊飯することにより、米の中心部まで(米全体を)より確実かつ均一に加熱することができ、酵素による分子鎖の切断を米全体に亘って均一に行うことができるため、均一に軟質化された米を確実に得ることができる。
[5]べたつき除去工程
次に、米を炊飯して得られたお粥に対して、さらに酵素処理液(第4酵素処理液)を添加して米に接触させることにより、軟質化された米に付着しているべたつきを除去する。
このように軟質化された米からべたつきを除去すると、得られるお粥は、お粥様の食感を有するものから、より雑炊の食感に近いものとなる。ここで、嚥下が困難な高齢者や患者では、雑炊の食感に近いものの方が、口腔内でべたつくことなく嚥下することができる。そのため、かかる高齢者や患者がお粥を食する場合には、本工程[5]が施されたお粥を提供するのが好ましい。
なお、米に付着しているべたつきは、炊飯の際に米の内部から漏出した澱粉が米に付着したもので主として構成されているため、お粥に添加する酵素処理液(第4酵素処理液)としては、前述した酵素処理液(第1酵素処理液)を用いてもよいが、酵素としてアミラーゼを単独で含有する酵素処理液を用いるのが好ましい。
かかる酵素処理液(第1酵素処理液)中に含まれるアミラーゼの含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜5wt%程度に設定され、より好ましくは0.01〜2wt%程度に設定される。かかる濃度の酵素処理液を用いることにより、米に付着したべたつきを除去することができる。
べたつきを除去する際の、お粥の温度は、50〜100℃程度であるのが好ましく、60〜90℃程度であるのがより好ましい。
また、べたつきを除去する時間は、米の種類によっても若干異なり、特に限定されないが、10〜60分間程度であるのが好ましく、15〜30分間程度であるのがより好ましい。
以上のようにして得られたお粥において、お粥中に含まれる米は、十分に軟質化され、かつ、軟質化前の米とほぼ等しい形状をなしている。すなわち、お粥に含まれる米は、十分に軟質化されているうえに食感もよく、見た目も軟質化前の米の形状をほぼ維持している。このため、咀嚼や嚥下が困難な高齢者や患者に対して、食欲の増進を促すことが期待できる。さらに、米が十分に軟質化されていることに起因して、咀嚼時に米粒が容易に崩壊して、残渣として残らず、このものを含んだ状態で嚥下されることがないので、術後直後の消化管手術後の患者が食したとしても、誤嚥や消化管内滞留に起因する消化管閉塞の発症等のリスクが解消される。
また、米が軟質化前の米とほぼ等しい形状をなしているため、得られたお粥は、ほぼ全粥と同等の状態をなしているものとなる。したがって、得られたお粥は、全粥と同等のカロリーを有する高カロリーなものであると共に、十分に軟質化されたものとなるので、五分粥等の軟らかさで、全粥に相当する量のカロリーを取得でき、高齢者や患者の負担を低減することができる。
具体的には、かかるお粥に含まれる米は、厚生労働省で規定の「高齢者用食品の試験方法」にしたがって測定した圧縮応力が好ましくは1.5×10N/m以下に、より好ましくは5×10〜1×10N/m程度に、さらに好ましくは5×10N/m以下となっている。このような数値を満たすことにより、前述の高齢者や患者でも、確実に軟質化穀類を咀嚼し、飲み込むことが可能となる。
さらに、かかるお粥のカロリーは、好ましくは0.5kcal/g以上に、より好ましくは0.7〜1.2kcal/g程度になっている。これにより、少量のお粥の摂取で十分な量のエネルギーを補給することができるようになる。
なお、本工程[5]を実施することにより、米に付着していたべたつきが除去されるので、本工程[5]が施されたお粥から水切りすることが可能となる。さらに、上述したように軟質化された米は、軟質化前の米とほぼ等しい形状をなしているため、水切りされたお粥は、ほぼ米飯に近い状態をなすものとなる。
したがって、本工程[5]を実施することにより、雑炊状をなすものから、米飯状をなすものまで得ることができ、お粥の提供者の希望に即したものを提供することが可能となる。
また、水切りを施すことにより、お粥をさらに高カロリーなものとすることができ、具体的には、0.8〜1.3kcal/g程度のものとすることができる。
[6]殺菌処理工程
次に、得られたお粥に殺菌処理を施す。
これにより、前記工程[1]〜[5]でお粥に付着した雑菌を殺菌することができるとともに、お粥に含まれる酵素を失活させることができる。その結果、お粥の保存期間が延長され、さらにお粥の保存時等において、さらに酵素反応が進行して、例えば、お粥に含まれる米の型崩れを起こすこと等を防止することができる。
お粥を殺菌処理する方法としては、特に限定されないが、お粥を加熱する方法が好適に用いられる。
お粥を殺菌処理する際の、お粥の温度は、60〜120℃程度であるのが好ましく、70〜90℃程度であるのがより好ましい。
また、殺菌処理する時間は、10〜60分間程度であるのが好ましく、20〜30分間程度であるのがより好ましい。
なお、本工程[6]に先立って、得られたお粥を容器内に封入しておくのが好ましい。このように殺菌処理に先立ってお粥を容器内に封入する構成とすることにより、容器内のお粥は密閉空間に封入されていることになるので、本工程[6]の殺菌処理後に、新たに雑菌等が付着してしまうのを確実に防止することができる。
お粥を封入する容器は、お粥を保存するのに適した容器が用いられ、具体的には、レトルトパウチ(アルミパウチ)、ソフトバッグ等が好ましく用いられる。また、これらの容器には、防湿性、酸素遮断性に優れているものが好ましく用いられる。
[7]保存処理工程
次に、殺菌処理が施されたお粥を保存するための保存処理を行う。
お粥を保存するための方法としては、特に限定されないが、例えば、お粥を冷凍保存する方法、お粥をレトルト保存する方法、およびお粥を真空パック保存する方法等が挙げられ、これらの中でも、冷凍保存する方法が一般的に用いられる。かかる方法によれば、お粥を長期保存に適したものとすることができるとともに、所望の時に、凍結されたお粥を解凍して食することができる。
お粥の凍結は、如何なる方法を用いて行ってもよいが、液体窒素や冷却したアルコール等を用いた急速凍結(急速凍結)法や、急速凍結装置(福島工業社製「ブラストフリーザー」等)を用いて行うのが好ましい。かかる方法を用いることにより、米中における氷結晶の発生を的確に抑制または防止することができるため、この凍結されたお粥を解凍した際に、米の形状が変化してしまうのをより効果的に防止することができる。
お粥を急速凍結する際の温度は、−20℃以下であるのが好ましく、−25〜−40℃程度であるのがより好ましい。これにより、お粥を凍結する際に、米中に氷結晶が生成してしまう0〜−5℃の温度領域を比較的短時間(具体的には、30分以内)で通過させることができ、氷結晶の生成がより的確に抑制される。
軟質化された米を急速凍結する時間は、30〜120分程度であるのが好ましく、60〜90分程度であるのがより好ましい。これにより、お粥の全体に亘って、氷結晶の生成が抑制された状態で、均一に凍結することができる。
以上、本発明の軟質化方法および軟質化穀類を実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明では、前記実施形態における工程[5]〜工程[7]の少なくとも1つの工程を省略してもよい。また、任意の工程が付加されていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.炊飯までの条件の検討
1−1.軟質化穀物の製造
以下の実施例1Aおよび比較例1A〜4Aにおいて、穀類を酵素処理液中で炊飯するまでに施す処理条件がそれぞれ異なる軟質化穀類を製造した。
(実施例1A)
<1>一次含浸工程
まず、精米されたうるち米70gを用意した。
次いで、アミラーゼ(至適温度:75℃)をその含有量が0.05wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解して酵素処理液(第1酵素処理液)を調製した。
次に、この酵素処理液176mL中に、常圧下、25℃の条件で、用意した米を1時間浸漬することにより、米中に酵素処理液を一次含浸(浸透)させた。
なお、この一次含浸により、米の全体重量は1.2倍に増量した。
<2>一次加熱工程
次に、前記工程<1>で酵素処理液が一次含浸された米をザルで濾すことにより取り出し、この米をスチームコンベンション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、加湿下(相対湿度100%RH)において、温度95℃で13分間の条件で一次加熱した。
<3>二次含浸工程
次に、前記工程<1>で調製したのと同様の酵素処理液(第2酵素処理液)を用意し、この酵素処理液176mL中に、常圧下、25℃の条件で、一次加熱された米を15分間浸漬することにより、米中に酵素処理液を二次含浸させた。
なお、この二次含浸により、米の全体重量は1.8倍に増量した。
<4>炊飯(二次加熱)工程
次に、前記工程<3>で酵素処理液(第2酵素処理液)が二次含浸された米をザルで濾した後水洗いし、その後、この米を前記工程<1>で調製したのと同様の酵素処理液(第3酵素処理液)176mL中に浸漬した。
次いで、米を酵素処理液中に浸漬した状態で、スチームコンベンション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、加湿下(相対湿度100%RH)において、温度70〜100℃で60分間の条件で炊飯した。
<5>殺菌処理工程
次に、炊飯された米(お粥)を、80℃×30分間の条件で加熱して、殺菌した。
<6>凍結処理工程
次に、殺菌処理終了後の米(お粥)を、急速冷凍装置(福島工業社製、「ブラストフリーザー QXF−006SF5」)を用いて、−35℃×120分間で急速冷凍させた。
以上のようにして、冷凍状態のお粥(軟質化穀類)を得た。
(比較例1A)
前記一次含浸工程<1>において、酵素処理液(第1酵素処理液)に代えて水中に米を浸漬し、前記炊飯工程<4>において、アミラーゼ(至適温度:75℃)の含有量が0.1wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解して調製した酵素処理液(第3酵素処理液)176mL中に浸漬して炊飯したこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
(比較例2A)
前記一次加熱工程<2>を省略したこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
(比較例3A)
前記二次含浸工程<3>において、酵素処理液(第2酵素処理液)に代えて水中に米を浸漬し、前記炊飯工程<4>において、アミラーゼ(至適温度:75℃)の含有量が0.1wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解して調製した酵素処理液(第3酵素処理液)176mL中に浸漬して炊飯したこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
(比較例4A)
前記二次含浸工程<3>において、アミラーゼ(至適温度:75℃)の含有量が0.1wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解して調製した酵素処理液(第2酵素処理液)176mL中に米を浸漬し、前記炊飯工程<4>において、酵素処理液(第3酵素処理液)に代えて水中に米を浸漬した状態で炊飯したこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
1−2.評価
実施例1Aおよび比較例1A〜4Aの冷凍状態のお粥を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度80℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍されたお粥を以下に示す1−2−1〜1−2−5の各種項目について評価した。
1−2−1.かたさ(圧縮応力)
お粥(軟質化穀類)に含まれる米(試料)のかたさ(圧縮応力)は、「高齢者用食品の表示許可の取り扱いについて(衛新第15号、厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知、平成6年2月23日)」中の高齢者用食品の試験方法を準拠して測定した。すなわち、レオメーター(山電株式会社製、「RE2-33005S」)を用いて、直径20mmのプランジャーを圧縮速度10mm/秒で、解凍したお粥に含まれる米(米粒)の上端から、厚さの70%まで押し込み、下端側の部分が30%残存するようにクリアランスを設定して、圧縮応力(N/m)を測定した。なお、ここで、クリアランスとは、最大に試料を圧縮した時のプランジャーの先端からゼロ点(すなわち、試料の下端)までの距離をいう。
また、測定温度は20±2℃とした。
そして、実施例1Aおよび各比較例の解凍したお粥に含まれる米でそれぞれ測定された、5個の米の測定結果の平均値を、以下の5段階の基準にしたがって評価した。
◎ :5×10N/m以下
○ :5×10N/m超、1×10N/m以下
△ :1×10N/m超、1.5×10N/m以下
× :1.5×10N/m超、2×10N/m以下
××:2×10N/m
1−2−2.形状保持
形状保持性は、実施例1Aおよび各比較例の解凍したお粥に含まれる米(米粒)の外観および形状崩壊度合いについて、軟質化前の米と比較観察して、それぞれ、以下の5段階の基準にしたがって評価した。
◎ :外観に変化は認められない
○ :外観に僅かな変化は認められるものの、自然な形状を維持している
△ :外観にやや変化が認められるものの、自然な形状の範囲内とみなすことができる
× :外観に変化が認められるとともに実にひび割れが生じ、形状が明らかに崩壊している
××:外観に顕著な変化が認められるとともに実割れが生じ、形状がひどく崩壊している
1−2−3.食感
実施例1Aおよび各比較例の解凍したお粥を食し、その際に感じられた食感を、それぞれ、以下の5段階の基準にしたがって評価した。
◎ :五分粥の食感とほぼ同等
○ :五分粥の食感に対して僅かにべたつく
△ :五分粥の食感に対して明らかにべたつく
× :五分粥の食感に対してべたつきが強く認められる
××:べたつきがとても強く、糊のように感じる
1−2−4.風味
実施例1Aおよび各比較例の解凍したお粥を食し、その際に感じられた風味を、それぞれ、以下の5段階の基準にしたがって評価した。
◎ :五分粥の風味とほとんど変化なし
○ :五分粥の風味に対して僅かな風味の変化あり
△ :五分粥の風味に対して甘みが若干認められる
× :五分粥の風味に対して甘みが強く認められる
××:甘味が際立ち全粥の風味を完全に失っている
1−2−5.カロリー(エネルギー)
実施例1Aおよび各比較例の解凍したお粥の水分、カロリーを以下のように測定した。
すなわち、水分量、タンパク質量、脂質量、灰分量は常法に従って測定し、得られたお粥の水分量、タンパク質量、脂質量、灰分量を100gあたりに換算し、お粥の100gあたりのカロリーを、以下の計算式(1)に基づいて算出した。
お粥の100gあたりのカロリー(kcal/100g)=[(100−水分量−タンパク質量−脂質量−灰分量)+タンパク質量]×4+脂質量×9 ・・・ 式(1)
得られた結果を、以下の5段階の基準にしたがって評価した。
◎:80kcal/100g以上
○:70kcal/100g以上、80kcal/100g未満
△:60kcal/100g以上、70kcal/100g未満
×:50kcal/100g以上、60kcal/100g未満
××:50kcal/100g未満
これらの結果を表1に示す。
Figure 0005044588
表1から明らかなように、実施例1Aの解凍後のお粥は、機械的に測定されたかたさ(圧縮応力)において十分な軟らかさを示し、かつ外観および形状も自然な範囲内とみなすことができた。また、食感も問題ないレベルのものであった。また、カロリーも全粥と同等のレベルのものであった。
これに対して、比較例1A〜4Aの解凍後のお粥は、前記工程<1>〜<4>の工程が省略等されているため、かたさ(圧縮応力)において十分な軟らかさが得られなかったり、食感が明らかに劣るものであった。
2.酵素処理液中における酵素の種類の検討
2−1.軟質化穀類の製造
(実施例1B)
<1>一次含浸工程
まず、精米されたうるち米70gを用意した。
次いで、耐熱性アミラーゼ(至適温度:95℃)をその含有量が0.05wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解して酵素処理液(第1酵素処理液)を調製した。
次に、この酵素処理液176mL中に、常圧下、25℃の条件で、用意した米を1時間浸漬することにより、米中に酵素処理液を一次含浸(浸透)させた。
なお、この一次含浸により、米の全体重量は1.2倍に増量した。
<2>一次加熱工程
次に、前記工程<1>で酵素処理液が一次含浸された米をザルで濾すことにより取り出し、この米をスチームコンベンション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、加湿下(相対湿度100%RH)において、温度95℃で13分間の条件で一次加熱した。
<3>二次含浸工程
次に、前記工程<1>で調製したのと同様の酵素処理液(第2酵素処理液)を用意し、この酵素処理液176mL中に、常圧下、25℃の条件で、一次加熱された米を15分間浸漬することにより、米中に酵素処理液を二次含浸させた。
なお、この二次含浸により、米の全体重量は1.8倍に増量した。
<4>炊飯(二次加熱)工程
次に、前記工程<3>で酵素処理液が二次含浸された米をザルで濾した後水洗いし、その後、この米を前記工程<1>で調製したのと同様の酵素処理液(第3酵素処理液)176mL中に浸漬した。
次いで、米を酵素処理液中に浸漬した状態で、スチームコンベンション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、加湿下(相対湿度100%RH)において、温度70〜98℃で60分間の条件で炊飯した。
<5>殺菌処理工程
次に、炊飯された米(お粥)を、80℃×30分間の条件で加熱して、殺菌した。
<6>凍結処理工程
次に、殺菌処理終了後の米(お粥)を、急速冷凍装置(福島工業社製、「ブラストフリーザー QXF−006SF5」)を用いて、−35℃×60分間で急速冷凍させた。
以上のようにして、冷凍状態のお粥(軟質化穀類)を得た。
(実施例2B)
酵素処理液(第1〜第3酵素処理液)として、中温性アミラーゼ(至適温度;50℃)をその含有量が0.05wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを調整し、この酵素処理液を工程<1>、<3>、<4>に用いた以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
(比較例1B)
酵素処理液(第1〜第3酵素処理液)として、パパイン(至適温度:80℃)をその含有量が0.05wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを調整し、この酵素処理液を工程<1>、<3>、<4>に用いた以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
(比較例2B)
酵素処理液(第1〜第3酵素処理液)として、へミセルラーゼ(至適温度;50℃)をその含有量が0.05wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを調整し、この酵素処理液を工程<1>、<3>、<4>に用いた以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
(比較例3B)
酵素処理液(第1〜第3酵素処理液)として、セルラーゼ(至適温度;55℃)をその含有量が0.05wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを調整し、この酵素処理液を工程<1>、<3>、<4>に用いた以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
(比較例4B)
酵素処理液(第1〜第3酵素処理液)として、ペクチナーゼ(至適温度;55℃)をその含有量が0.05wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを調整し、この酵素処理液を工程<1>、<3>、<4>に用いた以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
2−2.評価
実施例1Bおよび比較例1B〜4Bの冷凍状態のお粥を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度80℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍されたお粥を、前述した実施例1Aおよび比較例1A〜4Aと同様にして前記1−2−1〜1−2−5の各種項目について評価した。
これらの結果を表2に示す。
Figure 0005044588
表2から明らかなように、実施例1B、2Bの解凍後のお粥は、機械的に測定されたかたさ(圧縮応力)において十分な軟らかさを示し、かつ外観および形状も自然な範囲内とみなすことができた。また、食感は五分粥として食するに問題ないレベルのものであった。さらに、カロリーは全粥と同等のレベルのものであった。なお、前記実施例1Aおよび本実施例1Bでは、本実施例2Bと比較して、アミラーゼとして至適温度がより好適のものを用いているため、かたさ(圧縮応力)または風味が改善する傾向を示した。
これに対して、アミラーゼとは異なる酵素を軟質化のために用いた比較例1B〜4Bの解凍後のお粥は、かたさ(圧縮応力)において十分な軟らかさが得られなかった。
3.酵素処理液中における酵素の組み合わせの検討
3−1.軟質化穀類の製造
(実施例1C)
酵素処理液(第1〜第3酵素処理液)として、アミラーゼ(至適温度:75℃)およびパパイン(至適温度:80℃)をそれらの含有量がそれぞれ0.05wt%および0.1wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを調整し、この酵素処理液を前記実施例1Bの工程<1>、<3>、<4>に用いた以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
(実施例2C)
酵素処理液(第1〜第3酵素処理液)として、アミラーゼ(至適温度:75℃)、パパイン(至適温度:80℃)およびへミセルラーゼ(至適温度;50℃)をそれらの含有量がそれぞれ0.05wt%、0.1wt%および0.05wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを調整し、この酵素処理液を前記実施例1Bの工程<1>、<3>、<4>に用いた以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
(実施例3C)
酵素処理液(第1〜第3酵素処理液)として、アミラーゼ(至適温度:75℃)、パパイン(至適温度:80℃)およびセルラーゼ(至適温度:55℃)をそれらの含有量がそれぞれ0.05wt%、0.1wt%および0.05wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを調整し、この酵素処理液を前記実施例1Bの工程<1>、<3>、<4>に用いた以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
(実施例4C)
酵素処理液(第1〜第3酵素処理液)として、アミラーゼ(至適温度:75℃)、パパイン(至適温度:80℃)およびペクチナーゼ(至適温度:55℃)をそれらの含有量がそれぞれ0.05wt%、0.1wt%および0.05wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを調整し、この酵素処理液を前記実施例1Bの工程<1>、<3>、<4>に用いた以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
(実施例5C)
酵素処理液(第1酵素処理液)として、アミラーゼ(至適温度:75℃)およびパパイン(至適温度:80℃)をそれらの含有量がそれぞれ0.05wt%および0.1wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを調整し、この酵素処理液を前記実施例1Bの工程<1>に用い、酵素処理液(第2、第3酵素処理液)として、アミラーゼ(至適温度:75℃)、パパイン(至適温度:80℃)およびヘミセルラーゼ(至適温度;50℃)をそれらの含有量がそれぞれ0.05wt%、0.1wt%および0.05wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを調整し、この酵素処理液を前記実施例1Bの工程<3>、<4>に用いた以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
(実施例6C)
酵素処理液(第1、第2酵素処理液)として、アミラーゼ(至適温度:75℃)およびパパイン(至適温度:80℃)をそれらの含有量がそれぞれ0.05wt%および0.1wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを調整し、この酵素処理液を前記実施例1Bの工程<1>、<3>に用い、酵素処理液(第3酵素処理液)として、アミラーゼ(至適温度:75℃)、パパイン(至適温度:80℃)およびペクチナーゼ(至適温度:55℃)をそれらの含有量がそれぞれ0.05wt%、0.1wt%および0.05wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを調整し、この酵素処理液を前記実施例1Bの工程<4>に用いた以外は、前記実施例1Bと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
3−2.評価
実施例1C〜6Cの冷凍状態のお粥を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度80℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍されたお粥を、前述した実施例1Aおよび比較例1A〜4Aと同様にして前記1−2−1〜1−2−5の各種項目について評価した。
これらの結果を表3に示す。
Figure 0005044588
表3から明らかなように、実施例1C〜6Cの解凍後のお粥は、表2に示した実施例1A、1Bおよび2Bの解凍後のお粥と比較して、かたさ、形状保持、食感または風味において改善される結果を示し、これにより、酵素処理液を、アミラーゼ以外の他の酵素を含む構成とするのが良いことが判った。また、このような傾向は、酵素処理液を、アミラーゼ以外の他の酵素を2種含む構成とした場合により顕著に認められることが判った。さらに、この傾向は、他の酵素として、パパインとヘミセルラーゼを含む実施例2Cにおいて特に顕著に認められた。
4.べたつき除去の検討
4−1.軟質化穀類の製造
(実施例1D)
前記炊飯(二次加熱)工程<4>と前記炊飯(二次加熱)工程<5>との間に、下記べたつき除去工程<A>を追加したこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
<A>べたつき除去工程
アミラーゼ(至適温度:75℃)をその含有量が0.1wt%となるように、0.025Mクエン酸緩衝液(pH6.0)に溶解して酵素処理液を調製し、炊飯後の米(お粥)に対して1.0wt%の酵素処理液を添加した。
その後、このお粥をスチームコンベンション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、加湿下(相対湿度100%RH)において、温度70℃で20分間の条件で加熱した。
(実施例2D)
前記炊飯(二次加熱)工程<4>と前記炊飯(二次加熱)工程<5>との間に、上記べたつき除去工程<A>を追加したこと以外は、前記実施例1Cと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
(実施例3D)
前記炊飯(二次加熱)工程<4>と前記炊飯(二次加熱)工程<5>との間に、上記べたつき除去工程<A>を追加したこと以外は、前記実施例2Cと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
4−2.評価
実施例1D〜3Dの冷凍状態のお粥を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度80℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍されたお粥を、前述した実施例1Aおよび比較例1A〜4Aと同様にして前記1−2−1および1−2−3の各種項目について評価した。
これらの結果を表4に示す。
Figure 0005044588
表4から明らかなように、べたつき除去工程を施すことにより、各実施例1D〜3Dのお粥は、食感が改善され、機械的に測定されたかたさ(圧縮応力)がより軟らかくなる傾向を示した。
さらに、各実施例1D〜3Dのお粥は、ともに、それぞれのお粥に含まれる米の表面のべたつきが除去されており、さらに、お粥の液性成分の粘性も低下していた。そのため、このお粥を食したときの食感は、お粥状のものから雑炊状のものへと変化した。
5.水切りの検討
5−1.軟質化穀類の製造
(実施例1E〜3E)
前記べたつき除去工程の後のお粥をザルで濾すことにより水切りしたこと以外は、それぞれ、前記実施例1D〜3Dと同様にして、冷凍状態のお粥を製造した。
5−2.評価
実施例1E〜3Eの冷凍状態のお粥を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度80℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍されたお粥を、前述した実施例1Aおよび比較例1A〜4Aと同様にして前記1−2−5の項目について評価した。
これらの結果を表5に示す。
Figure 0005044588
表5から明らかなように、べたつき除去工程が施された後のお粥を水切りすることにより、容易にお粥に含まれる米と、液性成分とを分離することができるため、各実施例1E〜3Eのお粥は、80kcal/100g以上と全粥以上のカロリーを有するものとなった。
さらに、各実施例1E〜3Eのお粥は、液性成分が除去されているため、外観は米飯に近く、このお粥を食したときの食感も、雑炊状のものから米飯状のものへと変化した。
6.米以外の穀類の検討
6−1.軟質化穀類の製造
(実施例1F)
精米されたうるち米70gに代えて、脱穀されたキビ70gを用意し、このものを軟質化したこと以外は、前記実施例3Cと同様にして、冷凍状態のキビを含むお粥を製造した。
(実施例2F)
精米されたうるち米70gに代えて、脱穀されたアワ70gを用意し、このものを軟質化したこと以外は、前記実施例3Cと同様にして、冷凍状態のアワを含むお粥を製造した。
(実施例3F)
精米されたうるち米70gに代えて、脱穀されたヒエ70gを用意し、このものを軟質化したこと以外は、前記実施例3Cと同様にして、冷凍状態のヒエを含むお粥を製造した。
(実施例4F)
精米されたうるち米70gに代えて、脱穀された大麦70gを用意し、このものを軟質化したこと以外は、前記実施例3Cと同様にして、冷凍状態の大麦を含むお粥を製造した。
(実施例5F)
精米されたうるち米70gに代えて、脱穀されたアマランサス70gを用意し、このものを軟質化したこと以外は、前記実施例3Cと同様にして、冷凍状態のアマランサスを含むお粥を製造した。
6−2.評価
実施例1F〜5Fの冷凍状態のお粥を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度80℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍されたお粥を、前述した実施例1Aおよび比較例1A〜4Aと同様にして前記1−2−1および1−2−2の各種項目について評価した。
これらの結果を表6に示す。
Figure 0005044588
表6から明らかなように、米とは異なる麦類、雑穀のような穀類等の実施例1F〜実施例5Fは、いずれも、機械的に測定されたかたさ(圧縮応力)において十分な軟らかさを示し、かつ外観および形状も自然な範囲内とみなすことができた。また、食感および風味も問題ないレベルのものであった。

Claims (8)

  1. 穀類を軟質化する軟質化方法であって、
    少なくとも1種の酵素を含有する第1酵素処理液を前記穀類に含浸させる一次含浸工程と、
    前記第1酵素処理液が含浸された前記穀類を加熱する一次加熱工程と、
    さらに、少なくとも1種の酵素を含有する第2酵素処理液を、加熱された前記穀類に含浸させる二次含浸工程と、
    前記第2酵素処理液が含浸された前記穀類を、少なくとも1種の酵素を含有する第3酵素処理液に浸漬させた状態で加熱することにより軟質化させる二次加熱工程を有し、
    前記第1酵素処理液、前記第2酵素処理液および前記第3酵素処理液は、酵素として、アミラーゼと、プロテアーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼおよびヘミセルラーゼのうちの2種の前記アミラーゼとは異なる他の酵素とを含有することを特徴とする軟質化方法。
  2. 前記第1酵素処理液、前記第2酵素処理液および前記第3酵素処理液は、各酵素処理液中に含まれる酵素の種類が同一のものである請求項に記載の軟質化方法。
  3. 前記二次加熱工程の後に、さらに、軟質化された前記穀類に、アミラーゼを含有する第4酵素処理液を接触させることにより、前記穀類の表面に付着したべたつきを除去するべたつき除去工程を有する請求項1または2に記載の軟質化方法。
  4. 前記べたつき除去工程の後に、さらに、軟質化された前記穀類から水分を除去する請求項に記載の軟質化方法。
  5. 前記穀類は、うるち米である請求項1ないしのいずれかに記載の軟質化方法。
  6. 穀類を、請求項1ないしのいずれかに記載の軟質化方法により軟質化してなることを特徴とする軟質化穀類。
  7. 前記軟質化穀類は、「高齢者用食品の表示許可の取り扱いについて(衛新第15号、厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知、平成6年2月23日)」に記載の「高齢者用食品の試験方法」に準拠して測定した圧縮応力が1.5×104N/m以下である請求項に記載の軟質化穀類。
  8. 前記軟質化穀類は、そのカロリーが0.7kcal/g以上である請求項またはに記載の軟質化穀類。
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