JP2007319111A - 食品ゲル成形体の製造装置の閉塞防止方法及び食品ゲル成形体の製造装置 - Google Patents

食品ゲル成形体の製造装置の閉塞防止方法及び食品ゲル成形体の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レストラン等の厨房に設置でき、且つ食品ゲル成形体の製造を任意に停止しても、直ちに食品ゲル成形体の製造を再開できる食品ゲル成形体の製造装置を提供する。
【解決手段】食品用のゾル溶液が調製される溶解タンク10の下方に設けられ、複数個の縦型の型42から構成される型群と、排出口が開閉手段によって閉塞された型42内に充填されたゾル溶液を冷却して食品ゲル成形体とする冷却手段40と、溶解タンク10から型42の方向に、ゾル溶液が液溜しないように延出された供給ノズル配管32の途中に設けられた自動弁34とを具備する食品ゲルの製造装置であって、溶解タンク10でのゾル溶液の調製が休止されたとき、残留したゾル溶液がゲル化しない時間内に、溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管31を熱湯で洗浄する洗浄手段が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は寒天ゲル成形体の製造装置の閉塞防止方法及び食品ゲル成形体の製造装置に関し、更に詳細には寒天溶液の調製休止中に、残留した寒天溶液がゲル化して配管等を閉塞することを防止できる寒天ゲル成形体の製造装置の閉塞防止方法及び寒天ゲル成形体の製造装置に関する。
食品ゲルとして代表的な寒天ゲルは、従来からみつ豆やところてん等の食品に用いられている。かかる寒天ゲルは、近年の健康志向の高まりに伴って種々の食品に用いられるようになり、その消費量が増大している。この様な寒天ゲルの消費量の増大に伴って、寒天ゲル成形体の製造装置が求められている。
寒天ゲル成形体の製造装置として、下記特許文献1には、図3に示す装置が提案されている。図4に示す装置では、仕込み釜100にて寒天を加熱・溶融して得た寒天溶液をプレートクーラ102で冷却した後、一対のローラ104a,104bに掛け渡された無端状のスチールベルト104上に寒天溶液を流す。このスチールベルト104の両側には、型枠108が添設されており、スチールベルト104と型枠108とから成る型内に寒天溶液が広がる。型内に広がった寒天溶液は、スチールベルト104と共に移動し、冷却装置110上を通過する。この冷却装置110を通過する間に、寒天溶液は固まって寒天ゲルとなる。この寒天ゲルは、切断テーブル112上に移動し、カッター114によって所望の形状、大きさに切断される。
また、下記特許文献1には、図4に示す寒天ゲル成形体の自動製造装置が提案されている。図4に示す寒天ゲル成形体の自動製造装置では、矢印A方向に回転する回転テーブル200上に複数の型202,202・・が形成されており、型202,202・・の各々は、回転テーブル200と共に一回転する間に、冷却領域204中を通過する。このため、回転テーブル200上の型202に、図4に示すプレートクーラ102で冷却された寒天溶液を充填した後、この型202が冷却領域204を通過する間に、型202に充填された寒天溶液は冷却・固化されて所定形状の寒天ゲル成形体となる。
次いで、型202が冷却領域204を通過したとき、型202から寒天ゲル成形体を図4に示す切断テーブル112上に取り出し、カッター114によって所望の形状、大きさに切断する。
特許第2758084号公報
図3及び図4に示す装置によれば、所望の形状、大きさに切断された寒天ゲル成形体を自動的に製造できる。
かかる図3及び図4に示す寒天ゲル成形体の製造装置は、大型であって、単一の形状・大きさの寒天ゲル成形体を大量に製造するには適している。
しかし、大量に生産された単一の形状・大きさの寒天ゲル成形体は、みつ豆やところてん等の食品に加工して消費者に食されるまでに長時間保存される。この保存中に、寒天ゲル成形体は離水現象等によって味や歯触り等が低下するため、長期間保存した寒天ゲル成形体から作ったみつ豆やところてん等の食品はおいしく食することができない。
寒天ゲル成形体を最もおいしく食するには、得られた直後の新鮮な寒天ゲル成形体を食することであるが、レストラン等では、みつ豆やところてん等の注文を受けてから寒天ゲル成形体を作っていては、注文品を注文客に提供するまでの時間がかかり過ぎる。
このため、レストラン等でも、その厨房に寒天ゲル成形体の製造装置を設置できれば、注文に応じて新鮮な寒天ゲル成形体を用いた食品を短時間で注文客に提供可能である。
しかしながら、図3及び図4に示す寒天ゲル成形体の製造装置は大型であって、レストラン等の厨房のように狭い場所に設置できない。
また、図3及び図4に示す寒天ゲル成形体の製造装置では、寒天ゲル成形体の製造を停止する場合には、停止前にプレートクーラ102や仕込み釜100〜プレートクーラ102に至る配管等を掃除することを要し、大変面倒である。これらに寒天溶液が充填された状態で停止すると、残存する寒天溶液がゲル化してプレートクーラ102や配管を閉塞し、容易に再開できなくなるからである。
このため、季節や時間によって寒天ゲル成形体を用いた食品の注文がないことのあるレストラン等では、例え図3及び図4に示す寒天ゲル成形体の製造装置が小型化されても、寒天ゲルの製造を任意に停止できないために用いることはできない。
そこで、本発明の課題は、レストラン等の厨房に設置でき、且つ食品ゲル成形体の製造を任意に停止しても、直ちに食品ゲル成形体の製造を再開できる食品ゲル成形体の製造装置の閉塞防止方法及び食品ゲル成形体の製造装置を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決すべく検討した結果、ゾル溶液としての寒天溶液を配管等に残留しない構造にすること、及び寒天溶液がゲル化しないうちに配管等を熱湯で洗浄することが、寒天ゲルの製造を停止している間に配管等の閉塞防止に有効であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、所定量の食品用のゾル溶液が調製される溶解タンクの下方に設けられ、前記ゾル溶液が供給される供給口と前記ゾル溶液が冷却されて得られた食品ゲル成形体を排出する排出口とが上下方向に形成された、複数個の型から構成される型群と、前記排出口が開閉手段によって閉塞された型内に、前記供給口から供給されて充填されたゾル溶液を冷却して食品ゲル成形体とする冷却手段と、前記溶解タンクから前記型の供給口方向に、ゾル溶液が液溜しないように延出された供給ノズル配管の途中に設けられ、前記供給ノズル配管を開閉する自動弁とを具備する食品ゲル成形体の製造装置を用い、且つ前記溶解タンクでのゾル溶液の調製を休止したとき、残留したゾル溶液がゲル化しない時間内に、前記溶解タンク、自動弁及び供給ノズル配管を熱湯で洗浄することを特徴とする食品ゲル成形体の製造装置の閉塞防止方法にある。
また、本発明は、所定量のゾル溶液が調製される溶解タンクの下方に設けられ、前記ゾル溶液が供給される供給口と前記ゾル溶液が冷却されて得られた食品ゲル成形体を排出する排出口とが上下方向に形成された、複数個の型から構成される型群と、前記排出口が開閉手段によって閉塞された型内に、前記供給口から供給されて充填されたゾル溶液を冷却して食品ゲル成形体とする冷却手段と、前記溶解タンクから前記型の供給口方向に、ゾル溶液が液溜しないように延出された供給ノズル配管の途中に設けられ、前記供給ノズル配管を開閉する自動弁とを具備する食品ゲルの製造装置であって、前記溶解タンクでのゾル溶液の調製が休止されたとき、残留したゾル溶液がゲル化しない時間内に、前記溶解タンク、自動弁及び供給ノズル配管を熱湯で洗浄する洗浄手段が設けられていることを特徴とする食品ゲル成形体の製造装置でもある。
かかる本発明において、溶解タンクでのゾル溶液の調製を所定時間休止した後、前記溶解タンクでのゾル溶液の調製を再開する際に、前記溶解タンク、自動弁及び供給ノズル配管を熱湯で洗浄して暖めることによって、休止中に冷却された溶解タンク、自動弁及び供給ノズル配管にゾル溶液が接触したことに因るゾル溶液のゲル化を防止できる。
更に、食品ゲル成形体の製造装置の運転を停止する際に、溶解タンク、自動弁、供給ノズル配管及び型の熱湯による洗浄を施すことにより、食品ゲル成形体の製造装置の運転停止期間中に残留したゾル溶液のゲル化に因る配管等の閉塞を防止でき、食品ゲル成形体の製造装置の運転をスムーズに再開できる。
食品用のゾル溶液がゲル化したゲルの融点は、通常、ゾル溶液の凝固温度よりも高い温度である。例えば、寒天溶液の凝固温度は33〜45℃であって、寒天溶液がゲル化して得られた寒天ゲルの融点は85〜93℃である。このため、食品ゲル成形体の製造装置において、配管等の内部に残留したゾル溶液がゲル化して配管等が閉塞した場合、その除去は極めて困難であり、配管等を分解して掃除することが必要である。
この点、本発明においては、溶解タンクの下方に、複数個の縦型の型から成る型群を設け、溶解タンクから型群を構成する型の供給口方向に、寒天溶液が液溜しないように延出した供給ノズル配管の途中に自動弁を設けた食品ゲル成形体の製造装置を用いる。
この食品ゲル成形体の製造装置では、ゾル溶液の送液を、重力を利用しているため、配管等の送液手段を簡単な構造にでき、配管等に残留するゾル溶液量を可及的に少なくできると共に、装置の小型化を図ることができる。
しかも、本発明では、ゾル溶液の貯留・通路となる溶解タンク、自動弁及び供給ノズル配管を、残留したゾル溶液がゲル化しない時間内に熱湯で洗浄する。このため、溶解タンク、自動弁及び供給ノズル配管内に残留していた多少のゾル溶液も、ゲル化しないうちに熱湯で洗い流すことができる。
この様に、本発明では、配管等に残留するゾル溶液を可及的に少なくでき、小型化できる食品ゲル成形体の製造装置を用いること、及びゾル溶液の貯留・通路となる溶解タンク、自動弁及び供給ノズル配管を、残留したゾル溶液がゲル化しない時間内に熱湯で洗浄することが相俟って、レストラン等の厨房に設置でき、且つ食品ゲル成形体の製造を任意に停止しても、直ちに食品ゲル成形体の製造を再開できる食品ゲル成形体の製造装置の閉塞防止方法及び食品ゲル成形体の製造装置を提供できる。
本発明に係る食品ゲル成形体の自動製造装置の一例として、寒天ゲル成形体の自動製造装置を図1に示す。図1に示す寒天ゲル成形体の製造装置では、攪拌機12が設けられた溶解タンク10に、所定量の寒天粉を供給する原料粉供給手段としての寒天粉供給装置14と、所定量の熱湯を供給する熱湯供給手段としての熱湯供給装置16とが設けられている。
寒天粉供給装置14には、寒天粉が充填された箱体14aの底部近傍に、ギアモータ14bがスクリュ14cの一端部に設けられている。ギアモータ14bを駆動してスクリュ14cを回転し、箱体14a内の寒天粉を溶解タンク10に供給する。寒天粉の供給量は、ギアモータ14bの駆動時間によって調整する。
また、熱湯供給装置16には、ヒータ20やフロートスイッチ22が設けられ、80〜95℃の熱湯が一定量貯留される熱湯貯留槽18には、自動弁24を経由した水が浄化器26を通過して供給される。熱湯貯留槽18の熱湯は、自動弁28が途中に設けられた供給配管30を経由して溶解タンク10に供給される。
溶解タンク10の底部からは、下方に向けて供給ノズル配管32が延出されており、供給ノズル配管32の途中には、自動弁34が設けられている。この供給ノズル配管32は、途中に寒天溶液の液溜ができないように、溶解タンク10の底部から略直線状に延出されている。
かかる溶解タンク10は、水平方向に設けられたスライダシリンダ装置38に垂直に設けられたシリンダ装置36の本体部に固着されている。このため、シリンダ装置36が、スライダシリンダ装置38によって左右方向に移動し、その際に、溶解タンク10及び供給ノズル配管32も左右方向に移動する。
このシリンダ装置36は、後述する型42内で冷却された寒天ゲル成形体の押出手段を構成しており、その下端側には、シリンダ装置36内に挿入された一端部にピストンが設けられたロッドの先端側に鍔状部材33が設けられている。この鍔状部材33は、丸形状でも角形状であってもよく、シリンダ装置36によって昇降し、型42内に挿入されたとき、寒天ゲル成形体を排出口方向に押し出す。
シリンダ装置36(溶解タンク10及び供給ノズル配管32)のホームポジションは、スライダシリンダ装置38の一端側に設定されている。シリンダ装置36がホームポジションに位置するとき、供給ノズル配管32の先端は排出管31に位置している。
かかる供給ノズル配管32の先端方向には、複数個の型42,42・・が一列に配列された型群が設けられており、型群を構成する型42,42・・の中途部が冷却槽40に貯留された冷媒に浸されている。この冷却槽40には、冷却機45で冷却された冷媒が循環使用されている。
型42,42・・の各々は、横断面形状が矩形の筒状部であって、冷却槽40の上端から露出する型42の先端には、寒天溶液が供給される供給口としての開口部が形成されており、型42の後端には、型42内の寒天ゲル成形体を排出する排出口が形成されている。この排出口は、開閉手段としてのシャッター44によって閉塞されている。
かかる冷却槽40の下方には、シャッター44が開放され、重力及びシリンダ装置36の鍔状部材33による押し出しによって型42の排出口から押し出された所定形状の寒天ゲル成形体46(以下、単に寒天ゲル46と称することがある)を受けるすり鉢状のシュータ48が設けられている。このシュータ48の横断面形状は丸型であっても角型であってもよい。
かかるシュータ48には、シュータ48の内壁面を濡らして所定形状の寒天ゲル46の滑りを向上すべく、シュータ48の内壁面に向けて水を噴射する噴射ノズル50,50・・が設けられている。かかる噴射ノズル50,50・・には、自動弁55を経由して水が供給される。
シュータ48で受けた所定形状の寒天ゲル46は、シュータ48の中央部の出口から切断装置52に供給される。切断装置52では、シリンダ装置54によってサイコロ状カッター56に寒天ゲル46を押し付けることによってサイコロ状に切断できる。また、シリンダ装置58によってところてんカッター60に寒天ゲル46を押し付けることによってところてん状に切断できる。
図1に示す寒天ゲル成形体の製造装置には、図2に示す様に、溶解タンク10、自動弁34、供給ノズル配管32及び型42,42・・を熱湯で洗浄する洗浄手段としての制御部が設けられている。この制御部は、自動弁28,34及びスライダシリンダ装置38を制御している。
かかる溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32を洗浄する際には、ホームポジションに位置する溶解タンク10に、制御部からの信号によって自動弁28を開いて、熱湯供給装置16内の所定量の熱湯を溶解タンク10に供給し、必要に応じて攪拌機12を駆動して攪拌した後、制御部からの信号によって自動弁34を開いて溶解タンク10内の熱湯を、供給ノズル配管32を経由して排出管31に排出する。
この様に、熱湯を溶解タンク10から供給ノズル配管32を通すことによって、溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32内に多少でも残っている寒天溶液を洗浄して系外に排出できる。
この洗浄は、溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32内に残っている寒天溶液がゲル化する前に施すことが必要である。寒天溶液がゲル化する温度は33〜45℃であるが、寒天溶液を寒天ゲルすると、寒天ゲルの融点は85℃以上である。従って、寒天ゲルを熱湯で溶融するには、取り扱いが困難な85℃以上の高温に維持した大量の熱湯を寒天ゲルと接触させることを要し、装置の簡易化が困難となる。
かかる溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32の熱湯による洗浄は、溶解タンク10がホームポジションに位置(換言すれば、シリンダ装置36がホームポジションに位置)し、溶解タンク10での寒天溶液の調製が可能となった後、寒天溶液の調製を所定時間休止したとき、特に少なくとも15秒間休止したときに施すことが好ましい。
この様な洗浄を施した溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32では、残留する寒天溶液量を可及的に少なくできるように、供給ノズル配管32が途中に寒天溶液の液溜ができないように溶解タンク10から延出されていることと相俟って、供給ノズル配管32等に残留した寒天溶液のゲル化に因る閉塞を防止できる。
かかる熱湯での洗浄は、溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32を暖めるため、溶解タンク10での寒天溶液の調製が所定時間休止(好ましくは10分以上休止)された後、溶解タンク10での寒天溶液の調製を再開する際に、冷却された溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32を熱湯で洗浄することが好ましい。冷却された溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32に寒天溶液が接触することによって、寒天溶液がゲル化することのおそれを解消できるからである。
同様な理由から、寒天ゲルの製造装置の運転開始の際に、溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32を熱湯で洗浄することが好ましい。
また、図2に示す制御部では、寒天ゲルの製造装置の運転を停止する際に、溶解タンク10、自動弁34、供給ノズル配管32及び型42,42・・を熱湯で洗浄するように、自動弁28,34及びスライダシリンダ装置38を制御部によって制御することが好ましい。かかる洗浄によって、溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32内に、寒天溶液が残留することを防止できるのみならず、型42,42・・内にも寒天ゲルが残留することを防止できる。
このため、寒天ゲルの製造装置の運転停止の間に、残留した寒天ゲルに細菌が繁殖したりすることを防止でき、運転再開の際に、寒天ゲルの製造装置を容易に立ち上げることができる。
ここで、溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32の洗浄も、前述した洗浄方法と同一であるため、詳細な説明は省略する。
また、型42,42・・の洗浄は、ホームポジションに位置する溶解タンク10に、制御部からの信号によって自動弁28を開いて、熱湯供給装置16内の所定量の熱湯を溶解タンク10に供給し、必要に応じて攪拌機12を駆動して攪拌した後、制御部からの信号によってスライダシリンダ装置38を駆動し、供給ノズル配管32の先端を洗浄する型42の供給口に位置するように、シリンダ装置36を移動する。
シリンダ装置36が所定の位置に移動し、供給ノズル配管32の先端が洗浄する型42の供給口に到達したとき、制御部からの信号によって自動弁34を開き、溶解タンク10内の熱湯を自動弁34及び供給ノズル配管32を経由してシャッター44が移動して排出口が開放された所定の型42に供給する。
型42に供給された熱湯は開放された排出口から排出され、型42内に残存物として残されている寒天ゲル片も熱湯の排出に伴って、排出口から排出される。かかる型42の洗浄を複数回繰り返すことによって、型42内を清浄にできる。
図1及び図2に示す寒天ゲルの製造装置を用いて寒天ゲルを製造する際には、先ず、冷却された溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32を暖めるべく、ホームポジションに位置する溶解タンク10に、制御部からの信号によって自動弁28を開いて、熱湯供給装置16内の所定量の熱湯を溶解タンク10に供給し、必要に応じて攪拌機12を駆動して攪拌する。次いで、制御部からの信号によって自動弁34を開いて溶解タンク10内の熱湯を、供給ノズル配管32を経由して排出管31に排出する。
かかる洗浄は、溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32が、寒天溶液がゲル化しない温度に到達するまで行う。
溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32を暖めた後、ホームポジションに位置する溶解タンク10に自動弁28を開いて所定量の熱湯を溶解タンク10に供給すると共に、溶解タンク10内の攪拌機12を駆動しつつ、寒天粉供給装置14のギアモータ14bを駆動し、スクリュ14cによって箱体14a内の所定量の寒天粉を溶解タンク10に供給する。寒天粉の供給量はギアモータ14bの駆動時間で調整し、熱湯の供給量は自動弁28の開放時間で調整する。
尚、溶解タンク10内で寒天粉と熱湯とを所定時間攪拌して、寒天粉を熱湯に充分溶解した後、制御部からの信号によって攪拌機12を停止する。
所定量の熱湯と寒天粉とを溶解タンク10に供給した後、攪拌機12による攪拌をしつつ、スライダシリンダ装置38内のシリンダ装置(図示せず)を駆動し、供給ノズル配管32の先端が寒天溶液を充填する型42の供給口に至るように、シリンダ装置36を移動する。
寒天溶液を充填する型42の上端の供給口に供給ノズル配管32の先端が到達したとき、スライダシリンダ装置38内のシリンダ装置の駆動を停止し、攪拌機12の攪拌が終了した後、自動弁34を開いて、溶解タンク10内の寒天溶液を型42内に充填する。
型42への寒天溶液の充填が完了したとき、自動弁34を閉じる。このとき、溶解タンク10内の寒天溶液量の全量が型42に充填されるように、自動弁34を所定時間開くと、溶解タンク10及び供給ノズル配管32を空にでき、溶解タンク10や供給ノズル配管32に残留した寒天溶液のゲル化による閉塞を防止できる。
型42への寒天溶液の充填が完了し、自動弁34が閉じられたとき、スライダシリンダ装置38内のシリンダ装置を駆動して、シリンダ装置36をホームポジションに戻す。
同様にして、熱湯供給装置16、寒天粉供給装置14、溶解タンク10、自動弁34、供給ノズル配管32及びスライダシリンダ装置38を用いて、型42,42・・の全てに寒天溶液を充填する。
この様に、全ての型42,42・・に寒天溶液が充填された後、溶解タンク10がホームポジションに位置しても、型42,42・・のいずれかが空にならないと、溶解タンク10での寒天溶液の調製が休止される。
かかる寒天溶液の調製の休止状態が所定時間経過したとき、溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32を熱湯で洗浄し、供給ノズル配管32等の内部に残留する寒天溶液のゲル化に因る閉塞を防止する。
この洗浄は、制御部からの信号によって自動弁28を開いて、熱湯供給装置16内の所定量の熱湯を溶解タンク10に供給すると共に、必要に応じて攪拌機12を駆動して攪拌し、制御部からの信号によって自動弁34を開いて溶解タンク10内の熱湯を、供給ノズル配管32を経由して排出管31に排出することによって行う。
かかる洗浄は、寒天溶液の調製の休止状態が少なくとも15秒間継続したときに行うことが、更に継続して寒天溶液の調製の休止状態が継続しても、溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32内の残留寒天溶液のゲル化に因る閉塞を確実に防止でき好ましい。
ところで、型42,42・・に充填された寒天溶液は冷却されて寒天ゲルとなる。かかる型42,42・・のうち、所定の型42から寒天ゲルを取り出す際には、先ず、シリンダ装置36の鍔状部材33が所定の型42の上方に位置するように、スライダシリンダ装置38内のシリンダ装置を駆動する。更に、寒天ゲルを取り出す型42の排出口を閉塞しているシャッター44を移動し、型42の排出口を開放する。
次いで、シリンダ装置36を駆動し、鍔状部材33を型42内に挿入して寒天ゲル成形体を型42の排出口から、噴射ノズル50,50・・から噴射された水で内壁面が濡らされているシュータ48に押し出す。
シュータ48に押し出された所定形状の寒天ゲル46を、シュータ48の中央部の出口から切断装置52に供給され、シリンダ装置54によってサイコロ状カッター56に寒天ゲル46を押し付けることによってサイコロ状に切断する。
尚、寒天ゲル46は、シリンダ装置58によってところてんカッター60に寒天ゲル46を押し付けることによってところてん状にも切断できる。
この様に、寒天ゲルが取り出されて空となった型42には、ホームポジションに位置する溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32から寒天溶液が充填される。
この際に、溶解タンク10での寒天溶液の調製の休止状態が10分以上継続していた場合には、溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32を熱湯で洗浄して暖めた後、寒天溶液の調製を行うことが、冷却された供給ノズル配管32等に接触した寒天溶液のゲル化に因る閉塞を防止でき好ましい。
かかる溶解タンク10、自動弁34及び供給ノズル配管32の熱湯での洗浄は、前述しており、ここでの詳細な説明は省略する。
この熱湯洗浄が終了した後、前述した様に、溶解タンク10で寒天溶液を調製し、所定の型42に寒天溶液を充填する。
ここで、型群を構成する型42,42・・を同一容量とし、溶解タンク10に貯留された寒天溶液の全量を、型42内に充填されるように、寒天粉供給装置14と熱湯供給装置16とから供給される寒天粉量と熱湯量とを調製し、且つ溶解タンク10から型42に寒天溶液を充填する際に、自動弁34を所定時間開いて溶解タンク10内を空とすることが好ましい。溶解タンク10及び供給ノズル配管32内の寒天溶液を確実に残留することなく型42に充填でき、供給ノズル配管32等に残留する寒天溶液を、その後に施す熱湯洗浄によって確実に洗浄できるからである。
この様に、溶解タンク10及び供給ノズル配管32内の寒天溶液を残留させることなく型42に充填することによって、型42,42・・の全てに寒天ゲルが充填され、溶解タンク10での寒天溶液の調製が休止されても、溶解タンク10及び供給ノズル配管32内に寒天溶液が残留してゲル化し、供給ノズル配管32等が閉塞する事態を防止できる。
したがって、図1に示す寒天ゲルの自動製造装置では、寒天溶液の調製が必要に応じて休止されていても、寒天溶液の調製が必要となったとき、直ちに寒天溶液の調製ができる。
尚、図1に示す寒天ゲルの自動製造装置では、先に寒天溶液を充填して寒天ゲルとした型42から取り出すため、先に寒天ゲルを取り出した型42から順次寒天溶液を充填する。
図1に示す寒天ゲルの自動製造装置では、供給ノズル配管32は、途中に寒天溶液の液溜ができないように、溶解タンク10の底部から略直線状に延出されている。このため、型42に寒天溶液の充填が終了したとき、溶解タンク10、供給ノズル配管32等の内部に残留する寒天溶液を可及的に少なくでき、その後に施される熱湯洗浄によって、残留していた寒天溶液を確実に洗浄できる。
したがって、型42,42・・の全てが充填されており、寒天溶液の調製が休止していても、供給ノズル配管32等に残留した寒天溶液がゲル化して、供給ノズル配管32等を閉塞することを防止でき、寒天溶液の調製が必要となったとき、直ちに寒天溶液を調製できる。
更に、装置上方に設けられた溶解タンク10で調製された寒天溶液を、溶解タンク10の下方に設けられた縦型の型42に充填してゲル化する。このため、寒天溶液の送液ポンプ等を用いることを要せず、装置の小型化を図ることができる。
その結果、図1に示す寒天ゲルの自動製造装置は、レストラン等の厨房の片隅に載置できる程度に小型化でき、且つ寒天ゲルを用いた料理の注文がない場合には、休止状態を維持しても、寒天ゲルを用いた料理の注文があったとき、直ちに駆動状態とすることができ、新鮮な寒天ゲル成形体を確実に調理に提供できる。
以上、図1及び図2についての説明では、寒天ゲル成形体の自動製造装置ついて説明してきたが、ゼラチン等の他の食品ゲル成形体の自動製造装置にも用いることができる。
本発明に係る食品ゲル成形体の製造装置の一例を説明する概略図である。 図1に示す溶解タンク10に熱湯を供給する自動弁28、供給ノズル配管32の途中に設けられた自動弁34及びスライダシリンダ装置38を制御する制御部について説明するための説明図である。 従来の寒天ゲル成形体の自動製造装置の一例を説明する説明図である。 従来の寒天ゲル成形体の自動製造装置の他の例を説明する説明図である。
符号の説明
10 溶解タンク
12 攪拌機
14 寒天粉供給装置
16 熱湯供給装置
28,34 自動弁
31 排出管
32 供給ノズル配管
33 鍔状部材
36 シリンダ装置
38 スライダシリンダ装置
42 型
44 シャッター
46 寒天ゲル
52 切断装置

Claims (6)

  1. 所定量の食品用のゾル溶液が調製される溶解タンクの下方に設けられ、前記ゾル溶液が供給される供給口と前記ゾル溶液が冷却されて得られた食品ゲル成形体を排出する排出口とが上下方向に形成された、複数個の型から構成される型群と、
    前記排出口が開閉手段によって閉塞された型内に、前記供給口から供給されて充填されたゾル溶液を冷却して食品ゲル成形体とする冷却手段と、
    前記溶解タンクから前記型の供給口方向に、ゾル溶液が液溜しないように延出された供給ノズル配管の途中に設けられ、前記供給ノズル配管を開閉する自動弁とを具備する食品ゲル成形体の製造装置を用い、
    且つ前記溶解タンクでのゾル溶液の調製を休止したとき、残留したゾル溶液がゲル化しない時間内に、前記溶解タンク、自動弁及び供給ノズル配管を熱湯で洗浄することを特徴とする食品ゲル成形体の製造装置の閉塞防止方法。
  2. 溶解タンクでのゾル溶液の調製を所定時間休止した後、前記溶解タンクでのゾル溶液の調製を再開する際に、前記溶解タンク、自動弁及び供給ノズル配管を熱湯で洗浄して暖める請求項1記載の食品ゲル成形体の製造装置の閉塞防止方法。
  3. 食品ゲル成形体の製造装置の運転を停止する際に、溶解タンク、自動弁、供給ノズル配管及び型の熱湯による洗浄を施す請求項1又は請求項2記載の食品ゲル成形体の製造装置の閉塞防止方法。
  4. 所定量のゾル溶液が調製される溶解タンクの下方に設けられ、前記ゾル溶液が供給される供給口と前記ゾル溶液が冷却されて得られた食品ゲル成形体を排出する排出口とが上下方向に形成された、複数個の型から構成される型群と、
    前記排出口が開閉手段によって閉塞された型内に、前記供給口から供給されて充填されたゾル溶液を冷却して食品ゲル成形体とする冷却手段と、
    前記溶解タンクから前記型の供給口方向に、ゾル溶液が液溜しないように延出された供給ノズル配管の途中に設けられ、前記供給ノズル配管を開閉する自動弁とを具備する食品ゲルの製造装置であって、
    前記溶解タンクでのゾル溶液の調製が休止されたとき、残留したゾル溶液がゲル化しない時間内に、前記溶解タンク、自動弁及び供給ノズル配管を熱湯で洗浄する洗浄手段が設けられていることを特徴とする食品ゲル成形体の製造装置。
  5. 溶解タンクでのゾル溶液の調製が所定時間休止された後、前記溶解タンクでのゾル溶液の調製が再開される際に、溶解タンク、自動弁及び供給ノズル配管を熱湯で洗浄して暖める洗浄手段が設けられている請求項4記載の食品ゲル成形体の製造装置。
  6. 食品ゲル成形体の製造装置の運転が停止される際に、溶解タンク、自動弁、供給ノズル配管及び型の熱湯による洗浄を施す洗浄手段が設けられている請求項4又は請求項5記載の食品ゲル成形体の製造装置。
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