JP6333510B2 - カット果実または野菜を含むソースの製造方法 - Google Patents
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Description
なお、本発明が対象とする加工食品の一態様である「ソース」は、果実または野菜を材料として調製される、液体状、半流動体状あるいは半固体状(ゲル状を含む)の調味料及び掛け汁の総称であり、本発明では、そのソースの中に材料として使用した果実類が、食したときに風味と食感(歯応え)の両面から当該果実類であると認識できる状態で含まれていることを特徴とする。なお、ソースの形状としては、上記の通り、液体状、半流動体状あるいは半固体状(ペースト状、ジャム状、及びゲル状を含む)等が挙げられ、具体的には、シロップや蜂蜜のような状態、マヨネーズや生クリームのような状態、及びジャムのような状態を有するものも本発明が対象とするソースに含まれる。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものであり、下記の実施態様を包含するものである。
(I)果実または野菜を含む加工食品の製造方法
(I-1)下記の工程(a)〜(c)を有する、果実または野菜を含む加工食品の製造方法:
(a)果実または野菜、水、及び必要に応じて調味料を含む混合物を調製する工程、
(b)上記混合物をセルラーゼ処理する工程、及び
(c)上記セルラーゼ処理物をペクチンメチルエステラーゼ処理する工程。
(I-2)(b)のセルラーゼ処理工程の前に、果実または野菜、水、及び必要に応じて調味料を含む混合物のpH及び温度を、セルラーゼの好適反応pH及び温度に調整するか、またはセルラーゼとペクチンメチルエステラーゼの好適反応pH及びセルラーゼの好適反応温度に調整する工程を有する、(I-1)に記載する製造方法。
(I-3)(c)のペクチンメチルエステラーゼ処理工程の前に、(b)工程で得られたセルラーゼ処理物のpH及び温度を、ペクチンメチルエステラーゼの好適反応pH及び温度に調整する工程を有する、(I-1)または(I-2)に記載する製造方法。
(I-4)(b)のセルラーゼ処理工程の前に、果実または野菜、水、及び必要に応じて調味料を含む混合物を加熱処理する工程を有する、(I-1)〜(I-3)のいずれかに記載する製造方法。
(I-5)材料として使用する果実または野菜が、生の果実または野菜である、(I-1)〜(I-4)のいずれかに記載する製造方法。
(I-6)果実または野菜が、イチゴ、桃、マンゴー、パパイヤ、スイカ、メロン、リンゴ、柿、梨、バナナ、枇杷、ザクロ、レイシ、プラム、杏、パイナップル、ぶどう、柑橘類(オレンジ、グレープフルーツ等)、キーウイ、及びトマトからなる群から選択されるいずれかである、(I-1)〜(I-5)のいずれかに記載する製造方法。
(I-7)材料として使用する果実または野菜が、加熱処理した果実または野菜である、(I-1)〜(I-4)のいずれかに記載する製造方法。
(I-8)材料として使用する野菜が、トマト、タケノコ、蓮根、大根、人参、カボチャ、サツマイモ、アスパラガス、枝豆、ブロッコリー、カリフラワー、パプリカ、枝豆、及びトウモロコシからなる群から選択されるいずれかである、(I-7)に記載する製造方法。
(I-9)調味料が、甘味料、酸味料、塩味料、うま味料、香辛料、及び苦味料からなる群から選択される少なくとも1種である、(I-1)〜(I-8)のいずれかに記載する製造方法。
(I-10)加工食品が、果実または野菜を含むソースである、(I-1)〜(I-9)のいずれかに記載する製造方法。
(II-1)上記(I-1)〜(I-10)のいずれかに記載する製造方法によって製造される果実または野菜を含む加工食品。
(II-2)上記加工食品がソースである、(II-1)記載の加工食品。
(II-3)上記(II-2)に記載する加工食品を、別個の包装形態で含有する、ヨーグルト、冷菓、またはデザート等の菓子類またはパン類。
(II-4)上記(II-2)に記載する加工食品を内部に含有する、ヨーグルト、冷菓、またはデザート等の菓子類またはパン類。
本発明の果実または野菜を含む加工食品の製造方法は、下記の工程(a)、(b)及び(c)を有することを特徴とする:
(a)果実または野菜、水、及び必要に応じて調味料を含む混合物を調製する工程、
(b)上記混合物をセルラーゼ処理する工程、及び
(c)上記セルラーゼ処理物をペクチンメチルエステラーゼ処理する工程。
本発明が材料として使用する果実及び野菜は、可食性のものであればよく、その限りにおいて特に制限されないが、例えば野菜としては、人参、大根、蓮根、ジャガイモ、サツマイモ等の根菜類;カボチャ、ピーマン、パプリカ、キュウリ、トマト等の果菜類;ほうれん草、キャベツ、白菜、レタスなどの葉菜類;アスパラガス、ブロッコリー、カリフラワー、たけのこ等の葉茎菜類;枝豆、トウモロコシ等の種菜類を挙げることができる。また、果実としては、イチゴ、桃、マンゴー、パパイヤ、スイカ、メロン、リンゴ、柿、梨(洋なしも含まれる)、バナナ、枇杷、ザクロ、レイシ、プラム、杏、パイナップル、ぶどう、キーウイ、すもも、うめ、さくらんぼ、パッションフルーツ、ブラックカラント、レッドカラント;クランベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、及びラズベリーなどのベリー類;オレンジやグレープフルーツ等の柑橘類;栗等が挙げられる。
本発明の製造方法において、水は、セルラーゼ処理する混合物に結果として存在していればよく、果実または野菜、必要に応じて調味料以外に、別途外添されるものであってもよいし、また果実または野菜、または必要に応じて添加される調味料に由来するものであってもよい。外添に使用する水は、飲用に使用される水であればよく、水道水、イオン水、ミネラル水などを、特に制限なく使用することができる。
本発明の製造方法において、調味料は、本発明が対象とする加工食品の種類や用途、並びに材料に使用する果実または野菜の種類に応じて、任意に使用される材料である。調味料として、一般に、甘味料、酸味料、塩味料、うま味料、辛味料、及び苦味料を挙げることができる。好ましくは甘味料、及び酸味料であり、より好ましくは甘味料である。
苦味料としては、テンペン類、アルカイド、フラバノン配糖体、テンペン配糖体、カフェイン、ナチンジン等を挙げることができる。
セルラーゼとは、エンド−1,4−β−グルカナーゼとも称し、セルロースのβ1→4グルコシド結合を加水分解し、おもにセロビオースを生成する活性(以下、この活性を「セルロース分解活性」という)を有する酵素を意味する。
ペクチンメチルエステラーゼは、ペクチン(ポリα−D−ガラクチュロン酸)のグルコシド結合を切断せずに、メチルエステル結合を加水分解して、メタノールとペクチン酸に分解する活性(以下、この活性を「ペクチン分解活性」という)を有する酵素である。ペクチンメチルエステラーゼは、シロクローバー、アルファルファ、タバコ、トマト、グレープフルーツ等の植物;細菌、麹菌、特にAspergillus、好ましくはAspergillus niger等の各種微生物に存在することが知られている(米国特許第4200694号公報等参照)。本発明で用いることのできるペクチンメチルエステラーゼとしては植物由来でも微生物由来でもよく、またそれらは分子生物学的(遺伝子工学的)に作られたものであってもよい。本発明において、ペクチンメチルエステラーゼは、精製したものに限らず、植物等から抽出される場合は、その抽出液を用いてもよいし、また微生物から得られる場合は、その培養液を用いてもよい。
本発明が対象とする加工食品は、前述する果実または野菜を上記酵素(セルラーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ)で処理することで得られる食品であり、その限りにおいて特に制限されない。好ましくは、果実または野菜を材料として製造される前述のソースである。ソースとして、好ましくは、必要に応じて調味料として甘味料;甘味料と酸味料;または甘味料と酸味料と香辛料(例えば、バニラ、ジンジャー、シナモン、ミント等)等を用いて調製される、菓子類やパン類用のソース(パンにつけて食べるジャムも含まれる。以下、同じ。)である。
本発明の製造方法は、大きくわけて下記の工程に分類することができる:
(a)果実または野菜、水、及び必要に応じて調味料を含む混合物を調製する工程、
(b)上記混合物をセルラーゼ処理する工程、及び
(c)上記(b)で得られたセルラーゼ処理物を、ペクチンメチルエステラーゼ処理する工程。
当該工程は、加工食品の製造に際して、材料として使用する、前述の果実または野菜、水、及び必要に応じて調味料を混合し、これらを含む混合物を調製する工程である。
当該工程は、前述する(a)混合工程で調製された混合物を、セルラーゼによるセルロース分解処理に供する工程である。
当該工程は、前述する(b)セルラーゼ処理工程で調製されたセルラーゼ処理物を、ペクチンメチルエステラーゼ(PME)によるペクチンエステル加水分解処理に供する工程である。
本発明の製造方法で製造される加工食品は、前述するように、好ましくは果実類を全形のまま、またはカット若しくは刻んだ状態で含む菓子用の冷製ソース、及び菓子類やパン類につけて食されるジャムである。
(1)セルラーゼ
商品名「GODO-TCF」合同酒精(株)製(至適反応温度:55〜60℃、至適反応pH:5.0、起源:Trichoderma reesei)
(2)ペクチンメチルエステラーゼ
商品名「スミチームPME」新日本化学工業(株)製(至適反応温度:室温〜60℃、至適反応pH:3.5〜5.5、起源:Aspergillus niger)
以下、ペクチンメチルエステラーゼを「PME」と略称する場合がある。
(1)野菜及び果実材料の調製
果実及び野菜として、下記のものを使用した。
(a)完熟バナナ:
房が黄色くなった生の完熟バナナを使用した。なお、使用に際して各辺の長さが2cm程度になるように角切りをした(角切り2cm辺)。
(b)未熟バナナ:
房が緑色の生の未熟バナナを使用した。なお、使用に際して厚みが約5mm幅になるように薄切りをした(薄切り5mm幅)。
(c)未熟マンゴー:
緑色の固い状態のもので、主にサラダ等で食べられる甘くない生の未熟マンゴーを使用した。なお、使用に際して各辺の長さが1cm程度になるように角切りをした(1cm角切り)。
(d)トマト:
赤い生のトマトを使用した。なお、使用に際して、トマトは皮と種を除去して、果肉を各辺の長さが2cm程度になるように角切りをした(2cm角切り)。
表1に記載する各種材料と酵素(セルラーゼ及びPME)の配合割合、及び処理方法(前処理方法、及び酵素処理方法)に従って、(1)に記載する各種果実または野菜を含むソースを調製した(製造例1-1〜1-6)。
(a)製造例1-1:完熟バナナのカット片を用いて製造したソース
容器に完熟バナナのカット片(角切り2cm辺)、セルラーゼ及び水を表1に記載する配合割合で入れて混合し、クエン酸水溶液を用いて混合物のpHが5になるように調整した。
容器に完熟バナナのカット片(角切り2cm辺)、セルラーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ(PME)及び水を表1に記載する配合割合で入れて混合し、クエン酸水溶液を用いて混合物のpHが5になるように調整した。
容器に未熟バナナのカット片(薄切り5mm幅)及び水を表1に記載する配合割合で入れ、まず100℃で2分間加熱処理をした。次いで、クエン酸水溶液を用いて混合物のpHが5になるように調整し、55℃以下になるまで冷却した。これにセルラーゼを添加して材料と混合し、55℃で2時間、加温保持してセルラーゼ処理した(セルラーゼ処理)。その後、電子レンジで加熱処理してセルラーゼを失活させ、次いで、これを、一旦、50℃以下まで冷却した後に、ペクチンメチルエステラーゼ(PME)を添加して、50℃で1時間、加温保持してPME処理した(PME処理)。そして、その後、電子レンジで加熱処理してPMEを失活させた。
容器に未熟マンゴーのカット片(角切り1cm辺)、セルラーゼ及び水を表1に記載する配合割合で入れて混合し、クエン酸ナトリウム水溶液を用いて混合物のpHが5になるように調整した。
容器に未熟マンゴーのカット片(角切り1cm辺)、砂糖、セルラーゼ及び水を表1に記載する配合割合で入れて混合し、クエン酸ナトリウム水溶液を用いて混合物のpHが5になるように調整した。
容器にトマト(生)のカット片(角切り2cm辺)、セルラーゼ及び水を表1に記載する配合割合で入れて混合し、クエン酸水溶液を用いて混合物のpHが5になるように調整した。
上記の製造例1-1〜1-6の方法で製造した各種ソースについて、前処理後のカット果肉、セルラーゼ処理後のカット果肉、及びPME処理後のカット果肉を、専門パネル5名に食べてもらい、食感を比較評価してもらった。その結果を表2に示す。
(1)ソースの製造
果実としてバナナ(完熟)、リンゴ及び洋なしを、野菜としてニンジンを用いて、表3に記載する配合と方法に従い、カット果肉または野菜入りのソースを調製した(比較製造例1-1〜1-4)。
容器に完熟バナナのカット片(角切り2cm辺)、セルラーゼ及び水を表3に記載する配合割合で入れて混合し、クエン酸水溶液を用いて混合物のpHが5になるように調整した。これを55℃で2時間、加温保持してセルラーゼ処理した。その後、電子レンジで加熱処理してセルラーゼを失活させた。
容器にリンゴのカット片(薄切り5mm幅)、セルラーゼ及び水を表3に記載する配合割合で入れて混合し、クエン酸水溶液を用いて混合物のpHが5になるように調整した。これを55℃で2時間、加温保持してセルラーゼ処理した。その後、電子レンジで加熱処理してセルラーゼを失活させた。
容器に洋なしのカット片(薄切り5mm幅)、セルラーゼ及び水を表3に記載する配合割合で入れて混合し、クエン酸水溶液を用いて混合物のpHが5になるように調整した。これを55℃で2時間、加温保持してセルラーゼ処理した。その後、電子レンジで加熱処理してセルラーゼを失活させた。
容器にニンジンのカット片(角切り2cm辺)をあらかじめ電子レンジで加熱処理(強、1分間)し、55℃以下に冷やした後に、これに水、及びセルラーゼを表3に記載する配合割合で入れて混合し、クエン酸水溶液を用いて混合物のpHが5になるように調整した。これを55℃で2時間、加温保持してセルラーゼ処理した。その後、電子レンジで加熱処理してセルラーゼを失活させた。
上記の方法で製造した各種ソースについて、前処理後のカット果肉及び野菜、及びセルラーゼ処理後のカット果肉及び野菜を、専門パネル5名に食べてもらい、食感を比較評価してもらった。その結果を表4に示す。
(1)ソースの製造
果実としてバナナ(完熟)、マンゴー、リンゴ、及びイチゴを、野菜としてトマトを用いて、表5に記載する配合と方法に従い、カット果肉または野菜入りのソースを調製した(比較製造例2-1〜2-7)。具体的には、製造例で行ったセルラーゼ処理に代えて加熱処理(50℃で1時間)を行い、その後にペクチンメチルエステラーゼ(PME)処理を行った。なお、あらかじめトマトは皮と種を除去した。
容器に完熟バナナのカット片(角切り2cm辺)を入れ、水を表5に記載する配合割合で入れて混合し、50℃で1時間加熱処理をした。次いで、これにPMEを表5に記載する配合割合で入れて混合し、これを50℃で1時間、加温保持してPME処理した。その後、電子レンジで加熱処理してPMEを失活させた。
容器にマンゴーのカット片(薄切り5mm幅)を入れ、水を表5に記載する配合割合で入れて混合し、50℃で1時間加熱処理をした。次いで、これに水、乳酸カルシウム、及びPMEを表5に記載する配合割合で入れて混合し、これを50℃で1時間、加温保持してPME処理した。その後、電子レンジで加熱処理してPMEを失活させた。
容器にリンゴのカット片(角切り2cm辺)を入れ、水を表5に記載する配合割合で入れて混合し、50℃で1時間加熱処理をした。次いで、これに水、及びPMEを表5に記載する配合割合で入れて混合し、これを50℃で1時間、加温保持してPME処理した。その後、電子レンジで加熱処理してPMEを失活させた。
容器にイチゴをそのまま入れ、水を表5に記載する配合割合で入れて混合し、50℃で1時間加熱処理をした。次いで、これに水、乳酸カルシウム、及びPMEを表5に記載する配合割合で入れて混合し、これを50℃で1時間、加温保持してPME処理した。その後、電子レンジで加熱処理してPMEを失活させた。
容器にイチゴをそのまま入れ、水を表5に記載する配合割合で入れて混合し、50℃で1時間加熱処理をした。次いで、これに水、乳酸カルシウム、及びPMEを表5に記載する配合割合で入れ、クエン酸水溶液でpHを5に調整し、これを50℃で1時間加温保持してPME処理した。その後、電子レンジで加熱処理してPMEを失活させた。
容器にイチゴをそのまま入れ、水を表5に記載する配合割合で入れて混合し、50℃で1時間加熱処理をした。次いで、これに水、乳酸カルシウム、砂糖及びPMEを表5に記載する配合割合で入れ、クエン酸水溶液でpHを5に調整し、これを50℃で1時間加温保持してPME処理した。その後、電子レンジで加熱処理してPMEを失活させた。
容器にトマト(角切り2cm辺)を入れ、水を表5に記載する配合割合で入れて混合し、50℃で1時間加熱処理をした。次いで、これに水、乳酸カルシウム、及びPMEを表5に記載する配合割合で入れて混合し、これを50℃で1時間、加温保持してPME処理した。その後、電子レンジで加熱処理してPMEを失活させた。
上記の方法で製造した各種ソースについて、前処理後のカット果肉及び野菜、及びPME処理後のカット果肉及び野菜を、専門パネル5名に食べてもらい、食感を比較評価してもらった。その結果を表6に示す。
製造例1-1で調製したカットバナナ入りソースと、ソフトヨーグルト(糊状発酵乳、ヨーグルトのベース)を混合することで、フルーツヨーグルトを製造した。
製造例1-6で調製したカットトマト入りソースと、ソフトヨーグルト(糊状発酵乳、ヨーグルトのベースを混合することで、野菜ヨーグルトを製造した。
比較製造例1-1で調製したカットバナナ入りソースと、ソフトヨーグルト(糊状発酵乳、ヨーグルトのベース)を混合することで、フルーツヨーグルトを製造した。
比較製造例2-1で調製したカットバナナ入りソースと、ソフトヨーグルト(糊状発酵乳、ヨーグルトのベース)を混合することで、フルーツヨーグルトを製造した。
Claims (7)
- 下記の工程(a)〜(c)を有する、果実または野菜を、全形のまま又は果実または野菜が認識できる大きさや形状にカットされた状態で含む加工食品の製造方法:
(a)全形のまま又は果実または野菜を認識できる大きさや形状にカットされた果実または野菜、水、及び必要に応じて調味料を含む混合物を調製する工程、
(b)上記混合物をエンド−1,4−β−グルカナーゼ活性を有するセルラーゼで処理する工程、及び
(c)上記セルラーゼ処理物をペクチンメチルエステラーゼ処理する工程
(但し、真空凍結乾燥工程を有する製造方法を除く)。 - (b)のセルラーゼ処理工程の前に、果実または野菜、水、及び必要に応じて調味料を含む混合物のpH及び温度を、上記セルラーゼの好適反応pH及び温度に調整するか、または上記セルラーゼとペクチンメチルエステラーゼの好適反応pH及び上記セルラーゼの好適反応温度に調整する工程を有する、請求項1に記載する製造方法。
- (c)のペクチンメチルエステラーゼ処理工程の前に、(b)工程で得られたセルラーゼ処理物のpH及び温度を、ペクチンメチルエステラーゼの好適反応pH及び温度に調整する工程を有する、請求項1または2に記載する製造方法。
- 材料として使用する果実または野菜が、生の果実または野菜である、請求項1乃至3のいずれかに記載する製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載する製造方法によって製造される果実または野菜を、全形のまま又は果実または野菜が認識できる大きさや形状にカットされた状態で含む加工食品。
- 上記加工食品がソースである、請求項5記載の加工食品。
- 請求項5または6に記載する加工食品を、別個の包装形態で含有するか、または内部に混合して状態で有する、ヨーグルト、冷菓、またはデザートまたはパン。
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