JPWO2009057736A1 - 中間水分食品、密封容器入り中間水分食品の製法及び中間水分食品のテクスチャー改善方法 - Google Patents

中間水分食品、密封容器入り中間水分食品の製法及び中間水分食品のテクスチャー改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】中間水分食品表面のベタツキを抑制し、ショ糖が結晶化してジャリジャリとした食感となることを抑制し、加工前食品の特徴である繊維感や、弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのあるテクスチャーを有する中間水分食品、密封容器入り中間水分食品の製法及び中間水分食品のテクスチャー改善方法を提供する。【解決手段】水分活性が0.45〜0.8、水分含有量が10〜30重量%及び糖類含有量が65〜88重量%であることを特徴とする中間水分食品によって達成する。【選択図】なし

Description

本発明は、中間水分食品表面のベタツキを抑制し、糖類が結晶化してジャリジャリとした食感となることを抑制し得る、更に詳しくは、中間水分食品の表面状態や食感を制御することができ、加工前食品の特徴である繊維感や、弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのある食感を有する中間水分食品、密封容器入り中間水分食品の製法及び中間水分食品のテクスチャー改善方法に関する。
従来、果実、野菜等の繊維質を含有する生食品等の加工前食品を加工した中間水分食品としては、例えば、熱処理或いは脱水後に過凍結して果実切片のセルロースをゆるめた後に、スクロース、グルコース、フルクトース及びクエン酸等の糖液に20〜70℃、2〜16時間浸漬したものを乾燥することにより、水分活性0.75〜0.85、水分含有率40〜50重量%及び糖分含有率が45重量%を超えない果実を含む菓子製品の詰め物を調製する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記果実を含む菓子製品の詰め物は、比較的高い水分含有量、及び詰め物のpHを調製するために添加する糖液中の酸味料の影響で、ベタついてそのまま喫食するにはつまんだ手や歯に付着するという点で問題があった。また、果実切片のセルロースをゆるめる工程によって、果実のセルロース繊維組織を一部破壊することになり、加工前の果実の特徴である繊維感を再現することができず、詰め物の食感が劣るといった問題点もあった。
他に、うりを原料とし、低濃度の糖液に1次浸漬後、適宜酸味料及びうりとは異なる他の果実のピューレ、ペースト、ソース或いは香料を含有する高濃度の糖液で煮沸した後、乾燥することにより得られる糖菓が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記糖菓は、糖と酸を含有する糖液中で60〜180分間煮沸する製法のため、含浸した糖類によるうり表面のベタツキを生じたり、糖類が結晶化してジャリジャリとした食感になるという問題があった。また、うりに果実の味、香りおよび色を含浸させているため、目的の果実の繊維感や瑞々しさを再現することはできず、風味的にも乏しいという点、更に、糖液中で煮沸した後に乾燥する製法のため、加熱劣化臭を感じるという点でも問題があった。
また、水洗、皮むき、芯抜きした天然果実を、砂糖やブドウ糖等による糖液中に浸漬してマイクロ波加熱した後、糖液への浸漬状態を保持させて果肉中が上記糖液により置換された糖菓を用いて、更に熱風乾燥等により得られる乾燥糖菓が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、上記製法による乾燥糖菓では、糖液の浸漬状態を保持して糖液置換した時点でBx20〜50の製品を更に乾燥するので、天然果実の表面にベタツキを生じたり、乾燥方法によっては加熱劣化臭が生じたり、糖類が結晶化してジャリジャリとした食感になるという問題があった。また、マイクロ波加熱により天然果実の繊維組織が破壊され、加工前の天然果実の繊維感を再現するという点でも問題があった。
更に、果実類を水に浸漬して減圧下脱気し、ブドウ糖及び蔗糖等の糖類の水溶液に浸漬し引き上げて凍結乾燥し、更に高濃度の糖液浸漬後乾燥して得られる果実類の蜜漬けの製造法が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、上記製法による果実類の蜜漬けでは、実施例にあるように最終固形糖度75〜76%とかなり高濃度の蜜漬け品となり、糖類が結晶化してジャリジャリとした食感になるという問題があった。また、加工前の果実の特徴である繊維感や瑞々しさを再現することはできなかった。
本願出願人は、すでに食品全体の特定の水分活性値及び水分含量値に設定し、食品の外部より食品の内部の方が水分含量が高く、その水分含量差が1.5重量%以上である中間水分食品、及び粉末香料を施与することによる中間水分食品の加熱劣化臭防止方法に関し出願している。(例えば、特許文献5及び6参照。)。
しかしながら、前者の中間水分食品は、外部と内部の水分含量差によってベタツキを防止することは可能であったが、加工前食品の特徴である瑞々しさがなく、中間水分食品の表面状態や食感を制御し、弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのある食感を有する中間水分食品を得るには更に改良の余地があった。
また、後者の中間水分加熱劣化臭防止方法においては、加熱劣化臭とともに中間水分食品の表面のベタツキを抑制する効果が得られたが、その表面状態制御と共に、加工前食品の特徴である繊維感や、弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのある食感等をも制御するためには、更に改良の余地があった。
特開平3−47030号公報 特開平4−299938号公報 特開昭61−268128号公報 特開昭49−110850号公報 特開2004−313110号公報 特願2006−298302号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、中間水分食品表面のベタツキを抑制し、糖類が結晶化してジャリジャリとした食感となることを抑制し、加工前食品の特徴である繊維感や、弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのある食感を有する中間水分食品、密封容器入り中間水分食品の製法及び中間水分食品のテクスチャー改善方法を提供するにある。
本発明は、水分活性が0.45〜0.8、水分含有量が10〜30重量%及び糖類含有量が65〜88重量%であることを特徴とする中間水分食品により上記目的を達成する。
好ましくは、糖類が、ショ糖、ブドウ糖及び果糖である。
更に好ましくは、糖類全体中のショ糖含有量が40〜70重量%である。より好ましくは、更に、酸味料を含有する。また、クエン酸酸度が、1.0〜3.0%であることが好ましい。また好ましくは、中間水分食品に用いる加工前食品がパイナップル、リンゴ、ピーチ、梨、パパイヤ、ブルーベリー、クランベリー、グアバ、レイシ、キウイフルーツ、メロン、アロエ及びトマトである。
更に好ましくは、糖類全体中のショ糖含有量が20重量%以下であり、また好ましくは、中間水分食品に用いる加工前食品がバナナ、ぶどう、いちじく、柿及びプルーンである。
また、本発明は、水分活性が0.45〜0.8、水分含有量が10〜30重量%及び糖類含有量が65〜88重量%である中間水分食品の製法であって、下記工程(1)〜(7)を順次行うことを特徴とする密封容器入り中間水分食品の製法により達成される。
(1)生食品を準備する工程
(2)生食品を漂白剤処理する工程
(3)漂白剤処理された食品を一次乾燥する工程
(4)一次乾燥された食品を調味する工程
(5)調味された食品を二次乾燥する工程
(6)二次乾燥された食品の表面に粉末香料を施与する工程
(7)粉末香料を施与された食品を、包装容器に収容、密封する工程
更に、上記工程(6)において、粉末香料と共に、粉糖又は澱粉を施与することが好ましい。
次に、本発明は、水分活性が0.45〜0.8、水分含有量が10〜30重量%及び糖類含有量が65〜88重量%となるよう調整することを特徴とする中間水分食品のテクスチャー改善方法により達成される。
また、本発明は、水分活性が0.45〜0.8、水分含有量が10〜30重量%及び糖類含有量が65〜88重量%である中間水分食品であって、下記工程(1)〜(7)を順次行うことを特徴とする密封容器入り中間水分食品のテクスチャー改善方法によって達成される。
(1)生食品を準備する工程
(2)生食品を漂白剤処理する工程
(3)漂白剤処理された食品を一次乾燥する工程
(4)一次乾燥された食品を調味する工程
(5)調味された食品を二次乾燥する工程
(6)二次乾燥された食品の表面に粉末香料を施与する工程
(7)粉末香料を施与された食品を、包装容器に収容、密封する工程
すなわち、本発明者らは、水分活性が0.45〜0.8及び水分含有量が10〜30重量%である中間水分食品において、糖類や酸味料の含有量、糖類全体中のショ糖含有量、及び調味工程の方法によっては、中間水分食品表面にベタツキが生じたり、糖類が結晶化してジャリジャリとした食感になるという中間水分食品特有の問題を解決するべく、中間水分食品の表面状態や食感を制御することができ、加工前食品の特徴である繊維感や、弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのある食感を有する中間水分食品について検討した。
そこで、まず上記中間水分食品の表面のベタツキ抑制或いはジャリジャリとした食感抑制について検討した結果、中間水分食品中の糖類の種類と含有量、及び酸味料の含有量に着目し、中間水分食品中、特定の糖類が所定量含有され、好ましくは特定の酸度とすること、該糖類全体中特定のショ糖含有量とすることで、中間水分食品の表面状態や食感を制御することができることを見出した。更に上記成分の含有量は調味工程の方法でも調製可能であることも見出した。
また更に、中間水分食品表面に粉末香料を施与することで、粉末香料のみの風味だけではなく、粉末香料が加工前食品本来の風味を引き出し、加熱劣化臭を防止し、喫食直後から生食品等の加工前食品のようなジューシー感のある豊かな風味を付与し、更には、粉末香料に、粉糖又は澱粉を併用することで、中間水分食品表面のベタツキを抑制し得ることを見出し、本発明に到達した。
本発明によれば、水分活性が0.45〜0.8、水分含有量が10〜30重量%及び糖類含有量が65〜88重量%である中間水分食品とすることで、加工前食品の特徴である繊維感及び瑞々しさを再現でき、更に、中間水分食品の表面のベタツキを抑制し、且つ糖類が結晶化しジャリジャリとした食感となることを抑制できる。
更に、中間水分食品が含有する糖類全体中のショ糖含有量を、40〜70重量%とすることで、中間水分食品表面のベタツキを抑制し、且つ糖類が結晶化してジャリジャリとした食感となることを抑制できるため、中間水分食品の表面状態及び食感を制御することが可能である。
或いは、中間水分食品が含有する糖類全体中のショ糖含有量を、20重量%以下とすることで、糖類が結晶化してジャリジャリとした食感となることを抑制し、中間水分食品を、加工前食品の特徴である繊維感や、弾力性と柔軟性を併せ持ち、適度な軟らかさのある食感とすることが可能である。
次に、酸味料を含有することで、加工前食品自体に含まれる酸味料に加え、適度な酸味を付与するので、加工前食品の特徴である瑞々しさ、フレッシュ感及び爽快感といった風味を引き立たせることができ、中間水分食品の風味感を向上させる。また、クエン酸酸度を1.0〜3.0%とすることが、中間水分食品中のショ糖の分解量を適量に調整できるため、酸と糖のバランスが取れた風味とすることができ、且つ中間水分食品表面のベタツキを抑制できる。従って、中間水分食品の風味及び表面状態を制御することが可能である。
また、クエン酸とクエン酸ナトリウムの併用といった酸味料の使用方法によって加工中の食品内のpHを調製することにより、ベタツキを抑制し得る。
また、本発明の密封容器入り中間水分食品の製法によれば、一次乾燥された食品を調味する工程において、中間水分食品中のショ糖の分解やショ糖の過剰量の蓄積を適量に調整できるため、中間水分食品表面のベタツキを抑制し、且つ糖類が結晶化しジャリジャリとした食感となることを抑制できる。
また、中間水分食品の表面に粉末香料を施与することにより、粉末香料が加工前食品の本来の風味を引き立てると共に、粉末香料自体の風味と相まって、喫食当初から豊かな風味を与えることができる。更に、中間水分食品を製造するにあたり、乾燥工程等の加熱に因る中間水分食品の加熱劣化臭が防止される。
更に、粉末香料と共に、粉糖又は澱粉を施与することで、中間水分食品の表面のベタツキが抑制できると共に、ジューシー感がより感じられる。
また、本発明の中間水分食品は、上述のように表面のベタツキを抑制し、容易に手につまむことができ、喫食した時に歯に付着することがない。
調味工程に攪拌混合方法を採用すると、蛋白質、カリウム及びポリフェノール等の栄養成分の流出を抑制できる。
更に、本発明によれば、咀嚼する時に歯に付着したり、糖類由来のジャリジャリとしたざらつきが無いため、加工前食品の特徴である繊維感や、弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのある食感を有する。
本発明を詳しく説明する。
まず従来の中間水分食品としては、水分含有量が10〜60重量%である食品が知られている。しかし本発明の中間水分食品は、上記一般的な中間水分食品とは異なり、水分活性が0.45〜0.8及び水分含有量が10〜30重量%に調整されたものである。そのように調整することが、加工前食品の特徴である繊維感及び瑞々しさを再現する点で重要である。すなわち、水分活性が0.45未満或いは水分含有量が10重量%未満の場合には、中間水分食品の弾力性や柔軟性が劣るため硬い食感となる傾向があり、また水分活性が0.8を超える或いは水分含有量が30重量%を超える場合は、中間水分食品の表面がべたつく傾向がある。 好ましくは、水分活性が0.45〜0.75、更に好ましくは、水分活性が0.45〜0.7であることが、繊維感(食感)や瑞々しさ(風味)と共に中間水分食品の保存性の点で望ましい。
本発明の中間水分食品における水分活性の測定は以下のように、水分含有量の測定は以下のどちらかを適宜採用すればよい。
(水分活性の測定方法)
密閉容器内にマッシャー、スライサー、包丁等にて粉砕した中間水分食品を専用カップに収容してセンサー内に入れ、その密封容器内の平衡蒸気圧を水分活性計Lab Master an Standard(シーベルヘグナー社製)にて、数値が安定するまで放置し、安定した値を水分活性値とする。
(水分含有量の測定方法1)
マッシャー、スライサー、包丁等にて粉砕した中間水分食品約10gをケット赤外線水分計FD−600(ケット社製)にて110℃25分間で計測する。
(水分含有量の測定方法2)
マッシャー、スライサー、包丁等にて粉砕した中間水分食品約3gを、減圧加熱乾燥法にて恒量に達せしめ、乾燥前後の重量差により計測する。例えば、真空乾燥機VOS−300D(東京理化器械社製)にて、1mmHg以下108℃3.5時間で計測する。
本発明の中間水分食品に用いる加工前食品は、一般に知られている食用果実、食用野菜等の繊維質を有する植物性食品で、好ましくは生食品或いはIQF(個別急速冷凍)したものの解凍品である。例えばパイナップル、リンゴ、ピーチ、梨、マンゴー、バナナ、イチゴ、オレンジ、ぶどう、あんず、いちじく、なつめ、さんざし、デーツ、柿、プルーン、パパイヤ、ブルーベリー、クランベリー、チェリー、グアバ、レイシ、キウイフルーツ、メロン、アロエ、トマト等が挙げられ、これらの中から適宜選択して用いればよい。この中でも、パイナップル、リンゴ、ピーチ、梨、パパイヤ、ブルーベリー、クランベリー、グアバ、レイシ、キウイフルーツ、メロン、アロエ、トマト、バナナ、ぶどう、いちじく、柿及びプルーンが好ましく、中間水分食品表面のベタツキを抑制し、且つ糖類が結晶化してジャリジャリとした食感となることを抑制し、加工前食品の特徴である繊維感や、弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのある食感とする本願効果が顕著に発揮される点で好適である。
本発明の中間水分食品は、更に、糖類含有量が65〜88重量%であることが、中間水分食品の表面のベタツキを抑制し、且つ糖類が結晶化してジャリジャリとした食感となることを抑制できる点で重要である。すなわち、中間水分食品全体中の糖類含有量が65重量%未満では、ややべたついて軟らかすぎる食感となる傾向があり、88重量%を超えると硬い食感となる傾向がある。好ましくは、中間水分食品全体中の糖類含有量が70〜80重量%であることが、上述の効果が顕著に発揮される上に、加工前食品の特徴である繊維感(食感)及び瑞々しさ(風味)を再現できる点で好適である。
なお、本発明の中間水分食品における糖類含有量の算出は、以下のようにして行えばよい。
(糖類含有量の測定)
中間水分食品の水分含有量とBx値から、以下の計算式に従って算出する。なお、Bx値は、中間水分食品約10gを10倍量に加水し、ホモゲナイザー等にて粉砕、均一化した希釈液の上清を、Bx計DR−A1(ATAGO社製)にて計測する。
Figure 2009057736
また上記糖類は、ショ糖、ブドウ糖及び果糖であることが、中間水分食品の表面のベタツキを抑制し、且つ糖類が結晶化しジャリジャリとした食感となることを抑制できる点で好ましい。糖類のうち、中間水分食品中に含まれるショ糖、ブドウ糖及び果糖は、その由来はいずれであっても良い。例えば、ショ糖の場合、製造工程において、中間水分食品中に浸透した糖液のうちのショ糖や、加工前の食品自体に含まれるショ糖が挙げられる。また、ブドウ糖及び果糖の場合は、製造工程において、中間水分食品中に浸透した糖液のうちのショ糖が分解したもの、浸透した糖液のうちのブドウ糖と果糖、加工前食品自体に含まれるショ糖が分解したもの、加工前食品自体に含まれるブドウ糖と果糖等が挙げられる。
また、本発明の中間水分食品中に含まれる糖類としては、他にペクチン、セルロース、ヘミセルロース及びリグニン等の食物繊維の多糖類、ソルビトール等の糖アルコールやオリゴ糖等があるが、糖類全体の中にショ糖、ブドウ糖及び果糖が含有されていれば良いという意味である。
なお、本発明の中間水分食品における各糖類含有量の測定は、以下のようにして行えばよい。
(各糖類含有量の測定方法)
中間水分食品約10gを10倍量に加水し、ホモゲナイザー等にて粉砕、均一化後、更に100倍希釈した溶液を、JKインターナショナル社製Fキットにて計測する。
更に好ましくは、糖類全体中のショ糖含有量が40〜70重量%であることが中間水分食品中のショ糖、ブドウ糖及び果糖量を適量に調整できるため、中間水分食品表面のベタツキを抑制し、且つ糖類が結晶化しジャリジャリとした食感となることを抑制できる点で好適である。特にパイナップル、リンゴ、ピーチ、梨、パパイヤ、ブルーベリー、クランベリー、グアバ、レイシ、キウイフルーツ、メロン、アロエ及びトマト等は、糖類全体中のショ糖含有量が40〜70重量%とすると、本願効果を顕著に発揮できる点で好ましい。
上記糖類全体中とは、中間水分食品が含有する糖類のうちショ糖、ブドウ糖及び果糖の合計重量中を意味する。また、糖類全体中のショ糖の含有量が40重量%未満では軟らかくなる傾向があり、70重量%を超えると糖類が結晶化してジャリジャリとした食感となり、瑞々しさ(風味)が減少する傾向がある。
より好ましくは、糖類全体中のショ糖の含有量が50〜60重量%であることが、上述の効果が顕著に発揮され、中間水分食品の食感を制御できる点で好適である。ここでいう中間水分食品の好ましい食感とは、咀嚼する時に歯に付着したり、ジャリジャリとしたザラツキが無いという意味である。
なお、本発明の中間水分食品における糖類全体中のショ糖含有量は、以下のようにして算出すればよい。
(糖類全体中のショ糖含有量)
各糖類含有量(ショ糖、ブドウ糖、果糖)の合計重量中に対するショ糖含有量の割合を算出する。
また好ましくは、糖類全体中のショ糖含有量が20重量%以下であることが、中間水分食品中の糖類が結晶化してジャリジャリとした食感となることを抑制し、加工前食品の特徴である繊維感や、弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのある食感にできる点で好適である。特にバナナ、ぶどう、いちじく、柿及びプルーン等は、糖類全体中のショ糖含有量が20重量%以下とすると、本願効果を顕著に発揮される点で好ましい。
次に、更に本発明の中間水分食品は、酸味料を含有することが好ましい。酸味料を含有することで、加工前食品自体に含まれる酸味料に加え、適度な酸味を付与するので、加工前食品の特徴である食品自体の風味を引き立たせることができ、中間水分食品の風味を向上させる点で好適である。該酸味料としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、乳酸、酢酸等の有機酸及びクエン酸ナトリウム等の各有機酸塩等が挙げられる。
更に、本発明の中間水分食品は、クエン酸酸度を1.0〜3.0%とすると、中間水分食品中のショ糖の分解量を適量に調整し、酸と糖のバランスが取れた風味とする点、中間水分食品表面のベタツキを抑制できる点及び加工前食品の特徴である食品自体の風味を引き立てる点で好適である。従って、中間水分食品の表面状態及び風味を制御することができる点で望ましい。クエン酸酸度が1.0%未満では、甘味が強くなる傾向があり、3.0%を超えると酸味が強く、べたつく傾向がある。上記クエン酸酸度は、中間水分食品に含まれる酸味料や有機酸の全てを、クエン酸濃度に換算したもので、製造工程中に、酸味料を中間水分食品中に浸透することは任意で、中間水分食品中のクエン酸酸度が上記範囲内であればよい。
本発明の中間水分食品におけるクエン酸酸度測定は、以下のようにして行えばよい。
(クエン酸酸度の測定方法)
中間水分食品約10gを10倍量に加水し、ホモゲナイザー等にて粉砕、均一化した希釈液を、クエン酸酸度計AT−500N−1(京都電子工業(株)製)にて計測する。
次に、本発明の中間水分食品は、例えば、次のようにして製造されるが、下記方法に限定されるものではない。
まず、加工前食品として生食品を準備し適宜の大きさにカットする。なお、生食品が皮やヘタ等の非可食部を有する場合は、適宜取り除けばよい。また、カットした後、IQF(個別急速冷凍)し、解凍したものを使用しても良い。
例えば、パイナップルの場合、皮、芯部を取り除き、略一口サイズ(径20〜40mm×20〜40mm、厚み20〜40mm程度)にカットする。
例えば、バナナの場合、皮、スジ、種及び傷んだ部分を取り除く。その後一口大にカットするが、カットは後述する一次乾燥後に行っても良い。一次乾燥後にカットする方が、弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのある食感にできる、作業性の効率化、中間水分食品のカット片の大きさを管理できる(長さ15〜35mm程度の一口大サイズ)点で好ましい。
また、バナナの場合、未熟なバナナよりも、完熟又は追熟したバナナを用いると、加工後の中間水分食品の渋味を抑制できる点で好適である。完熟又は追熟したバナナの指標は、加工前バナナ全体重量中、糖類含有量が18重量%以上、好ましくは18〜36重量%、より好ましくは24〜30重量%である。糖類含有量は、加工前バナナの水分含有量とBx値から、前述の式1の計算式に従って算出する。
なお、追熟方法は、例えば、未熟バナナを30℃の恒温槽にて3〜5日ほど静置すればよい。
その後、上記カットされた生食品を、必要に応じて漂白剤処理する。漂白剤処理することにより、褐変防止、或いは各工程及び製品の品質安全性(保存安定性等)が得られる。特に、パイナップル、リンゴ、ピーチ、梨、パパイヤ、レイシ、キウイフルーツ、メロン、バナナ等の褐変しやすい加工前食品に対しては好適である。
上記漂白剤としては、亜硫酸塩溶液として知られている二酸化イオウ、ピロ亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等が挙げられ、これらの中から適宜選択して用いればよい。
漂白剤の処理方法としては、上記生食品を漂白剤溶液に浸漬したり、生食品に対して噴霧する等の方法が挙げられるが、短時間で均一に漂白剤を施与することができる点で、漂白剤溶液に浸漬することが好適である。
漂白剤の施与量は、生食品への漂白剤の付着量がSO濃度換算で、好ましくは50〜10000ppm、更に好ましくは、1000〜5000ppmとなるように施与することが、褐変防止及び風味の点で好適である。
具体的には、例えば、パイナップルの場合、剥皮後芯を取り除き、カットしたパイナップル100kgを、0.1〜1%ピロ亜硫酸ナトリウム溶液100kgに15〜30℃で8〜24時間浸漬すると、SO濃度換算で100〜2000ppmの付着量となる。
例えば、バナナの場合、剥皮後非可食部を除いたバナナ100kgを、0.5〜3%亜硫酸ナトリウム溶液200kgに15〜30℃で1分〜3時間浸漬すると、SO濃度換算で50〜5000ppmの付着量となる。また、浸漬時間を1〜30分の短時間浸漬にすると、加工前バナナが含有する栄養成分の流出を防止する点、渋味を抑制する点で好適である。
他に、漂白剤処理の不要な加工前食品としては、ブルーベリー、クランベリー、ぶどう、いちじく、柿及びプルーン等が挙げられる。
次に、上記漂白剤処理された食品を一次乾燥する。調味方法については後述するが、調味液浸漬による調味工程を採用する場合、一次乾燥を行うことにより、調味液が薄まらず、調味料を食品に十分に浸透させることができる点で好ましい。また、攪拌混合方法を採用する場合、一次乾燥は、食品を水分活性0.7未満に調整し、加工前食品が含有する栄養成分を濃縮し、中間水分食品の保存性、食感、風味を向上させる点で好ましい。
乾燥方法は、特に限定されるものではないが、流体加熱による乾燥、真空凍結乾燥等を適宜選択して乾燥すればよい。この中でも、特に流体加熱による乾燥は、食品の食感を損なわずに水分含有量を調整しやすい点で好適である。流体加熱による乾燥とは、熱風を循環させる一般の熱風乾燥装置の他、熱風を対象物に対して上下から直接吹きつけて乾燥する装置(例えば、荒川製作所製のジェットゾーンシステム(連続式)、ジェットロースト式(バッチ式)等)、コーヒーの焙煎などに用いられる熱風が対流する装置、扇風機、乾燥機、熱風機、エアーコンディショナー等を用い、食品に流体を吹き付けて乾燥する方法である。
乾燥条件としては、調味液浸漬による調味工程を採用する場合、食品の水分含量が、好ましくは15〜90重量%、更に好ましくは70〜90重量%となるまで乾燥させることが、調味液が薄まらず、調味料を十分浸透させることができる点で好適である。具体的には、流体加熱による乾燥の一つである熱風棚乾燥の場合、60℃で3時間程度乾燥させればよい。
また、攪拌混合方法を採用する場合、食品の水分含有量が、好ましくは10〜30重量%、更に好ましくは10〜20重量%となるまで乾燥すると、中間水分食品の保存性、食感、風味を向上する点で好適である。具体的には、熱風棚乾燥の場合、65℃で40時間程度乾燥させればよい。
次に、上記のように一次乾燥された食品を調味する。
調味料としては、糖類等を含有する。該糖類としては、例えば、ショ糖、ブドウ糖、果糖、異性化糖、タガトース、トレハロース、乳糖、麦芽糖、異性化乳糖、オリゴ糖、糖アルコール、還元澱粉糖化物等の糖質甘味料の他、スクラロース、ステビア、アセスルファムK、アスパルテーム等の非糖質甘味料等が挙げられ、これらの中から適宜選択し、単独もしくは複数組合せて用いればよい。この中でも、特に中間水分食品の表面状態及び食感を制御する、風味を向上させる点で、ショ糖、ブドウ糖、果糖、スクラロース、アスパルテーム等は好適に用いられる。
また上記調味料には、酸味料を含有してもよい。該酸味料としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、乳酸、酢酸等の有機酸及びクエン酸ナトリウム等の各有機酸塩等が挙げられ、これらの中から適宜選択して単独もしくは複数組合せて用いればよい。この中でも、特に瑞々しさ、フレッシュ感や爽快感を付与する点で、加工前食品自体に含まれる有機酸と同様の酸味料が好適に用いられる。例えば、食品がパイナップル及びリンゴの場合はクエン酸及びリンゴ酸等が挙げられる。また、食品がピーチの場合は、クエン酸とクエン酸ナトリウムを併用し食品内のpHを調製すると、ベタツキを抑制できる点で好ましい。
また、上述の酸味料を主体とする醸造酢、梅酢、果実酢、果汁等として施与してもよい。
上記調味料の副原料としては、乳酸品、果汁、果肉、酒類、安定剤、乳化剤、香料、着色料、各種栄養成分(ビタミン類、ミネラル類、食物繊維等)等が挙げられ、これらの中から適宜選択して用いればよい。
調味後の食品全体重量中の調味料付着量は、調味料施与後の食品全体重量中、固形分換算で好ましくは0.1〜40重量%、更に好ましくは0.2〜35重量%となるようにすることが、風味及びテクスチャーの点で好適である。
なお、糖類及び酸味料を含有する調味液浸漬による調味工程を採用する場合の調味液は、調味液全体重量中、好ましくは糖類10〜70重量%、酸味料0.1〜3.0重量%に設定することが、調味料を食品に浸透させやすくする、フレッシュ感及び爽快感といった加工前食品自体の風味を引き立たせる点で望ましい。
また、スクラロース及び香料を含有する調味液による攪拌混合方法を採用する場合の調味液は、好ましくは調味液全体重量中スクラロースを0.1〜1.0重量%、香料を1.0〜20重量%に設定することが、食品に調味料が浸透し易い、調味液が均一に分散する、食品の形状を保持する点で望ましい。
調味方法は、調味液に浸漬する、攪拌混合する方法等が挙げられる。
調味液浸漬を採用する場合は、調味液が均一に浸透し良好な風味を得る点で好適である。調味液への浸漬は、1回浸漬でも複数回浸漬してもどちらでも良い。調味後の食品全体重量中の調味料付着量が、固形分換算で上述のようになれば良い。例えば、特に調味液中に上記食品を一定時間浸漬した後に調味液と食品を分離した後、その調味液を加熱し、そこへもう一度食品を戻し加熱すると、食品自体の品質劣化防止、調味風味の定着、弾力性と柔軟性のある食感を付与し得る点で好適である。加熱条件は、食品の中心品温が90〜100℃に達する程度に行えばよい。分離方法は、遠心分離、金網上に放置する等が挙げられ、適宜選択すればよい。
具体的な条件としては、例えば、15〜30℃の調味液に5〜24時間浸漬した後に、調味液と食品を分離する。その調味液を90℃まで加熱したところへ分離した食品を戻し、品温が90℃で10分間加熱する方法が挙げられる。また、前述の加熱をした後に、調味液が約70℃まで下がった時点で酸味料及び香料を添加し、更に常温で20時間以上放置すると最終製品の風味が更に向上し、中間水分食品の表面のベタツキを抑制し、且つ糖類が結晶化しジャリジャリとした食感となることを抑制できる点で好ましい。上記香料の剤形は、特に限定するものではない。ここで用いる香料は、加工前食品が有する香気成分と同様の香料とすることが中間水分食品の風味の点で好適である。
なお、調味料を施与し、加熱を行った後は、必要に応じて、調味された食品を液切りしてもよい。液切り工程を設けることにより、調味料を食品内部まで均等に浸透させて、最終製品の品質のバラツキを防止したり、後述する二次乾燥工程の条件を緩和することができる点で好適である。液切り方法は、遠心分離、金網上に放置するなどの方法を適宜選択すればよい。また、液切り条件は、特に限定するものでなく、調味液が連続的に落下しにくくなる程度まで行えばよい。
また、攪拌混合方法とは、調味液を直接ふりかけ攪拌混合することで、必要最小限の調味液量で足りる点、加工前食品が含有する栄養成分の流出を防止できる点で好適である。調味液のふりかけ方法は、調味液を直接略均一にふりかける、噴霧等が挙げられる。攪拌混合は、手、へら等の混合器具等を適宜選択し、一次乾燥された食品がつぶれないように行えば良い。また、調味後の食品全体重量中の調味料付着量が、固形分換算で上述のようになれば良い。例えば、バナナの場合、一次乾燥したバナナ20kgに、バナナ全体重量中2〜8重量%の調味液を直接略均一にふりかけ、手によって1〜3分程度攪拌混合する。
次に、調味された食品を二次乾燥する。
乾燥方法は、上述した一次乾燥と同じ方法で行えばよい。この中でも、特に流体加熱による乾燥は、食品の食感を損なわずに水分含有量を調整しやすく、元来有する食品の水分活性を抑え、中間水分食品とした時の変敗を防止し、長期間の保存が可能となる点で好適である。
乾燥条件は、食品中の水分含有量が10〜30重量%となるようにすることが、加工前食品の特徴である繊維感及び瑞々しさを再現する、弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのある食感とする点で重要である。具体的には、流体加熱による乾燥の一つである熱風棚乾燥の場合、50〜70℃、1〜50時間とすればよい。
次に、二次乾燥された食品の表面に粉末香料を施与する。
上記粉末香料とは、香味成分を粉末香料全体重量中1重量%以上含有するものであり、副原料として賦形剤等が含有されているものである。
香味成分は、天然香料であっても合成香料であってもよいが、加工前食品と同じ香気成分を含有することが、中間水分食品の加熱劣化臭の防止の点で望ましい。
賦形剤としては、澱粉、化工澱粉、デキストリン、アラビアガム、ゼラチン、カゼイン、カルボキシメチルセルロース、難消化性デキストリン、ビタミンB、ビタミンC等のビタミン類、マグネシウム、カルシウム等のミネラル類等の乾燥粉末化された形態の賦形剤を挙げることができる。これらの中から適宜選択し単独もしくは複数組み合わせて用いればよい。
この中でも、特に香味成分の発現及び吸湿しにくい、口当たりを良好にし、食感を向上させる点で、デキストリン、難消化性デキストリンは好適に用いられる。
上記粉末香料には、粉末混合型、吸着型、固体エマルジョン型、マイクロカプセル型、噴霧乾燥型等の種類があり、この中でも、噴霧乾燥型粉末香料が、取扱い易く、香味成分の安定性が良好となる点で好ましい。
具体的に、噴霧乾燥型粉末香料の調製方法としては、例えば、香味成分、賦形剤、及び必要に応じてその他の粉末原料を混合、乳化させる。次いで、この乳化液をスプレードライ(噴霧乾燥法)により、粉末乾燥化させることで、粉末香料を得ることができる。
上記粉末香料の粒度は、好ましくは30〜400ミクロンであることが、中間水分食品にジューシー感を付与できる点で好適である。
上記粉末香料の施与量は、中間水分食品全体重量中、好ましくは0.001〜1重量%、更に好ましくは0.01〜0.1重量%付着するように施与することが、有効に加熱劣化臭を防止でき、ジューシーな風味を付与し得る点で望ましい。
上記粉末香料の施与方法は、レボリングパン、直接振りかけて攪拌混合する等が挙げられ、中間水分表面に均一分散できれば良い。
また、粉末香料には、上記香味成分及び賦形剤以外の粉末原料を含有してもよい。該粉末原料としては、ショ糖、ブドウ糖、乳糖、麦芽糖、果糖等の通常菓子に用いられる粉末糖質甘味料やアスパルテーム、ステビア、ソーマチン等の粉末高甘味度甘味料やマルチトール、ソルビトール、エリスリトール、マンニトール、ラクチトール、キシリトール、還元パラチノース等の糖アルコールやその他に有機酸、アミノ酸、蛋白質、脂質、澱粉等が挙げられ、これらの中から適宜選択し単独もしくは複数組み合わせて用いればよい。
また、二次乾燥食品の表面に粉糖又は澱粉を施与すると、ベタツキ防止の点で好適である。更に望ましくは、上記粉末香料と共に、粉糖又は澱粉を施与すると、中間水分食品がべたつかず、手でつまんで食べる際に持ち易く、更にジューシーさを増す点で好適である。粉糖又は澱粉の施与量は、重量比で粉末香料1に対し、粉糖又は澱粉が30〜200付着するように施与することが、粉末香料と、粉糖又は澱粉の、加熱劣化臭を防止できる、ベタツキを防止できるといったそれぞれの効果を有効に得ることができる点で好適である。
また、粉末香料と共に澱粉を施与する場合は、両者の合計の施与量が中間水分食品全体重量中、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.01〜4重量%とすることが、ベタツキを防止すると共に外観及び風味を良好にする点で望ましい。
粉末香料と、粉糖又は澱粉を併用する場合には、別々に施与してもよく、予め混合しておいてもよい。
上記粉糖としては、粉状又は顆粒状の糖類であれば特に限定するものではないが、糖類の種類としては、上述のショ糖、異性化糖、タガトース、トレハロース、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、異性化乳糖、オリゴ糖、糖アルコール、還元澱粉糖化物等の糖質甘味料の他、ステビア、アセスルファムK、アスパルテーム等の非糖質甘味料等が挙げられ、これらの中から適宜選択し、単独もしくは複数組合せて用いればよい。この中でも、特に、ショ糖の粉糖は、溶解性が良く、中間水分食品にジューシー感を付与する点で好ましい。
上記粉糖の粒度は、好ましくは40〜150ミクロンであることが、中間水分食品にベタツキ防止効果及びジューシー感を付与する点で好適である。
また、上記澱粉としては、とうもろこし、タピオカ、馬鈴薯、米等の澱粉やこれらの化工澱粉や、オブラート粉末等が挙げられる。
なお、中間水分食品を密封容器入りとする場合には、上記粉末香料を施与された中間水分食品を、包装容器に適宜の個数収容密封すればよい。
上記包装容器としては、耐熱性のアルミ蒸着パウチ、脱酸素機能のあるパウチや、缶、瓶等が挙げられ、これらの中から適宜選択して用いればよい。脱酸素機能のあるパウチの製品例としては、例えば、東洋製罐(株)の「オキシガードパウチ」(「オキシガード」は登録商標)等が挙げられる。
本発明の中間水分食品は、殺菌処理しなくても、長期保存性に優れるが、適宜必要に応じて、収容時に脱酸素剤の添付や、不活性ガスによる酸素置換や、密封した後に加熱殺菌等の殺菌処理等を行ってもよい。
また、本発明の中間水分食品のテクスチャー改善方法は、水分活性が0.45〜0.8、水分含有量が10〜30重量%及び糖類含有量が65〜88重量%となるよう調整するものである。まず、テクスチャーとは、本発明の中間水分食品を喫食した時に感じる口中での食感である。具体的には、咀嚼する時に歯に付着せず、ジャリジャリとしたザラツキが無く、加工前食品の特徴である繊維感や、弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのある食感の状態となることを、テクスチャーが改善されたとする。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
<実施例1〜5>
(1)まず、加工前食品として生のパイナップルを準備し、皮、芯部を取り除き、一口サイズ(径20〜40mm×20〜40mm、厚み20〜40mm程度)にカットしたパイナップル片(水分含有量92重量%)を準備した。
(2)次に、上記パイナップル片を1%ピロ亜硫酸ナトリウム溶液に14時間浸漬し、液切りした。このときのピロ亜硫酸ナトリウム付着量は、SO濃度換算で2000ppmであった。
(3)次に、ピロ亜硫酸ナトリウム溶液処理したパイナップル片を、60℃で3時間熱風棚乾燥機にて一次乾燥し、水分含有量を85重量%とした。
(4)次いで、一次乾燥されたパイナップル片を、下記表1に示す調味液中に常温20℃で5時間浸漬した後、金網によって調味液とパイナップル片とを分離した。分離した調味液を90℃まで加熱したところに、上記パイナップル片をもう一度浸漬させ、品温90℃で10分間加熱した。加熱後、調味液が約70℃まで下がった時点で、調味液に酸味料及びパイナップル液体香料を後添加し、調味液に浸漬したまま24時間放置した。なお、調味料への酸味料及び香料の後添加量は、下記表1に示した。その後、パイナップル片を金網にのせ、10分間液切りをした。このときの調味料施与後のパイナップル片全体重量中の調味料付着量(固形分換算値)を表10に示す。
(5)次に、パイナップル片に対し、熱風棚乾燥機にて60℃15時間、二次乾燥を行った。
(6)上記乾燥パイナップル片の粗熱を取った後に、パイナップル片と、パイナップル粉末香料(30〜400ミクロン)及びショ糖の粉糖(40〜150ミクロン)の混合物を、レボリングパンに投入し、転動させて、パイナップル片全体重量に対し、0.03重量%の粉末香料、1.47重量%の粉糖が付着するように施与した。
(7)上記粉末香料及び粉糖の混合物が施与されたパイナップル片7個を、アルミ蒸着パウチに、脱酸素剤と共に収容し、ヒートシールして密封容器入り中間水分パイナップル食品を得た。
Figure 2009057736
<実施例6〜9>
実施例1の工程(5)の二次乾燥の熱風棚乾燥機の乾燥条件を、実施例6と8は60℃25時間、実施例7と9は60℃10時間とする以外は、実施例1と同様にして密封容器入り中間水分パイナップル食品を得た。
<実施例10、11>
実施例1の工程(4)の常温20℃で5時間浸漬するところと、工程(5)の二次乾燥の熱風棚乾燥機の乾燥条件を、実施例10は20℃1時間浸漬、60℃10時間乾燥に、実施例11は50℃5時間浸漬、60℃25時間乾燥とする以外は、実施例1と同様にして密封容器入り中間水分パイナップル食品を得た。
<実施例12、13>
実施例1の工程(4)の調味液組成及び後添加する酸味料の量を表2に示す通りとする以外は、実施例1と同様にして密封容器入り中間水分パイナップル食品を得た。
Figure 2009057736
<実施例14>
実施例1の工程(4)の調味液組成を表3に示す通りとし、且つ酸味料を添加しない以外は、実施例1と同様にして密封容器入り中間水分パイナップル食品を得た。
Figure 2009057736
<実施例15>
実施例1の工程(6)を行わない以外は、実施例1と同様にして密封容器入り中間水分パイナップル食品を得た。
<実施例16>
実施例1の工程(4)の調味液組成を表4に示す通りとする以外は、実施例1と同様にして密封容器入り中間水分パイナップル食品を得た。
Figure 2009057736
<比較例1、2>
実施例1の工程(4)の調味液組成及び後添加する酸味料の量を表5に示す通りとする以外は、実施例1と同様にして密封容器入り加工パイナップル食品を得た。
Figure 2009057736
<比較例3>
(1)まず、加工前食品として生のパイナップルを準備し、皮、芯部を取り除き、一口サイズ(径20〜40mm×20〜40mm、厚み20〜40mm程度)にカットしたパイナップル片(水分含有量88重量%)を準備した。
(2)次に、上記パイナップル片を1%ピロ亜硫酸ナトリウム溶液に14時間浸漬し、液切りした。このときのピロ亜硫酸ナトリウム付着量は、SO濃度換算で2000ppmであった。
(3)次に、ピロ亜硫酸ナトリウム溶液処理したパイナップル片を、60℃で3時間熱風棚乾燥機にて一次乾燥し、水分含有量を75重量%とした。
(4)次いで、一次乾燥されたパイナップル片を、中心部温度が約−10℃まで冷却後、30℃の空気に露出させて室温に戻し、表6に示す調味液中に約30℃で12時間浸漬した後、金網によって調味液とパイナップル片とを分離した。
(5)次に、パイナップル片に対し、真空乾燥機にて50℃3時間、二次乾燥を行った。
(6)上記パイナップル片と、パイナップル粉末香料(30〜400ミクロン)及びショ糖の粉糖(40〜150ミクロン)の混合物を、レボリングパンに投入し、転動させて、パイナップル片全体重量に対し、0.03重量%の粉末香料、1.47重量%の粉糖が付着するように施与した。
(7)上記粉末香料及び粉糖の混合物が施与されたパイナップル片7個を、アルミ蒸着パウチに、脱酸素剤と共に収容し、ヒートシールして密封容器入り加工パイナップル食品を得た。
Figure 2009057736
<比較例4>
実施例1の工程(4)を以下の記載のようにする以外は、実施例1と同様にして密封容器入り加工パイナップル食品を得た。
(4)次いで、一次乾燥されたパイナップル片を、表1の実施例1に示す調味液中でマイクロ波加熱を実施した。なおこのマイクロ波加熱は、沸騰するまで5分間程度、全加熱時間が10分で、使用したマイクロ波の周波数は、2450MHzであった。
<実施例17>
実施例1の工程(1)及び(4)を以下の記載のようにする以外は、実施例1と同様にして密封容器入り中間水分リンゴ食品を得た。
(1)まず、加工前食品として生のリンゴを準備し、皮、芯部を取り除き、一口サイズにカットしたリンゴ片を準備した。
(4)次いで、一次乾燥されたリンゴ片を、下記表7に示す調味液に3回浸漬した。まず100℃に沸騰した一次浸漬調味液に、リンゴ片を浸漬し97〜100℃5分間浸漬を行った後、調味液切りしたリンゴ片を別の二次浸漬調味液に移し、20〜30℃約20時間の浸漬を行った。次にまた調味液切りしたリンゴ片を更に別の三次浸漬調味液に移し、20〜30℃約20時間の浸漬を行った。その後、リンゴ片を金網にのせ、10分間液切りをした。このときの調味料施与後のリンゴ片全体重量中の調味料付着量(固形分換算値)を表11に示す。
Figure 2009057736
<実施例18、19>
実施例17の生のリンゴの代わりに、実施例18は生のピーチ、実施例19は生の洋ナシを用いた以外は、実施例17と同様にして密封容器入り中間水分ピーチ食品及び密封容器入り中間水分洋ナシ食品を得た。
<実施例20>
実施例17の一次乾燥工程で、60℃3時間熱風棚乾燥する代わりに、70℃15時間熱風棚乾燥して、食品全体重量中の水分含有量を5重量%とした後、80℃の湯に3分間浸漬し、全体重量を湯浸漬前から115重量%とした。その後、調味工程を下記表8に示す調味液に常温で70時間浸漬した後、リンゴ片を金網にのせ、10分間液切りをした。その後は実施例17と同様にして密封容器入り中間水分リンゴ食品を得た。
Figure 2009057736
<実施例21>
実施例1の工程(1)及び(4)を以下の記載のようにする以外は、実施例1と同様にして密封容器入り中間水分ピーチ食品を得た。
(1)まず、加工前食品として生のピーチを準備し、皮、種を取り除いた後、半分にカットした。(水分含有量88.7重量%)
(4)次いで、下記表9に示す調味液1を100℃まで加熱したところに、上記ピーチ片を投入し、約2分かけて再度100℃まで加熱した。次に、調味液1とピーチ片とを分離し、分離したピーチ片を調味液2に投入し、常温(20〜30℃)で20時間浸漬した。浸漬したピーチ片を取り出し、その後更に調味液3に常温で20時間浸漬した。浸漬後はピーチ片を金網にのせ、10分間液切りをした。このときの調味料施与後のピーチ片全体重量中の調味料付着量(固形分換算値)を表11に示す。
Figure 2009057736
実施例1〜21で得られた各密封容器入り中間水分食品及び比較例1〜4で得られた各密封容器入り加工食品について、各糖類含有量、水分活性、水分含有量、糖類含有量、及び糖類全体中のショ糖含有量、クエン酸酸度の物性測定と、調味工程後の食品中の調味料付着量及び各実施例の官能評価の結果を表10及び11に示す。官能評価は、専門パネラー20名による表面のベタツキ、喫食時のジャリジャリ感、食感、風味及び加熱劣化臭について行った。なお、各糖類含有量、水分活性、水分含有量、糖類含有量、糖類全体中のショ糖含有量及びクエン酸酸度は、以下のように測定した。
(各糖類含有量の測定方法)
中間水分食品及び加工食品約10gを10倍量に加水し、ホモゲナイザー等にて粉砕、均一化後、更に100倍希釈した溶液を、JKインターナショナル社製Fキットにて計測した。
(水分活性の測定方法)
密閉容器内にマッシャーにて粉砕した中間水分食品及び加工食品10gを専用カップに収容してセンサー内に入れ、その密封容器内の平衡蒸気圧を水分活性計Lab Master an Standard(シーベルヘグナー社製)にて、数値が安定するまで放置し、安定した値を水分活性値とした。
(水分含有量の測定方法)
包丁にて粉砕した中間水分食品及び加工食品約10gをケット赤外線水分計FD−600(ケット社製)にて110℃25分間で計測した。
(糖類含有量の測定)
中間水分食品及び加工食品の水分含有量とBx値から、以下の計算式に従って算出した。なお、Bx値は、中間水分食品及び加工食品約10gを10倍量に加水し、ホモゲナイザー等にて粉砕、均一化した希釈液の上清を、Bx計DR−A1(ATAGO社製)にて計測した。
Figure 2009057736
(糖類全体中のショ糖含有量)
各糖類含有量(ショ糖、ブドウ糖、果糖)の合計重量中に対するショ糖含有量の割合を算出した。
(クエン酸酸度の測定方法)
中間水分食品及び加工食品約10gを10倍量に加水し、ホモゲナイザー等にて粉砕、均一化した希釈液を、クエン酸酸度計AT−500N−1(京都電子工業(株)製)にて計測した。
Figure 2009057736
Figure 2009057736
以上の結果から、実施例1〜21は概ね、中間水分食品の表面のベタツキが抑制され且つ糖類が結晶化してジャリジャリとした食感もまた抑制されていた。また、加工前食品の特徴である繊維感及び瑞々しさがあり、弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのある食感を有するものであった。特に実施例1、17〜19、21は、酸と糖のバランスが大変良好で、加工前食品の特徴である各食品の瑞々しさ、フレッシュ感及び爽快感といった風味が引き立ち、加熱劣化臭もなく、上記効果がより顕著に感じられた。また、食品を容器から手で繰り返しつまんでも、手にはべたつかず、歯への付着もなかった。他に、実施例15は、実施例1よりも多少べたつき及び加熱劣化臭の点で劣るものの、本願効果の奏した中間水分食品であった。また実施例21は、実施例18に比べさらにベタツキの評価が向上した。それに対し、比較例1は、ジャリジャリとして、糖類が結晶化したざらつきがひどく、食感の点で劣っていた。また、比較例2〜4はベタツキがひどく、歯や手に付着し、比較例3及び4は、風味の点でも劣っていた。
<実施例22>
(1)まず、加工前食品として生の完熟バナナ(品種:キャベンディッシュ)の皮、スジ及び傷んだ部分を取り除いたもの(水分含有量73重量%)を準備した。
なお、上記完熟バナナの糖類含有量は25重量%で、Bx値は25.5であった。
(2)次に、上記バナナを3%亜硫酸ナトリウム溶液に10分間浸漬し、液切りした。このときの付着量は、SO濃度換算で1100ppmであった。
(3)次に、亜硫酸ナトリウム溶液処理したバナナを、65℃で40時間熱風棚乾燥機にて一次乾燥し、水分含有量を20重量%とした。(水分活性0.63)
次に、一次乾燥されたバナナを、略一口大サイズ(長さ15〜35mm程度)にカットした。
(4)次いで、一次乾燥されたバナナ片20kgをバット内に広げ、下記表12に示す調味液1kgを直接略均一にふりかけた後に、手によって1〜3分程度攪拌混合した。
このときの調味料施与後のバナナ全体重量中の調味料付着量(固形分換算値)を表14に示す。
(5)次に、バナナ片に対し、熱風棚乾燥機にて60℃2時間、二次乾燥を行った。
(6)上記乾燥バナナ片の粗熱を取った後にバット内に広げ、バナナ片全体重量に対し、0.05重量%の粉末香料を直接略均一にふりかけ、手によって1〜3分程度攪拌混合した。この時の粉末香料の付着量は、バナナ片全体重量中0.05重量%であった。
(7)上記粉末香料が施与されたバナナ片7個を、アルミ蒸着パウチに、脱酸素剤と共に収容し、ヒートシールして密封容器入り中間水分バナナ食品を得た。
Figure 2009057736
<実施例23>
実施例22の工程(6)の粉末香料の代わりに、粉末香料5重量%及びとうもろこし澱粉95重量%の混合品を用い、該混合物をバナナ片全体重量に対し2重量%ふりかける以外は、実施例22と同様にして密封容器入り中間水分バナナ食品を得た。この時の粉末香料及びとうもろこし澱粉混合物の付着量は、バナナ片全体重量中1.95重量%であった。
<実施例24>
実施例22の工程(6)の粉末香料の代わりに、とうもろこし澱粉を用い、該澱粉をバナナ片全体重量に対し2重量%ふりかける以外は、実施例22と同様にして密封容器入り中間水分バナナ食品を得た。この時のとうもろこし澱粉の付着量は、バナナ片全体重量中1.95重量%であった。
<実施例25>
実施例23の生の完熟バナナの代わりに、未熟バナナを用いた以外は、実施例23と同様にして密封容器入り中間水分バナナ食品を得た。
なお、上記未熟バナナの糖類含有量は17重量%で、Bx値は20であった。
<実施例26>
実施例23の生の完熟バナナの代わりに、未熟バナナを追熟した追熟バナナを用いた以外は、実施例23と同様にして密封容器入り中間水分バナナ食品を得た。追熟方法は、30℃の恒温槽にて4日間静置した。
なお、上記バナナの糖類含有量は、未熟バナナが16重量%(Bx値19.5)、追熟バナナは25重量%(Bx値25.5)であった。
<実施例27>
実施例23の工程(3)〜(5)を、以下の記載のようにする以外は、実施例23と同様にして密封容器入り中間水分バナナ食品を得た。
(3)次に、亜硫酸ナトリウム溶液処理したバナナを、65℃で20時間熱風棚乾燥機にて一次乾燥し、水分含有量を45重量%とした。(水分活性0.89)
次に、一次乾燥されたバナナを、略一口大サイズ(長さ15〜35mm程度)にカットした。
(4)次いで、一次乾燥されたバナナ片100kgを、下記表13に示す調味液200kg中に25℃で2時間浸漬した後、バナナ片を金網にのせ、10分間液切りをした。このときの調味料施与後のバナナ片全体重量中の調味料付着量(固形分換算値)を表14に示す。
(5)次に、バナナ片に対し、熱風棚乾燥機にて60℃20時間、二次乾燥を行った。
Figure 2009057736
<実施例28>
実施例27の工程(4)の調味液浸漬を20時間とする以外は、実施例27と同様にして密封容器入り中間水分バナナ食品を得た。
実施例22〜28で得られた各密封容器入り中間水分食品について、加工前の糖類含有量と、加工後の各糖類含有量、水分活性、水分含有量、糖類含有量、糖類全体中のショ糖含有量、クエン酸酸度の物性測定と、調味工程後の食品中の調味料付着量、加工後の中間水分食品の栄養成分量及び各実施例の官能評価の結果を表14に示す。官能評価は、専門パネラー20名による表面のベタツキ、喫食時のジャリジャリ感、食感、風味、加熱劣化臭及び渋味について行った。なお、水分含有量、栄養成分量以外は、実施例1と同様に測定した。
(水分含有量の測定方法)
マッシャー、スライサー、包丁等にて粉砕した中間水分食品約3gを、真空乾燥機VOS−300D(東京理化器械社製)にて、1mmHg以下108℃3.5時間で測定した。
(栄養成分量の測定方法)
公知の栄養成分測定法を用いて測定した。
蛋白質:ケルダール法
カリウム:原子吸光光度法
ポリフェノール:酒石酸鉄法
Figure 2009057736
以上の結果から、実施例22〜28はすべて、中間水分食品の表面のベタツキが抑制され且つ糖類が結晶化してジャリジャリとした食感もまた抑制されていた。また、ねっとりとしたバナナの弾力性と柔軟性を併せ持ち適度な軟らかさのある食感を有するものであった。特に、実施例22〜24及び26は、全体的に高評価であったが、実施例25は渋味を感じるために、風味の点でやや劣った評価であった。また、実施例27及び28は栄養分が低減しており、実施例28は食感の点で多少抵抗感があった。

Claims (12)

  1. 水分活性が0.45〜0.8、水分含有量が10〜30重量%及び糖類含有量が65〜88重量%であることを特徴とする中間水分食品。
  2. 糖類が、ショ糖、ブドウ糖及び果糖である請求項1記載の中間水分食品。
  3. 糖類全体中のショ糖含有量が40〜70重量%である請求項1又は2記載の中間水分食品。
  4. 更に、酸味料を含有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の中間水分食品。
  5. クエン酸酸度が、1.0〜3.0%である請求項4記載の中間水分食品。
  6. 中間水分食品に用いる加工前食品がパイナップル、リンゴ、ピーチ、梨、パパイヤ、ブルーベリー、クランベリー、グアバ、レイシ、キウイフルーツ、メロン、アロエ及びトマトである請求項1乃至5の何れか1項に記載の中間水分食品。
  7. 糖類全体中のショ糖含有量が20重量%以下である請求項1又は2記載の中間水分食品。
  8. 中間水分食品に用いる加工前食品がバナナ、ぶどう、いちじく、柿及びプルーンである請求項1、2及び7の何れか1項に記載の中間水分食品。
  9. 水分活性が0.45〜0.8、水分含有量が10〜30重量%及び糖類含有量が65〜88重量%である中間水分食品の製法であって、下記工程(1)〜(7)を順次行うことを特徴とする密封容器入り中間水分食品の製法。
    (1)生食品を準備する工程
    (2)生食品を漂白剤処理する工程
    (3)漂白剤処理された食品を一次乾燥する工程
    (4)一次乾燥された食品を調味する工程
    (5)調味された食品を二次乾燥する工程
    (6)二次乾燥された食品の表面に粉末香料を施与する工程
    (7)粉末香料を施与された食品を、包装容器に収容、密封する工程
  10. 更に、請求項9記載の工程(6)において、粉末香料と共に、粉糖又は澱粉を施与する密封容器入り中間水分食品の製法。
  11. 水分活性が0.45〜0.8、水分含有量が10〜30重量%及び糖類含有量が65〜88重量%となるよう調整することを特徴とする中間水分食品のテクスチャー改善方法。
  12. 水分活性が0.45〜0.8、水分含有量が10〜30重量%及び糖類含有量が65〜88重量%である中間水分食品であって、下記工程(1)〜(7)を順次行うことを特徴とする密封容器入り中間水分食品のテクスチャー改善方法。
    (1)生食品を準備する工程
    (2)生食品を漂白剤処理する工程
    (3)漂白剤処理された食品を一次乾燥する工程
    (4)一次乾燥された食品を調味する工程
    (5)調味された食品を二次乾燥する工程
    (6)二次乾燥された食品の表面に粉末香料を施与する工程
    (7)粉末香料を施与された食品を、包装容器に収容、密封する工程
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