JP6306809B2 - 風味持続剤及び果実含有チューインガムの風味持続方法及び果実含有チューインガム及び果実含有複層チューインガム - Google Patents

風味持続剤及び果実含有チューインガムの風味持続方法及び果実含有チューインガム及び果実含有複層チューインガム Download PDF

Info

Publication number
JP6306809B2
JP6306809B2 JP2011252871A JP2011252871A JP6306809B2 JP 6306809 B2 JP6306809 B2 JP 6306809B2 JP 2011252871 A JP2011252871 A JP 2011252871A JP 2011252871 A JP2011252871 A JP 2011252871A JP 6306809 B2 JP6306809 B2 JP 6306809B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chewing gum
fruit
flavor
gum
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011252871A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013106548A5 (ja
JP2013106548A (ja
Inventor
龍矢 吉田
龍矢 吉田
明史 平林
明史 平林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kracie Foods Ltd
Original Assignee
Kracie Foods Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kracie Foods Ltd filed Critical Kracie Foods Ltd
Priority to JP2011252871A priority Critical patent/JP6306809B2/ja
Publication of JP2013106548A publication Critical patent/JP2013106548A/ja
Publication of JP2013106548A5 publication Critical patent/JP2013106548A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6306809B2 publication Critical patent/JP6306809B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)

Description

本発明は、果実を含有するチューインガムの風味持続剤及びそれを用いた風味の持続方法、及び風味持続剤を含有する果実含有チューインガム、及び果実含有複層チューインガムに関し、更に詳しくは、果実分を高濃度に含有しているチューインガムが、咀嚼中の早い段階で味抜けすることを防止できる風味持続剤、及び風味持続方法、並びに長期保存性に優れ、また、チューインガム本来の食感、フルーツ本来の風味を保持し、かつ咀嚼したときに、フルーツの風味が徐々に溶出し、長く持続する果実含有チューインガムに関する。
従来、チューインガム中に果肉果汁を高濃度に含有させるためには、粉末果汁や濃縮果汁を使用している。しかし、粉末果汁は高価であり、生のフルーツの風味には乏しく、香料による賦香が必要である。また、濃縮果汁は加熱履歴によって風味が損なわれており、フレッシュ感に乏しい。さらに、濃縮果汁を多量に用いると、チューインガム生地がべたつき、成形したときに機械に付着して製造適性が悪くなることや、製造後、保存中に吸湿して表面がべたつき保存性が悪くなることや、咀嚼したときの弾力性が低下してチューインガムの食感が損なわれることがある。また、粉末果汁や濃縮果汁を大量に入れると、チューインガムの噛み始めにはパンチのある果実風味が感じられるが、咀嚼開始から短時間で味が抜けてしまい、果実風味の持続性のあるチューインガムとすることは難しかった。
また、果肉果汁を多量に用いると、それに由来する酸成分や水分などの影響により保存性が悪くなるため、従来、チューインガムのセンターに果汁シロップを充填すること(特許文献1)や、複層構造またはサンドイッチ構造にすることが知られている。しかしながら、それでも保存安定性に限界があり、果実分(生果実固形分換算)として、せいぜい10〜20重量%程度が限界であり、例えば、果実分50重量%以上含有する旨の表示ができるチューインガムとすることは困難であった。
これらを解決する方法としては、例えば、内層部チューインガムとそれを包含する外層部チューインガムとからなる二重構造のチューインガムにおいて、内層部チューインガム中、酸成分を5〜40重量%、ガムベース量5〜12重量%、離水防止成分(天然ガム質)0.2重量%以上、とするチューインガムが提案されている(特許文献2)。この方法ではある程度の高濃度の果実分を含有させることは出来るものの、内層部チューインガムのガムベース量が少なく、その欠点を外層部チューインガムのガムベース量で補填する必要があり、チューインガムとしての粘弾性設計に制約があり、また、咀嚼を長く続けると味抜けしてくるという課題が残る。
また、他の方法としては、例えば、高水分チューインガムと低水分チューインガムとを組合せ、高水分チューインガムに還元乳糖を3〜40重量%添加する組合せチューインガムが提案されている(特許文献3)。
しかしながら、この組合せチューインガムでは、還元乳糖による保水効果により、ある程度チューインガムの保存中のベタツキは解消できるものの、高水分チューインガムのガムベース量が少なく、その欠点を低水分チューインガムのガムベース量で補填する必要があり、チューインガムとしての粘弾性設計に限界がある。また、咀嚼を長く続けると味抜けしてくるという欠点がある。
さらに別の方法としては、チューインガム顆粒の圧縮物においてフルーツ成分として凍結乾燥果実を用いる(特許文献4の[0182])圧縮チューインガムタブレットも提案されている(特許文献4)。
しかし、この方法では、チューインガムを顆粒にする必要があり、チューインガムとしての粘弾性設計に限界があり、チューインガム本来の粘弾性が発現しにくいという欠点が
ある。また、凍結乾燥果実を用いることにより、粉末果汁と同様、高価で多量に用いにくく、果実本来の風味に乏しく、凍結乾燥果実特有のぱさついた食感が加わるという欠点がある。
特許第3505183号公報 特開平5−30914号公報 特開平6−46760号公報 特表2008−504828号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、チューインガム本来の粘弾性を生かした品質設計の自由度が高く、また、果実分を高濃度に含有しているチューインガムが、咀嚼中の早い段階で味抜けすることを防止できる風味持続剤、及び風味持続方法、並びに長期保存性に優れ、また、チューインガム本来の食感、フルーツ本来の風味を保持し、かつ咀嚼したときに、フルーツの風味が徐々に溶出し、長く持続する果実含有チューインガム及び果実含有複層チューインガムを提供することにある。
本発明は、乾燥果実の磨砕物からなる果実含有チューインガム用の風味持続剤により、上記目的を達成する。
好ましくは、風味持続剤を、ガムベースと糖質甘味料とを含むチューインガムの連続相中に分散することを特徴とする果実含有チューインガムの風味持続方法により、上記目的を達成する。
好ましくは、チューインガム中に、ガムベースと糖質甘味料と風味持続剤とを含有しており、かつ、該風味持続剤が、該ガムベースと該糖質甘味料とを含む連続相中に分散してなる果実含有チューインガムにより、上記目的を達成する。
好ましくは、果実含有チューインガム全体重量中に、風味持続剤を果実分(生果実固形分換算)として20重量%以上と、アラビアガム5〜25重量%もしくは結晶セルロース0.5〜10重量%の少なくとも一方とを含有していることを特徴とする果実含有チューインガムである。
好ましくは、さらに果実含有チューインガム中にキシリトールもしくはマンニトールの少なくとも一方を含有してなる果実含有チューインガムである。
好ましくは、さらに果実含有チューインガム全体重量中、風味持続剤を果実分(生果実固形分換算)として40重量%以上含有してなる果実含有チューインガムである。
好ましくは、外層部チューインガムと内層部チューインガムとからなる果実含有複層チューインガムであって、該内層部チューインガムが、果実含有チューインガムである果実含有複層チューインガムである。
すなわち、本発明者らは、チューインガムに用いる果実分として、従来の粉末果汁、濃縮果汁、凍結乾燥果実以外の有効材料はないかと考え、検討を行った。
その結果、従来は、チューインガムの食感を損ない、果実風味も発現しにくいとして敬遠されていた乾燥果実に着目し、試行錯誤した結果、乾燥果実をペースト状などの磨砕物としたものを、ガムベースと糖質甘味料とを含むチューインガムの連続相中に分散すると、この磨砕物がガムベースに一部吸着したような状態となり、チューインガムの咀嚼初期に果実分が溶出してしまうことがなく、咀嚼を長く続けてもじわじわと果実風味が溶出し、果実の風味が長く持続するとともに、チューインガムがべたつくこともなく、保存安定性が良好であることを見出した。
さらに、チューインガムを外層部チューインガムと内層部チューインガムとの複層構造とし、内層部チューインガムに、乾燥果実の磨砕物を含有する果実含有チューインガムを用いると、さらに高濃度に果実分を含有させても長期保存安定性が良好であり、例えば、果実分(生果実固形分換算)として、「果実分50(重量)%」や「果実分100(重量)%」表示のチューインガムも可能となることを見出した。
また、アラビアガムもしくは結晶セルロースの少なくとも一方の添加により、もちもちとした果肉感のある食感と、べたつきのない保形性(製造適性)、長期保存性を有する物性に仕上げることに成功した。
本発明の風味持続剤によれば、ガムベースの含有量を制限することなく、果実含有チューインガムにおいてチューインガム本来の粘弾性を生かした品質設計とすることができる。また、果実分を高濃度に含有しているにもかかわらず、従来の粉末果汁や濃縮果汁のように、咀嚼中の早い段階で味抜けすることを防止でき、果実の香りと味を本物に近い状態で長時間咀嚼することができる。さらに、チューインガムを複層構造にすることで、より高濃度の果実分を添加することができる。例えば、従来、業界では不可能といわれていた、果実分(生果実固形分換算)として50重量%以上のチューインガムを常温で長期間流通させることが可能である。
また、アラビアガムもしくは結晶セルロースの少なくとも一方の添加により、もちもちとしていながら歯につきにくく、好ましい食感の、チューインガムに設計することができ、例えばネクター様の濃厚感のある食感に設計したり、バナナ様のねっとりした食感にしたり、果実の種類に応じた食感に設計することができる。さらに果実の本物感を味わうことができる果実含有チューインガムとすることができる。
また、チューインガムを複層構造にすることで、特殊な包装や、流通時期、温度条件の制限を受けることなく、通常のチューインガム包装により常温で長時間流通することが可能である。
また、本発明の風味持続剤は、従来のチューインガム製造装置を用いて、磨砕することが出来るので、従来のチューインガムの製法を利用して果実含有チューインガムを製造することができる汎用性の高いものである。
本発明を詳しく説明する。
まず、本発明の風味持続剤は、乾燥果実の磨砕物からなる。
乾燥果実の原料となる果実は、一般に「果実」「果肉」と呼称されるもの全般を用いることが出来る。例えば、ぶどう、いちご、かんきつ類(みかん、レモン、オレンジ、グレープフルーツなど)、キィウイ、モモ類(水蜜桃、ネクタリン、黄桃、蟠桃(はんとう)など)、すもも、杏、梅、さくらんぼ、バラの実、栗などの種実類、バナナ、アセロラ、メロン、トマト、りんご、梨、柿、すいか、マンゴーやパッションフルーツやパパイヤなどの熱帯系フルーツ、ベリー類(ラズベリー、ブルーベリーなど)、羅漢果、サンザシ、パイナップル、いちじく、びわ、パラミツなどが挙げられる。また、果実ではないが、アロエの葉なども、本発明の果実に含まれる。
これらは単独でも複数組合せて用いても良い。
また、用いる部位は、果実全体、果皮、果肉、種皮のいずれでも良い。
上記果実を用いた乾燥果実は、適宜の方法で所定の水分値(5%〜25%程度)、および水分活性(AW=0.5〜0.75程度)まで乾燥させたものであれば良い。乾燥方法は、例えば、天日乾燥、自然換気及び人工通風による加熱乾燥、真空乾燥、乾燥剤による乾燥など、またはこれらの組合せ乾燥が挙げられる。ただし、凍結乾燥は、水分5%未満、AW=0.2以下程度まで過乾燥されているため、風味、食感的にも好ましくない。
なお、この乾燥の前後に適宜浸漬(水や果汁などの水性媒体やアルコール類に浸漬するか、もしくはこれらに糖、酸味料、香料などの溶質を添加したものに浸漬する)や、褐変防止処理などを施しても良い。
次に、本発明の風味持続剤である、乾燥果実の磨砕物は、乾燥果実をすり鉢、ニーダー、ライカイ機、粉砕機などの磨砕機能を有する機器類を用いて磨砕することにより得られる。
あるいは、後述する本発明の果実含有チューインガムの工程中において、乾燥果実を直接ガムベースなどの他のチューインガム原料とともに、混練することにより磨砕物としても良い。
また、磨砕の状態も、磨砕物を掬ったときに、連続一体化した生地となっていればよく、たとえば、完全なペースト状態から、若干果実の砕片が残存する状態のものまで、さまざまな状態のものを用いることかできる。
次に、上記の風味持続剤を用いた果実含有チューインガムの風味持続方法について説明する。
まず、チューインガムの原料として、ガムベースと糖質甘味料とを含む原料を準備する。チューインガムの原料は、ガムベースと糖質甘味料だけでも良いが、香料、着色料などの副原料を適宜、品質設計に応じて用いればよい。
そして、上記チューインガム原料からなるガムベースと糖質甘味料とを含むチューインガムの生地を準備し、ニーダーなどの混合装置を用いて風味持続剤とともに混合し、ガムベースと糖質甘味料とを含むチューインガムの連続相中に風味持続剤が分散する状態に調整することにより、風味持続方法となる。また、適宜成形、包装などを行えばよい。
本発明に係る果実含有チューインガムは、上記の風味持続方法によって咀嚼時に少しずつ風味持続剤が溶出し、長時間、果実本来の香りと食感を楽しむことができる。
なお、本発明の果実含有チューインガム中、風味持続剤の含有量は特に限定するものではないが、果実分(生果実固形分換算)を20重量%以上、さらに好ましくは20〜75重量%、さらに好ましくは40〜75重量%含有していることが望ましい。
すなわち、20重量%未満だと、本発明の果実含有チューインガムは果実本来の風味に乏しく、本発明の効果を発揮できない傾向にあり、また、風味持続剤の果実分を40重量%以上含有させると、濃厚な果汁感を長時間味わうことが出来る。
逆に75重量%を超えると、チューインガム生地のべたつきが大きくなり製造適性が悪くなることがある。また、本発明の果実含有チューインガムを咀嚼したときにチューインガム本来の粘弾性が得られにくい傾向があり、常温での長期保存性の点で劣る傾向がある。
なお、本発明において、果実分(生果実分固形分換算)とは、風味持続剤である乾燥果実を乾燥する前の、生の果実の状態の固形分(重量)から果実分(重量)として換算した数値(重量%。水分量を含む果実成分全体)を示す。
本発明の果実含有チューインガムについて詳しく説明する。
まず、果実含有チューインガムは、ガムベースと糖質甘味料と風味持続剤とを含有しており、かつ、該風味持続剤が、該ガムベースと該糖質甘味料とを含む連続相中に分散している。
ガムベースは、通常、チューインガムに用いられ、ガムベース用食品添加物として認められた物質を用いればよく、例えば、天然チクル、酢酸ビニル樹脂、ワックス、乳化剤、エステルガム、ポリイソブチレン、ポリブテンなどが挙げられ、これらを単独もしくは複数組み合わせて、混練したものが挙げられる。
次に、糖質甘味料は、単糖類(ブドウ糖、ガラクトース、マンノース、フルクトースなど)、少糖類(オリゴ糖など)、二糖(乳糖、ショ糖、麦芽糖など)、糖アルコール(キシリトール、マンニトールなど)、還元水あめ、異性化糖などの液糖などが挙げられる。これらは単独でも複数組み合わせても良く、無水物でも含水物でも良い。
特に、キシリトールは果実のような瑞々しく、やわらかいが粘弾性に富んだ食感を付与する点で好適である。
また、マンニトールは果実のような瑞々しく、やわらかいが粘弾性に富んだ食感を付与するとともに、果実含有チューインガム生地の成形時のべたつきを抑制し、製造適性を向上する点で好適である。
糖質甘味料の含有量は、特に限定するものではなく、適宜設定すれば良いが、甘味の質やチューインガムの食感の点で、例えば果実含有チューインガム全体重量中、砂糖30〜80重量%、キシリトール0〜40重量%、マンニトール0〜5重量%の範囲で設定することが好適である。
また、本発明の果実含有チューインガムには、副原料を用いても良い。
副原料としては、例えば、高感度甘味料(アスパルテーム、アセスルファムKなど)、油脂(バターなどの乳脂肪、植物油脂、これらの加工油脂など)、乳製品、着色料、香料、食塩、酸成分(有機酸(クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸、酢酸、酒石酸など)やこれらを主体とする醸造酢、梅酢、果実酢、果汁などの粉末)、濃縮果汁、安定剤、ゲル化剤、乳化剤、調味料、カルシウム類、ビタミンやミネラルなどの栄養強化剤を添加しても良い。
ただし、粉末果汁や濃縮果汁は、味抜けしやすく、また、長期保存安定性を悪くするので、チューインガムの噛み始めの風味強度を上げる目的で補助的に用いることが望ましい。
また、本発明の果実含有チューインガムには、香料を用いなくても果実本来の風味を味わうことができるが、チューインガムの噛み始めの風味強度を上げる目的で補助的に用いてもよい。
次に、上記ガムベースと糖質甘味料と、本発明の風味持続剤と、必要に応じ副原料とを用いて、果実含有チューインガムは例えば次のようにして製造される。
まず、ガムベースと糖質甘味料とを含むチューインガムの原料を準備し、ニーダーなどの混合装置を用いて風味持続剤とともに混合し、ガムベースと糖質甘味料とを含むチューインガム生地の連続相中に風味持続剤が分散する状態に調整することにより果実含有チューインガムは得られる。
このとき、風味持続剤は、ガムベースと糖質甘味料とを含むチューインガム生地の連続相中に分散し、ガムベース、糖質甘味料などを介して適度に相互結着している。
また、果実含有チューインガム中にアラビアガムもしくは結晶セルロースの少なくとも一方を含有することがさらに望ましい。
アラビアガムは、もちもちとした濃厚果汁を添加したような食感を助長するとともに、果実分添加に由来するチューインガム生地の表面がべたついて製造適性が悪くなったり、チューインガムの成形時・包装時あるいは成形後の保管・流通における保形性、保存性が悪くなったりすることを改善する効果が得られる点で好適である。
アラビアガムの含有量は、果実含有チューインガム全体重量中、5〜25重量%に設定
することが望ましい。すなわち、アラビアガムが5重量%未満だと、食感、製造適性、保形性、保存性の改良効果が得られにくい傾向にあり、逆に25重量%を超えると、チューインガム本来の食感が悪くなることがあり、風味の発現性が悪くなる傾向にある。
結晶セルロースはチューインガムの成形時・包装時あるいは成形後の保管・流通における保形性の悪さや風味、食感を改善する効果がさらに得られる点で好適である。
結晶セルロースは、植物の細胞壁を構成する天然セルロース(例えば高純度の木材パルプ)を酸で加水分解して非結晶部分を除いたものを機械的に摩砕、精製して微結晶化し乾燥したものである。
製剤としては、例えば、旭化成工業株式会社製のアビセル(登録商標)PH、FD、PH−M、RC、RC−N、同社製のセオラス(登録商標)FD101、VF−F702、DX−2などが挙げられる。
また、結晶セルロースの含有量は、果実含有チューインガム全体重量中、0.5〜10重量%とすることが望ましい。すなわち、結晶セルロースが0.5重量%未満だと、チューインガム生地の表面がべたついて、製造適性が悪くなる傾向にある。逆に、10重量%を超えると、チューインガム本来の食感が損なわれることがあり、風味の発現性が悪くなる傾向にある。
なお、本発明の風味持続剤を用いた果実チューインガムは、果実の風味持続性に優れたものであるが、外層部チューインガムと、本発明の果実含有チューインガムからなる内層部チューインガムとで構成された果実含有複層チューインガムの形態にすると、さらに長期保存性、製造適性が向上し、さらに果実分(生果実固形換算)を75重量%以上の高濃度としても安定的に含有させることが出来る点で好適である。
すなわち、果実含有チューインガムが単層の場合は、風味持続剤を高濃度に含有させた場合、長期保存の観点からは、冷蔵保管するか、密閉包装するか、冬季限定販売するなどが望ましい。一方、複層にした場合にはそれらを考慮することなく、通常のチューインガム包装で、常温で1年以上の流通が可能である点で好適である。
まず、内層部チューインガムは、上述の果実含有チューインガムからなる。
次に、外層部チューインガムは、特に限定するものではなく、上記内層部チューインガムや従来用いられているチューインガムの原料全般を用いることができる。
また、外層部チューインガムに、風味持続剤を添加しても良い。
好ましくは、長期保存性の観点から、風味持続剤の含有量は、外層部チューインガム全体重量中、果実分(生果実固形分換算)として、15重量%未満とすることが望ましい。
また、外層部チューインガムの調製方法も、従来のチューインガムまたは内層部の果実含有チューインガムと同様にして調製すればよい。
なお、内層部である果実含有チューインガムの風味持続剤の果実分(生果実固形分換算)として130重量%以上とすると、複層チューインガム全体では果実分(生果実固形分換算)として50重量%以上とすることができ、ほとばしるような濃厚な果実風味と果肉のような濃厚な食感を味わうことができる。
次に、上記の内層部チューインガムと外層部チューインガムとを用いて、本発明の果実含有複層チューインガムは例えば次のようにして製造される。
まず、果実含有チューインガムからなる内層部チューインガムと、外層部チューインガムとを準備する。
次に、内層部チューインガムが外層部チューインガムに内包されるように接合する。
なお、内包の状態は、内層部チューインガムがセンターに入った完全被覆状態や、内層部チューインガムを外層部チューインガムで巻いて、一部外層部側に内層部チューインガムが露出したものや、内層部チューインガムを外層部チューインガムで挟着したサンドイ
ッチ状態のものなどが挙げられる。
長期保存安定性の点では、内層部チューインガムがセンターに入った完全被覆状態の態様が最も好ましい。
上記完全被覆状態の複層チューインガムの製造方法としては、例えば次の方法が挙げられる。
まず、2重ノズルを準備し、外層ノズルに2軸エクストルーダーから外層部チューインガム生地を供給し、内層ノズルに、別の2軸エクストルーダーから内層部チューインガム生地を供給し、押し出して、所定の形状に成形しながら上下2段ローラーなどで延伸し、所定のサイズに成形する。そして、カッターで切断すれば、ブロック形状の複層チューインガムとなる。
また、サンドイッチ形状の複層チューインガムとする場合は、例えば、特開平6−78680号公報記載の方法で製造すればよい。
なお、上記の例では、2層の複層チューインガムの例で説明したが、3層や4層に重ねた複層チューインガムにしても良く、また、糖衣やキャンディコーティングなどの被覆を行っても良い。
以下、本発明を、実施例に基づき具体的に説明する。
<内層部チューインガムの調製>
表1の組成に基づき、各原料をニーダーで混練して、風味持続剤がガムベースと糖質甘
味料とを含む連続相中に分散した果実含有チューインガムからなる内層部チューインガムを調製した。
(実施例12)
<果実含有チューインガムの調製>
表1の内層部チューインガムの生地のみでブロック状(1個3g)に成形し、果実チューインガムを得た。
<外層部チューインガムの調製>
表1の組成に基づき、各原料をニーダーで混練して、風味持続剤がガムベースと糖質甘
味料とを含む連続相中に分散した外層部チューインガムを調製した。
<果実含有複層チューインガムの調製>
(実施例1〜11、13〜15
エクストルーダーを用いて、[0029]の製法で果実含有複層チューインガム(ロック状成形、1個3g)を調製した。
(比較例1、2)
風味持続剤を使用せず、粉末果汁を用いる他は、実施例1及び実施例12と同様にして果汁含有チューインガムを得た。
<評価>
上記の、果実含有チューインガム、果実含有複層チューインガム、果汁含有チューインガムの、製造適性(チューインガム生地を調製したときの表面のべたつきや機械への付着
性、成形したときの保形性など)、長期保存性(40℃における経日試験による吸湿性)、
咀嚼したときの果実の風味持続性、食感、風味について専門パネラー5名で評価した結果を合わせて表1に示す。
評価の結果、実施例では、製造適性、長期保存性、風味持続性、食感及び風味についておおむね良好であった。特に、実施例1は製造適性、長期保存性のみならず、風味(果汁
感)、食感(果実のようなもちもちとした濃厚な食感)及び風味持続性の点で最良の結果を
得ることが出来た。
これに対し、比較例は製造適性、長期保存性、風味持続性、食感または風味のいずれかが悪かった。
Figure 0006306809

Claims (4)

  1. 外層部チューインガムと内層部チューインガムとからなる果実含有複層チューインガムであって、該内層部チューインガムが、乾燥果実の磨砕物からなる風味持続剤を果実分(生果実固形分換算)として68〜136重量%と、ガムベースと、糖質甘味料と、アラビアガムを10〜25重量%と、結晶セルロースを1〜10重量%とを含有しており、かつ、該風味持続剤が該ガムベースと該糖質甘味料とを含む連続相中に分散してなることを特徴とする果実含有複層チューインガム。
  2. 果実含有複層チューインガム中の果実分(生果実固形分換算)が30重量%以上である請求項1記載の果実含有複層チューインガム。
  3. さらに内層部チューインガム中にキシリトールもしくはマンニトールの少なくとも一方を含有してなる請求項1又は2記載の果実含有複層チューインガム。
  4. 内層部チューインガムと外層部チューインガムの重量比率が20〜30:80〜70である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の果実含有複層チューインガム。
JP2011252871A 2011-11-18 2011-11-18 風味持続剤及び果実含有チューインガムの風味持続方法及び果実含有チューインガム及び果実含有複層チューインガム Expired - Fee Related JP6306809B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011252871A JP6306809B2 (ja) 2011-11-18 2011-11-18 風味持続剤及び果実含有チューインガムの風味持続方法及び果実含有チューインガム及び果実含有複層チューインガム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011252871A JP6306809B2 (ja) 2011-11-18 2011-11-18 風味持続剤及び果実含有チューインガムの風味持続方法及び果実含有チューインガム及び果実含有複層チューインガム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016117668A Division JP6284282B2 (ja) 2016-06-14 2016-06-14 チューインガム用果実風味持続剤並びにそれを含有するチューインガム及び複層チューインガム

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013106548A JP2013106548A (ja) 2013-06-06
JP2013106548A5 JP2013106548A5 (ja) 2014-05-01
JP6306809B2 true JP6306809B2 (ja) 2018-04-04

Family

ID=48703992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011252871A Expired - Fee Related JP6306809B2 (ja) 2011-11-18 2011-11-18 風味持続剤及び果実含有チューインガムの風味持続方法及び果実含有チューインガム及び果実含有複層チューインガム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6306809B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2912481B2 (ja) * 1991-07-31 1999-06-28 鐘紡株式会社 チューインガム
NZ243666A (en) * 1991-08-02 1994-10-26 Kurihara Yoshie Taste modifier compositions containing curculigo latifolia fruits, processed fruits thereof or a component containing curulin obtained therefrom
JPH1084878A (ja) * 1996-09-10 1998-04-07 Kanto Shiyouriyuu Kk 檳榔子入りチューインガム
JP3831883B2 (ja) * 1998-09-03 2006-10-11 旭化成ケミカルズ株式会社 チューインガム組成物
JP5378642B2 (ja) * 2006-09-25 2013-12-25 クラシエフーズ株式会社 ソフトキャンディ生地用保形剤及びそれを用いたソフトキャンディ
WO2011084759A2 (en) * 2009-12-21 2011-07-14 Kraft Foods Global Brands Llc Coated multi-region confectionery and methods of making the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013106548A (ja) 2013-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6105709B2 (ja) 乾燥カット柑橘系果実及びその褐変防止方法
US4880645A (en) Coating cereal with fruit juice
AU2016278808A1 (en) Dry product consisting of fruit and/or vegetables and a method for producing same
JPS6140737A (ja) ペイストリ製品のフルーツ・フイラーと製造方法
EP2779844B1 (en) Chewing gum compositions based on dried fruit powders
RU2446709C1 (ru) Композиция для изготовления профилактического желе
KR20170031361A (ko) 현미시리얼의 제조방법
KR101826952B1 (ko) 아로니아 당절임 초코볼의 제조방법
Phebe et al. Extending ‘Kampuchea’guava shelf-life at 27oC using 1-methylcyclopropene
JP5897785B2 (ja) 中間水分食品、密封容器入り中間水分食品の製法及び中間水分食品のテクスチャー改善方法
KR20160033991A (ko) 아로니아의 탈삽 방법 및 이를 이용한 기능성과 관능성이 향상된 아로니아 음료
JP6284282B2 (ja) チューインガム用果実風味持続剤並びにそれを含有するチューインガム及び複層チューインガム
JP6306809B2 (ja) 風味持続剤及び果実含有チューインガムの風味持続方法及び果実含有チューインガム及び果実含有複層チューインガム
JP5116164B2 (ja) 酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤及び酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法
JP5808514B2 (ja) 中間水分食品の加熱劣化臭防止方法及び密封容器入り中間水分食品の製法
KR20160121154A (ko) 치아시드 잼 및 그 제조방법
Jideani et al. Lemon and lime
CN105228465B (zh) 中间水分食品
Dhall Application of Edible Films and Coatings on Fruits and Vegetables
KR101170341B1 (ko) 보존성이 개선된 송이차 및 그의 제조방법
JP7372789B2 (ja) チューインガムの製造方法およびチューインガム
EP3597050B1 (en) Method for manufacturing a low sugar shaped snack
KR20240036238A (ko) 홍시워터젤리의 제조방법
Pátkai Fruit as an Ingredient in a Fruit Product
US20180213817A1 (en) Confectionary product

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140313

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140722

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150527

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151224

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160614

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160701

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20160722

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180309

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6306809

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees