JP2011254712A - ゴーヤーお菓子の製造方法及びそのお菓子 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ゴーヤーの有する機能的成分をできるだけ損なわずに、摂食し易い糖漬けのお菓子の製造方法を提供する。
【解決手段】ゴーヤーをリングまたはサイコロ状の小片にカットして種子及びワタを取除く前処理工程と、該ゴーヤーの小片を減圧・真空状態に維持する工程と、該減圧・真空状態のゴーヤーの小片に砂糖を主体とする調味溶液を浸漬して内部に浸透させる加糖工程とから構成され、また、前記加糖工程において、調味溶液を加圧して適用することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】ゴーヤーをリングまたはサイコロ状の小片にカットして種子及びワタを取除く前処理工程と、該ゴーヤーの小片を減圧・真空状態に維持する工程と、該減圧・真空状態のゴーヤーの小片に砂糖を主体とする調味溶液を浸漬して内部に浸透させる加糖工程とから構成され、また、前記加糖工程において、調味溶液を加圧して適用することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ゴーヤー果実を原材料とし、詳しくは、ゴーヤーの有する健康機能成分を損なうことなく、誰もが摂食しやすく、また、携帯が容易で、保存の効くゴーヤーお菓子の製造方法に関するものである。
ゴーヤーは、「にがうり」の沖縄地方の名称であり、熱帯アジア原産のウリ科の植物で、一年生のつる性草本であって、平均気温25℃以上でよく育つ草本であるから、沖縄以外に南西諸島、南九州等でも栽培できる。ゴーヤーの果実は、ズングリ型で約20cm弱、細長い型で25〜35cmの長さで、収穫は通常夏であるが、沖縄ではハウス栽培を行って、ほとんど一年を通して収穫される。その果実は細長く、表皮にこぶを有し、未熟果は濃緑色から淡緑色で、熟すと橙色になる。
果実は、独特の苦味があるが、ビタミンC,カリウムが豊富である。ゴーヤーは夏場の健康を維持する食品として、ゴーヤーの種を取り、果肉と豚肉、豆腐などとの炒め物や揚げ物、酢の物、和え物、漬け物等がよく知られている。
前述の苦味はモモルデシン成分が呈するもので、この成分は抗酸化作用、血管増強作用、健胃作用があり、また血糖値降下作用等が認められるものである。その他、ビタミンCが76mg/100grと多く、しかもこのビタミンCは加熱にも強くて110mg/100grもあり、レモンやキャベツの2〜3倍、キュウリの5〜6倍ある。また、カリウムが多くて、食物繊維も2.6gr/100grで多く、同じウリ科のキュウリの2.4倍ある。このようにゴーヤーの果実は、前述の機能的成分を含む健康食品である。
前述のように、ゴーヤーは、ゴーヤーの種を取り、ゴーヤーそのものの苦味を和らげるため、茹で、炒め、揚げるなどして、炒め物や揚げ物、酢の物、和え物、漬け物等で摂食されるのが常であるが、ゴーヤー独特の苦みは依然として残っている。また、ゴーヤーの有する機能的成分を活用できるとともに、摂食しやすいゴーヤーのお菓子については未だよく知られていない。
この課題に関連したものとして、ウコン漬物及びゴーヤ漬物の製造方法が先行技術として開示されている(文献1)
前記先行技術は、ゴーヤー独特の苦みを抑えることができる点で優れた技術であるが、漬物であること、また、この塩漬けの漬物に砂糖や蜂蜜などを添加すれば、抑制していたゴーヤーの苦みが現れることから、子供などにとって摂食し難い問題があった。本発明は、これらの課題を解決したものであって、ゴーヤーの有する機能的成分をできるだけ損なわずに、大人や子供がおいしく、かつ、摂食し易い糖漬けのお菓子の製造方法を提供するものである。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るゴーヤーお菓子の製造方法は、ゴーヤーをリングまたはサイコロ状の小片にカットして種子及びワタを取除く前処理工程と、該ゴーヤーの小片を減圧・真空状態に維持する工程と、該減圧・真空状態のゴーヤーの小片に砂糖を主体とする調味溶液を浸漬して内部に浸透させる加糖工程と、から構成されることを特徴とする。
本発明に用いる生のゴーヤーは、お菓子に加工された場合に食べやすくするために、前処理工程で、ゴーヤーを摂食しやすい厚みのリング状又は大きさのサイコロ状にカットすると共に、食べることのできない種子とワタを取除く。次いで、該リング状又はサイコロ状のゴーヤーの小片を減圧・真空容器に入れた状態で減圧して減圧・真空状態にし、次いでその状態で砂糖を主体とする調味溶液を容器内に導入して該小片を浸漬することにより、ゴーヤーの内部の空隙や自由水分の在ったところに、砂糖を主体とする調味溶液が浸透して置換わることができ、甘味漬けの処理が行える。
この製造方法によれば、煮るなどの加熱処理を伴わないので、ゴーヤーの機能的成分であるモモルデシン、チャランチン、植物インシュリン、ビタミンC、カリウム、葉酸、食物繊維等の変質や成分量の低下を防止することができる。ゴーヤーを減圧・真空状態にする工程と砂糖を主体とする調味溶液を浸透させる加糖工程を連続して行うことによって、ゴーヤーのお菓子は、ゴーヤー内部に糖質を付加して、パサパサせずに歯触りを良好にして、ゴーヤー本来の食感となし得、さらにこれらの加糖処理を効率よく行うことができる。
本発明の請求項2に係るゴーヤーお菓子の製造方法は、請求項1に記載のゴーヤーお菓子の製造方法の加糖工程において、調味溶液を加圧して適用することを特徴とする。
この製造方法によれば、減圧・真空状態にあるゴーヤーの小片に、砂糖を主体とする調味溶液を浸漬して浸透させ、次いで減圧・真空状態を切って、調味溶液を加圧すれば、ゴーヤー内部の微小な空隙に対しても、より早く確実に調味溶液が浸透していくことができる。これによりゴーヤー本来の苦味をより緩和して、機能的成分を維持した摂食しやすいゴーヤーお菓子を製造することができる。
本発明の請求項3に係るゴーヤーお菓子の製造方法は、請求項1または2に記載のゴーヤーお菓子の製造方法において、前記調味溶液が、砂糖を主体として、赤ワイン、白ワイン、焼酎などの酒類及び/またはレモン、ミカンなどの果汁を添加していることを特徴とする。
この構成により、ゴーヤーの小片に砂糖などの糖類のみならず、食味、風味や香りを種々付加することができ、多様な味を満喫することができるゴーヤーお菓子を製造できる。また、ゴーヤーの有する機能的成分を食味や食欲を満足しながら積極的に摂取することが可能となる。なお、果汁には、果皮に含まれる香り成分を付加することも含む。
請求項4に係るゴーヤーのお菓子は、請求項1または2または3に記載のゴーヤーお菓子の製造方法から得られることを特徴とする。
前述の製造方法により得られたゴーヤーのお菓子は、煮るなどの加熱をすることなく製造するので、ゴーヤー果実が保有する機能的成分、すなわち、苦味成分のモモルデシンやチャランチン、植物インシュリン、ビタミンC,カリウム、葉酸、食物繊維をあまり損なうことなく本来のものを量的に保持できるから、このお菓子の摂食により人体にさまざまな効能をもたらす。すなわち、モモルデシンは、この成分は抗酸化作用、血管増強作用、健胃作用、血糖値降下作用等を有し、チャランチンは、すい臓のランゲルハンスβ細胞に働きかけ、インスリンの分泌を促し血糖値を下げる効果を有する。また、ビタミンCは、レモンの2〜3倍含んでいるので夏バテに防止によく効き、また疲労回復にもよい。また、カリウムも多いので、高血圧予防にも良い。
さらに、本発明に係るゴーヤーのお菓子は、砂糖漬けのお菓子で、多様な調味を施しているから、甘味と共に食欲をそそる食味、風味や香りがあるので、大人だけでなく、子供にも食べやすく、おやつとして摂食しやすい。そのことによって、健康増進や健康維持をすることができる。また、砂糖漬けのお菓子であるため長期保存も可能である。
本発明に係る請求項1に記載のゴーヤーお菓子の製造方法によれば、煮詰めるなどの加熱処理を伴わないから機能成分を維持したまま、ゴーヤーの内部の空隙や自由水分を砂糖が主体となる調味溶液に確実に、効率よく置換させ得る。これによりゴーヤーの芯までも調味を施すことが可能である。
本発明に係る請求項2に記載のゴーヤーお菓子の製造方法によれば、、ゴーヤー内部に砂糖を主体とする調味溶液をより早く確実に浸透させていくことができる。
本発明に係る請求項3に記載のゴーヤーお菓子の製造方法によれば、ゴーヤーに砂糖などの糖類の甘味のみならず、食味、風味や香りなどを種々付加することができ、多様な味を満喫すると共に、食欲をそそるゴーヤーお菓子を製造できる。これにより、ゴーヤーの有する機能的成分を食味や香りを楽しみ、満足しながら積極的に摂取することができる。
本発明に係る請求項4に記載のゴーヤーのお菓子によれば、ゴーヤー果実の有する機能的成分をほぼ保持したまま、かつ、食欲をそそる甘味のみならず、食味、風味や香り付けがされているので、大人だけでなく、子供にも摂食しやすいから、人の健康、活力に貢献できる。
本発明に係わるゴーヤーお菓子の製造方法を実施するための形態について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係るゴーヤーお菓子の製造方法の概略フロー図を示す。本発明に係わるゴーヤーお菓子に用いるゴーヤーの果実は、未熟果を用いるのがよい。未熟果は、苦味成分であるモモルデシン、チャランチン成分が多く、抗酸化作用、血管増強作用、健胃作用があり、また血糖値降下作用等が効能として認められるものである。また、ビタミン類も多く、特にビタミンCが76mg/100grと多い、しかもこのビタミンCは加熱にも強いのが特徴であり、疲労回復や夏バテに有効である。その他、カリウムが多いので高血圧予防に役立ち、また、食物繊維も豊富で、整腸作用や血中脂質を低下させる効果を有する。
図1は、減圧・真空処理と砂糖を主体とする調味溶液を加圧して用いたゴーヤーお菓子の製造方法であって、ゴーヤーをリング状またはサイコロ状の小片にカットして中の種子やワタを取除く前処理工程1と、該ゴーヤーの小片に減圧・真空状態を付加する工程2と、砂糖を主体とする調味溶液に浸す工程3と、該調味溶液を加圧して処理する工程4と、からなるフロー図を示している。
ゴーヤー果実をカットする前処理工程1は、ゴーヤーをリング状またはサイコロ状の小片にカットして、種子やワタを取除く処理である。また、製品品質を維持するために、ゴーヤーの果皮の殺菌や酵素の失活のために、前処理の前に果実をブランチング処理することも適宜選択して行うことができる。また、カットするサイズは、お菓子になった場合の食べやすさを考慮して、2〜8mmの範囲の適宜の厚みにカットするのがよい。なお、リング状には、半割れなどの分割されたリング形状も含む。
次に、ゴーヤーの小片に減圧・真空状態を適用する。減圧・真空/加圧容器にゴーヤーの小片を入れて、真空度4〜70Torrの範囲で、ゴーヤー内部の空隙にある空気及び自由水分を除去する。該減圧・真空処理は、次に行われる砂糖を主体とする調味溶液に漬ける工程3において、調味溶液がゴーヤー全体に、均一に、確実に浸透しやすくして、お菓子の食味、風味、香りをより良好にするために行うものである。ここで、自由水分とは、組織と結合していない遊離状態で存在する水分を意味する。
調味溶液は、砂糖溶液に、赤ワイン、白ワイン、焼酎などの酒類やレモン、ミカンなどの果物から抽出した果汁から適宜選択した調味料を添加して調製する。砂糖溶液については、親水性の砂糖が水に溶け易く、水温20〜60℃で砂糖の溶解度が65〜75wt%あるから、砂糖溶液は、砂糖濃度30〜70wt%ものが使用できる。また、砂糖の代わりに果糖、ぶどう糖、オリゴ糖など甘味、栄養面を考慮して適宜適用することが可能である。よって、ゴーヤーお菓子に食味、風味や香りを適切に付加するために、前記多岐にわたる調味料から適宜選択することになる。
引き続いて、砂糖を主体とする調味溶液に浸す工程3及び調味溶液を加圧する工程4をおこなう。減圧・真空状態にある減圧・真空/加圧容器中に温度20〜60℃の調味溶液を導入し、容器内にあるゴーヤーの小片を調味溶液に浸す。この工程で、ゴーヤーの小片が減圧・真空状態で内部の空気及び水分の抜けた空隙に調味溶液が浸み込んでいくことになる。さらに、浸み込む効率を上げる場合には、工程4で、減圧・真空/加圧容器の真空を切り、調味溶液を加圧することによりゴーヤー全体に調味溶液をより確実に浸透させることができる。そして、十分に、調味溶液を浸透させた後、減圧・真空/加圧容器からゴーヤーを取り出して、余分な調味溶液を切って、ゴーヤー小片を乾かすか、砂糖をまぶせば、ゴーヤーの砂糖漬けのお菓子が完成する。
前記加糖工程に用いる減圧・真空/加圧容器は、通常耐圧性のある金属製又は合成樹脂製を用いる。また、簡便な方法として、レトルトパウチにゴーヤーの小片を装入して、次いで、排気して真空状態に所定時間維持した後、砂糖を主体とする調味溶液を封入して、ゴーヤー小片に調味液を浸透させて、調味されたゴーヤー小片と調味液からなるゴーヤーコンポートとすることも可能である。
前述のように、本発明方法では、加熱処理を伴わないので、ゴーヤーのお菓子は加熱による機能的成分の変質や成分量の低下の悪影響を受けない。よって、ゴーヤーのお菓子は、ゴーヤー果実が保有する機能的成分、すなわち、苦味成分のモモルデシン、チャランチン、ビタミンC,カリウム、葉酸、食物繊維をあまり損なうことなく保持できているので、これを摂食した人は、血糖値降下作用、抗酸化作用、血管増強作用、健胃作用、疲労回復作用、夏バテ防止、高血圧予防の効果を享受できる。
さらに、本発明に係るゴーヤーのお菓子は、砂糖漬けのお菓子で、多様な調味を施しているから、甘味と共に食欲をそそる食味、風味や香りがあるので、大人だけでなく、子供にも食べやすく、おやつとして摂食しやすい。そのことによって、健康増進や健康維持をすることができる。また、砂糖漬けのお菓子であるため長期保存も可能である。
機能的食品成分を有する他の果実、野菜等をその機能を損なわずにお菓子にすることができるので、お菓子の食品分野で利用できる。
Claims (4)
- ゴーヤーをリングまたはサイコロ状の小片にカットして種子及びワタを取除く前処理工程と、該ゴーヤーの小片を減圧・真空状態に維持する工程と、該減圧・真空状態のゴーヤーの小片に砂糖を主体とする調味溶液を浸漬して内部に浸透させる加糖工程と、から構成されることを特徴とするゴーヤーお菓子の製造方法。
- 前記加糖工程において、調味溶液を加圧して適用することを特徴とする請求項1に記載のゴーヤーお菓子の製造方法。
- 前記調味溶液が、砂糖を主体として、赤ワイン、白ワイン、焼酎などの酒類及び/またはレモン、ミカンなどの果汁を添加していることを特徴とする請求項1または2に記載のゴーヤーお菓子の製造方法。
- 請求項1または2または3に記載のゴーヤーお菓子の製造方法から得られることを特徴とするゴーヤーお菓子。
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KR101783925B1 (ko) * | 2014-12-18 | 2017-10-10 | 사단법인 다산문화진흥원 | 발효 여주를 이용한 쿠키 제조방법 |
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