JPH0779728A - 粘弾性乾燥イチゴおよびその製造法 - Google Patents

粘弾性乾燥イチゴおよびその製造法

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JPH0779728A
JPH0779728A JP25490993A JP25490993A JPH0779728A JP H0779728 A JPH0779728 A JP H0779728A JP 25490993 A JP25490993 A JP 25490993A JP 25490993 A JP25490993 A JP 25490993A JP H0779728 A JPH0779728 A JP H0779728A
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strawberry
strawberries
dried
sugar
viscoelastic
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JP25490993A
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Kazuo Kuwabara
和夫 桑原
Akira Onoe
旦 尾上
Tatsuya Kobayashi
達也 小林
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KOSUMOSU SHOKUHIN KK
Original Assignee
KOSUMOSU SHOKUHIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のイチゴ製品とは全く異なった製品、す
なわち、干ブドウ風の粘弾性を有し、かつテクスチュ
ア、風味、保存性にすぐれた乾燥イチゴを提供するこ
と、およびそのような粘弾性乾燥イチゴを製造する方法
を提供することを目的とする。 【構成】 圧潰強度が3000gr/cm2以上、ゼリー強度
が400gr・cm以上である粘弾性乾燥イチゴである。こ
の粘弾性乾燥イチゴは、生鮮または凍結したホールイチ
ゴを糖類またはその誘導体の水溶液からなる糖質液に浸
漬してイチゴ内の水分を糖質と置換させることにより、
イチゴ内の水分を60〜40重量%まで低下させ、つい
で液切り後、このイチゴの水分活性が 0.6〜0.4 となる
まで乾燥することにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、干ブドウ風の粘弾性を
有する乾燥イチゴに関するものである。またそのような
粘弾性乾燥イチゴを製造する方法に関するものである。
なお以下において「ホールイチゴ」とは、丸ごとのイチ
ゴ(ヘタの部分はとるのが通常である)を言う。
【0002】
【従来の技術】従来、イチゴの乾燥製品として、生鮮イ
チゴ(生イチゴ)を低含水率になるまで凍結乾燥または
真空乾燥したものが知られている。
【0003】特開昭55−50855号公報には、天然
果実が凍結乾燥によって乾燥前の水分の1〜20%まで
乾燥され、乾燥により除去された水分がアルコールまた
は/および糖の水溶液で置換され、さらに表面が油脂
(カカオ脂、カカオ代用脂等)、炭水化物、蛋白質など
の被覆物質によって被覆された被覆果実菓子が示されて
いる。
【0004】該公報の実施例においては、イチゴを水分
が4%となるように凍結乾燥し、コーティングチョコを
48℃で溶融してから2mm平均の厚さで被覆すると共
に、イチゴのヘタの部分には直径1cmの未被覆部分を残
し、一方ブランデーに砂糖を入れて混合した溶液を作
り、この溶液中に上記イチゴの未被覆部分を浸して1時
間放置することによりイチゴの細胞内に溶液を吸収さ
せ、最後にイチゴの未被覆部分を上述のコーティングチ
ョコで被覆した被覆果実菓子を製造している。
【0005】生鮮イチゴをピューレ状にし、これに吸湿
性を改善しうる適当な添加剤を共存させ、凍結乾燥また
は真空乾燥してから粉末または顆粒状にした製品も知ら
れている。この製品は、チョコレート、チューインガ
ム、ビスケット、アイスクリームなどに添加する製菓原
料として広く利用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】生鮮イチゴを凍結乾燥
により低含水率にまで乾燥したイチゴは、外観および色
彩は生鮮イチゴの形態をしているものの、生鮮イチゴの
テクスチュアとは全く異なるサクサクとしたスポンジ状
であって、生鮮イチゴの食感や風味とはほど遠いもので
ある。またそのような乾燥イチゴは吸湿性が大きいた
め、吸湿すると飴状になって商品価値が一段と低下す
る。
【0007】生鮮イチゴを真空乾燥により低含水率にま
で乾燥したイチゴは、ちょうど腰くだけになったように
つぶれて外観が極端に変形し、色彩も悪くなり、到底商
品価値を有しない。
【0008】生鮮イチゴを凍結乾燥により低含水率にま
で乾燥した後、アルコールまたは/および糖の水溶液を
浸透させたものは、イチゴ本来のテクスチュア、食感も
大きく損なわれる。
【0009】生鮮イチゴをピューレ状にし、これに吸湿
性を改善しうる添加物を共存させて、凍結乾燥または真
空乾燥してから粉末または顆粒状にした製品は、イチゴ
の赤みと若干の味が残るという利点はあるものの、イチ
ゴ本来の形状が失われることはもとより、イチゴ本来の
テクスチュア、食感、風味はほとんど残っていない。
【0010】本発明は、このような背景下において、従
来のイチゴ製品とは全く異なった製品、すなわち、干ブ
ドウ風の粘弾性を有し、かつテクスチュア、風味、保存
性にすぐれた乾燥イチゴを提供すること、およびそのよ
うな粘弾性乾燥イチゴを製造する方法を提供することを
目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の粘弾性乾燥イチ
ゴは、直径0.50cm、中心を通る切断面の面積Pcm2 の球
状のアダプタを用いてホールイチゴに6cm/minの速度で
圧潰方向の力を加えたときに、該イチゴが圧潰するまで
に加えた最大強度である圧潰応力をG(gr)、圧潰するま
で押し込まれた距離である圧潰距離をL(cm)、圧潰応力
Gをアダプタ面積Pで除した値である圧潰強度をF(gr/
cm2)、圧潰応力Gと圧潰距離Lとの積で定義されるゼリ
ー強度をZ (gr・cm) とするとき、圧潰強度Fが300
0gr/cm2以上、ゼリー強度Zが400gr・cm以上である
ことを特徴とするものである。
【0012】本発明の粘弾性乾燥イチゴの製造法は、生
鮮または凍結したホールイチゴを、糖類またはその誘導
体の水溶液からなる糖質液に浸漬してイチゴ内の水分を
糖質と置換させることにより、該イチゴ内の水分を60
〜40重量%まで低下させ、ついでこのイチゴの水分活
性が 0.6〜0.4 となるまで乾燥することを特徴とするも
のである。
【0013】以下本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明の粘弾性乾燥イチゴは、圧潰強度F
が3000gr/cm2以上、ゼリー強度Zが400gr・cm以
上であることを特徴とするものである。
【0015】ここで各特性は、直径0.50cm、中心を通る
切断面の面積Pcm2 の球状のアダプタを用いてホールイ
チゴに6cm/minの速度で圧潰方向の力を加えたときに、
該イチゴが圧潰するまでに加えた最大強度である圧潰応
力をG(gr)、圧潰するまで押し込まれた距離である圧潰
距離をL(cm)、圧潰応力Gをアダプタ面積Pで除した値
(つまりG/P)である圧潰強度をF(gr/cm2)、圧潰応
力Gと圧潰距離Lとの積(つまりG×L)で定義される
ゼリー強度をZ (gr・cm) と規定したものである。
【0016】本発明の粘弾性乾燥イチゴ、通常の生鮮ホ
ールイチゴおよび通常の凍結ホールイチゴの解凍品につ
いての圧潰強度Fおよびゼリー強度Zの代表的な値を比
較すると、次の表1のようになる。
【0017】
【表1】 圧潰強度F ゼリー強度Z (gr/cm2) (gr・cm) 本発明の粘弾性乾燥イチゴ 6000〜7000 1100〜1400 生鮮ホールイチゴ 1300〜1400 80〜 90 凍結ホールイチゴの解凍品 150〜 170 15〜 25
【0018】このような粘弾性乾燥イチゴを製造するに
あたっては、生鮮または凍結したホールイチゴを、糖類
またはその誘導体の水溶液からなる糖質液に浸漬してイ
チゴ内の水分を糖質と置換させることにより、該イチゴ
内の水分を60〜40重量%まで低下させ、ついで液切
り後、このイチゴの水分活性が 0.6〜0.4 となるまで乾
燥する方法が好適に採用される。
【0019】原料ホールイチゴとしては生鮮ホールイチ
ゴが好適に用いられるが(生鮮ホールイチゴの含水率は
90重量%前後である)、生鮮ホールイチゴは日本国内
ではシーズン性やコスト面に影響され安定して必要量を
入手することが必ずしも容易ではないので、多くの場合
は輸入した凍結ホールイチゴを用いる。
【0020】凍結したホールイチゴを原料として用いる
場合は、完全に凍結ホールイチゴを解凍してしまうと組
織内の水分がドリップとして多量に浸出する結果、組織
が軟弱になり、糖質液浸漬工程やその後の乾燥工程で変
形して商品価値を低下させるおそれがある。そこで、凍
結の状態あるいは半解凍程度にしたホールイチゴを糖質
液に浸漬する方法を採用することが望ましい。糖質液浸
漬後は、後述のように、液切りおよび乾燥を行う。
【0021】また凍結したホールイチゴを原料として用
いる場合、そのまま、まず凍結乾燥を行って低度に凍結
乾燥してから(ただし含水率が75重量%以下、好まし
くは80重量%以下にはならないようにする)、糖質液
浸漬工程に供することもできる。この程度まで水分を低
下させると、イチゴの組織が原形を保った状態で堅く引
き締まり、爾後の工程中にイチゴが変形するおそれがな
くなる。
【0022】結局、原料ホールイチゴとしては、生鮮ホ
ールイチゴ、凍結ホールイチゴ(ただし完全に解凍する
ことは避ける)、または含水率が75重量%を下まわら
ない範囲で低度に凍結乾燥したホールイチゴを用いるこ
とが望ましい。
【0023】原料ホールイチゴを浸漬する糖質液として
は、糖類またはその誘導体の水溶液が用いられる。ここ
で糖類としては、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、しょ糖、異
性化糖、転化糖、蜂蜜、水飴などがあげられ、糖類の誘
導体としてはソルビトールなどがあげられる。これらは
2種以上を併用することもできる。
【0024】糖質液の濃度については、たとえば糖質液
の濃度を20〜30重量%というように薄くして原料ホ
ールイチゴを浸漬すると、イチゴから発生するドリップ
により糖濃度が低下してイチゴ組織がかえって膨潤する
場合がある。また、脱水効果面からも余り低濃度の糖液
を使用することは望ましくない。そこで糖質液の濃度は
50重量%以上としたが無難であり、糖質液の溶解度に
よっても制限を受けるが、通常は50〜80重量%の範
囲で目的に応じた濃度の糖質液を使用することが望まし
い。
【0025】上記のように本発明においては、原料ホー
ルイチゴを適当な濃度の糖質液に浸漬してイチゴ内の水
分を糖質と穏やかな速度で置換させることにより、果肉
細胞組織を破壊させることなしにイチゴ内の糖濃度を徐
々に増加させると同時に、水分を徐々に低下させる。こ
の工程により、果肉組織は幾分収縮するが、適当な堅さ
に引き締まり、次の乾燥工程で形崩れなしに製品化でき
る。
【0026】原料ホールイチゴを浸漬する糖質液の液量
は、該イチゴの重量に対し等量前後またはそれ以上とす
ることが望ましい。なおホールイチゴを糖質液に浸漬し
ても、イチゴ内の水分が75重量%以上(好ましくは8
0重量%以上)あるので、浸漬中に糖質液の糖濃度はか
なり低下する。それ故、原料ホールイチゴの重量に対す
る糖質液の濃度や液量、浸漬温度、浸漬時間等によって
イチゴ内の水分の低下および糖質分の増加割合が異なる
ので、もしイチゴ内の水分の低下率が少ないときは、必
要に応じ、糖質液を更新して浸漬回数を増やしたり、低
下した糖質液の濃度を上昇させる手段を講ずればよい。
【0027】原料ホールイチゴの細菌汚染に関しては、
糖質液に浸漬する工程で、糖質液の温度を70〜80℃
程度にまで上昇させ、温度をたとえば10分間程度保持
して糖質液中で殺菌すればよい。風味を重視するとき
は、殺菌後、新しく調製した低温の糖液に漬けかえ、ホ
ールイチゴを冷却すればよい。
【0028】上述のようにして原料ホールイチゴ内の水
分を糖質と置換させることにより、該イチゴ内の水分を
60〜40重量%まで低下させる。この付近まで脱水さ
せると、イチゴは元の2/3程度の体積にまで収縮され
るが、果肉組織は破壊することなく全体が球状の引き締
まった状態になり、これを次の工程で乾燥しても乾燥イ
チゴはほとんど変形せず、また乾燥終了時に乾燥イチゴ
が乾燥用のトレイに付着することなく、容易に取り出し
を行うことができる。
【0029】上記の糖質液浸漬工程でホールイチゴ内の
水分を60〜40重量%まで低下させた後は、液切りを
行ってから、このイチゴの水分活性が 0.6〜0.4 となる
まで乾燥する。
【0030】乾燥は、イチゴの水分活性が 0.6〜0.4 と
なるまで行うことが重要であり、水分活性が 0.6を越え
るときには乾燥不足となり、一方水分活性を 0.4未満に
することは実際的でない上、好ましいテクスチュアが得
られなくなる。
【0031】乾燥方法としては、温風または熱風により
通風乾燥する方法が好適に採用される。通風乾燥に使用
する空気はできるだけ水分を含まない方が乾燥効率が高
いので、水分を除去した乾燥空気で乾燥を行うことが望
ましい。
【0032】通風乾燥時の温度は、イチゴ本来の風味お
よび色彩を保持させるために、60℃以下、望ましくは
30〜50℃、殊に40℃前後の温度範囲で乾燥するこ
とが望ましい。乾燥時間はイチゴの脱水率、乾燥温度、
乾燥空気の通風量等によって調整しなければならない
が、イチゴ内の水分が15〜30重量%になるまで乾燥
すると干ブドウ風の乾燥イチゴが得られる。乾燥イチゴ
の堅さはイチゴ内に残存する水分量により変化するが、
用途に応じその堅さを調製する必要があるので、適宜乾
燥条件を設定すればよい。乾燥イチゴ内の水分を30%
重量程度以下にすると水分活性が 0.6以下となり、微生
物の増殖による品質の劣化は起こらない。
【0033】イチゴの通風乾燥にあたっては、目的の水
分になるまで連続して乾燥してもよいが、乾燥途中でイ
チゴ内の水分を平均化させるため、空気乾燥を静止して
養生させた後、再度乾燥空気を送風し、段階的にこの工
程を繰り返して乾燥することにより、全体をより均一な
製品にすることができる。
【0034】また通風乾燥に先立ち真空乾燥工程を設け
ることもできる。ただし、糖質液浸漬工程後の乾燥を真
空乾燥のみで行うことは好ましくない。そのようにする
と、乾燥イチゴが多孔質となって目的とする粘弾性が得
られにくくなったり、水分率を調製することが難しくな
るからである。
【0035】以上要約すると、本発明における糖質液浸
漬工程および乾燥工程の好ましい態様の例は次のように
なる。 ・生鮮ホールイチゴ→糖質液浸漬→液切り→通風乾燥 ・凍結ホールイチゴ→糖質液浸漬→液切り→通風乾燥 ・凍結ホールイチゴ→糖質液浸漬→液切り→低度の真空
乾燥→通風乾燥 ・凍結ホールイチゴ→低度の凍結乾燥→糖質液浸漬→液
切り→通風乾燥
【0036】原料ホールイチゴを糖質液に浸漬し、つい
で液切りする工程において、イチゴ内の有機酸が同時に
減少する傾向がある。また、乾燥工程でイチゴ内の水分
をやや過度に減少させると、果肉が堅く締まって歯切れ
が悪くなり、食感に悪影響を及ぼすことがある。
【0037】そこで、先に述べた糖質液に、呈味料、栄
養剤、柔軟化剤、色素などの改質剤を適量添加すること
ができる。呈味料としては、酸味料(クエン酸、リンゴ
酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸、乳酸、酢酸等の有
機酸)、甘味料、香辛料、調味料、植物エキスなどがあ
げられる。栄養剤としては、ビタミン類、アミノ酸類、
不飽和高級脂肪酸類、乳製品、生薬エキスなどがあげら
れる。柔軟化剤としては、グリセリンなどの湿潤剤があ
げられる。色素としては、赤色系色素(ストローベリー
色素、赤キャベツ色素、シソ色素、ビートレッド色素
等)、あるいはこれらの赤色系色素と黄色系色素(紅花
色素、くちなし色素等)との組み合わせがあげられる。
このうち呈味料の添加量は糖質固形分に対し1〜4重量
%程度、柔軟化剤の添加量は糖質固形分に対し5〜20
重量%程度とすることが多いが、必ずしもこの範囲に限
られるものではない。
【0038】乾燥イチゴの水分が比較的高い場合には、
柔らかく、食べやすくなるが、表面がべたつきのある状
態となり、商品価値を低下させる場合がある。そのよう
な場合には、糖質液による置換および乾燥後のイチゴ表
面に、さらに粉状または被膜状の可食性被覆を設けるこ
とが有効である。可食性被覆の形成は、乾燥イチゴの水
分活性をより低下させることができる点でも有利であ
る。
【0039】可食性被覆としては、たとえばブドウ糖、
乳糖、ショ糖、粉乳、チーズ粉などの粉体による被覆が
好適であり、この場合は乾燥イチゴに対し3〜10重量
%程度の粉体を付着させる。被膜状の可食性被覆の例と
しては、ペクチン、アラビアガムその他のガム類、ツェ
イン、シェラック、油脂類などがあげられる。
【0040】粘弾性を有する乾燥イチゴを得た後は、こ
れをスライスしたり、小片にカットすることもできる。
スライスまたはカットした後に、先に述べたような可食
性被覆を施すこともできる。
【0041】
【作用】イチゴを原料とした、イチゴジャム、イチゴ缶
詰、イチゴボイルド等の加工食品は古くから製造されて
きたが、ホールイチゴの形状をそのまま保持しかつ食感
のすぐれた干ブドウ風の粘弾性ある乾燥イチゴは未だ開
発されていない。ホールイチゴを干ブドウ風に加工でき
なかった理由は、干ブドウの場合には、原料に成熟した
糖度20%程度の果実が使用される上、ブドウには丈夫
な果皮があって乾燥時にあまり形崩れしないという特性
があるのに対し、イチゴは糖度が7〜8%と低い上、水
分は90重量%程度と高く、しかも果実表面には丈夫な
外皮がなく組織が軟弱であるからである。
【0042】ホールイチゴをそのまま通風乾燥または真
空乾燥しても、その乾燥品は板状に萎縮した形状となる
上、飴状に粘り、商品価値のある製品にはならない。イ
チゴの場合は凍結乾燥以外の方法では形崩れなしに乾燥
製品とすることが不可能なのである。なお凍結乾燥によ
り製造した乾燥イチゴは、先にも述べたように、イチゴ
本来のテクスチュア、食感、風味が大きく損なわれる。
【0043】しかるに、本発明の粘弾性乾燥イチゴは、
イチゴ本来の風味、色彩が保たれ、テクスチュア、食感
はむしろ高められ、しかも長期間の保存に耐えうるよう
になる。
【0044】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「%」とあるのは重量%である。
【0045】実施例1 〈粘弾性乾燥イチゴの製造〉生鮮ホールイチゴを急速凍
結して得た原形を保持した状態の凍結ホールイチゴ(含
水率は89%)2kgを、凍結状態のまま、糖質液浸漬用
の網目になっている蓋付きステンレススチール製容器に
重ならないように整列させ、イチゴが表面に浮遊しない
ように蓋をしてから、固形分75%の異性化糖水溶液か
らなる糖質液10kgを入れた容器内に浸漬した。
【0046】なお上記のホールイチゴは、これを糖質液
に浸漬すると果実内の水分が浸透圧によりしだいに糖質
液に移行し、初期段階では果実組織が軟弱になるので、
糖質液浸漬工程ではできるだけイチゴを重ねないように
並べることが重要である。イチゴを重層すると、自重で
潰れたり変形したりすることがあるので注意を要する。
【0047】ホールイチゴが完全に糖質液に浸かる状態
とし、この状態で室温条件下に80時間浸漬した。この
間、イチゴからドリップが発生して糖質液の濃度が低下
し、容器内の糖質濃度が不均一になっていくので、糖質
液を時々撹拌して均一化を図った。
【0048】80時間浸漬後、イチゴを糖質液から取り
出して充分液切りをした。液切り後のイチゴの水分は5
0.9%であった。イチゴはやや収縮した状態となってい
たが、果肉組織は丸く引き締まった状態となっており、
移動させてもイチゴが破壊したり変形したりすることは
なかった。
【0049】次に、液切り後のイチゴを乾燥器内の網棚
に重ならないように整列させ、温度38〜42℃、相対
湿度30〜50%の乾燥空気を風速 0.8〜1.0m/secで送
って30時間乾燥させた。
【0050】この乾燥により、イチゴの風味に富んだ色
彩鮮やかな干ブドウ風の粘弾性のある乾燥イチゴが得ら
れた。この製品の歩留まりは原料凍結イチゴに対し38.5
%であった。またこの乾燥イチゴの水分は29.2%、水分
活性は 0.529であった。食感は極めて良好であった。
【0051】〈粘弾性乾燥イチゴの特性〉次に、このよ
うにして得た乾燥イチゴの特性を求めた。測定装置とし
ては不動工業株式会社製のレオメーター「NRM−20
10J−CW」を用い、直径0.50cm、中心を通る切断面
の面積Pcm2 (つまり0.25×0.25×π=0.196cm2)の球
状のアダプタを用いてホールイチゴに6cm/minの速度で
圧潰方向の力を加えたときに、該イチゴが圧潰するまで
に加えた最大強度である圧潰応力をG(gr)、圧潰するま
で押し込まれた距離である圧潰距離をL(cm)、圧潰応力
Gをアダプタ面積Pで除した値である圧潰強度をF(gr/
cm2)、圧潰応力Gと圧潰距離Lとの積で定義されるゼリ
ー強度をZ (gr・cm) とした。
【0052】以上の結果を表2に示す。データは乾燥イ
チゴ(高さはおよそ 2.5cmである)6個についてのもの
である。また圧潰曲線を図1に示す。
【0053】
【表2】 1 2 3 4 5 6 平均 圧潰応力G(gr) 1197 1020 1038 1389 1770 815 1205 圧潰距離L(cm) 0.98 0.86 0.96 0.95 1.14 0.69 0.93 圧潰強度F(gr/cm2) 6100 5198 5290 7077 9019 4153 6140 ゼリー強度Z (gr・cm) 1173 877 996 1319 2017 562 1157
【0054】実施例2 実施例1の製造方法に準じ、使用した糖質液の組成を変
え、乾燥イチゴを製造した。糖質液の組成は、固形分7
5%の異性化糖水溶液 9.2kgにクエン酸0.02kg、リンゴ
酸0.01kgを加えて加熱溶解し、冷却後グリセリン 0.7kg
を混合したものとした。糖質液浸漬条件は、実施例1と
全く同一とした。糖質液浸漬後、液切りしたイチゴ果実
の水分は50.1%であった。
【0055】乾燥条件も実施例1と同様に行った。ただ
し、乾燥時間は実施例1では30時間であるが、本実施
例は乾燥時間を40時間に延長して実施した。得られた
乾燥イチゴは実施例1のそれよりも外観やや堅く締まっ
た感じを受けたが、歯触りは良く、少し酸味のある色調
良好な風味豊かな干ブドウ風のイチゴであった。この製
品の歩留まりは原料凍結イチゴに対し40.2%であり、製
品水分は27.4%、水分活性は 0.467であった。
【0056】実施例3 生鮮ホールイチゴを急速凍結して得た原形を保持した状
態の凍結ホールイチゴ(含水率は89%)2kgを、凍結
状態のまま容器に取り、これに固形分70%のソルビト
ール水溶液からなる糖質液2kgを加え、イチゴ全体が糖
液に浸かるようにし、糖質液を時々撹拌しながら室温で
48時間浸漬した。48時間後、液切りをしてイチゴを
取り出し、このイチゴを再度固形分70%のソルビトー
ル水溶液からなる糖質液2kgに48時間浸漬した。同様
の操作をもう1度繰り返し、合計3回同じ操作を繰り返
した。ついで液切りしたイチゴを乾燥用の網棚に重なら
ないように整列し、実施例1と同じ条件で乾燥した。
【0057】浸漬工程を終えたイチゴは少し収縮してい
たが、損傷したイチゴはほとんどなかった。液切り後の
イチゴの水分は48.3%であった。乾燥したイチゴは実施
例1と同様の干ブドウ風の乾燥イチゴであったが、表面
にややべたつきがあった。この製品の歩留まりは原料凍
結イチゴに対し41.2%であり、製品水分は29.2%、水分
活性は 0.501であった。
【0058】実施例4 実施例3で得た製品は表面のべたつきがあるため、イチ
ゴ同士がくっついて団子状になる傾向が見られた。そこ
でこのべたつきを解消するため、実施例1で得た製品1
00gに粉末ブドウ糖5gを均等に付着させた。その結
果、製品表面のべたつきは完全に解消され、イチゴ間の
付着も有効に防止することができた。またブドウ糖を付
着させたことにより、実施例3の製品の水分活性 0.501
を 0.479に低下させることができた。この操作によって
製品はやや締まった感じを受けたが、食感には特に支障
はなかった。
【0059】上記で得た製品につき、実施例1と同様に
して特性を調べた。結果を表3に示す。データは乾燥イ
チゴ(高さはおよそ 2.5cmである)7個についてのもの
である。また圧潰曲線を図2に示す。
【0060】
【表3】 1 2 3 4 5 6 7 平均 圧潰応力G(gr) 1071 1518 943 1501 1499 939 1518 1284 圧潰距離L(cm) 1.12 1.18 1.03 0.94 1.23 1.00 0.96 1.06 圧潰強度F(gr/cm2) 5458 7735 4806 7648 7638 4785 7735 6544ゼリー強度Z (gr・cm) 1199 1761 971 1410 1843 939 1457 1369
【0061】実施例5 生鮮ホールイチゴ(含水率90.2%の生イチゴ)のヘタを
除去し、良く水洗いしてから、その2kgを用いて実施例
1を繰り返した。これにより、凍結イチゴを用いた実施
例1と同様に香りおよび色彩がよく、風味に富んだ干ブ
ドウ風の製品が得られた。液切り後のイチゴの水分は4
9.2%、製品歩留まりは原料ホールイチゴに対し40.6
%、水分活性は 0.487であった。
【0062】比較例1 実施例5で用いた生鮮ホールイチゴそのものにつき、実
施例1と同様にして特性を調べた。結果を表4に示す。
データは生鮮ホールイチゴ(高さはおよそ 2.5cmであ
る)7個についてのものである。また圧潰曲線を図3に
示す。
【0063】
【表4】 1 2 3 4 5 6 7 平均 圧潰応力G(gr) 245 216 325 325 278 269 207 266 圧潰距離L(cm) 0.31 0.33 0.33 0.36 0.31 0.29 0.26 0.31 圧潰強度F(gr/cm2) 1248 1100 1656 1656 1415 1371 1054 1357ゼリー強度Z (gr・cm) 75 71 107 117 86 78 53 84
【0064】比較例2 実施例1で用いた凍結ホールイチゴの解凍品につき、実
施例1と同様にして特性を調べた。結果を表5に示す。
データは凍結ホールイチゴ解凍品(高さはおよそ 2.5cm
である)7個についてのものである。また圧潰曲線を図
4に示す。
【0065】
【表5】 1 2 3 4 5 6 7 平均 圧潰応力G(gr) 22 49 30 22 18 40 42 32 圧潰距離L(cm) 0.54 0.64 0.55 0.52 0.81 0.68 0.49 0.60 圧潰強度F(gr/cm2) 111 247 154 109 89 203 211 161ゼリー強度Z (gr・cm) 11 31 16 11 14 27 20 19
【0066】実施例6 凍結ホールイチゴ(含水率は89.9%)1kgを3時間凍結
乾燥して605grとなし(含水率は83.3%となる)、こ
れを固形分73%のショ糖水溶液からなる糖質液3kg中
に48時間浸漬した。ついで液切りを行ってから、実施
例1と同じ条件で30時間通風乾燥した。これにより、
干ブドウ風の粘弾性のある乾燥イチゴ380grが得られ
た。この乾燥イチゴの水分は28.2%、水分活性は 0.502
であった。食感は極めて良好であった。
【0067】
【発明の効果】ホールイチゴは、ブドウに比べて糖分が
少ない上、水分が高く、しかも果実表面には丈夫な外皮
がないため、これを干ブドウ風に加工することが不可能
であると考えられていたが、本発明によれば、この常識
を破り、テクスチュア、食感、風味、長期保存性にすぐ
れた粘弾性を有する乾燥イチゴを提供することができ
る。
【0068】本発明の乾燥イチゴは、そのまま食するこ
ともできるし、また各種食品の添加原料としての利用価
値は大きく、今後広範囲の食品に利用されていくものと
期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における圧潰曲線を示したグラフであ
る。
【図2】実施例4における圧潰曲線を示したグラフであ
る。
【図3】比較例1における圧潰曲線を示したグラフであ
る。
【図4】比較例2における圧潰曲線を示したグラフであ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直径0.50cm、中心を通る切断面の面積Pcm
    2 の球状のアダプタを用いてホールイチゴに6cm/minの
    速度で圧潰方向の力を加えたときに、該イチゴが圧潰す
    るまでに加えた最大強度である圧潰応力をG(gr)、圧潰
    するまで押し込まれた距離である圧潰距離をL(cm)、圧
    潰応力Gをアダプタ面積Pで除した値である圧潰強度を
    F(gr/cm2)、圧潰応力Gと圧潰距離Lとの積で定義され
    るゼリー強度をZ (gr・cm) とするとき、圧潰強度Fが
    3000gr/cm2以上、ゼリー強度Zが400gr・cm以上
    であることを特徴とする粘弾性乾燥イチゴ。
  2. 【請求項2】生鮮または凍結したホールイチゴを、糖類
    またはその誘導体の水溶液からなる糖質液に浸漬してイ
    チゴ内の水分を糖質と置換させることにより、該イチゴ
    内の水分を60〜40重量%まで低下させ、ついでこの
    イチゴの水分活性が 0.6〜0.4 となるまで乾燥すること
    を特徴とする粘弾性乾燥イチゴの製造法。
  3. 【請求項3】生鮮または凍結したホールイチゴが、生鮮
    ホールイチゴ、凍結ホールイチゴ、または低度に凍結乾
    燥したホールイチゴである請求項2記載の粘弾性乾燥イ
    チゴの製造法。
  4. 【請求項4】糖質液として、糖類またはその誘導体の濃
    度が50重量%以上であるものを用いることを特徴とす
    る請求項2記載の粘弾性乾燥イチゴの製造法。
  5. 【請求項5】糖質液として、改質剤を添加したものを用
    いることを特徴とする請求項2記載の粘弾性乾燥イチゴ
    の製造法。
  6. 【請求項6】改質剤が、呈味料、栄養剤、柔軟化剤また
    は色素である請求項5記載の粘弾性乾燥イチゴの製造
    法。
  7. 【請求項7】糖質液浸漬および乾燥工程後のイチゴ表面
    に、さらに粉状または被膜状の可食性被覆を設けること
    を特徴とする請求項2記載の粘弾性乾燥イチゴの製造
    法。
  8. 【請求項8】糖質液浸漬および乾燥工程後のイチゴを、
    スライスまたは小片にカットすることを特徴とする請求
    項2記載の粘弾性乾燥イチゴの製造法。
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