JPS597417B2 - 固形ジユ−スの製造方法

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【発明の詳細な説明】本発明は固形ジュースの製造法に関する。

果実・疏菜は主として固形の状態で食用に供されるか、
破砕あるいは搾汁などの加工処理後、液体又は流動体の
形で供されるのが一般的である。

天然の果実、疏菜類は個体差が大きく、そのサイズ、形
、熟度等が不均一であり、表皮、心、種子等の非可食部
を含んでおり、その他病虫害による汚染など非町食部を
購入するという不都合がある。

液体飲料は加工面からみると、その連続性、均質性、保
存性等天然固形果実以上にすぐれた性質がある。

本発明は、この液体飲料のすぐれた特性を失なうことな
く、固形食品特有の咀シャク性を維持するこぶによって
、本来の天然果実、疏菜の外観、風味、テクスチャー、
色調を損なうことなく再現させることを目的としている
。

本発明で使用する原料は前処理によって破砕、搾汁など
の処理を行なうため、その形状や熟度などの要件は特に
要しない。

いわゆる生食用に不向きな原料でも同等に用いることが
できる。

また必要に応じて任意に味付け、フレーバ付け、着色も
自由にできる。

本発明製品は熱安定性に蓚れているため、加熱処理によ
って酵素活性を破壊し、保存安定性を増すこともできる
。

天然果実・疏菜に類似した組織構造を形成するためには
、カルシウムーアルギン酸ゲル化反応を利用することが
要件である。

純粋なアルギン酸カルシウムゲルに第３の物質が加わる
と、アルギン酸ゲル分子中の，酸残基が第３物質の影響
を受けて結晶領域の範囲、数、位置などが変化し、非架
橋部分と第３物質との間に相互作用がおき、水分子やカ
ルシウムイオンの性質を変え、ゲルの物理的性質は非常
に複雑化する。

果実・疏菜類はペクチンに富むが、ペクチンの存在はア
ルギン酸分子の結晶領域の分布を拡大すると共に、網目
構造の特定部位に弱い力が働くので、複雑な果実・疏菜
のテクスチャーに類似した食品を組立てるのに都合がよ
い。

アルギン酸（ナトリウム塩）の使用量は０．５〜３．０
％の間では製品の硬度に殆んど差はない。

ゲル形成の為のカルシウム塩としては、水溶性の塩化カ
ルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウムの０．５〜
５．０％が望ましい。

ペクチン質の少ない原料を使用する場合には、２％以上
のシトラスペクチンを添加する必要がある。

有機酸としてはクエン酸、リンゴ酸、酒石酸が望ましい
が、添加量が２〜３％以上になると、保存中にアルギン
酸の架橋部分の崩壊の原因となり、酸性の強い食品の場
合にはアルギン酸ゲルを補完するために、タン白質の併
用が望ましい。

次の実施例により本発明を更に説明する。

実施例市販のオレンジジュース（５０％）５００ｍｌに砂糖１
００ｇ、クエン酸１ｇ、ゼラチン７．５ｇ、シトラスペ
クチン１０ｇ、コーンスターチ５ｇ及び塩化カルシウム
２．５ｇを添加し、加温溶解した。

直径ＩＣｒＩＬの円筒容器に注入し、０゜Ｃに放置した
。

硬化した凝固物を容器から取出し、１％ＣＭＣ，０．５
％アルギン酸、０．５％（カゼインソーダ）、０．５％
（アラビャガム）から成る混合液中に１５分間浸漬した
。

水洗後、０．２％塩化カノレシウム含有オレンジジュー
ス中で５分間加熱処理した。

表面に薄い膜を形成し、内部がゼリー状の製品を得た。

上記実施例により製造された製品は熱安定性、保存性、
均一性にすぐれ、また天然果実の咀シャク性を真備した
新しい食品素材として有用である。

【特許請求の範囲】