JP2010069533A - 歪勾配を考慮した伸びフランジ割れの推定方法およびプレス成形シミュレーションの伸びフランジ割れ判定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車や家電等に用いる部材における伸びフランジ形状設計指針もしくは設計限界を策定するための伸びフランジ割れ予測方法を提供する。
【解決手段】予め、予測の対象となる材料の打ち抜き時の剪断面比率γと、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrのいずれか一方又は両方と、打ち抜き端面に割れが生じる限界相当塑性歪εcrとの関係を数式として求め、予測対象となる打ち抜きを行った材料の剪断面比率γpartを測定すると共に、伸びフランジ成形解析を行い、歪勾配Δεθ及びΔεrの何れか一方又は両方を算出し、剪断面比率γpartと歪勾配Δεθ、Δεrを前記数式に代入して打ち抜き端面に割れが生じる限界歪εcr partを求め、成形解析で求めたフランジ部の相当塑性歪εと、実部品の限界歪εcr partを比較して伸びフランジ割れを推定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、主に金属板をプレス成形加工することにより自動車用部品を設計・製造するにあたり、伸びフランジ割れを回避する部品形状を事前評価するため、シミュレーションを用いて伸びフランジ割れの予測を可能にする技術に関するものである。
自動車、家電製品、建築構造物等の被加工材には、図1のようにパンチ2とダイ3による打ち抜き加工が施されることが多い。図2に示すように、打ち抜き加工面は、被加工材1(図1参照)がパンチ2(図1参照)により全体的に押し込まれて形成されるだれ4、パンチ2とダイ3(図1参照)のクリアランス内(以下、特に記載がなく“クリアランス”と表記した場合は、パンチとダイのクリアランスを指すこととする)に被加工材1が引き込まれ局所的に引き伸ばされて形成される剪断面5、パンチ2とダイ3のクリアランス内に引き込まれた被加工材1が破断して形成される破断面6、および被加工材1裏面に生じるばり7によって構成される。打ち抜き加工は切削やレーザー加工などに比べると低コストであるメリットがあるが、一方で、非特許文献1で例が示されるように、打ち抜き面に引張変形が加わる伸びフランジ加工時の割れが他の加工方法よりも起こりやすい。
このような問題の対策として、打ち抜き面の伸びフランジ割れ予測を行うことが有効となる。予め割れが起こらないような伸びフランジ成形条件・打ち抜き条件の見積もりを、実際の金型試作の試行錯誤無しに行えるためである。
絞り加工やフォーム加工のような板面内で割れが発生する問題に対しては、有限要素法等によるシミュレーションを利用して割れを予測することは定常的に行われている。具体的には、板厚限界線や成形限界線図(FLDともいう)等の限界ひずみを実験的あるいは理論的に導出しておき、その限界ひずみ状態とシミュレーションより計算上得られるひずみ状態とを比較することにより、割れ発生の有無を判定することが実施されている。従って、上記のような加工に対しては、割れ発生箇所・発生時点の予測にはある程度定量性が得られている。
例えば、特許文献1に、成形限界線図を用いてプレス成形の際の破断を防止するコンピュータシミュレーションに関するプレス成形システムが開示されている。
伸びフランジ割れは、歪勾配が大きく影響することが良く知られており、非特許文献2によれば、伸びフランジ割れでは、割れ部近傍の歪勾配の影響により、くびれの進展抑制および割れ進展遅延の影響があることが指摘されている。非特許文献2の結果を踏まえて、非特許文献3には、打ち抜き穴の穴広げ加工を対象に有限要素シミュレーションを行い、各要素で局所分岐理論を用いて不安定指数を導出し、歪勾配の影響を考慮するために不安定指数の空間積分値が負となる穴端部の塑性歪値を伸びフランジ割れが起こる限界歪値として導出する方法が開示されている。
さらに、非特許文献4では、簡易的に伸びフランジ割れを予測する手法として、穴広げ試験の結果より得られた破断限界歪を、穴広げ以外の打ち抜き稜線形状における伸びフランジ成形シミュレーションに適用して伸びフランジ割れが起こるか否かを予測する手法が記載されている。
特開2006−167766号公報
「プレス絞り加工」、(社)日本金属プレス工業協会編、日刊工業新聞社刊、中村・桑原著、91〜94頁 第45回塑性加工連合講演会講演論文集 pp.437-440 第57回塑性加工連合講演会講演論文集 pp.175-176 CP778 Volume A、Numisheet2005、 edited by L.M.Smith、 F.Pourboghrat、 J.W.Yoon、 and T.B.Stoughton、 American Institute of Physics 0-7354-0265-5-/05
上記に紹介した方法にはいくつかの課題が存在する。伸びフランジ割れは薄板の縁部が伸ばされて割れが発生する破断現象であるが、特許文献1に記載された発明も含め、従来割れ評価に利用されてきた球頭パンチ張出成形や円筒パンチ張出成形により得られる成形限界線図は板面上の破断現象を取り扱う理論であるため、板端部が破壊を起こす伸びフランジ割れの評価を行うことは原理的に不可能である。
また、非特許文献3に開示される方法は、伸びフランジ割れに対して局所分岐理論を用いた予測を試みているが、特殊な材料モデルを用いる必要があるために、一般に流通する商用の有限要素コードに適用することが困難であり、非特許文献4に開示される方法は歪勾配の影響を考慮しておらず、穴広げ変形以外の問題を取り扱う際にはかなり安全側の予測をしてしまう。
本発明は、商用の有限要素コードを用いて、歪勾配の影響を考慮して簡易的に打ち抜き部の伸びフランジ割れを事前予測するシミュレーション方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下をその要旨とする。
(1)打ち抜き端面の伸びフランジ割れを予測する方法であって、予め、予測対象となる形状とは異なる形状または工具条件による打ち抜きと打ち抜き端面に引張変形を加える試験を行い、その際に材料の打ち抜き時の剪断面比率γと、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrのいずれか一方又は両方と、打ち抜き端面の引張試験における端面に割れが生じる限界相当塑性歪εcrとの関係を数式として近似して求め、前記予測対象となる打ち抜きを行った材料の剪断面比率γpartを測定すると共に、有限要素法で前記予測対象の打ち抜き端面の伸びフランジ成形解析を行い、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrの何れか一方又は両方を算出し、前記剪断面比率γpartと前記歪勾配Δεθ及びΔεrの何れか一方又は両方を前記数式に代入して前記予測対象となる打ち抜き端面に割れが生じる限界歪εcr partを求め、その次に前記成形解析で求めた要素毎におけるフランジ部の相当塑性歪εpと、前記実部品の限界歪εcr partを比較して伸びフランジ割れを推定することを特徴とする伸びフランジ割れの推定方法。
(2)打ち抜き端面の伸びフランジ割れを予測する方法であって、予め、予測対象となる形状とは異なる形状または工具条件による打ち抜きと打ち抜き端面に引張変形を加える試験を行い、その際の材料の打ち抜き時の剪断面比率γと、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrのいずれか一方又は両方と、打ち抜き端面の引張試験における端面に割れが生じる限界相当塑性歪εcrとの関係を数式として求めた後、前記予測対象の打ち抜き端面の伸びフランジの剪断面比率γpartを測定すると共に、有限要素法で前記予測対象の打ち抜き端面の伸びフランジ成形解析を行い、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrの何れか一方又は両方を算出し、前記剪断面比率γpartと前記歪勾配Δεθ及びΔεrの何れか一方又は両方を前記数式に代入して前記予測対象となる打ち抜き端面に割れが生じる限界歪εcr partを求め、その次に理論成形限界線図又は実験成形限界線図の単軸引張歪が前記実部品の限界歪εcr partと一致するように前記理論成形限界線図又は実験成形限界線図の補正を行った後、前記成形解析で求めた要素毎におけるフランジ部の相当塑性歪εpと、前記補正後の理論成形限界線図又は実験成形限界線図の単軸引張での限界歪εcr partを比較して伸びフランジ割れを推定することを特徴とする伸びフランジ割れの推定方法。
(3)打ち抜き端面の伸びフランジ割れを予測する方法であって、予め、予測の対象となる形状とは異なる形状または工具条件による打ち抜きと打ち抜き端面に引張変形を加える試験を行い、その際の材料の打ち抜き時のクリアランスCと、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrのいずれか一方又は両方と、打ち抜き端面の引張試験における端面に割れが生じる限界相当塑性歪εcrとの関係を数式として近似して求め、有限要素法で前記予測対象の打ち抜き端面の伸びフランジ成形解析を行い、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrの何れか一方又は両方を算出し、前記予測対象となる打ち抜きのクリアランスCpartと前記歪勾配Δεθ及びΔεrの何れか一方又は両方を前記数式に代入して前記予測対象となる打ち抜き端面に割れが生じる限界歪εcr partを求め、その次に前記成形解析で求めた要素毎におけるフランジ部の相当塑性歪εpと、前記実部品の限界歪εcr partを比較して伸びフランジ割れを推定することを特徴とする伸びフランジ割れの推定方法。
(4)打ち抜き端面の伸びフランジ割れを予測する方法であって、予め、予測の対象となる形状とは異なる形状または工具条件による打ち抜きと打ち抜き端面に引張変形を加える試験を行い、その際の材料の打ち抜き時のクリアランスCと、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrのいずれか一方又は両方と、打ち抜き端面の引張試験における端面に割れが生じる限界相当塑性歪εcrとの関係を数式として求めた後、有限要素法で前記予測対象の打ち抜き端面の伸びフランジ成形解析を行い、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrの何れか一方又は両方を算出し、前記予測対象となる打ち抜きのクリアランスCpartと前記歪勾配Δεθ及びΔεrの何れか一方又は両方を前記数式に代入して前記予測対象となる打ち抜き端面に割れが生じる限界歪εcr partを求め、その次に理論成形限界線図又は実験成形限界線図の単軸引張歪が前記実部品の限界歪εcr partと一致するように前記理論成形限界線図又は実験成形限界線図の補正を行った後、前記成形解析で求めた要素毎におけるフランジ部の相当塑性歪εpと、前記補正後の理論成形限界線図又は実験成形限界線図の単軸引張での限界歪εcr partを比較して伸びフランジ割れを推定することを特徴とする伸びフランジ割れの推定方法。
(5)前記打ち抜きと打ち抜き端面に引張変形を加える試験が、丸穴の打ち抜きと丸穴に対する穴広げ加工試験であることを特徴とする(1)〜(4)の何れか一つに記載の伸びフランジ割れの推定方法。
(6)前記打ち抜きと打ち抜き端面に引張変形を加える試験が、打ち抜きと打ち抜きにより作成した切欠き試験片に対する曲げ試験であることを特徴とする(1)〜(4)の何れかに記載の伸びフランジ割れの推定方法。
(7)端部稜線方向の歪勾配Δεθの代わりに端部稜線方向の応力勾配Δσθを用い、端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrの代わりに端部稜線垂直方向の応力勾配Δσrを用いることを特徴とする(1)〜(6)の何れかに記載の伸びフランジ割れの推定方法。
(8)有限要素法によるプレス成形解析結果の読み込み部を有し、前記読み込み部に読み込まれた解析結果からエッジ部の要素を抽出する機能と、前記エッジ部の要素に対して請求項1〜6のいずれかの伸びフランジ割れの推定方法により割れ判定を行う機能を有することを特徴とするプレス成形シミュレーションの伸びフランジ割れ判定システム。
(9)有限要素法によるプレス成形解析結果の読み込み部を有し、前記読み込み部に読み込まれた解析結果からエッジ部の要素を抽出する機能と、前記エッジ部の要素に対して請求項1〜6のいずれかの伸びフランジ割れの推定方法により割れ判定を行う機能と、前記エッジ部以外の要素に対しては成形限界線または板厚減少率による割れ判定を行う機能と、前記割れ判定を行う機能により割れと判定された要素を3次元変形図上に同時に表示する機能を有することを特徴とするプレス成形シミュレーションの伸びフランジ割れ判定システム。
本発明によれば、金属板のプレス成形加工における伸びフランジ割れ予測に、事前評価試験より得た板端面加工条件の影響と、割れ部近傍の端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrの何れか一方又は両方の相関関係式を用いることで、従来の割れ限界予測では簡易的な評価が困難であった伸びフランジ割れの事前予測を行うことが可能になる。
打ち抜き加工を模式的に示す断面図である。 被加工材の打ち抜き端面の形状を模式的に示す断面図である。 打ち抜き稜線に対する座標系を示す図である。 FLDを補正する方法の説明図である。 図4を使用して伸びフランジ割れを判定する方法の説明図である。 サイドベンド試験を模式的に示す断面図である。 本発明の割れ判定システムの構成を示すブロック図である。 実施例1〜6における伸びフランジ割れ予測を行うブランク板の図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。 実施例1〜6における伸びフランジ割れ予測を行う伸びフランジ成形用の金型構成を示す斜視図である。 実施例1〜4、6における穴広げ試験を模式的に示す斜視図であり、(a)は穴広げ試験時の状態、(b)は穴広げ試験後の試験片の状態である。 実施例1で測定した打ち抜き面の剪断面比率γと歪勾配Δεr、および、限界相当塑性歪εcrの関係を示す図である。 実施例2における実測のFLDおよび本発明(2)にしたがって補正したFLDを示す図である。 実施例4における実測のFLDおよび本発明(4)にしたがって補正したFLDを示す図である。 実施例5で使用したサイドベンド用の試験片形状を示す平面図である。 実施例7における伸びフランジ割れを含む割れ予測を行う、内穴付き円形ブランクおよび加工後の円筒深絞り成形品を示す斜視図である。 実施例7において自動抽出されたエッジ要素の領域を示す斜視図である。 本発明の割れ判定システムによる割れ判定の例をひずみ平面図上で示した説明図である。 本発明の割れ判定システムにより割れ判定された要素の位置を表示した例を示す斜視図である。
本発明者らは、従来の板厚限界やFLDを利用した割れ予測を、シミュレーションを利用して実施・検討したところ、ブランク縁部での材料破断現象である伸びフランジ割れの予測精度は低く、特に延性の低い高強度材において予測困難なことを確認した。
続いて、この予測精度低下を克服するため、既に開示済みの伸びフランジ割れ予測手法の適用を試みたが、特殊な材料モデルが必要であったために、本発明者等が使用可能な予測装置、ソフトの範囲内では実施ができない場合があった。そこで、本発明者らは試行錯誤の結果、予め評価モデルとなる打ち抜き形状、伸びフランジ成形条件を定め、該打ち抜き・伸びフランジ成形試験より得られた歪勾配と伸びフランジ割れ、または、打ち抜きクリアランスと伸びフランジ割れの相関関係式を、異なる条件の打ち抜き、伸びフランジ成形条件へ適用することで、簡易的に伸びフランジ割れ予測が可能であることを見出した。
本発明は以下を要件とする。
本発明(1)における推定方法は、評価対象部品に使用する素材について、剪断面比率γと、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrのいずれか一方又は両方と、限界相当塑性歪εcrとの関係を事前に実験により求めておき、下記(1)式の関数関係を同定した後に該関係式を別の伸びフランジ成形の伸びフランジ割れ予測に適用する方法である。
ここで、剪断面比率γとは、図2に示す剪断面5の板厚方向の長さts(mm)/板厚t(mm)×100%である。
限界相当塑性歪εcr、および歪勾配Δεr、Δεθの定義について、以下に説明する。
図3のごとく、被加工材1の板面内の打ち抜き部稜線8に対して垂直方向をr、稜線8方向をθ、板厚方向(紙面垂直方向)をzとした場合に、r方向歪の板厚全体の平均値とθ方向歪の板厚全体の平均値、z方向歪の板厚全体の平均値を、それぞれεr(r、θ)、εθ(r、θ)、εz(r、θ)とすれば、相当塑性歪εpは、r、θの関数、(2)式として表される。相当塑性歪の定義(≒関数g)については、広く弾塑性力学の教科書にも記載されている。
(1)式における限界相当塑性歪εcrは、伸びフランジ割れが起こった際の相当塑性歪であり、伸びフランジ割れが発生した際の各方向の歪相当塑性歪εr、εθ、εzを測定、または算出し、さらにこれらの値を(2)式に代入して導出される。また、Δεr、Δεθは、以下の(3)式、(4)式のように定義される。
実際の評価試験では、座標値r、θが異なるいくつかの点でεr、εθ、εzを測定、または、シミュレーションにより算出し、これらの値の差分を取ることによって歪勾配の値を求めるのが簡便である。rの単位はmm、um、m等任意に設定しても構わないが、事前評価試験と伸びフランジ割れ予測で用いる単位系を揃えなければならない。θに関しても同様である。また、ある範囲、例えば10mm程度の範囲で測定した歪分布を関数近似して(3)式、(4)式へ代入して求めてもよい。後者の算出方法に依れば、実験上の測定誤差を低減できる利点がある。
(1)式同定のための評価試験には、打ち抜き切り欠き材の引張試験、打ち抜き切り欠き材の曲げ試験、打ち抜き穴あき材の引張試験、打ち抜き穴の穴広げ試験等が挙げられる。これらは形状が単純であるために同定が行い易い。例えば切り欠き材の引張試験であれば、異なる切欠き半径と打ち抜きクリアランスの試験片で引張試験を行い、各試験片の形状と打ち抜き条件におけるせん断面率γと端部に破断が起こった際の限界相当塑性歪εcrと歪勾配Δεr、Δεθのデータを測定、または計算により取得することで、(1)式を同定することができる。
次に、評価対象部品の打ち抜きブランクにおける伸びフランジ割れ予測対象部位の打ち抜き端面観察を成形加工前に実施し、この部位の剪断面比率γpartを求める。
続いて、評価対象部品の伸びフランジ成形シミュレーション(打ち抜きは含まない)を有限要素法により実施して、シミュレーション結果より端部稜線方向の歪勾配Δεθと端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrを算出し、これらのいずれか一方または両方と、上記で求めたγpartを(1)式へ代入することにより、伸びフランジ割れ予測対象部位の限界歪εcr partを求める。その次に、解析結果から得られている予測対象部位の相当塑性歪εpを前記限界歪εcr partと比較し、
εp<εcr part ならば、伸びフランジ割れ発生せず、
εp=εcr part またはεp>εcr partならば、伸びフランジ割れ発生あり、
というように伸びフランジ割れを推定する。
なお、通常は要素毎の歪値を評価する場合が多いが、有限要素法の各要素に複数の積分点が配置されている場合は、各積分点毎にフランジ部の相当塑性歪εpと前記実部品の限界歪εcr partを比較して伸びフランジ割れ判定を実施してもよい。
本発明(2)における推定方法は、対象材料における(1)式の関数関係の同定、またそれを利用した限界歪εcr partを同定する手順までは、本発明(1)と同様である。
本発明(2)では、従来利用されてきた理論FLDまたは実験FLDを流用し、図4に示すように、FLD線と(εθ=−2εr)軸の交点がεcr partに一致するように実験FLDまたは理論FLDを補正する。このようなことを行うことにより、(1)式導出のための評価試験と伸びフランジ割れ評価対象となる部材のεrとεθの比率が大きく異なっていても、より精度良く伸びフランジ割れが予測可能となる。この補正の際には、元になるFLDを各歪比毎に定率αを掛けることが望ましい。すなわち補正前のFLD上の点(εr、εθ)に対して、(α×εr、α×εθ)を新たなFLD上の点として利用する。ここにα=εcr part/{FLD線と(εθ=−2εr)軸の交点のεθ}である。この方法に依れば、FLD表示機能を有した商用のソフトウェア上にて、本発明によるFLDの補正を容易に実施可能である。
上記のように補正されたFLDを導出した後は、成形シミュレーションで算出される各要素のεrとεθが、図5に示すように補正後のFLDの線よりも外側であれば伸びフランジ割れが起こると推定する。
本発明(3)における推定方法は、(1)式の代わりに、打ち抜き時のクリアランスと限界相当塑性歪εcrとの関係を(5)式より求め、伸びフランジ割れ評価対象となる部材の打ち抜きクリアランスCpartから、限界相当塑性歪εcr partを求める方法である。打ち抜き時のクリアランスCは設計事項であるため通常は既知であるから、特に測定のような作業は必要無い。仮にクリアランス量が不明である場合は、例えばクリアランス内に粘土を流し込んで型を取り、型の大きさを測るような作業を行って測定すればよい。(5)式を同定するための試験水準は、端面の形状測定の要否以外は(1)式の場合と同様である。
本発明(1)と同様の作業を行って導出したεcr partを用いて、本発明(2)と同様にFLDを補正すれば、本発明(2)のように、(5)式同定のための評価試験と伸びフランジ割れ評価対象の部材のΔεr、Δεθの比率が大きく異なる場合であっても、より精度の高い伸びフランジ割れ予測が可能である(前記本発明(4))。
以上の方法は、クリアランスと穴径を変えた打ち抜きにより作成した丸穴試験片を用いて穴広げ試験を行うと、(1)式、または(5)式の同定が簡便、かつ、高精度な伸びフランジ割れ予測が行える(前記本発明(5))。穴広げ試験は、通常行われる伸びフランジ加工と端面の変形状態が近く、かつ、穴広げ率λ%から、εcrを(6)式により求めることができるので、(1)式、(5)式を同定するためのデータ処理を簡便に行える(スクライブドサークルやグリッドを計測することで求めても良い)。穴広げ試験における穴径を変化させれば、複数のεcrとΔεrの組み合わせを得ることができる。円錐穴広げ試験と円筒穴広げ試験でもεcrとΔεrの組み合わせが異なるため、これらの試験を併用すればより高精度に(1)式、または(5)式の同定を行える。ただし、穴広げ試験は打ち抜き穴の稜線方向(周方向)で歪の分布が一様であるため、Δεθ=0となることを注意しなければならない。(1)式または(5)式は、Δεθの項を持つことができず、もし、伸びフランジ割れ予測で誤差が大きい場合は、Δεθが0とならない切欠き引張試験片の引張や伸びフランジ加工そのものを再現するようなモデル金型によるフランジアップ試験、後述のサイドベンド試験を行う必要がある。
Δεθの影響を再現できる評価試験方法として、穴広げ試験とは別に、打ち抜き切欠き材に対する図6に示すような曲げ試験が挙げられる(前記本発明(6))。以下、この試験をサイドベンド試験と称する。サイドベンド試験では、試験片9の打ち抜き部稜線8は半円状であることが多く、この半円の径を変えることにより、Δεθ、Δεrの値を変化させることができる。伸びフランジ変形と打ち抜き面の変形状態が近いことから、より精度良く(1)式または(5)式の同定が可能である。
また、歪勾配値の代わりに応力勾配値を用いれば、より高精度な伸びフランジ割れ予測が可能である(前記本発明(7))。相当塑性歪εpは変形の履歴に応じて値が異なるため、変形の履歴が(1)式または(5)式を同定するための試験と伸びフランジ割れ評価対象のものとで大きく異なる場合は、大きな誤差が生じる可能性がある。一方、相当応力σpは変形履歴の影響を受けないため、このような問題は起きない。
相当応力σpは測定することができないので、実測して求める場合は、相当塑性歪値より、(7)式のように求めれば良い。
ここで、関数pは、加工硬化則と呼ばれるものである。応力勾配値は、以下の(8)式、(9)式のように定義される。
歪勾配値を応力勾配値で置き換えた(1)式、(5)式は、(10)式、(11)式のようになる。
ここで、(12)式を用いて、(10)’式、(11)’式としてもよい。
本発明(2)、(4)に対しても、歪勾配の代わりに応力勾配を用いることができ、その場合は図4の歪値εを応力値σに置き換えた応力FLDを用いる。
また、伸びフランジ割れが発生するエッジ部の歪状態は単軸引張状態となり、塑性力学的に単軸引張変形における相当塑性歪は単軸引張方向の歪または最大主歪と同義であることは言うまでもない。すなわち、ここで述べた限界相当塑性歪εcr、限界歪εcr part、予測対象部位の相当塑性歪εp等に使われる相当塑性歪は単軸引張方向の歪または最大主歪と言い換えることができる。
さらに、本発明における割れ判定システムでは、有限要素法によるプレス成形シミュレーション結果を用いて、伸びフランジ割れが発生する部位をコンピュータで自動的に判定することが可能である。
図7は、本発明による割れ判定システムの構成を示す。図7を参照して、割れ判定システムの処理の流れを説明する。本発明の割れ判定システムは、有限要素法による成形解析結果の読み込み部31を有し、この読み込み部31により、有限要素法の汎用的なソフトウェアで解析された結果を取り込むことが可能である。そして、取り込んだ全ての要素から、エッジ部の要素を自動的に抽出する自動抽出機能32を有している。エッジ部の要素の自動抽出は、各要素を構成している節点番号の共有状況から判断することができる。例えば四角形の要素であれば2要素のみで共有されている節点が外周部にある節点と認識できるため、その節点が有する要素がエッジ要素と識別することができる。または各要素を構成している辺の共有状況から判断する方法もある。エッジ部以外の要素の辺は必ず他の要素と共有されているため、他の要素と共有されていない辺を有する要素はエッジ要素と認識することが可能である。
抽出されたエッジ部の各要素に対して、上記に示した伸びフランジ割れの推定方法による割れ判定機能33を有することにより、コンピュータで自動的に伸びフランジ割れ判定を行うことができる。エッジ部以外の要素に対しては通常の割れ判定、すなわち成形限界線図や板厚減少率による割れ判定を併せて行う割れ判定機能34を有する。ここでいう成形限界線図による判定とは、ひずみ平面図上に実験や理論による成形限界線を読み込んでおき、各要素のひずみ値が限界線を超えているかどうかを比較して判定するものである。また、ひずみの代わりに応力平面図上の応力限界線を用い、各要素の応力値と比較しても良い。また、板厚減少率による割れ判定とは、あらかじめ被加工材の限界板厚歪を実験や理論で決定しておき、各要素の板厚減少率が限界値を超えているかどうかを比較するものである。これらの方法と同時に割れ判定することで、伸びフランジ割れと通常割れのどちらの割れが早く起こるかを評価することが可能である。さらに、エッジ要素の伸びフランジ割れ判定結果とエッジ以外の要素の通常割れ判定結果を同時に3次元変形図上に表示する表示機能35を有することで、各割れ形態に応じた割れ危険位置を視覚的に把握することができる。
このように、コンピュータによるプレス成形シミュレーションにおいて通常割れだけでなく伸びフランジ割れを精度良く予測できるようになれば、事前に対策を講じることができ、金型製作時または金型修正時におけるトライアンドエラーを減らし工数削減を図ることができる。
本発明の実施例1として、図8に示す形状のブランク板11を打ち抜き加工して作成し、このブランク板11を図9に示す伸びフランジ成形用金型17にて成形する際の伸びフランジ割れ予測を実施した。
伸びフランジ成形用金型17によるブランク板11の伸びフランジ部形状は、ブランク板11のコーナー曲率半径Rと直線部開き角θから構成される。本実施例では、ブランク板11は、R=60mm、θ=120°の形状とした。また、伸びフランジ成形には、打ち抜き形状に対応するダイ22およびパンチ21を用いた。ブランク板11には、板厚1.6mm、引張強さ780MPa級冷延鋼板を用いた。ブランク板11の幅Wは140mmで一定とした。また、打ち抜きにはパッド23(板逆押さえ)を用い、パッド背圧5トンの条件で打ち抜き加工を施した。打ち抜き時のクリアランスは、板厚に対して11%である。フランジ高さHは、10、15、20、25、30mmの5水準として伸びフランジ試験を行った。フランジ高さHは、図8に示すブランク板11の中央部の全長Htotalから、パンチ21とパッド23に挟まれるブランク板11平坦部の中央部高さHflatを引いた距離(Htotal−Hflat)である。なお、図8中のLpは、パンチ21の縁部の形状を示す。成形試験の結果、各フランジ高さに対する成形可否は表1のようになり、伸びフランジ割れは、フランジ高さHが25mmのときに生じた。
続いて、(1)式を同定するため、図10(a)に示すような、対頂角60度の円錐状のパンチ15を用いた穴広げ試験を実施した。試験片12の形状は120mm×120mmの矩形で、その中央部に、打ち抜き加工により穴加工を施した。試験片12の初期の穴径d0を5mm、10mm、15mmの3水準、打ち抜きクリアランスを5%、10%、15%の3水準として、総計9水準の実験を各5回ずつ行った。打ち抜き面のせん断面率γは各水準で端面観察用の図10(b)に示すような打ち抜きサンプルも採取し、光学顕微鏡観察により求めた。また、穴縁の限界引張歪は、穴広げ試験後の穴径d1による穴広げ率から対数歪に換算した値を用いた。5回の実験結果値を平均した結果を図11に示す。この実験により得られた打ち抜き面の剪断面比率γ、歪勾配Δεr、及び限界相当塑性歪εcrの結果値より、各パラメータとεcrが線形関係にあることを仮定して最小2乗法を用いると(1)式は、(13)式として導出された。
なお、歪勾配の測定は、2mmグリッドのスクライブパターンをエッチングにより転写しておき、割れ発生時点でのクリアランス方向の歪分布を測定した。この歪分布を5次多項式で近似した後、導関数を求めて穴縁の歪勾配を求めた。これは端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrに相当する。
続いて、上記の伸びフランジ成形試験のシミュレーションを有限要素法により実施した。有限要素法のソルバーには、市販のFEMコードであるABAQUS/Standardを使用した。フランジ高さHは、実成形品と同じH=10、15、20、25、30mmの5水準を実施し、要素タイプとして、ABAQUS/Standardの要素ライブラリーにおける低減ひずみシェル要素を用いた。初期要素サイズは2mmとした。
(13)式に必要な値である、伸びフランジ成形試験で測定された打ち抜き面の剪断面比率γpartは、28%であった。Δεrはシミュレーション上で各要素中心の歪分布を5次多項式で近似した後に導関数を求めて算出した。これらの値を用い、(14)式を満たす要素が成形シミュレーション終了後に存在した場合に、伸びフランジ割れが発生したと判定した。
結果、図8のブランク板11に示したコーナー中央部10に歪集中する解析結果が得られ、実際の割れ位置と場所が一致するとともに、(14)式により伸びフランジ割れ可否を判定したところ、30mmで割れが生じ、それ以外のフランジ高さのシミュレーションでは割れが生じない結果となった。
この結果は、大きめの見積もりではあるものの、限界フランジ高さの予測値は表1の成形試験結果と近い値を示しており、本発明の効果が確認された。
実施例1と同じ試験を行った後に、実施例1と同じ素材に対して、中島法と呼ばれる張り出し試験を行い、図12に示すFLD(成形限界線図)を得た。図12に示すFLDは、歪状態が原点を挟んで限界線の外側にプロットされるような場合に割れが生じるという、板材の破断が起こる歪状態を示すグラフである。
端面測定により得られるγpartと伸びフランジ成形シミュレーションより得られるΔεrより、εcr partを算出し、この値を用いて、さらに図12に示すようにFLDを補正する。補正された図12のFLDより伸びフランジ割れを判定したところ、フランジ高さが30mmの際に割れが生じ、それ以下では割れが生じないという結果を得た。表1に示す実際の伸びフランジ割れ結果より大きめではあるが、本発明による予測値は概ね実験結果と一致しており、本発明の効果が確認された。
実施例1と同じ試験を行い、穴広げ試験結果からクリアランスCと歪勾配Δεr、限界相当塑性歪εcrの関係を2次多項式で近似する関係式(15)式を得た。
続いて、実施例1と同じ伸びフランジ成形試験のシミュレーションを実施した。伸びフランジ試験におけるクリアランスは板厚に対して11%であるから、C/t=11であるので、割れ判定の条件式は(16)式となり、(16)式を満たす要素が成型シミュレーション終了後に存在した場合に伸びフランジ割れが発生したと判定する。
結果として、図8のブランク板11に示したコーナー中央部10に歪集中する解析結果が得られ、実際の割れ位置と場所が一致するとともに、(16)式を用いて伸びフランジ割れ可否を判定したところ、20mmで割れが生じ、それ以下のフランジ高さのシミュレーションでは割れが生じない結果となった。
この結果は、表1に示す実際の伸びフランジ割れ結果より小さめの見積もりではあるものの、限界フランジ高さの予測値は表1の成形試験結果と近い値を示しており、本発明の効果が確認された。
実施例2と同じ試験を行い、得られたFLDに対して、クリアランスCpartと伸びフランジ成形シミュレーションより得られるΔεrを(15)式に代入することにより得られたεcr partを用いて図13のごとくFLDを修正し、修正された図13のFLDより伸びフランジ割れを判定したところ、フランジ高さが20mmの際に割れが生じ、それ以下では割れが生じないという結果を得た。表1に示す実際の伸びフランジ割れ結果より低めではあるが、本発明による予測値は概ね実験結果と一致しており、本発明の効果が確認された。
(1)式の同定にサイドベンド試験を行うこと以外が全て実施例1と同じである試験を行った。
サイドベンド試験には、図14に示す試験片9を用いた。図14に示す試験片9は、打ち抜き加工により半円状の切欠き16が設けられている。切欠き16の径d2を5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mmの6水準、打ち抜きクリアランスを5%、10%、15%の3水準として、総計18水準の実験を各5回ずつ行った。打ち抜き面の剪断面比率γは各水準で端面観察用の打ち抜きサンプルも採取し、光学顕微鏡観察により求めた。5回の実験結果値を平均した結果を表2に示す。この実験により得られた打ち抜き面のせん断面比率γ、歪勾配Δεr、及び限界相当塑性歪εcrの結果値より、各パラメータの2次までの項を考慮して最小2乗法を用いると、(1)式は(17)式と同定された。
なお、歪と歪勾配の測定は、実施例1と同様に実施した。
続いて、実施例1と同じ伸びフランジ成形試験のシミュレーションを有限要素法により実施した。γpart=28%であるので、割れ判定の条件式は(18)式となり、(18)式を満たす要素が成形シミュレーション終了後に存在した場合に、伸びフランジ割れが発生したと判定する。
結果として、図8のブランク板11に示したコーナー中央部10に歪集中する解析結果が得られ、実際の割れ位置と場所が一致するとともに、(18)式を用いて伸びフランジ割れ可否を判定したところ、フランジ高さ25mmの水準で割れが生じ、それ以外のフランジ高さのシミュレーションでは割れが生じない結果となった。限界フランジ高さの予測値は表1の成形試験結果と一致しており、本発明の効果が確認された。
歪値の代わりに応力値を用いること以外は実施例1と同じである伸びフランジ割れ予測試験を行った。
応力値の測定は、2mmグリッドのスクライブパターンをエッチングにより転写しておき、割れ発生時点でのクリアランス方向の歪値を測定して加工硬化関数pに代入することによって行った。得られた応力値の分布を5次多項式で近似した後、導関数を求めて穴縁の応力勾配を求めた。これは端部稜線垂直方向の応力勾配Δσrに相当する。
加工硬化関数はJIS5号引張り試験を行うことにより測定し、(19)式を得た。
以上の手法により、(20)式が同定され、γpart=28%より伸びフランジ割れの判定条件は、(21)式となる。なお、Δσrはシミュレーション上で各要素中心の相当応力分布を5次多項式で近似した後に導関数を求めて算出する。
結果として、図8のブランク板11に示したコーナー中央部10に歪集中する解析結果が得られ、実際の割れ位置と場所が一致するとともに、(21)式を用いて伸びフランジ割れ可否を判定したところ、フランジ高さ30mmの水準で割れが生じ、それ以下のフランジ高さのシミュレーションでは割れが生じない結果となった。限界フランジ高さの予測値は表1の成形試験結果と一致しており、本発明の効果が確認された。
本発明の実施例7として、図15左上に示す直径110mmの円板状の板の中心に直径10mmの内穴24aを打ち抜き加工した円形ブランク24を作成し、この円形ブランク24を直径50mmの深絞り用パンチで図15右下に示すような円筒深絞り成形品25に加工する際の伸びフランジ割れ予測を実施した。材料特性としては一般鋼板SPCCのデータを入力し、しわ押さえ力を2ton、摩擦係数を0.15として有限要素法ソフトLS−DYNAによるプレス成形解析を実施した。
成形高さ18mmのときの成形解析結果を本発明の割れ判定システムに取り込み、自動的にエッジ要素を抽出した。ここでは、要素を構成するエッジの共有情報からエッジ要素を抽出した。その結果を図16に示す。円形ブランク24の外周及び内穴24aに接する要素のみがエッジ要素として抽出された。その他の要素はエッジ以外の要素として識別された。本発明の割れ判定システムによる割れ判定の例を図17に示す。図17は各要素のひずみ状態をひずみ平面図上にプロットしたものである。ここで三角形のマークはエッジ要素のひずみ状態を示しており、白ぬきのマークは割れ判定とされなかった要素である。黒塗りのマークは割れ判定とされた要素を示す。割れ判定の歪限界εcr partは、ここで用いた素材を実施例1と同条件の穴広げ限界から決定した値を用いた。また、丸のマークはエッジ以外の要素のひずみ状態を示しており、白ぬきのマークは割れ判定とされなかった要素である。黒塗りのマークは割れ判定とされた要素を示す。割れ判定の成形限界線は、球頭張出し工具を用いた中島法による成形限界歪測定方法により測定した。この割れ判定とされた要素の位置を3次元変形図上に示したのが図18である。内穴端部に伸びフランジ割れと判定された要素、パンチ肩部付近に通常割れと判定された要素が示され、破断危険性の高い部位を判りやすく表示できる。実際に同条件での円筒深絞り試験を行ったところ、成形高さ18mmのときに穴縁で割れが発生した。また、パンチ肩近傍ではネッキングが起こっており、十分な精度で割れの位置を予測可能なことがわかった。
本発明は、板材の伸びフランジ割れの予測に適用できる。
1 被加工材
2 パンチ
3 ダイ
4 だれ
5 剪断面
6 破断面
7 ばり
8 打ち抜き部稜線
9 試験片
10 コーナー中央部
11 ブランク板
12 試験片
15 パンチ
16 切欠き
17 伸びフランジ用成型金型
21 パンチ
22 ダイ
23 パッド
24 円形ブランク
24a 内穴
25 円筒深絞り成形品
31 読み込み部
32 自動抽出機能
33、34 割れ判定機能
35 表示機能
Lp パンチ縁部の形状曲線

Claims (9)

  1. 打ち抜き端面の伸びフランジ割れを予測する方法であって、
    予め、予測対象となる形状とは異なる形状または工具条件による打ち抜きと打ち抜き端面に引張変形を加える試験を行い、その際に、材料の打ち抜き時の剪断面比率γと、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrのいずれか一方又は両方と、打ち抜き端面の引張試験における端面に割れが生じる限界相当塑性歪εcrとの関係を数式として近似して求め、前記予測対象となる打ち抜きを行った材料の剪断面比率γpartを測定すると共に、有限要素法で前記予測対象の打ち抜き端面の伸びフランジ成形解析を行い、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrの何れか一方又は両方を算出し、前記剪断面比率γpartと前記歪勾配Δεθ及びΔεrの何れか一方又は両方を前記数式に代入して前記予測対象となる打ち抜き端面に割れが生じる限界歪εcr partを求め、その次に前記成形解析で求めた要素毎におけるフランジ部の相当塑性歪εpと、前記実部品の限界歪εcr partを比較して伸びフランジ割れを推定することを特徴とする歪勾配を考慮した伸びフランジ割れの推定方法。
  2. 打ち抜き端面の伸びフランジ割れを予測する方法であって、
    予め、予測対象となる形状とは異なる形状または工具条件による打ち抜きと打ち抜き端面に引張変形を加える試験を行い、その際の材料の打ち抜き時の剪断面比率γと、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrのいずれか一方又は両方と、打ち抜き端面の引張試験における端面に割れが生じる限界相当塑性歪εcrとの関係を数式として求めた後、前記予測対象の打ち抜き端面の伸びフランジの剪断面比率γpartを測定すると共に、有限要素法で前記予測対象の打ち抜き端面の伸びフランジ成形解析を行い、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrの何れか一方又は両方を算出し、前記剪断面比率γpartと前記歪勾配Δεθ及びΔεrの何れか一方又は両方を前記数式に代入して前記予測対象となる打ち抜き端面に割れが生じる限界歪εcr partを求め、その次に理論成形限界線図又は実験成形限界線図の単軸引張歪が前記実部品の限界歪εcr partと一致するように前記理論成形限界線図又は実験成形限界線図の補正を行った後、前記成形解析で求めた要素毎におけるフランジ部の相当塑性歪εpと、前記補正後の理論成形限界線図又は実験成形限界線図の単軸引張での限界歪εcr partを比較して伸びフランジ割れを推定することを特徴とする歪勾配を考慮した伸びフランジ割れの推定方法。
  3. 打ち抜き端面の伸びフランジ割れを予測する方法であって、
    予め、予測対象となる形状とは異なる形状または工具条件による打ち抜きと打ち抜き端面に引張変形を加える試験を行い、その際の材料の打ち抜き時のクリアランスCと、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrのいずれか一方又は両方と、打ち抜き端面の引張試験における端面に割れが生じる限界相当塑性歪εcrとの関係を数式として近似して求め、有限要素法で前記予測対象の打ち抜き端面の伸びフランジ成形解析を行い、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrの何れか一方又は両方を算出し、前記予測対象となる打ち抜きのクリアランスCpartと前記歪勾配Δεθ及びΔεrの何れか一方又は両方を前記数式に代入して前記予測対象となる打ち抜き端面に割れが生じる限界歪εcr partを求め、その次に前記成形解析で求めた要素毎におけるフランジ部の相当塑性歪εpと、前記実部品の限界歪εcr partを比較して伸びフランジ割れを推定することを特徴とする歪勾配を考慮した伸びフランジ割れの推定方法。
  4. 打ち抜き端面の伸びフランジ割れを予測する方法であって、
    予め、予測対象となる形状とは異なる形状または工具条件による打ち抜きと打ち抜き端面に引張変形を加える試験を行い、その際の材料の打ち抜き時のクリアランスCと、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrのいずれか一方又は両方と、打ち抜き端面の引張試験における端面に割れが生じる限界相当塑性歪εcrとの関係を数式として求めた後、有限要素法で前記予測対象の打ち抜き端面の伸びフランジ成形解析を行い、端部稜線方向の歪勾配Δεθ及び端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrの何れか一方又は両方を算出し、前記予測対象となる打ち抜きのクリアランスCpartと前記歪勾配Δεθ及びΔεrの何れか一方又は両方を前記数式に代入して前記予測対象となる打ち抜き端面に割れが生じる限界歪εcr partを求め、その次に理論成形限界線図又は実験成形限界線図の単軸引張歪が前記実部品の限界歪εcr partと一致するように前記理論成形限界線図又は実験成形限界線図の補正を行った後、前記成形解析で求めた要素毎におけるフランジ部の相当塑性歪εpと、前記補正後の理論成形限界線図又は実験成形限界線図の単軸引張での限界歪εcr partを比較して伸びフランジ割れを推定することを特徴とする歪勾配を考慮した伸びフランジ割れの推定方法。
  5. 前記打ち抜きと打ち抜き端面に引張変形を加える試験が、丸穴の打ち抜きと丸穴に対する穴広げ加工試験であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の歪勾配を考慮した伸びフランジ割れの推定方法。
  6. 前記打ち抜きと打ち抜き端面に引張変形を加える試験が、打ち抜きと打ち抜きにより作成した切欠き試験片に対する曲げ試験であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の歪勾配を考慮した伸びフランジ割れの推定方法。
  7. 端部稜線方向の歪勾配Δεθの代わりに端部稜線方向の応力勾配Δσθを用い、端部稜線垂直方向の歪勾配Δεrの代わりに端部稜線垂直方向の応力勾配Δσrを用いることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の歪勾配を考慮した伸びフランジ割れの推定方法。
  8. 有限要素法によるプレス成形解析結果の読み込み部を有し、前記読み込み部に読み込まれた解析結果からエッジ部の要素を抽出する機能と、前記エッジ部の要素に対して請求項1〜6のいずれかの伸びフランジ割れの推定方法により割れ判定を行う機能を有することを特徴とするプレス成形シミュレーションの伸びフランジ割れ判定システム。
  9. 有限要素法によるプレス成形解析結果の読み込み部を有し、前記読み込み部に読み込まれた解析結果からエッジ部の要素を抽出する機能と、前記エッジ部の要素に対して請求項1〜6のいずれかの伸びフランジ割れの推定方法により割れ判定を行う機能と、前記エッジ部以外の要素に対しては成形限界線または板厚減少率による割れ判定を行う機能と、前記割れ判定を行う機能により割れと判定された要素を3次元変形図上に同時に表示する機能を有することを特徴とするプレス成形シミュレーションの伸びフランジ割れ判定システム。
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