JP6314626B2 - プレス成形性の評価方法、装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 - Google Patents
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Description
通常、自動車外板パネルや車体骨格部品は、プレス成形により所定の部品形状に加工される。その際、これら規格の特性値を参考に材料を選定するが、プレス成形で問題となる破断やしわ等の成形不良は、これら特性値から定量的に推定できるものではなく、部品形状やプレス工程・金型形状・加工条件等にも影響されるため、これらを総合的に検討する必要がある。そのため、有限要素法(FEM)を用いたプレス成形性の予測評価を行い、実際のプレス加工時に安定して生産が行えるように材料が選定され、加工条件等が最適化される。ここで、降伏強さ、引張強さ、伸びやr値、穴広げ率は比較的簡易な機械試験により得られるわりには、材料のプレス成形性の優劣を判断する上で参考となる指標であるため、各種材料の許容範囲はこれらで規定されている。
これを防ぐには、その規格許容範囲内で最も成形性に劣る特性を有する材料を供して事前に評価しておけばよい。ところが、最も成形性に劣る特性を有する材料を製造するのは容易ではない。最も成形性に劣る材料とは、伸びやr値、穴広げ率が下限で、降伏強さや引張強さが上限となる材料であると考えられるが、これらの特性値の1つ以上が想定した限界値近傍となるよう製造条件を制御するのは現実的には不可能に近い。
また、円錐パンチ穴広げ試験により得られる穴広げ率λでエッジ破断の危険性を評価する場合、以下の技術課題がある。すなわち、円錐パンチ穴広げ試験では、材料が等方性であれば軸対称を維持したまま変形が進むため、穴縁端部の周方向伸びひずみは一様に増加し、破断が発生したときにはフランジ端周方向のどの部位も破断限界ひずみ近傍の大きな伸びを呈している。しかしながら、実部品でエッジ破断が問題となる部位では、周方向にひずみ分布が不均一となることが多く、円錐穴広げ限界を基準とした破断評価は信頼性が低い。
(1) プレス成形に供される材料が材料規格に従って指定されており、該材料のプレス成形性を評価するプレス成形性の評価方法であって、
コンピュータが、
材料の製造実績のデータベースを利用して、前記材料規格の許容範囲内の材料の品質ばらつきの分布に応じて材料パラメータを同定する第1のステップと、
前記材料パラメータによる品質ばらつきの影響を考慮した張出し成形部の破断の破断限界を計算する第2のステップと、
前記材料パラメータによる品質ばらつきと打抜きクリアランスによるばらつきの影響を考慮したエッジ破断の破断限界を計算する第3のステップと、
有限要素法による成形解析で得られる状態量が、張出し成形部の破断及びエッジ破断いずれかの破断形態の破断限界に達したときに、その破断形態で破断したと評価する第4のステップとを実行し、
前記第1のステップにおいて、材料の降伏強さYP、引張強さTS、均一伸びU.Elそれぞれの平均値m、標準偏差σを計算し、前記データベースから製造実績の平均的な特性に最も近いデータYP m 、TS m 、U.El m を、
{(YP−YP m )/YP m } 2 +{(TS−TS m )/TS m } 2 +{(U.El−U.El m )/U.El m } 2
が最小となるようサンプルを抽出し、
伸びの下限材は、降伏強さYPのm+kσ、引張強さTSのm+kσ、均一伸びU.Elのm−kσ(k=1〜3)に最も近いサンプルを選択し、
前記第1のステップにおいて、前記製造実績の平均的な特性に最も近いデータYP m 、TS m 、U.El m と伸びの下限に近いデータYP m+kσ 、TS m+kσ 、U.El m-kσ を用いて、材料の加工硬化特性を表現するσ eq =K(ε eq +ε 0 ) n (σ eq は相当応力、ε eq は相当ひずみ)のパラメータK、ε 0 、nを、
K=TS m+kσ (1+U.El m-kσ /100)/n n
ε 0 =(YP m+kσ /K) 1/n
n=ln(1+U.El m-kσ /100)
の関係を満足するようフィッティングして求めることを特徴とするプレス成形性の評価方法。
(2) 前記第2のステップにおいて、前記同定したパラメータK、ε0、nとひずみ比ρ=ε2/ε1(ε1:最大主ひずみ、ε2:最小主ひずみ)、板厚t0を用いて、張出し成形部の破断の破断限界ひずみε1 *を、下式により求めることを特徴とする(1)に記載のプレス成形性の評価方法。
(4) 前記第3のステップにおいて、試験により得られたクリアランスと穴広げ率λの関係に基づいて、伸びの下限に近いU.Elm-kσ と最も低い限界穴広げ率λminを用いて、エッジ破断の破断限界ひずみε1 *を、ε1 *=aln(1+U.Elm-kσ /100)+(1−a)ln(1+λmin/100)(aは材料パラメータ)として求めることを特徴とする(1)又は(2)に記載のプレス成形性の評価方法。
(5) プレス成形に供される材料が材料規格に従って指定されており、該材料のプレス成形性を評価するプレス成形性の評価装置であって、
材料の製造実績のデータベースを利用して、前記材料規格の許容範囲内の材料の品質ばらつきの分布に応じて材料パラメータを同定する材料パラメータ同定手段と、
前記材料パラメータ同定手段で同定した材料パラメータによる品質ばらつきの影響を考慮した張出し成形部の破断の破断限界を計算する第1の破断限界演算手段と、
前記材料パラメータ同定手段で同定した材料パラメータによる品質ばらつきと打抜きクリアランスによるばらつきの影響を考慮したエッジ破断の破断限界を計算する第2の破断限界演算手段と、
有限要素法による成形解析で得られる状態量が、前記第1の破断限界演算手段及び前記第2の破断限界演算手段で計算した、張出し成形部の破断及びエッジ破断いずれかの破断形態の破断限界に達したときに、その破断形態で破断したと評価する解析評価手段とを備え、
前記材料パラメータ同定手段において、材料の降伏強さYP、引張強さTS、均一伸びU.Elそれぞれの平均値m、標準偏差σを計算し、前記データベースから製造実績の平均的な特性に最も近いデータYP m 、TS m 、U.El m を、
{(YP−YP m )/YP m } 2 +{(TS−TS m )/TS m } 2 +{(U.El−U.El m )/U.El m } 2
が最小となるようサンプルを抽出し、
伸びの下限材は、降伏強さYPのm+kσ、引張強さTSのm+kσ、均一伸びU.Elのm−kσ(k=1〜3)に最も近いサンプルを選択し、
前記材料パラメータ同定手段において、前記製造実績の平均的な特性に最も近いデータYP m 、TS m 、U.El m と伸びの下限に近いデータYP m+kσ 、TS m+kσ 、U.El m-kσ を用いて、材料の加工硬化特性を表現するσ eq =K(ε eq +ε 0 ) n (σ eq は相当応力、ε eq は相当ひずみ)のパラメータK、ε 0 、nを、
K=TS m+kσ (1+U.El m-kσ /100)/n n
ε 0 =(YP m+kσ /K) 1/n
n=ln(1+U.El m-kσ /100)
の関係を満足するようフィッティングして求めることを特徴とするプレス成形性の評価装置。
(6) プレス成形に供される材料が材料規格に従って指定されており、該材料のプレス成形性を評価するためのプログラムであって、
材料の製造実績のデータベースを利用して、前記材料規格の許容範囲内の材料の品質ばらつきの分布に応じて材料パラメータを同定する処理と、
前記材料パラメータによる品質ばらつきの影響を考慮した張出し成形部の破断の破断限界を計算する処理と、
前記材料パラメータによる品質ばらつきと打抜きクリアランスによるばらつきの影響を考慮したエッジ破断の破断限界を計算する処理と、
有限要素法による成形解析で得られる状態量が、張出し成形部の破断及びエッジ破断いずれかの破断形態の破断限界に達したときに、その破断形態で破断したと評価する第4の処理とをコンピュータに実行させ、
前記材料パラメータを同定する処理において、材料の降伏強さYP、引張強さTS、均一伸びU.Elそれぞれの平均値m、標準偏差σを計算し、前記データベースから製造実績の平均的な特性に最も近いデータYP m 、TS m 、U.El m を、
{(YP−YP m )/YP m } 2 +{(TS−TS m )/TS m } 2 +{(U.El−U.El m )/U.El m } 2
が最小となるようサンプルを抽出し、
伸びの下限材は、降伏強さYPのm+kσ、引張強さTSのm+kσ、均一伸びU.Elのm−kσ(k=1〜3)に最も近いサンプルを選択し、
前記材料パラメータを同定する処理において、前記製造実績の平均的な特性に最も近いデータYP m 、TS m 、U.El m と伸びの下限に近いデータYP m+kσ 、TS m+kσ 、U.El m-kσ を用いて、材料の加工硬化特性を表現するσ eq =K(ε eq +ε 0 ) n (σ eq は相当応力、ε eq は相当ひずみ)のパラメータK、ε 0 、nを、
K=TS m+kσ (1+U.El m-kσ /100)/n n
ε 0 =(YP m+kσ /K) 1/n
n=ln(1+U.El m-kσ /100)
の関係を満足するようフィッティングして求めることを特徴とするプログラム。
(7) (6)に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
図1に、実施形態に係るプレス成形性の評価装置100の機能構成を示す。プレス成形性の評価装置100は、プレス成形に供される材料である薄板が材料規格に従って指定されており、該材料のプレス成形性を評価する。
101は材料パラメータ同定部であり、材料の製造実績のデータベース105を利用して、材料規格の許容範囲内の材料の品質ばらつきの分布に応じて材料パラメータを同定する。
102は第1の破断限界演算部であり、材料パラメータ同定部101で同定した材料パラメータによる品質ばらつきの影響を考慮した張出し成形部の破断の破断限界を計算する。
103は第2の破断限界演算部であり、材料パラメータ同定部101で同定した材料パラメータによる品質ばらつきと打抜きクリアランスによるばらつきの影響を考慮したエッジ破断の破断限界を計算する。
104は解析評価部であり、成形CAEでの有限要素法による成形解析で得られる状態量が、第1の破断限界演算部102及び第2の破断限界演算部103で計算した、張出し成形部の破断及びエッジ破断いずれかの破断形態の破断限界に達したときに、その破断形態で破断したと評価する。
車体を設計するにあたり、まず当該自動車の構造を設定した後(ステップS1)、CADを用いて自動車部品の形状を設定し(ステップS2)、3次元の自動車部品を記録する。また、金型を用いてプレス加工ができるかどうかを評価するために、金型CADで金型を設計し(ステップS3)、目的に応じてソフトウェアを選択して記録する。なお、ステップS1〜S3の処理は、プレス成形性の評価装置100で行われるようにしてもよいし、他のコンピュータ装置で行われた結果がプレス成形性の評価装置100に入力されるようにしてもよい。
鋼材を製造する工場では、製造された鋼材が工業規格或いは需要家の規格を満足しているか保証するため、出荷コイルごとに試験片を採取し、引張試験等のオンライン試験を行っている。このオンライン試験から得られた機械特性値(降伏応力、引張強さ、伸び等)は、上位コンピュータとして位置付けられているホストコンピュータに蓄積され、データベース105に反映される。このオンライン試験のデータから、以下の手法で規格ごとの代表材、下限データを選択する。
まず、工業規格ごとに材料の降伏強さYP、引張強さTS、均一伸びU.El[%]それぞれの平均値m、標準偏差(品質ばらつきの範囲を正規分布としたときの標準偏差)σを計算し、データベース105から製造実績の平均的な特性に最も近いデータYPm、TSm、U.Elmを、
{(YP−YPm)/YPm}2+{(TS−TSm)/TSm}2+{(U.El−U.Elm)/U.Elm}2
が最小となるようサンプルを抽出する。また、伸びの下限材は、降伏強さYPのm+kσ、引張強さTSのm+kσ、均一伸びU.Elのm−kσ(k=1〜3の任意の値)に最も近いサンプルを選択する。図3に、この手法で選択した平均材、伸びのばらつき範囲下限材の選定事例を示す。
続いて、製造実績の平均的な特性に最も近いデータYPm、TSm、U.Elmと伸びの下限に近いデータYPm+kσ 、TSm+kσ 、U.Elm-kσ を用いて、材料の加工硬化特性を表現するσeq=K(εeq+ε0)n(σeqは相当応力、εeqは相当ひずみ)のパラメータK、ε0、nを、
K=TSm+kσ (1+U.Elm-kσ /100)/nn
ε0=(YPm+kσ /K)1/n
n=ln(1+U.Elm-kσ /100)
の関係を満足するようフィッティングして求める。成形解析には材料の加工硬化特性が必要であり、これは加工硬化曲線で表現される。これにはフィッティングパラメータが含まれており、材料による変形挙動の違いはこのパラメータの値として表現される。例えば加工硬化特性は引張試験により得られた応力−ひずみ曲線で得られるが、成形シミュレーションにおいては、これをいわゆるSwiftの式σeq=K(ε0+εeq)nを用いて近似したものが多用されており、パラメータK、ε0、nを上述したフィッティングにより求めることできる。図4に、同定したパラメータを用いて計算した加工硬化特性と実測値との比較を示す。図4に示すように、比較的良好な近似精度を有していることがわかる。
ここでは、同定した工業規格の許容範囲内の伸び下限材の張出し成形部の破断限界を与えるひずみを推定する。プレス成形において問題となる張出し成形部の破断に対する余裕度は、一般に、FLDを用いて判断される。以下の方法で、伸び下限材のFLDを求める。同定したパラメータK、ε0、nとひずみ比ρ=ε2/ε1(ε1:最大主ひずみ、ε2:最小主ひずみ)、板厚t0を用いて、張出し成形部の破断の破断限界ひずみε1 *を、下式により求める。これにより、破断限界を与える最大主ひずみを最小主ひずみごとに求めることができる。図5に、この手法で求めた伸び下限材のFLDを示す。
ここでは、同定した工業規格の許容範囲内の伸び下限材の材料パラメータと、実験により得られた打抜きクリアランスと穴広げ率の関係から量産時のクリアランスの変動とによる品質ばらつきを考慮したエッジ破断の破断限界ひずみを推定する。図6に、種々の打抜きクリアランスでブランク中央に穴開け加工し、円錐パンチ穴広げ試験により得られたクリアランスと穴広げ率λ[%]の関係を示す。この図から、打抜きクリアランスの増加にともない限界穴広げ率は増し、クリアランス20[%]近傍で一定の穴広げ率を示すことがわかる。すなわち、限界穴広げ率はポンチとダイスのクリアランスに依存して大きく変化することがわかる。クリアランスを変化させたときに観測される最も低い限界穴広げ率λminを用いて、エッジ破断の破断限界ひずみε1 *を、ε1 *=ln(1+λmin/100)として求める。
また、このように円錐パンチ穴広げ試験により得られる穴広げ率λでエッジ破断の危険性を評価する場合、以下の技術課題が顕在化している。すなわち、円錐パンチ穴広げ試験では、材料が等方性であれば軸対称を維持したまま変形が進むため、穴縁端部の周方向伸びひずみは一様に増加し、破断が発生したときにはフランジ端周方向のどの部位も破断限界ひずみ近傍の大きな伸びを呈している。しかしながら、実部品でエッジ破断が問題となる部位では、周方向にひずみ分布が不均一となる。したがって、加工硬化が小さい材料ほどひずみが局所化しやすく、容易に破断限界ひずみに達するものと考えられる。材料の加工硬化は加工硬化指数nで評価でき、それは均一伸びU.Elに等しいことが知られている。そこで、破断限界ひずみに対応する穴広げ率λとひずみ分布のなだらかさに対応するU.Elを材料因子として、エッジ破断の破断限界ひずみε1 *を、ε1 *=aln(1+U.Elm-kσ /100)+(1−a)ln(1+λmin/100)(aは材料パラメータ)として求めることを見出した。
張出し成形部の破断評価は、前述したようにして求めたFLDと変形過程の有限要素法によるシミュレーションの結果から得られる各部位のひずみ状態との位置関係を比較することで評価し、変形過程のひずみが破断限界ひずみに達したときに、破断、もしくはその危険性が高いと判断する。具体的には、図5に示すFLDにおいて、有限要素法により得られた要素のひずみ状態をR、原点0とRを結ぶ直線と破断限界線の交点をAとしたとき、破断危険率はOR/OAとして定量化することができる。
また、エッジ破断の破断評価は、前述したようにして求めたエッジ破断の破断限界ひずみε1 *と変形過程の有限要素法によるシミュレーションの結果から得られる各部位の最大主ひずみε1を比較することで評価し、変形過程のひずみがこの指標に達したときに、破断、もしくはその危険性が高いと判断する。具体的には、破断危険率はε1/ε1 *として定量化することができる。
解析評価部104は、成形解析の結果を用いて、例えば図7に示すように、その破断危険率をコンター表示する(ステップS9)。
具体的には、このプログラムは、例えばCD-ROMのような記憶媒体に記録し、或いは各種伝送媒体によりコンピュータに提供される。このプログラムを記録する記憶媒体としては、CD-ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気テープ、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、このプログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワークシステムにおける通信媒体を用いることができる。ここで、コンピュータネットワークとは、LAN、インターネット等のWAN、無線通信ネットワーク等であり、通信媒体とは、光ファイバ等の有線回線や無線回線である。
また、本発明に含まれるプログラムとしては、供給されたプログラムをコンピュータが実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるようなもののみではない。例えば、そのプログラムがコンピュータにおいて稼動しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して本発明の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて本発明の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。
PC800は、システムバス804に接続される各デバイスを総括的に制御する。805はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)809や不図示のデバイス等からの指示入力を制御する。806はCRTコントローラ(CRTC)であり、CRTディスプレイ(CRT)810の表示を制御する。807はディスクコントローラ(DKC)である。DKC807は、ブートプログラム、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するHD811及びFD812とのアクセスを制御する。ここで、ブートプログラムとは、起動プログラム:パソコンのハードやソフトの実行を開始するプログラムである。808はネットワークプリンタ、他のネットワーク機器、或いは他のPCと双方向のデータのやり取りを行う。
101:材料パラメータ同定部
102:第1の破断限界演算部
103:第2の破断限界演算部
104:解析評価部
105:材料の製造実績のデータベース
Claims (7)
- プレス成形に供される材料が材料規格に従って指定されており、該材料のプレス成形性を評価するプレス成形性の評価方法であって、
コンピュータが、
材料の製造実績のデータベースを利用して、前記材料規格の許容範囲内の材料の品質ばらつきの分布に応じて材料パラメータを同定する第1のステップと、
前記材料パラメータによる品質ばらつきの影響を考慮した張出し成形部の破断の破断限界を計算する第2のステップと、
前記材料パラメータによる品質ばらつきと打抜きクリアランスによるばらつきの影響を考慮したエッジ破断の破断限界を計算する第3のステップと、
有限要素法による成形解析で得られる状態量が、張出し成形部の破断及びエッジ破断いずれかの破断形態の破断限界に達したときに、その破断形態で破断したと評価する第4のステップとを実行し、
前記第1のステップにおいて、材料の降伏強さYP、引張強さTS、均一伸びU.Elそれぞれの平均値m、標準偏差σを計算し、前記データベースから製造実績の平均的な特性に最も近いデータYP m 、TS m 、U.El m を、
{(YP−YP m )/YP m } 2 +{(TS−TS m )/TS m } 2 +{(U.El−U.El m )/U.El m } 2
が最小となるようサンプルを抽出し、
伸びの下限材は、降伏強さYPのm+kσ、引張強さTSのm+kσ、均一伸びU.Elのm−kσ(k=1〜3)に最も近いサンプルを選択し、
前記第1のステップにおいて、前記製造実績の平均的な特性に最も近いデータYP m 、TS m 、U.El m と伸びの下限に近いデータYP m+kσ 、TS m+kσ 、U.El m-kσ を用いて、材料の加工硬化特性を表現するσ eq =K(ε eq +ε 0 ) n (σ eq は相当応力、ε eq は相当ひずみ)のパラメータK、ε 0 、nを、
K=TS m+kσ (1+U.El m-kσ /100)/n n
ε 0 =(YP m+kσ /K) 1/n
n=ln(1+U.El m-kσ /100)
の関係を満足するようフィッティングして求めることを特徴とするプレス成形性の評価方法。 - 前記第3のステップにおいて、試験により得られたクリアランスと穴広げ率λの関係に基づいて、最も低い限界穴広げ率λminを用いて、エッジ破断の破断限界ひずみε1 *を、ε1 *=ln(1+λmin/100)として求めることを特徴とする請求項1又は2に記載のプレス成形性の評価方法。
- 前記第3のステップにおいて、試験により得られたクリアランスと穴広げ率λの関係に基づいて、伸びの下限に近いU.Elm-kσ と最も低い限界穴広げ率λminを用いて、エッジ破断の破断限界ひずみε1 *を、ε1 *=aln(1+U.Elm-kσ /100)+(1−a)ln(1+λmin/100)(aは材料パラメータ)として求めることを特徴とする請求項1又は2に記載のプレス成形性の評価方法。
- プレス成形に供される材料が材料規格に従って指定されており、該材料のプレス成形性を評価するプレス成形性の評価装置であって、
材料の製造実績のデータベースを利用して、前記材料規格の許容範囲内の材料の品質ばらつきの分布に応じて材料パラメータを同定する材料パラメータ同定手段と、
前記材料パラメータ同定手段で同定した材料パラメータによる品質ばらつきの影響を考慮した張出し成形部の破断の破断限界を計算する第1の破断限界演算手段と、
前記材料パラメータ同定手段で同定した材料パラメータによる品質ばらつきと打抜きクリアランスによるばらつきの影響を考慮したエッジ破断の破断限界を計算する第2の破断限界演算手段と、
有限要素法による成形解析で得られる状態量が、前記第1の破断限界演算手段及び前記第2の破断限界演算手段で計算した、張出し成形部の破断及びエッジ破断いずれかの破断形態の破断限界に達したときに、その破断形態で破断したと評価する解析評価手段とを備え、
前記材料パラメータ同定手段において、材料の降伏強さYP、引張強さTS、均一伸びU.Elそれぞれの平均値m、標準偏差σを計算し、前記データベースから製造実績の平均的な特性に最も近いデータYP m 、TS m 、U.El m を、
{(YP−YP m )/YP m } 2 +{(TS−TS m )/TS m } 2 +{(U.El−U.El m )/U.El m } 2
が最小となるようサンプルを抽出し、
伸びの下限材は、降伏強さYPのm+kσ、引張強さTSのm+kσ、均一伸びU.Elのm−kσ(k=1〜3)に最も近いサンプルを選択し、
前記材料パラメータ同定手段において、前記製造実績の平均的な特性に最も近いデータYP m 、TS m 、U.El m と伸びの下限に近いデータYP m+kσ 、TS m+kσ 、U.El m-kσ を用いて、材料の加工硬化特性を表現するσ eq =K(ε eq +ε 0 ) n (σ eq は相当応力、ε eq は相当ひずみ)のパラメータK、ε 0 、nを、
K=TS m+kσ (1+U.El m-kσ /100)/n n
ε 0 =(YP m+kσ /K) 1/n
n=ln(1+U.El m-kσ /100)
の関係を満足するようフィッティングして求めることを特徴とするプレス成形性の評価装置。 - プレス成形に供される材料が材料規格に従って指定されており、該材料のプレス成形性を評価するためのプログラムであって、
材料の製造実績のデータベースを利用して、前記材料規格の許容範囲内の材料の品質ばらつきの分布に応じて材料パラメータを同定する処理と、
前記材料パラメータによる品質ばらつきの影響を考慮した張出し成形部の破断の破断限界を計算する処理と、
前記材料パラメータによる品質ばらつきと打抜きクリアランスによるばらつきの影響を考慮したエッジ破断の破断限界を計算する処理と、
有限要素法による成形解析で得られる状態量が、張出し成形部の破断及びエッジ破断いずれかの破断形態の破断限界に達したときに、その破断形態で破断したと評価する第4の処理とをコンピュータに実行させ、
前記材料パラメータを同定する処理において、材料の降伏強さYP、引張強さTS、均一伸びU.Elそれぞれの平均値m、標準偏差σを計算し、前記データベースから製造実績の平均的な特性に最も近いデータYP m 、TS m 、U.El m を、
{(YP−YP m )/YP m } 2 +{(TS−TS m )/TS m } 2 +{(U.El−U.El m )/U.El m } 2
が最小となるようサンプルを抽出し、
伸びの下限材は、降伏強さYPのm+kσ、引張強さTSのm+kσ、均一伸びU.Elのm−kσ(k=1〜3)に最も近いサンプルを選択し、
前記材料パラメータを同定する処理において、前記製造実績の平均的な特性に最も近いデータYP m 、TS m 、U.El m と伸びの下限に近いデータYP m+kσ 、TS m+kσ 、U.El m-kσ を用いて、材料の加工硬化特性を表現するσ eq =K(ε eq +ε 0 ) n (σ eq は相当応力、ε eq は相当ひずみ)のパラメータK、ε 0 、nを、
K=TS m+kσ (1+U.El m-kσ /100)/n n
ε 0 =(YP m+kσ /K) 1/n
n=ln(1+U.El m-kσ /100)
の関係を満足するようフィッティングして求めることを特徴とするプログラム。 - 請求項6に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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